2009年07月10日

Deodato『Love Island』

心はラブ・アイランドへ...夏らしいフュージョン作品☆Deodato『Love Island』
Love Island
発表年:1978年
ez的ジャンル:軽快&メロウ系ブラジリアン・フュージョン
気分は... :心はラブ・アイランドへ...

昨日は暑かったですね。
思わず夏全開の作品を紹介したくなります。

今回は人気ブラジル人ミュージシャンEumir Deodatoです。

Eumir Deodatoは1943年、リオデジャネイロ生まれのアレンジャー/プロデューサー/コンポーザー/キーボード奏者。10代の頃からブラジル音楽シーンでキャリアをスタートさせ、Marcos Valle、Quarteto Em Cy、Robert Menescal等の作品に参加しています。

1967年、当ブログでも紹介した偉大なブラジル人ギタリストLuiz Bonfaに呼ばれてDeodatoは渡米し、Creed TaylorのCTIとの契約に成功します。アレンジャー/コンダクターとして参加したWes MontgomeryAntonio Carlos Jobim、Milton Nascimento等の作品でCreed Taylorにその才能を認めさせたDeodatoは、自身のリーダー作録音のチャンスを得ます。

こうしてCTIから『Prelude』(1972年)、『Deodato 2』(1973年)等の作品をリリースしています。その後もソロ作品をリリースする傍ら、Earth,Wind & FireKool & the Gang等の作品でアレンジャー/プロデューサーとして活躍しました。90年代にはBjork作品なども手掛けていましたね。昨年(2008年)には来日公演も果たし、健在ぶりを見せてくれました。

当ブログでもプロデューサー、アレンジャー、サンプリング元ネタとしてEumir Deodatoの名を紹介することが多々ありましたが、何故かDeodato自身の作品を紹介する機会を逸していました。

今回、『Deodato 2』『Love Island』(1978年)のどちらにしようか迷いましたが、夏らしい軽快なブラジリアン・フュージョンが聴ける『Love Island』をセレクト!

本作『Love Island』はTommy LiPumaを共同プロデューサーに迎えたワーナー移籍第一弾アルバムです。

レコーディングには、Eumir Deodato(key, vo, perc)以下、Larry Carlton(g)、John Tropea(g)、Ray Gomez(g)、Pops Popwell(b)、Gordon Edwards(b)、Harvey Mason(ds)、Rick Marotta(ds)、Joe Correro(ds)、Jimmy Maelen(per)、Ray Armando(per)、Victor Feldman(per)、Charlie Conrad(per)、Randy Brecker(tp)等が参加しています。また、「Tahitti Hut」 ではAl McKay(g)、Verdine White(b)、Freddie White(ds)、Philip Bailey(per)といったEW&F勢が参加しています。

このメンバーから想像がつくように、夏にピッタリ!軽快&メロウなフュージョン・サウンドを存分に聴かせてくれます。

さぁ、夏らしいフュージョン作品で心はラブ・アイランドへ...

全曲紹介しときやす。

「Area Code 808」
オープニングは灼熱のフュージョン。本作で一番熱く、照り返しが眩しい仕上がりなのでは?聴いているだけで汗ばんできます!

「Whistle Bump」
「San Juan Sunset」と並ぶハイライト曲。本作らしい軽快なジャズ・ファンク・チューンに仕上がっています。Larry Carltonの軽快なギターが真夏へと誘ってくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=mKtAsMFOkIg
(音質悪いです!)

ダンス・クラシックであると同時にMoodymann「Forevernevermore」、Rick Wade「Whistle Bump Track」等のネタにもなっています。
Rick Wade「Whistle Bump Track」
 http://www.youtube.com/watch?v=Uh5fRrhDrY8

「Tahitti Hut」
EW&FのMaurice Whiteとの共作です。前述のように多くのEW&F勢がレコーディングに参加しています。いかにもMaurice White、EW&FらしいメロディとDeodatoらしいアレンジが融合した素晴らしいメロウ・グルーヴに仕上がっています。EW&F好きの人は間違いなく気に入ると思います。出来れば、ヴォーカルはDeodato本人ではなく、Philip Baileyが担当した方がベターだったと思いますが(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=6aXayCXvBO4

「San Juan Sunset」
「Whistle Bump」と並ぶハイライト曲。正にサンセットなメロウ・チューンに仕上がっています。都会の喧騒を忘れさせてくれる、バカンス気分を満喫するのにピッタリな1曲。
http://www.youtube.com/watch?v=IoNg6hk_Z8k
(音質悪いです!)

Lord Finesse「Game Plan」、Pudgee「On The Regular」等のサンプリング・ネタにもなっています。
Lord Finesse「Game Plan」
 http://www.youtube.com/watch?v=WQacbtNuPpU

「Love Island」
タイトル曲もバカンス・モードのメロウ・フュージョン。波の効果音も含めてギター、フェンダー・ローズ、パーカッション、ホーン隊と全てが相当ベタなサマー・フュージョンですが、そこに相当グッときます。気分は既に南の島へ...
http://www.youtube.com/watch?v=2Jv6pw9pttU

「Chariot of the Gods」
軽快なフュージョン・チューン。個人的には以前に紹介した新生Full Moon(Larsen-Feiten Band)「The Visitor」と一緒に聴きたくなる1曲です。

「Pina Colada」
邦題「パインのコーラ」は"そんなアホな!"とツッコミ入れたくなりますね(笑)。Pina Colada(ピナコラーダ)は、以前にRupert Holmes「Escape(The Pina Colada Song)」 でも紹介した通り、パイナップル&ココナッツ&ラム酒のカクテルのことです。この邦題は...担当者がダジャレ好きだと思いましょう(笑)。肝心のサウンドの方は、ファンキーなジャズ・ファンクに仕上がっています。

「Take the "A" Train」
お馴染みのスタンダード「A列車で行こう」のカヴァー。それにしてもこの有名曲をこんなに大胆なアレンジで素敵なメロウ・チューンにしてしまうとは脱帽です。ある意味、Deodatoの才能を最も実感できる1曲なのでは?



今晩は遅まきながら、北野武監督の映画『アキレスと亀』を観ながら記事を書いています。久々にグッとくる北野作品ですね。
人生は険しく、辛い...それでも人は楽しく生きることができる...
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2009年07月09日

Maxwell『Embyra』

Maxwellワールド全開!官能のスタジオ第2作☆Maxwell『Embyra』
Embrya
発表年:1998年
ez的ジャンル:孤高の官能R&Bシンガー
気分は... :新作を購入すべきか?

孤高の官能R&BシンガーMaxwellです。彼の紹介は2回目になります。

『Maxwell's Urban Hang Suite』(1996年)に続いて紹介するのは、2ndスタジオ作『Embrya』(1998年)です。

数日前に待望の新作『BLACKsummers'night』がリリースされました。
前作『Now』(2001年)以来、約8年ぶりの新作となります。

2007年頃から『BLACKsummers'night』のタイトルで新作が出ると言われていましたから、苦節3年ようやくリリースまで漕ぎ着けたといったところでしょうか。

『BLACKsummers'night』
BLACKsummers'night

その『BLACKsummers'night』ですが、購入するか否か迷っている状態です。

「Pretty Wings」(From『BLACKsummers'night』)
 http://www.youtube.com/watch?v=9RBfjHXfvrk

「Bad Habits」(From『BLACKsummers'night』)
 http://www.youtube.com/watch?v=iuzRtalasxQ

「Cold」(From『BLACKsummers'night』)
 http://www.youtube.com/watch?v=brnHRhHWcOw

良く言えば、R&Bシンガーとして成熟したMaxwellに出会えるアルバムという気もしますし、悪く言えば、昔のような圧倒的な個性が薄れてしまったような気がします。

そこで昔の作品を改めて聴いてみようと思い、CD棚から『Embrya』(1998年)を引っ張り出した次第です。

デビュー作『Maxwell's Urban Hang Suite』(1996年)の成功で、ネオ・ソウル世代の官能R&Bシンガーとして一躍注目の存在となったMaxwellが、スタジオ・ライブ『MTV's Unplugged』(1997年)を挟んでリリースしたスタジオ2作目が『Embrya』です。

『Maxwell's Urban Hang Suite』は、"男性版Sade"と称されたほど、アーバン&スタイリッシュなサウンドが印象的でした。

それと比較した場合、本作『Embrya』はサウンド面よりも、真実の愛を求めて、自らの内面を掘り下げていく、哲学的・内省的な世界観が大きく支配しているアルバムという印象が強いですね。サウンド面で言えば、ストリングスも含めた官能グルーヴが目立ちますね。官能グルーヴと言っても、何処か寂しげなのですが...

その意味でMarvin Gayeの持つ官能の世界と、Princeの持つ孤独かつ内省的な世界をネオ・ソウル感覚で仕上げたアルバムといったところでしょうか。

本作も『Maxwell's Urban Hang Suite』同様、全曲セルフ・プロデュースしています(Stuart Matthewmanとの共同プロデュースを含む)。

Maxwellの世界観が全面的に打ち出されたアルバムであり、好き/嫌いが明確に分かれる作品かもしれませんが、彼の持つ圧倒的な個性に出会うことができます。

全曲紹介しときやす。

「Gestation: Mythos」
オープニング曲に先立つ序章として、詩のみが示されています。

「Everwanting: To Want You To Want」
Maxwellのファルセットにグッとくる官能的なミッド・グルーヴ。単にセクシーというだけではなく、クールな雰囲気の中に内省的なものを感じます。
http://www.youtube.com/watch?v=MOF6RWKO6Og

「I'm You: You Are Me and We Are You (Pt. Me and You) 」
♪僕は君、君は僕♪僕達は二人で一つ♪と歌う、本作の世界観を象徴する哲学的なラブソング。サウンド的には重心の低いベースと優雅なオーケストレーションが印象的なミッド・ファンクに仕上がっています。美しくも何処か寂しげなのは何故?
http://www.youtube.com/watch?v=mdd63ga3NCw

「Luxury:Cococure」
アルバムからの1stシングル。真実の愛を探求する内省的なラブソング。どんどん内なる世界へと向かっていくのがMaxwellらしいかもしれません。
http://www.youtube.com/watch?v=4YW-aqJZUNM

「Drowndeep: Hula」
ヘヴンリーな幸福感に包まれるラブソング。それまでの3曲に比べて、穏やかで安らいだ雰囲気があるのがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=DmLJQ7Leyc4

「Matrimony: Maybe You」
一番のお気に入り曲。2ndシングルにもなりました。美しく官能的なラブソングに仕上がっています。本作を支配する哲学的・内省的な雰囲気はあまり感じないので最も聴きやすいのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=oukYoxmt2bE

「Arroz Con Pollo」
「Matrimony: Maybe You」からシームレスに続くインスト。官能的なギターがリードするファンク・チューンです。
http://www.youtube.com/watch?v=WOlKerkyoeg

「Know These Things: Shouldn't You」
良くも悪くもヘヴィな雰囲気が支配するラブ・バラード。官能のファルセットで心の奥へと向かいます。
http://www.youtube.com/watch?v=fjaYL837reI

「Submerge: Til We Become the Sun」
静かなる疾走感が心地好い1曲。時計の秒針のように刻まれるリズムをバックに、官能のファルセット・ヴォーカルが波のように押し寄せてくる感じがたまりません!
http://www.youtube.com/watch?v=m5N8lh9Nm6g

「Gravity: Pushing to Pull」
哀愁モードのミッド・ファンク。オーケストレーションも含めて、なかなかスケール感の大きな1曲に仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=Cr-m4ffKG08

「Each Hour Each Second Each Minute Each Day: Of My Life」
Maxwellのセクシーな魅力が存分に堪能できるミディアム・スロウ。クドいくらい長いタイトルがMaxwellらしい(笑)。
http://www.youtube.com/watch?v=RHQOu4xXiI4

「Embrya」
タイトル曲は不協和音のストリングスと逆回転テープのループによる実験的なインスト。この訳のわからない感じこそが本作の世界なのでしょう(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=myvm1HI-fVM

『BLACKsummers'night』の購入は...もう少しよく考えます。
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2009年07月08日

Jefferson Airplane『Volunteers』

混迷するアメリカへの痛烈なメッセージ☆Jefferson Airplane『Volunteers』
Volunteers
発表年:1969年
ez的ジャンル:反戦・反体制社会派ロック
気分は... :時代を動かそう!

シスコ・ロックを代表するグループJefferson Airplane(JA)の3回目の登場です。

『Bless It's Pointed Little Head』(1969年)、『Surrealistic Pillow』(1967年)に続いて紹介するのは『Volunteers』(1969年)です。

『After Bathing at Baxter's』(1967年)と並んでJA最高傑作の呼び声の高い作品ですね。個人的にも一番好きなJA作品が本作『Volunteers』です。

ジャケの雰囲気からして、反戦、反体制といった雰囲気が漂っていますよね。

本作におけるメンバーは、Marty Balin(vo)、Grace Slick(vo、p、recorder)、Paul Kantner(vo、g) 、Jorma Kaukonen(g)、Jack Casady(b)、Spencer Dryden(ds)という6名。このJA最強布陣6名が揃った最後のアルバムとなりました。

ベトナム戦争の泥沼化で混迷を深めていた社会状況下で、最強メンバー6名が最後に結束してクリエイトした渾身のメッセージ・アルバムなのでは?

サウンドは良くも悪くも60年代後半の音そのものですが、60年代の空気を感じ取るという意味では楽しめると思います。

さらに本作では、Nicky Hopkins(p)、Stephen Stills(org)、Jerry Garcia(g)、David Crosby(music、sailboat)等がゲスト参加しています。David Crosbyの"music、sailboat"というクレジットがよくわかりませんが(笑)

本作の持つメッセージは、政治が機能せず、ワーキング・プアが増え、貧困が切迫した社会問題となっている、どこかの島国の人々にもグッとくるのでは?

全曲紹介しときやす。

「We Can Be Together」
Paul Kantner作のオープニング。タイトルからもわかるように、愛と平和を訴えるメッセージ・ソングです。実は僕が一番好きなJAソングが本曲です。ヒッピー、フラワー・ムーヴメント、反戦、反体制...彼らの持つ様々な要素が本曲のメッセージ&サウンドに凝縮されている気がします。Nicky Hopkinsがピアノで参加しています。
http://www.youtube.com/watch?v=bWhWMYqDNtk

「Good Shepherd」
トラディショナル・ソングをJorma Kaukonenがアレンジしたもの。ブルージー&フォーキーな独特の雰囲気がたまりません。密かに好きな1曲。
http://www.youtube.com/watch?v=lOWX2-l788A

「The Farm」
Paul Kantner/Gary Blackman作。Jerry Garciaがペダル・スティールで参加。正直、僕の苦手なイモ臭いカントリー調の仕上がりなのでパス(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=VI-h51hAsEA

「Hey Frederick」
Grace Slick作。Nicky Hopkinsがゲスト参加しています。8分超のドラマティックな展開の大作です。へヴィな前半から一気に弾けるスリリングな中盤、ブルージーな後半と様々な表情のサウンドを楽しめます。
http://www.youtube.com/watch?v=w25xghugIdg

「Turn My Life Down」
Jorma Kaukonen作。Stephen Stillsがハモンド・オルガンで参加。コンガも加わわり、なかなかグルーヴィーで格好良い演奏を聴かせてくれます。Stephen Stills絡みで言えば、Manassasが好きな人は気に入ると思います。
http://www.youtube.com/watch?v=13Di9Uld7jw

「Wooden Ships」
David Crosby/Paul Kantner/Stephen Stills作の話題曲。Crosby, Stills & Nashのヴァージョンでもお馴染みの曲ですね。Crosby所有のヨットが本作を生むきっかけとなったことから、Crosbyのクレジットにsailboatとあるのでしょうね。CS&Nヴァージョンと比較するとJAヴァージョンの方がサラっとした仕上がりですが、それでも味わい深いことには変わりありません。
http://www.youtube.com/watch?v=hIccZsURyLc

Crosby, Stills & Nash
 http://www.youtube.com/watch?v=SqLy-Ks8viw

「Eskimo Blue Day」
Grace Slick/Paul Kantner作。ドラマティックな演奏はJA流プログレといったところでしょうか。
http://www.youtube.com/watch?v=d7epbdQ4YYI

「A Song For All Seasons」
Spencer Dryden作。「The Farm」同様、イモ臭いカントリー調の仕上がりなのでパス(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=sjaL_zU7buY

「Meadowlands」
ロシア民謡「Polyushko Pole」をGraceがオルガン・ソロで弾きます。続く「Volunteers」への流れを考えると意味深な構成ですな。
http://www.youtube.com/watch?v=vuG2Itxjl6U

「Volunteers」
タイトル曲は痛烈な反戦、反体制のメッセージ・ソング。シングルにもなりました。なかなかパンチの効いた仕上がりです。Nicky Hopkinsのピアノも冴えています。
http://www.youtube.com/watch?v=SboRijhWFDU

本当は今日はGrateful Deadの作品を取り上げようと思ったのですが、どうもDead作品って書きづらいんですよね。ということでJAへ変更してしまいました。CD所有枚数や聴く回数で言えば、Deadの方が多いのですが....Dead作品には近々再チャレンジしてみます、
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2009年07月07日

Swing Out Sister『Kaleidoscope World』

センス抜群のポップス感覚が開花した2nd☆Swing Out Sister『Kaleidoscope World』
Kaleidoscope World
発表年:1989年
ez的ジャンル:良質メロディ&アレンジ系UKポップス
気分は... :星に願いを...

今日は七夕ですね。

七夕気分に合う作品は?なんて思いながら、CD棚を眺めながら手にしたのが...
今日の1枚Swing Out Sister『Kaleidoscope World』(1989年)です。

なんでこの作品が七夕なの?と言う気もしますが...僕的には良質なポップスを聴きたい気分なので。

Swing Out Sister(SOS)の紹介は、『Shapes And Patterns』(1997年)に続き2回目となります。

日本での過剰な人気ぶりと大ヒット曲「Breakout」のイメージのせいで、洋楽ファンの方の中にはSwing Out Sisterを毛嫌いする方もいるようですが、なかなか侮れないと思います。と言いつつ、僕も昔はこっそりSOSを聴いていたのですが(笑)

そんなSOS作品の中でも、『Shapes And Patterns』と並んでお気に入りなのが、今日紹介する2ndアルバム『Kaleidoscope World』(1989年)です。

Martin Jacksonが脱退し、Corinne DreweryAndy Connellのデュオ体制となった最初の作品です。

SOS流ポップスを確立した作品として、サバービア・ファンにも人気の1枚ですね。
昔懐かしいポップスや映画音楽と80年代らしいスタイリッシュなサウンドを融合した、レトロだけど新しいポップスを聴かせてくれます。

プロデューサーはSOS作品でお馴染みのPaul O'Duffy。オーケストラ・アレンジでJimmy Webbが参加しているのも本作の話題かもしれません。

意外と王道ポップスしているのにグッときます!
良質なメロディ、アレンジ、サウンドと三拍子揃ってますよ!

全曲紹介しときやす。

「You on My Mind」
シングルにもなったオープニングは軽やかに!Burt Bacharach風ポップスをSOSらしいスタイリッシュな感覚で仕上げたって感じがサイコーですね!Corinneのヴォーカルも実に華やかな雰囲気が漂います。
http://www.youtube.com/watch?v=BcOkAXCZPA8

「Where in the World」
この曲もシングルにもなりました。 The 5th Dimensionのメロディ&コーラスと80年代サウンドが上手く融合しています。終盤のスパニッシュ・ギターとヴァイヴによる映画音楽風の展開もオシャレ!
http://www.youtube.com/watch?v=HLzWhHKlPwM

「Forever Blue」
Jimmy Webbがオーケストラ・アレンジで参加しています。ラブロマンス映画の主題歌にぴったりなロマンティック&エレガントな王道ポップスに仕上がっています。John Barry「The Midnight Cowboy Theme」(映画『真夜中のカーボーイ』のテーマ)をサンプリング。
http://www.youtube.com/watch?v=35S2Ox0SbCg

「Heart for Hire」
昔ながらの良質なポピュラー・ソングって感じにグッときます。エレガントな華やかさがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=4Q6Yy6idK9U

「Tainted」
この曲は80年代テイストが少し強調されたシンセ・ポップです。 頭のメロディを初めて聴いた時、一瞬Beatles「Ticket To Ride」のカヴァーかと思いました(笑)

「Waiting Game」
「Breakout」路線がお好きな人向けの1曲。そうは言っても、本作らしい良質なポップス感もきちんと盛り込まれています。
http://www.youtube.com/watch?v=bu3yrQ77E1Y

「Precious Words」
Jimmy Webbのオーケストラ・アレンジ2曲目。個人的には一番のお気に入り。60年代ポップスや映画音楽がお好きな方は気に入るであろう、レトロだけど新しい小粋なポップスに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=4YJ38h_jIAQ

「Masquerade」
メンバー本人が"この曲はEnnio Morriconeだね!"と語った1曲。まさにそんな仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=qwXe4UQjp_0

「Between Strangers」
ホーン・アレンジが絶妙!と思ったら...Jerry Heyのアレンジでした。さすがですね。
http://www.youtube.com/watch?v=ULgMpzTOZG8

「Kaleidoscope Affair」
エンディングはストリングスを中心にした映画音楽風の仕上がり。アルバムの余韻を楽しむような1曲。
http://www.youtube.com/watch?v=kKwyAzTvQ1I

その他CDには「Coney Island Man」「 Precious Words(Instrumental)」「Forever Blue(String Mix)」「Masquerade(Instrumental)」「Taxi Town」の5曲が追加収録されています。「Coney Island Man」あたりが小粋でグッドなのでは?

「Coney Island Man」
http://www.youtube.com/watch?v=KDIVA_p1F3w
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2009年07月05日

Mongo Santamaria『Mongo '70』

古めかしさが魅力のラテン・ジャズ・ファンク☆Mongo Santamaria『Mongo '70』
Mongo '70
発表年:1970年
ez的ジャンル:ラウンジ系ラテン・ジャズ・ファンク
気分は... :古めかしさが逆に新鮮!

テニスのウィンブルドン女子決勝、ウィリアムス姉妹対決は妹のセレーナが去年の雪辱を果たし、3度目の女王に輝きました。ロシア勢、セルビア勢を中心に新旧交代が進んでいる印象を受ける女子テニスですが、ウィリアムス姉妹の今大会を観ると、そんな見方が誤りであることを痛感しました。

さて、今回はラテン/ジャズ・パーカッション奏者Mongo Santamariaのアルバム『Mongo '70』です。

日本人にはユースケ・サンタマリアの芸名の由来となったミュージシャンとしてもお馴染みですね。

Mongo Santamaria(1922-2003年)は、キューバ、ハバナ出身のパーカッション奏者。※出生年については諸説あるようです。

1950年にN.Y.へ進出し、Perez Prado楽団を経て、1951〜57年はTito Puente楽団、1957〜1960年はCal Tjaderのグループで活動していました。1959年にはJohn Coltraneの演奏でも有名なMongos作品「Afro Blue」を収録したアルバム『Mongo』をリリースしています。1960年代には自身のグループを率いるようになり、1962年にはHerbie Hancockの名曲カヴァー「Watermelon Man」をヒットさせて、一躍注目の存在となりました。

Mongo Santamaria『Watermelon Man』
Watermelon Man

その後もラテン、ジャズ、ソウル、ファンク等を融合したサウンドで人気を博し、コンスタントに活動を続けますが、2003年マイアミの病院にて死去しました。

Mongo Santamariaのように活動期間が長く、アルバムも数多くリリースしているアーティストって、どの作品から聴いたらいいのか悩みますよね(泣)

今日で言えば、『La Bamba』(1965年)、『Stone Soul』 (1969年) 、『All Strung Out』(1970年)、『Feelin' Alright』(1970年)、『Mongo '70』(1970年)、『Mongo's Way』(1971年)、『Up From the Roots』(1972年)、『Fuego』(1973年)あたりが良いのでは?と勝手に思っています。

そこで今回は『Mongo '70』(1970年)をセレクト。
ラテン/ジャズ/ファンクのラウンジ系クロスオーヴァー作として人気の作品です。

本作からバンドを再編し、Mongo Santamaria(conga、bongo)以下、Grant Reed(ts、fl)、Trevor Lawrence(bs)、Israel Gonzalez(tp)、Charles Williamson(cor)、Sonny Henry(g)、Neal Creque(p、el-p)、Roger Glenn(vib、fl)、Jon Hart(b)、Jimmy Johnson(ds)、Angel Allende(timbares、per)、Julio Colazzo(per)、Pelayo Diaz(per)、Osvaldo Martinez(per)というメンバーで構成される新バンドです。それ以外に人気ギタリスト Eric Gale (g)が2曲で客演しています。

全曲メンバーの作品です。特に半数以上の楽曲を提供し、アレンジも担当している新メンバー Neal Creque の貢献が大きいようです。

Mongo Santamaria未体験の方は、ラテンのイメージが強いかもしれませんが、本作などはむしろジャズ/ファンクの要素が強いファンキー・グルーヴがメインで、スパイス程度にラテンが効いているって感じです。

レトロな印象を受ける楽曲があるかもしれませんが、逆にその古めかしいサウンドが魅力になっている気がします。昔ながらの小汚い飲み屋が逆にオシャレみたいな.....

最近のモッドなUKジャズ・ファンクあたりがお好きな人が一番フィットする作品なのでは?

全曲紹介しときやす。

「Windjammer」
ベースとエレピが生み出す黒いグルーヴ感がカッチョ良いファンク・チューン。ホーン隊も鳴り具合もファンキーでグッド!、

「Yesterday's Tomorrow」
本作のハイライト曲。Eric Galeのギターをフィーチャーしています。ストリングスも加わったキャッチー&ノスタルジックな哀愁グルーヴに仕上がっています。日本流に言えば、昭和の歌謡ムード満点って感じがたまりません。

「March of the Panther」
モロに古典マーチなイントロから一転、ご機嫌なファンキー・グルーヴを聴かせてくれます。ホーン隊がサイコーにキマっています!

「Look Away」
小気味良いボッサ・ビートが心地好い1曲。ラウンジ系の音がお好きな人には相当グッとくると思います。

「Night Crawler」
グルーヴィーなジャズ・ファンクという点ではこの曲が一番カッチョ良いと思います。パーカッションの鳴り具合もグッド!モッドなサウンドがお好きな人にオススメ!若いリスナーが一番グッとくる曲なのでは?

「The Whistler」
ノスタルジックな熱さを感じるファンキー・チューン。怪しく響くフルートが印象的です。

「Adobo Criollo」
本作唯一のモロにラテン/サルサな仕上がり。熱くならないクールな仕上がりがグッド!そのあたりがラウンジ系なんでしょうね。

「Mo' Do」
再びEric Galeをフィーチャーしたファンキー・グルーヴ。「Yesterday's Tomorrow」以上にEricのギターを堪能できます。

「Grass Roots」
「Night Crawler」と並ぶ僕のお気に入り。ラテンとファンクがいい感じでクロスオーヴァーしています。個人的にはこれ位ラテンのリズムが効いている方が好きです。トランペットがカッチョ良すぎ!

「Dedicated to Love」
ラストはレトロ・ムード満点なファンク・チューン。この古めかしさに何故かグッとくる!



ラテン音楽ファンには息子のMonguito Santamariaも外せないですね。特に2ndアルバム『Hey Sister』はラテン・グルーブ名盤として人気です。
Monguito Santamaria『Hey Sister』
Hey Sister
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2009年07月04日

Sa-Ra Creative Partners『Nuclear Evolution: The Age Of Love』

またまたヤバいものに出会ってしまったかも?☆Sa-Ra Creative Partners『Nuclear Evolution: The Age Of Love』
Nuclear Evolution: The Age of Love
発表年:2009年
ez的ジャンル:近未来&コズミック系ソウル/Hip-Hop
気分は... :BEPの新作とは月とすっぽん!

最近の各国チャートではBlack Eyed Peas(BEP)が売れているみたいですね。

その新作『The E.N.D.』ですが、僕は正直NGです。
Will.I.AmやFergieのソロも今一つの印象だったし、先行シングル「Boom Boom Pow」を聴いて不安が増大したのですが...やっぱりアルバムもダメでしたね!不安は的中してしまいまいました。ブックオフの250円コーナーに置かれるまで待ちます(笑)

彼らの持つユニークな個性は好きだったのですが、当ブログでも紹介した『Elephunk』の頃が懐かしい......

BEPが最近流行りのエレクトロ・サウンドへ大きくシフトしたこと自体は悪くはないと思いますが、出来上がりがアレじゃねぇ....

同じLA出身のHip-Hopユニットによるエレクトロ・サウンドでもSa-Ra Creative Partnersの新作『Nuclear Evolution: The Age Of Love』を聴くと、月とすっぽんという気がしてしまいます。

と言うことで今回はSa-Ra Creative Partnersの新作『Nuclear Evolution: The Age Of Love』です。

Taz ArnoldShafiq HusaynOm'Mas Keithの3人によるプロデューサー/クリエイター・ユニットSa-Ra Creative Partnersの紹介は、1stアルバム『The Hollywood Recordings』(2007年)に続き2回目となります。
※前作はSa-Ra名義で紹介していました。

一時は解散説も流れた彼らですが、2ndアルバムとなる本作『Nuclear Evolution: The Age Of Love』が無事リリースされて安堵のファンも多いのでは?

前作でも近未来&コズミックなHip-Hopを聴かせてくれた彼らですが、本作では更に進化した近未来&コズミック・ワールドを聴かせてくれます(タイトルにも反映されていますね)。もはやHip-Hopの枠組みには収まりきらない進化を遂げています。

前作『The Hollywood Recordings』を初めて聴いた時、"ヤバいものに出会ってしまったかも?"という印象を抱きましたが、今回は"更にヤバいものに出会ってしまったかも?"と思ってしまいます。

ゲストにはErykah Badu(当ブログでも紹介したErykahの『New Amerykah: Part One (4th World War)』でSa-Raが5曲プロデュース)、Gary Bartzといった有名どころから、前作から引き続き参加のRozzie Daime、Erika Roseといったキュートな女性ヴォーカル陣、J*DaVeY、Noni Lamar、Debi Nova、Stephen Bruner、Joseph Liemberg等が参加しています。

本作はDisc1に加えて、過去のシングルを収録したDisc2も付いたCD2枚組になっています。

Disc1、2合わせて全23曲という、ギャル曽根もびっくり(?)の特盛りですが、ボリュームだけではなく各曲の味も抜群!いろんな味を堪能できるので、あっという間に完食できるはずですよ!

全曲紹介しときやす。

「Spacefruit」
オープニングは近未来のカフェで流れていそうな心地好いボッサ・チューン。Debi Novaの女性ヴォーカルをフィーチャーしています。Hip-Hopのフィールドを軽々と飛び越えている感じがいいですね。英語に加えて、スペイン語でも歌われます。

「Dirty Beauty」
Erykah Baduをフィーチャー。レイジーなエレクトロ・チューンに仕上がっています。Erykahがこうしたアングラな仕上がりの曲に参加してくれるのが嬉しいですね!
http://www.youtube.com/watch?v=oZkjraPI7F8

ErykahとSa-Raと言えば、Erykahのシングル「Honey」のPVにSa-raのメンバーが出演していましたね(De La Soul『3 Feet High And Rising』のパロディ場面)。
Erykah Badu「Honey」
 http://www.youtube.com/watch?v=Jj4EdqY-IP0

「I Swear」
Noni Lamar、Rozzie Daimeという2人の女性ヴォーカリストをフィーチャー。ノスタルジックな浮遊感が漂うミステリアスな仕上がり。Rozzie Daimeは前作『The Hollywood Recordings』の人気メロウ・チューン「So Special」でもフィーチャーされていましたね。
Sa-Ra feat. Rozzi Daime「So Special」
 http://www.youtube.com/watch?v=UL1sQi74tQM

「Melodee N’mynor」
近未来ジャジーHip-Hopチューン。エレクトロとジャジーを違和感なく融合させてしまうあたりが素晴らしいです!
http://www.youtube.com/watch?v=ED-Ls2Dqtc8

「He Say She Say」
Sa-RaらしいコズミックなブラックホールHip-Hop。彼らの音世界にグイグイ吸い込まれていきます。

「Traffika」
不穏な空気と哀愁感が同居するダーク・チューン。いかにもアングラっぽい感じが好きです。

「Souls Brother」
フューチャー・ソウルなインスト。何気ないけどセンス抜群!

「Bitch Baby」
Sa-Raらしいヤバい感覚のフューチャー・ソウル。ヤバいけど結構キャッチーかも?

「Love Czars」
Noni Lamarの女性ヴォーカルをフィーチャー。Noni Lamarのソウルフルなヴォーカルとジャジーな生音バックにグッときます。

「Gemini's Rising」
Rozzie Daime & Noni Lamarの女性ヴォーカルをフィーチャーしたSa-Raらしいコズミック&フューチャーなエレクトロ・ソウル。こういうピコピコしている曲大好き!

「The Bone Song」
Brian Mcclendon & Rozzie Daimeの男女ヴォーカルをフィーチャーした大人のフューチャー・ソウル。近未来のアーバン・ナイトはこんな曲が流れているのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=gEwIBjDMIVw

「White Cloud」
J*DaVeYのBrook D'Leauがシンセで参加。J*DaVeYはSa-Raと同じくLAを拠点に活躍する才能溢れるデュオですね。そんなBrook D'Leauのシンセ音が飛び交う、怪しい近未来サウンドを堪能できます。ヴォーカルはRozzi Daime & Lil' Kenny。

「Move Your Ass」
Stephen Brunerのベースが大活躍するインスト・チューン。シンプルながらもなかなか興味深く聴けます。

「Love Today」
何故かCurtis Mayfieldが思い浮かぶ近未来"ニューソウル"って感じですね。

「Can I Get You Hi」
淡々としたクールなソウル・チューン。近未来はこんな曲でマッタリするのでは(笑)

「My Star」
本作随一のメロウ・チューン。前作の人気メロウ・チューン「So Special」がお好きな人ならば絶対気に入るはず!Erika Roseのキュートな女性ヴォーカルに相当グッときます。ErikaはAlicia Keysと親しいSSWとしても知られていますね。
http://www.youtube.com/watch?v=xo3ZBRc1870

「Cosmic Ball」
Gary Bartzのカルテットをフィーチャーした話題曲。フューチャー感覚のジャジー・チューンに仕上がっています。Sister Mekeaの無邪気なヴォーカルもグッド!

ここでDisc1が終了。続くDisc2は過去のシングルをまとめた嬉しい1枚です。

「Spaceways Theme」
コズミック&ジャジーなインスト・チューン。そう言えば、Sa-Raに先んじてコズミックな音世界を創造してきた"ジャズ伝道師"Sun Raの曲にも「Spaceways」という楽曲があります。何か関係しているのでしょうか?

「Just Like A Baby」
Sly & The Family Stoneのカヴァー(オリジナルはアルバム『There's A Riot Goin' On』収録)。J*DaVeY(J.Davey & Brook D'Leau)も参加し、懐かしくて新たらしいサウンドを聴かせてくれます。

「Double Dutch (Co Co Pops)」
エレクトロなHip-Hopチューン。Hip-Hopでは流行りのエレクトロ・サウンドですが、やはりSa-RaはBEPあたりとは明らかにセンスが違う気がしますね。

「Death Of A Star (Supernova)」
僕の一番のお気に入り曲。キャッチー&フューチャーなエレクトロ・ソウルに仕上がっています。聴いているだけでハイ・テンションになってしまう!
http://www.youtube.com/watch?v=IP_UJxnFzd0

「Powder Bump」
なかなか爽快なエレクトロ・サウンドが心地好いインスト。

「Hangin By A String」
最後はビシッと格好良いエレクトロHip-Hopなインスト・チューンで締め括ってくれます。

さすがに23曲分コメント書くと大変ですね(笑)

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2009年07月03日

Ocean Colour Scene『Marchin' Already』

更に進化したモッズ・サウンドに歓喜!☆Ocean Colour Scene『Marchin' Already』
Marchin' Already
発表年:1997年
ez的ジャンル:90年代モッズ系骨太UKロック
気分は... :骨太かつ実直に行こう!

今日はカッチョ良くてスカッとするUKロックが聴きたい気分!

と言うことでOcean Colour Sceneの3回目の登場です。

『Mechanical Wonder』(2001年)、『Moseley Shoals』(1996年)に続いて紹介するのは、3rdアルバム『Marchin' Already』(1997年)です。

Paul Weller好きの人にとって、メンバーがPaul兄貴のバックバンドを務めていたOcean Colour Scene(OCS)は外せない存在ですね。

当時、多くのPaul Wellerファンが、前回紹介した2nd『Moseley Shoals』(1996年)で聴かれたソリッドで無骨なモッズ・サウンドに歓喜したことと思います。ある意味、ファンがPaul兄貴に求めていたサウンドを本人以上に具現化してしまった作品でしたからね。

それだけに『Moseley Shoals』に続く、3rdアルバム『Marchin' Already』(1997年)に対するファンの期待は相当大きいものがあったと思います。そして、届けられた作品はその期待を裏切らない充実作でした。商業的にもグループ初のUKアルバム・チャートNo.1に輝きました。

同年にPaul兄貴もアルバム『Heavy Soul』をリリースしています。『Heavy Soul』も充実作であることに間違いありませんが、個人的には『Heavy Soul』以上に『Marchin' Already』に魅了されていましたね。

『Moseley Shoals』で聴かれたソリッドな骨太サウンドを継承しつつ、さらに音楽的な幅と深みが増した印象を受けます。個人的にはアップ・チューンがもう少し多めだと更に嬉しかったのですが(笑)

メンバーはSteve Cradock(g)、Simon Fowler(vo、g、p)、Damon Minchella(b)、Oscar Harrison(ds) という不動の4人。さらに本作ではモッズ・ファンおよびUKロック・ファンには嬉しい女性ソウル・シンガーP.P. Arnoldが2曲でゲスト参加しています。

プロデュースは『Moseley Shoals』と同じくBrendan Lynchを起用しています。

剛柔織り交ぜたOCSの絶頂期を示すアルバムだと思います。

全曲紹介しときやす。

「Hundred Mile High City」
オープニングはアルバムからの先行シングルとしてUKシングル・チャート第4位となったヒット曲。ハード・ドライビングなノリでグイグイ押しまくるパーフェクトな仕上がり。僕がOCSに期待している格好良さがこの1曲に凝縮されています。『Moseley Shoals』収録の「The Riverboat Song」とセットで聴くのが僕のお気に入りです。
http://www.youtube.com/watch?v=1yxp3D7NJ04

「Better Day」
アルバムからの3rdシングルとしてUKシングル・チャート第9位となったバラード。美しく切ないメロディ&青春を回想する歌詞に名曲の風格が漂います。よく言われるように、イントロのピアノはBeatles「Let It Be」を連想させますね。
http://www.youtube.com/watch?v=zSeTB-c2jPY

「Travellers Tune」
アルバムからの2ndシングルとしてUKシングル・チャート第5位となりました。モッズ・ファン歓喜の1曲ですね!ノーザンソウルなリズムだけでもたまりませんが、さらにモッズ・ファンが愛して止まないソウルシンガーP.P. Arnoldのバックコーラスが加わると昇天してしまいます!
http://www.youtube.com/watch?v=IlcugwmjrNI

「Big Star」
哀愁メロディ&ヴォーカルにグッときます。適度にパーカッシヴな仕上がりもグッド!

「Debris Road」
OSCらしい実直さが伝わってくる1曲。この曲も名曲の雰囲気がありますね。切ないメロディがじわじわ胸に染み渡ります。
http://www.youtube.com/watch?v=aZqtzb6ZmVU

「Besides Yourself」
柔らかさと美しさに魅了されるアコースティック・バラード。メロディの良さにうっとりですな!

「Get Blown Away」
哀愁メロディと共にOCSらしい演奏にグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=CXK1vgAE-_Y

「Tele He's Not Talking」
「Foxy's Folk Faced」
アルバムの中では最も地味な2曲かもしれませんね。アルバム構成的にもアップ・チューンが欲しい流れなので、余計にそんな印象を持つのかもしれませんが...

「All Up」
密かなお気に入り曲。モッド・ジャズのカッチョ良さを堪能できるインスト。スウィンギング・ロンドン好きの人はグッとくるはず!

「Spark and Cindy」
彼らの成熟ぶりを感じる1曲。何気なさの中にも味わい深さを感じます。
http://www.youtube.com/watch?v=WHPq8UYYOds

「Half a Dream Away」
まさに夢うつつといった感じのサウンド。ノスタルジックな雰囲気もグッド!

「It's a Beautiful Thing」
エンディングは4thシングルにもなりました。P.P. Arnoldのヴォーカルをフィーチャした感動的なバラードに仕上がっています。曲が進むに従い、どんどん盛り上がっていく感じがいいですね。知らぬ間にサイケ・ワールドになっている後半も好きです!
http://www.youtube.com/watch?v=bV4_AbEwKY8

国内盤にはボーナス・トラックが4曲追加されています。
個人的には「Falling To The Floor」(Hundred Mile High Cityのリミックス)、「Day Tripper」Beatlesの名曲のライヴヴ・カヴァー)に魅了されます。特に、「Day Tripper」のライヴ・カヴァーは絶品だと思います。僕が苦手なLiam & Noel Gallagherも共演していますが...

「Falling To The Floor」
http://www.youtube.com/watch?v=h8Md6tlbsgg

Ocean Colour Scene「Day Tripper」
http://www.youtube.com/watch?v=fhtRwEbN1ok

欧州サッカー・ファンには大物の移籍情報が気になる日々です。

レアル・マドリーはC.ロナウド、カカに続き、リヨンのベンゼマを獲得しましたね。
ベンゼマはフランス代表のエースとなるであろう才能あるFWだと思いますが、このタイミングでのレアル・マドリー加入は本人にプラスになるのかなぁ???

一方、バレンシアのビジャはバルサ入りに傾いているようですね。
一時はマドリー入りも噂されたビジャですが、バルサでプレーした方が本人のスタイルに合っているのでは?バルサ・ファンの僕としては、ビジャが加入し、エトーも残留してくれることを願っています。あとは左SBをしっかり強化して欲しいですね。
posted by ez at 04:48| Comment(0) | TrackBack(1) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月02日

Dexter Gordon『One Flight Up』

パリ録音第2弾!Dexの隠れ名盤☆Dexter Gordon『One Flight Up』
One Flight Up
録音年:1964年
ez的ジャンル:ハードボイルド系男気ジャズ
気分は... :存在感ありますな!

久々に男気溢れるテナー・サックス奏者Dexter Gordonです。

これまで当ブログで紹介したDexter Gordon(Dex)作品は以下の4枚。

 『Dexter Calling...』(1961年)
 『Go』(1962年)
 『Our Man In Paris』(1963年)
 『Gettin' Around』(1965年)

5枚目に紹介するのは『One Flight Up』(1964年)です。
『Our Man In Paris』(1963年)に続く、パリ録音第2弾アルバムです。

メンバーは、Dexter Gordon(ts)、Donald Byrd(tp)、Kenny Drew(p)、Niels-Henning Orsted Pedersen(b)、Art Taylor(ds)というクインテット編成です。名立たるメンバーに混じって、当時18歳だったデンマークの神童Pedersenの参加が目立ちますね。

前作『Our Man In Paris』が人気作であることと比較すると、本作『One Flight Up』は地味なアルバムかもしれません。でも、好きな人は"かなり好き!"という作品かもしれませんね。

豪快なワンホーンというイメージが強いDexter Gordonですが、本作ではDonald Byrdを従えて、モーダル&スマートな演奏を聴かせてくれます。特に「Tanya」「Coppin' the Haven」のハードボイルドな仕上がりには相当グッときます。

ジャケは古めかしく野暮ったい感じですが、中身はかなり粋ですよ!

全曲紹介しときやす。

「Tanya」
本作のハイライトとなるモーダル&ブルージーな18分超の大作(Donald Byrd作)。男臭いハードボイルド的な格好良さに相当グッときます。Dexのモーダルな演奏が印象的ですし、作者であるByrdのプレイもDex同様にキマっています。この二人のカッチョ良さを引き出しているのが、Drew、Pedersen、Taylorのバッキング!ブルージーな雰囲気を醸し出すDrewのピアノ、一音一音がビンビン伝わってくるPedersenのベース、メリハリの利いたTaylorのドラム、全てが噛み合っている気がします。

「Coppin' the Haven」
Kenny Drew作のブルース。「Tanya」同様、ハードボイルド的な格好良さを堪能できます。ここでもDexらしからぬ(?)スマートな演奏かもしれませんが、これだけキマてくれれば大満足です。続くByrdのクールな演奏にもグッときます。Drewの小粋なピアノ・ソロもいいですね!

「Darn That Dream」
ミュージカル『Swing That Music』の挿入歌だったスタンダード(Eddie DeLange作詞、Jimmy Van Heusen作曲)。当ブログでは以前にBill Evans & Jim Hallの演奏を紹介しています。ここではByrd抜きのワンホーン編成で演奏されています。ムーディーなDexのプレイにただただウットリするバラードに仕上がっています。

「Kong Neptune」
CDに収録されているボーナス・トラック(Dexter Gordon作)。アップテンポの小気味良い演奏が印象的です。演奏そのものは悪くはないと思いますが、他の3曲とのバランスを考えるとビミョーですね(笑)



ジャケのDexはなぜこんなに大股開きなんでしょ!
よく見ると不自然ですよね(笑)
それにしても195cmの巨漢は小さく写っていてもデカさを感じます。
posted by ez at 00:05| Comment(2) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月01日

『音楽の園』2009年4月-6月アクセス数Top10

7月初日ということで、恒例の四半期アクセス数Top10っす。今回は2009年4月1日から6月30日までのアクセス数が多かったエントリー10本をご紹介します。

第1位:Clara Moreno『Miss Balanco』(2009年)
ミス・バランソ

第2位:The Quiet Nights Orchestra『Chapter One』(2009年)
チャプター・ワン

第3位:DeBarge『Ultimate Collection』(1997年)
Ultimate Collection

第4位:Diane Birch『Bible Belt』(2009年)
Bible Belt

第5位:Chrisette Michele『Epiphany』(2009年)
Epiphany

第6位:The Baker Brothers『Avid Sounds』(2009年)
アヴィッド・サウンズ

第7位:Annett Louisan『Teilzeithippie』(2008年)
Teilzeithippie

第8位:Ingela『All These Choices』(2009年)
オール・ディーズ・チョイシズ

第9位:The Roots『Things Fall Apart』(1999年)
シングズ・フォール・アパート

第10位:Wanda De Sah『Softly!』(1965年)
ソフトリー!

今回は殆どが新作という結果になりました。

毎回強いR&B/ソウル系作品が少なく、女性アーティストや英語圏以外のアーティストの作品が多いのも特徴的ですね。
最近の僕自身のセレクト傾向がそのまま反映された結果かもしれません。

当ブログのコンセプトからすると、もう少し年代、ジャンルのバラツキ感があった方が面白いのですが...

Top10入り一歩手前だったのが、Michel Fugain Et Le Big Bazar『Fais Comme L'Oiseau』Nas『Illmatic』Kula Shaker『K』Soul II Soul『Club Classics Vol.1』Beck『Midnite Vultures』Tenorio Jr.『Embalo』Wes Montgomery『A Day In The Life』といったところでした。

7月、8月は夏らしい作品を多めにセレクトしたいと思っています。
posted by ez at 01:54| Comment(0) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月30日

Michael Franks『Burchfield Nines』

N.Y.らしいジャジー&メロウ・サウンドにグッとくる!☆Michael Franks『Burchfield Nines』
Burchfield Nines
発表年:1978年
ez的ジャンル:ジャジー&メロウ系AOR
気分は... :何気なさがいいねぇ!

AORファンに人気の男性シンガーMichael Franks『Sleeping Gypsy』の2回目の登場です。

前回の『Sleeping Gypsy』(1977年)に続いて紹介するのは、3『Burchfield Nines』(1978年)です。邦題『シティ・エレガンス』(笑)

AORの人気作である『Art of Tea』(1976年)、『Sleeping Gypsy』(1977年)と比較すると、取り上げられる機会の少ない作品ですが僕は結構好きです。

『Sleeping Gypsy』の記事でも書いたとおり、僕自身はMichael Franks本人に対して特に思い入れがあるわけではなく、プロダクションやバック・ミュージシャンの好サポートによる彼の作品の完成度の高さに関心があるという感じです。

その意味で本作『Burchfield Nines』は初のN.Y.録音であり、N.Y.らしい洗練された落ち着きのあるジャジー&メロウ・サウンドが僕の嗜好とフィットするのかもしれません。派手さはなく地味と評される作品ですが、Michael Franksのように雰囲気で聴かせるシンガーの場合、この位の落ち着きがあった方がグッドなのでは?

プロデュースは前2作同様Tommy LiPuma。Al Schmittもミックス担当としてクレジットされています。『Art of Tea』ではNick DeCaro、『Sleeping Gypsy』ではClaus Ogermanが起用されたアレンジですが、本作ではEumir Deodatoが起用されています。Deodatoの存在も僕が本作を気に入っている大きな要因かもしれません。

気になるバック陣ですが、基本メンバーはSteve Gadd(ds)、Will Lee(b)、Ralph MacDonald(per)、Leon Pendarvis(key)、John Tropea(g)といった布陣です。それ以外にErnie Watts(s)、Bud Shank(f) 、Oscar Brashear(tp)といったホーン陣もフィーチャーされています。

全曲Michael Franksのオリジナルです。

落ち着きのある何気ないAORサウンドでホッと一息つきたい方はぜひ!

全曲紹介しときやす。

「When the Cookie Jar Is Empty」
N.Y.らしいアーバン・メロウ・チューン。Michael自身のヴォーカルが出過ぎず、バック陣の素晴らしいバッキングを堪能できるのがグッド(笑)。

「A Robinsong」
一番のお気に入り曲。落ち着きの中の軽快なジャジー感がグッときます。Ernie Wattsがサックス・ソロで盛り上げてくれます。

「Wrestle a Live Nude Girl」
タイトルのドキッとくる1曲(笑)。サウンド的には少しブルージーな雰囲気がグッド!

「Burchfield Nines」
タイトル曲。ちなみにタイトルにあるBurchfieldとは、米国の水彩風景画家Charles Burchfield(1893-1967年)のことです。落ち着いたバラードですが、この曲あたりが地味な印象を与えてしまうのかもしれませんね。

「Meet Me in the Deerpark」
「A Robinsong」と並ぶお気に入り曲。ライトなメロウ・グルーヴ感は僕のど真ん中です。ブラジル/ラテンなテイストを期待している人にはオススメ!

「Dear Little Nightingale」
優しく包み込むような雰囲気がグッドのバラード。Michaelの線の細いヴォーカルと曲がマッチしていると思います。

「In Search of the Perfect Shampoo」
面白いタイトルですね。男の哀愁感が漂うヴォーカルがさらに笑えます(笑)

「Vivaldi's Song」
シリアスな哀愁ムードのこのエンディング曲のみ、他の収録曲と少し雰囲気が異なります。大物ジャズ・ミュージシャンBud Shankもフルートで参加しています。この曲はJon Mark & Johnny AlmondによるデュオMark-Almondがカヴァーしています。

Mark-Almond「Vivaldi's Song」
 http://www.youtube.com/watch?v=_0cAjNI8Crk



今日で6月も終わりですね。
あっという間に今年も折り返し地点!後半はもっとスパートせねば!
本作のように、ゆったり、落ち着いていたいのですが...
posted by ez at 01:43| Comment(2) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする