2008年05月31日

Kings Of Tomorrow『Trouble』

ハウス界の重鎮がUKのDefectedよりリリースした快心作☆Kings Of Tomorrow『Trouble』
Trouble
発表年:2005年
ez的ジャンル:クオリティ・ディープ・ハウス
気分は... :アンリにそっくり?

僕のように年代、ジャンル不問のスタイルで作品をコレクションしていると、枚数持っている割には特定ジャンルに関しては意外とコレクションが浅く、マニアックなうん蓄を語ることができません(笑)

一方で特定ジャンルに縛られない分、ピュアな聴き方ができると思っています。基本的に年代・ジャンル間をダイナミックに飛び越える聴き方が好きなんでしょうね。

最近のエントリーで言えば、3日前が若い女性受けするR&BDestiny's Childで一昨日がオヤジ受けするVan Morrison、昨日がMahavishnu Orchestraの中途半端なフュージョン作品、そして今日はハウスのKings Of Tomorrow...こういった脈絡のない聴き方が楽しいし、自分の中ではかなり自然なスタイルなんですよね。

いくら鰻が好きだからって、毎日鰻じゃ飽きるでしょ!というのが僕の理屈なのですが(笑)

前述のように、今日はハウス界の重鎮Kings Of TomorrowことSandy Riveraが2005年にUKの人気ハウス・レーベルDefectedからリリースしたアルバム『Trouble』です。

Sandy RiveraはNY出身のハウスDJ/プロデューサー。長年ニュージャージーを拠点にしてきましたが、現在はロンドンを拠点にしているようです。

Kings Of Tomorrow(KOT)名義で90年代前半から数多くシングル・リリースをしているようですが、僕は勉強不足で全然知りません。本作『Trouble』以前のもので知っているのは2000年リリースの人気曲「Finally」ぐらいです。

ハウスのアルバムを購入するのは多くても年4〜5枚程度とかなりシーンの状況には疎いのですが、それでも最新のヴォーカル・ハウスもので何か良い作品はないかと、4半期に1回程度はCDショップで念入りにチェックするようにしています。

本作もそんな中で見つけた1枚でした。まずはジャケが気になり、それに釣られて試聴したら歌モノ中心かつメロウ&ディープ系のサウンドがグッド!ということで即買いした記憶があります。

それから数年経ちますが、未だに鮮度が保たれており、飽きのこない1枚ではないかと思います。僕のようにフロア以外でハウスを聴く人にも十分楽しめる内容になっていると思います。

週末の夜に聴きたくなる1枚です。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Make Believe」
UKハウスシーンで活躍する男性ヴォーカリストSteve Edwardsをフィーチャー。イントロのギター・ソロで少し驚きますが(笑)、安心して聴けるスムーズなヴォーカル・ハウスに仕上がっています。アコースティック・ギターの音色が爽快でいいですね。

「Changes」
マレーシア出身のヴォーカリストHazeをフィーチャー。90年代初めの頃に最も熱心にハウスを聴いていた僕の場合、このタイトルを見ると当時大好きだったヴォーカリストRobert Owensの同名異曲を思い出してしまうのですが、Hazeの浮遊感漂うヴォーカルはRobert Owensに似ている気がします。意味なく夜遊びしたくなるような、妖しい高揚感が湧いてくるサウンドも僕好みです。

「Sometimes」
この曲もHazeをフィーチャー。単調だけど怪しげなノリでグイグイ引っ張るあたりがいいいですね。「Changes」なんかもそうですが、隠し味程度にスペーシーな感じがいいですね。

「Changes」や「Sometimes」を聴いていたら、Robert OwensやFingers Inc.(Robert OwensとLarry Heardが組んだ伝説のユニット)が聴きたくなってきました。ちなみにKOTは本作と同じ2005年に、Sandy Rivera名義でRobert Owensと共演したシングル「Just Won't Do」をリリースしています。

「Another Day」
女性ヴォーカリストLeedia Urteagaをフィーチャーした僕の一番のお気に入り曲。クール&アフターなトラックにセクシー&キュートなLeedia Urteagaのヴォーカルが絡む、エレガントなんだけど少し寂しげな仕上がりが絶品です。Leedia Urteagaのヴォーカルがサイコーです。

「Rain」
男性シンガーLT Brownをフィーチャー。エレガントなストリングスを配した叙情的な仕上がりが印象的なエレクトロニカ風の1曲。LT BrownのソウルフルなヴォーカルとLeedia Urteagaのバック・コーラスの掛け合いがいい感じです。

「6PM」
女性ヴォーカリストNina Laresをフィーチャー。Alfonso Afanadorのギターリフが印象的なロッキンスタイルのハウス・チューン。結構渋めの仕上がりが心憎いですな。

「Thru」
Hazeをフィーチャー。フロア向けのダビーでディープな仕上がりです。個人的にはアルバム未収録のSimon Greyによるジャジー&キャッチーなリミックスがオススメです。

「Dreams」
アラビアンなフレーズでお馴染みのヒット・シングル。みんなで盛り上がるフロア向けの仕上がりですね。個人的にこの手は少し苦手です。

「So Alive」
トライバルな仕上がりが僕好みです。Leedia Urteaga、LT Brown、Nina Laresのコーラス隊も盛り上げてくれます。アルバムだと約3分半ですがもっと長尺で聴きたいですね。

「Changes (RNB Mix)/No Te Vaya/Messages」
「Changes」のアコースティックなリミックスの後に5分以上の空白があり、スパニッシュ・テイストの「No Te Vaya」、ダークな「Messages」が続きます。どうせならば3曲別々にして欲しかったですね。「No Te Vaya」がかなりグッドだと思いマス。

このジャケを眺めていると、サッカーのフランス代表FWアンリがカツラをかぶっているように見えるのは僕だけでしょうか?

サッカーと言えば、いよいよEuro2008開幕まで1週間ですね。
来週に僕の見所、予想を書きたいと思っています。予習しなくちゃ!
posted by ez at 07:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月30日

Mahavishnu Orchestra『Inner Worlds』

Narada Michael Walden大活躍の第二期ラスト作☆Mahavishnu Orchestra『Inner Worlds』
Inner Worlds
発表年:1976年
ez的ジャンル:ギターシンセ系フュージョン
気分は... :僕はこの軟弱さが好きだな!

John McLaughlin率いるMahavishnu Orchestraの2回目の登場です。

『Birds of Fire』(1972年)の続き紹介するのは、第2期Mahavishnu Orchestraのラスト・アルバム『Inner Worlds』(1976年)です。

前回紹介した第1期Mahavishnu Orchestra時代の『Birds of Fire』は、インド音楽/思想の影響が強く反映されたジャズ・ロックによりグループの人気を確立した重要作でした。

それに対して、第2期のラスト作品『Inner Worlds』は、コアなMahavishnu Orchestraファンからは評価の低い作品だと思います。ヴォーカル入りのポップな作品も含まれ、その軟弱さが敬遠されたのだと思います。

さらに1975年にMcLaughlinはインド人ミュージシャン達とのアコースティックなグループShaktiを結成しており、Mahavishnu Orchestraへの力の入れ具合が疎かになっていたように映ったのかもしれませんね。実際、本作にはMcLaughlin本人が不参加の楽曲も含まれます。

一方で、本作ならではの新たな試みにも挑戦しています。それはMcLaughlinのギターシンセへの取り組みです。前作『Visions of the emerald beyond』(1975年)を最後にJean-Luc Ponty(vln)、Gayle Moran(key)が去り、新たにStu Goldberg(key)が加入し、John McLaughlinStu GoldbergRalphe Armstrong(b)、Narada Michael Walden(ds)の4人体制になりました。バイオリンのサウンドの大胆な導入がサウンドの特徴の1つでしたが、それを補うためにMcLaughlinが試みたのがギター・シンセです。

僕自身はギター・シンセへの興味はありませんが、フュージョン・ファンの方はこのあたりを楽しむのも1つかと...

僕の場合、前述のコア・ファンが敬遠するポップ&メロウな側面に魅力を感じて本作を購入しました。その鍵を握っているのが本作でMcLaughlin以上に目立っているNarada Michael Waldenの存在です。

R&Bファンの方ならばご存知のとおり、80年代、90年代にAretha FranklinWhitney HoustonMariah Carey等を手掛けたことで一躍人気プロデューサーとなったNaradaですが、そうした大成功に至る前の若き日のNaradaの活躍に興味が湧きましたね。

『Apocalypse』(1974年)、『Visions of the emerald beyond』(1975年)、『Inner Worlds』(1976年)という3枚の第二期作品は古い順に評価が高いと思いますが、それはあくまでもフュージョン・ファンの観点だと思います。

本作は、統一感のないとっ散らかったアルバムであることは事実ですが、そのバリエーションが逆に楽しめるアルバムでもあります。僕のようなR&B好き、メロウ好きが聴くフュージョンとしては案外悪くない作品だと思います。

オススメ曲を紹介しときやす。

「All in the Family」
エキサイティングでカッチョ良いフュージョンらしいグルーヴを堪能できるオープニング。テンションが高い各メンバーの中でも特にNaradaのドラムがカッチョ良すぎですね。僕などは"プロデューサーNarada Michael Walden"の印象が強いので、ドラマーとしてのNaradaの魅力を再確認した1曲です。

「Miles Out」
Mahavishnu Orchestraらしい演奏が堪能できる仕上がり。4人にメンバーを絞り、ギター・シンセを導入したグループの狙いが最も良いかたちで反映されている曲だと思います。

「In My Life」
「River of My Heart」と並ぶ僕のお気に入り曲。昔からのコアなファンからは敬遠されるであろうメロウ・チューンです。NaradaのメロウなヴォーカルがR&B/ポップ・フィールドでの成功を予感させます

「Gita」
これもNaradaのリード・ヴォーカルをとる歌モノです。良くも悪くもNaradaのメロウなヴォーカルとMcLaughlinのギター・シンセのアンバランスさが目立ちます。

「The Way of the Pilgrim」
キャッチーで聴き易いフュージョン・チューン。スポーツ・イベントのテーマ曲にでも流すとピッタリな感じがします。

「River of My Heart」
僕が本作を購入するキッカケとなった曲。本ブログでも何度か紹介しているメロウ・グルーヴ系の有名なコンピ『Quiet Paradide』収録曲です。「In My Life」同様コアなファンからは敬遠されるメロウなヴォーカル入りスロウです。しかもMcLaughlinは不参加で、Naradaのヴォーカル&ピアノ&パーカッションとRalphe Armstrongのアコースティック・ベースのみという異色の1曲です。Mahavishnu Orchestraらしくないところが最大の魅力なのでは(笑)

「Planetary Citizen」
ヴォーカル入りのキャッチーなファンキー・チューン。この曲もフュージョン好きよりもファンク好きの方から支持される曲かもしれませんね。2分強の曲なのでもっと長尺で聴きたいですな。

「Lotus Feet」
叙情モードのインスト。McLaughlinのギター・シンセがオカリナっぽくて、エスニックな味わいもありますね。

「Inner Worlds Pts. 1 & 2」
McLaughlinのギター・シンセが炸裂するコズミックな1曲。フュージョンというよりプログレを聴いている感覚になる曲ですね。

本作を最後にMcLaughlinはMahavishnu Orchestraの活動に区切りをつけます。
posted by ez at 08:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月29日

Van Morrison『Astral Weeks』

ロック史上最も売れなかった名盤?☆Van Morrison『Astral Weeks』
アストラル・ウィークス
発表年:1968年
ez的ジャンル:ロック的ではないロック・アルバム
気分は... :我が道を行く....

昨日は女性の支持が高いデスチャだったので、今日は男性の支持が高いアーティストにしてみたいと思いマス。ということで孤高のロック・シンガーVan Morrisonの登場です。男性の支持が高いというよりも、僕のようなオヤG層の支持が高いアーティストかもしれませんが(笑)

Van Morrisonについては、これまで『Tupelo Honey』(1971年)、『Avalon Sunset』(1989年)、『Saint Dominic's Preview』(1972年)の3枚を紹介してきました。

今回は最も有名なMorrisonのアルバム『Astral Weeks』(1968年)です。

Rolling Stone誌の『500 Greatest Albums All Time』でも第9位にランクされた名盤の誉れ高い1枚ですね。一方で、当時商業的にはさっぱり売れなかったことから"ロック史上最も売れなかった名盤"と称されることも多い1枚ですね。

Them時代のプロデューサーBert Bernsが設立したレーベルBangからソロ・デビュー・アルバム『Blowin' Your Mind』(1967年)をリリースしたMorrisonでしたが、Bernsが急死したため2ndアルバム制作の予定が頓挫してしまいます。そんな失意のMorrisonが、新たにワーナー・ブラザーズと契約し、わずか2日間のレコーディングで制作したアルバムが本作『Astral Weeks』です。

本作の特徴として、バックにMJQのConnie Kay(ds)やRichard Davis(b)といったジャズ畑のミュージシャンの参加が挙げられます。Connie Kayは『Tupelo Honey』にも参加しています。

そんな影響でロックの枠からはみ出したロック作品となっています。
Morrison本人は、"ロックとは異なる歌がたくさん入ったアルバム"を作ったつもりだったのに、評論家たちが"素晴らしいロック・アルバム"と絶賛したのが面白いですね。

個人的には『Astral Weeks』よりも、よりR&B的なアプローチが強い『Moondance』(1970年)や穏やかで柔らかい『Tupelo Honey』(1971年)の方が断然好きです。

でも、Van Morrisonの原点として『Astral Weeks』はやはりマスト・アイテムだと思います。

名盤として聴くと肩透かしを食らう可能性があるのでそれを意識せずに、"地味だけど渋い、ジャズ風味のフォーキー・アルバム"くらいの感覚で聴くと楽しめると思います。

アルバムには前半に"In The Beginning"、後半に"Afterwards"というタイトルが付いています。

全曲紹介しときヤス。

「Astral Weeks」
タイトル曲はフォーキーな味わい。フルートのオブリガードが良いカンジですね。20代前半のこの時点でこの枯れ具合はシブすぎですな。

「Beside You」
前述のロックから離れた歌の典型のような仕上がり。クラシック・ギター&フルート&ヴァイヴによるクラシカルな演奏をバックに、Morrisonが"俺はお前のそばにいる"と繰り返し熱唱します。まさにMorrisonでなければ創れない歌世界ですな。

「Sweet Thing」
甘さ控えめ、大人のスウィート・シングといった趣の仕上がり。激シブの歌が多い中で比較的聴きやすい躍動感があります。

「Cyprus Avenue」
Morrisonの故郷Belfastにあるストリートについて歌ったもの。ハープシコードの響きとMorrisonのブルージーなヴォーカルの組み合わせが面白いですね。案外イケてます。

ここまでが"In The Beginning"です。

「Way Young Lovers Do」
この曲からが"Afterwards"です。「Way Young Lovers Do」はファンキー&スウィンギーなジャズ・チューンに仕上がっています。本作のハイライトはこの曲かもしれませんね。独特のカッチョ良さがありますね。

「Madame George」
味わい深い牧歌テイストのフォーキー・チューンに仕上がっています。Richard Davisのウッドベースがいい味出しています。

「Ballerina」
個人的には一番お気に入り曲。このバック・メンバーなのにThe Bandあたりと共通するルーツ・ロックの臭いを感じてしまいマス。不思議な感じですね。

「Slim Slow Slider」
最後はしみじみ聴き入るバラード。遠くから木霊してくるかのようなソプラノ・サックスがいいですね。

最初に聴くべきMorrisonのアルバムとしては本作を勧めません。でも、いつかは必ず聴くべきアルバムだと思いマス。
posted by ez at 09:14| Comment(2) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月28日

Destiny's Child『The Writing's On The Wall』

運命の子Beyonceが飛躍する分岐点となった運命の大ヒット2ndアルバム☆「Destiny's Child『The Writing's On The Wall』
The Writing's on the Wall
発表年:1999年
ez的ジャンル:運命の子系女性R&Bグループ
気分は... :汝、誘惑に屈することなかれ!

"「デスチャ」"の愛称でお馴染みの女性R&BグループDestiny's Childの紹介です。
21世紀に入ってから最も人気のあった女性R&Bグループかもしれませんね。

Destiny's Childは、Beyonce(Beyonce Knowles)を中心にLaTavia(LaTavia Roberson)、Kelly(Kelly Rowland)、LeToya(LeToya Luckett)の4人で結成されたグループ。4人全員1981年生まれであり、結成当時はみんなまだ小学生だったんですね。聖書から引用したグループ名を命名したのは、Beyonceの父親でありグループのマネジャーでもあったMathew Knowlesです。

Christina AguileraTLCのツアーの前座を経験した後、1998年にシングル「No, No, No」Wyclef Jeanプロデュース)でデビュー。その後2005年の解散まで人気女性R&Bグループとして多くのヒット曲と絶大な人気を誇りました。その後、リーダーのBeyonceがソロでも大成功を収めたことは皆さんご存知だと思いマス。

こうしたポップ・アイコン的なR&Bアーティストの作品って、一定年齢以上のコアなR&Bファン(特に男性)からは敬遠されがちですよね。僕もある時期そうでしたが、5〜6年前あたりから反省して聴くようになりました。これが案外悪くないし、若い女性との会話もはずむし、変な先入観を持たずに聴くと良いことが沢山あると思います(笑)

デスチャの場合、日本でもお馴染みのタイトル曲を含む3rdアルバム『Survivor』(2001年)やラスト・アルバムとなった『Destiny Fulfilled』(2004年)あたりの印象も強いですが、個人的には今日紹介する『The Writing's On The Wall』(1999年)がベストの作品だと思います。

前述のデビュー・シングル「No, No, No」が全米ポップ・チャート第3位、R&Bチャート第1位の大ヒットとなったものの、デビュー・アルバム『Destiny's Child』(1998年)は全米アルバム・チャート第67位と振るわず、起死回生を狙って制作されたのが本作『The Writing's On The Wall』です。

アルバム・タイトルは「モーセの十戒」をモチーフにしたものであり、"汝、誘惑に屈することなかれ!"といった彼女たちの戒律(?)と関連づけられているのだそうです。

そうしたコンセプトに基づき、その後のデスチャやBeyonceのイメージを形成する、男性に屈しない強い女性像が描かれているのが印象的です。この強い女性像こそが多くの女性から支持を得たのでしょうね。

サウンド面では、TLC「No Scrubs」の大ヒットで注目されつつあったプロデューサーKevin "She'kspere" Briggsの抜擢がポイントだと思いマス(全16曲中5曲をプロデュース)。刺激的なスピード感とエレガントさが同居するバロック調サウンドは、最強グループを目指したデスチャのイメージと見事にハマった気がします。

それ以外にRodney "Darkchild" JerkinsMissy Elliott/Timbaland、Dwayne Wiggins(Tony! Toni! Tone!)、Daryl Simmons等がプロデューサーとして参加しています。そんな顔ぶれに混じって、当時17歳のBeyonceも数曲でプロデュースも手掛けています。次作『Survivor』でプロデューサーとしての手腕を大々的に発揮するBeyonceですが、その才能の片鱗を既に見せています。

結果として、「Bills, Bills, Bills」「Bug A Boo」「Say My Name」「Jumpin, Jumpin」という4曲のヒット・シングルが生まれ、アルバムも全米アルバム・チャート第5位のヒットとなりました。

21世紀の女性R&Bグループの方向を示した重要アルバムとして見逃せない作品だと思いマス。

オススメ曲を紹介しときやす。

「So Good」
She'kspereプロデュース曲。She'kspereらしいトラックがいいですね。ヴォーカルのプロダクションがなかなか面白くて好きです。今聴くと♪ソ〜ソ〜♪グッグッグッグ〜♪の部分で、思わずポーズをとるエドはるみの姿を思い浮かべてしまいます(笑)

「Bills, Bills, Bills」
She'kspereプロデュースによるアルバムからの1stシングル。全米ポップ・チャートNo.1の大ヒット曲。一世風靡したバロック調のShe'kspereサウンド、男性に屈しない強い女性を描いた歌詞と、その後の女性R&Bの流れを作り、デスチャのイメージを確立した重要曲ですね。

「Bug A Boo」
アルバムからの2ndシングルとして全米R&Bチャート第1位となりました(ポップ・チャートでは最高位33位)。Toto「Child's Anthem」をサンプリングしたドラマティックなトラックが印象的ですね。She'kspereプロデュース。

「Temptation」
Tony! Toni! Tone!のDwayne Wigginsプロデュース。かなり好きな1曲。ティーンズ・グループとは思えない、お色気たっぷり誘惑しまくりの美メロ・スロウです。

「Now That She's Gone」
Ken "K-Fam" Fambro/Donnie "D-Major" Boyntonプロデュース。アップものに注目しがちですが、こういったじっくり聴かせる曲もいいですよね。恋に揺れる10代の女の子らしい雰囲気ですが、最後に"あなたとはお終いよ"とバッサリ切り捨てるあたりがデスチャらしいかも(笑)

「Hey Ladies」
She'kspereプロデュースのアップ・チューン。リズム・トラックがなかなかカッチョ良いと思いマス。どうしても本作はShe'kspere絡みの曲が目立ってしまいますね。

「If You Leave」
男性R&BグループNextをフィーチャー。合コン・モードといった感じ...なわけないですね(笑)

「Jumpin, Jumpin」
アルバムからの4thシングルとして全米ポップ・チャート第3位のヒットとなりました。僕の中では「Bills, Bills, Bills」と並びデスチャのイメージを強く印象付けた1曲ですね。Missy Elliott/Timbalandあたりのプロデュースと錯覚しそうなチキチキ・サウンドをバックに、たたみかけるヴォーカルで迫ってきます。夜遊びモードの女の子たちは積極的ですな(笑)実際にはBeyonce自身がプロデュースに参加しています。リミックスにはBow Wow、Jermaine Dupri、Da Brat等がフィーチャーされています。

「Say My Name」
Rodney "Darkchild" Jerkinsプロデュースの人気曲。アルバムからの3rdシングルとして全米ポップ・チャート、R&Bチャート共に第1位となり、2001年のグラミーでもBest R&B Performance、Best R&B Songの2冠に輝きました。Rodney Jerkinsらしい哀愁トラックでBeyonceの魅力をうまく引き出していると思います。

「She Can't Love You」
元カレの新しい恋人に対して"彼女の愛が私の愛に勝てるわけがないわ!"と歌う哀愁モードのスロウ。女性は強し、怖しですな(笑)She'kspereプロデュース。

「Stay」
胸キュン・スロウがお好きな方にオススメ。Beyonceが感動的なヴォーカルを聴かせてくれます。Daryl Simmonsプロデュース。

「Sweet Sixteen」
Dwayne Wigginsプロデュースの2曲目。トニーズ系のナチュラルな仕上がりです。彼女たちに"まだ16歳なの"なんて歌われてもねぇ...(笑)

「Get on the Bus」
インターナショナル盤のボーナス・トラック。Missy Elliott/Timbalandプロデュース(Timbalandはラップでも参加)。元々はHalle Berry主演の映画『Why Do Fools Fall in Love』(1998年)のサントラ収録曲です。

商業的な大成功を収めたデスチャですが、それと逆行するようにグループ内部ではゴタゴタ続きに。Beyonceばかりが脚光を浴びることに不満を持ったLaTaviaとLeToyaが本作を最後にグループを脱退し、新たにMichelle(Michelle Williams)とFarrah(Farrah Franklin)の2人が加入します。しかし、生活態度に問題アリのFarrahは数ヶ月でグループを脱退してしまい、その後はBeyonce、Kelly、Michelleの3人体制となります。

こうしたゴタゴタを糧に一回り大きく成長し、制作面も含めて自らの才能に対する自信を深めていくBeyonceに凄みを感じますね。そのあたりが1stソロ『Dangerously In Love』(2003年)に反映されていると思います
posted by ez at 09:31| Comment(2) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月27日

Zapp『Zapp III』

幸せホルモンを大量分泌させるハッピー・ファンク☆Zapp『Zapp III』
Zapp III
発表年:1983年
ez的ジャンル:ハッピー系重量級ファンク
気分は... :ハッピー・ファンクで免疫力アップ!

最近思うのですが、自分の大好きな音楽に長時間接するというのは大切な健康法の1つだという気がします。

好きな音楽を聴いている限り、人はハッピーになれるし、困難な状況も乗り切れるポジティブな気分が湧いてくるし、傷ついた心も癒される...実際に脳内から分泌されるホルモン・バランスにも良い影響を与え、様々な免疫力を高めているのではと思います。

一応、運動、食事、息抜き(実はコレが多すぎるのが問題なのですが...)とそれなりに健康を気漬かっているのですが、好きな音楽にドープに浸れることができる本ブログへの記事投稿は、僕の最大の健康方法かもしれません。

ということで、今日は僕の脳内から幸せホルモンを大量分泌させる故Roger Troutman率いるZappの3回目の登場です。

これまで紹介してきたZapp/Roger作品は以下の4枚。

Roger『The Many Facets of Roger』(1981年)
Zapp『Zapp II』(1982年)
Zapp『The New Zapp IV U』(1985年)
Roger『Unlimited!』(1987年)

今回は1983年リリースの3rdアルバム『Zapp III』(邦題:ハッピー・ザップ)です。

『Zapp』(1980年)、Zapp『Zapp II』(1982年)あたりと比較すると地味な印象のアルバムですが、Zappらしい重量感のあるファンクネス、トレードマークのトーク・ボックス(ヴォコーダー)を十分に堪能できます。

以前にも書きましたが、ソウル、ドゥーワップ、リズム&ブルース、ジャズといった伝統的なブラック・ミュージックを、ダンサブルなファンク・サウンドにさりげなく取り入れているあたりにZapp/Rogerの巧みを感じますね。

そして、リスナーをとことん楽しませてやろう、エンタメ精神こそがZapp/Rogerの最大の魅力だと思います。変に気取って通ぶっていないベタな感じが大好きですね。うん蓄はどうでもいいから楽しもうぜ!って雰囲気がまさに"ハッピー・ザップ"だと思います。

こんなハッピーな音楽を聴いていると、脳内から幸せホルモンが大量に分泌されると思います。

全曲紹介しときやす。

「Heartbreaker (Part 1 Part 2) 」
シングル・カットもされた人気曲。アルバムのハイライトでしょうね。ずっしり腰にくるファンクネスとRogerのトーク・ボックス&ギターをたっぷり堪能できるZappらしさ200%のファンク・チューン。特に、本曲のトーク・ボックスはサイコーですな。この1曲のみで相当お腹一杯になります。

Blackstreet「Booti Call」、Fu-Schnickens「Breakdown」、Slum Village「Give This Nigga」、Public Enemy「Get Off My Back」等のサンプリング・ネタにもなっています。

「I Can Make You Dance」
この曲もシングル・カットされ、R&Bチャートの第4位となりました。「Heartbreaker (Part 1 Part 2) 」に続き、トーク・ボックス全開の重量級ファンクです。ドゥーワップ風の低音コーラスとトーク・ボックスの絡みがいい感じです。これを聴いたらダンスしないわけにはいかないでしょ(笑)

Das EFX「Straight from da Sewer」、Erick Sermon「The Ill Shit」、2 Pac「I Get Around」等のサンプリング・ネタにもなっています。

「Heartbreaker (Part 1 Part 2) 」、「I Can Make You Dance」の2曲約17分で相当腰にきます(笑)サイコーですな。

「Play Some Blues」
ブルース・テイストのファンク・チューン。ブルース好きのRogerらしい仕上がりです。Rogerのブルース・ハープもなかなか。

「Spend My Whole Life」
本作唯一のスロウ・チューン。「Computer Love」「I Want to Be Your Man」のようなインパクトはありませんが、ロマンティックなソウル・バラードに仕上がっています。個人的にはかなり好きです。

「We Need The Buck」
ホーン・セクションとパーカッシヴなリズムにEarth,Wind & Fireっぽい雰囲気も感じるミッド・グルーヴ。トーク・ボックスなしのRogerもいいですな。

「Tut-Tut (Jazz) 」
Zapp定番のジャズ/フュージョン風インスト。なかなか味わい深いです。

「Doo Wa Ditty (Live With Introdution By Mo Ostin)」
『Zapp II』収録「Doo Wa Ditty (Blow That Thing) 」のライブ・ヴァージョンと言ってもわずか1分ですが...もっと聴きたい!ちなみにMo Ostinはワーナー・ブラザーズの当時の会長だそうです。

"健康法"としての音楽ブログを長く続けるコツは、投稿者本人が楽しむこと!

「他人の評価なんて気にする必要はない!素直に自分の思いを書けばいい!」
「マニアックな作品を取り上げる必要はない、みんな聴いているベタな作品で十分!」
「音楽ブログは書くのに詳しい知識なんて必要ない!音楽は知識ではなく心で聴くもの!」
「謙虚かつオープンなマインドを持てば、今よりさらに音楽を楽しむことができる!」

記事投稿が義務ではなく、楽しみでありたいですね。

まだ前夜の酒(というより今日の酒か)が抜けない僕は、ハイテンションでこんな事が書きたくなったのでした...

明日になったら反省して修正しているかも(笑)
posted by ez at 06:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする