2012年12月25日

Bobbe Norris『Close Up』

ブラジリアン・フレイヴァーな女性ジャズ・ヴォーカル作品☆Bobbe Norris『Close Up』
CloseUp
発表年:1981年
ez的ジャンル:ブラジリアン・フレイヴァー系女性ジャズ・ヴォーカル
気分は... :今宵楽しく!

今回はブラジリアン・フレイヴァーな女性ジャズ・ヴォーカル作品Bobbe Norris『Close Up』(1981年)です。

Bobbe Norrisは1941年、カリフォルニア州生まれの米国人女性ジャズ・シンガー。1960年代にレコーディング作品をリリースしますが、商業的な成功を収めることができず、70年代に入ると音楽活動を休止してしまいます。

1978年に飛び入り参加したライブでの彼女の見たジャズ・ピアニストLarry Dunlapに気に入られ、再び歌の世界で活動するようになります。Pointer Sistersの音楽ディレクターを務めた経験も持つLarry DunlapはBobbeの公私のパートナーとなり、1983年に2人は結婚しています。

そんな2人が二人三脚で制作したアルバムが本作『Close Up』(1981年)です。その後Bobbe Norris & Larry Dunlap名義での『Hoisted Sails』(1982年)や、『You And The Night And The Music』(1986年)、『Out Of Nowhwere』(1999年)といったアルバムをリリースしています。

今日紹介する彼女の再デビュー作『Close Up』は、ムジカロコムンドにも紹介されたブラジリアン・フレイヴァーな女性ジャズ・ヴォーカル作品です。

レコーディング・メンバーは、Bobbe Norris(vo)、Larry Dunlap(p、key、vo)、Paul Warburton(b)、Marc van Wageningen(el-b)、Frank Tusa(b)、Jim Zimmerman(ds)、David Frazier(per)という編成です。さらにCDに追加収録されたボーナス・トラックにはMark Murphy(vo)も参加しています。

"ブラジリアン・フレイヴァー"という形容詞が先行してしまうアルバムですが、それのみならず正統派ジャズ・ファンも満足させるオーセンティックなジャズ・ヴォーカル曲も多数収録されており、ジャズ・ヴォーカリストBobbe Norrisを存分に楽しむことができる作品に仕上がっています。

低いトーンで落ち着いた大人の雰囲気を醸し出すBobbe Norrisのヴォーカルには、人生の年輪を感じます。この雰囲気はなかなか出せないのでは?

今日の僕の気分にピッタリな大人のジャズ・ヴォーカル作品です。
ジャケのイメージそのままの1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Out of This World」
Harold Arlen/Johnny Mercer作。1945年のミュージカル映画『Out of This World』の主題歌です。ブラジリアン・リズムとスウィンギー・ジャズが交錯する本作らしい小粋な仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=bhYy25nV24Q

「After You」
Cole Porter作。当ブログでは以前にBill Evansのカヴァーも紹介しているCole Porter作品です。スタンダード然としたしっとりと美しいジャズ・バラードに仕上がっています。Larry Dunlapが惚れ込むのも頷ける魅惑のヴォーカルを披露してくれます。

「Looking at You」
この曲もCole Porter作。1930年のミュージカル『Wake Up and Dream』の挿入歌です。Paul Warburtonのベースをバックに貫録十分のヴォーカルを聴かせてくれます。

「You're Free」
Fran Landesman/Alec Wilder作。本作のハイライト。Cafe Apres-Midiのコンピにも収録された人気ブラジリアン・グルーヴ。Bobbeの低いトーンのヴォーカルとブラジリアン・リズムの組み合わせは、落ち着きのある大人のブラジリアン・グルーヴといった趣です。

「Lady Sings the Blues」
William Engvick/Alec Wilder作。偉大な作曲家Alec Wilder作品が2曲続きます。ブルージーなバラードですが、Bobbeの低いトーンのヴォーカルはブルースが似合いますね。

「Haunted Heart」
Howard Dietz/Arthur Schwartz作。1943年のミュージカル『Inside U.S.A.』挿入歌です。Larry Dunlapの小粋なピアノにグッとくるスウィンギーな仕上がりです。

「Let the Music Take You」
Larry Dunlap作。個人的には「You're Free」、「Out of This World」と並ぶ本作のハイライト。軽快なフュージョン調のブラジリアン・グルーヴです。Larry Dunlapのエレピのメロウな音色が心地好いですね。

「Move Yourself」
Larry Dunlap作。この曲も僕のお気に入り。ライトなジャズ・ファンク・チューン。落ち着いた大人の疾走感がいい感じです。アーバン・メロウ/AOR好きの人にオススメ!

「Another Summer's Day」
Larry Dunlap作。季節外れですが、サンセット・ビーチがよく似合う素敵なバラードです。

「Flight」
Larry Dunlap作。小粋なブラジリアン・ジャズです。軽快なながらもエレガントな雰囲気が漂うのがいいですね。

「Swan」
Larry Dunlap/Bobbe Norris作。本編のラストは美しいメロウ・バラードです。AOR好きの人がグッとくる仕上がりなのでは?

以下の3曲はCDに追加収録されたボーナス・トラックです。

「Lush Life」
Billy Strayhorn作。お馴染みのジャズ・スタンダードをカヴァー。スタンダードらしいオーセンティックなバラード・スタイルで堂々と歌い上げます。

「My Baby Likes to Bebop」
Walter Bishop, Sr./Johnny Mercer作。Nat King Coleなどで知られる楽曲です。ここではMark Murphyとのデュエットでリラックしたビ・バップなスキャットを聴かせてくれます。

「Gathering Stones」
Kenny Werner作。Larry Dunlapの美しいピアノに寄り添いながら、ここで柔らかいタッチのヴォーカルを聴かせてくれます。

『Out Of Nowhwere』
Out of Nowhere

さぁ、今宵楽しく!
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2012年12月24日

Antonio Loureiro『So』

ブラジルの若き才能の第2弾アルバム☆Antonio Loureiro『So』
ソー
発表年:2012年
ez的ジャンル:ミナス系静かなる音楽
気分は... :聖なる夜は静かなる音楽を聴きながら

クリスマス・イヴですね。

今日は昨日のAndres Beeuwsaert『Cruces』からの流れで、クリスマスを前に僕を虜にしている"静かなる音楽"の新作の1枚Antonio Loureiro『So』です。

当ブログで新作を2日続けて紹介することは通常ありませんが、クリスマス・スペシャルということで!

Antonio Loureiroはブラジル、サンパウロ出身。ミナス・ジェライス連邦大学で作曲と鍵盤打楽器を学んだ現在26歳のマルチ奏者、作曲家です。

2010年にリリースしたデビュー・アルバム『Antonio Loureiro』が各国で高い評価を受け、一躍将来を嘱望される新進気鋭のブラジル人アーティストとして注目を浴びました。日本でもMM誌(僕もかつて約20年間読者でしたが、今は全く読む気がしません)の『ベストアルバム2010』で某評論家が第1位に推したということで話題になりました(個人的にはこういう売り文句は大嫌いですが・・・)。

そして、大好評であった『Antonio Loureiro』に続く第2弾アルバムが本作『So』です。

同じ静かなる音楽でも昨日のAndres Beeuwsaert『Cruces』と比較すると、よりアヴァンギャルドな印象を受ける作品かもしれません。その意味では"静かなる音楽"なのに静かな音とは呼べないかもしれません(なんじゃそりゃ!)。また、彼のキャリアの出発点であるミナスのエッセンスも随所に感じられます。

アルバムには、そのAndres Beeuwsaert(p)やAndresと共作アルバム『Aqui』をリリースしたブラジル人女性シンガーTatiana Parra(vo)、昨日紹介したAndresの『Cruces』にも参加していたSantiago Segret(bandoneon)、本作や『Cruces』と共に新作『Motivo』を昨日大プッシュしたRafael Martini(vo、accordion)、元Mestre Ambrosioのブラジル人男性シンガーSiba(vo)、Alexandre Andres(fl)、等の興味深いアーティストが参加しています。また、そうしたゲスト陣に負けじと、Antonio Loureiroもマルチ奏者ぶりを存分に披露してくれています。

楽曲はすべてAntonio Loureiroのオリジナルです。

知的なアヴァンギャルドな"静かなる音楽"で過ごすクリスマス・イヴというのはいかがでしょうか?

全曲紹介しときやす。

「Pelas Aguas」
邦題「水を想う」。水をテーマに大自然と人間の深いつながりを歌い、環境破壊へ警鐘を鳴らすメッセージ・ソングでアルバムは幕を開けます。途中、先住民の言語も用いられる壮大なスケール感を持った楽曲です。大自然な神秘のようなものが見事に音で表現されています。

「Reza」
邦題「祈り」。Antonioの知的な感覚とアフロ・ブラジリアンな土着的魅力が融合した8分超の大作。静かなる高揚感・躍動感に充ちています。1つの音絵巻といった趣です。Alexandre AndresのフルートやDaniel Santiagoのギターも印象的です。

「Cabe na Minha Ciranda」
邦題「私のシランダ」。元Mestre Ambrosioのブラジル人男性シンガーSibaとの共演。楽曲も彼との共作です。抽象的な歌詞とアヴァンギャルドなサウンドが印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=1hcs2Q3dIPg ※スタジオ・ライブ音源

「Lindeza」
邦題「美しさ」。彼の知的な音楽センスを満喫できる1曲。ブラジル音楽というよりも現代音楽を聴いているイメージですね。Santiago Segretのバンドネオンも聴きどころです。
http://www.youtube.com/watch?v=6gGIHZu8pHA ※スタジオ・ライブ音源

「So」
タイトル曲はAntonio Loureiroらしい知的な"静かなる音楽"を満喫できます。Antonio自身が演奏しているヴァイヴの音色やRafael Martiniのアコーディオンがいいアクセントになっています。

「Parto」
邦題「出産」。Thiago Amudとの共作。アルバムの中でも屈指の美しさを持つ1曲。

「Passagem」
邦題「通路」。美しも神秘的な音世界に惹き込まれます。プログラミングによる電子音も駆使してサウンドに変化をつけています。

「Antidotodesejo」
邦題「欲望解毒剤」。すごい邦題ですね(笑)。不安と希望が交錯する美しも儚い雰囲気がいいですね。

「Boi」
Makely Kaとの共作。ブラジル北東部の民族劇にインスパイアされた楽曲なのだとか。そうやって聴くと、演劇の1シーンのような雰囲気がありますね。

「Luz da Terra」
邦題「地上の光」。Andres BeeuwsaertTatiana Parra、Rafael Martiniが参加している注目曲。個人的には本作のハイライトですね。知的センスとミナスらしいプリミティヴな魅力を兼ね備えた美しく感動的な1曲に仕上がっています。まさに聖母マリアの満月の光が海を照らしているかのような音世界です。素晴らしい!
http://www.youtube.com/watch?v=lkJg-BSM0-8

気づいたら昨日のエントリーが2,400回目でした。
以前は100回ごとの区切りで感動していましたが、最近は1つの通過点という感じですかね。

それでも、いい区切りなので多少はこれまでを振り返り、次の100回に向けてのモチベーションにしたいと思います。

このブログで僕が重視しているのは、いつも書いていますが、"年代、ジャンル問わずお気に入り作品を紹介する"というコンセプトを変えないことですね。これだけは第1回のエントリーから今日までブレずに貫き通すことができています。この"年代、ジャンル問わず"というコンセプトこそが、このブログをユニークたらしめている最大の特徴だと勝手に思っています。

一方で、"年代、ジャンル問わず"というコンセプトの範囲内で僕の音楽嗜好も徐々に変化しています。100回単位くらいのスパンで見返してもわかりづらいですが、300〜400回単位くらいで記事を見返すとその傾向がはっきり出ています。

特定のジャンル、特定のアーティストに固執して作品を聴くということがなく、気の赴くままにさまざまなジャンル、アーティストに手を出していくうちに守備範囲が少しずつ広がっているという説明の方が正確かもしれません。ジャンルやアーティストを極めるという音楽の聴き方をされている方から見れば、何とも中途半端な聴き方かもしれませんが(笑)

でも、そのおかげで自分の中でマンネリ感がなく、いつも新鮮な気持ちで音楽を聴くことができています。

これからも当ブログのコンセプトを頑固に貫きつつ、セレクションの"静かなる変化"で新鮮さを保ちたいと思っています。
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2012年12月23日

Andres Beeuwsaert『Cruces』

アルゼンチン・ネオ・フォルクローレの注目の鍵盤奏者の最新作☆Andres Beeuwsaert『Cruces』
andres beeuwsaert cruces.jpg
発表年:2012年
ez的ジャンル:アルゼンチン・ネオ・フォルクローレ
気分は... :静かなる音楽に囲まれて

今年も残すことあと9日あまり、年内に紹介できる新作もあと数枚といったところでしょうか・・・例年であれば12月はR&B/Hip-Hop系の大物アーティストの新作がリリースされ、その紹介に追われることが多いのですが、今年は目立った新作が少ないですね。その分、いろいろなジャンルの新作をじっくり吟味して購入することができています。

そして、クリスマスを前にして僕を虜にしている新作アルバムが、Andres Beeuwsaert『Cruces』Antonio Loureiro『So』Rafael Martini『Motivo』という"静かなる音楽"の3枚です。

アルゼンチン・ネオ・フォルクローレを代表する鍵盤奏者Andres Beeuwsaert、サンパウロ出身のブラジルの新たな才能Antonio Loureiro、ミナス出身のピアニストRafael Martiniという"静かる音楽"ファンの魅了する3アーティストの作品は、どれも現代ポピュラー音楽の最高峰と呼ぶに相応しい芸術的な新作に仕上がっていると思います。

本当はこのなかでは知名度が低いRafael Martini『Motivo』を最初に紹介したいと思っていたのですが、残念なことにAmazonでの取扱いがないようなので、Amazonでの取扱いが確認できた時点で紹介したいと思います。

今回はアルゼンチン・ネオ・フォルクローレの注目の鍵盤奏者Andres Beeuwsaertの最新アルバム『Cruces』です。

Juan QuinteroMariano Canteroと組んだアルゼンチン・ネオ・フォルクローレの重要グループAca Seca TrioのメンバーでもあるAndres Beeuwsaertの紹介は、ブラジル人女性シンガーTatiana Parraとの共演作『Aqui』(2011年)、初ソロ・アルバム『Dos Rios』(2009年)に続き3回目です。

最新作『Cruces』『クルーセス〜交差する旅と映像の記憶〜』という邦題表すように、旅を映像イメージさせるサウンド・スケープ的な作品に仕上がっています。そして、これまでのAndres Beeuwsaert作品と同様に、美しく透明感のある室内楽的な音世界が流れていきます。

レコーディングにはAndres Beeuwsaert(p、key、vo、g)以下、Juan Pablo di Leone(picollo、fl)、Fernando Silva(cello、b)、Santiago Segret(bandoneon)、Gabriel Grossi(harmonica)、Loli Molina(vo)、Pablo Passini(g、vo)、Ramiro Nasello(flh)といったミュージシャンが参加しています。

『Aqui』と楽曲が重なっている(重なっているのは3曲)ことを懸念する人もいるようですが、本作ではTatiana Parraのヴォーカル/スキャットがないインスト・ヴァージョンになっている分、本作の持つサウンド・スケープ的な音世界に楽曲が溶け込み、『Aqui』ヴァージョンとは別の魅力を堪能できると思います。

目を閉じながら、映像を思い浮かべて聴くと、さらに味わいが増すと思います。
こういう作品を聴くと、ますます"静かる音楽"にハマってしまいますね。

全曲紹介しときやす。

「Pasan」
Andres Beeuwsaert作。Aca Seca Trio『Ventanas』にも収録されていた楽曲です。牧歌的な雰囲気も漂ったAca Seca Trioヴァージョンと比較して、Andresらしい室内楽的なエッセンスが強調されています。

Aca Seca Trio「Pasan」
http://www.youtube.com/watch?v=NPv4-Rh4qYQ

「Salida」
Andres Beeuwsaert作。『Aqui』でもTatiana Parraのスキャット入りで演奏していました。そのインスト・ヴァージョンはAndresの持つピュアで美しい音世界の魅力をダイレクトに満喫できます。目を閉じながら聴くと、Andresの好きな地平線の映像が浮かんできます。Andres Beeuwsaertというアーティストの美学がよく表れた1曲だと思います。

「Chorinho」
Lyle Mays作。Pat Metheny Groupのキーボード奏者として知られるLyle Maysの作品をカヴァー。『Dos Rios』のエントリーで彼の音楽とPat Metheny作品の共通性を指摘しましたが、まさにそれを裏打ちするカヴァーですね。Andresらしい室内楽的なエッセンスを楽しめる知的な演奏を楽しめます。

「Sonora」
Andres Beeuwsaert作。『Aqui』でもTatiana Parraのスキャット入りで取り上げていました。本ヴァージョンは『Aqui』ヴァージョンに比べてエレガントさが後退しましたが、逆に落ち着きが増して癒しモードな印象を受けます。

「Cruces」
Andres Beeuwsaert作。タイトル曲はAndresのピアニストとしての魅力を存分に満喫できます。Juan Pablo di Leoneのフルートとの絡みもいい感じです。

「Reinicio」
Andres Beeuwsaert作。さまざまな感情が交錯する心象風景を音にしたような楽曲ですね。Loli Molinaの薄っすらとしたスキャットが隠し味になっています。

「Milonga Gris」
Carlos Aguirre作。アルゼンチン・コンテンポラリー・フォルクローレの最重要ミュージシャンCarlos Aguirreのカヴァー。『Aqui』でもTatiana Parraのスキャット入りでカヴァーしていました。本ヴァージョンはTatianaのスキャットのパートをSantiago Segretがバンドネオンで奏でています。ある意味、よりフォルクローレらしい仕上りかもしれませんね。

「Entre A Terra E A Agua」
Mrrio Laginha作。ポルトガル出身のピアニストMrrio Laginhaの作品をカヴァー。『Dos Rios』でも彼の作品「Nazuk」を取り上げていました。アルバムの中でも特にしみじみと胸の奥に沁みてくる演奏です。

「Vento Em Madeira」
Lea Freire作。『Aqui』にも参加していたブラジル人の女性フルート奏者Lea Freireの作品をカヴァー。軽快な雰囲気の室内楽的な演奏はAndresらしいですね。Andresのピアノ、Juan Pablo di Leonのフルート、Santiago Segretのバンドネオンによるアンサンブルは素晴らしいの一言です。

「Choral」
Dino Saluzzi作。偉大なアルゼンチン人バンドネオン奏者Dino Saluzziの作品をカヴァー。思わず祈りを捧げたくなるような厳粛な演奏です。

「Ninos」
Pablo Passini作。作者Pablo Passiniもギター&ヴォーカルで参加しています。ギター中心のせいか、それまでの楽曲とは少し趣が異なります。それでも十分癒し系の静かなる音楽です。

ご興味がある方は、Andres Beeuwsaert関連作品やAca Seca Trio作品もチェックを!

Andres Beeuwsaert『Dos Rios』(2009年)
Dos Rios

Tatiana Parra & Andres Beeuwsaert『Aqui』(2011年)
aqui.jpg

Aca Seca Trio『Aca Seca Trio』(2003年)
Aca Seca Trio

Aca Seca Trio『Avenido』(2006年)
アベニード

Aca Seca Trio『Ventanas』(2009年)
Ventanas
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2012年12月22日

Bobby Boyd Congress『Bobby Boyd Congress』

レア・グルーヴ名盤。フランス産濃厚ファンク☆Bobby Boyd Congress『Bobby Boyd Congress』
BOBBY BOYD CONGRESS ボビー・ボイド・コングレス
発表年:1971年
ez的ジャンル:フランス産濃厚ファンク
気分は... :一度聴いたら病みつきになる?

今回はレア・グルーヴ好きにはお馴染みのファンク名盤Bobby Boyd Congress『Bobby Boyd Congress』(1971年)です。

Bobby Boyd Congressはアメリカ人男性ヴォーカリスト/テナー・サックス奏者Bobby Boydを中心にN.Y.で結成されたグループ。その後フランス、パリに渡りレコーディングされた作品が『Bobby Boyd Congress』(1971年)です。

しかし、本作の後Bobby Boydがアメリカへ帰国してしまい、残ったLafayette HudsonFrank Abel等のメンバーが結成したのがThe Lafayette Afro Rock Bandです。

The Lafayette Afro Rock Band『Soul Makossa』(1973年)、『Malik』(1975年)とアルバムをリリースしています。『Soul Makossa』収録の「Hihache」、『Malik』収録の「Darkest Light」は定番サンプリング・ソースにもなっています。また、The Lafayette Afro Rock BandはIce名義でもアルバムをリリースしています。

一方、Bobby Boydは1976年にソロ名義でアルバム『Bobby Boyd』(1976年)をリリースしています。

さて、本作『Bobby Boyd Congress』はまずジャケがインパクトありますね。
このインパクト大のジャケといえば、45『Stop! Look! Listen!』で本作のジャケを模していましたね。

45『Stop! Look! Listen!』
Stop! Look! Listen!


話を『Bobby Boyd Congress』に戻すと、これは濃厚なへヴィ・ファンク・アルバムです。

本作におけるメンバーは、Bobby Boyd(vo、ts)、Jerry Joe Beatty(as、vo)、Ronnie Buttacavoli(tp、vo)、Arthur Grayson Young(tp、vo)、Diana Olverton(vo)、Frank Abel(org、vo)、Larry Jones(g)、Lafayette Hudson(b)、Perry Smith(ds)です。

ソウル/ファンク、ロック、ジャズが混然一体となったサウンドは70年代初めらしいかもしれませんね。あとは曲が前半と後半のコントラストがある演奏が多いので、1曲で2度楽しめるパターンが多いのもいいですね。

一度聴いたら病みつきになる濃厚ファンクをご堪能あれ!

全曲紹介しときやす。

「Straight Ahead」
オススメその1。オープニングはど迫力のへヴィ・ファンク。ブラス・ロックを彷彿させるホーン隊が格好良いですね。紅一点Diana Olvertonのシャウトやブレイクもキマっています。
http://www.youtube.com/watch?v=L8Am8yKDZJ4

「In A Toy Garden」
インプロヴィゼーションを楽しむ1曲。ジャズ的な雰囲気が漂うファンク・チューンな前半から、後半はJimi Hendrixばりのロック・チューンに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=WJporDlRxEc

「In A Strange, Strange Land」
オススメその2。哀愁のメロディが印象的なファンク・チューン。男の哀愁感にグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=rdxnmGyJGAw

「I'm Undecided」
哀愁のソウル・バラード。実にメリハリが効いている演奏がいいですね。

「Train」
オススメその3。猛スピードで駆け抜けるファンク・チューン。聴いているだけでアドレナリン全開です。これでテンション上がらなければ嘘です!

「It's Too Good To See Your Face Again」
オススメその4。ソウル・チューンな前半からを経て、中盤から「Tighten Up」調のファンキー・グルーヴへ突入します。この曲もテンション上がります。
http://www.youtube.com/watch?v=TqXG1Je1i2w

「Are You Gonna Stay He While」
オススメその5。パンチの効いたホーン隊とDiana Olvertonのダイナマイト・ヴォーカルがマッチしたファンク・チューン。

「Dig Deep In Your Soul」
Bobby Boydのソウル魂のあるヴォーカルを楽しめる1曲。ホーン隊もそれに応戦して盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=Tvw-faq6QDQ

「Bright Flowers」
ラストはビューティフルなソウル・チューンで締め括ってくれます。中盤からスピードアップする展開がいいですね。

ご興味がある方はThe Lafayette Afro Rock BandのアルバムやBobby Boydのソロ作もチェックを!

The Lafayette Afro Rock Band『Soul Makossa』(1973年)
Soul Makossa

The Lafayette Afro Rock Band『Malik』(1975年)
Malik

『Bobby Boyd』(1976年)
Bobby Boyd
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2012年12月21日

The Sea And Cake『The Biz』

エレクトロニカ路線前のプリミティブな魅力を満喫できる3rd☆The Sea and Cake『The Biz』
The Biz
発表年:1995年
ez的ジャンル:シカゴ音響派系ポスト・ロック
気分は... :いよいよ年末モード突入?

今日になって急に慌しさが増し、一気に年末モードに突入した感じです。
年末でのTo Doリストは公私共々やることだらけ・・・今年は大晦日に年賀状書いているパターンかも?

今回はシカゴ音響派のスーパーグループThe Sea and Cakeの3rdアルバム『The Biz』(1995年)です。

Sam Prekop(vo、g)、John Mcentire(ds)、Archer Prewitt(g)、Eric Claridge(b)という4つの才能が結集したシカゴのグループThe Sea and Cakeの紹介は、5thアルバム『Oui』(2000年)、6thアルバムThe Sea and Cake『One Bedroom』(2003年)に続き3回目となります。

今秋も最新作『Runner』をリリースし、健在ぶりを示してくれたThe Sea and Cake。何だかったいって、コンスタントに作品をリリースしていますよね。

『Runner』(2012年)
ランナー

今日紹介する『The Biz』は、1st『The Sea and Cake』(1994年)、2nd『Nassau』(1995年)に続く3rdアルバムです。本作までがThe Sea and Cakeの初期と呼べるかもしれませんね。

人気の5thアルバム『Oui』(2000年)のようなエレクトロニカ路線以前の作品であり、ロックでラウンジーなThe Sea and Cakeのプリミティブな魅力を満喫できる1枚だと思います。

この唯一無二の脱力系のヴォーカル&メロディを聴くとヤラれてしまいます。

ラウンジ系のシカゴ音響派作品をユルい気分で聴きましょう。

全曲紹介しときやす。

「The Biz」
タイトル曲はシンセ・サウンドも顔を覗かせますが、Sam Prekopの素朴のヴォーカルと優しいけど少しひねくれたメロディで初期The Sea and Cakeらしさを楽しめます。
http://www.youtube.com/watch?v=12JJ3yZDpO0

「Leeora」
Stereolabあたりと一緒に聴きたくなる曲ですね。このユルい疾走感がたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=QAEleqbF9X8

「The Kiss」
ヴォーカルは脱力系なのにサウンドがエラく格好良いのが、このバンドの魅力ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=pDcOgOg6oh4

「Station In The Valley」
微妙にリズムが人力ドラムンベースのような感じでいいですよね。
http://www.youtube.com/watch?v=zSjmvVLId9I

「Darkest Night」
メランコリックな仕上がり。淡々としたなかでじわじわと哀愁が漂ってきます。

「Sending」
ドラムを排した編成。このユニットらしい哀愁メロウ感が強調されています。
http://www.youtube.com/watch?v=ZQrLkkVA8Bo

「Escort」
初期らしいロックバンドなThe Sea and Cakeを満喫できます。適度にノイジーな感じが初期らしいかもしれませんね。
http://www.youtube.com/watch?v=1uMrTQjvFRw

「An Assassin」
80年代ネオアコっぽい疾走感が魅力です。でもそこは一筋縄でいかないところがThe Sea and Cakeらしいのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=Rfs9tLNqyvU

「The Transaction」
アルバムのなかでもキャッチーさは随一なのでは?キャッチーといってもヒネリは効いていますが・・・The Sea and Cakeを初めて聴く方でも聴きやすい1曲だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=L3hVIt3IwJk

「For Minor Sky」
ラストは美しく切ないメロディで締め括ってくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=6teRxSWRagg

The Sea and Cakeの初期にご興味がある方は、1st『The Sea and Cake』(1994年)、2nd『Nassau』(1995年)もチェックを!

『The Sea and Cake』(1994年)
The Sea And Cake

『Nassau』(1995年)
Nassau

The Sea and Cakeも含めたシカゴ音響派系の過去記事もご参照下さい。

The Sea and Cake『Oui』(2000年)
Oui

The Sea and Cake『One Bedroom』(2003年)
One Bedroom

Sam Prekop『Sam Prekop』(1999年)
Sam Prekop

Archer Prewitt『White Sky』(1999年)
White Sky

The Aluminum Group『Pedals』(1999年)
ペダルス

The Aluminum Group『Pelo』(2000年)
ペロ

The Aluminum Group『Happyness』(2002年)
Happyness

Gastr Del Sol『Camoufleur』(1998年)
Camoufleur

Brokeback『Field Recording From The Cook County Water Table』(1999年)
Field Recordings From The Cook County Water Table

Jim O'Rourke『Eureka』(1999年)
Eureka

L'Altra『Music Of A Sinking Occasion』(2000年)
Music of a Sinking Occasion
posted by ez at 18:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする