2008年12月25日

Rupert Holmes『Partners in Crime』

2大ヒット「Escape」、「Him」収録のAOR作品☆Rupert Holmes『Partners in Crime』
Partners in Crime
発表年:1979年
ez的ジャンル:ショートストーリー系AOR
気分は... :君はピナコラーダが好き?

メリー・クリスマス!
皆さん、クリスマスをいかがお過ごしですか?

僕の場合、ビミョーに良い事、悪い事が重なり、ビミョーなクリスマスといった感じです。

ということで今日はビミョーな男女の恋模様を描いたAOR作品Rupert Holmes『Partners in Crime』(1979年)です。

Rupert Holmesは1947年生まれ。イギリス出身ですが6歳の時にN.Y.へ移っており、N.Y.のシンガー・ソングライターという見方で良いと思います。

ソロ・デビュー前のHolmesの仕事は当ブログでも紹介したThe Cuff Linksのアルバムで確認することができます。1st『Tracy』(1969年)ではアレンジ&キーボードで大きく貢献し、2nd『The Cuff Links』ではヴォーカルまで披露しています。

そして、1974年のアルバム『Widescreen』でソロ・デビューを果たします。その後『Rupert Holme』(1975年)、『Singles』(1976年)といったアルバムをリリースしますが大きな成功を収めることはありませんでした。しかし、Barbra Streisand『Lazy Afternoon』(1975年)のプロデュースを任される等その手腕は評価されていたようですね。

そんなRupert Holmesが一気にブレイクしたアルバムが本作『Partners in Crime』(1979年)です。

ヒットはしませんでしたが、前作となる4thアルバム『Pursuit of Happiness(邦題:浪漫)』(1978年)の充実ぶりを受けて、本作『Partners in Crime』のヒットにつなげたといった流れです。『Pursuit of Happiness(邦題:浪漫)』はAORファンの評価が高いアルバムですね。

さて『Partners in Crime』ですが、何と言っても「Escape(The Pina Colada Song)」 (全米第1位)、「Him」(全米第6位)という大ヒット・シングル2曲でしょうね。

僕も当時この2曲はラジオでよく聴きました。
ただし、中学生だった僕にはHolmesが描くラブ・コメディ的な世界の魅力を理解できず、単によく耳にしたという程度の印象でした。

なので、それ程気になるアーティストではなかったのですが、30歳を過ぎてようやくこの作品の持つ魅力がわかってきました。とにかく都会の男女の恋模様を軽妙に描くショート・ストーリー的な歌詞のセンスが抜群ですね。

サウンドの方も、歌詞とマッチするN.Y.らしいアーバンなAORサウンドに仕上がっています。

クリスマスにビミョーな恋模様のアルバムを聴くのも楽しいのでは(笑)

全曲紹介しときやす。

「Escape(The Pina Colada Song)」
前述のように全米シングルチャートNo.1になった代表曲。サブタイトルのPina Colada(ピナコラーダ)とはパイナップル&ココナツ&ラム酒のカクテルのことです。歌詞の中にそのピナコラーダも登場する倦怠期のカップルの逃避行を描いた歌です。

倦怠期のカップルが互いに内緒で逃避行のパートナーを探し、密会してみるとなんと彼氏と彼女だった...新たな側面を知った二人の絆は深まり、素敵な逃避行へ...といった内容です。初めて聴いた中学生の時にはピンと来ませんでしたが、今聴き直すと彼のストーリー・センスを感じます。

そんな歌詞内容に合わせるかのように、サウンドも実に軽妙かつスタイリッシュです。
http://jp.youtube.com/watch?v=QVdhZwK7cS8

「Partners in Crime」
NYらしい洗練されたグルーヴ感がカッチョ良いですね。Steely Danがお好きな方ならば気に入る仕上がりだと思います。

「Nearsighted」
タイトルの通り、"近視"をテーマにしたラブ・バラード。ロマンティックな雰囲気にグッとくる名曲だと思います。個人的にはStephen Bishop「One More Night」、「Lookin' for the Right One」あたりと一緒に聴きたいですね。

確かに、ぼやけて見える方が世の中いいのかもしれません。でも、大切な人だけは視力2.0で見ないとね(笑)

「Lunch Hour」
大忙しの昼休みのラブ・ロマンスをHolmesらしい軽妙なタッチで描いた1曲。サウンドもどことなくコミカルです。

「Drop It」
レゲエ調のリラックス・チューン。Donald Fagen「I.G.Y.」とBobby Mcferrin「Don't Worry, Be Happy」を足して2で割った雰囲気ですね。

「Him」
「Escape(The Pina Colada Song)」と並ぶ代表曲。全米シングルチャート最高第6位を記録しました。彼女の家で見つけたタバコの箱から自分の知らない男(Him)の存在知り...そんな男女の三角関係をテーマにした歌です。そのせいかサウンド&ヴォーカルも重めです(笑)男の複雑な恋心と哀愁がヴォーカル&サウンドで見事に表現されていますね。リアルタイムで聴いた時よりも今の方がグッときます。
http://jp.youtube.com/watch?v=tUygQh0iaf8&feature=related

「Answering Machine」
「Nearsighted」と並ぶ僕のお気に入り曲。留守番電話で彼女に愛の告白をするはずが...と男女の噛み合わない恋のやりとりがコミカルに歌われています。サウンドも僕好みのメロウ&ポップな仕上がりです。DJ Vadim「The Nuisance Caller」でサンプリング・ネタにもなっています。

「The People That You Never Get to Love」
もしかしたら人々の中に運命の人がいたかもしれないのに...という歌です。そんな事思い返したって遅いのにね(笑)そんなモヤモヤ感がサウンドにも表れています。

「Get Outta Yourself」
リラックス・ムードがいいですね。隙間だらけの音空間が小粋でグッド!

「In You I Trust」
AOR好きの人はグッとくるメロディアスなロック・チューン。AORらしい疾走感がいいですね。Dean Bailinのギター・ソロも聴きもの。

ピナコラーダ飲みたいですな!
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2008年12月24日

The Brooklyn Tabernacle Choir『High & Lifted Up』

ゴスペルを聴きながら聖なる夜を過ごそう!☆The Brooklyn Tabernacle Choir『High & Lifted Up』
High & Lifted Up
発表年:1999年
ez的ジャンル:超大所帯ゴスペル・クワイア
気分は... :神よ日本を救いたまえ!

いよいよクリスマス・イブですね。

僕も昨日は渋谷に繰り出し、クリスマス・プレゼントなんぞを選びながら少しだけクリスマス気分を楽しんでいました。

"さすがに渋谷はクリスマス・ムード一色だなぁ"なんて思っていたら、TVニュースで同じ渋谷で炊き出し(配給)サービスが行われていたことを知りました。主にホームレスの方向けだったらしいのですが、TVニュースではバイト先を突然解雇された24歳の女性が映し出されていました。

クリスマス・プレゼントを手にした同じ年代の女性が行き交う渋谷で、行列に並び豚汁とおにぎりの配給を受ける女性の映像はインパクトがありましたね。

こんな日本でいいのか!
神よ救いたまえ!

ということで今日はぜひゴスペル・アルバムを紹介したいと思います。
セレクトしたのはグラミーを6度も受賞している実力派ゴスペル・クワイアThe Brooklyn Tabernacle Choirのアルバム『High & Lifted Up』(1999年)です。

The Brooklyn Tabernacle Choir(BTC)は、名前の通りN.Y.ブルックリンを拠点に活動するクワイアです。メンバーは200名以上という超大所帯クワイアです。1981年より活動を開始し、コンスタントに作品をリリースしています。

当ブログで言えば、昨年のイブに紹介したCeCe Winans『Alabaster Box』BTCがゲスト参加していました。

今日紹介する『High & Lifted Up』(1999年)は、第42回グラミー賞で最優秀ゴスペル・コーラス・アルバムを受賞した作品です。

当ブログで今月紹介したSounds Of Blackness(SOB)も同じ90年代後半のゴスペル・アルバムですが、BTCの方が厳かな雰囲気が漂っていますね。

R&B/ソウル好きの人が聴くゴスペルとしてはSOBだと思いますが、正統派ゴスペル・ワールドを堪能するのであればBTCが良いのでは?

恋人たちのイブを盛り上げるには昨日紹介したAvantのような作品がグッドですが、本来的なクリスマスを過ごすのであれば、やっぱりゴスペルだと思います。

クリスマス気分を素直に満喫することもできない今の日本ですが、聖なる夜にゴスペルを聴くと、生きる希望と勇気が湧いてくると思います。

神のご加護がありますように!

全曲紹介しときやす。

「Total Praise」
ゴスペル・ファンにはお馴染み、コンテンポラリー・ゴスペルの名曲ですね。R&Bファンの方もDestiny's Childのカヴァー(アルバム『Survivor』収録)で聴いたことがあるのでは?

この曲の作者であるRichard Smallwoodもゴスペル界の革新者、功労者としてファンにはお馴染みの大御所ですね。Whitney Houston、Boyz II Men、Yolanda Adamsといった有名アーティストも彼の作品を取り上げています。

さて、BTCによる「Total Praise」は荘厳な雰囲気がいいですね。優しくパワフルな歌声があなたの苦難を振り払ってくれることでしょう。
http://jp.youtube.com/watch?v=OuoUpZh1Rkw

♪Your peace, You give me in time of the storm♪
♪You are the source of my strength♪
♪You are the strength of my life♪
♪I lift my hands in total praise to you♪

「Psalm 150 (Praise Ye the Lord)」
Sounds Of Blacknessがお好きな人ならば気に入るであろうコンテンポラリー・ゴスペルです。生きる喜びや勇気が湧いてきます。
音が悪いですがYoutubeに本曲を歌うBTCの映像がありました。
http://jp.youtube.com/watch?v=IN6M4sQ5AfM

「My Help (Cometh from the Lord)」
個人的には一番のお気に入り曲(Jackie Gouche Farris作品)。ゴスペル・クワイアらしい厚みのあるコーラスも堪能できる感動的な仕上がりです。
♪All of my help cometh from the Lord♪
http://jp.youtube.com/watch?v=I2nQALWDStA

「We Are United」
この曲はなんとレゲエ調です。レゲエとゴスペル・クワイア...意外な組み合わせですが悪くありません。

「Battle Hymn of the Republic」
有名なアメリカの愛国歌。日本でも『お玉じゃくしは蛙の子』等の歌詞でお馴染みですね。それだけにゴスペル・クワイアで聴くと、かなり違った印象を受けます。

「Father We Adore Thee」
壮大なスケール感が実にいいですね。大所帯クワイアの魅力が凝縮されていると思います。ストリングスのアレンジも秀逸ですな。こういった曲にこそBTC本来の魅力があるのかもしれません。

「High and Lifted Up」
タイトル曲は美しく感動的です。落ち込んだり、悩んだり、傷ついたり、後悔した時に聴くと、きっとあなたの心を優しく包み込んでくれると思います。きっと神様があなたを救ってくれるはず...

「Blessed Be the Lord」
みんなノリノリで大合唱といった雰囲気のご機嫌なアップ・チューン。この曲の作者はPatrick Henderson...Doobie Brothers関連作品などでキーボード奏者として参加しているPatrick Hendersonと同一人物だと思うのですが、僕の勘違いだったらゴメンナサイ。

「So You Would Know」
正統派ゴスペル・チューン。みんなで神を讃えましょう。

「God of All Gods」
ラストは雄大な仕上がり。男女のリード・ヴォーカルの熱唱が感動的です。この厳かな雰囲気が本格ゴスペルらしくていいですね。

クリスマス気分を満喫したい方には、彼らによるクリスマス・アルバム『Christmas at Brooklyn Tabernacle』(1995年)もあります。
Christmas at the Brooklyn Tabernacle
Christmas at the Brooklyn Tabernacle

さらにBTCを堪能したい方は、『God Is Working』(2000年)、『Be Glad』(2002年)あたりも是非どうぞ!
Be Glad
Be Glad

God Is Working
God Is Working
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2008年12月23日

Avant『Avant』

イブにぴったりな大人のR&Bはいかが?☆Avant『Avant』
Avant
発表年:2008年
ez的ジャンル:セクシー系大人の男性R&B
気分は... :ドルフィンズあと1勝だぜ!

いよいよNFL(アメフトのプロリーグ)のレギュラー・シーズンも佳境に入ってきました。我がマイアミ・ドルフィンズは4連勝で10勝5敗と好調をキープしています。

しかしながら、ワイルドカードはおそらくコルツ、レイブンズで決まりだと思うので、ドルフィンズがプレイオフ進出するためにはAFC東地区優勝しか道がありません。AFC東地区ではペイトリオッツも10勝5敗であり、優勝争いは最終戦の結果次第となってきました。

何とか最終戦強敵ジェッツに勝利してプレイオフ進出を勝ち取って欲しいものです!

さて、今日はセクシーな男性R&BシンガーAvantの新作『Avant』です。

Avantの紹介は前作『Director』(2006年)に続き2回目となります。

12月のR&B/Hip-Hop新作リリース・ラッシュの中でも特に気に入っている1枚です。本作はGeffenからCapitolへの移籍第1弾アルバムとなります。

とにかくセクシーかつロマンティックな男性R&Bアルバムです。
前作『Director』もアーバンな大人のR&Bアルバムでしたが、本作ではセクシーさにさらに磨きがかかった感じですね。

プロデュースはThe Underdogs、Trackmasters(Poke & Tone)、Mr.Collipark、Dontae Winslow、Antonio Dixon & Eric Dawkinsが務めています。

大人の男性R&Bでメロメロになりたい方はぜひ!

全曲紹介しときやす。

「Sensuality」
オープニングは流行のエレクトロ・テイストです。Shawn Campbellプロデュース。
http://jp.youtube.com/watch?v=0YFxM4qWp-M&feature=related

「Perfect Gentleman」
僕のお気に入り曲その1。Trackmasters(Poke & Tone)プロデュースによるセクシーなミッド・チューン。まさにパーフェクト・ジェントルマンな男の色気に溢れています。
http://jp.youtube.com/watch?v=-bioWhMgFyE

「Involve Yourself」
Mr.Colliparkプロデュース。大人のR&Bといった雰囲気のミッド・グルーヴ。
http://jp.youtube.com/watch?v=jPPB_4x0F2I&feature=related

「When It Hurts」
僕のお気に入り曲その2。アルバムからの1stシングルであり、The Underdogsプロデュースによる絶品バラードです。クリスマス直前で人恋しい気分の方にはピッタリな1曲だと思います。特に女性はセクシーなAvantの歌声にメロメロなのでは?
http://jp.youtube.com/watch?v=e1DwMbiwMAo

「Out of Character」
Mr.Colliparkプロデュース。この曲も女性が好きそうなセクシーなスロウ・チューンに仕上がっています。
http://jp.youtube.com/watch?v=a7muaE3OZlQ&feature=related

「Material Things」
僕のお気に入り曲その2。曲・アレンジ・歌の三拍子が揃った僕好みのミッド・グルーヴ。Dontae Winslowプロデュース。
http://jp.youtube.com/watch?v=0PHtxSDNW4E&feature=related

「French Pedicure」
Dontae Winslowプロデュースによる大人のR&B。実にエレガントなアレンジがいいですね。
http://jp.youtube.com/watch?v=1EjRjkn1XoM&feature=related

「Attention」
Snoop Doggをフィーチャー。多少の話題作りとアクセントといったところでしょうか。Antonio Dixon & Eric Dawkinsプロデュース
http://jp.youtube.com/watch?v=q7j7E_Vksu8&feature=related

「Break Ya Back」
アルバムからの2ndシングル。PVも含めて大人のエロエロ・ラブソングに仕上がっています。Dontae Winslowプロデュース
http://jp.youtube.com/watch?v=EkzEHTSkfps&feature=related

「Y.O.U.」
僕のお気に入り曲その4...というか一番好きな曲です。Antonio Dixon & Eric Dawkinsプロデュースによるロマンチックなスロウ・チューン。イヴの夜に大切な人と聴くとサイコーなのでは?
http://jp.youtube.com/watch?v=0lye_BCD6mk&feature=related

「Sailing」
僕のお気に入り曲その5。ラストはChristopher Crossの大ヒット曲(1980年全米チャートNo.1)のカヴァーです。我々の世代にとっては懐かしいAORの名曲をセクシーR&Bとして再生しています。Antonio Dixon & Eric Dawkinsプロデュース
http://jp.youtube.com/watch?v=Won-d1samoc&feature=related

気付くと今年も残り10日もないんですね。
やり残しがないように諸々のことに取り組まねば....
posted by ez at 00:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月22日

The Raincoats『Moving』

Kurt Cobainもお気に入りだったThe Raincoatsの3rd☆The Raincoats『Moving』
Moving
発表年:1983年
ez的ジャンル:UK女性ニューウェイヴ・バンド
気分は... :この乾いたポップ感覚がクセになる

今日は脱力モード...
こんな時にはユル〜イ感じの音楽が聴きたい!

ということで、70年代後半から80年代前半に活躍した女性ニューウェイヴ・バンドThe Raincoatsの3rdアルバム『Moving』(1983年)です。

The Raincoatsは、1977年にAna da Silva(vo、g) Gina Birch(vo、b)という女性二人で結成されたロンドンのニューウェイヴ・グループ。その後Vicky Aspinall(violin)が加わり3人組となっています。

1979年にデビュー・アルバム『The Raincoats』をリリースし、同じ時期にデビュー・アルバム『Cut』をリリースしたThe Slitsと共に女性のみのパンク/ニューウェイヴ・バンドとして注目を集めました。

その後、『Odyshape』(1981年)、『Moving』(1983年)という2枚のオリジナル・アルバムをリリースしてグループは解散します。

しかし90年代に入り、NirvanaKurt Cobainが自身のお気に入りアーティストとしてThe Raincoatsの名を挙げたことで再びスポットライトを浴び、再結成されることになりました。

The Slits同様、演奏はアマチュアのりですが、そんなことを超越したアヴァンギャルドな存在感があるグループですね。攻撃的なThe Slitsと比較すると、もう少しとぼけた魅力を持ったグループだと思います。

今日紹介するのは3rdアルバム『Moving』(1983年)です。
本作においては元PIL(Public Image Ltd)のドラマーRichard Dudanskiが参加しており、正式には女性3名、男性1名の4人組です。

オリジナルLPのジャケは赤地にメンバー4人のシルエットが描かれていたのですが、CD化に伴い青地に女性メンバー3人のシルエットに変更されてしまいました。どうやら、Richard Dudanskiの存在はメンバーというよりゲスト・ミュージシャン扱いになってしまったようですね。

楽曲構成にも変更があります。
オリジナルLPはA面6曲、B面6曲の全12曲でしたが、今日紹介するCDではオリジナルから3曲を削除し、シングル曲「No One's Little Girl」を加えた全10曲の構成になっています。

全体的には前2作と比較してグッと音楽的(?)になっていると思います。
キュートで乾いたポップ感覚はこのグループでしか味わえないものなのでは?

全曲紹介しときやす。

「No One's Little Girl」
前述のようにCD化に際して追加されたシングル曲。グループを代表するシングルですね。Vickyのバイオリンとエスニックなリズムの組み合わせが不思議なユル〜イ音空間へと誘ってくれます。この尖った脱力感(?)がたまりませんね。

「Ooh Ooh La La La」
レゲエ調なんですが、Raincoatsならではの乾いたポップ感覚が加わり、魅力的な仕上がりになっています。

「Dance of Hopping Mad」
つかみどころのない無国籍なポップ・ミュージック。とても中毒性のある仕上がりです。路線が全然違いますがTom Tom Clubあたりにも通じる魅力も感じます。

「Balloon」
ニューウェイヴっぽい音ながらも伝統音楽の要素がスパイスとして効いています。

「Mouth of a Story」
Anaの下手くそヴォーカルが逆にフレッシュな印象を受けるから不思議ですね。

「I Saw a Hill」
Raincoatsらしい民族音楽と伝統音楽が渾然一体となり、ニューウェイヴのテイストでまとめられています。

「Overheard」
大好きな1曲。アップテンポのリズムとエスニックなメロディの組み合わせが、Ginaのキュートなヴォーカルと実にマッチしています。

「Rainstorm」
哀愁モードの仕上がり。アヴァンギャルドかつエレガントな感じがいいですね。

「The Body」
Vickyのピアノが光るスリリングな展開です。特に後半の演奏はかなりエキサイティング!

「Animal Rhapsody」
Raincoats流ポップの完成形ととらえていい仕上がりなのでは?

オリジナルLPには他に「Dreaming Of The Past」「Honey Mad Woman」「Avidoso」といった楽曲も収録されていました。

久々に本作を聴きましたが、不思議と鮮度が落ちない内容ですね。
一度ハマるとクセになる音楽かもしれませんよ!
posted by ez at 12:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月21日

Miles Davis『Someday My Prince Will Come』

こんな時にはMilesのミュート・トランペットで癒されたい...☆Miles Davis『Someday My Prince Will Come』
Someday My Prince Will Come
録音年:1961年
ez的ジャンル:バラード系極上ミュート・トランペット
気分は... :テンションが下がりっぱなし...

昨日のSeesaaブログの障害から、良くないことがいくつか重なりテンションが下がりっぱなしです。

ブログは昨日の深夜復旧したものの、それから半日分のアクセス解析データが飛んでしまっている模様です。それに関してSeesaa側からは何もコメントがないけど、他のSeesaaユーザーの方も同じような状況のようです。

解析データがないとブロガーのモチベーションが極端に低下する点を、Seesaaには理解して欲しいですね。

こんな時にはMilesのミュート・トランペットで癒されたい...
ということで本ブログ最多登場のMiles Davisです。

これまで紹介してきたMiles作品は以下の10枚(録音年順)♪
 『Bag's Groove』(1954年)
 『'Round About Midnight』(1955、56年)
 『Cookin'』(1956年)
 『Miles Ahead』(1957年)
 『Milestones』(1958年)
 『Miles Smiles』(1966年)
 『Filles De Kilimanjaro』(1968年)
 『In A Silent Way』(1969年)
 『On The Corner』(1972年)
 『Get Up With It』(1970、72、73、74年)

11枚目のMiles作品としてセレクトしたのは『Someday My Prince Will Come』(1961年)です。

メンバーは、Miles Davis(tp)、John Coltrane(ts)、Hank Mobley(ts)、Wynton Kelly(p)、Paul Chambers(b)、Jimmy Cobb(ds)というメンバーです。ボーナス・トラックではPhilly Joe Jones(ds)も参加しています。

John Coltraneが抜けた後にグループに参加したHank Mobleyの初レコーディング作品です(ここでのJohn Coltraneはゲスト扱い)。MobleyはMilesに(悪い意味で)相当可愛がられたようですね(笑)。そのせいか短期間でグループを去っていきます。やはりMobleyはLee Morganとのコンビが合っているのかもしれませんね。

本作を好きな理由は、やはりロマンティックなタイトル曲が収録されているからですね。Milesとディズニー映画(『白雪姫』の主題歌)ってイメージ的にはかなりギャップがありますが、それが逆に魅力を倍増させてくれます。

それ以外にもMilesのミュートを堪能できるバラードや、Miles & Coltraneによるモーダルなプレイなど聴きどころ十分の作品だと思います。あとはWynton Kellyのピアノが特筆ものです。

ジャケットの女性は当時のMilesの奥方 Frances Taylor です。
ちなみに僕が持っているCDは再発時の別ジャケットのものです。

Someday My Prince Will Come

コアなジャズ・ファンからはあまり評価の高くはないMiles作品ですが、僕のような"永遠のジャズ初心者"にとっては極上のバラード・アルバムです。

全曲紹介しときヤス。

「Someday My Prince Will Come」
邦題「いつか王子様が」。ディズニー映画『白雪姫』の主題歌として1937年に作られた曲です(作詞Larry Morey/作曲Frank Churchill)。当ブログでは以前にBill Evans Trio『Portrait In Jazz』のヴァージョンを紹介したことがあります。

聴きどころはKelly、Miles、Coltraneの3人ですね!小粋なKellyのピアノに続くMilesのミュートがとにかくサイコー!ロマンティックながらもしっかりMilesしているあたりがさすがです。Mobley、Coltraneという二人のテナー・ソロも聴けますが、シーツ・オブ・サウンズを完成させたColtraneと比較されるMobleyが少し可愛そうですね。

「Old Folks」
1938年にDedette Lee Hill/Willard Robinsonによって作られた曲。Charles Parkerをはじめ、数多くのジャズ・ミュージシャンが録音しているスタンダード。Milesの哀愁ミュートを思う存分堪能できるバラードです。男は背中で泣いている!って雰囲気ですよね。ここでもKellyのピアノが光ります。MilesのミュートとKellyのピアノって相性抜群ですね!

「Pfrancing」
Milesのオリジナル。ハード・バップな演奏による小粋なブルース。余裕たっぷりなMilesのミュートがカッチョ良すぎ!

「Drad Dog」
またまたMilesの哀愁ミュートが響き渡るバラード。音数の少なさが逆に一音一音をじっくり聴けていいですね。Milesのオリジナル。

「Teo」
「Someday My Prince Will Come」に続きColtraneがゲスト参加しています。スパニッシュ・テイストのモーダル・チューン。格別のカッチョ良さを持った演奏ですよね。ある意味アルバムのハイライトかもしれません。これを聴くとMiles & Coltraneの凄さを再認識できますな。Mobleyが可愛がられた(?)のも頷けます。

「I Thought About You」
Johnny Mercer/Jimmy Van Heusenによる1939年の作品。Milesは『My Funny Valentine』(1964年)でも本曲を演奏していますね。

Milesのミュートを堪能するアルバムの締め括りに相応しい、極上ミュートを聴かせてくれます。最後にMobleyも意地の演奏を聴かせてくれます。

最近のCDには「Blues No.2」(Philly Joe Jones参加)、「Someday My Prince Will Come(Alternate Take)」がボーナス・トラックで収録されています。
posted by ez at 00:04| Comment(2) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする