2013年09月17日

Buckshot LeFonque『Buckshot LeFonque』

DJ Premierも参加したBranford Marsalisのジャズ+Hip-Hopプロジェクト☆Buckshot LeFonque『Buckshot LeFonque』
Buckshot Lefonque
発表年:1994年
ez的ジャンル:ジャズ+Hip-Hopプロジェクト
気分は... :ドルフィンズ連勝!

NFLでは我がマイアミ・ドルフィンズが開幕2連勝!
連勝スタートなんて何シーズンぶりでしょうか・・・

来週は強敵ファルコンズとの一戦!
これまでの好調ぶりが本物か否か真価が問われる一戦です。
今シーズンは期待してまっせ!

今回はジャズ・サックス奏者Branford Marsalisを中心としたジャズ+Hip-HopプロジェクトBuckshot LeFonqueの1stアルバム『Buckshot LeFonque』(1994年)です。

この時期はHip-Hopアーティストとジャズ・ミュージシャンの交流がブームでしたね。Hip-Hopサイドからのアプローチの代表作がGuru『Jazzmatazz』(1993年)、ジャズ・サイドからのアプローチの代表作がGreg Osby「3-D Lifestyles」(1993年)や本作Buckshot LeFonque『Buckshot LeFonque』でしたね。

神童と称され、ジャズの王道を歩んでいた弟のトランペット奏者Wynton Marsalisと比較すると、兄のBranford MarsalisはSting『The Dream Of The Blue Turtles』(1985年)への参加などもあり、より柔軟なミュージシャンという印象がありました。

なので、BranfordがJazzmatazz的なアプローチのプロジェクトを立ち上げたことは、当時何となく納得してしまいました。

制作にあたっては、Hip-HopサイドからDJ Premierを担ぎ出すことに成功しました。

Guruとの最強ユニットGang Starrのサウンドの要であり、当時キャリアのピークに達しようとしていたプリモをプロデューサーに迎えた時点で、このプロジェクトは成功したといっても過言ではないでしょう。

レコーディングには、Branford Marsalis(sax)以下、Roy Hargrove(tp)、Chuck Findley(tp)、Delfeayo Marsalis(tb)、Jeff "Tain" Watts(ds)、Robert Hurst(b)、Darryl Jones(b)、Kevin Eubanks(g)、Nils Lofgren(g)、Greg Phillinganes(key)、Vicki Randle(per)等の実力派ミュージシャンが参加しています。

また、Lady Of RageBlackheartUptownMaya AngelouLady Of RageFrank McCombTammy Townshendといったラッパー/シンガーが参加しています。

やはりDJ Premierがプロデュースしている「Blackheart Breakfast @ Denny's」「No Pain, No Gain」「Hotter Than Hot」「Wonders & Signs」「Blackwidow」といった楽曲に魅了されます。

プリモが創り出すビーツとBranfordやRoy Hargroveらの共演を楽しみましょう!

プリモ好きの方はぜひチェックを!

全曲を紹介しときやす。

「Ladies & Gentlemen, Presenting...」
DJ Premierのトラックをバックに、BranfordやRoy Hargroveらのプレイを楽しめるアルバムのエピローグ。Madness「One Step Beyond」、N.W.A「Gangsta Gangsta」、Beastie Boys「(You Gotta) Fight for Your Right (To Party!)」をサンプリング。
http://www.youtube.com/watch?v=-XaYu0SwZzg

「The Blackwidow Blues」
後述する「Blackwidow」のジャジー・インスト。John Coltrane「India」のビートをサンプリングしているのが印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=-dR1QEl4S7M

「I Know Why The Caged Bird Sings」
Maya Angelouのポエトリー・リーディングをフィーチャー。小鳥の囀りに導かれたジャジーHip-Hopサウンドを満喫できます。
http://www.youtube.com/watch?v=cxQW4rMCRxI

「Mona Lisas (And Mad Hatters)」
Elton John作品のカヴァー。オリジナルは『Honky Chateau』(1972年)に収録されています。いきなりアフリカン・コーラスと共に始まる意外な展開にサプライズ!Frank McCombのリード・ヴォーカルをとり、Lady Of Rageの女性ラップもフィーチャーされたハートウォーミングなカヴァーに仕上がっています。。
http://www.youtube.com/watch?v=y1ahBypUr7Q

「Wonders & Signs」
Blackheartのラップをフィーチャー。プリモによるクール・ビーツとDarryl Jonesのベースの組み合わせがいい感じです。Blackheartのラガ調ラップもグッド!BranfordやRoy Hargroveの雰囲気たっぷりのブロウにもグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=pB50W53xAM4

「Ain't It Funny?」
Tammy Townshendの女性ヴォーカルをフィーチャー。オーセンティックな感動バラードです。Tammy Townshendの伸びやかなヴォーカルを堪能しましょう。終盤のKevin Eubanksのギターも美しい!
http://www.youtube.com/watch?v=jBEv1cP9jpU

「Some Cow Fonque (More Tea, Vicar?)」
Branford、Roy Hargrove、Chuck Findley、Jeff "Tain" Watts、Robert Hurst、Darryl Jones、Kevin Eubanksら実力派ジャズ・ミュージシャンのリラックスした演奏を楽しめます。
http://www.youtube.com/watch?v=ItvpE5PCQk0

「Some Shit @ 78 BPM (The Scratch Opera)」
小曲ながらプリモ好きにはたまらない1曲。 Duke Ellington「Happy Anatomy (P.I. Five)」、Mountain「Long Red」、Mikey Dread「Saturday Night Style」をサンプリング。
http://www.youtube.com/watch?v=vrYLmY61Vas

「Hotter Than Hot」
Blackheartをフィーチャー。ここでの主役はプリモの生み出すビーツとBlackheartのラップ。ここでもBlackheartのラガ調ラップが冴え渡ります。
http://www.youtube.com/watch?v=VWqzTwuC2Cw

「Blackwidow」
Lady Rageの女性ヴォーカルをフィーチャー。「The Blackwidow Blues」同様、John Coltrane「India」のビートをサンプリングした小気味良い仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=IuaBxwFkqXE

「Blackheart Breakfast @ Denny's」
本作のハイライトかもしれませんね。「デニーズで朝食を」というタイトルは映画「ティファニーで朝食を」をもじったもの。当時問題になっていたデニーズ店員の人種差別的待遇をテーマにした曲です。PVを観れば、凡その内容は察しがつくと思います。Modern Jazz Quartet「La Ronde Suite」をサンプリングしたプリモのクール・トラックにのって、Branfordのサックスが語りかけてきます。James Brown「Get on the Good Foot」もサンプリング。
http://www.youtube.com/watch?v=SMrKGkKdKYU

「Shoot The Piano Player」
インタールード。

「No Pain, No Gain」
Uptownのラップをフィーチャー。アルバムで最もハードな仕上がりです。Doug E. Fresh, Slick Rick & The Get Fresh Crew「The Show」のビートにのったAlbert Collinsの激しいギター音と共に始まるイントロが最高に格好良いですね。もちろん、Uptownのラップもキマっています。
http://www.youtube.com/watch?v=NmP6dU2xMPI

「Sorry, Elton」
インタールード。

「...And We Out」
エンディングは再びプリモのビーツとBranfordやRoy Hargroveらのプレイで締め括ってくれます。

プリモは参加していませんが、Buckshot LeFonqueの第2作『Music Evolution』(1997年)もチェックを!

『Music Evolution』(1997年)
Music Evolution
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2013年09月16日

Nico Gomez & His Afro Percussion Inc.『Ritual』

レア・グルーヴ人気作!スリリングなアフロ・キューバン作品☆Nico Gomez & His Afro Percussion Inc.『Ritual』
リチュアル[紙ジャケット仕様/限定生産/リマスター]
発表年:1971年
ez的ジャンル:レア・グルーヴ系アフロ・キューバン
気分は... :競争よりも共創を・・・

今回はレア・グルーヴ好きにはお馴染みの1枚、Nico Gomez & His Afro Percussion Inc.『Ritual』(1971年)です。

Nico Gomez(1925-1992年)はオランダ、アムステルダム出身のコンポーザー兼ベーシスト。

ダンス・バンドで様々なラテン/ブラジル音楽を演奏するなかで、ベルギーを拠点とする自身のキューバン・バンドChakachasを結成し、作品をリリースするようになります。その後、ChakachasNico Gomez & His OrchestraNico Gomez & His Afro Percussion Inc.等の名義で70年代後半まで数多くのアルバムをリリースしています。

レア・グルーヴ方面から再評価が高まったNico Gomez。その代表作が以下の3枚です。

 Nico Gomez & His Orchestra『Bossa Nova』(1970年)
 Nico Gomez & His Afro Percussion Inc.『Ritual』(1971年)
 Chakachas『Jungle Fever』(1972年)

Nico Gomez & His Afro Percussion Inc.名義でリリースした『Ritual』(1971年)は、グループ名やジャケからイメージできるように、アフロ・キューバンに焦点を当てた作品です。

煽動的なファズ・ギターや妖しいオルガンの音色、うねりのあるグルーヴを生み出すリズム隊、パーカッションの乱れ打ち、キレのあるホーン・サウンド、躍動する男女コーラスが織り成すスリリングなアフロ・キューバン・サウンドは、レア・グルーヴ好きのハートを鷲掴みにすること間違いありません。

人気曲「Lupita」「Ritual」をはじめ、格好良いアフロ/ラテン・グルーヴがズラリと並んでいます。

まさにレア・グルーヴの盛り上がりを予見していたかのようなミラクルな1枚です。

全曲を紹介しときやす。

「Caballo Negro」
オススメその1。"マンボ・キング"Perez Prado作品のカヴァー。つかみはOKといった感じのエキゾティック・ダンサー!覚醒的なビートやグルーヴィー・オルガンはアフロ・キューバンというよりもFela Kutiのアフロ・ビートを連想させます。
http://www.youtube.com/watch?v=joj9xXNtlyc

「Naci Para Bailar」
Nico Gomez作。ファンキーなファズ・ギターが妖しく響くラテン・グルーヴ。アシッドなスパイスが効いています。
http://www.youtube.com/watch?v=uU1xIk9a98Y

「Cuba Libre」
オススメその2。Nico Gomez作。♪Fever〜♪の掛け声と共にスタートするアフロ・キューバン・ファンク。ラテン・ロック的な格好良さが魅力です。
http://www.youtube.com/watch?v=xXLIiUa9LYY

「Samba De Una Nota So」
Antonio Carlos Jobimの「One Note Samba」をカヴァー。ここでは、それまでのパーカッシヴ・サウンドは影を潜め、ラウンジ/イージーリスニング調のボッサ・サウンドを聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=ecYW7Ed1APo

「Baila Chibiquiban」
オススメその3。Nico Gomez作。ファンキー&ドープなアフロ・ラテン・ファンク。イントロのベースラインから腹にきます。中盤のブレイクで大いに盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=g8v4XFmEytQ

「El Condor Pasa」
Simon & Garfunkelでもお馴染み、アンデス・フォルクローレの名曲「コンドルは飛んでいく」のカヴァー。これはご愛嬌といったところでしょうか。
http://www.youtube.com/watch?v=i0oKamqC9qA

「Lupita」
オススメその4。Perez Prado作。タイトル曲と並ぶ本作のハイライト。人気コンピ『Brazilian Beats』にも収録された人気曲。Bronx Dogsによるブレイクビーツ名曲「Mambo Rock」のサンプリング・ソースにもなっています。パーカッションの乱れ打ち、ファズ・ギターがアシッド感を煽るエキサイティングなマンボ・ファンク・チューン。終盤のパーカッション&ドラム・ブレイクも格好良すぎです。
http://www.youtube.com/watch?v=QLRNiJDPy_Y

「Pa! Pa! Pa! Pa!」
Nico Gomez作。ソフト・ロック調の哀愁ラテン・グルーヴ♪Pa! Pa! Pa! Pa!♪の男女スキャットが印象的です。の
http://www.youtube.com/watch?v=PkENxgFvS-w

「Ritual」
オススメその5。Raymond Lolandson作。「Lupita」と並ぶ本作のハイライト。切れ味鋭くスリリングなラテン・ファンク・グルーヴ。ホーン良し!パーカッション&ドラム・ブレイク良し!ギター良し!ハモンド良し!のレア・グルーヴ名曲です。パリのファンク・バンドSoul Sugarがカヴァーしたり、Africanism「The Dragon」でサンプリングされています。
http://www.youtube.com/watch?v=Saf7eAUEi6w

「Eso Es El Amor」
ラストは再び"マンボ・キング"Perez Pradoのカヴァーで締め括ってくれます。緩急を上手くつけたラテン・グルーヴに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=ENLqDqkRHVc

Nico Gomez関連の他作品もチェックを!

Nico Gomez & His Orchestra『Bossa Nova』(1970年)
ボサ・ノヴァ[紙ジャケット仕様/限定生産/リマスター]

Chakachas『Jungle Fever』(1972年)
Jungle Fever

Nico Gomez & His Orchestra『Nico Gomez & His Orchestra』(1972年)
ニコ・ゴメス・アンド・ヒズ・オーケストラ
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2013年09月15日

Kon『On My Way』

レコード・ディギンKon & AmirのKonによるディスコ/ブギー作品☆Kon『On My Way』
ON MY WAY
発表年:2013年
ez的ジャンル:コンテンポラリー・ディスコ/エレクトリック・ブギー
気分は... :閃光・・・

世界屈指のレコード・ディガーとして知られるDJコンビKon & Amirの一人、Konの1stアルバム『On My Way』です。

Kon & Amirとして、NY産レア・ディスコ/ファンクのコンピレーション・アルバム『Off Tracks』シリーズを監修したり、日本が誇る"キング・オブ・ディギン"Muro氏とタッグを組んだコンピ『The Kings Of Diggin'』でお馴染みのKon(本名:Christian Taylor)

そのKonが殆どサンプリングを使わず、ミュージシャンたちと創り上げたディスコ/ブギーな1stアルバムが本作『On My Way』です。

レコーディング・アーティストとしてキャリアを積んできた人ではないので、そのあたりの経験値の不足も感じられますが、それを差し引いても80年代ディスコ/ブギーへの愛情に満ちたコンテンポラリー・ディスコ/ブギー作品に仕上がっています。

ディスコ/ブギー作品といっても、キャッチーさ丸出しではなくアンダーグラウンド感の残る仕上がりがレコード・ディガーらしいのでは?

本作には何名かのヴォーカリストがフィーチャーされていますが、中でも目を惹くのがBen WestbeechGeorg Levinというクロスオーヴァー/クラブミュージック好きにはお馴染みの男性シンガー2人の参加です。特にBen Westbeech参加の「You Don't Know (I've Been Looking For You)」は本作のハイライトだと思います。

退屈なEDMを聴くならば、コンテンポラリーなディスコ・ブギーを断然オススメします。

全曲を紹介しときやす。

「All Night (Everybody)」
Amy Douglasの女性ヴォーカルをフィーチャー。Konの80年代ディスコ/ブギーへの愛着ぶりを実感できるオープニング。聴いているだけで週末夜遊びモードになりそうです。

「She Was A Queen」
めくるめくイントロにくるエレクトリック・ブギー。BPM低めですが、アーバン・ナイトな雰囲気を醸し出す感じがいいですね。

「Day Dream」
ドリーミーなインタールード。

「Don't Cha Wanna」
ドイツ出身のシンガー・ソングライターGeorg Levinをフィーチャー。当ブログではJazzanovaSonar Kollektivからリリースされた彼のデビュー作『Can't Hold Back』(2003年)を紹介済みです。ブルーアイド・ソウル風味のクールなエレクトリック・ダンサーに仕上がっています。

「Awe Baby」
エレクトリック・ディスコなインスト。ジワジワとアクセントが加わってくる感じが大人のディスコ・ミュージックといった雰囲気です。
http://www.youtube.com/watch?v=m2t4iGJFmfI

「808 State」
インタールード的な小曲。タイトルは80年代後半〜90年代前半にダンス・シーンを席巻したUKのテクノ/ハウス・ユニット808 Stateに因んだものでしょか?

「You Don't Know (I've Been Looking For You)」
クロスオーヴァー/クラブミュージック好きにはお馴染みBen Westbeechをフィーチャー。皆さんお待ちかねの1曲といったところでは?当ブログでも紹介したBenの2nd『There's More To Life Than This』で聴かれたハウス・サウンドに通じるディープなハウス/ディスコを満喫できます。
http://www.youtube.com/watch?v=sk2GZVj0Emo

「Love Shine」
Induceをフィーチャー。80年代ファンクのエッセンスを取りこんだディープ・ハウス調の仕上がり。前曲からの流れがとてもいいですね。

「Yeah Yeah」
インタールード的な小曲。

「Blow Me... A Kiss」
再びAmy Douglasをフィーチャー。真夜中を疾走するディスコ・チューン。甘く危険な香りのするダンス・サウンドです。

「On My Way」
タイトル曲はボコーダー入りのエレクトリック・ディスコ。あくまでもアンダーグラウンドな感じが好きです。
http://www.youtube.com/watch?v=iNvvHMaQ9Pk

ご興味がある方はKon & Amir名義のコンピ作品もチェックを!

『Off Track Volume One: The Bronx』(2008年)
Off Track 1: The Bronx

『Off Track Volume Two: Queens』(2008年)
Off Track 2: Queens

『Off Track Volume III: Brooklyn』(2010年)
Off Track 3: Brooklyn

Kon & Amir and DJ Muro『The Kings Of Diggin'』(2006年)
The Kings Of Diggin' [REISSUE]
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2013年09月14日

Ivan Lins『Novo Tempo』

EMI4部作の完結編。Ivanワールドのひとつの頂点がココに!☆Ivan Lins『Novo Tempo』
ノーヴォ・テンポ
発表年:1980年
ez的ジャンル:稀代のメロディ・メイカー系MPB
気分は... :新しい時代へ・・・

今回は稀代のメロディ・メイカーIvan LinsのEMI4部作の1枚、『Novo Tempo』(1980年)です。

MPBを代表する男性シンガー・ソングライターIvan Linsの紹介は、『Somos Todos Iguais Nesta Noite』(1977年)、『Modo Livre』(1974年)に続き3回目となります。

本作『Novo Tempo』(1980年)は、『Somos Todos Iguais Nesta Noite』(1977年)、『Nos Dias de Hoje』(1978年)、『A Noite』(1979年)と並ぶEMI4部作の1枚であり、4部作の大トリを務める完結編アルバムです。

この時期のIvan Linsは大物プロデューサーQuincy Jonesを介して彼の作品がUSアーティストに取り上げられ、本国ブラジル以外でIvan Linsの名が広まっていた時期です。

具体的には、George Benson『Give Me The Night』(1980年)収録の「Dinorah, Dinorah」Quincy Jones『The Dude』(1981年)収録の「Velas」Patti Austin『Every Home Should Have One』(1981年)収録の「The Island」といったカヴァーです。

しかし、当のIvan Lins本人の目は世界ではなくブラジル国内に向けられていたようです。60年代半ばから続いたブラジルの軍事独裁政権でしたが、1979年に就任したジョアン・フィゲイレード大統領が民政移管を公約します(この民政移管プロセスは1985年に結実)。こうした状況を踏まえた、民政実現への願いが本作には込められています。まさに『Novo Tempo(新しい時代)』の到来を高らかに叫んだアルバムです。

ちなみに本作の裏ジャケには、Ivan Lins本人、作詞家Vitor Martins、アレンジャーGilson Peranzzettaの3人が、「警察対労働者」「インフレ」「失業」といったブラジル社会の歪みを伝える見出しが並ぶ新聞を広げている様子が写っています。

その裏ジャケに写る3名、Ivan Lins、Vitor Martins、Gilson Peranzzettaによる強力トライアングルが、他のEMI4部作同様に素晴らしいIvan Linsワールドを創造しています。

4部作の完結編に相応しいIvan Linsの充実ぶりを堪能しましょう。

全曲を紹介しときやす。

「Arlequim Desconhecido」
Ivan Lins/Vitor Martins作。邦題「名もなき道化役者」。Dave Grusin/Lee Ritenourが『Harlequin』(1985年)でカヴァーしており、そちらのヴァージョンでお聴きの方も多いかもしれませんね。Vitor Martinsによる社会風刺風の歌詞が印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=LoFsi956d48

「Bilhete」
Ivan Lins/Vitor Martins作。邦題「伝言」。本作の直後にMPB4、Fafa De Belem、Doris Monteiroといったブラジル人がこぞってカヴァーした名曲。Ivanらしい美しくしっとりとしたメロディと味わい深いヴォーカルを満喫できます。
http://www.youtube.com/watch?v=tboRipMnOTE

「Sertaneja」
Ivan Lins/Vitor Martins作。Gilson Peranzzettaのアコーディオンの美しい響きが印象的です。♪息苦しい程の懐かしさが俺の心を苦しめる♪という歌詞が印象的ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=Q2agkGCeqCY

「Barco Fantasma」
Ivan Lins/Vitor Martins作。邦題「幽霊船」。ポルトガルの民族音楽ファドのエッセンスを取り入れた1曲。少しノスタルジックな哀愁のメロディがじわじわきます。
http://www.youtube.com/watch?v=SJ9FCH4PXDM

「Setembro (Primeiro Movimento: Antonio E Fernanda)/Caminho De Ituverava」
Ivan Lins/Gilson Peranzzetta作のインスト。Quincy Jones『Back On The Block』(1989年)でカヴァーされていた名曲です。Ivanと/Gilsonが生み出す美しく感動的なサウンド・スケープをじっくり堪能しましょう。
http://www.youtube.com/watch?v=2YvveR9Za8s

「Novo Tempo」
Ivan Lins/Vitor Martins作。邦題「新しい時代」。新しい時代の到来を待ち望むポジティヴなヴァイヴに溢れたタイトル曲です。未来への希望がそのまま躍動する音になったような素晴らしい1曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=CBL4toiahY8

「Coragem,Mulher」
Ivan Lins/Vitor Martins作。邦題「女の勇気」。美しく感動的な女性賛歌。ジェントルな中にも力強さを持ったIvanの歌声が女性を勇気づけるはずです。
http://www.youtube.com/watch?v=w3E3WyjtzWM

「Feiticeira」
Ivan Lins/Vitor Martins作。邦題「魔法使い」。美しい女性コーラスやGilsonのアレンジ・センスが冴え渡ります。
http://www.youtube.com/watch?v=XF30fFGtlaY

「Vira」
Ivan Lins/Vitor Martins作。邦題「来るべきもの」。IvanらしいメロディにGilson Peranzzettaのアコーディオンがいいアクセントを加えています。
http://www.youtube.com/watch?v=XR59tDUP8oE

「Coracao Vagabundo」
ラストはCaetano Veloso作品のカヴァー。オリジナルは名盤『Domingo』のオープニングを飾っています。軍事政権から危険分子と見なされ、亡命生活を余儀なくされたCaetano Velosoのデビュー作のオープニング曲をエンディングに持ってくるというのが心憎い演出ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=-5sHywcSg5E

Ivan Linsの過去記事やEMI4部作の他作品もチェックを!

『Modo Livre』(1974年)
Modo Livre

『Somos Todos Iguais Nesta Noite』(1977年)
今宵楽しく

『Nos Dias de Hoje』(1978年)
ノス・ヂアス・ヂ・オージェ

『A Noite』(1979年)
ある夜
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2013年09月13日

Rhythm Machine『Rhythm Machine』

メロウ/スウィート系も充実したファンク作品。レア・グルーヴ人気作!☆Rhythm Machine『Rhythm Machine』
Rhythm Machine
発表年:1976年
ez的ジャンル:レア・グルーヴ系ローカル・ファンク/スウィート・ソウル
気分は... :お・も・て・な・し...

今回はレア・グルーヴ方面で再評価が高まった1枚、Rhythm Machine『Rhythm Machine』(1976年)です。

Rhythm Machineはインディアナポリスを拠点に活動していたファンク/ソウル・グループ。

メンバーはJames Boone(b、vo、per)、Maride Williams(as、ss、vo、per)、Robert Dycus(ds、per、vo)、Hopie Monroe Bronson III(p、syn、vo)、Maurice Puckett(g、per、vo)、Donald Harris(ts、ss、vo、per)、Dennis McNeil(congas、bongos、per)の7名。

今日紹介する『Rhythm Machine』(1976年)がグループ唯一のアルバムです。

レア・グルーヴ方面のみならずソウル・ファンからも高い支持を得ている作品ですね。

モダン・ソウル・ダンサー「Put A Smile On Time」、スウィート・バラード「Brenda And Me」等がソウル好きのハートを射止めるはずです。勿論、「You Got Action, You Got Me」「Lil's Place」「Everybody's Chippin」といったファンク・チューンも申し分ありません。個人的にはフリーソウル的な「Can't Do Without You」もかなり好みです。

歌って良し!演奏して良し!ヴォーカル&インストゥルメンタル・グループとしての能力を存分に発揮してくれた1枚です。

全曲紹介しときやす。

「You Got Action, You Got Me」
ジャズ・ファンク的なグルーヴとキレのあるホーン・サウンドが魅力のファンク・チューン。今聴いても実にいいセンスしていると思います。
http://www.youtube.com/watch?v=u9yJEHcDCQc

「Lil's Place」
重心の低いグルーヴが腰にくるファンク・チューン。このグループのファンクネスを存分に堪能できます。
http://www.youtube.com/watch?v=kCfvI6GRisA

「Put A Smile On Time」
この曲目当てで本作を購入した方も多いのでは?メロウな疾走感にくるモダン・ソウル・ダンサー。僕も結局この曲が一番のお気に入りです。
http://www.youtube.com/watch?v=OjonGZ7DZVw

「Thought My Love Was Fine」
9分超の大作。ヴォーカル&インストゥルメンタル・グループとしての実力を如何なく発揮した1曲。
http://www.youtube.com/watch?v=3QD01Z-Tv-s

「Brenda And Me」
ソウル・ファンを唸らせるスウィート・バラード。ファルセットを交えた甘美ヴォーカル&コーラスを堪能しましょう。
http://www.youtube.com/watch?v=vUCDvL2445c

「Everybody's Chippin」
ファンキーなギター・カッティング&ホーン・サウンドと共に駆け抜けるファンキー・グルーヴ。
http://www.youtube.com/watch?v=3xTZth_MPFc

「You Make Me Feel Right, Think Right, Do Right」
美しいコーラス・ワークで聴かせるスウィート・バラード。甘く切ない感じがたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=1kRxeSRnsy0

「Can't Do Without You」
涼しげな疾走感が心地好い爽快メロウ・グルーヴ。フリーソウル系の音がお好きな方ならば気に入るはず!
http://www.youtube.com/watch?v=QJc8SkXgmjk

CDには「Be Yourself」「You Pay For What You Get」「Laying And Palying」の3曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。

「You Pay For What You Get」
http://www.youtube.com/watch?v=jhGLCqROPw8

気付けばNFLは第2週に突入ですね。
ドルフィンズ・ファンの僕としては、今日行われる同じAFC東地区の地区内対決「ペイトリオッツ対ジェッツ」戦が気になります。

QBブレイディは健在ながら、一時の圧倒的な強さは感じられないペイトリオッツ。シーズン前の評判は芳しくなかったものの、新人QBスミスを起用した初戦に勝利したジェッツ。今季のAFC東地区を占う一戦として注目したいと思います。
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