2017年03月28日

Elis Regina『Elis(1966)』

MPB世代アーティストの作品を取り上げた意欲作☆Elis Regina『Elis(1966)』
Elis
発表年:1966年
ez的ジャンル:国民的歌手系MPB
気分は... :女王の貫禄!

今回はブラジルの国民的歌手Elis Reginaの作品から『Elis(1966)』(1966年)です。

Elisの場合、セルフタイトルのアルバムが多数あるので、便宜上、発表年をカッコ内に記載しています。

これまで当ブログで紹介してきたブラジルの国民的歌手Elis Reginaの作品は以下の12枚。

 『Elis Especial』(1968年)
 『Elis, Como e Porque(Como & Porque)』(1969年)
 『Aquarela Do Brasil』(1969年) ※Toots Thielemansとの共演
 『Elis Regina in London』(1969年)
 『Em Pleno Verao』(1970年)
 『Ela』(1971年)
 『Elis (1972)』(1972年)
 『Elis (1973)』(1973年)
 『Elis (1974)』(1974年)
 『Falso Brilhante』(1976年)
 『Elis (1977)』(1977年)
 『Essa Mulher』(1978年)

本作『Elis(1966)』(1966年)は、Gilberto GilCaetano VelosoEdu LoboMilton NascimentoといったMPB世代のアーティストの作品を数多く取り上げたスタジオ録音作であり、その後のElisを方向づけたターニングポイントの一作だと思います。

ここで取り上げたアーティスト達のその後の活躍を見れば、女王Elisの先見の明は明らかですね。また、単に作品を取り上げるのみならず、歌声を通してそれらアーティストの魅力を余すことなく伝えてくれるところがElisの凄さと思います。

オープニングの「Roda」Gilberto Gil作品)とラストの「Cancao do Sal」Milton Nascimento作)が本作を象徴していると思います。

本作時のElisはまだ21歳ですが、とても21歳とは思えない豊かな表現力と貫禄のある歌いっぷりに驚かされます。

プロデュースはLuiz Mocarzel、アレンジはChiquinho de Moraes。

ブラジル音楽の新時代到来を女王Elisが先導した1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Roda」
Gilberto Gil/Joao Augusto作。本作のハイライト!軽快なリズムにのって、Elisがブラジル音楽の新時代到来を高らかに歌い上げます。思わず手拍子してしまいます!
https://www.youtube.com/watch?v=YGxuay9XAK8

本曲に関して、当ブログでは有名なSergio Mendes & Brasil'66ヴァージョンをはじめ、GimmicksConjunto 3Dのヴァージョンも紹介済みです。

「Samba em Paz」  
Caetano Veloso作。Gilの次はCaetano!開放的なサンバのリズムと共に、Elisが自由に舞います。
https://www.youtube.com/watch?v=C_avZSNxOnM

「Pra Dizer Adeus」  
Edu Lobo/Torquato Neto作。Edu Lobo作品の1曲目。オーケストレーションをバックに、愁いを帯びたメロディを情感たっぷりに歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=v3aj-nKkv9w

本曲に関して、当ブログではEdu Lobo & Maria Bethaniaのヴァージョンをはじめ、Luciana SouzaMaria BethaniaSebastiao Tapajos/Maria Nazareth/Arnaldo HenriquesAgustin Pereyra Lucenaヴァージョンも紹介済みです。

「Estatuinha」 
Edu Lobo/Gianfrancesco Guarnieri作。Edu Lobo作品の2曲目。後期のElisを予感させるオトナのMPBに仕上がっています。1曲の中にドラマがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=0v7DKdFKLdg

「Veleiro」  
Edu Lobo/Torquato Neto作。Edu Lobo作品の3曲目。壮大なオーケストレーションをバックに堂々と歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=I5o5kzloXdA

当ブログでは作者Edu LoboのヴァージョンやBossa RioSergio Mendesのカヴァーを紹介済みです。

「Boa Palavra」  
Caetano Veloso作。緩急つけた変幻自在のアレンジが面白い1曲。こういった曲も難なくこなせるのがElisですね。
https://www.youtube.com/watch?v=58iVAH9YZ5o

「Lunik 9」 
Gilberto Gil作。この曲も歌手の技量が問われるようなアレンジですが、結果として女王Elisの天才歌手ぶりを際立たせることに成功しています。
https://www.youtube.com/watch?v=YISlAM-J0HE

「Tem Mais Samba」 
Chico Buarque作。小粋なジャズ・サンバを思い入れたっぷりに歌います。
https://www.youtube.com/watch?v=tdMESAzq-Ak

「Sonho de Maria」 
Marcos Valle/Paulo Sergio Valle作。当ブログではConjunto 3Dヴァージョンも紹介済みです。エレガントなオーケストレーションをバックに、しっとりとしたヴォーカルを披露してくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=t_e79zlcpow

「Tereza Sabe Sambar」  
Francis Hime/Vinicius de Moraes作。少しノスタルジックな雰囲気でスタートしますが、緩急をうまく使ったアレンジが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=uvYmTYLne7k

「Carinhoso」
Joao de Barro/Pixinguinha作。当ブログではTania Mariaヴァージョンも紹介済みです。アコースティックな質感のアレンジをバックに、Elisらしい豊かな表現力で歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=nP5YtBOk0u4

「Cancao do Sal」
ラストはMilton Nascimento作の名曲「塩の歌」。個人的には「Roda」と並ぶ本作のハイライト。この曲もブラジル音楽の新時代を予感させます。Milton Nascimentoという才能の魅力をElisが余すことなく伝えてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=lQoxmxwDQnw

本曲に関して、当ブログではBossa RioRonald MesquitaChristiane LegrandTania Mariaのカヴァーも紹介済みです。

Elis Regina作品の過去記事もご参照下さい。

『Elis Especial』(1968年)
エリス・エスペシアル

『Elis, Como e Porque(Como & Porque)』(1969年)
コモ・イ・ポルケ+4

『Aquarela Do Brasil』(1969年)
ブラジルの水彩画

『Elis Regina in London』(1969年)
イン・ロンドン

『Em Pleno Verao』(1970年)
エン・プレノ・ヴァラオン

『Ela』(1971年)
エラ 1971

『Elis (1972)』(1972年)
Elis

『Elis (1973)』(1973年)
Elis 1973

『Elis (1974)』(1974年)
人生のバトゥカーダ

『Falso Brilhante』(1976年)
Falso Brilhante

『Elis (1977)』(1977年)
Elis 1977

『Essa Mulher』(1978年)
或る女(紙ジャケット仕様)
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2017年03月27日

Rufus & Chaka『Masterjam』

Chaka Khanが復帰したQuincy Jonesプロデュース作☆Rufus & Chaka『Masterjam』
マスタージャム
発表年:1978年
ez的ジャンル:ディーヴァ系ファンク/ディスコ
気分は... :リップヴァンウィンクルの花嫁...

先程まで岩井俊二監督『リップヴァンウィンクルの花嫁』のTV初放送を観ていました。映画館でも鑑賞しましたが、あの感動が再び甦ってきました。黒木華、Cocco、綾野剛の3人の演技が最高だし、岩井監督ならではの映像美を再び脳裏に焼き付けました。。

さて、今回は看板シンガーChaka Khan擁するファンク・バンドRufus『Masterjam』(1979年)です。本作はRufus & Chaka名義でのリリースです。

これまで当ブログで紹介したRufusおよびChaka Khan作品は以下の8枚です。

 Rufus
 『Rufusized』(1974年)
 『Rufus Featuring Chaka Khan』(1975年)
 『Ask Rufus』(1977年)
 『Street Player』(1978年)
 Chaka Khan
 『Chaka』(1978年)
 『Naughty』(1980年)
 『What Cha Gonna Do For Me』(1981年)
 『I Feel For You』(1984年)

Chaka Khanがソロ活動も開始し、多忙となり、前作『Numbers』(1979年)はChaka抜きの作品となりましたが、当然のごとくチャート・アクションは振るいませんでした。

そこでChaka Khanが復帰し、プロデューサーに大物Quincy Jonesを迎えて、再起を期したアルバムが本作『Masterjam』(1979年)です。アルバムは全米R&Bアルバム・チャート第1位となり、シングル「Do You Love What You Feel」も全米R&Bチャート第1位のヒットとなりました。

本作におけるメンバーは、Chaka Khan(vo)、Tony Maiden(g、vo)、Kevin Murphy(key)、John "JR" Robinson(ds、per)、Bobby Watson(b)、Dave "Hawk" Wolinski(key)という6名。

さらにレコーディングには、Jerry Hey(tp、flh)、Gary Grant(tp、flh)、Larry Hall(tp、flh)、Kim Hutchcroft(sax、fl)、Larry Williams(sax、fl)、Bill Reichenbach(tb)、Lew McCreary(tb)というSeawindメンバーを中心とするホーン隊や、The Brothers JohnsonLouis JohnsonGeorge Johnson、Louis Johnson、Louisの奥方Valerie Johnsonとゴスペル・ユニットPassageを結成するRichard Heathの3名(per、handclapping)が参加しています。

また、Quincy Jonesの右腕Rod Tempertonも楽曲提供やリズム・アレンジで参加しています。

アルバム全体として、Chaka Khanが復帰し、さらにQuincy Jonesがテコ入れしたわけですから悪いはずがありません。

まずは「Do You Love What You Feel」「Any Love」というシングルにもなったダンス・クラシック2曲がハイライトです。

それ以外にもRod Temperton作の「Masterjam」「Live in Me」QuincyヴァージョンやLeon Wareヴァージョンでお馴染みの「Body Heat」、アーバン・メロウな「Heaven Bound」Patti Austinもソングライティングに関与しているダンス・チューン「I'm Dancing for Your Love」など聴き所満載の1枚です。

アーバン&メロウなファンク/ディスコ好きには間違いない1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Do You Love What You Feel」
David Wolinski作。アルバムからの1stシングルであり、前述のように全米R&Bチャート第1位のヒットとなりました。Chakaのヴォーカルが栄える華やかなアーバン・ディスコ・ファンクです。文句ナシのダンス・クラシック!
https://www.youtube.com/watch?v=PWAdn9zCil4

当ブログで紹介したSWV feat. Brianna Perry「Do Ya」をはじめ、MC Shy D「I Wanna Dance」、Ras Kass feat. RC「Lapdance」、New Kids on the Block「You Got It (The Right Stuff) (The New Kids in the House Mix)」、Made Men「I Wanna Made Man」、The Jacka feat. Husalah「Love How It Feels」、Poison Clan「Some Shit I Used to Do」、Murderbot「More Guns」のサンプリング・ソースになっています。
SWV feat. Brianna Perry「Do Ya」
 https://www.youtube.com/watch?v=9yqzThl5Cuw
MC Shy D「I Wanna Dance」
 https://www.youtube.com/watch?v=Euz9abNvnn0
Ras Kass feat. RC「Lapdance」
 https://www.youtube.com/watch?v=kDQyS7VnUkw
Made Men「I Wanna Made Man」
 https://www.youtube.com/watch?v=zFdl1e26ijA
The Jacka feat. Husalah「Love How It Feels」
 https://www.youtube.com/watch?v=IautDHXZL-c

「Any Love」
David Wolinski作。アルバムからの2ndシングル。「Do You Love What You Feel」と並ぶ本作のハイライト。疾走するダンス・チューンはガラージ・クラシックとして人気です。アレンジの妙とChakaのダイナマイト・ヴォーカルにグッときます。
https://www.youtube.com/watch?v=oODOXzo51Z4

Massive Attack feat. Carlton、Future Abstract Soul feat. M.A.R.A.がカヴァーしています。また、Olav Basoski「Waiting for You」、Kidstuff「Love It」、DJ Space & Moore「Any Love」、Soul Avengerz「Love You Feel」、Romain Curtis「Losing Love (Antoine Clamaran Remix)」のサンプリング・ソースになっています。
Massive Attack feat. Carlton「Any Love」
 https://www.youtube.com/watch?v=U7XqIeftTQE
Future Abstract Soul feat. M.A.R.A.「Any Love (Haldo's Pleasure Mix)」
 https://www.youtube.com/watch?v=G506aRniF_U
Kidstuff「Love It」
 https://www.youtube.com/watch?v=zRroXIcRw90
Romain Curtis「Losing Love (Antoine Clamaran Remix)」
 https://www.youtube.com/watch?v=6WF-qLnLnlg

「Heaven Bound」
Bill Meyers/Billy Durham/Lorrin Bates作。アーバン・メロウな魅力を満喫できる僕好みのメロウ・グルーヴ。晴れの日モードにピッタリです。
https://www.youtube.com/watch?v=BVlzqce0trg

「Walk the Rockway」
Tony Maiden作。スピード感のあるダンス・チューンです。キレのあるホーン・アンサンブルが盛り上げてくれます。

「Live in Me」
Rod Temperton作。Rod Tempertonらしいキャッチーなメロウ・ダンサーです。Quincy Jones人脈投入の成果です。
https://www.youtube.com/watch?v=DWY1seeJUC4

All City「Move on You」、Lima Papa「Superlovin'」、The Phantom's Revenge「Just Like Old Times」、Mancini「Supa Lovin」、Tropiika「The Revenge of the Phantom」のサンプリング・ソースになっています。
All City「Move on You」
 https://www.youtube.com/watch?v=ZIUulNaPsGs

「Body Heat」
Quincy Jonesのカヴァー(Quincy Jones/Bruce Fisher/Leon Ware/Stan Richardson作)。Leon Wareをフィーチャーしたオリジナルは『Body Heat』(1974年)に収録されています。Leon Ware自身のヴァージョンは『Musical Massage』(1976年)に収録されています。また、JohNick「C'Mon, Give It Up」のサンプリング・ソースになっています。本ヴァージョンはオリジナルやLeon Wareヴァージョンとも異なる開放的かつパーカッシヴなダンサブル・チューンに仕上がっています。Chaka Khanの伸びやかなヴォーカルがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=b2OvBathcnw

「I'm Dancing for Your Love」
David Wolinski/John Robinson/Patti Austin/Peggy Jones作。アルバムからの3rdシングル。Quincy Jonesプロデュース作らしいメロウなダンス・チューンです。
https://www.youtube.com/watch?v=-dHrBJJLYTA

Etienne De Crecy「Out of My Hands」、Tamar Braxton「Never」のサンプリング・ソースになっています。
Etienne De Crecy「Out of My Hands」
 https://www.youtube.com/watch?v=kbm_gOgFvhg
Tamar Braxton「Never」
 https://www.youtube.com/watch?v=ThnjdbYbPhw

「What Am I Missing?」
Chaka Khan/Mark Stevens作。Chaka Khanの低音ヴォーカルが印象的なメロウ・ミディアムです。さり気ないですが、いい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=vGJpRyRCQJ0

Queen Latifah「Court Is in Session」、Axel F feat. Oh No「All Day」のサンプリング・ソースになっています。
Queen Latifah「Court Is in Session」
 https://www.youtube.com/watch?v=eNhJEVk3mcg
Axel F feat. Oh No「All Day」
 https://www.youtube.com/watch?v=lr09vpZTNvI

「Masterjam」
Rod Temperton作。ラストはRod Tempertonを投入したタイトル曲で締め括ってくれます。Quincy Jones×Rod Temperton×Chaka Khanな魅力が反映されたキャッチーな仕上がりがサイコーです。
https://www.youtube.com/watch?v=_3GK6mFk9m0

Rufus/Chaka Khanの過去記事もご参照下さい。

『Rufusized』(1974年)
Rufusized

『Rufus Featuring Chaka Khan』(1975年)
ルーファス・フィーチャリング・チャカ・カーン(紙ジャケット仕様)

『Ask Rufus』(1977年)
Ask Rufus

『Street Player』(1978年)
ストリート・プレイヤー(紙ジャケット仕様)

Chaka Khan『Chaka』(1978年)
Chaka

Chaka Khan『Naughty』(1980年)
Naughty

Chaka Khan『What Cha Gonna Do For Me』(1981年)
What'Cha Gonna Do for Me

Chaka Khan『I Feel For You』(1984年)
I Feel for You
posted by ez at 01:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月26日

Kurt Rosenwinkel『Caipi』

ミナスの風が吹く!現代ジャズ・ギターの皇帝の最新作☆Kurt Rosenwinkel『Caipi』
カイピ Caipi (Japan Edition)
発表年:2017年
ez的ジャンル:現代ジャズ・ギター+ブラジル音楽
気分は... :新風が吹く・・・

今回は新作から現代ジャズ・ギターの皇帝Kurt Rosenwinkelの最新作『Caipi』です。

Kurt Rosenwinkelは1970年フィラデルフィア生まれ。Gary Burtonのサポート・メンバーとなったのきっかけに、N.Y.でジャズ・ミュージシャンとしてのキャリアをスタートさせます。

その後オルタナティヴ・ジャズ・ユニットHuman Feelへの参加を経て、1996年に初リーダー作『East Coast Love Affair』をリリース。今日までコンスタントな活動を続け、現代ジャズ・ギターの皇帝と呼ばれるまでに至っています。現在はベルリンを拠点にしているようです。

ここ数年のJazz The New Chapterムーヴメントの中でもKurt Rosenwinkelの名を目にすることが多いですね。

僕自身は熱心なジャズ・リスナーではありませんが、Q-Tip『The Renaissance』(2008年)への参加でKurt Rosenwinkelの名を意識するようになりました。

さて、最新作『Caipi』ですが、完成まで10年の歳月を要し、Kurt自身がギターのみならず、ベース、ピアノ、シンセ、ドラム、パーカッションを演奏し、ヴォーカルも披露しています。

さらにAntonio Loureiro(vo)、Pedro Martins(vo、ds、key、per)といったブラジルの才能あるミュージシャンが参加し、アルバムにミナス・フレイヴァーを加えています。特に共同プロデュースも務めるPedro Martinsのアルバムへの貢献度は大きいです。

Antonio Loureiroは現代ブラジル音楽好き、ワールド・ジャズ好きには有名なミュージシャンですが、Pedro Martinsの方の知名度はそれ程ではないかもしれませんね。Antonio Loureiroのライブ・サポートでも知られる期待のミュージシャンです。

僕が本作に興味を持ったのも、そうしたブラジル音楽の影響を受けたジャズ作品に仕上がっている点です。

それ以外にもEric Clapton(g)、Alex Kozmidi(baritone g)、Mark Turner(ts)、Kyra Garey(vo)、Zola Mennenoh(vo)、Amanda Brecker(vo)、Frederika Krier(violin)、Chris Komer(french horn)、Andi Haberl(ds)、Ben Street(b)といったミュージシャンがアルバムに参加しています。Claptonの参加は意外ですが・・・

モロにブラジルって訳ではないですが、ブラジル音楽のエッセンスをモチーフに、Kurtが自身の音世界を切り拓こうとしているのがいいですね。

ギタリストだけではないトータルなサウンド・クリエイターとしてのKurt Rosenwinkelの才能を楽しむ1枚だと思います。特にピアニストとしての彼にプレイには驚かされます。

全曲紹介しときやす。

「Caipi」
タイトル曲は本作らしいミナスのエッセンスを感じることができます。Pedro Martinsのバック・コーラス以外はすべてKurt自身のプレイです。開放感のあるKurtのギターを楽しみましょう。

「Kama」
ここではPedro Martinsがリード・ヴォーカルをとります。ブラジル音楽ならではのミステリアスな雰囲気をAndi Haberlのドラムがタイトに締めている感じがいいですね。

「Casio Vanguard」
Antonio LoureiroとPedro Martinsがヴォーカルで参加。ある意味本作のハイライト的な演奏かもしれません。ブラジル音楽と現代ジャズ・ギターの融合を楽しめる1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=1FIWGfEKru4

「Song for Our Sea」
国内盤ボーナス・トラック。ここではピアニストとしてのKurtにも注目です。大海へ思いを馳せ、サウダージな気分になりそう・・・

「Summer Song」
イントロのピアノが印象的です。ブラジルっぽく始まりますが、ヴォーカルが入るとSSW風のジャジー・チューンに・・・

「Chromatic B」
Kurtのマルチ・プレイヤーぶりを楽しめるストレート・アヘッドなジャズ作品。特に後半はKurtのギターを堪能できます。

「Hold on」
インディー・ロック調の展開は今ジャズっぽいかもしれませんね。

「Ezra」
Kurtの息子のために書かれた曲のようです。父親から息子へ語り掛ける優しさに包まれた1曲に仕上がっています。

「Little Dream」
Eric Clapton参加曲。疾走感のある演奏で注目すべきはKurtとClaptonのギターなのですが、一番驚かされたのは中盤以降のKurtのピアノ。圧巻です。

「Casio Escher」
透明感のあるサウンドがジワジワと心の中に浸透してきます。Mark Turnerのサックスが印象的ですね。

「Interscape」
ミナス・テイストのミステリアスな雰囲気の漂う仕上がり。KurtのZola Mennenohの男女ヴォーカルとシンセが織り成す幻想的な音世界がいいですね。

「Little b」
本作らしいブラジル音楽のエッセンスとKurtのギターをたっぷり堪能しながら、アルバムはフィナーレを迎えます。

Kurt Rosenwinkelの他作品もチェックを!

『East Coast Love Affair』(1996年)
East Coast Love Affair

『Intuit』(1998年)
Intuit

『The Enemies of Energy』(2000年)
Enemies of Energy

『The Next Step』(2001年)
Next Step

Jakob Dinesen/Kurt Rosenwinkel『Everything Will Be Alright』(2002年)
Everything will be alright by Kurt Rosenwinkel / Jakob Dinesen (2003-02-04)

『Heartcore』(2003年)
Heartcore

『Deep Song』(2005年)
Deep Song

『The Remedy: Live at the Village Vanguard』(2008年)
レメディ~ライブ・アット・ヴィレッジ・バンガード

『Reflections』(2009年)
リフレクションズ

『Our Secret World』(2010年)
Kurt Rosenwinkel & OJM-Our Secret World by Rosenwinkel, Kurt (2015-01-06) 【並行輸入品】

『Star of Jupiter』(2012年)
スター・オブ・ジュピター(STAR OF JUPITER)
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2017年03月25日

Joseph Malik『Aquarius Songs』

エディンバラ出身の男性SSW/DJの2ndアルバム☆Joseph Malik『Aquarius Songs』
Aquarius Songs
発表年:2004年
ez的ジャンル:コンポスト系フューチャー・ジャズ
気分は... :クールな美学!

今回はドイツの人気クロスオーヴァー・ジャズ・レーベルCompost Recordsの作品からJoseph Malik『Aquarius Songs』(2004年)です。

Joseph Malikはスコットランド、エディンバラ出身の男性シンガー・ソングライター/DJ。

A.J NutallとのユニットBlacka'nizedでの活動や、当ブログでも紹介したドイツのNu JazzユニットTruby Trioのフィーチャリング・ヴォーカリストとしても有名かもしれません。

自身の名義では『Diverse』(2002年)と『Aquarius Songs』(2004年)という2枚のアルバムをCompost Recordsからリリースしています。2枚共に実質上はUKのマルチ・インストゥルメンタリストDavid Donnellyとのコラボ作です。

2枚目のソロ・アルバムとなる本作『Aquarius Songs』では、1stの『Diverse』以上によりフロアを意識したダンサブル・チューンが目立つ1枚に仕上がっています。

4つ打ちのダンサブル・チューン「Believe & See」、フロア仕様のフューチャー・ジャズ「Dream Dancer」、クールなスパニッシュ・チューン「Diablo」、ブラジリアンな「Silent Fools」、フューチャー・アーバン・メロウ「Mistress Moonlight」、セピアなジャジー・ミディアム「Aquarius Song」あたりがオススメです。

アルバム全体に貫かれたクールな美学が魅力の1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Aquarius Song」
タイトル曲はミステリアスなムードに包まれたジャジー・ミディアム。雰囲気のあるホーン・アンサンブルをはじめ、セピアなジャジー・サウンドが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=nnm5yDmChwM

「Diablo」
スパニッシュ・ギター、バンドネオン、フラメンコ調の手拍子が印象的なクロスオーヴァー・チューン。クールなスパニッシュ感にヤラれます。
https://www.youtube.com/watch?v=U0ID_Kp74-s

「Silent Fools」
シングルにもなりました。アコースティックな質感を生かしたメロウ&ミステリアスなダンサブル・チューン。中盤からブラジリアンなエレメンツも加わって盛り上がりが加速します。
https://www.youtube.com/watch?v=bpUYcbk9Nzw

「Nebula」
カリンバの音色をはじめ、トライバルな疾走感をフューチャリスティックに仕上げています。

「Dream Dancer」
Grand Unifiedプロデュース。クールなアッパー感にグッとくるフロア仕様のフューチャー・ジャズ。ミッドナイトな疾走感が格好良いです!
https://www.youtube.com/watch?v=yBYdZFGhbi0

「Believe & See」
4つ打ちのダンサブル・チューンはDJ人気の高い1曲なのでは?クールに疾走していくフューチャリスティック感がいいですね。

「Mistress Moonlight」
フューチャー・アーバン・メロウとでも呼びたくなるフューチャリスティックなジャジー・メロウ。今の僕の気分にかなりフィットする1曲です。

「Casualties Of War」
Steven Christieプロデュース。これまでの楽曲とは異なり生音重視のソウル・チューンに仕上がっています。

「Race Relations (Live)」
ラストはアコースティックなライブ・サウンドで締め括ってくれます。

未聴の方は『Diverse』(2002年)もチェックを!

『Diverse』(2002年)
Diverse
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2017年03月24日

Grace Jones『Living My Life』

Sly & Robbieらが参加したコンパス・ポイント録音の第3弾☆Grace Jones『Living My Life』
Living My Life
発表年:1982年
ez的ジャンル:コンパス・ポイント系クロスオーヴァー
気分は... :完勝!

サッカー日本代表のアウェーでのUAE戦を2対0で勝利しました。
山口をアンカー、今野をインサイドハーフで起用した4-3-3がハマりましたね。

苦肉の策の4-3-3だったかもしれませんが、個人的には4-2-3-1より4-3-3を支持します。

モデル出身のクール・ビューティーGrace Jonesの久々の登場です。
紹介するのは『Living My Life』(1982年)。

ジャマイカ生まれの女性シンガーGrace Jonesの紹介は『Nightclubbing』(1981年)、『Slave To The Rhythm』(1985年)に続き3回目となります。

本作『Living My Life』(1982年)は、

『Warm Leatherette』(1980年)、『Nightclubbing』(1981年)に続くバハマのCompass Point Studiosでのレコーディング第3弾となります。

プロデュースはコンパス・ポイントでの前2作と同じくAlex SadkinChris Blackwell

レコーディング・メンバーはSly Dunbar (ds)、Robbie Shakespeare(b)、Barry Reynolds(g)、Mickey Chung(g)、Wally Badarou(key)、Uziah Thompson(per)。Sly & Robbieをはじめ、前2作にも参加していたミュージシャンで固めています。

Grace Jones作品でお馴染みJean-Paul Goudeデザインによるジャケはインパクトがあります。

「Nipple to the Bottle」「The Apple Stretching」「My Jamaican Guy」「Cry Now, Laugh Later」といったシングルをはじめ、Sly & Robbieを中心としたソリッド・サウンドを楽しむことができます。

ニューウェイヴ+レゲエ+ファンク+ポップなクロスオーヴァー感が今聴いてもいい感じです。

Grace Jonesのコンパス・ポイント3作品の集大成的な1枚に仕上がっているのでは?

全曲紹介しときやす。

「My Jamaican Guy」
Grace Jones作。本作のハイライト。コンパス・ポイント録音らしいレゲエ/ダブ調のダンサブル・チューン。シングルにもなりました。イントロの哀愁シンセが印象的です。クロスオーヴァー感のあるグルーヴが格好良いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=nhMA6attV0Y

定番サンプリング・ソースとして人気です。Donald D & DJ Chilly-D「Dope Jam」、Kid 'N Play feat. The Real Roxanne「Undercover」、2 Much「Wild Thang」 、Gee & Jay「X-Rated Lynn」、The New Style「Start Smokin'」、Big Daddy Kane「Children R the Future」、Lord-Pre N' the Funk Legacy「On a Hoe Stroll」、LL Cool J「Doin It」、Nitty「ABC」、Keri Hilson「Do It」、Mahagani feat. The Game「DJ (Stand Over There)」、Fabolous feat. Nicki Minaj and Trey Songz「Doin It Well」等ののサンプリング・ソースになっています。

Kid 'N Play feat. The Real Roxanne「Undercover」
 https://www.youtube.com/watch?v=3hqFovxvxa8
2 Much「Wild Thang」
 https://www.youtube.com/watch?v=kCkpRJtHvgk
Gee & Jay「X-Rated Lynn」
 https://www.youtube.com/watch?v=HzrdMB0B7oc
The New Style「Start Smokin'」
 https://www.youtube.com/watch?v=3YaxX0p049k
Lord-Pre N' the Funk Legacy「On a Hoe Stroll」
 https://www.youtube.com/watch?v=tWH5YobUFvY
LL Cool J「Doin It」
 https://www.youtube.com/watch?v=zK1lSBSJVH0
Nitty「ABC」
 https://www.youtube.com/watch?v=3bkN-1t7oko
Keri Hilson「Do It」
 https://www.youtube.com/watch?v=Znn1RJfOiB4
Mahagani feat. The Game「DJ (Stand Over There)」
 https://www.youtube.com/watch?v=jMFplIzJQ7s
Fabolous feat. Nicki Minaj and Trey Songz「Doin It Well」
 https://www.youtube.com/watch?v=AvC8BEXgNjI

「Nipple to the Bottle」
Sly Dunbar/Grace Jones作。アルバムからのリード・シングル。80年代初めらしいニューウェイヴ感のあるファンク・チューンに仕上がっています。ソリッドなサウンドとGraceの強烈キャラがマッチしています。
https://www.youtube.com/watch?v=-oxhr0JCqvQ

Molecular Beats Squadron「Transmit Power」、Jurassic 5「「Verbal Gunfight」のサンプリング・ソースにもなっています。
Molecular Beats Squadron「Transmit Power」
 https://www.youtube.com/watch?v=IPbIuvGd4kE
Jurassic 5「Verbal Gunfight」
 https://www.youtube.com/watch?v=yAyRxtD6rqI

「The Apple Stretching」
Melvin Van Peebles作。「Nipple to the Bottle」と両面Aシングルになった楽曲。Melvin Van Peeblesのカヴァーですが、レゲエ調のコンテンポラリー感が心地好い1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=xzxl4NDnQvE

「Everybody Hold Still」
Barry Reynolds/Grace Jones作。キャッチーさでいえば、コレが一番かも?この時代らしいソリッド・グルーヴが格好良いファンク・チューンです。
https://www.youtube.com/watch?v=Qk5vK34rQk8

Mr. James Barth「Hold Still」のサンプリング・ソースにもなっています。
Mr. James Barth「Hold Still」
https://www.youtube.com/watch?v=i5lVbgXlXvs

「Cry Now, Laugh Later」
Barry Reynolds/Grace Jones作。この曲もシングルになりました。Wally Badarouのキーボードが印象的なニューウェイヴ感のあるファンク・チューン。今回久々に聴き直して一番シビれたのが本曲でした。
https://www.youtube.com/watch?v=olvUiELw5aM

「Inspiration」
Barry Reynolds/Grace Jones作。クール・ビューティーらしい哀愁メロウ・グルーヴ。哀愁のギター・カッティングがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=j1hYX2iRslo

「Unlimited Capacity for Love」
Barry Reynolds/Grace Jones作。Sly & Robbieの力強いリズムが牽引する哀愁シンセ・ポップ調のダンサブル・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=iaJ7wRj_qXM

Grace Jonesの他作品もチェックを!

『Portfolio』(1977年)
ポートフォリオ

『Fame』(1978年)
Fame

『Muse』(1979年)
Muse

『Warm Leatherette』(1980年)
Grace Jones - Warm Leatherette

『Nightclubbing』(1981年)
Nightclubbing

『Slave To The Rhythm』(1985年)
Slave to the Rhythm

『Inside Story』(1986年)
Inside Story by Jones, Grace (2004-05-18) 【並行輸入品】

『Inside Story』(1989年)
Bulletproof Heart (Rmxs)
posted by ez at 03:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする