2019年05月19日

Dwight Trible『Mothership』

L.A.ジャズ界の重要シンガーの最新作☆Dwight Trible『Mothership』
マザーシップ
発表年:2019年
ez的ジャンル:L.A.ジャズ系男性ジャズ・ヴォーカル
気分は... :幽玄の美・・・

今回は新作ジャズからDwight Trible『Mothership』です。

オハイオ州シンシナティ出身、Carlos Ninoによるスピリチュアル・ジャズ・ユニットBuild An Arkへの参加でも知られるL.A.を拠点に活動するシンガーDwight Tribleの紹介は、UKのジャズ・トランぺッターMatthew Halsallと共演したDwight Trible With Matthew Halsall『Inspirations』(2017年)に続き2回目となります。

UKの注目ジャズ・レーベルGearbox Recordsからのリリースです。

当ブログで紹介した作品であれば、Moses Boyd Exodus『Displaced Diaspora』(2018年)、Theon Cross『Fyah』(2019年)といったアルバムがGearbox Recordsからのリリースです。

レコーディング・メンバーはDwight Trible(vo)以下、Kamasi Washington(ts)、Mark De Clive-Lowe(p)、John B. Williams(b)、Ramses Rodriguez(ds)、Maia(harp)、Miguel Atwood-Ferguson(viola)、Derf Reklaw(per)、Carlos Nino(hand per)という面々です。特に、すっかりジャズ・ピアニストになってしまったMark De Clive-Loweのピアノがアルバムに大きく貢献しています。

Gearbox Recordsの総帥Darrel Sheinmanのプロデュースです。

Dwight Tribleらしい深淵な低音ヴォーカルが映えるバラード中心の構成です。しかしながら、一口にバラードと言っても、さまざまなヴォーカル・スタイルで聴かせてくれるので、飽きさせない構成になっています。

スピリチュアル・ジャズのイメージが強いですが、オーセンティックなジャズ・バラードからソウルフルなバラードまで、あの手この手でDwight Tribleらしい深淵な歌世界を披露してくれます。

本作を象徴するタイトル曲「Mothership」、言霊のようなヴォーカルが映える「Brother Where Are You?」Beatlesの秀逸カヴァー「Tomorrow Never Knows」Donny Hathawayのディープなカヴァー「Thank You Master」、スピリチュアル・ジャズらしい「Desert Fairy Princess」、ビューティフル・バラード「These Things You Are To Me」あたりが僕のおススメです。

Dwight Tribleの濃密で深遠なジャズ・ヴォーカル・ワールドを満喫できる1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Mothership」
Horace Tapscott/Linda Hill作。ジャズ・ピアニストHorace Tapscottのオリジナルはアルバム『Aiee! The Phantom』(1996年)に収録されています。Dwightの深遠な低音ヴォーカルが映えるオープニング。幽玄な音楽美を感じるオープニング。Mark De Clive-Loweのピアノ、Kamasi Washingtonのテナーな深遠なジャズ・ワールドを演出します。
https://www.youtube.com/watch?v=DS4B0u3FRBc

「It's All About Love」
Dwight Trible作。軽くラテン・フレイヴァーを効かせたスピリチュアル・ジャズ。大きな愛で聴く者を包み込んでくれます。ここでもMark De Clive-Loweの素晴らしいピアノを満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=HAntv-pJCTs

「Mother」
Kamau Daaood/Nate Morgan作。今週よりも先週の母の日に紹介したかったビューティフル・ジャズ・バラード。Dwightの深遠な低音ヴォーカルが胸の奥まで染み入ります。
https://www.youtube.com/watch?v=Qfif7NaHK9k

「Brother Where Are You?」
Oscar Brown Jr.のカヴァー。オリジナルはアルバム『Mr Oscar Brown Jr Goes To Washington』(1965年)に収録されています。Dwightらしいディープなスピリチュアル・ジャズ・ワールドに浸れる1曲。Dwightの魂の歌はまるで言霊のようです。
https://www.youtube.com/watch?v=3M5dkPBdi6I

「Standing In The Need Of Prayer」
トラディショナルのカヴァー。Miguel Atwood-Fergusonのヴィオラが活躍するソウルフル・バラード。Miguel Atwood-Fergusonのヴィオラが入ることで演奏全体の壮大さが一気に増します。
https://www.youtube.com/watch?v=PCGPz2OFbcw

「Song For My Mother」
James Leary作。Mark De Clive-Loweの美しいピアノに先導され、オーセンティックなジャズ・バラードをしっとりと歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=8wjUtCjRRkw

「Tomorrow Never Knows」
Beatlesのカヴァー(John Lennon/Paul McCartney作)。オリジナルはアルバム『Revolver』(1966年)に収録されています。このカヴァー・セレクトは絶妙ですね。確かに、このBeatlesソングはDwightの深遠なスピリチュアル・ジャズ・ワールドによくハマります。Miguel Atwood-Fergusonのヴィオラをはじめバッキングもサイコーです。
https://www.youtube.com/watch?v=xQZJ65maDCw

「Thank You Master」
Donny Hathawayのカヴァー。オリジナルはアルバム『Everything Is Everything』(1970年)に収録されています。前作『Inspirations』でも『Everything Is Everything』収録の「Tryin' Times」をカヴァーしていましたね。ということでDwightのDonny Hathawayカヴァーが悪いはずありません。DwightのディープでソウルフルなヴォーカルはDonny Hathawayが憑依したようです。
https://www.youtube.com/watch?v=YSa4vvlo9BA

「Desert Fairy Princess」
Dwight Trible/Jesse Sharps作。Miguel Atwood-FergusonのヴィオラとMaiaのハープが織り成す美しい響きをバックに、幽玄なDwightのヴォーカルが映える至極のスピリチュアル・ジャズ。アルバムで一番スピリチュアル・ジャズらしい曲なのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=kZ3vdD_3dGk

「Walkin' To Paradise」
Dwight Trible作。オーセンティックなジャズ・バラードですが、逆にDwightのジャズ・ヴォーカリストとしての個性が際立ちます。
https://www.youtube.com/watch?v=J0XzqoW1BsU

「These Things You Are To Me」
Carmen Lundy作。Carmen Lundyのオリジナルはアルバム『Self Portrait』(1995年)に収録されています。ここでは穏やかなヴォーカルで優しく歌い上げるビューティフル・バラード。訳もなく涙腺が緩くなりそうな感動バラードです。ここでもMark De Clive-Loweの素敵なピアノが映えます。
https://www.youtube.com/watch?v=kiGUrqk3xOY

「Some Other Time」
Adolph Green/Betty Comden/Leonard Bernstein作のスタンダードをカヴァー。Dwight Tribleならではの語り口で噛みしめるように歌い上げるバラードで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=ha6xryE8Mw4

Dwight Tribleの他作品もチェックを!

『Horace』(2001年)
Horace

『Living Water』(2004年)
Living Water [帯解説・国内仕様輸入盤] (BRZN126)

Dwight Trible & The Life Force Trio『Love Is The Answer』(2005年)
Love Is The Answer [解説付・国内盤仕様・2CD] (BRZN108)

『Cosmic』(2011年)
Cosmic

Dwight Trible With Matthew Halsall『Inspirations』(2017年)
インスピレーションズ(with マシュー・ハルソール)
posted by ez at 02:18| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする