2013年06月07日

P.P. Arnold『The First Lady Of Immediate』

Immediateのソウル・ディーヴァのデビュー・アルバム☆P.P. Arnold『The First Lady Of Immediate』
ファースト・レディ・オブ・イミディエイト+3
発表年:1967年
ez的ジャンル:スウィンギン・ロンドン系UKソウル・ディーヴァ
気分は... :俄かに騒がしく・・・

今回は60年代モッズ/スウィンギン・ロンドン好きには外せないソウル・ディーヴァP.P. Arnoldのデビュー・アルバム『The First Lady Of Immediate』(1967年)です。

P.P. Arnoldの紹介は『Kafunta』(1968年)に続き2回目となります。

Ike & Tina Turnerのバック・コーラス・グループThe IkettesのメンバーであったP.P. Arnoldは、1966年にThe Rolling Stonesの前座で呼ばれたIke & Tina Turnerのイギリス公演に同行した際、当時のStonesのマネージャーAndrew Loog Oldhamに誘われ、そのままイギリスに留まることになります。

そして、OldhamのImmediate Recordsからリリースされた1stアルバムが『The First Lady of Immediate』(1967年)です。

プロデューサーにはRonnie Lane/Steve Marriott、Mick JagerMike HurstAndrew Loog Oldhamの4組が起用されています。

プロデューサー毎に作風が異なるのでアルバムの一貫性はありませんが、その分さまざまな角度から60年代後半のスウィンギン・ロンドンの盛り上がりを楽しめるアルバムに仕上がっています。

個人的にはMick Jagerプロデュース作が気に入っています。

ロック好き、ソウル好き共に楽しめるUKソウル・ディーヴァ作品です。

全曲紹介しときやす。

「(If You Think You're) Groovy」
Ronnie Lane/Steve Marriott作&プロデュース。シングルにもなりました。Small Facesがバックを務めています。当ブログでも紹介したSmall FacesのImmediate移籍第1弾アルバム『Small Faces(1967)』の流れを汲む少しアシッドなブリティッシュ・ロックに仕上がっています。P.P.のエモーショナル・ヴォーカルとSmall Facesサウンドがうまく噛み合っていますね。
http://www.youtube.com/watch?v=6GeemTu0Qh0

「Some Beautiful Happened」
Paul Korda作。美しいオーケストレーションをバックにP.P.のドリーミーなヴォーカルを満喫できる1曲。Mike Hurstプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=wW8lFJGpN4k

「Born to Be Together」
Phil Spector/Barry Mann/Cynthia Weil作。The Ronettesのヒット曲をカヴァー。オーケストレーションを配した重厚な仕上がりです。Mike Hurstプロデュース。

「Am I Still Dreaming」
P.P. Arnold作。Mick Jagerプロデュース。僕の一番のお気に入り!MickプロデュースらしいStones調のR&Bサウンドを満喫できます。
http://www.youtube.com/watch?v=4yMBYft04fc

「Though It Hurts Me Badly」
P.P. Arnold作。この曲もMick Jagerプロデュース。なかなかシブいダークなアコースティック・バラードに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=3Kfk_pCLpxw

「The First Cut Is the Deepest」
Cat Stevens作。Mike Hurstプロデュース。シングルとしてUKチャート第18位のヒットとなりました。Cat Stevensのオリジナルは『New Masters』(1967年)に収録されています。他のMike Hurstプロデュース作同様に美しいストリングスが印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=y1-g5VG2pWg

「Everything's Gonna Be Alright」
Andrew Loog Oldham/Donald Ross Skinner作。P.P.の記念すべきデビュー・シングル。ノーザン・ソウル好きにはたまらない軽快な1曲に仕上がっています。Andrew Loog Oldhamプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=NDnpOtz6kXU

「Treat Me Like a Lady」
P.P. Arnold作。Mick Jagerプロデュース3曲目。「Am I Still Dreaming」と並ぶお気に入り曲。ノリの良さではアルバム随一です。

「Would You Believe」
Jeremy Paul作。Mike Hurstプロデュース。この曲も美しいストリングスをバックに、P.P.がキュートなソウル・ヴォーカルを聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=QxY0Hnp1o_k

「Life Is But Nothing」
Andrew Rose/Donald Ross Skinner作。レーベル・メイトのフォーキー・デュオTwice as Muchのカヴァー。Twice as Mucのオリジナルは『Own Up』(1966年)に収録されています。実に味わい深いフォーキー・チューンに仕上がっています。Andrew Loog Oldhamプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=OiHBOUPtBDA

「Speak to Me」
Andrew Loog Oldham/Mike Hurst作。Mike Hurstがプロデュースした曲の中ではこれが一番好き。格好良いアッパーR&Bチューンに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=dmG6J21MqfE

「Time Has Come」
Paul Korda作。この曲もシングルになりました。Mike Hurstプロデュース。ラストは壮大なポップ・チューンで締め括ってくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=UFJLI4MTEKg

CDには以下の3曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。

「If You See What I Mean」
P.P. Arnold作。「Time Has Come」のシングルB面曲です。グルーヴィーなオルガンにグッとくるキャッチーなR&Bチューンに仕上がっています。

「Come Home Baby」
Rod Stewart作。当時は未発表であったRodとのデュエット。P.P.とRodのデュエットというだけでも興味が湧いてきますね。Mick Jagerプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=7oSUHC-D8RU

「(If You Think You're) Groovy [Alternate take]」
オープニング曲の別テイク。Steve Marriottのコーラスが強調されています。

『Kafunta』(1968年)
カフンタ(K2HD/紙ジャケット仕様)
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2013年06月06日

Gil Scott-Heron & Brian Jackson『The First Minute Of A New Day』

The Midnight Bandをバックに従えた双頭アルバムの第2弾☆Gil Scott-Heron & Brian Jackson『The First Minute Of A New Day』
MIDNIGHT BAND: THE FIRST MINUTE OF A NEW DAY
発表年:1975年
ez的ジャンル:レア・グルーヴ系ジャズ・ファンク
気分は... :見方を変えれば歴史も変わる・・・

今回はGil Scott-Heron & Brian Jackson『The First Minute Of A New Day』(1975年)です。

これまで当ブログで紹介したGil Scott-Heron作品(Brian Jacksonとの連名作を含む)は以下の6枚。

 『Pieces Of A Man』(1971年)
 『Winter In America』(1974年)
 『It's Your World』(1976年)
 『Bridges』(1977年)
 『Secrets』(1978年)
 『1980』(1980年)

『The First Minute Of A New Day』(1975年)は、『Winter In America』(1974年)に続くGil Scott-Heron & Brian Jacksonの双頭名義アルバム第2弾です。

本作ではThe Midnight Bandをバックに従え、より音楽性の幅が広がったジャズ・ファンク・サウンドを展開しています。

レコーディングには、Gil Scott-Heron(vo、p、el-p、g)、Brian Jackson(syn、key、fl、vo)、Bob "O.D." Adams(ds)、Bilal Sunni Ali(fl、sax、harmonica)、Danny Bowens(b)、Victor Brown(vo、per)、Barnett Williams(per)、Charlie Saunders(per)、Eddie "Adenola" Knowles(per)が参加しています。

パーカッション奏者が多数参加し、よりリズムが強調されているのがいいですね。

先ほどまでNHK BS1で『オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史』を観ていました。今回はベトナム戦争にフォーカスし、この戦争の闇の部分を鋭くえぐり出し、オリバー・ストーンらしい視点でジョンソン、ニクソンといった歴代大統領とその側近たちが犯した過ちを痛烈に批判していました。

大義なき戦争をゴリ押ししていたアメリカはかなり病んでいましたね。
そんな後に、この時期のアメリカの抱える矛盾を見抜き、歌に託していたGil Scott-Heronの社会メッセージ・ソングを聴くと、余計に感じるものがあります。

全曲紹介しときやす。

「Offering」
メロウ・サウンドをバックに憂いを帯びたGilとVictor Brownのヴォーカルが印象的なオープニング。
http://www.youtube.com/watch?v=Bk25GePt1xc

「The Liberation Song (Red, Black And Green)」
格好良いジャズ・ファンク・チューン。本作らしいパーカッシヴなリズムをバックに、Victor Brownのソウルフル・ヴォーカルとBilal Sunni Aliのサックスが歌い上げます。
http://www.youtube.com/watch?v=FwQZwXAIT38

「Must Be Something」
『It's Your World』にライブ・ヴァージョンが収録されていましたね。力強いメッセージ・ソングですが、ラテン・フレイヴァーの効いたファンキー感にグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=SK8a6UlTh3U

「Ain't No Such Thing As Superman」
「The Liberation Song」と並ぶ本作のハイライトかもしれませんね。Brian Jacksonの鍵盤がいい感じのファンク・グルーヴです。ジワジワとテンションが上がっていく感じがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=y_eASls2HhE

「We Beg Your Pardon」
Gilが世相を語ったスピーチのライブ録音。サウンドを強化した本作にあえてこういったものを挿入するあたりがGil Scott-Heronらしいですね。

「Guerilla」
うねるベースラインにグッとくるファンク・チューン。Bilal Sunni Aliのハーモニカ&フルートも印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=XpuRq1vmWvo

「Winter In America」
メロウ・サウンドの中にも重々しさが伝わってくる社会メッセージ・ソング。アメリカの抱える闇にメスを入れます。
http://www.youtube.com/watch?v=m2zKdIcOV5s

「Western Sunrise」
スピリチュアル・ジャズ好きの人はグッときそうな仕上りです。大地のリズムがGilのメッセージをより崇高なものにしています。
http://www.youtube.com/watch?v=ARY0uQRyOHU

「Alluswe」
ラストは美しいジャジー・ピアノをバックにGilが切々と歌い上げます。Brainsick Mob「I Thank God」、Mike Zoo「Turn」でサンプリングされています。

Gil Scott-Heronの過去記事もご参照下さい。

『Pieces Of A Man』(1971年)
Pieces of a Man

『Winter In America』(1974年)
Winter in America

『It's Your World』(1976年)
It's Your World

『Bridges』(1977年)
Bridges

『Secrets』(1978年)
Secrets

『1980』(1980年)
1980(直輸入盤・帯・ライナー付き)
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2013年06月05日

Carlinhos Brown『Bahia Do Mundo, Mito E Verdade』

バイーアの天才パーカッション奏者の3rdアルバム☆Carlinhos Brown『Bahia Do Mundo, Mito E Verdade』
Bahia Do Mundo-Mito E Verdade
発表年:2001年
ez的ジャンル:進化形バイーア・サウンド
気分は... :何とかW杯切符を手にしましたが・・・

サッカーW杯アジア最終予選の大一番「日本対オーストラリア」は、何とか引き分けてW杯切符を手にしました。

出場を決めたのは喜ばしいことですが、何とも消化不良感のある内容でしたね。
とても世界相手に通用する代表チームには見えませんでした。
本当に負けなくて良かった!というのが本音ですね。

今回の先発11名が予選におけるザック・ジャパンのベスト・メンバーだとは思いますが、この布陣を固定せず一度解体して本番仕様のチームを作って欲しいですね。メンバーの入れ替えを断行してチームを活性化させ、もう少し伸びしろを期待できるチーム作りに着手して欲しい気がします。

今回は日本代表のブラジルW杯出場決定を祝ってブラジル人アーティストを紹介したいと思います。

ブラジルが誇る天才パーカッション奏者Carlinhos Brownの3rdアルバム『Bahia Do Mundo, Mito E Verdade』(2001年)です。

彼が参加した『Tribalistas』

Carlinhos Brownは1962年バイーア州サルヴァドール生まれ。10代の頃からパーカッション奏者として活躍していた彼は、Caetano Velosoの『Caetano』(1987年)、『Estrangeiro』(1989年)、Sergio Mendes『Brasileiro』(1992年)といった作品への参加で注目を集めます。

また、地元サルヴァドールでストリート・パーカッション集団Timbaladaを立ち上げ、彼のプロデュースのもと1993年にデビュー・アルバム『Timbalada』(1993年)をリリースしています。

そして、1996年に満を持してデビュー・アルバム『Alfagamabetizado』をリリースし、ミクスチャー感覚の圧倒的なアフロ・ブラジリアン・サウンドでシーンに衝撃を与えました。

その後は『Omelete Man』(1998年)、『Bahia do Mundo, Mito e Verdade』(2001年)、『Carlinhos Brown Es Carlito Marron』(2003年)、『Candyall Beat』(2004年)、『A Gente Ainda Nao Sonhou』(2007年)、『Adobro』(2010年)、『Diminuto』(2010年)、『Mixturada Brasileira』(2012年)とコンスタントにアルバムをリリースしています。

また、前述のようにMarisa MonteArnaldo Antunesとのスーパー・トリオTribalistasにてアルバム『Tribalistas』(2002年)をリリースしています。

今回紹介する『Bahia Do Mundo, Mito E Verdade』(2001年)は3rdアルバムとなります。Carlinhosらしいミクスチャー感覚のアフロ・ブラジリアン・サウンドを楽しめる1枚です。『Alfagamabetizado』あたりと比較すれば、少し落ち着いた印象を受けるかもしれませんが、緩急つけながら自身のスタイルを進化させています。躍動するバイーアの大地のリズムとエレクトロ・サウンドを上手く融合する手腕もなかなかです。

楽曲はすべてCarlinhosのオリジナルです(共作含む)。

Carlinhosの放つ圧倒的オーラを感じましょう!

全曲紹介しときやす。

「Pegadas Na Areia」
灼熱の熱さが似合う汎カリブ/レゲエ調のオープニング。何処となく大らかな感じがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=6vr80cNeU5c

「Credince」
Carlinhosの持つスケールの大きなミクスチャー感覚をキャッチーに楽しめる1曲。躍動するアフロ・ブラジリアン・リズムをエレクトロ・サウンドと上手く融合させています。
http://www.youtube.com/watch?v=TfKQWt9zHjY

「Mil Veroes」
僕の一番のお気に入り。軽快なギター・サウンド、パーカッシヴな疾走感、生命力のあるコーラスが実に心地好いですね。みんなで大合唱したくなる名曲だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=WTRpb8hAAL0

「Lagoinha」
哀愁のメロディをアブストラクト感覚で聴かせてくれます。アフロ・ブラジリアンにエスニック風味が加わり、独特の雰囲気を醸し出します。
http://www.youtube.com/watch?v=Nh_hMjBNYhc

「Mess In The Freeway」
レゲエ調のピースフル・バラード。ソウルフルな女性コーラス隊が盛り上げてくれます。

「Cavalo Da Simpatia」
パーカッションのリズムとビリンバウの音色が印象的なアフロ・ブラジリアン色の強い1曲。
http://www.youtube.com/watch?v=6z9fuXw4p7Q

「Cearabe」
躍動するリズム&コーラスが魅力の1曲。聴いているだけで自然にハイテンションになります。
http://www.youtube.com/watch?v=IRK4nh1Wqys

「Shalom」
ラテン・リズムが心地好く響くピースフルな仕上がり。
http://www.youtube.com/watch?v=PBQP7tAUKQg

「Senhora」
素晴らしいストリングスにエレクトロなスパイスも加えられた美しい仕上がり。

「Viloes Satisfeitos」
メロディアスなアコースティック・サウンドに軽くエレクトロも加えたメロウな仕上がり。
http://www.youtube.com/watch?v=ViopWB0CIow

「Vai Rolar」
レゲエ調の仕上がり。開放的ななかにも切れ味があります。

「Horario De Verao」
大らかな雰囲気ながらも生命力のあるリズムが躍動します。

「Trabalhador De Carnaval」
ラストは性急なリズムで一気に駆け抜けます。

『Alfagamabetizado』(1996年)
Alfagamabetizado

『Omelete Man』(1998年)
Omelete Man

『Carlinhos Brown Es Carlito Marron』(2003年)
Carlito Marron

『Candyall Beat』(2004年)
Candyall Beat

『A Gente Ainda Nao Sonhou』(2007年)
Gente Ainda Nao Sonhou

『Adobro』(2010年)
ADOBRO

『Diminuto』(2010年)
DIMINUTO

『Mixturada Brasileira』(2012年)
Mixturada Brasileira

Timbalada『Timbalada』(1993年)
ストリート・パワーの逆襲

Timbalada『Cada Cabeca E Um Mundoa』(1994年)
Cada Cabeca E Um Mundo

Tribalistas『Tribalistas』(2002年)
Tribalistas
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2013年06月04日

3 Shades Brown『Stronger Than Strong』

キュートなNJS系女性R&Bグループ、唯一のアルバムは完成度高いです!☆3 Shades Brown『Stronger Than Strong』
3 shades brown stronger than strong.jpg
発表年:1992年
ez的ジャンル:NJS系女性R&Bグループ
気分は... :いざ決戦!

今回は90年代女性R&Bグループ好きには外せない1枚、3 Shades Brown『Stronger Than Strong』(1992年)です。

3 Shades Brownはリード・ヴォーカルのKim Cage、バッキング・ヴォーカルのLeah Johnson、ラッパーのChristi Thortonの3名から成るガールズR&Bグループ。グループ唯一のアルバムが本作『Stronger Than Strong』(1992年)です。

正直、リアルタイムでは殆ど注目されなかったグループですが、その後「Let's Spend The Night Together」が90年代R&Bクラシックとして認知され、それと同時に再評価が高まった作品が本作『Stronger Than Strong』です。

本作がリリースされた1992年といえば、Mary J. Blige『What's The 411?』TLC『Ooooooohhh...On The TLC Tip』SWV『It's About Time』といった女性R&Bの新しい流れを決定付けた作品が続々とリリースされた年です。

そういった作品群と比較すると、NJSの流れを汲む本作『Stronger Than Strong』は時代に少し乗り遅れた作品と呼べるかもしれません。しかしながら、作品自体の完成度は高く、それが今日の再評価につながっていると思います。

アルバム全体はNJS系を中心としたアッパー・チューンと美メロのメロウ・グルーヴがバランス良く配されています。ラップ・パートとヴォーカル・パートを巧みに織り交ぜているのがこのグループらしいかもしれません。

NJS好き、女性R&Bグループ好きの方はぜひチェックして欲しい1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Intro」
イントロ。

「You're No Good」
ハネハネしているアッパー・トラックにChristi Thortonのラップをフィーチャーしたオープニング。男女の違いはありますが、僕が大好きだったJibri Wise Oneあたりの歌モノHip-Hopに通じ弾けた感じがいいですね。

「Don't Fight The Feeling」
オススメその1。「Let's Spend The Night Together」と並ぶ本作のハイライト。Shalamar「A Night to Remember」Daryl Hall & John Oates「I Can't Go For That (No Can Do)」 という大ネタ・サンプリングソースを使ったトラックが印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=9Z94g2iSdgs

「It's My Thang」
このグループらしくヴォーカル・パートとラップ・パートを上手く織り交ぜた1曲。DJ Mike Mackによるスクラッチもキマっています。
http://www.youtube.com/watch?v=TxTvwzdrIR4

「Nasty Bass」
シングルにもなった曲。90年代前半らしいヒップ・ハウス・トラックにグッときます。昔はこういうトラック好きだったなぁ・・・

「Till The Morning Comes」
オススメその2。本作の持つメロウな魅力をよく伝えてくれる美メロ・グルーヴ。Kim Cageがキュートなヴォーカルを聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=r2FFvJiIVxQ

「World Healing」
オススメその3。Marvin Gaye「Sexual Healing」のサンプリングを上手く使っているキュートなメロウ・グルーヴ。

「Motel 6」
インタールード。

「It's Only Money」
ファンキー・トラックにのってChristiが軽快なフロウを聴かせてくれます。

「Hey Fellas」
インタールード。

「Respect Myself」
煽動的なChristiのラップ・パートとメロディアスなKimのヴォーカル・パートの組み合わせがグッドなアッパー・チューン。

「Let's Spend The Night Together」
オススメその4。本作のハイライト。90年代R&Bクラシックと再評価されるのも納得のメロウ・グルーヴです。90年代R&Bガールズ・グループのキュートな魅力が凝縮されています。
http://www.youtube.com/watch?v=pccU1U1orQg

「Sexy Things You Do」
オススメその5。個人的には「Let's Spend The Night Together」に次ぐお気に入り。Kimのキュートなヴォーカルが栄えるメロウR&Bグルーヴです。
http://www.youtube.com/watch?v=W9y4n-8u9bA

「Stronger Than Strong」
タイトル曲はChristiのラップを前面に打ち出したパンチの効いた1曲に仕上がっています。

「Don't Leave Me Waiting」
ハネた疾走感がなかなかグッときます。いかにも90年代前半な感じが今聴くと逆にいいのでは?

「Do You Really Love Me?」
オススメその6。メロウな胸キュン感にグッとくるミディアム・グルーヴ。

「Love Complications」
本編のラストはメロウなラブ・バラードで締め括ってくれます。

以下の2曲はボーナス・トラックです。

「Can't Stop Now」
ファンキーなアッパー・モードで一気に駆け抜けます。このスピード感がたまりません。

「Show Off」
オススメその7。セクシーなNJSチューン。甘く妖しいグルーヴ感にグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=mqtzPFYT7Ec

いよいよサッカーW杯アジア最終予選の大一番「日本対オーストラリア」ですね。

先日のブルガリア戦の敗戦で危機感を多少煽られていますが、それでも勝ち点で2位以下を大きく引き離しているせいで、応援する側もいまいち最終予選の緊張感がないですよね。

オーストラリアの実力を軽視していないか?
直前合流の本田や岡崎のコンディションは大丈夫なのか?
ブルガリア戦の課題を修正できているのか?

ザック・ジャパンの真の実力が問われる一戦を緊張感を持って応援したく思います。
posted by ez at 06:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年06月03日

Larry Nozero『Time』

レア・グルーヴ・クラシック「Tune For L.N.」収録☆Larry Nozero『Time』
Time
発表年:1975年
ez的ジャンル:Strata系スピリチュアル・ジャズ
気分は... :心に問い掛ける・・・

今回はレア・グルーヴの人気作Larry Nozero『Time』(1975年)です。

Larry Nozero(1943-2005年)はデトロイトを拠点に活動していたジャズ・サックス/フルート奏者。

Marvin Gaye『What's Going On』(1971年)、Eddie Russ『Fresh Out』(1974年)への参加が有名な人ですね。

Sphere『Inside Ourselves』(1974年)、The Mixed Bag『Mixed Bag's First Album』(1976年)といった作品にメンバーとして参加していますし、自身の名義では本作『Time』(1974年)をはじめ、‎『Up To Your Neck』(1983年)、‎『Kaleidoscopin』(1988年)といったアルバムをリリースしています。

あるいは当ブログでお馴染みのアーティストでいえば、Sheila Landis『Bebop Angel』(1982年)は正式にはSheila Landis with the Larry Nozero Quartet名義ですね。

そんなLarry Nozeroを代表する1枚がデトロイトの伝説のジャズ・レーベルStrataからリリースされた『Time』(1974年)です。レア・グルーヴ・クラシック「Tune For L.N.」が収録されている1枚です。

レコーディングにはLarry Nozero(reeds)以下、Ron Brooks(b)、Pat Appleman(cello)、George Pardo(congas)、Dennis Tini(key)、Muruga Sharma(per)、Halina Lia(violin)、Kathie Spratt(violin)、Lorraine Periman(violin)、Richard Becker(violin)といったミュージシャンが参加しています。

プロデュースはCharles Moore

「Tune For L.N.」「Baubles, Bangles & Beads」といったグルーヴィーなハイライト曲が目立つアルバムですが、アルバム全体の印象としては幻想的なスピリチュアル・ジャズ作品といった感じです。その意味ではジャケ・イメージに近い音のアルバムだと思います。

個人的にはスピリチュアル・ジャズも好きなので、そこにレア・グルーヴ・クラシック「Tune For L.N.」や、ボッサ・ジャズ「Baubles, Bangles & Beads」とったキャッチーな演奏でメリハリをつけている構成が気に入っています。

レア・グルーヴ好き、スピリチュアル・ジャズ好きの方はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Reflections Of My Past」
Dennis Tini作。Nozeroのフルートがミステリアスに響くスピリチュアル・チューンでアルバムは幕を開けます。作者Dennis Tiniのメロウ・エレピもいい感じです。

「Tony」
Larry Nozero作。Dennis Tiniのキーボードが醸し出す荘厳な雰囲気の中でNozeroのサックスがプレイされます。

「Chronicle Of The Murdered House Part I」
Antonio Carlos Jobimのカヴァー。Part1はJobim作品と思えないスピリチュアル・モードです。

「Chronicle Of The Murdered House Part II」
Part2ではPart1のスピリチュアル・モードから徐々にエレガント・モードへ移行していきます。Nozeroのサックスはスピリチュアル・モードのままですが・・・

「Tune For L.N.」
Dennis Tini作。本作のハイライトとなるレア・グルーヴ・クラシック。重心の低いグルーヴ、怪しげに浮遊するフルート、スキャット・コーラスなどブラック・ムーヴィーのサントラのようなスリリングな魅力に満ちた格好良すぎるグルーヴィーなジャズ・ファンク・チューンです。
http://www.youtube.com/watch?v=Fz3_cPDDFlg

「Impressions Of My Lady」
Dennis Tini作。美しいストリングス&エレピの調べに幻想的なスキャット・コーラスとNozeroのフルートが絡むスピリチュアル・チューン。

「All The Things You Are」
Oscar Hammerstein II作詞、Jerome Kern作曲のスタンダード。1939年のミュージカル『Very Warm for May』のために書かれた楽曲です。当ブログではJohn Lewis & Sacha DistelAkua AllrichDon Glaserのカヴァーを紹介済みです。ここではバロック調コーラスでアクセントを加えつつ、スウィンギーな演奏で楽しませてくれます。60年代の欧州映画のサントラっぽい雰囲気もあります。

「Two Worlds」
Larry Nozero/Dennis Tini作。 Dennis Tiniのシンセの荘厳な響きに寄り添うように、Nozeroのサックスが響き渡るスピリチュアル・ジャズ。

「Baubles, Bangles & Beads」
George Forrest/Robert Craig Wright作。ラストは軽やかなボッサ・ジャズで締め括ってくれます。メロウネスの中にもスリリングな演奏を聴けるのが嬉しいですね。

Larry Nozero関連の他作品もチェックを!

‎『Kaleidoscopin』(1988年)
Kaleidoscopin

Eddie Russ『Fresh Out』(1974年)
FRESH OUT フレッシュ・アウト

The Mixed Bag『Mixed Bag's First Album』(1976年)
ミックスド・バッグズ・ファースト・アルバム [初回限定盤] [紙ジャケット仕様]

Sheila Landis with the Larry Nozero Quartet『Bebop Angel』(1982年)
Bebop Angel
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