2009年07月31日

Chet Baker『Chet Baker Sings And Plays』

夏に相応しいウェストコースト・ジャズ☆Chet Baker『Chet Baker Sings And Plays』
Chet Baker Sings and Plays with Bud Shank, Russ Freeman and Strings
録音年:1955年
ez的ジャンル:モテ男系ウェストコースト・ジャズ
気分は... :中性的ヴォーカルがグッとくる!

夏気分ということで、ウェストコースト・ジャズが聴きたくなりました。

今回は栄光と挫折のトランペット奏者Chet Bakerのアルバム『Chet Baker Sings And Plays』(1955年)です。

Chet Baker(1929-1988年)は、オクラホマ出身のジャズ・トランペット奏者。

Charlie Parkerに見出され、1952年にウエストコーストのGerry Mulliganのグループに参加し、華やかなデビューを飾ります。翌1953年には自身のコンボを結成し、初のリーダー・セッションを行っています。そして、人気を決定付けたアルバム『Chet Baker Sings』(1954-56年録音)ではヴォーカルも披露しています。

こうしてChet Bakeは瞬く間にウエストコースト・ジャズを代表するトランペット奏者として注目され、当時は帝王Miles Davisをも凌ぐ人気を誇っていたようです。

しかしながら、50年代後半から麻薬問題、傷害事件などのトラブルが続発し、長きにわたり演奏できない状態にあったようです。その後1970年代にカムバックを果たしますが、1988年にオランダ、アムステルダムのホテルの窓から転落し、波乱万丈の人生の幕を閉じました。

僕の中でChet Bakerは、"パシフィック・ジャズ"、"ウエストコースト・ジャズ"といった言葉から受ける眩しい印象も重なり、"色男"、"伊達男"という言葉が似合うモテ男ジャズ・ミュージシャンというイメージが強かったですね。

特に、トランペットに止まらず、ヴォーカルまでこなしてしまうという点に格好良さを感じたものです。それだけに転落死のニュースは衝撃的でした。光と影...両極端な人生だったのかもしれませんね。

そんなChet Bakerの代表作として真っ先に挙げられるのが、おそらく『Chet Baker Sings』(1954-56年)だと思います。「My Funny Valentine」をはじめ、いい曲が揃っていますからね。僕も昔は『Chet Baker Sings』ばかり聴いていました。
『Chet Baker Sings』
チェット・ベイカー・シングス

しかしながら、最近のお気に入りは今日紹介する『Chet Baker Sings And Plays』(1955年)です。この作品は『Chet Baker Sings』に続いて録音されたヴォーカル作品です。

録音は1955年2月28日と同年3月7日の2回に分けて行われ、2月28日に録音された4曲は、Chet Baker(tp、vo)、Russ Freeman(p)、Red Mitchell(b)、Bob Neel(ds)、Bud Shank(fl)、Corky Hale(harp)というメンバーにストリングスを加えた布陣、3月7日に録音された6曲は、Chet Baker(harp)、Russ Freeman(p)、Carson Smith(b)、Bob Neel(ds)という布陣になっています。

Chet Bakerの唯一無二の中性的ヴォーカルと親しみやすいトランペットをコンパクトに堪能できます。特に、本作ではストリングス入りの演奏が4曲あり、アルバム全体としてのメリハリがある点がいいですね。

彼の中性的ヘタウマ・ヴォーカルって不思議な魅力がありますよね。
当時、女の子もキャー、キャー言っていたというのも納得です(笑)

順番から言えば、まずは『Chet Baker Sings』をゲットすべきだと思いますが、ぜひセットで本作を揃えておくことをオススメします。

クールで小粋なウェストコースト・ジャズを堪能あれ!

全曲紹介しときやす。

「Let's Get Lost」
いきなり本作のハイライト。Frank Loesser作詞、Jimmy McHugh作曲のスタンダード。Frank Sinatra等も歌っていますね。Chet Bakerの死後に公開された自伝的ドキュメンタリー映画のタイトルが『Let's Get Lost』であり、Chetのキャリアを代表するレパートリーと言えるでしょうね。

Russ Freemanの小粋なピアノをバックに、Chetのトランペット&ヴォーカルを堪能できます。さすが伊達男!って感じでキマりすぎの出来栄えです。サバービア好きの方は要チェックの1曲。
http://www.youtube.com/watch?v=Q0ZBaZoBCaA

「This Is Always」
オリジナルは1946年の映画『Little Girls In Blue』のために書かれたもの(Mack Gordon作詞、Harry Warren作曲)。この曲も様々なジャズ・ミュージシャンがカヴァーしていますが、Cal Tjaderのヴァージョンあたりは僕好みです。Chetヴァージョンは、ストリングスを従えたエレガントなアレンジで、甘くロマンティックなヴォーカル&トランペットを際立たせています。

「Long Ago and Far Away」
Ira Gershwin作詞、Jerome Kern作曲のスタンダード。オリジナルはミュージカル映画『Cover Girl』(1944年)のために書かれたものです。この曲ではヴォーカルもさることながら、Chetのトランペットを堪能しましょう!

「Someone to Watch Over Me」
「Let's Get Lost」と並ぶお気に入り。Ira Gershwin作詞、George Gershwin作曲のスタンダード(邦題「やさしき伴侶」)。オリジナルはミュージカル『Oh, Kay!』(1926年)のために書かれたもの。曲自体が大好きなのですが、Chetヴァージョンは彼の中性的ヴォーカルが曲、アレンジと実にマッチしていると思います。サイコー!
http://www.youtube.com/watch?v=CCTIpclVQe4

Chet以外にも数多くのアーティストが取り上げている名曲ですね。オールド・ファンならば、Ella Fitzgerald、Frank Sinatra、Perry Comoあたりが王道でしょうか。ポップス・ファンであればLinda Ronstadtヴァージョン、若いリスナーであればAmy Winehouseヴァージョン(Ella Fitzgeraldヴァージョンを意識したもの)で聴いているのでは?

Ella Fitzgerald「Someone To Watch Over Me」
 http://www.youtube.com/watch?v=PzjLzUn_9oc
Frank Sinatra「Someone To Watch Over Me」
 http://www.youtube.com/watch?v=mlgWm7Yly-I
Perry Como「Someone To Watch Over Me」
 http://www.youtube.com/watch?v=dqVUg-0hzac
Linda Ronstadt「Someone To Watch Over Me」
 http://www.youtube.com/watch?v=S0oRfg5RyVA
Amy Winehouse「Someone To Watch Over Me」
 http://www.youtube.com/watch?v=Wo5--q2GPNo

「Just Friends」
Sam M. Lewis作詞、John Klenner作曲のスタンダード。Russ Columboが1931年にヒットさせたらしいです。Charlie Parkerも演奏していますね。
ここでは軽快なヴォーカル&演奏を聴かせてくれます。ノリの良いバック陣にChetのトランペットも気持ち良さそうです!
http://www.youtube.com/watch?v=88CqlgFAJ-k

「I Wish I Knew」
オリジナルは映画『Diamond Horseshoe』(1945年)のために書かれたもの。「This Is Always」と同じくMack Gordon作詞、Harry Warren作曲です。当ブログでは、これまでJohn ColtraneBill Evansの演奏を紹介してきました。Chetヴァージョンは、スタンダード・ムード満点のロマンティックな仕上がりです。優しげなヴォーカルに野郎の僕もウットリしてしまいます(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=D0fq1szgiN4

「Daybreak」
この演奏も大好き!中世的なヴォーカル、親しみやすいトランペットとChetの魅力がコンパクトに凝縮されている気がします。
Ferde Grofe/Harold Adamson作品。

「You Don't Know What Love Is」
Don Raye/Gene De Paul作。ミュージカル映画『Keep 'Em Flying』の挿入歌です。数多くのジャズ・ミュージシャンが演奏しているスタンダードですね。当ブログでは、これまでJohn ColtraneSonny Rollinsの演奏を紹介したことがあります。Chetヴァージョンも素敵な哀愁バラードに仕上がっています。♪ブルースの意味が分かるようにならなければ、恋も分かるようにはならない...
http://www.youtube.com/watch?v=MDsaQhxvXS4

「Grey December」
Frank Campo作品。タイトルから想像できるように、哀愁ムードのバラードに仕上がっています。いつも明快なChetのトランペットも何処か寂しげ...

「I Remember You」
ラストは映画『The Freet's In!(邦題:艦隊入港)』(1942年)の挿入歌(Johnny Mercer作詞、Victor Schertzinger作曲)。に仕上がっています。Russ Freemanをはじめとするバックの演奏がキマっていますね。

日本のバンド勝手にしやがれ(グループ名です)が、本作のジャケをパロったアルバム『Let's Get Lost』(2007年)をリリースしています。

勝手にしやがれ『Let's Get Lost』(2007年)
LET’S GET LOST(初回生産限定盤)(DVD付)

ジャズと言えば、以前にエントリーしたThe Quiet Nights Orchestra『Chapter One』の音源をYouTubeで見つけたので、記事に加えておきました。今年の新作クラブ・ジャズの中でも大プッシュしたい1枚なので、ぜひ音源を聴いてみてください。
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2009年07月30日

Bill Withers『Still Bill』

2大名曲「Use Me」、「Lean On Me」収録☆Bill Withers『Still Bill』
スティル・ビル
発表年:1972年
ez的ジャンル:実直系ニューソウル
気分は... :Lean on Me !

Bill Withersの2回目の登場です。

『Menagerie』(1977年)に続いて紹介するのは、初期の代表作『Still Bill』(1972年)です。

『Still Bill』は、デビュー・アルバム『Just As I Am』(1971年)に続く2nd。
本作では、Benorce Blackmon(g)、Ray Jackson(key)、Melvin Dunlap(b)、James Gadson(ds)といった The Watts 103rd Street Rhythm Band のメンバーがバックを務め、プロデュースも彼らとの共同プロデュースになっています。

「Use Me」「Lean On Me」という大ヒット・シングル2曲が目玉ですが、全体としてはフォーキーあり、ファンキーあり、ゴスペル調あり、ブルージーあり、ジャジーありといったバラエティに富んだニューソウル作品に仕上がっています。

「Lovely Day」「Just the Two of Us」あたりのメロウなBill Withersも大好きですが、彼の本質に迫ることができるのは本作『Still Bill』だと思います。

「Lean On Me」に代表される実直なメッセージ&ヴォーカルこそがBill Withers本来の魅力という気がします。

「Use Me」「Lean On Me」以外にも、「Who Is He (And What Is He To You)? 」「Kissing My Love」といった定番サンプリング・ネタも収録されており、オールド・ファンから若いリスナーまで幅広く楽しめる1枚だと思います。

こんな時代だから、Bill Withersの歌が胸の奥まで響くのでは?

全曲紹介しときやす。

「Lonely Town, Lonely Street」
歯切れの良いフォーキー・ソウル。Ray Jacksonによるストリングス・アレンジはニューソウルって感じがしますね。「Lovely Day」、「Just the Two of Us」あたりのBill Withersをイメージすると、ヴォーカル・スタイルに驚くのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=IO-iLDsnJ_E

「Let Me In Your Life」
胸にジーンと響いてくるバラード。前曲とはがらりと変わって、優しいヴォーカルで包み込んでくれます。Aretha Franklinのアルバム『Let Me in Your Life』(1974年)のタイトル曲にもなりました。
http://www.youtube.com/watch?v=OnAZszm20NQ

「Who Is He (And What Is He To You)? 」
ブルージーな雰囲気がいいですね。The Watts 103rd Street Rhythm Bandによるシンプルなバックがカッチョ良すぎです。
http://www.youtube.com/watch?v=9FbUGkouIPg

Creative Source、Me'shell N'degeocello、Valerie Carterがカヴァーしていますし、Hard Knocks「Dirty Cop Named Harry」、Cam'ron feat. Mase「Horse & Carriage」等のサンプリング・ネタにもなっています。

Me'Shell NdegéOcello「Who Is He (And What Is He To You)?」
 http://www.youtube.com/watch?v=K0ov9082a1c
Hard Knocks「Dirty Cop Named Harry」
 http://www.youtube.com/watch?v=K6dCqSy_5lY
Cam'ron feat. Mase「Horse & Carriage」
 http://www.youtube.com/watch?v=axVxBvvF0uo

「Use Me」
全米ポップ・チャート、同R&Bチャート共に第2位となった代表曲。日産TIIDAのCMにも使われていましたね。Billのヴォーカル、James Gadsonのドラム、Ray Jacksonのクラヴィネットが絡んで、独特のファンクネスを創り上げています。
http://www.youtube.com/watch?v=CVy5yOs0NSA

当ブログで紹介したGrace Jonesヴァージョンをはじめ、Esther Phillips、Isaac Hayes、笠井紀美子、Al Jarreau、Starpoint、Walter "Wolfman" Washington、D'Angelo、Raw Stylus等数多くのアーティストがカヴァーしています。また、Funky Aztecs「Barrioism」、Mission「Now I Shine」、Nas「Still Dreaming」等のサンプリング・ネタにもなっています。

Esther Phillips「Use Me」
 http://www.youtube.com/watch?v=Ow2PzF1L-LY
Isaac Hayes「Use Me」
 http://www.youtube.com/watch?v=882QSPsQA98
笠井紀美子「Use Me」
 http://www.youtube.com/watch?v=Q1pDm0-BQcI
Grace Jones「Use Me」
 http://www.youtube.com/watch?v=JX7frqUO_tE
Al Jarreau「Use Me」
 http://www.youtube.com/watch?v=hpjYei20qMI
Walter "Wolfman" Washington「Use Me」
 http://www.youtube.com/watch?v=fN_1ypVfB48
D'Angelo with David Sanborn & Friends「Use Me」
 http://www.youtube.com/watch?v=DMb8BhCXNs4

「Lean On Me」
「Use Me」と並ぶ名曲。全米ポップ・チャート、同R&Bチャート共にNo.1に輝きました。ハンド・クラップも入ったゴスペル調のサウンドをバックに、Billのヴォーカルが人生に悩む全ての人に勇気を与えてくれます。心に傷を負ったり、何かに悩んだ時、本曲の♪Lean on me, when you're not strong♪And I'll be your friend ♪I'll help you carry on♪という歌詞を思い出すといいですよ!
http://www.youtube.com/watch?v=HaVXfHZv50Y

本曲と言えば、当ブログで紹介したClub Nouveauのカヴァー(全米ポップ・チャート第1位、R&Bチャート第2位の大ヒット)も忘れられませんね。それ以外にもAl Jarreau、Michael Bolton等数多くのアーティストがカヴァーしています。また、Big Daddy Kane「Rap Summary (Lean On Me) 」等でサンプリングされています。

Club Nouveau「Lean On Me」
 http://www.youtube.com/watch?v=GFcpxTOm0PQ

「Kissing My Love」
ドラムブレイクのカッチョ良さでKOされてしまう1曲。カッチョ良さで言えば、アルバム随一のファンキー・ソウルに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=bmJNrU6wPyM

定番ドラムブレイクは、Jungle Brothers「Straight Out The Jungle」、Eric B. & Rakim「In The Ghetto」、Ed O.G. & Da Bulldogs「Speak Upon It」、Dr. Dre「Let Me Ride」、X Clan「Tribal Jam」、Redman「Rated R」、Scarface「A Minute to Pray and a Second to Die」、Dream Warriors「Tune from the Missing Channel」等数多くのHip-Hopチューンで聴くことができます。また、ベイエリア・ファンクの代表グループCold Bloodがカヴァーしています。

Jungle Brothers「Straight Out The Jungle」
 http://www.youtube.com/watch?v=K0wVNPWWZIw
Eric B. & Rakim「In The Ghetto」
 http://www.youtube.com/watch?v=rgdKJ68O71U
X Clan「Tribal Jam」
 http://www.youtube.com/watch?v=1A1MDC8W2lE
Redman「Rated R」
 http://www.youtube.com/watch?v=JOKfmhDpCXA
Scarface「A Minute to Pray and a Second to Die」
 http://www.youtube.com/watch?v=zIWYyzdj_Tc

「I Don't Know」
ジャジーな演奏で実にソフトな仕上がり。ホッと一息つける感じが好きです。
http://www.youtube.com/watch?v=TdoHfHC6sb0

「Another Day To Run」
ニューソウルらしい仕上がりですね。この時期のStevie Wonder作品に通じる魅力がありますね。

「I Don't Want You On My Mind」
思い切りブルージーに迫ります。BillとThe Watts 103rd Street Rhythm Bandの息の合った演奏を堪能しましょう。

「Take It All In And Check It All Out」
ラストは軽くラテン・フレイヴァーの効いたリズミックな仕上がり。

最近のCDには、ボーナス・トラックとして「Lonely Town, Lonely Street」「Let Me In Your Life」のライブ・ヴァージョンが収録されています。
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2009年07月29日

EPMD『Business As Usual』

絶頂期を迎えた3rdアルバム☆EPMD『Business As Usual』
Business as Usual
発表年:1990年
ez的ジャンル:ハードコア系Hip-Hop
気分は... :男気があっていいよね!

今日は80年代後半から90年代前半のHip-Hop黄金期を支えたHip-HopユニットEPMDの3rdアルバム『Business As Usual』(1990年)です。

Erick SermonParish Smith(PMD)によるユニットEPMDの紹介は、『Business Never Personal』(1992年)、『We Mean Business』(2008年)に続き3回目となります。

EPMDのアルバムと言えば、タイトルに必ずBusinessが入る、"Business"シリーズでお馴染みですが、本作の"Business As Usual"というタイトルを聞いて、僕のようなオッサン世代は1982-1983年に全米チャートを席巻したオーストラリアのロック・グループMen At Workのデビュー・アルバム『Business As Usual』(1981年)を思い浮かべてしまいます(笑)

さて、昨年9年ぶりの新作『We Mean Business』をリリースし、健在ぶりを示したEPMDですが、個人的には3rdとなる本作『Business As Usual』(1990年)と以前に紹介した4th『Business Never Personal』(1992年)あたりが彼らの絶頂期だったという気がします。

やはり、この2枚はファンクネス溢れるトラックと、男気溢れるラップというEPMDの魅力を存分に堪能できるのがいいですね。また、この2枚はDJ Scratch を有名にした作品という点でも印象深いかもしれませんね。

本作『Business As Usual』にはゲストとして、 LL Cool J Redman が参加しています。特に後に売れっ子ラッパーとなるDef SquadのメンバーRedmanは本作を機にビッグになっていきましたね。

「Gold Digger」「Rampage」「Give the People」といったクラシックをはじめ、「Funky Piano」なども今日人気の高い曲ですね。

90年代クラシックの風格漂うHip-Hopアルバムだと思います。

全曲紹介しときやす。

「I'm Mad」
オープニングから緊張感が高まります。この張り詰めた感じこそがEPMDですね。

「Hardcore」
Redmanのお披露目曲。タイトル通り、ハードコアな仕上がりです。Ohio Players「Pride & Vanity」ネタ。

「Rampage」
オススメその1。LL Cool Jをフィーチャーしたクラシック。Mandrill「Lord of the Golden Baboon」ネタで幕を開け、 Lowell Fulson「Tramp」ネタのトラックにのって、男気あるフロウを堪能できます。スクラッチもサイコー!
http://www.youtube.com/watch?v=Zkn4yLs700E

「Manslaughter」
オススメその2。Love Unlimited Orchestra「Strange Games and Things」ネタのトラックをバックに、へヴィなリリックを叩きつけます。

「Jane 3」
EPMD作品ではお馴染みの「Jane」シリーズ。今回はそのPart3になります。

「For My People」
Lyn Collins「You Can't Love Me If You Don't Respect Me」ネタのトラックが 印象的ですね。

「Mr. Bozack」
ダークにうねるトラックと、それに絡みつくようなラップが渾然一体となった感じがいいですね。James Brown「The Payback」ネタ。

「Gold Digger」
オススメその3。文句ナシのクラシック。EPMDらしいファンクネスに溢れたトラックと硬派なラップの絡みがたまりません。DJ Scratchの擦りもキマってまっせ!Funkadelic「Knee Deep」、Lyn Collins「Think」ネタ。
http://www.youtube.com/watch?v=PwMQW3S2DYs

「Give the People」
オススメその4。この曲もクラシックですね。The O'Jays「Give The People What They Want」ネタのトラックがサイコーに格好良いですね。こういう腰に来るトラックって大好きです!

「Rap Is Outta Control」
緊迫感のあるトラック&フロウがいいですね。Funkadelic「I Bet You」ネタ。

「Brothers on My Jock」
オススメその5。この曲にもRedmanがフィーチャーされています。Bob James「Nautilus」をネタにした不穏な空気感がたまりません。EPMDにはこのヤバそうな感じがよくマッチしますよね。James Brown「Say It Loud (I'm Black and I'm Proud)」ネタ。

「Underground」
オススメその6。トラックのカッチョ良さにグッときます。Eddie Kendricks「Keep on Truckin」ネタでスタートし、Grover Washington Jr.「Hydra」ネタのリズムにKool & The Gang「Funky Man」ネタのホーンが絡んできます。
http://www.youtube.com/watch?v=S0w3xbGoqKI

「Hit Squad Heist」
タイトルの通り、ここでの主役はHit SquadのボスParrish Smithです。ノリの良さがいいですね。James Brown「Hot Pants」、Steve Miller Band「Fly Like An Eagle」ネタ。

「Funky Piano」
オススメその7。シングルにはなっていないものの人気の高い1曲。DJ Scratchプロデュースということで擦りまくってます!そのあたりも人気の要因かもしれませんね。

Men At Work『Business As Usual』(1981年)も懐かしいですね。
思わずYouTubeで「Who Can It Be Now?」、「Down Under」という2曲の全米No.1シングルを観てしまいました。今聴くと、全くグッとこないのですが...それでも愛着が沸いてくる2曲です。

Men At Work「Who Can It Be Now?」
 http://www.youtube.com/watch?v=swQi4CAzmrA
Men At Work「Down Under」
 http://www.youtube.com/watch?v=DNT7uZf7lew
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2009年07月28日

Ruben Blades『Buscando America』

これほど熱いものが込み上げてくるサルサ・アルバムはない!☆Ruben Blades『Buscando America』
Buscando America
発表年:1984年
ez的ジャンル:アイデンティティ探求系サルサ
気分は... :感動できるサルサ・アルバム!

夏にはサルサ作品が聴きたくなりますね!
パナマ出身のサルサ・シンガーRuben Bladesの3回目の登場です。

『Agua de Luna』(1987年)、Willie Colon との共演作『Siembra』(1978年)に続いて紹介するのは、『Buscando America』(1984年)です。

Willie Colon との共演・サポートでサルサ界のスーパースターとなったRubenですが、Ruben単独でのメジャー契約に成功し、Willieの元から巣立ったアルバムが本作『Buscando America』です。

『Buscando America』は、Rubenの最高傑作であると同時に、サルサの金字塔的なアルバムの1つに数えられる歴史的な名作だと思っています。

スペイン語で「アメリカを探して」を意味するアルバムタイトルが示すとおり、白人社会であるアメリカ合衆国で中南米系移民としての自らのアイデンティティを探求した作品となっています。

サルサ=踊るための音楽といったイメージが強いかもしれませんが、ラテン人の団結、アイデンティティの追求というメッセージに主眼を置いた社会派サルサ・アルバムに仕上がっています。黒人音楽におけるニューソウル作品のような位置づけのアルバムかもしれませんね。

サウンド的にもホーン無しのスモールコンボで、キーボード・サウンドを全面に押し出しているのが特徴的です。ホーンレスにしたのは、メッセージをしっかり聴いて欲しいというRubenの想いかもしれませんね。また、サルサの枠に囚われず、ドゥワップ、ア・カペラ、レゲエ、ロックなどを取り入れているあたりも"開かれた"サルサ作品という気がします。

聴き終わった後に、これほど熱いものが込み上げてくるサルサ・アルバムは滅多にないと思います。

全曲紹介しときやす。

「Decisiones」
ドゥワップ調のコーラスから始めるオープニング。サウンド的には軽快なサルサ・チューンに仕上がっていますが、行方不明となった家族を探すラテン・コミュニティの苦悩を歌った社会派ソングです。
http://www.youtube.com/watch?v=GyhwmZAQB-Y

「GDBD」
この曲は何とア・カペラ!リズムが命のサルサ作品で、こうした曲を持ってくるあたりにRubenの柔軟性・新しさがあるのだと思います。

「Desapariciones」
ドゥワップ、ア・カペラの次はレゲエ!ラテン・コミュニティに止まらない、汎アメリカ的なスタンスにRubenのスケールの大きさを感じます。スパニッシュで歌われるレゲエがなかなか興味深いですね。
http://www.youtube.com/watch?v=wGl-fQxMY9E

「Todos Vuelven」
ホーンレスのスモールコンボのカッチョ良さを堪能できる1曲。心地よく響くヴァイヴの音色をはじめ、実にスタイリッシュな印象を受けます。
http://www.youtube.com/watch?v=uMW28fQYdVA

「Caminos Verdes」
社会派サルサらしい1曲。重厚なリズムとヴォーカル・アレンジの素晴らしさが光ります。重々しいけど、希望に満ちた雰囲気がたまりません。

「El Padre Antonio y su Monaguillo Andres」
本作のハイライト。と言うよりも全てのサルサ作品の中で一番好きな楽曲です。こんなに感動するサルサに出会ったことがありません。この1曲にRuben Bladesの魅力、彼の目指すサルサの魅力が凝縮されているミラクルな1曲だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=1wo_TzWdwy8

「Buscando America」
「El Padre Antonio y su Monaguillo Andres」同様、スケールの大きさを感じるドラマティックなタイトル曲。映画の感動大作を観終わったような感動に包まれます。
http://www.youtube.com/watch?v=nAe23aK6ipU

本作を聴けば、後にRubenがパナマの大統領選挙にも出馬したことも頷けます。
posted by ez at 01:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月27日

Carly Simon『Boys In The Trees』

ヒット曲「You Belong to Me」収録!☆Carly Simon『Boys In The Trees』
Boys in the Trees
発表年:1978年
ez的ジャンル:個性派女性SSW
気分は... :藍チャン、おめでとう!

祝!宮里藍チャン優勝☆
先ほどまで全米女子ゴルフツアー、エビアン・マスターズ最終日のTV中継を観ていました。事前に結果がわかっていたものの、優勝決定の瞬間はやはりウルウルでしたね。彼女の爽やかな涙を観たら、一気に涙ボロボロになってしまいました...

今回は艶っぽさが魅力の女性シンガーソングライターCarly Simonの2回目の紹介です。

『Torch』(1981年)に続いて紹介するのは、1978年リリースの『Boys In The Trees(邦題:男の子のように)』です。

Michael McDonaldとの共作によるヒット曲「You Belong to Me」収録のアルバムという印象が強いかもしれませんね。おそらくMichaelとの共作は、前作『Another Passenger』(1976年)のプロデューサーを務めていたTed Templemanつながりでの話だと思います。

しかしながら、本作のプロデュースはTed Templemanに代わって、Arif Mardinが起用されています。

参加ミュージシャンは、当時の旦那James Taylor(g、vo)のバックアップをはじめ、Hamish Stuart(g、vo)、John Hall(g)、Hugh McCracken(g)、Cornell Dupree(g)、Eric Gale(g)、Richard Tee(key)、Don Grolnick(key)、Will Lee(b)、Tony Levin(b)、Gordon Edwards(b)、Steve Gadd(ds)、Luther Vandross(vo)、Joanna Simon(vo)、Lucy Simon(vo)、Cissy Houston(vo)、David Sanborn(as)、Michael Brecker(ts)、Randy Brecker(tp)、Joe Farrell(fl)等の豪華メンバーです。N.Y.系のスタジオ・ミュージシャンの参加が多いのが特徴ですね。

本作『Boys In The Trees』は、Carly Simonのキャリアの中では過渡期の作品かもしれません。それが逆に彼女のさまざまな側面を聴くことができ、楽しめると思います。

AORあり、フォーキーあり、スタンダード風あり、R&B調ありといろんな料理を少しずつ堪能できる懐石弁当のような楽しさのある作品だと思います。

全曲紹介しときやす。

「You Belong to Me」
前述のようにMichael McDonaldとの共作。全米シングル・チャート第6位となったヒット・シングルです。Carlyヴァージョンは、大人の艶やかさで迫るCarlyのヴォーカルにグッときます。Carly姉さんに"You Belong to Me"なんて言われたイチコロですね(笑)。David Sanbornもサックス・ソロで盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=fQep8jZJC2o

僕の場合、以前に紹介したThe Doobie Brothersヴァージョン(アルバム『Livin' On The Fault Line』収録)の方を聴き慣れているので、Michaelのヴォーカルが入っていないと少し物足りない気もするのですが(笑)

若いリスナーの方はJennifer Lopezのカヴァーでお聴きかもしれませんね。Jennifer Lopezの妖艶さはCarly Simonと相通ずるところがあるかもしれませんね。
Jennifer Lopez「You belong to me」
http://www.youtube.com/watch?v=_jlf6QUuEDw

「Boys in the Trees」
タイトル曲は、シンプルなアコースティック・チューンです。旦那様James Taylorのバック・コーラスが、温かくサポートしている感じでいいですね。

「Back Down to Earth」
ポップなアコースティック・チューン。Carly姉さんらしいメロディ・ラインにグッときますね。聴けば聴くほど好きになる1曲。Jeff Mironovのギターが盛り上げてくれます。

「Devoted to You」
Everly Brothersのヒットで知られる曲ですね(Boudleaux Bryant作品)。Beach Boysもカヴァーしていました。ここでは旦那様James Taylorとデュエットしています。シングルにもなりました。ほのぼのとした仕上がりが好感持てます。

「De Bat(Fly in My Face)」
邦題「気まぐれコウモリ」。アフリカン・テイストのリズミックな仕上がりは、アルバムの中でも異色です。楽しげな雰囲気がいいですね。バック・コーラス陣の中にはLuther Vandrossの名もあります。

「Haunting」
邦題「愛のとりこ」。 後の『Torch』を予感させるスタンダード風のバラード。Joanna、Lucyといった姉妹もバック・コーラスで盛り上げてくれます。

「Tranquillo(Melt My Heart)」
邦題「燃えるハート」。僕の一番のお気に入り曲。R&Bテイストのミッド・チューンに仕上がっています。Tony LevinとSteve Gaddによるリズム隊のカッチョ良さがたまりません!

「You're the One」
感動的なバラード。N.Y.らしい洗練されたサウンドのバックがいいですね。Hamish Stuartのバック・コーラスが効いています。

「In a Small Moment」
さり気ない曲なんですが、いつも気になる1曲。落ち着いたバックのサウンドが僕好みなんでしょうね。

「One Man Woman」
R&B調の小粋なファンキー・チューン。Michael Breckerのテナー・サックスが盛り上げます。

「For Old Times Sake」
邦題「想い出を抱きしめて」。ラストはアコースティック・チューンでしっとり聴かせます。

Arif Mardinとのコンビとは次作『Spy』(1979年)まで続きます。
posted by ez at 05:20| Comment(4) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする