2015年10月14日

Joyce『Music Inside』

N.Y.制作!セルフ・カヴァーを含む英語曲中心の構成☆Joyce『Music Inside』
ミュージック・インサイド
発表年:1990年
ez的ジャンル:ブラジル人女性SSW
気分は... :前髪パッツン・・・

人気ブラジル人女性シンガー・ソングライターJoyce(Joyce Moreno)が1990年にリリースした『Music Inside』です。

これまで当ブログで紹介したJoyce作品は以下の7枚。

 『Feminina』(1980年)
 『Agua e Luz』(1981年)
 『Tardes Cariocas』(1983年)
 『Hard Bossa』(1999年)
 Joyce & Banda Maluca『Just A Little Bit Crazy』(2003年)
 『Bossa Duets』(2003年)
 『Tudo』(2012年)

Verve Forecastからリリースされた本作『Music Inside』はアメリカ進出第一弾アルバムであり、N.Y.で制作されたアルバムです。そのため、過去の楽曲の英語セルフ・カヴァーやBeatles、Tracy Chapmanのカヴァーなど英語曲が目立つ構成になっています。

世界進出を視野に入れて・・・というより、ブラジルでアルバムを制作しづらい環境になったという事情がN.Y.録音へ向かわせたようですね。

レコーディング・メンバーは、Joyce(vo、g)、Marvin "Smitty" Smith(ds)、Lincoln Goines(el-b)、Kenny Werner(key)、Ray Drummond(b)、William Galison(harmonica)、Ralph Moore(sax)、Cafe(per)、Lizzie Bravo(back vo)、Toninho Horta(g)といったUSジャズ・ミュージシャンに一部ブラジル人ミュージシャンが加わる編成になっています。プロデュースはJoyceBrian Bacchus

こうしたメンバー編成から想像できるように、アルバム全体は都会的なジャジー&メロウな印象が強くなっています。

N.Y.録音、英語曲になっても変わらない"いつものJoyce"と、ブルースを歌ったり、Tracy Chapmanを歌うなど"いつも違うJoyce"の両方を楽しめるのが本作の魅力です。

"いつも違うJoyce"ということでいえば、前髪パッツン・ヘアーで微笑むジャケも、ある意味インパクトありますね(笑)

全曲紹介しときやす。

「Essential」
本作らしいジャジー・メロウ・サウンドとJoyceの透明感のあるヴォーカルが結びついたN.Y.録音らしいオープニング。

「Bird Of Brazil」
この曲はJoyceのヴォーカル&ギターのみ。歌詞もポルトガル語なので、Joyceのプリミティブな魅力を楽しめます。

「Music Inside」
タイトル曲は『Tardes Cariocas』(1983年)収録のMario Adnetとの共作曲「Ela」の英語によるセルフ・カヴァーです。オリジナルの雰囲気を受け継ぎつつ、Ralph Mooreのテナー・サックスをはじめ、USジャズ・ミュージシャンのバッキングでより都会的な仕上りになっています。

「Stonewashed (Blue Dreams)」
Joyce/Monique Hecker作。本作ならではのブルース調の仕上がり。ブルースを歌うJoyceも興味深いです。William Galisonのハーモニカがいいアクセントになっています。

「Help!」
Beatlesのお馴染みの名曲を弾き語りでカヴァー。シンプルながらも味のあるカヴァーになっています。

「Bird Of Japan」
日本人には気になるタイトルですが、日本人パーカッション奏者、八尋知洋(Tomohiro Yahiro)さんのことを歌った曲のようです。そんな曲なので、Cafeのパーカッションが目立っています。みんなが好きなパーカッシヴに疾走するJoyceを楽しめる1曲です。

「See You In Rio」
『Tardes Cariocas』(1983年)のタイトル曲の英語によるセルフ・カヴァーです。このセルフ・カヴァーのオリジナルの雰囲気を大切に受け継いでいる感じのジャジーAOR調の仕上がりです。

「Mysteries」
『Feminina』(1980年)収録の名曲「Misterios」(Joyce/Mauricio Maestro作)の英語によるセルフ・カヴァーです。シンプルながらもN.Y.録音らしいテイストを乗せることでグッと都会的な落ち着きが出ています。

「Talkin' 'Bout A Revolution」
US黒人女性SSW、Tracy Chapmanのカヴァー。オリジナルは彼女のデビュー・アルバム『Tracy Chapman』に収録されています。Joyceがこの曲をセレクトした背景には、祖国ブラジルの社会情勢を気にかける彼女の強い思いが込められているような気がします。いつものJoyceとは違うJoyceの新たな魅力を発見できます。

「Belafonte」
タイトルの通り、有名US男性シンガーHarry Belafonteのことを歌ったもの。BelafonteはJoyceの憧れのミュージシャンだったようですね。中身はJoyceらしい透明感のあるスキャットが駆け巡る爽快アコースティック・グルーヴに仕上がっています。いつものJoyceを満喫できます。

「Waiting For You」
Toninho Horta参加曲。楽曲もToninho Hortaとの共作です。Hortaの素敵なギターの音色をバックに、Joyceがしっとりと歌い上げるメロウ・バラードで締め括ってくれます。

Joyceの過去記事もご参照下さい。

『Feminina』(1980年)
フェミニーナ、そして水と光

『Agua e Luz』(1981年)
水と光

『Tardes Cariocas』(1983年)
Tardes Cariocas

『Hard Bossa』(1999年)
Hard Bossa

Joyce & Banda Maluca『Just A Little Bit Crazy』(2003年)
ジャスト・ア・リトル・ビット・クレイジー(2003年作)

『Bossa Duets』(2003年)
ボッサ・デュエッツ

『Tudo』(2012年)
トゥード
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2015年10月13日

Johnny Guitar Watson『Ain't That A Bitch』

ファンク色を強めたテキサス・ブルース☆Johnny Guitar Watson『Ain't That A Bitch』
Ain't That a Bitch
発表年:1976年
ez的ジャンル:テキサス・ファンク・ブルース
気分は... :やりすぎに抜け感が魅力!・

今回はファンク・ブルース作品Johnny Guitar Watson『Ain't That A Bitch』(1976年)です。

Johnny Guitar Watson(1935-1996年)はテキサス州ヒューストン出身のブルース・ギタリスト/シンガー。

1952年に初レコーディングに参加し、1953年にはソロ・デビューしています。その後もテキサス・ブルースを代表するアーティストとしてコンスタントに作品をリリースしています。

70年代に入り、今作紹介する『Ain't That A Bitch』(1976年)をきっかけに80年代初めにかけてファンク色を強めたアプローチで人気を博します。

1994年のアルバム『Bow Wow』がグラミー賞にもノミネートされ、見事に復活を果たしますが、1996年の来日ステージ中に心筋梗塞で倒れてしまい、そのまま帰らぬ人となりました。

そんなJohnny Guitar Watsonを代表する1枚が本作『Ain't That A Bitch』(1976年)です。前述のようにファンク色を強め、彼に転機をもたらしたアルバムです。

ギターに止まらないマルチ・プレイヤーであるWatsonがホーン以外の楽器を自らこなし、独自のサウンドを奏でています。その意味ではギタリスト作品にありがちなギター・サウンドの押し売りではなく、トータルなサウンドを重視した音作りをしています。

レコーディングにはJohnny Guitar Watson(g、vo、org、p、key、syn、b、ds、congas)以外に、Paul Dunmall (sax)、Bruce Fowler(tb、horn)、Peter Martin(tp)、Tommy Robertson(tb)、Emry Thomas(ds、back vo)が参加しています。

シングル・ヒットし、定番サンプリング・ソースとしても有名な「Superman Lover」、本作らしいファンク・ブルース「I Need It」、猥雑ファンキー・チューン「Ain't That a Bitch」あたりが聴きどころです。メロウ・ソウル調の「Won't You Forgive Me Baby」、スロー・ブルース「We're No Exception」あたりもオススメです。

全体として実に都会的なサウンドですが、決してやり過ぎず、Watsonの歌も含めて適度な抜け感があるのがアルバムの魅力だと思います。

楽曲はすべてWatsonのオリジナルです。

全曲紹介しときやす。

「I Need It」
本作らしいグルーヴィーなファンク・ブルースでアルバムは幕を開けます。シングルにもなりました。ホーン・サウンドも含めて開放的な雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=U7ZpcwGhiT0

「I Want to Ta-Ta You Baby」
Etta JamesやLeela Jamesもカヴァーしたブルース・チューン。都会的なブルージー感がいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=cmKLXaKle1I

「Superman Lover」
Renaldo Reyとの共作。前述のように本作のハイライト。シングルとしてR&Bチャート第19位となりました。キャッチーなファンク・ブルースはソウル/ファンク好きの人も気に入るはず!Watsonのギター・プレイも楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=lFN-0GLoMyE

定番サンプリング・ソースとしても有名です。Redman「A Day of Sooperman Lover」、Ice Cube「The Predator」 、Ghostface Killah「Supa GFK」、Lady of Rage「Afro Puffs」、Compton's Most Wanted「Compton's Lynchin'」、K.M.D.「Mr. Hood At Piocalles Jewelry/Crackpot」、Special Ed「Ya Wish Ya Could」、Montell Jordan「Superlover Man」、Chico DeBarge feat. Redman & Erick Sermon「Soopaman Lover」、Mad Skillz「The Nod Factor」 、Monifah「Don't Waste My Time」、Quasimoto「Broad Factor」等でサンプリングされています。

Redman「A Day of Sooperman Lover」
 https://www.youtube.com/watch?v=C1N-8IeQMMo
Ice Cube「The Predator」
 https://www.youtube.com/watch?v=8IFOcybFyNw
Ghostface Killah「Supa GFK」
 https://www.youtube.com/watch?v=ZDyfNGDZTj4
Lady of Rage「Afro Puffs」
 https://www.youtube.com/watch?v=yNqIJ3e0OJw
Compton's Most Wanted「Compton's Lynchin'」
 https://www.youtube.com/watch?v=A-4rsCNfbNI
K.M.D.「Mr. Hood At Piocalles Jewelry/Crackpot」
 https://www.youtube.com/watch?v=0014sgo_UTg
Special Ed「Ya Wish Ya Could」
 https://www.youtube.com/watch?v=WVPxJK8WzMk
Montell Jordan「Superlover Man」
 https://www.youtube.com/watch?v=0qUc76kiPGc
Chico DeBarge feat. Redman & Erick Sermon「Soopaman Lover」
 https://www.youtube.com/watch?v=uTPlLUT205I
Mad Skillz「The Nod Factor」
 https://www.youtube.com/watch?v=IDvMv60Vfc8
Monifah「Don't Waste My Time」
 https://www.youtube.com/watch?v=K9zZJStlIhw
Quasimoto「Broad Factor」
 https://www.youtube.com/watch?v=TtyZky2uqwc

「Ain't That a Bitch」
ファンキーな味わいのタイトル曲。ジャケの雰囲気そのままな猥雑モードな感じが魅力です。Watsonのキャラがそのまま音になったようでいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=O97YdDnNl8Q

Big Lady K「Don't Get Me Started」、Luke「Ain't That a Bitch Part I」、Yo-Yo「Home Girl Don't Play Dat」、X-Con「Life's a Bitch」、Sporty-T「Jackin' for Bounce」、Jemini「Funk Soul Sensation」等のサンプリング・ソースとなっています。
Jemini「Funk Soul Sensation」
 https://www.youtube.com/watch?v=L8fXix0UqTM

「Since I Met You Baby」
リラックスした雰囲気のジャジー・ブルース。ギターの音色やホーン・サウンドに土臭さはなく都会的な感じが本作らしいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=zPcFIOE4kwA

「We're No Exception」
しみじみと歌い上げるバラード。引き算のスロー・ブルースって感じがシブくていいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=g3UXg7WpUTA

Talib Kweli feat. will.i.am「Hot Thing」のサンプリング・ソースとなっています。
Talib Kweli feat. will.i.am「Hot Thing」
 https://www.youtube.com/watch?v=UUPCBmcpNzk

「Won't You Forgive Me Baby」
都会的なメロウ・ソウル調の仕上がり。歌もサウンドも適度に力が抜けているのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=t0KB3laijgM

「I Need It (7" Single Edit)」
「I Need It」のシングル・エディット。

「Superman Lover (7" Single Edit)」
「Superman Lover」のシングル・エディット。

Johnny Guitar Watsonの他作品もチェックを!

『A Real Mother for Ya』(1977年)
Real Mother for Ya

『Funk Beyond the Call of Duty』(1977年)
Funk Beyond the Call of Duty

『Giant』(1978年)
Giant

『What the Hell Is This』(1979年)
What the Hell Is This

『Love Jones』(1980年)
Love Jones

『Johnny Guitar Watson & The Family Clone』(1981年)
Johnny Guitar Watson & The Family Clone

『Strike on Computers』(1984年)
Strike on Computers

『Bow Wow』(1994年)
Bow Wow
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2015年10月12日

Spinning Motion『Confidence In The Future』

Jazzanovaが発掘したフォーキー・ジャズ☆Spinning Motion『Confidence In The Future』
コンフィデンス・イン・ザ・フューチャー [紙ジャケ]
発表年:1980年
ez的ジャンル:ドイツ産フォーキー・ジャズ
気分は... :美しき敗者・・・

ラグビーW杯は日本の予選ラウンド敗退が決まりましたね。

昨晩のスコットランド対サモア戦は生中継で見ていましたが、サモアがかなり善戦していたので「もしかして・・・」と期待しましたが、あと一歩及ばなかったですね。昨日のサモアの戦いぶりを見ていたら、"よく日本はこのチームに完勝できたな"と改めて感心してしまいました。

敗退は決まったものの、本日のアメリカ戦を有終の美で飾り、美しき敗者として大会を後にして欲しいですね。生放送で応援したいと思います。

今回は80年代ドイツ産フォーキー・ジャズ作品、Spinning Motion『Confidence In The Future』(1980年)です。

ベルリンを拠点に世界のクラブジャズ/クロスオーヴァーを牽引するプロデューサー/DJユニットJazzanovaが立ち上げたリイシュー専門レーベルNotes On Journeyからの第一弾リリース作品として最近CD化された1枚です。

Spinning Motionは、当時の西ベルリンで結成されたスタジオ・ユニット。メンバーはManfred Tappert(g、el-p、el-b、vo)、Stefan Thimm(ds、per)、Eddie Hayes(flh)、Joe Kucera(ss、lyricon)、Achim Hirsch(spoken words)の5名。Achim Hirschの呼び掛けでユニットが結成されたようです。

Achim Hirschがプロデュースも手掛けたグループ唯一のアルバムが本作『Confidence In The Future』(1980年)です。

当時100 枚だけ限定プレスされたレア盤をJazzanovaが掘り起し、めでたくCD化が実現しました。

アルバム全体としては、ビューティフル&パーカッシヴなフォーキー・サウンドが印象に残ります。全8曲中6曲がヴォーカル入りなので、ジャズのジャンルに囚われずフォーキー好きの人であれば楽しめるはずです。と言いつつも、要所でしっかりジャズしている点は、やはりフォーキー・ジャズと呼ぶのが一番相応しいと思います。

Jazzanova絡みのフォーキー・ジャズといえば、メンバーのStefan LeiseringAxel Reinemerとベルリンの女性シンガー・ソングライターSascha Gottschalkの3人によるフォーキー・ユニットThiefがあります。

Leiseringが本作を発掘したのが2000年代初めのようなので、当ブログでも紹介したThiefのアルバム『Sunchild』(2006年)も本作の影響を受けているのかもしれませんね。

時代がようやく彼らのセンスに追いついたといったところでしょうか。
高音質のリマスタリングも手伝い、今聴いても鮮度抜群の1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Blue」
メロウ・エレピとアコギが織り成すドリーミーなサウンドが印象的なオープニング。

「Devotion To You」
オススメその1。Jazzanovaが目を付けたのも頷けるフォーキー・ジャズ。70年代ジャズ・ロック好きの人とかにフィットする演奏家もしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=6lzD9AC_PRY

「Prisoner Of Life」
哀愁フォーキー。Manfred Tappertのアコギの哀愁フレーズと寂しげな歌声が秋にぴったりですね。
https://www.youtube.com/watch?v=jayNnWP4sCU

「Confidence In The Future」
オススメその2。僕の一番のお気に入り。洗練されたメロウ・フォーキー。Style Councilあたりと一緒に聴いてもフィットしそうなオシャレな仕上り。

「Naze」
オススメその3。ソプラノ・サックスが先導するフォーキー・グルーヴ。パーカッシヴなフォーキー・サウンドはモロに僕好み!

「Answer My Questions」
オススメその4。澄み切ったアコギ・サウンドに惹かれる美しいフォーキー・ジャズ。中盤にマッドなパーカッション・ブレイクが入りアクセントをつけています。

「Playground Of Burial-Funds」
エレピの弾き語り。しみじみと歌い上げるシンプルな味わい深さがいいですね。

「Elegy」
ラストは哀愁フォーキー・グルーヴ。疾走するリズムと哀愁ギターの組み合わせは実に秋モードですね。

ご興味がある方は、Thief『Sunchild』(2006年)もチェックしてみては?

Thief『Sunchild』(2006年)
Sunchild
posted by ez at 00:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月11日

Resurface『Where Have You Been』

元Surfaceメンバーによるメロウ&スムース男性R&Bデュオ☆Resurface『Where Have You Been』
resurface where have you been.jpg
発表年:2015年
ez的ジャンル:メロウ&スムース男性R&Bデュオ
気分は... :再びSurface・・・

今回は新作R&B作品からResurface『Where Have You Been』です。

Resurfaceは、元SurfaceのメンバーDavid Conleyが男性R&BシンガーJohn Fevaと組んだ男性R&Bデュオ。

グループ名からはSurfaceの火を灯し続けたいというDavid Conleyの強い意志が感じられますね。

今回、David Conleyがパートナーに選んだJohn Fevaは、当ブログでも紹介した90年代に活躍したNJS系男性R&BグループThe Black Flamesの元メンバーJohn Sykesです。

80年代後半から90年代初めにかけて大きな成功を収めたBernard JacksonDavid TownsendDave Conleyの3人組Surface。クワイエットストームを代表するR&Bグループでしたね。

僕の場合、かつて活躍したグループのリユニオン作品に対して、基本的にネガティブな印象から入ってしまいます。音楽的な創造性よりも商業目的を優先した"昔の栄光を再び"みたなのが嫌いなんですね。

今回、Surfaceの流れを汲むResurfaceについても同様にネガティブな印象を持っていました。しかも、リード・シンガーであったBernard JacksonによるSurface再興ならばまだしも、R&Bグループに珍しいフルート奏者という脇役で異彩を放っていたDave Conleyの再始動だったもので、余計に関心が低かったです。

そのため、CDショップの試聴コーナーでも新譜がリリースされているのを知っていながら、何度かスルーしていました。しかし、先日CDショップで気に入った新譜がなかなか見つからず、仕方なく殆ど期待しないまま本作を試聴してみたら、これがなかなか良い!自分の偏見を反省しつつ、本作を購入した次第です。

アルバム全体はSurfaceをイメージさせるメロウ&スムースなR&Bに、昨今のディスコ/ブギー・ブームの流れにのったダンス・チューンを織り交ぜた構成になっています。

リード・ヴォーカルを務めるJohn Fevaのハイ・トーン・ヴォーカルは、確かにBernard Jackson的であり、Dave ConleyがSurface的なものを求めて彼をパートナーに選んだことに納得してしまいます。また、John FevaのヴォーカルはMichael Jacksonの影響も受けており、MJ的な雰囲気の曲があるのも印象的です。

Gene LakeGene LennonMartin Blocksonがアルバムのプロデュースを手掛けています。

Surface云々といった予備知識がなくとも、純粋に2015年のメロウ&スムースR&B作品として楽しめるはずです。

全曲紹介しときやす。

「Baby Making Music」
Marvin Gaye「Sexual Healing」をイメージさせるアーバン・メロウなオープニング。John Fevaのハイトーン・ヴォーカルとバック・コーラスの落ち着いたトーンのコントラストがいいですね。Dave Conleyのフルートもいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=P8HA84cpRv4

「We Can Fly」
Raphael Saadiqあたりをイメージさせるヴィンテージ感のある軽快なニュークラシックソウルといった趣です。実にキャッチーです。
https://www.youtube.com/watch?v=8v8pxlAjGKE

「Miss What's Her Name?」
昨今のディスコ/ブギー・ブームの流れを汲むダンス・チューン。軽快なカッティング・ギターをバックにJohn Fevaのハイトーン・ヴォーカルが駆け抜けます。
https://www.youtube.com/watch?v=dviBy49d4ws

「Dream Chaser」
女性R&BシンガーDiamond MartinezとJohn Fevaのデュエット。哀愁メロディを切なく歌い上げます。

「Say I Do」
Surfaceの名曲「Happy」あたりを彷彿させるメロウ・ミディアム。Dave ConleyがこのグループにResurfaceの名を冠した意図が最も感じられる1曲です。ここでもDave Conleyのフルートもいいアクセントになっています。

「Dance Your Heartbreak Away」
ドリーミーなメロウ・グルーヴ。ここでのJohn Fevaのヴォーカルは完全にMJモードになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=f5jJzCpDVVU

「Where Have You Been」
美しも切ないメロディをJohn Fevaが切々と歌い上げます。Fevaの声質の良さがよくわかるミディアム・スロウ。

「Diamonds And Pearls」
しっとりと歌い上げるJohn Fevaのヴォーカルが実にセクシーなメロウ・チューン。メロウ&スムースR&B好きの人であればグッとくるはず!

「You Got What I Want」
僕の一番のお気に入り。ひたすら心地好い至極のメロウ・グルーヴ。Conleyのフルートに導かれるFevaのセクシー・ヴォーカルが天まで届きそうです!
https://www.youtube.com/watch?v=pgkSRTe0mt0

「Superstar」
素直なMJといった感じのFevaの伸びやかなヴォーカルが栄えるダンサブル・チューン。

「Finish What You Started」
再びDiamond MartinezとJohn Fevaのデュエット。現行R&B的なアプローチの仕上がり。少し変化球でメリハリをつけています。

「Get Up」
MJモードのFevaを楽しめるダンス・チューン。FevaのMichael Jacksonフォロワーぶりがよくわかります。

「Finish What You Started (Martin Remix)」
「Finish What You Started」のリミックス。

「We Can Fly (Grown And Sexy Remix)」
「We Can Fly」のリミックス。The Isley Brothersネタです。

SurfaceThe Black Flamesの作品もチェックを!

Surface『Surface』(1986年)
Surface

Surface『2nd Wave』(1989年)
2nd Wave

The Black Flames『The Black Flames』(1990年)
the black flames.jpg
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2015年10月10日

Sons & Daughters Of Lite『Let The Sun Shine In』

レア・グルーヴでも人気の西海岸アフロ・スピリチュアル・ジャズ作品☆Sons & Daughters Of Lite『Let The Sun Shine In』
レット・ザ・サン・シャイン・イン [紙ジャケット仕様/完全限定生産盤]
発表年:1978年
ez的ジャンル:西海岸系アフロ・スピリチュアル・ジャズ/ブラック・ジャズ
気分は... :ローカル・ジャズの魅力!

今回は70年代の西海岸アフロ・スピリチュアル・ジャズ作品からSons & Daughters Of Lite『Let The Sun Shine In』(1978年)です。

レア・グルーヴの中で再評価が高まった1枚です。

Sons & Daughters Of Liteは、Basuki Balaを中心に、1970年代ベイエリア周辺で活動していたブラック・ジャズ・グループ。Fela KutiSun Raといったアーティストのステージの前座を務めたこともあるようです。

そんなグループの唯一のアルバムが本作『Let The Sun Shine In』(1978年)です。

レコーディングには、Basuki Bala(bs、as、ss、fl、per、vo)、Michael Oliver Warren(b、tb)、Marty Payne(tp、flh)、Jdlinkomo (W.C. Daniels)(p、el-p、syn、vibe、per、vo)といったグループのメンバーをはじめ、Jeanne Cuffey(vo)、Lakiba(vo)、Kalamu Chache(vo)、
Paul Fenner III(ts)、Terry Lawyer(ds)、Snip Milton Jr.(ds)、Marc Smith(b)、元Oneness Of JujuBabatunde(congas、bongos、per)等のミュージシャンが参加しています。

アルバム全体はアフロ・ジャズ/スピリチュアル/ジャズ・ファンク色の強い1枚であり、全6曲中5曲がヴォーカル入りです。

個人的には全体的にヴァイヴやコンガ、パーカッションの響きが目立っている点が好きです。

Gilles PetersonのMix CDにも収録され、Jazzanovaもプレイしたタイトル曲「Let The Sun Shine In」や、「A Real Thing」「Darkuman Junktion」といったあたりがハイライトだと思いますが、「Operation Feed Yourself」「Ju Ju's Door」もアフロ・ジャズ/スピリチュアル好きは楽しめるはずです。

ローカル・ジャズ・グループの魅力を存分に楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「Let The Sun Shine In」
前述のように本作のハイライトとなるタイトル曲。ヴァイヴ、コンガ、パーカッション、フルート等に男女ヴォーカルが絡むアフロ・スピリチュアル・ジャズの感動的な前半と、ホーン隊も加わり、サンバ調へ一気にアップテンポする後半とのコントラストがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=CAQF2Gr7sZQ

「Fly Away」
ソウル・バラード調の哀愁チューン。リード・ヴォーカルをとるにはJdlinkomo。ここでもヴァイヴの音色がいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=VxDJHFy_KPk

「Operation Feed Yourself」
パーカッシヴなリズムが響き渡るアフロ・ジャズ・グルーヴ。リーダーBasuki Balaの入魂のサックスにもグッときます。
https://www.youtube.com/watch?v=fRMa8GOZJ1I

「A Real Thing」
格好良さでいえばアルバム随一。Lakibaのヴォーカルをフィーチャーしたブラック・ジャズらしいジャズ・グルーヴ。パーカッシヴなグルーヴ、コズミックなシンセをバックに各人が味のあるソロを聴かせてくれます。Lakibaのブラック・フィーリング溢れたヴォーカルもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=ZwF4oY9NvBA

「Ju Ju's Door」
Jeanne Cuffeyをフィーチャー。モーダル+アフロ・スピリチュアルな雰囲気が実に格好良い演奏です。

「Darkuman Junktion」
ラストは重量感のあるグルーヴをバックに、各人がソロで格好良くキメてくれるファンク・チューンで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=7iJDqzapp4k

ジャケもローカルなスピリチュアル・ジャズっぽくていいですね。
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