2008年01月31日

Coke Escovedo『Coke』

Aztecaを率いたパーカッション奏者の初ソロ・アルバム☆Coke Escovedo『Coke』
Coke
発表年:1975年
ez的ジャンル:ソフト&メロウ系ラテン・ソウル
気分は... :アミーゴ!

今回はラテン・ロック/ソウル好きには外せないパーカッション奏者Coke Escovedoの紹介です。

Coke Escovedoは、1941年L.A.生まれのメキシコ系アメリカ人。弟のPete Escovedoと共に幼い頃からパーカッションを始め、Escovedo Brothersとして活動していたようです。ちなみにPete Escovedoは、後にPrinceファミリーの一員としてブレイクする女性パーカッション奏者Sheila E.のお父さんです。

1960年代にジャズ・ヴァイヴ奏者Cal Tjaderのバンド・メンバーとして活動したCokeは、70年代初めにはラテン・ロックの雄Santanaのレコーディング&ツアー・メンバーとなります。特にSantanaの3rdアルバム『Santana III』におけるCokeの貢献は大きいものでした。

その後、弟Peteをはじめ元Santanaで後にJourneyを結成するNeal Schon、Paul Jackson、Lenny White等の腕利きミュージシャンを集めて、ラテン・ロック・グループAztecaを結成し、『Azteca』(1972年)、『Pyramid Of The Moon』(1973年)という2枚のアルバムをリリースしています。

AztecaはCarlos Santanaの弟Jorge Santanaが結成したグループMaloEl Chicanoといったグループと共に、ラテン・ビート炸裂のチカーノ・サウンドを聴かせてくれましたね。本ブログでも紹介した大人気ラテン・グルーヴMalo「Nena」のアレンジはCokeです。

また、意外なところでは本ブログでも紹介したBoz Scaggs『Moments』のレコーディングにも、Cokeは弟Peteと共に参加しています。

こうしたキャリアを経てCoke Escovedoが発表した初のソロ・アルバムが今回紹介する『Coke』(1975年)です。本作の翌年に発表した2nd『Comin' At Ya』(1976年)とどちらを紹介しようか迷ったのですが...

『Comin' At Ya』には「I Wouldn't Change A Thing」「Runaway」というクラブ系リスナーにとっての強力2トップが収録されているのが魅力ですね。僕も一番好きなCokeの曲となると「I Wouldn't Change A Thing」を選んでしまいますね。「I Wouldn't Change A Thing」Johnny Bristolのカヴァー。

ただし、今日は本当はソウル系アルバムを紹介したい気分だったので、よりソウル・テイストの仕上がりとなっている『Coke』の方をセレクトしました。

ジャケの雰囲気そのままに、全体としてソフト&メロウな雰囲気が漂うラテン・ソウル・アルバムってカンジですね。Lamont DozierSmokey RobinsonLeon Wareといったソウル系カヴァーに本作の特色が出ているように思います。あとはCokeのソロ作で唯一R&Bチャートにチャート・インした「Make It Sweet」も聴きモノです。

参加ミュージシャンの中では、Linda Tilleryのパワフル&ソウルフルなヴォーカルが際立っていますね。彼女の存在なくしては、本作は成り立たないくらいの存在感があります。

全曲紹介しときやす。

「No One To Depend On」
Cokeがソングライティングに参加したSantana『Santana III』収録曲の再演。ラテン・フレイヴァーのSantanaヴァーションとは対照的に、少しルーズなファンキー・チューンに仕上がっています。ちなみにLinda Tilleryの思わせぶりのヴォーカルがグッドですね。Linda Tilleryは『Santana III』にもバック・ヴォーカルとして参加していました(本曲には未参加ですが)。

「Why Can't We Be Lovers」
60年代モータウンを支えた無敵のソングライティング・トリオH-D-Hの一人Lamont Dozierの1972年のヒット曲のカヴァー。男女デュエットによるメロウ・ソウルに仕上がっています。

「Rebirth」
Minnie Ripertonばりのソプラノ・コーラスが印象的なソフト&メロウ路線のミッド・チューン。

「Easy Come Easy Go」
ようやく4曲目にしてコンガやティンバレスが鳴り響くラテン・フレイヴァーのファンキー・チューンです。

「Love Letters」
Smokey Robinson『A Quiet Storm』収録曲のカヴァー。個人的にはソウル・カヴァーの中では本曲の仕上がりがダントツで好きですね。ラテン風味の大人のメロウ・ソウルってところですかね。アレンジのセンスがサイコーですね。話が逸れますが、最近の密かな愛聴盤が『A Quiet Storm』なので、こちらもそのうち紹介しますね。

「Halls Delight」
ブラック・ムービーのサントラあたりにピッタリなグルーヴ全開のインスト・チューン。ホーン隊が大活躍です。

「If I Ever Lose This Heaven」
本ブログでも紹介したQuincy Jones『Body Heat』収録のLeon Ware作の名曲。同じく本ブログでも紹介したAverage White Bandの大ヒット・カヴァーをはじめ、Sergio Mendes、Maxine Nightingale、Nancy Wilsonなど多数のカヴァーがありますね。ここでは男女デュエットでオリジナルの雰囲気に近い仕上がりです。

「What Are You Under」
クロスオーヴァー風味のファンキー・チューン。というかジャズ・ファンクですね。

「Make It Sweet」
前述のとおりR&Bチャートにもチャート・インした本作のハイライト曲。フリーソウル・クラシックとしてもお馴染みですね。僕もこの曲が一番のお気に入りです。

ラテンとソウルとAORのいいとこどり!みたいな仕上がりがサイコーですね。ざわめきの中からコンガのリズムとLindaのヴォーカルが聴こえてくるイントロがたまりません。Cokeらしいラテンらしいグルーヴ感とLindaのソウルフルなヴォーカルのコンビネーションが抜群です。文句なしの名曲だと思います。

「Life Is A Tortured Love Affair」
Santanaっぽい雰囲気もあるファンキー・チューン。この曲を聴くと、Boz Scaggs『Moments』にCokeが参加していたことを納得してしまいます。

ソロ第2弾『Comin' At Ya』(1976年)やAzteca『Azteca』(1972年)も改めて紹介したいと思います。
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2008年01月30日

Ocean Colour Scene『Moseley Shoals』

見事復活し、UKロックの真髄を見せつけてくれた傑作2nd☆Ocean Colour Scene『Moseley Shoals』
Moseley Shoals
発表年:1996年
ez的ジャンル:Paul Weller直系90年代UKロック
気分は... :誠実に!実直に!

昨日の夜、ハンドボールのオリンピック最終予選を尻目に、某TV局のクレーム対応を扱った番組を観てしまいました。

某焼肉チェーン「●角」社長の“お客様のクレームは会社の財産だ”という言葉が印象に残りました。

それと比較するとSeesaaブログの障害対応は???かなぁ。
結果的には、昨日のエントリーで書いた障害は最小限の範囲で止められたようですが...

技術的な対応という面では善処していると思うのですが、その間利用者に与えるストレスという点での配慮が欠けていますね。障害発生の報告ページに、毎回お決まりの定例フレーズが書かれているのを見ると形式的に詫びているようにしか見えません。

先の某社長の言葉ではありませんが、
クレームは顧客満足度を高める絶好の機会なのですから...

そんなSeesaaに嫌味ではありませんが、今回は誠実さと実直さがストレートに伝わってくるUKのロック・グループOcean Colour Scene(OCS)の久々の登場です。

前回はStyle Councilの名曲“「My Ever Changing Moods」再び”ということで、大のお気に入り「Up on the Downside」を聴きたさに『Mechanical Wonder』(2001年)をセレクトしましたが、間違いなくOcean Colour Sceneの最高傑作は今回紹介する『Moseley Shoals』(1996年)だと思います。

次世代の大物として注目されたOcean Colour Sceneでしたが、1stアルバムのレコーディングからゴタゴタが続き、デビュー・アルバム『Ocean Colour Scene』(1992年)は消化不良に終わった出来栄えでした。これに不満を持った彼らはFontanaとの契約を破棄してしまいます。

どん底状態のグループでしたが、リーダーのSteve Cradock(g)の演奏を気に入ったPaul Wellerから声が掛かり、バック・バンドの一員となり、アルバム『Wild Wood』のレコーディングにも参加します。その後、Simon Fowler(vo、g)、Damon Minchella(b)といったメンバーもPaul Wellerと活動を共にするようになります。

さらにOasisNoel Gallagherが彼らのテープを気に入り、ライブのサポート・アクトに起用したことが話題となり、4年ぶりの2ndアルバムとなる本作『Moseley Shoals』をリリースする機会を得たのでした。Oasis大嫌いの僕ですが、このチャンスを作ってくれたNoel Gallagherには感謝ですね(笑)

さて、その『Moseley Shoals』ですが、まずはMuscle Shoals Studioを意識したアルバム・タイトルがシブいですな。

そして、中身もサイコー!デビュー・アルバムで溜まった鬱憤を晴らすかのように、ソリッドで無骨なロック・サウンドを聴かせてくれます。オープニング曲「The Riverboat Song」のイントロを聴いただけで、思わずガッツポーズしてしまいますね。

Small FacesJamPaul Wellerのソロにに通じるカッチョ良さですよね。僕が90年代のPaul Wellerに求めていた音を、Paul兄貴本人ではなく、バック・バンドのメンバーが具現化してくれたってカンジです。

オススメ曲を紹介しときやす。

「The Riverboat Song」
アルバムからの1stシングル。Paul Wellerが珍しくオルガンで参加しています。個人的にはアルバムのハイライト曲。もし、90年代UKロックのベスト・ソング10曲を選ぶ機会があれば、絶対に入れる、僕にとってマストな1曲です。モッズ・バンドに期待するカッチョ良さを90年代らしく示してくれましたよねぇ。Small Facesあたりに通じるソリッドな魅力に溢れています。

「The Day We Caught the Train」
UKチャート第4位まで上昇した3rdシングル。彼らの懐の深さを感じる1曲ですね。Paul McCartney風のシャウトBeatles「I Am the Walrus」やJohn Lennon「Jealous Guy」あたりを思い起こすフレーズなどBeatlesの影響をあちこちに感じるあたりも興味深いですね。

「The Circle」
アルバムからの2ndシングルとしてUKチャート第6位となりました。タイトルだけ見た時、モッズ系バンドだけにもしかしてThe Whoのアノ曲のカヴァー?んあんて期待してしまいましたが、オリジナルでした(笑)青春ロックしている爽やかながらもビターな味わいも漂うナンバーです。Paul Wellerがギターで参加しています。

「Fleeting Mind」
60年代後半のサイケ/フラワー・ムーヴメントを思い起こす幻想的な雰囲気がありますね。この美しさが何故か切なく感じてしまいます。

「40 Past Midnight」
よく言われるように、笑っちゃうくらいにRolling Stones「Let's Spend the Night Together」してます。これは少しやり過ぎなのでは?よくStonesサイドが文句言わなかったと思います。

「One for the Road」
曲作りの良さが光る美メロ・チューン。OCSファンには人気の1曲だと思います。Paul Wellerがここではピアノとバック・ヴォーカルで参加。

「It's My Shadow」
OSCらしい地味ながらもいぶし銀の味がにじみ出てくる1曲。こういったシブ好みの曲が出来るからこそ、このグループの支持層って結構広いのかもしれませんね。

「Policemen and Pirates」
僕好みのメロディの1曲。ただし、ややポップな仕上がりなので「The Riverboat Song」、「You've Got It Bad」のようなソリッドに仕上げたら、もっとカッチョ良くなった気もします。

「The Downstream」
味わい深いアコースティック・チューン。この曲を聴いてRolling Stones「Wild Horses」を思い浮かべるのは僕だけだろうか?

「You've Got It Bad」
アルバムからの4thシングル。UKチャートの第7位となるヒットとなりました。「The Riverboat Song」と並ぶ僕のお気に入り曲。ソリッドなロックのカッチョ良さと、R&Bノリのタイトなリズム・セクションのカッチョ良さに、プラスαのひねりが加わった文句ナシの仕上がりです。

「Get Away」
60年代後半の雰囲気を90年代風に再現した大作。アシッドな雰囲気が僕は好きですね。

今夜はサッカーを観るか、ハンドボールを観るか、迷いますなぁ。
どっちも観ないで、フツーに外で飲んでたりして(笑)
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2008年01月29日

Amina『Yalil』

アラブ/アフリカとフランスの素敵な出会い!☆Amina『Yalil』
Yalil
発表年:1989年
ez的ジャンル:パリ発アラビック・ワールド・ミュージック
気分は... :投稿できない?

昨日からSeesaaブログに障害が発生し、新規の記事投稿が正常にブログに反映されない状況が続いています。

昨日投稿したMark De Clive-Lowe『Journey 2 The Light』もRSS経由の方はアクセスして頂いているようですが、Topページからはアクセスできない状態のままです。

丸1日経っても復旧しないというのは、結構トラブっているのでしょうね。

閲覧頂いてる方にはご迷惑をお掛けしますが、何卒ご了承下さい。

こんな時は投稿休めばいいのでしょうが、今週末が仕事で忙しく投稿サボることが予想されるので(笑)、エントリーしておきたい気分です。

こんな時ですから、滅多に紹介しないワールド・ミュージック作品でも取り上げたいと思います。

そこでセレクトしたのがAmina『Yalil』(1989年)です。

以前紹介した『特別企画・ワールド・ミュージックを振り返る10枚』でもセレクトした1枚です。

きっと1980年代後半から90年代初めのワールド・ミュージック・ブームにリアルタイムでハマった人以外は馴染みがない作品だと思います。

Amina(本名Amina Annabi )は、1962年北アフリカのチュニジア生まれの女性シンガー。

チュニジアと聞いて、サッカー好きの僕などはすぐにアフリカのサッカー強豪国というイメージ、古代都市カルタゴの名前が思い浮かぶくらいですが、旧フランス領であり、言語や宗教面ではアラブ文化圏の国ということになります。

Amina自身は10代の時にフランスのパリへ移住し、パリで音楽活動を開始します。

そして、その後のワールド・ミュージック・ブームの仕掛人となる音楽プロデューサーMartin Messonierとの出会いがAminaに転機をもたらします。

Martin Messonierと言えば、King Sunny AdePapa WembaCheb Khaledなどの作品をプロデュースしたことで、ワールド・ミュージック好きの人ならば、誰でも知っている有名プロデューサーでしたね。

恋仲となり公私共にパートナーとなったAminaとMartinが作り上げた渾身の1作が本作『Yalil』です。

Martin Messonierらしい、アフリカやアラブのテイストを最新のテクノロジーを駆使したダンス・ミュージックとしてまとめ上げ、そこにパリのエスプリを効かせたスタイリッシュな作りになっています。Aminaの妖艶かつミステリアスなヴォーカルもグッドです!

歌詞はアラビア語、フランス語、英語と多彩ですし、ミュージシャンもアフリカ、ヨーロッパの各国から精鋭を集めた多国籍軍となっています。

サッカー好きでフランスのプロ・サッカー・リーグ(リーグ・アン)に興味がある方などは、リーグ・アンの外国人選手の多くはアフリカ出身であることに気付くと思います。一方で、サルコジ大統領の移民政策などを通じて、旧植民地からの移民の苦しい立場を知ることもできます。結構、フランスとアフリカの関係って、我々が想像する以上にデリケートなんでしょうね。

少なくとも、本作においてはフランスとアフリカ、アラブは素敵な出会いをしています。
現実社会でもそうなることを願って止みません。

全曲紹介しときやす。

「Le Circle Rouge」
フランス語で歌われるオープニングは、シャンソン・フレイヴァーです。シャンソンとアラブが融合したミステリアスなムードが印象的ですね。

「Belly Dance」
当時人気だった1曲。アラビック・ハウス・ミュージックって感じの仕上がりです。当時ハウスにも結構ハマっていた僕にとっては、こういった曲はなかなか嬉しかったですね。アルバムには本曲のリミックスも収録されており、この当時のハウス・コンピに収録されていても違和感ないフロア仕様となっています。

「Yalil」
タイトル曲は、アラビックな旋律が強調された1曲。今思うと、このあたりはもっとテクノロジーを抑え目にして、ナチュラルな感じに仕上げていても面白かった気もします。

「Gallouli」
親しみやすいメロディを持ったポップ・チューン。アコーディオンの音色が印象的ですね。

「Embarrasse Moi」
アルバムのお気に入り曲の1つ。「惑わせて」の邦題通り、幻惑ムードが漂うハウス・テイストの無国籍ダンス・ミュージックです。エスニックなのですが、それがあまり強調されすぎず、あくまでスタイリッシュなダンス・ミュージックを追求しているのがいいですね。

「Neila」
アラビックというよりも、異国情緒に溢れたという表現が似合う1曲ですね。Sadeあたりに通じるクールネスが好きです。

「Ma Lisane Boul」
「Embarrasse Moi」と並ぶお気に入り曲。この曲はパリらしいオシャレ感に溢れていますね。Martin Messonierの作り出す洗練されたサウンドとAminaの妖艶なヴォーカルが見事に噛み合っている気がします。


「Mektoubi」
この曲はアラビック・テイストが強調された1曲です。それでもMartinがプロデュースしたポップ・ライの傑作Cheb Khaled『Kutche』(1989年)のようなものではなく、あくまでフレイヴァーとして多めという程度かもしれませんね。

投稿が正常に反映されるか心配ですが、とりあえずエントリーしておきます。
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2008年01月28日

Mark De Clive-Lowe『Journey 2 The Light』

ブラック・ジャズとブロークン・ビーツを融合したフューチャー·スピリチュアル·ジャズ☆Mark De Clive-Lowe『Journey 2 The Light』
Journey 2 the Light
発表年:2007年
ez的ジャンル:ブロークン・ビーツ系Nu Jazz
気分は... :知識よりも感性が大事!

こういった音楽系ブログを書いていると、知らず知らずのうちに音楽を難しく聴いていることがある。

プロデューサーが誰だ、バック・ミュージシャンが誰だ、この曲の元ネタは何だ、誰某がカヴァーしている、チャートで何位だった...等々

確かに作品やアーティストに関する知識・情報はあった方が良いのかもしれない。一方で、そうした知識・情報に囚われすぎると、音楽を楽しめなくなってしまうこともある。元々そんなに知識があるわけじゃないしね。

僕が音楽を聴くのは、楽しむため、癒されるため、励まされるため、感動するため...

音楽は知識で聴くものではない、感性で聴くもの
音楽は頭で聴くものではない、心で聴くもの

あくまでも趣味なんだから、もっと楽しまないとね。

と書きつつ、作品やアーティストに関する知識・情報も書かないと、記事が書きづらいのも事実なんですけど(笑)

こういう場合は、殆ど知識・情報を持たないアーティストを取り上げるのが良いかもしれませんね、
ということで、今回はMark De Clive-Lowe『Journey 2 The Light』(2007年)です。

昨年12月初旬に、このクラブ・ミュージックのアルバムを購入したのですが、購入以来コンスタントに聴いています。まさに理屈抜きに楽しめる鼓動を感じるアルバムですね。

本作を購入するまでMark De Clive-Loweというアーティストにつて全く知りませんでした。これから書く情報も殆ど一夜漬け情報です(笑)

Mark De Clive-Loweは1974年ニュージーランド生まれ(父はニュージーランド人、母は日本人)。現在は西ロンドンをベースに活動するプロデューサー/キーボーディストであり、ジャズの名門バークリー音楽院出身という経歴とブロークン・ビーツ/クロスオーヴァー・シーンでの活躍ぶりから、“西ロンドンのHerbie Hancock”と呼ばれているのだとか。Master At Workあたりとも交流があったみたいですね。

本作『Journey 2 The Light』は、多分『Six Degrees』(2000年)、『Tide's Arising』(2004年)に続く3枚目のソロ・アルバムだと思います。

本作は日本発の新レーベルFREEDOM SCHOOLからのリリースとなります。
レーベル名の由来は、60年代アメリカ南部で実在した学校にあるそうです。公民権運動の中で子供たちが“読み書き”や“権利”を学べるために作られたこの学校に習い、「深く心に響いて、心を癒したり、励ましたり、何かを教えてくれたりする音楽」の発信を目指しているのだとか。

本作には、ロンドンのクラブ・ミュージック・シーンではお馴染みの女性ヴォーカリストBembe Segue、スピリチュアルなサックス奏者Jason YardeMiles DavisStevie Wonderともセッションしたパーカッション奏者Sammy Figueroa等のメンバーが参加しています。特にBembe Segueは、Mark De Clive-LoweとThe Politikというユニットを組み、昨年Politikとしてのデビュー・アルバムもリリースしています。

かなりジャンル分けの難しい音楽かもしれませんね。
僕は本作を渋谷タワレコで購入しましたが、最初Jazzのクラブ・ジャズ/ニュー・ジャズのコーナーで見つからず、別フロアのハウス/テクノのコーナーでようやく見つけることができました。

ライナーで本作を“「ブラック・ジャズ」と「ブロークン・ビーツ」を融合した「フューチャー·スピリチュアル·ジャズ」だ”と説明しています。個人的には、アフリカンなテイストが印象に残りますね。

僕はPharoah Sandersのようなスピリチュアル·ジャズやFela kutiのアフロ・ビートが好きですが、本作はそうした要素をブロークン・ビーツに取り入れた「Pharoah SandersFela kuti+ブロークン・ビーツ」といった趣きのNu Jazzに仕上っていると思います。

まぁ、小難しいことは考えずに、心で楽しみましょ!

オススメ曲を紹介しときやす。

「Voices Whisper」
アルバムで一番のお気に入り。Pharoah Sanders風のスピリチュアルなイントロから、一気にパーカッシヴなNu Jazzが展開されます。コズミックでアフリカンな雰囲気に、Bembe Segueのヴォーカルが実にマッチしていますね。

「Reprogram」
この曲を聴くと、確かにジャズ・コーナーではなくハウス/テクノ・コーナーに置きたくなるかもしれませんね。ダークな盛り上がり方が好きです。

「Northern Lights」
スピリチュアルなヴォーカル・チューンです。Bembe SegueのヴォーカルとJason Yardeのサックスを堪能しましょう。

「Peace Be Central」
Nu Jazzとして聴くと、この曲が一番カッチョ良いのでは?Mark De Clive-LoweのセンスとBembe Segueのヴォーカル、Jason Yardeのサックスのバランスが見事だと思います。

「Question XIII」
アフリカンな色彩がかなり強いですね。Fela kutiがフューチャー・ジャズを作ったら、こんな感じになるのでは?

「2 Blind 2 See」
ロー・ビートのヴォーカル・チューン。ネオ・ソウルっぽい雰囲気もあっていいですね。

「Another One Save Me」
「Question XIII」同様アフリカン・テイストに溢れる1曲。まさに「Pharoah Sanders+Fela kuti」な展開がサイコーですね。

心で音楽を聴くためには、それを表現するボキャブラリを増やさないといけませんね。最近、自分の文章能力不足を痛感します。勉強せねば!
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2008年01月27日

The Specials『Specials』

ロンドンに一大スカ・ブームを巻き起こした、センセーショナルなデビュー作☆The Specials『Specials』
Specials
発表年:1979年
ez的ジャンル:2トーン流スカ/パンク
気分は... :徹夜明けにはスカ/パンク?

今日は徹夜明けで現在フラフラです〜っ。

そんな状態で聴きたくなったのが何故かSpecials
数年に1度位しか聴かないグループなのに...それが今日なのかも???

The Specialsと言えば、2Toneレーベルを立ち上げ、パンク直後のイギリスに一大スカ・ブームを巻き起こしたグループですよね。

オリジナル・メンバーは、Jerry Dammers(org)、Terry Hall(vo)、Neville Staple(vo)、Lynval Golding(g)、Roddy Radiation(g)、Sir Horace Gentleman(b)、John Bradbury(ds)の7人。

1979年にシングル「Gangstars」でデビューすると、2ndシングル「A Message To You Rudy」 が早くもUKチャートTop10入りします。そして、今日紹介するデビュー・アルバム『Specials』をリリース。2Toneと契約したThe SelecterMadnessThe Beat(The English Beat)らと共に一大スカ・ブームを巻き起こします。

1980年には2nd『More Specials』をリリースするものの、方向性の違いなどからメンバー間の関係に亀裂が生じ、1981年にUKチャートNo.1となったラスト・シングル「Ghost Town」を置き土産にグループは解散してしまいます。

メンバーのうち、Terry Hall、Neville Staple、Lynval Goldingの3人はFun Boy Threeを結成し、Terry Hallの個性を生かした独特のポップ・ワールドを展開していきました。

一方のJerry Dammersは、本ブログでも紹介したように、“Specialsよもう一度”の思いで、新メンバーを集めてSpecial AKAの名称でアルバム『In The Studio』(1984年)をリリースしました。

僕の場合、上記のスカ・ブームはタッチの差で体験することができず、リアルタイムでSpecialsに出会えたのは、ラスト・シングル「Ghost Town」でした。

なので、Specialsよりも、その後のFun Boy Three『Waiting』Special AKA『In The Studio』といったアルバムの印象が強いですね。我が家のCD棚には『Specials』、『More Specials』、『Waiting』、『In The Studio』の4枚が続けて並べられていますが、手に取るのは圧倒的に後の2枚が多いです。

でも冒頭に述べた理由で、今はスカ/パンクな気分になり、久々に『Specials』を聴いたら、なかなかグッドでした。

スカのリズム+パンクのテイスト+モッズなファッション

冷静に考えれば、この組み合わせは格好良いですよね。

2Toneの名の通り、白人黒人混成グループのエネルギッシュなパワーを感じます。

オススメ曲を紹介しときやす。

「A Message To You Rudy」
アルバムからのリード・シングルとしてUKチャートの第10位となった曲。カヴァー曲でオリジナルはDandy Livingston。ソングライティングのクレジットにはLee "Scratch" Perryの名もあります。

何かユル〜いカンジがグッドっす!元Skatalitesの伝説のトロンボーン奏者Rico Rodriguezがいい味出しています。

「Do The Dog」
パンク+スカ+モッズってカンジのカッチョ良さが好きですね。今聴いても結構洗練されている気がします。

「Nite Klub」
僕がイメージする典型的なスカって、こんなカンジかもしれませんね。このズンチャ♪ズンチャ♪感がそう思わせるのかも?

「Concrete Jungle」
パンクとスカが密着しているカンジがサイコーですね!とこのタイトルを聴くと、やっぱりBob Marlyを思い出してしまいますが...

「Monkey Man」
人気曲ですよね。スカはやっぱりこのハジけた感じがないといけませんな。スカ〜ロックステディ〜レゲエとジャマイカ音楽の歴史そのものであったグループToots & the Maytalsのカヴァーです。

「(Dawning Of A) New Era」
歯切れの良いスピード感が魅力ですね。

「Stupid Marriage」
昔はこのヘタウマ感が何とも好きですね。後半の一気にヒート・アップするところがサイコーです。

「Too Much Too Young」
見事UKチャートNo.1に輝いた大ヒット・シングル。抜群にポップでキャッチーな曲とも思えないこの曲が大ヒットしたところに、当時の2Tone旋風の勢いを感じますね。

「Little Bitch」
アルバムでコレが一番好きという方は結構多いのでは?僕もそんな一人です。♪ワン・ツー♪の掛け声と共に、本当にスペシャルなSpecialに出会えると思います。

「You're Wondering Now」
Andy & Joeyのカヴァー。ほのぼのしたムードがご機嫌ですね!

MadnessThe Beatあたりも機会があれば紹介しますね。
その前にFun Boy Three『Waiting』あたりが先になるかも?
posted by ez at 13:30| Comment(4) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする