2019年11月13日

Anamaria E Mauricio『Vol. 2』

ミラクルなブラジリアン男女デュオ☆Anamaria E Mauricio『Vol. 2』
Volume 2
発表年:1972年
ez的ジャンル:男女デュオ系ブラジリアン・グルーヴ
気分は... :ドリーミー!

今回は70年代ブラジル作品からAnamaria E Mauricio『Vol. 2』(1972年)です。
※本作はCD化されていますが、Amazonでの扱いがないので、上記ジャケはデジタル・ミュージックへのリンクとなっています。

Marcos Valleの元奥方AnamariaMauricioによる男女デュオAnamaria E Mauricioの紹介は、『No No No... Estamos Na Nossa』(1970年)に続き2回目となります。

Antonio Adolfoに見出され、レコーディングされた1stアルバム『No No No... Estamos Na Nossa』(1970年)に続きリリースされたのが、本作『Vol. 2』(1972年)です。

前作同様Jongo Trioがバックを務め、Nelson AyresAparecido BianchiHermeto PascoalArthur VerocaiGrupo Coracaoがアレンジを手掛けています。

1stアルバム『No No No... Estamos Na Nossa』(1970年)も再評価の高い1枚ですが、本作もそれに負けない内容です。2人の息の合ったヴォーカルとソフトロック、ジャズ・サンバ、グルーヴィー&ファンキーR&B、サイケ等が入り混じった絶妙なアレンジが噛み合った素敵なMPB作品に仕上がっています。

グルーヴィー・ブラジリアン・ソフトロックな「Do Lado De Ca」「Fatal Fatal」、「Tighten Up」調のジャズ・サンバ「Cara De Paquera」Michel Legrand作品のような「Podes Crer」、ピースフルな「Mandato」、軽快メロウ・グルーヴ「Caminho Livre」あたりが僕のおススメです。

CDが入手しづらい1枚ですが、ぜひチェックして欲しい1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Caminho Livre」
Zelao作。Arthur Verocaiがアレンジを手掛けた軽快メロウ・グルーヴ。弾けるようなAnamariaのヴォーカルが眩しいです。
https://www.youtube.com/watch?v=IKWj70bZCcQ

「O Trem Azul」
Ronaldo Bastos/Lo Borges作。ピースフルなメロウ・バラードを歌い上げます。サックス・ソロで盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=NSu41I7GrJs

「Recungue」
Hermeto Pascoal作。Pascoalのミステリアスなフルートと共に始まるグルーヴィー・ブラジリアン・ソフトロック。スキャット・ヴォーカルがよく似合う1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=OiF5uQnegtI

「Do Lado De Ca」
Paulo Sergio Valle/Osmar Milito作。ジャズ・サンバ調のブラジリアン・ソフトロック。Jongo Trioの好バッキングもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=6CF2Q0epVZQ

「Fatal Fatal」
Douglas/Mauricio作。僕好みのグルーヴィー&キュートなブラジリアン・ソフトロック。グルーヴィー・オルガンと涼しげなフルートのアクセントもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=K611nNZpjqc

「O Galho Da Roseira」
Hermeto Pascoal/Pascoal Divina作。アシッドなフォーキーからサイケ・ポップへ展開するPascoalらしいセンスの映える1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=kzXl411yZiM

「Serearei」
Hermeto Pascoal作。スピリチュアルな前半からアフロ・サンバ的な後半へ展開します。
https://www.youtube.com/watch?v=pQr6Ng51XZY

「Mandato」
Paulo Sergio Valle/Marcos Valle/Osmar Milito作。Arthur Verocaiのセンスが映えるピースフルな仕上がり。このデュオの素敵なヴォーカル・ワークを堪能できます。
https://www.youtube.com/watch?v=dyRIGDHxzbg

「Cara De Paquera」
Adylson Godoy作。格好良さでいえばアルバム随一。「Tighten Up」調ジャズ・サンバといった雰囲気のグルーヴィー・ポップに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=xa8aOjFl9KA

「O Mar E Meu Chao」
Nelson Motta/Dori Caymmi作。Anamariaのしっとりとした歌声に癒される幻想的なバラード。
https://www.youtube.com/watch?v=JmPZTP0Kjfo

「Podes Crer」
Paulo Sergio Valle/Osmar Milito作。Arthur Verocaiの素晴らしいアレンジが映える1曲。まるでMichel Legrandが手掛けたフランス映画のサントラのようです。
https://www.youtube.com/watch?v=4W7qJL6hxOs

「Loucura Pouca E Bobagem」
Jesus Rocha作。サイケデリック・パートとファンキー・パートが交錯するダイナミックな楽曲で締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=y67lLOQ__8c

未聴の方は1stアルバム『No No No... Estamos Na Nossa』(1970年)もチェックを!

『No No No... Estamos Na Nossa』(1970年)
anamaria & mauricio.jpg
posted by ez at 02:23| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月12日

Miles Davis『Rubberband』

34年を経てベールを脱ぐ秘蔵アルバム☆Miles Davis『Rubberband』
ラバーバンド
発表年:2019年
ez的ジャンル:80年代マイルス秘蔵セッション
気分は... :時空を超えたMiles!

遂に出た!ジャズ界の帝王Miles Davis、話題の秘蔵アルバム『Rubberband』です。
※オリジナル・セッションの時期を踏まえて便宜上80年代カテゴリーにしています。

ジャズ界の帝王Miles Davisに関して、これまで当ブログで紹介した作品は以下の19枚。

 『Bag's Groove』(1954年)
 『'Round About Midnight』(1955、56年)
 『Cookin'』(1956年)
 『Miles Ahead』(1957年)
 『Milestones』(1958年)
 『Someday My Prince Will Come』(1961年)
 『E.S.P.』(1965年)
 『Miles Smiles』(1966年)
 『Nefertiti』(1967年)
 『Filles De Kilimanjaro』(1968年)
 『In A Silent Way』(1969年)
 『Live Evil』(1970年)
 『On The Corner』(1972年)
 『Get Up With It』(1970、72、73、74年)
 『In Concert』(1973年)
 『Dark Magus』(1974年)
 『Agharta』(1975年)
 『The Man With The Horn』(1981年)
 『Tutu』(1986年)

本作『Rubberband』のレコーディングを開始した1985年10月は、Milesが長年在籍していたColumbiaを離れ、Warner Bros.への移籍を決断した時期であり、本来はその移籍第1弾アルバムとなるはずでした。

プロデュースはRandy HallAttala Zane Giles

Randy HallはMilesの甥のVince Wilburn, Jr.と幼馴染みのシンガー/ギタリスト/プロデューサーであり、Milesのカムバック・アルバム『The Man With The Horn』(1981年)にも参加していました。

Miles自らがRandy Hallにプロデュースを依頼し、その当時Hallと一緒に仕事をしていたAttala Zane Gilesもプロデューサーとして加わることになった模様です。

こうして1985年10月から1986年1月にかけて、『Rubberband』のセッションが行われました。

レコーディングのコア・メンバーはMiles Davis(tp、key、syn)以下、Randy Hall(g、prog)、Attala Zane Giles(g、b、drum prog、key)、Vince Wilburn, Jr.(ds)、Adam Holzman(key)、(key)、Neil Larsen(key)、Michael Paulo(sax)、Glenn Burris(sax)、 Steve Reid(per)。

しかしながら、その全体像が明らかになりつつあった段階で、Warnerのジャズ部門を仕切っていた大物プロデューサーTommy LiPumaが内容に難色を示し、本セッションはお蔵入りとなってしまいました。そして、新たに移籍第1弾作品としてレコーディングされたのがMarcus Millerと組んだ『Tutu』(1986年)です。

その後陽の目を見ることがなかった『Rubberband』セッションでしたが、4年前にMiles Davis Estateへリリースの打診があった模様です。Miles Davis Estateメンバーでもあった甥のVince Wilburn, Jr.が、オリジナルのままでのリリースは不適切であると考え、当時のプロデューサーRandy HallAttala Zane Gilesに声を掛け、今の時代に相応しい作品としてアップデートさせたものが本作『Rubberband』です。

新たにLedisiLalah HathawayMedina Johnsonといったシンガーがフィーチャリングされています。

それ以外にMike Stern(g)、Arthur Haynes(b)、King Errisson(congas)、Anthony "Mac Nass" Loffman(key、prog)、Javier Linares(p、key)、Munyungo Jackson(timbales、per)、Isaiah Sharkey(g)、Felton Crews(b)、Angus Thomas(b)、Robert Irving III(key、syn)、Marilyn Mazur(per)、Steve Thornton(per)、Bob Berg(sax)、Keith Nelson(b)、Rick Braun(tp、tb)といった新旧ミュージシャンがレコーディングに参加しています。

当時のMilesの意図を汲んだ演奏と、リワークでオリジナルとは異なる表情を見せる演奏が入り混じっている感じが逆に面白いと思いました。

Scritti Politti調ファンク・グルーヴの「This Is It」「Rubberband」Prince調のミネアポリス・ファンク「Give It Up」、ファンキーなG0-GOビートの「Echoes In Time/The Wrinkle」あたりには当時のMilesの嗜好が反映されていると思います。

一方、Ledisiをフィーチャーした「Rubberband Of Life」、Medina Johnsonの女性ヴォーカルをフィーチャーした「Paradise」Lalah Hathawayをフィーチャーした「So Emotional」はリワークで生前のMilesも想像しなかったような演奏に仕上がっているのでは?

賛否両論があり、評価が分かれるであろう1枚だと思いますが、僕はかなり楽しめました。

熱狂的なMilesファンより、むしろMiles Davisをあまり聴いたことがない人の方がとっつきやすい1枚かもしれません。

全曲紹介しときやす。

「Rubberband Of Life」
実力派女性R&BシンガーLedisiをフィーチャー。アルバムに先駆けて2018年EPリリースされた楽曲であり、オリジナル・トラック「Rubberband」のリワークです。Lou Donaldson「Ode To Billie Joe」をサンプリングし、ATCQ的なジャズHip-Hop的な雰囲気を狙った曲。このあたりは生前Hip-HopへアプローチしていたMilesのスタンスとも符合するのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=mFgW1dzzH9U

「This Is It」
この曲は当時Milesが刺激を受けていたScritti Polittiのサウンドを意識した仕上がりになっています。Milesは『Tutu』『Cupid & Psyche 85』(1985年)収録の彼らのヒット曲「Perfect Way」をカヴァーし、さらに彼らのアルバム『Provision』(1988年)のレコーディングにも参加しています。Milesの願望を叶えたScritti Politti調ファンク・グルーヴを満喫できます。ここではRandy Hallのギター・ソロも目立っています。
https://www.youtube.com/watch?v=gVJRXGphX1w

「Paradise」
Medina Johnsonの女性ヴォーカルをフィーチャー。レゲトンやスパニッシュのエッセンスを加えたラテン・フレイヴァーのパーカッシヴな仕上がり。Miles Davis & Michel Legrand「Concert On The Runway」ネタも使っています。およそMiles Davisらしからぬ雰囲気ですが、意外性があって楽しいです。
https://www.youtube.com/watch?v=8THEWi8BOV8

「So Emotional」
Donny Hathawayの娘Lalah Hathawayをフィーチャー。当時の演奏に満足していなかったHallとGilesが大幅に手直しを加えた模様です。雰囲気としては、Lalah Hathawayが歌うオトナのR&BバラードにMilesが客演しているといった感じです。Milesのセピア感溢れるミュート・トランペットがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=_VEfWGBN3-U

「Give It Up」
Princeをはじめとするミネアポリス・ファンクを意識したダンサブル&ファンキーな演奏です。もし、殿下と帝王が共演していたらこんな感じだったんだろうなぁ・・・と妄想が膨らむ1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=t-bQYsP8VbI

「Maze」
このセッションのみ『Rubberband』セッション以前の1985年9月のレコーディングのようです。エレクリック・マイルス的な雰囲気も持ったある意味Milesらしい音世界なのでは?ギター・ソロはMike Stern。
https://www.youtube.com/watch?v=KkE7Dci6vBk

「Carnival Time」
Neil Larsenの作品であり、Milesはライヴでも頻繁に演奏していたようです。Neil Larsenらしいラテン・テイストのフュージョン・チューンに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=A6192saaYTU

「I Love What We Make Together」
Randy Hallをフィーチャー。元々Al Jarreauのために書かれた曲であり、本人もこのプロジェクトへの参加を望んでいたようですが、実現することなくAl Jarreauが2017年に逝去してしまいました。演奏自体は都会的ミディアム・グルーヴに仕上がっています。Randy Hallのヴォーカルも素晴らしいですが、確かにこの曲はAl Jarreauが歌っていたら相当ハマっていた気がします。
https://www.youtube.com/watch?v=cqcuxRX5sTE

「See I See」
引き算の美学的なMilesのプレイを楽しめるファンク・グルーヴ。
https://www.youtube.com/watch?v=8xG-nq2yhEM

「Echoes In Time/The Wrinkle」
静寂のバラード「Echoes In Time」から一転し、ファンキーなG0-GOビートの「The Wrinkle」へ展開していきます。新しい音に貪欲でったMilesのスタンスがよくわかる演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=qRjrx8fWfnM

「Rubberband」
ラストは「Rubberband」のオリジナル・ミックス。Scritti Polittiにインスパイアされたファンク・グルーヴといった感じですね。Mike Sternが素晴らしいロッキン・ギター・ソロで盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=5WfYZM0NhgA

Miles Davisの過去記事もご参照下さい。

『Bag's Groove』(1954年)
バグズ・グルーヴ

『'Round About Midnight』(1955、56年)
'Round About Midnight

『Cookin'』(1956年)
クッキン

『Miles Ahead』(1957年)
Miles Ahead

『Milestones』(1958年)
マイルストーンズ+3

『Someday My Prince Will Come』(1961年)
Someday My Prince Will Come

『E.S.P.』(1965年)
E.S.P.

『Miles Smiles』(1966年)
マイルス・スマイルズ

『Nefertiti』(1967年)
ネフェルティティ + 4

『Filles De Kilimanjaro』(1968年)
キリマンジャロの娘

『In A Silent Way』(1969年)
In a Silent Way (Dlx)

『Live Evil』(1970年)
ライヴ・イヴル

『On The Corner』(1972年)
Blu-spec CD オン・ザ・コーナー

『In Concert』(1973年)
イン・コンサート

『Get Up With It』(1970、72、73、74年)
ゲット・アップ・ウィズ・イット

『Dark Magus』(1974年)
ダーク・メイガス

『Agharta』(1975年)
Agharta

『The Man With The Horn』(1981年)
The Man with the Horn

『Tutu』(1986年)
TUTU<SHM-CD>
posted by ez at 03:59| Comment(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月11日

『今の気分は...2019年11月11日編』

過去記事から10曲セレクトするシリーズで・・・

そこで、今回は70年代ソウルを中心に10曲セレクトしました。フリーソウル系が多いですかね。

全て過去記事で紹介済なので、気に入った曲があれば過去記事もご参照下さい。

Natural Four「Love's So Wonderful」
https://www.youtube.com/watch?v=AP4EB2u8uyE
From 『Heaven Right Here on Earth』(1975年)
ヘヴン・ライト・ヒア・オン・アース

Directions「I Want To Be Your Special Man」
https://www.youtube.com/watch?v=yAXAGgMU6HA
From 『Directions』(1975年)
ダイレクションズ(紙ジャケット仕様)

Heatwave「Mind Blowing Decisions」
https://www.youtube.com/watch?v=rknJTJF6nMk
From 『Central Heating』(1978年)
Central Heating

The Emotions「No Plans for Tomorrow」
https://www.youtube.com/watch?v=-aN7axkZoS8
From 『Flowers』(1976年)
Flowers by Emotions (2011-06-28)

The Soul Survivors「Everything's Changing」
https://www.youtube.com/watch?v=E0R44chF36U
From 『Soul Survivors』(1974年)
ソウル・サヴァイヴァーズ(紙ジャケット仕様)

Phyllis Hyman「Under Your Spell」
https://www.youtube.com/watch?v=bjOA0rZ-m90
From 『You Know How To Love Me』(1979年)
ユー・ノウ・ハウ・トゥ・ラヴ・ミー(期間生産限定盤)

Johnny Bristol「Do It to My Mind」
https://www.youtube.com/watch?v=ccXlkKq_Njw
From 『Bristol's Creme』(1976年)
Bristol's Creme by Johnny Bristol (2004-03-19)

Real Thing「Love's Such A Wonderful Thing」
https://www.youtube.com/watch?v=fOQxCT7YXV0
From 『4 From 8』(1977年)
4 フロム 8(4 FROM 8)(直輸入盤・帯・ライナー付き)

100% Pure Poison「No More City, No More Country」
https://www.youtube.com/watch?v=gQTmSNuD7uA
From 『Coming Right At You』(1974年)
カミング・ライト・アット・ユー [紙ジャケ]

J.R. Bailey「Just Me 'N You」
https://www.youtube.com/watch?v=MRk4rxrxaU4
From 『Just Me'n You(1974年)
ジャスト・ミー・アンド・ユー
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2019年11月10日

Sudan Archives『Athena』

Stones Throw期待の女性R&Bアーティスト待望のフル・アルバム☆Sudan Archives『Athena』
Athena
発表年:2019年
ez的ジャンル:Stones Throw系異才女性R&Bアーティスト
気分は... :現代R&Bの女神・・・

新作からStones Throw期待の女性ヴァイオリン奏者/R&Bシンガー/ビートメイカーSudan Archivesの1stアルバム『Athena』です。

Sudan Archives(本名:Brittney Denise Parks)は、オハイオ州シンシナティ出身。

幼少期からヴァイオリンを演奏していた彼女は、Sudan Moonのアーティスト名でHip-Hopアーティスト/ビートメイカーと交流しながらトラック制作を開始します。

2014年にはSudan Moon名義でのEP「Goldencity」をリリースしています。

その後、アフリカ音楽の影響を受けた彼女はアーティスト名をSudan Archivesと改め、19歳でL.A.に進出します。

彼女のデモ・テープをStones ThrowのオーナーPeanut Butterが気に入り、Stones Throwとの契約に成功します。

Stones Throwでは、これまで「Sudan Archives」(2017年)、「Sink」(2018年)という2枚のEPとデジタル配信のシングル「Water」(2017年)をリリースしています。

これらの既発表曲は、昨年リリースされた日本独自CD『Sudan Archives』で聴くことができます。

『Sudan Archives』(2018年) ※日本独自CD
sudan archives sudan archives.jpg

こうした流れで、Stones Throw好きや先物買いのR&Bファンから注目されていたSudan Archivesですが、機が熟したこのタイミングで1stアルバム『Athena』を届けてくれました。

これまではセルフ・プロデュースを基本としてきた彼女ですが、本作『Athena』では意図的に外部プロデューサーを多数起用しています。

Will ArcherWashed OutRodaidh McDonaldPaul WhiteAndre EliasBlack TaffyJohn DeBoldKenny GilmoreRetroといった面々です。

アルバム・タイトルはギリシア神話の芸術の女神Athena
アルバム・ジャケもそれを想起させるSudanのブロンドの彫像が示されています。

そんな芸術の女神を冠したタイトルに相応しいアーティスティックなR&B作品に仕上がっています。

ヴァイオリンという楽器をここまで効果的に駆使したR&B作品は珍しいのでは?

それも含めてヴァイオリニストならではの感性による唯一無二のR&Bワールドは実に魅力的です。

これからの活動も要注目の女性アーティストです。

全曲紹介しときやす。

「Did You Know?」
Sudan Archiveプロデュース。芸術の女神Athenaらしい雰囲気のオープニング。ヴァイオリニストならではの感性によるビートメイキングがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=6c9lLO0SFcI

「Confessions」
Sudan Archive/Will Archerプロデュース。アルバムからの先行シングル。ヴァイオリン奏者/R&Bシンガー/ビートメイカーというSudanの持つ3つの顔をすべて楽しめる1曲。彼女にしか生み出せない独特の雰囲気があります。
https://www.youtube.com/watch?v=Zgjrt12QTVQ

「Black Vivaldi Sonata」
Sudan Archive/Black Taffyプロデュース。Sudanの哀愁ヴォーカルと乾いたビートが印象的なダウナー。美しくも儚いムードがたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=tjFTssXNlSE

「Down On Me」
Sudan Archive/Rodaidh McDonaldプロデュース。ヴァイオリニスト兼R&Bシンガーとしての美学を感じる哀愁ネオソウル。やはりヴァイオリンが肝です。
https://www.youtube.com/watch?v=n0l5LU4-B5I

「Ballet Of The Unhatched Twins I」
Sudan Archiveプロデュース。インタールード的なインスト。厳かな弦の音色が印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=mFjDD4riAfI

「Green Eyes」
Sudan Archive/Andre Eliasプロデュース。フューチャリスティック&ミステリアスなエレクリック・ソウル。アルバムのいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=uo0dV5fBD8w

「Iceland Moss」
Rodaidh McDonaldプロデュース。白日夢のなかの幻想的なビューティフルR&Bといった雰囲気です。
https://www.youtube.com/watch?v=s-CQ9rBiPuQ

「Coming Up」
Sudan Archive/Rodaidh McDonald/John DeBoldプロデュース。ヴァイオリンの音世界とビートメイキングを見事に融合させた哀愁チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=3bu5gpueIHY

「House Of Open Tuning II」
Sudan Archiveプロデュース。インタールード的なインスト。
https://www.youtube.com/watch?v=zpsgJTbR9rY

「Glorious」
Sudan Archive/Will Archerプロデュース。アフリカ音楽のエッセンスとHip-Hopを融合させた1曲。
https://www.youtube.com/watch?v=BJDMSctOnQY

「Stuck」
Sudan Archive/Retroプロデュース。1分強の短い演奏ながらもミステリアスな雰囲気があります。
https://www.youtube.com/watch?v=-WMI6cDAa9M

「Limitless」
Paul Whiteプロデュース。穏やかなメロウネスが漂うR&Bチューン。希望の光が差し込んでくる感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=OEhmX-ZZT0o

「Honey」
Sudan Archive/Retroプロデュース。退廃的かつ官能的ムードがたまらない1曲。ヴァイオリンの響きがエクスタシー感を高めます。
https://www.youtube.com/watch?v=9e_BtzaKAbc

「Pelicans In The Summer」
Sudan Archive/Kenny Gilmoreプロデュース。ラストはビートメイキングのセンスが冴えるダーク・チューンで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=1AeJnUxrWII

『Sudan Archives』(2018年) ※日本独自CD
sudan archives sudan archives.jpg
posted by ez at 00:49| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月09日

Gangway『The Quiet Boy Ate The Whole Cake』

北欧ポップらしいシンセ・ポップ☆Gangway『The Quiet Boy Ate The Whole Cake』
gangway the quiet boy ate the whole cake.jpg
発表年:1991年
ez的ジャンル:デンマーク産シンセ・ポップ
気分は... :北欧ポップが似合う季節・・・

今回はデンマークのポップ・グループGangway『The Quiet Boy Ate The Whole Cake』(1991年)です。

1982年にデンマーク、コペンハーゲンで結成されたグループGangwayは、『Happy Ever After』(1992年)に続き2回目となります。もっと彼らの作品を紹介していたつもりなのですが・・・

今年に入り、『That's Life』(1996年)以来、約23年ぶりの新作アルバム『Whatever It Is』(2019年)がリリースされたGangway。そのニュースを知り、久々に彼らの作品を取り上げたくなりました。

リメイク・アルバム『Sitting in the Park (Again)』(1988年)でシンセ・ポップ路線を打ち出したGangwayですが、新路線で初のオリジナル・アルバムとなったのが本作『The Quiet Boy Ate The Whole Cake』(1991年)です。

本作におけるメンバーは、Henrik Balling(g、vo)、Torben Johansen(key、vo)、Allan Jensen(vo)、Cai Bojsen-Moller(ds)という4名。

プロデュースはDavid Motion

ソングライティングはすべてHenrik Ballingによるオリジナルです。

僕がGangwayを聴くきっかけとなったアルバムであり、Pet Shop BoysNeil Tennantを思わせるAllan Jensenのヴォーカルと北欧らしいポップ感覚にグッときました。

当時の愛聴盤でったPrefab Sprout『Jordan:The Comeback』(1990年)と共通するセンスを感じたのも、本作を好きになった要因だったかもしれません。

一般には、名曲の誉れ高い「Don't Ask Yourself」、シングルにもなった「Going Away」、ダンサブル・ポップ「Strawberry Coat」あたりの人気が高いかもしれませんね。

リアルタイムで僕のお気に入りだったのは「Believe In Me」「Biology」「Thermometer Song」あたりです。

また、今回久々に聴き直して「Sisters In Legs」「Go Go Go」「Goodbye And Goodnight」の3曲にも再発見したような気分でグッときました。

もっともっと再評価されて欲しいポップ職人的な1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Biology」
パイプ・オルガンのように荘厳なシンセ・オルガンの音色が印象的なオープニング。厳かななかにもポップ職人らしい彼らのセンスが窺えます。
https://www.youtube.com/watch?v=zRPY0DSe2Dk

「Strawberry Coat」
シンセ&打ち込みリズムの新機軸を強調したダンサブル・ポップ。今聴いても野暮ったくないシンセ・ポップ・サウンドがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=bUZj35PlKcs

「Going Away」
シングルにもなった本曲も人気なのでは?北欧らしい冬の優しさのようなものを感じる素敵なポップ・ソングです。確信犯的なシンセのピコピコ感も心憎い!
https://www.youtube.com/watch?v=frJfH0JJ7RE

「Sisters In Legs」
ダンサブル・サウンドに彼ららしいポップ・センスが見事に融合した1曲。今回久々に聴き直してコレが一番しっくりきたかも?
https://www.youtube.com/watch?v=qVXX3wkI0lo

「Believe In Me」
リアルタイムで聴いていたとき一番のお気に入りだったのがコレ。優しく包み込むようなAllan Jensenのヴォーカルと荘厳なシンセ・サウンドの組み合わせにグッときました。
https://www.youtube.com/watch?v=L_YXkJlQHzE

「Go Go Go」
「Sisters In Legs」と並び、今回再発見した1曲。他の曲とは少し異なる雰囲気のサウンドのアクセントがいい感じです。

「Goodbye And Goodnight」
ネオ・アコの名残りが香るシンセ・ポップといった雰囲気です。この曲も今回聴き直して楽しめました。

「Don't Ask Yourself」
名曲として人気の1曲。彼らのメロディ・センスと北欧らしいポップ感覚を存分に満喫できる甘酸っぱい涙の名曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=ISJW9Nzya1w

「Biology (Reprise)」
「Biology」のリプライズ。

「Buck」
ダンス・サウンドを強調した1曲。こういったポップ・ダンス系でも彼らのサウンド・センスは抜群です。
https://www.youtube.com/watch?v=gcGMNR2OfZA

「Thermometer Song」
この曲も昔からのお気に入り。エヴァーグリーン感覚の彼らのメロディ・センスが溢れた1曲。後期Prefab Sproutと共通する魅力があります。
https://www.youtube.com/watch?v=v-tS8ui83RE

Gangwayの他作品もチェックを!

『The Twist 』(1984年)
THE TWIST

『Sitting in the Park 』(1986年)
Sittinf in The Park (Early Version)

『Sitting in the Park (Again)』(1988年)
シッティング・イン・ザ・パーク

『Happy Ever After』(1992年)
Happy Ever After

『Optimism』(1994年)
gangway optimism.jpg

『That's Life』(1996年)
ザッツ・ライフ

『Whatever It Is』(2019年)
ワットエバー・イット・イズ / WHATEVER IT IS [帯・解説(中村慶(DISQUES BLUE-VERY))・歌詞対訳 / ボーナストラック1曲収録 / 国内盤CD]
posted by ez at 02:20| Comment(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする