2012年01月07日

Caetano Veloso『Caetano Veloso』

亡命先のロンドンでレコーディングした作品☆Caetano Veloso『Caetano Veloso』
Caetano Veloso (A Little More Blue)
発表年:1971年
ez的ジャンル:亡命系MPB
気分は... :懐かしき故郷よ・・・

今回はブラジル音楽界の牽引者Caetano Velosoが1971年にリリースした『Caetano Veloso』です。Caetanoの場合、セルフタイトルのアルバムが多くてややこしいのですが、本作は『イン・ロンドン』という邦題で親しまれている作品です。最近はオープニング曲「A Little More Blue」をサブ・タイトルに付して区別できるようになっています。

これまで紹介したCaetano Veloso関連作品は以下の5枚。

 『Tropicalia:Ou Panis Et Circencis』(1968年)
 『Caetano Veloso』(1969年)
 『Qualquer Coisa』(1975年)
 『Cores, Nomes』(1982年)
 『Caetano』(1987年)

ファンはご存知の通り、Gilberto Gilと共にトロピカリズモのリーダーと目されたCaetanoは、当時のブラジル軍事政権からは危険分子と見なされます。そして、1968年末にナイトクラブで騒いでいたところを"政治的集会"という理由で逮捕され、約半年拘束されることになります。

遂には国外退去を命じられたCaetanoとGilberto Gilはイギリス、ロンドンへの亡命を余儀なくされます(1972年にブラジルへ帰国)。

そんなロンドン亡命中にレコーディングされた作品が本作『Caetano Veloso』(1971年)です。

ロンドン録音ということで全7曲中6曲が英語で歌われています(英詞曲は全てCaetanoのオリジナル)。望郷の想いや母国ブラジルの現状を憂う歌詞が綴られており、聴いているとそんなCaetanoの心情が胸に沁みてきます。

サウンド的にはロンドン録音らしいフォーキー&ロックなテイストで統一されています。その意味ではMPB作品というよりもロック/フォーク作品として聴いても違和感ないと思います。

プロデュースはLou ReiznerとRalph Mace。Phil Ryanがストリングス・アレンジを担当しています。

郷愁のブラジリアン・フォーキー&ロックをじみじみ聴き入りましょう!

全曲紹介しときやす。

「A Little More Blue」
Caetano Veloso作。やむを得ず母国を出国することになった思いを綴ったオープニング。シンプルな演奏が寂しげなCaetanoのヴォーカルを際立たせます。

「London, London」
Caetano Veloso作。タイトルの通り、亡命先のロンドンでの生活を歌ったもの。ロンドンらしく少し曇った爽やかさ(?)といったところでしょうか。Caetanoのヴォーカルは穏やかですが、寂しさが見え隠れします。前曲「A Little More Blue」とセットで聴くと、当時のCaetanoの心情がよく伝わってきますね。
http://www.youtube.com/watch?v=v3Xngs4VuoU

「Maria Bethania」
Caetano Veloso作。タイトルの通り、母国に止まった妹Maria Bethaniaについて歌ったもの。妹の名前と英語のbetterを掛けています。ストリングス・アレンジも含めて惹き込まれる1曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=SvsAOZv-QYY

「If You Hold A Stone」
Caetano Veloso作。ブラジルを代表する女性芸術家Lygia Clark(1920-1988年)に捧げられた1曲。60年代後半から70年代前半らしい香りがするフォーキー・ロックに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=TYRcKaXw6EQ

「Shoot Me Dead」
Caetano Veloso作。亡命したCaetanoの状況を考えるとドキッとするタイトルですね。ブラジル人SSWらしいフォーキー・グルーヴに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=5R2T4oHyhHo

「In The Hot Sun Of A Christmas Day」
Caetano Veloso/Gilberto Gil作。共に亡命したGilberto Gilとの共作です。クリスマスをテーマに母国ブラジルの現状を皮肉っぽく歌ったものだと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=rvctrCWrjMk

「Asa Branca」
Humberto Teixeira/Luiz Gonzaga作。ラストは本作唯一のカヴァー。望郷の想いがひしひしと伝わってきます。ブラジルの民族楽器ビリンバウをまねた擬声を織り交ぜるあたりに、その想いの強さが感じられます。
http://www.youtube.com/watch?v=opHYK75J7jQ

Caetano Veloso関連作品の過去記事もご参照下さい。

『Tropicalia:Ou Panis Et Circencis』(1968年)
Ou Panis Et Circensis

『Caetano Veloso』(1969年)
Caetano Veloso (Irene)

『Qualquer Coisa』(1975年)
Qualquer Coisa

『Cores, Nomes』(1982年)
Cores & Nomes

『Caetano』(1987年)
Caetano (Jose)
posted by ez at 00:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする