2009年01月31日

Syleena Johnson『Chapter 4: Labor Pains』

母親となり、自身のレーベルを立ち上げた第4章☆Syleena Johnson『Chapter 4: Labor Pains』
Chapter 4: Labor Pains
発表年:2009年
ez的ジャンル:シカゴ系女性R&Bシンガー
気分は... :待ってました!

今日は僕が長い間待ちわびていた女性R&BシンガーSyleena Johnsonの新作アルバム『Chapter 4: Labor Pains』の紹介です。

シカゴ・ソウルの重鎮Syl Johnsonを父に持つ本格派R&BシンガーSyleena Johnsonの紹介は『Chapter 3: The Flesh』(2005年)に続き2回目となります。

R KellyKanye WestCommon、Twista、Jermaine Duupri、Anthony Hamilton、Fabolous等の豪華メンバーが集結した前作『Chapter 3: The Flesh』は、『ezが選ぶ2005年の10枚』に選んだほどのお気に入りでした。

その華やかなChapter 3と比較すると、今日紹介する4th『Chapter 4: Labor Pains』はかなり地味な作品かもしれません。

この背景には、ベスト盤『I Am Your Woman: The Best Of Syleena Johnson』(2008年)を置き土産に、それまで在籍していたJiveを離れ自身のレーベルAneelys Entertainmentを立ち上げたことがあります。

メジャーからの離脱のせいで、前作のような豪華ゲストの参加はありませんが、その分本格派R&Bシンガーとして評価の高いSyleenaの歌をじっくり堪能できるアルバムになっています。

私生活でも2006年に子供を出産し、母親となっています。『Labor Pains』というタイトルにも反映されているように、出産はSyleenaの人生の大きなターニング・ポイントになったのだと思います。詳しい事情は知りませんが、自身のレーベル立ち上げにも大きな影響を及ぼしているのでは?

派手さはありませんが、本格派女性ソウル・シンガーを聴きたい方はぜひ!

オススメ曲を紹介しときやす。

「Labor Pains」
タイトル曲は力強いSyleenaのヴォーカルが印象的なミッド・グルーヴ。母は強し!といったところでしょうか。メジャーを離れても、有名ゲスト&プロデューサーの名が無くともSyleenaは健在であると印象付けてくれます。

「Where Is The Love」
Teefaをフィーチャーしたミッド・グルーヴ。オートチューンを使っていますが、Syleenaのヴォーカルにオートチューンは不要という気もします。

「Freedom」
父親Syl Johnsonの「Talkin Bout Freedom」をサンプリングした間接的な父娘共演曲です。父親譲りのSyleenaのソウル魂が炸裂したパワフルな1曲です。オバマ大統領誕生の年に、地元であるシカゴの歌姫Syleenaが自由を叫ぶなんて聴き方をすると、さらに感動が増してきます。

「Is It Because I'm Black」
前曲の流れで、父親Syl Johnsonが1969年にリリースした「Is It Because I'm Black」シングルをカヴァー。父親のオリジナルと聴き比べてみるのも楽しいのでは?父に負けないSyleenaのディープなヴォーカルは聴きものです。
Syl Johnson「Is it because i'm black?」
 http://jp.youtube.com/watch?v=zKfZYgHm8So

「Be Me」
楽曲の良さが光るミディアム。素敵なメロディを上手い歌手が歌えば、それだけで胸一杯の感動が込み上げてきます。美メロ好きにはたまらない1曲。

「You Let Me Down」
哀愁モードのミディアム・スロウ。ディープに迫ってきます。

「Shoo Fly」
R&Bではなくソウルな歌を聴かせてくれる激シブのソウル・バラッド!Anthony Hamiltonがお好きな人ならば、気に入るであろう本格派ソウル・チューン。

「Maury Povich」
アメリカの有名なTV番組パーソナリティの名をタイトルにした曲です。少しダークな雰囲気のミッド・グルーヴに仕上がっています。Cold Hardのラップをフィーチャー。

「It Is True」
アルバムからのリード・シングル。Syleenaのソウルフルな魅力が十二分に伝わってくる名曲。この曲を聴けば、彼女が"シカゴの歌姫"と呼ばれる理由が一発でわかると思います。美しく響くハープの音色も素敵ですね!Aretha Franklin「Sparkle」ネタ。
http://jp.youtube.com/watch?v=DJ3m6QIz-Sw

「Your Love」
しっかり聴かせるラブ・バラッド。少々大袈裟な作りですが、感動が一気に押し寄せてきます。

「My First」
ギターとパーカッションのシンプルなバックがいい感じのミッド・チューン。

「Personal Trainer」
やや抑え気味のヴォーカルが印象的です。

「Go Home」
セクシー&パーカッシヴな雰囲気が僕好みのミディアム。

「Go」
ラストはダンサブルなアップ・チューンで締め括ってくれます。

今日で1月も終わりですね。
年明け本格稼動するのが遅かったので、あっという間に1ヶ月が過ぎてしまいました。
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2009年01月30日

Queen Latifah『Nature Of A Sista'』

女性ラッパーのパイオニアの2nd☆Queen Latifah『Nature Of A Sista'』
Nature of a Sista
発表年:1991年
ez的ジャンル:女性ラッパーのパイオニア
気分は... :"Latifah姉さん、もう勘弁してください(笑)

今日は女性ラッパーのパイオニアQueen Latifahの2ndアルバム『Nature Of A Sista'』(1991年)です。

Queen Latifah(本名Dana Elaine Owens)は1970年ニュージャージー州生まれのラッパー/シンガー/女優。

女性ラッパーのパイオニアであり、DJ Mark the 45 King率いるFlava Unitの一員として、1989年に『All Hail the Queen』でデビューします。その後『Nature of a Sista』(1991年)、『Black Reign 』(1993年)、『Order in the Court』(1998年)といったアルバムをリリースしています。

90年代初めから女優としても活躍しており、『Chicago』(2002年)ではアカデミー賞の助演女優賞にもノミネートされています。

近年のアルバム『The Dana Owens Album』(2004年)、『Trav'lin' Light』(2007年)ではラップを封印してジャズやポップスを歌うシンガーになっているQueen Latifahですが、やはり僕の中ではど迫力の女性ラッパーというイメージが強いです。"Latifah姉さん"って感じですね!

個人的には1st『All Hail the Queen』、2nd『Nature of a Sista』の2枚こそが、女性ラッパーの先駆者Latifahの真骨頂という気がします。

インパクトという面では名曲「Ladies First」De La Soulとの共演曲「Mama Gave Birth to the Soul Children」を含むデビュー作『All Hail the Queen』かもしれません。まだHip-Hopを聴き始めて間もない僕にとって、このアルバムは相当刺激的だった記憶があります。

今日紹介する2nd『Nature of a Sista』は、インパクトでは『All Hail the Queen』に劣るものの、完成度という点では彼女の全作品の中でも一番なのではと思います。

本作ではNaughty by Nature"Little" Louie Vega、Soulshock、K-Cut(Main Source)、Nevelle Hodge、Queen Latifah本人がプロデュースを担当しています。Naughty by NatureはFlava Unitの仲間同士、"Little" Louie Vega、Soulshockは『All Hail the Queen』に続いての参加ですね。Main SourceK-CutLarge Professorに負けじといい仕事をしています。

本筋とは逸れますが、今ではハウス界の合うーパープロデューサーになってしまったLittle" Louie Vega(この頃はLuis "Louie Louie" Vegaとクレジットされています)のHip-Hopシーンでの仕事ぶりを聴くのも楽しいアルバムです。この頃は"ヒップ・ハウス"なんて言葉もあり、Hip-Hopとハウスがかなり近いところに位置していた気がします。本作や『All Hail the Queen』でもHip-Hopアルバムであるにも関わらず、ハウス的なサウンドを聴くことができます。

以前から何度も書いていますが、やはり90年代前半がHip-Hop黄金期だったような気がします。本作『Nature of a Sista』もそんなHip-Hop黄金期の充実ぶりを示してくれる1枚です。

Latifah姉さんの強烈フロウとカッチョ良すぎるトラックにKOされること間違いなし!

全曲紹介しときやす。

「Latifah's Had It Up 2 Here」
僕のオススメその1。オープニングはNaughty by Natureプロデュースによる人気曲。シングルにもなりました。ピアノ・ループによるアーバンかつポップなトラックとLatifahの貫禄のあるフロウがよくマッチしています。途中のスクラッチもグッド!
http://jp.youtube.com/watch?v=5JukK7vTfRg&feature=related

「Nuff' of Teh Ruff' Stuff'」
僕のオススメその2。"Little" Louie Vegaプロデュースのファンキー・チューン。途中ラガ・テイストなパートがあるのも楽しいですな。Latifahらしいパンチのあるフロウがガンガン迫ってきます!ハウス・プロデューサーとしての"Little" Louie Vegaしか知らない人に是非聴いて欲しいですね。

「One Mo' Time」
Naughty by Natureプロデュース曲。Cymande「Genevieve」ネタのブラック・フィーリング溢れるトラックがカッチョ良いです。

「Give Me Your Love」
僕のオススメその3。Soulshockプロデュース。タイトルの通り、Curtis Mayfield「Give Me Your Love」のカヴァー(リメイクと言った方が適切か?)。途中ラップ入りの「Give Me Your Love」もなかなかカッチョ良いですよ!Latifahのシンガーとしての魅力も堪能できます。

「Love Again」
僕のオススメその4。Soulshockプロデュースによるアッパー・チューン。ヴァイヴの音色とうねりまくるベースラインのカッチョ良さにグッときます。

「Bad as a Mutha」
僕のオススメその5。この曲もSoulshockプロデュースによるファンキー・チューン。BlackByrds「Blackbyrds'Theme」ネタのベースラインを使った扇動的なトラックがサイコーです。トラックに負けないLatifahの畳み掛けるフロウもグッド!前の「Love Again」もそうですが、Soulshockのトラックはベースラインがグッと来ますな!

「Fly Girl」
僕のオススメその6。シングルにもなったこのファンキー・ミドルはクラシックですね。Clarence Wheeler & The Enforcers「Right On」のオルガン・ネタがいい感じです。Simple Pleasureによるコーラスも盛り上げてくれます!

「Sexy Fancy」
K-Cut(Main Source)プロデュース。Scringer Ranksをフィーチャーしたラガ・チューン。こういうのを聴くと、当時流行っていたShineheadやShabba Ranksなんかが聴きたくなりますね。

「Nature of a Sista'」
僕のオススメその7。タイトル曲は"Little" Louie Vegaプロデュースによるファンキー・チューン。スリリングなスピード感が魅力です。軽快なホーンの鳴り具合もグッド!Funk Inc.「Kool Is Back」、Brothers Johnson「Ain't We Funkin Now」ネタ。

「That's the Way We Flow」
僕のオススメその8。K-Cut(Main Source)プロデュース。De La Soul好きの人ならば絶対気に入るNative Tonguesっぽいハッピー&ラブリー・モードな仕上がりです。1st収録のDe La Soulとの共演曲「Mama Gave Birth to the Soul Children」と一緒聴くとバッチリなはず!Meters「Ease Back」、Wilmer & the Dukes「I'm Free」ネタ。

「If You Don't Know」
James Brown「The Payback」ネタのファンキー・ミドル。90年代初めらしいサウンド・プロダクションが懐かしいです。キャッチーなコーラスがいい感じ。Nevelle Hodgeがプロデュースしています。僕の場合、Nevelle Hodgeと言えば、Pete Rock & C.L. Smoothの大名曲「Lots of Lovin」の印象が全てなのですが...

「How Do I Love Thee」
僕のオススメその9。アルバムの中でもかなり異質なダンス・チューンですがシングルにもなりました。Hip-Hopというよりもハウス寄りの雰囲気ですな。深夜のエロエロ・モードにピッタリな仕上がりです(笑)
http://jp.youtube.com/watch?v=1lUfjcJSZ-M

殆どの曲がオススメになってしまいました(笑)
自分でも再認識しましたが、僕はかなり本作が好きなんですね。

次は1st『All Hail the Queen』を紹介したいと思います。
posted by ez at 04:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年01月29日

Aztec Camera『Love』

ブルーアイド・ソウルへアプローチしたアメリカ録音の3rd☆Aztec Camera『Love』
ラヴ
発表年:1987年
ez的ジャンル:発展途上中ブルーアイド・ソウル
気分は... :いつ聴いても青春...

Aztec Cameraの2回目の登場です。

青春ネオアコの永遠の名盤『High Land, Hard Rain』(1983年)に続いて紹介するのは、1987年にリリースされた3rdアルバム『Love』です。

Aztec Cameraと言えば、デビュー・アルバム『High Land, Hard Rain』のインパクトが強すぎて、2nd以降の印象がイマイチ薄いグループですが、個人的には3rd『Love』も好きな作品です。

この頃には、リーダーRoddy Frameのソロ・プロジェクトと化したAztec Cameraですが、本作では初のアメリカ録音を敢行しました。

奥さんからの影響でRoddyが黒人音楽へのアプローチを志向したことから、アメリカ録音ということになったのだと思います。

Roddy Frame自身以外にRuss TitelmanTommy LiPuma & David Frank(「Don't Disturb This Groove」でお馴染みのThe Systemの片割れ)、Michael JonzunRob Mounsey(Roddy Frameとの共同プロデュース)といったロック系からジャズ/フュージョン系、R&B系まで多彩なプロデューサーが起用されています。

また、Marcus Miller(b)、Will Lee(b)、Steve Jordan(ds)、 Steve Gadd (ds)等の腕利きミュージシャンがサポートし、バック・ヴォーカル陣には、Tawatha Agee(Mtumeの官能女性ヴォーカリスト)、Dan Hartman(「Instant Replay」、「Relight My Fire」等のヒットでお馴染み)、Robin Clark(David Bowie『Young Americans』等に参加)、Lani Groves(Stevie Wonder三部作、Billy Joel『The Stranger』Steely Dan『Gaucho』等に参加)等Aztec Cameraのイメージとは相当ギャップのあるシンガーが脇を固めています。

青春ネオアコの名残りも数曲で聴くことができますが、前述のメンツから想像できるように、アーバン・サウンドによるブルーアイド・ソウルな仕上がりです

きっとBlow Monkeysあたりがお好きな人は気に入るのでは?とは言っても、Dr.Robertのような徹底した黒人音楽への傾倒までには至らず、まだまだ発展途上といった雰囲気なのがRoddy Frameらしくて好感が持てます。

"Aztec Cameraは奇数アルバムを聴け"が僕の中の鉄則です。

まずは1st『High Land, Hard Rain』で青春ネオアコに浸り、次に3rd『Love』でブルーアイド・ソウルなRoddyに驚き、さらに5th『Dreamland』(1993年)で成熟したRoddyを実感する!というのが、オススメのAztec Camera体験パターンです。

ということで、本作では頑張ってブルーアイド・ソウルしようとしているRoddyを応援しましょう!

全曲紹介しときやす。

「Deep & Wide & Tall」
僕のオススメその1。アルバムからの1stシングル。Roddy Framらしい青春メロディとシャープでクリアなサウンドの組み合わせは本作を象徴しているのでは?Tawatha、Dan Hartman、Lani Groves等のアダルティなバック・ヴォーカル陣のサポートもサイコーです。この曲を手掛けたのがRuss Titelmanというのが意外ですな。
http://jp.youtube.com/watch?v=D9W6yLTD9sw

「How Man Are」
アルバムからの2ndシングル。この曲はAOR/ブルーアイド・ソウルな仕上がりです。ヴォーカルは青臭いですが、Roddyのソウル志向がよく反映されたメロウ・チューンに仕上がっています。Robin Clarkがソウルフルなコーラスで盛り上げてくれます。Tommy LiPuma & David Frankプロデュース。

「Everybody Is A Number One」
明るく開放的な雰囲気がいかにもアメリカンな仕上がりです(笑)。Roddyの少し無理している気もしますが...。Russ Titelmanプロデュース曲。

「More Than A Law」
Roddy自身のプロデュース。従来からのAztec Cameraファンも気に入るであろう、ノスタルジックな青春ギター・ポップに仕上がっています。Roddyらしいメロディにグッときますね!

「Somewhere In My Heart」
UKシングル・チャート第3位のヒットとなったアルバムからの3rdシングル。キャッチーでコンテンポラリーなロックン・ロールに仕上がっています。Michael Jonzunプロデュース。
http://jp.youtube.com/watch?v=Yin6SNceoF4

「Working In A Goldmine」
僕のオススメその2。アルバムからの4thシングル。80年代ブラコン調の哀愁チューンに仕上がっています。Roddy Frame & Rob Mounseyプロデュース。

「One And One」
ラヴァーズ好きにはお馴染みのUKのレゲエ・シンガーCarroll Thompsonとのデュエットです。Roddy Frame & Rob Mounseyプロデュースによるダンサブルな仕上がりです。青春ネオアコなAztec Cameraのイメージと一番かけ離れた曲かもしれません。Roddyの歌い方はまるでBoy George(Culture Club)のように聴こえます。

「Paradise」
僕のオススメその3。Tommy LiPuma & David Frankプロデュース。アーバン度合いはこの曲が一番だと思います。David Frank(key)、Marcus Miller(b)、Steve Gadd (ds)というバック陣、Lani Groves , Robin Clark等のバック・コーラス陣に支えられ、成長したRoddyのヴォーカル&ギターを堪能できますよ。

「Killermont Street」
ラストは青春ネオアコなAztec Cameraで締め括ってくれます。過ぎ去っていく季節を懐かしむかのようなノスタルジーがたまりません。

青春ネオアコと言うよりブルーアイド・ソウルなアルバムですが、それでもAztec Cameraを聴いていると"青春"の二文字が脳裏を過ぎります。

"Aztec Camera奇数アルバムの法則"に則り、次は坂本龍一プロデュースのN.Y.録音作品『Dreamland』(1993年)を紹介しますね(笑)
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2009年01月28日

Keith Barrow『Keith Barrow』

R&Bシンガーとしての魅力を堪能できるフィリー詣作品☆Keith Barrow『Keith Barrow』
キース・バロウ
発表年:1977年
ez的ジャンル:フィリー詣系男性R&B
気分は... :これぞ満面の笑み!

今日はKeith Barrowの2ndアルバム『Keith Barrow』(1977年)の紹介です。

Keith Barrowは1954年シカゴ生まれの男性R&Bシンガー。『Keith Barrow』(1973年)、『Keith Barrow』(1977年)、『Physical Attraction』(1978年)、『Just As I Am』(1980年)という4枚のアルバムを残し、1983年にエイズにより死去(享年29歳)。

彼が残した4枚のアルバムのうち、人気があるのは今日紹介する2nd『Keith Barrow』(1977年)または3rd『Physical Attraction』(1978年)のどちらかでしょうね。

僕が最初に出会ったKeith Barrowは、フリーソウルのコンピ収録の2曲、「If It's Love That You're Looking For」(『Free Soul Lovers』収録)、「You Know You Want To Be Love」For」(『Free Soul Colors』収録)でした。共にMichael Stokesプロデュースの3rd『Physical Attraction』収録曲です。

Keith Barrowの中性的なファルセット・ヴォイスとMichael Stokesらしいアーバン・メロウなサウンドにグッとくる2曲でしたね。「You Know You Want To Be Love」For」はシングルとして全米R&Bチャート第26位のヒットとなっています。

『Physical Attraction』は、この2曲以外に「Turn Me Up」、「Physical Attraction」といったガラージ/ディスコ・チューンも収録されています。

「You Know You Want To Be Love」
http://jp.youtube.com/watch?v=ShNeqWGZxD8

「Physical Attraction」
http://jp.youtube.com/watch?v=VJvdhC_R17Y&feature=related

「Turn Me Up」
http://jp.youtube.com/watch?v=ELGJcI_au2o

こうした『Physical Attraction』のアーバン・メロウ/ガラージなイメージで、今日紹介する2nd『Keith Barrow』を聴くと、かなりギャップがあると思います。

フィラデルフィアのシグマ・サウンドでレコーディングされ、Bobby Eliがプロデュースした"フィリー詣"作品である本作は、まさにフィリーソウルな仕上がりです。

僕の場合、この手をアルバムを聴くと古臭く感じてしまうこともあるのでしたが、本作についてはそのようなことはありませんでしたね。その意味ではプロデューサーBobby Eliの手腕も大きいのかもしれませんね。

『Physical Attraction』で聴かれるアーバン・シンガーKeith Barrowもいいですが、ソウルフルな歌をしっかり聴かせてくれる本盤こそが、R&BシンガーKeith Barrowの魅力を実感できるアルバムだと思います。

官能のファルセット・ヴォイスと力強いテナーで巧みに使いこなす、Barrowの歌を堪能しましょう!

それにしてもこのジャケの笑顔はインパクトありますね。
これぞ満面の笑みですな!

全曲紹介しときやす。

「Mr. Magic Man」
オープニングは典型的なフィリーダンサー。フィリーソウル好きの人であれば、安心して聴ける1曲なのでは?この曲と前述の「You Know You Want To Be Love」を比較すると、同じシンガーだとは思えないですよね(笑)

「Teach Me (Its Something About Love)」
本作における唯一のKeith Barrow自作曲。雰囲気たっぷりのスウィート・バラードに仕上がっています。テナーとファルセットをうまく使い分けています。
http://jp.youtube.com/watch?v=m9U1PzqQjNI

本曲はBlue Magicが1976年にシングル・リリースしています。聴き比べてみるのも楽しいのでは?
Blue Magic「Teach Me (It's Something About Love)」
http://jp.youtube.com/watch?v=T1oWuVrR_go

「I Put The Twinkle In Your Eye」
『Free Soul Party』にも収録されているフリーソウル人気曲。この曲では軽快なメロウ・サウンドをバックに魅惑のファルセット・ヴォイスで迫ってきます。
http://jp.youtube.com/watch?v=OsncnQ5z_Ro

「A World Of Lonely People」
このテナー/ファルセット唱法はTemptations/Eddie Kendrickあたりがお好きな人が気に入るのでは?

「You Don't Know How Hard It Is To Make It」
僕の一番のお気に入り曲。ファンク+フィリーダンサーって雰囲気がたまりません。荒々しさやスウィートネスが交錯するBarrowのヴォーカルもお見事!

「Didn't You Know You'd Have To Cry Sometime」
Ashford & Simpson作品。オリジナルはGladys Knight & The Pipsですね。Diana Rossもカヴァーしています。じっくりBarrowのヴォーカルを堪能できるオーソドックスな仕上がりがいい感じです。

Gladys Knight & The Pips「Didn't You Know (You'd Have To Cry Sometime) 」
http://jp.youtube.com/watch?v=iwivWKsL65c

Diana Ross「Didn't You Know (You'd Have To Cry Sometime) 」
http://jp.youtube.com/watch?v=8lU2SeS_ylQ&feature=related

「Precious」
スロウではこの曲が一番だと思います。胸に深く染み入る哀愁メロウな仕上がりがたまりません。
http://jp.youtube.com/watch?v=LWUmqy1Ceb0

「Questions」
この曲も哀愁モードのスロウです。めくるめくファルセットにグッときます。

「We've Got A Right To Be Wrong」
ラストは正攻法フィリーダンサーで締め括ってくれます。

アーバン・メロウ/ガラージな『Physical Attraction』もぜひゲットしたいですね。CD化されないかなぁ?
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2009年01月27日

George Benson『Standing Together』

見逃されやすいGB作品だけど大好き!☆George Benson『Standing Together』
Standing Together
発表年:1998年
ez的ジャンル:ロマンティック系スムーズ・ジャズ
気分は... :忘れないでね!

ジャズ界を代表するスーパーギタリストGeorge Bensonの2回目の登場です。

前回『Give Me The Night』(1980年)を紹介したのが2005年10月だったので、かなり間隔が空いてしまいましたね。

今日紹介するのは1998年のアルバム『Standing Together』です。

George Bensonの場合、かなり多くのアルバムをリリースしていますが、音楽ブログ等で取り上げられる作品と言えば、殆どが『Breezin'』(1976年)から『20/20』(1985年)あたりまでだと思います。

僕もそのあたりの作品は好きですが、それらの作品と同じくらい好きなのが、『Standing Together』(1998年)や『Absolute Benson』(2000年)です。

特に今日紹介する『Standing Together』は、『Give Me The Night』と並んで一番よく聴いているアルバムです。

『Standing Together』は、『That's Right』(1996年)に続くGRP Records移籍第2弾アルバムです。

かつて『Breezin'』を手掛けたTommy LiPumaをエグゼクティブ・プロデューサーに据え、当時Smooth Jazzシーンの新進気鋭プロデューサーであったPaul Brownが10曲中8曲を手掛けています。残り2曲は『Nuyorican Soul』(1997年)で共演したハウス界のトップ・プロデューサー"Little" Louie Vega & Kenny "Dope" Gonzalez(Masters At Work)を迎えています。

僕の場合、当時『Nuyorican Soul』に相当ハマっていたので、その流れを期待して本作『Standing Together』を購入した記憶があります。

全体的にはロマンティックな仕上がりであり、スムーズ・ジャズ/AOR好きの人向けの内容だと思います。ただし、そこにR&B、ラテン、ハウスなどのスパイスが効いており、様々な楽しみ方ができるアルバムだと思います。

Ricky Peterson(key)、Mike Sims(g)、Marc Antoine(g)、Nils(g)、Alex Al(b)、Lil' John Roberts(ds)、Lenny Castro(per)、Luisito Quintero(per)、Jerry Hey(tp)、Larry Williams(sax)、Bill Reichenbach(tb)、India(back vo)、Kevon Edmonds(back vo)等の多彩なメンバーがバックを務めています。

GB作品の中でも見逃されやすいアルバムなので、機会があればぜひ一聴してみてください。

全曲紹介しときやす。

「C-Smooth」
オープニングはタイトル通りSmooth Jazzしているインスト。ロマンティック気分に浸りたい時のBGMにどうぞ!

「Standing Together」
Bensonはヴォーカルに専念し、ギターはMike Simsに任せています。Bensonの甘いヴォーカルを前面に押し出した、ひたすらロマンティックな仕上がりです。

「All I Know」
Smooth Jazz/AORファンは気に入るであろうメロウなヴォーカル・チューン。Jerry Hey(tp)、Larry Williams(sax)、Bill Reichenbach(tb)というSeawind Hornsにホーンもグッド!

「Cruise Control」
僕の一番のお気に入り。Paul Brownプロデュース曲ですが、最初聴いた時はMasters At Workが手掛けた作品だと勘違いしてしまいました。このメロウな疾走感はクラブ系リスナーの方も気に入る仕上がりだと思います。

「Poquito Spanish, Poquito Funk」
"Little" Louie Vega & Kenny "Dope" Gonzalezプロデュース1曲目。ラテン・フレイヴァーたっぷりのメロウ・チューンに仕上がっています。セクシー&ロマンティックなBensonのギターとスキャットでとろけそうです。バック・コーラスにIndia、パーカッションにLuisito Quinteroとハウス・ファンには嬉しい名前が参加しています。(Eumir)Deodato「San Juan Sunset」と聴き比べてみると楽しいですよ!

「Still Waters」
この曲でもBensonはヴォーカルに専念しています。その分、Marc Antoineが素敵なスパニッシュ・ギターを聴かせてくれます。ロマンティック・ムードに包まれたい時にはグッとくる仕上がりです。

「Fly by Night」
Smooth Jazzらしい実にスマートな仕上がりです。作者でもあるTim Heintzのキーボードの短いフレーズが印象的ですね。サンプリングしてずっとループで聴きたくなります。

「Back to Love」
R&Bファンはグッとくるであろうスロウ・チューン。当ブログでも紹介したBabyfaceの兄Kevon Edmondsがバック・コーラスを担当しています。

「Keep Rollin'」
リラックス・ムードでくつろげる仕上がりです。ボーッとしながら聴きたい曲ですね。

「You Can Do It, Baby」
"Little" Louie Vega & Kenny "Dope" Gonzalezプロデュース2曲目。この曲は『Nuyorican Soul』にも収録されていたのでお馴染みの曲ですね(若干アレンジが異なる別バージョン)。Nuyorican Soulらしいラテン・フレイヴァーのリズムをバックに、Bensonがギター&スキャットで歌いまくります。この曲を聴くと『Nuyorican Soul』を聴きたくなります。

次回、GBを紹介する時には『Absolute Benson』(2000年)かなぁ?
posted by ez at 09:32| Comment(4) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする