2019年06月06日

Donell Jones『My Heart』

人気男性R&Bシンガーのデビュー作☆Donell Jones『My Heart』
My Heart
発表年:1996年
ez的ジャンル:セクシー男性R&Bシンガー・ソングライター
気分は... :心の艶...

今回は人気男性R&BシンガーDonell Jonesのデビュー・アルバム『My Heart』(1996年)です。

1973年シカゴ生まれの男性R&BシンガーDonell Jonesの紹介は、4thアルバム『Journey Of A Gemini』(2006年)、3rdアルバム『Life Goes On』(2002年)に続き3回目となります。

彼が人気男性R&Bシンガーの仲間入りするのは、次作『Where I Wanna Be』(1999年)以降ですが、このデビュー・アルバム『My Heart』(1996年)でも十分にブレイクを予感させます。

Heavy D. & The BoyzDJ Eddie Fにソングライティングの才能を見出され、BabyfaceL.A. Reidが主宰するLaFace Recordsの専属ソングライターとしてキャリアをスタートさせたDonell Jonesですが、本作は優れたソングライターとしての才とR&Bシンガーとしての魅力をバランス良く満喫できる1枚に仕上がっています。

セルフ・プロデュースがメインですが、DJ Eddie FDarin WhittingtonMookieKenny Tonge等もプロデュースに関与しています。

また、Chico DeBargeShelene ThomasTia WhittingtonPatria等がバック・コーラスで参加しています。

全体として、オーバー・プロデュースを避け、Donell Jonesのヴォーカルの良さ、楽曲の良さを際立たせているのが成功していると思います。

シングルにもなったStevie Wonderの名曲をカヴァー「Knocks Me Off My Feet」が目立ちますが、R&Bシンガー・ソングライターとしての魅力を満喫するのであれば、「I Want You To Know」「My Heart」「Yearnin'」「Wish You Were Here」「Natural Thang」「Believe In Me」「Don't Cry」あたりがおススメです。

また、彼を見出したDJ Eddie F絡みの「Waiting On You」「All About You」「You Should Know」「The Only One You Need」といったヒップ・ホップ・ソウル調のダンサブル・チューンもこの時代らしい魅力があります。

あと個人的にはZapp「Computer Love」をサンプリングした「In The Hood (Remix)」も外せません。

久々に聴き直し、Donell Jonesというアーティストの魅力が歌/ソングライティングの両面から存分に満喫できる好盤であることを再認識できました。

全曲紹介しときやす。

「In The Hood (Playas Version)」
Donell Jonesプロデュース。シングル・カットもされたオープニング。メロディを大切に優しく歌い上げるシンガー・ソングライターらしいメロウ・ミディアムです。後述するRemixと聴き比べてみるのも楽しいのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=1olpL6-RdAE

「Knocks Me Off My Feet」
Darin Whittingtonプロデュース。『Songs In The Key Of Life』に収録されたStevie Wonderの名曲をカヴァー。シングル・カットされ、USシングル・チャート第49位、同R&Bシングル・チャート第14位となっています。ビューティフル・ソングがズラリと並ぶ本作にフィットしたカヴァー・セレクトですね。R&BシンガーとしてのDonell の魅力を実感できると同時に、彼の原点のようなものを感じるグッド・カヴァーです。
https://www.youtube.com/watch?v=m-_Ej08qNu4

名曲「Knocks Me Off My Feet」について、当ブログではVybeによるカヴァーも紹介済みです。

「No Interruptions」
Donell Jonesプロデュース。セクシーに歌い上げるスロウですが、力みすぎず曲全体の雰囲気を重視しているあたりが彼らしいのかもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=tNo3st-RiMI

「Waiting On You」
DJ Eddie F/Mookieプロデュース。Gladys Knight & The Pips「The Way We Were」、Wu-Tang Clan「Can It Be All So Simple」をサンプリングしたダンサブルなヒップ・ホップ・ソウルなミディアム・グルーヴ。Shelene Thomasの華のある女声コーラスもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=6Zvl1pfmlnw

「I Want You To Know」
Donell Jonesプロデュース。美しくも切ないバラード。簡にして要を得たサウンドが曲の良さを引き立てています。
https://www.youtube.com/watch?v=svtJNh5AYhM

「My Heart」
Donell Jonesプロデュース。タイトル曲はソングライターとしての才を感じるメロウ&ジェントルなミディアム・グルーヴ。
https://www.youtube.com/watch?v=8hg2G8ez_fQ

「Yearnin'」
Donell Jonesプロデュース。この時代の男性R&Bらしいスロウ。楽曲の良さを生かす抑えたトーンのヴォーカル・スタイルがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=68bHVmrhB2o

「Wish You Were Here」
Darin Whittingtonプロデュース。Patriaの女性コーラスと共に始まる美メロ・バラード。楽曲の良さを生かすため、オーバー・プロデュースになっていないのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=zd91ylmZgTc

「All About You」
DJ Eddie F/Mark Sparksプロデュース。Kool & The Gang「Summer Madness」をサンプリングしたトラックが印象的なミディアム・グルーヴ。DJ Eddie FらしいトラックとDonellのR&Bワールドがマッチした1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=7M53jWDYQzA

「You Should Know」
DJ Eddie F/Mookieプロデュース。Junior M.A.F.I.A. feat. The Notorious B.I.G.「Player's Anthem」をサンプリング。抑えたトーンのDonellのハイトーン・ヴォーカルがよく似合う僕好みのヒップ・ホップ・ソウル。
https://www.youtube.com/watch?v=Fqvbn-XBDZA

「Natural Thang」
Donell Jonesプロデュース。派手さはありませんが、曲良し、歌良しでDonell Jonesというアーティストの魅力を存分に味わえる1曲に仕上がっています。さり気なさがサイコー!
https://www.youtube.com/watch?v=xX_cNxhafmw

「Believe In Me」
Kenny Tongeプロデュース。楽曲の良さとDonell Jonesの素敵なヴォーカルが映えるミディアム。聴いているだけで胸に込み上げてくるものがあるラブソングです。
https://www.youtube.com/watch?v=an7nltHSWFI

「In The Hood (Remix)」
Donell Jones/Mookieプロデュース。オープニングを飾った「In The Hood」のリミックス。お馴染みZapp「Computer Love」をサンプリングしたリミックスです。「Computer Love」大好きな僕にとっては嬉しいリミックスです。
https://www.youtube.com/watch?v=V3woCSkb2Cs

「Don't Cry」
Kenny Tongeプロデュース。メロディアスなミディアム・グルーヴ。本作らしい抑えたトーンが実にいい雰囲気を醸し出します。
https://www.youtube.com/watch?v=p1FFgRw2phI

「The Only One You Need」
DJ Eddie F/Mookieプロデュース。ラストはMobb Deep「Shook Ones Part II」をサンプリングしたダンサブル&キャッチーなミディアム・グルーヴで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=mM3lii2dccM

Donell Jonesの他作品もチェックを!

『Where I Wanna Be』(1999年)
Where I Wanna Be

『Life Goes On』(2002年)
Life Goes on

『Journey Of A Gemini』(2006年)
Journey of a Gemini

『The Lost Files』(2009年)
The Lost Files

『Lyrics』(2011年)
Lyrics

『Forever』(2013年)
Forever
posted by ez at 01:34| Comment(2) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月05日

Tina Brooks『True Blue』

幻のテナー・サックス奏者。生前唯一リリースのリーダー作☆Tina Brooks『True Blue』
トゥルー・ブルー(紙ジャケット仕様)
録音年:1960年
ez的ジャンル:幻のテナー・サックス奏者系ハードバップ
気分は... :謎は深まるばかり...

今回は60年代ジャズからBlue Noteハードバップ傑作の誉れ高い1枚、Tina Brooks『True Blue』(1960年)です。

Tina Brooks(1942-74年)はてノースカロライナ州生まれのテナー・サックス奏者。

ヴァイヴ奏者Lionel Hampton、トランペット奏者Benny Harrisのグループに参加した後、1958年にJimmy Smithのサイドメンとして初のレコーディングを行います。その直後にはArt Blakey(ds)、Lee Morgan(tp)、Sonny Clark(p)といった大物を従えて、初リーダー作『Minor Move』Blue Noteでレコーディングしますが、何故かお蔵入りになってしまいます。

そして、1960年に正真正銘の初リーダー作となる本作『True Blue』をレコーディングします。

1961年以降はレコーディング機会がなくなり、1974年に肝臓疾患で42歳の若さで逝去してしまったTina Brooks。結局、彼の存命中にリリースされたリーダー作は『True Blue』のみとなってしまいました。

しかし、その唯一のリーダー作『True Blue』はハードバップ傑作として今日高い評価を得ています。

レコーディング・メンバーはTina Brooks(ts)、Freddie Hubbard(tp)、Duke Jordan(p)、Sam Jones(b)、Art Taylor(ds)。

当時28歳のTina Brooksと24歳のFreddie Hubbardという若いフロント二管のプレイが魅力のアルバムです。

「Nothing Ever Changes My Love For You」以外はTina Brooksのオリジナルです。

Brooks、Hubbardが自信満々のフレーズを聴かせてくれるオープニング「Good Old Soul」、クラブジャズ的な聴き方をしてもグッとくる格好良いハードバップの「Up Tight's Creek」「Miss Hazel」、ラテン・フレイヴァーを効かせた「Theme For Doris」、印象的なテーマのリピートで中毒になりそうなタイトル曲「True Blue」、Art Taylorのドラムが上手く変化をつける「Nothing Ever Changes My Love For You」という充実の6曲です。

聴けば聴くほど、これが生前唯一のリーダー作というのが信じらない、Tina Brooksというジャズ・ミュージシャンの才に溢れた1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Good Old Soul」
Brooks、Hubbardのブルージーなアンサンブルが印象的なオープニング。ブルースのようでブルースではありません。Brooks、Hubbard共に臆することなく自信満々のフレーズを聴かせてくれます。。
https://www.youtube.com/watch?v=IAr4P9ulv5U

「Up Tight's Creek」
格好良いハードバップで疾走します。Art Taylorのドラミングに煽られ、Hubbard、Brooksのソロへ・・・特にBrooksのソロがいい雰囲気です。
https://www.youtube.com/watch?v=gCNE9sFPVog

「Theme For Doris」
僕好みのラテン・フレイヴァーを効かせた演奏です。特にBrooks、Hubbardの鮮やかなアンサンブルがいいですね。軽やかなDuke Jordanのピアノもグッド!Brooksのソロも存分に堪能できます。
https://www.youtube.com/watch?v=nt0YUclyGAY

「True Blue」
タイトル曲は印象的なテーマのリピートで中毒になりそうなインパクトのある演奏です。こういう聴かせ方もあるんですね。Brooksのセンスを感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=XCQ4ElOXlwQ

「Miss Hazel」
痛快なハードバップで一気に駆け抜けます。Brooksのソロに触発されたかのように、Hubbardが格好良いソロでキメてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=1-ANZvUcTpk

「Nothing Ever Changes My Love For You」
Jack Segal/Marvin Fisher作。ラストはスタンダード・カヴァー。Art Taylorのドラムが上手く変化をつけながら、いいムードの演奏を聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=uR5ALgE34ag

ご興味がある方は1980年にようやく日の目を見た『Minor Move』もチェックを!

『Minor Move』(1958年録音)
Minor Move
posted by ez at 03:10| Comment(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月04日

Windy City『Let Me Ride』

シカゴ・ソウル・クラシック!☆Windy City『Let Me Ride』
レット・ミー・ライド(紙ジャケット仕様)
発表年:1977年
ez的ジャンル:シカゴ・ソウル・グループ
気分は... :風の街シカゴ!

今回はシカゴ・ソウルの実力派グループWindy City唯一のアルバム『Let Me Ride』(1977年)です。

Windy Cityは1969年に"風の街(Windy City)"シカゴで結成された男性ソウル・グループ。

結成時のメンバーはRaymond BennettReginald ButlerDarryl ButlerMorris ButlerSamuel Beasleyの5名。その後、Reginald Butlerが抜け、1972年よりCarl Winbushがグループに参加しています。

Willie Hendersonプロデュースによる「If By Chance」(1974年)、Otis Leavillプロデュースによる「Good Guys Don't Always Win 」(1975年)といったシングルをリリースした後、シカゴ・ソウルの名プロデューサーCarl Davisが設立したChi Sound Recordsに迎えられ、制作されたアルバムが本作『Let Me Ride』(1977年)です。

プロデュースは勿論Carl Davis

スロウ・バラードとダンサブル・チューン共に充実したシカゴ・ソウルの魅力を存分に満喫できる1枚です。

スロウであれば、Sam Dees作の「Win Or Lose」「Good Guys Don't Always Win」「Fool Or Your Man」という3曲やタイトル曲「Let Me Ride」がおススメです。

ダンサブル系であれば、Tom Tom 84のアレンジが冴える「(So You Think) Somethin's Missin'」「Learnin'」「I've Got Mine」Carl Davis & The Chi-Sound Orchestraヴァージョンでもお馴染みのレア・グルーヴ人気曲「Introduction: Windy City Theme」がおススメです。

歌良し、ハーモニー良し、曲良し、アレンジ良し!
シカゴ・ソウル・クラシックをご堪能あれ!

全曲紹介しときやす。

「Introduction: Windy City Theme」
L. Honore/Tom Tom 84作。Carl Davis & The Chi-Sound Orchestraヴァージョンでもお馴染みのレア・グルーヴ人気曲。1分半の短いイントロダクションながらも軽快なディスコ・チューンに仕上がっています。もっと長尺で聴きたい!
https://www.youtube.com/watch?v=uK-0QNk8wsI

「(So You Think) Somethin's Missin'」
Raymond Bennett作。Tom Tom 84のアレンジの冴えるダンサブルなグルーヴィー・ソウル。シカゴ・ソウルらしい魅力もあるのでは?個人的には一番のお気に入りです。

「Win Or Lose」
Sam Dees作。曲良し!歌良し!ハーモニー良し!の絶品スロウ。素敵なシカゴ・ソウル・ワールドにどっぷり浸ることができます。Shareefa「Assumptions」のサンプリング・ソースとなっています。
https://www.youtube.com/watch?v=Uinc5_rDqXI

「Gimme Some」
Raymond Bennett作。シングル「Fool Or Your Man」のB面曲。ファンクネスの効いたダイナミック・サウンドが印象的です。ただし、サウンドが目立ちすぎているのが玉に瑕ですが。
https://www.youtube.com/watch?v=TeHZubLo_Rw

「Feeling Like I Don't Belong」
Darryl Butler作。しみじみと歌い上げるスロウ。いい曲ですが、アルバム全体の中で少し埋もれ気味かも?
https://www.youtube.com/watch?v=DVnGbGSS4Cg

「Let Me Ride」
Raymond Bennett作。メロウなイントロだけでグッとくるタイトル曲。ジワジワくるメロウ・バラードですが間が絶妙ですね。余韻の美学を感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=y7H3L5lmnlQ

9th Wonder「LetMeRideSoul!!!!」、Actual Proof「Let Me Ride」、Scribe feat. David Dallas「Let Me Ride」、KD feat. Freddie Gibbs「Let Me Ride」、Kooley High「David Thompson」のサンプリング・ソースとなっています。
9th Wonder「LetMeRideSoul!!!!」
 https://www.youtube.com/watch?v=XRX7UQoNwJk
Actual Proof「Let Me Ride」
 https://www.youtube.com/watch?v=3TO6Lf0wqpU
Scribe feat. David Dallas「Let Me Ride」
 https://www.youtube.com/watch?v=yUa9wGTaRpE
KD feat. Freddie Gibbs「Let Me Ride」
 https://www.youtube.com/watch?v=bDmpPqZsA-o
Kooley High「David Thompson」
 https://www.youtube.com/watch?v=oOet0FeHtgk

「Learnin'」
Darryl Butler/Morris Butler/Reginald Butler/Raymond Bennett/Samuel Beasley/Carl Winbush作。ファンキーに疾走しますが、シカゴ・ソウルらしさも満喫でききます。ここでもTom Tom 84のアレンジ・センスが冴え渡ります。

「Good Guys Don't Always Win」
Sam Dees作。前述のように1975年のシングル曲。さすがSam Deesと思わせる良曲ですね。そんな良曲が実力派グループの魅力を見事に引き出していると思います。
https://www.youtube.com/watch?v=vSfbWPe5ewE

「Fool Or Your Man」
Sam Dees作。シングル・カットもされたミディアム・ソウル。派手さはありませんが実力派ソウル・グループらしい安定感があります。
https://www.youtube.com/watch?v=vvlMDtoCLF4

Nipsey Hussle「Rap Music」のサンプリング・ソースとなっています。
Nipsey Hussle「Rap Music」
 https://www.youtube.com/watch?v=BFxzX-zJ0DU

「I've Got Mine」
Darryl Butler作。Tom Tom 84のアレンジ・センスが全開するダンサブル・チューン。ヴォーカル以上にサウンドが突出している気もしますが、いい出来です。
https://www.youtube.com/watch?v=3hTR0qRTRDU

「If By Chance」
Darryl Butler作。前述のように1974年のシングル曲。ジワジワと沁みてくるスロウ・チューンにはさり気ない魅力があります。
https://www.youtube.com/watch?v=E7YvV0cNrYM

Pro Era feat. Super Helpful「Lawns」、bsd.u「If We Meet Again」等のサンプリング・ソースとなっています。
Pro Era feat. Super Helpful「Lawns」
 https://www.youtube.com/watch?v=Sm8idDb3B00
bsd.u「If We Meet Again」
 https://www.youtube.com/watch?v=FuPJefx11gk

「Can You Feel It」
CDボーナス・トラック。1988年にChi Soundからリリースされたシングル。Joe Henderson/ Morris Butler作。80年代ならではのサウンドですが、シカゴ・ソウルらしさも残っており、グループの魅力を楽しめる1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=ZJmPYNUEb5Y

本作はジャケもキマっていますよね。
最初はてっきり女性アーティストのアルバムだと思っていました(笑)
posted by ez at 02:59| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月03日

The Family Stand『Chain』

Sandra St. Victorらによる男女R&Bトリオ☆The Family Stand『Chain』
Chain
発表年:1989年
ez的ジャンル:男女R&Bトリオ
気分は... :根源的時間を生きる!

今回は3人組R&BユニットThe Family Standの1stアルバム『Chain』(1989年)です。

The Family Standは女性R&BシンガーSandra St. VictorPeter Lord MorelandV. Jeffrey Smithという男性ミュージシャン2人がN.Y.で結成したR&Bユニット。

前身のEvon Geffries and the Stand名義でアルバム『Chapters: A Novel』(1987年)をリリースした後、グループ名をThe Family Standと改め、その第一弾アルバムとなったのが本作『Chain』(1989年)です。

1991年には2ndアルバム『Moon in Scorpio』をリリースし、それと前後してPaula Abdul『Spellbound』のプロデュース&ソングライティングで成功を収めました。

しかしながら、Sandra St. Victorがソロ転向のため、グループを脱退してしまいます。グループにはSandraの後釜としてJacci McGheeが加入し、アルバム『Connected』(1998年)をリリースしています。

その後、2006年にオリジナル・メンバー3名でリユニオンし、2007年にはリユニオン・アルバム『Super Sol Nova Vol.1』をリリースします。

The Family Stand名義の初アルバムとなる本作『Chain』(1989年)からはUKチャート第10位となったグループ最大のヒット「Ghetto Heaven」が生まれています。ただし、シングルのメインはSoul II Soul(Jazzie B/Nellee Hooper)によるリミックスでしたが。

プロデュースはJeffrey SmithPeter Lordという男性メンバー2名。

どうしてもシングルになった「Ghetto Heaven (Remix)」およびオリジナル・ヴァージョンの「Ghetto Heaven」が目立ってしまいますかね。

他に「In Summer I Fall」「Sweet Liberation」の2曲がシングル・カットされていますが、個人的には「Twisted」「Avenue Lust」「Little White, Little Black Lies」といったこのグループらしいダンサブル・チューンがおススメです。

アルバム全体としては、ダンサブルながらもロック・フィーリングが随所に散りばめられているのも印象的です。ブラック・ロック路線は次作『Moon in Scorpio』(1991年)で推し進められることになりますが・・・

3人の才能を十分に感じる充実の1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Ghetto Heaven」
前述のようにUKチャート第10位となったシングルのアルバム・ヴァージョン。リミックス・ヴァージョンと比較すると分が悪いかもしれませんが、Dexter Wansel「Theme From the Planets」、James BrownJames Brown「Funky Drummer」 、Bobby Byrd「Hot Pants (Bonus Beats) 」、Syl Johnson「Different Strokes」をサンプリングした本ヴァージョンのダンサブル感も悪くありません。
https://www.youtube.com/watch?v=rI2-woTkPJg

「Twisted」
シングル向きの格好良いダンサブル・チューン。男性メンバー2名の美学が貫かれたFamily Standらしいファンク・チューンだと思います。ホーン・アンサンブルもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=hVBVb2TmvuM

「Only」
男性メンバー2名中心のダンサブル・チューン。Mike Campbellのギターが盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=VT-qMrOZS_s

「In Summer I Fall」
この曲もシングルになりました。Sandra St. Victorの圧倒的なソウルフル・ヴォーカルが映えるミディアム。やはり彼女のヴォーカルの存在感は抜群ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=ROB655-WBLs

「Ovasaxed」
Jeffrey Smithのサックスをフィーチャーしたインスト。
https://www.youtube.com/watch?v=yRGL1jz2cmg

「Sweet Liberation」
この曲もシングルになりました。ヘヴィなビートにエモーショナルな男女ヴォーカルで迫るミディアム・グルーヴ。Tanya Willoughbyのヴァイオリンがアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=9-N-4cpp6RY

「The Last Temptation」
ロック・フィーリングの効いたミディアム・バラードをエモーショナルに歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=LKs6ZCksIi8

「Chain」
タイトル曲はギターが唸るロック調のミディアム・グルーヴ。このグループの志向性がよく分かる1曲かもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=progtGb5jPM

「Avenue Lust」
ファルセット・ヴォーカルを駆使したセクシーなダンサブル・チューン。妖しげな魅力が漂います。
https://www.youtube.com/watch?v=casJAfB-9Fg

「Little White, Little Black Lies」
本編のラストは男女ツイン・リードによるキャッチーで妖しげなファンク・チューンで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=JakbYtBtIJI

「Ghetto Heaven (Remix)」
シングル・ヒットしたSoul II Soul(Jazzie B/Nellee Hooper)によるグラウンドビートのリミックス。Coke Escovedo「I Wouldn't Change a Thing」をサンプリングし、James Brown「Can I Get Some Help」の声ネタも使っています。乗りに乗っていた当時のSoul II Soulの勢いを感じるリミックスです。Common feat. D'Angelo「Geto Heaven」でも使われています。
僕の保有するCDにはボーナス・トラック的扱いで収録されていますが、盤によっては未収録のものもあるようなので購入時にはご留意ください。
https://www.youtube.com/watch?v=IFoBTl5qT0M

The Family Standの他作品もチェックを!

Evon Geffries And The Stand『Chapters: A Novel』(1987年)
Chapters: A Novel By

『Moon in Scorpio』(1991年)
Moon in Scorpio

『Connected』(1998年)
Connected

『Super Sol Nova Vol.1』(2007年)
スーパー・ソル・ノヴァ Vol.1
posted by ez at 02:04| Comment(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月02日

Mark Guiliana『Beat Music! Beat Music! Beat Music!』

ビート・ミュージック全開の最新作☆Mark Guiliana『Beat Music! Beat Music! Beat Music!』
BEAT MUSIC! BEAT MUSIC! BEAT MUSIC! [日本語解説つき]
発表年:2015年
ez的ジャンル:新進ジャズ・ドラマー系ビート・ミュージック
気分は... :却来(きゃくらい)!

今回は鬼才ジャズ・ドラマーMark Guilianaの最新作『Beat Music! Beat Music! Beat Music!』です。

現在ジャズ・シーンで最も旬なドラマーの一人Mark Guilianaの紹介は、『My Life Starts Now』(2014年)、Mark Guiliana Jazz Quartet名義の『Family First』(2015年)に続き3回目となります。

アコースティック・ジャズとエクスペリメンタルなミニマル/ビート・ミュージックという2方向のアプローチを行き来するMark Guilianaですが、本作『Beat Music! Beat Music! Beat Music!』はタイトルが示すように後者のアプローチによる新作です。

全体の印象としては、『My Life Starts Now』(2014年)に近い雰囲気ですね。

レコーディングにはMark Guiliana(ds、electronics、vo)以下、Chris Morrissey(b)、Stu Brooks(b)、Jonathan Maron(b)、Tim Lefebvre(b)、Jason Lindner(syn、melodica)、BIGYUKI(syn)、Jeff Babko(syn)、Nate Werth(per)、Troy Zeigler(electronics)、Steve Wall(electronics)、Cole Whittle(spoken word)、Jeff Taylor(spoken word)、さらにはMarkのパートナーであるN.Y.コンテンポラリー・ジャズの歌姫Gretchen Parlato(spoken word)、Markの息子Marley Guiliana(spoken word)が参加しています。

これまでのMark Guilianaでお馴染みのメンバーが中心です。

Jason Lindnerは、Markも参加するユニットNow Vs Nowの同僚。Stu Brooksは、ダビー・バンドDub Trioでも活躍するベーシスト。Jeff BabkoTim Lefebvreは、鬼才Louis Coleも属するユニットCrow Nutsのメンバー。Nate Werthは、人気ジャズ・ミクスチャー・バンドSnarky Puppyのメンバー。BIGYUKIは、もはや説明不要の日本人キーボード奏者。Jonathan Maronは、N.Y.のジャズ・ファンク・グループGroove CollectiveおよびRepercussionsの元メンバー。

また、Steve Wallはミックスも担当に、本作に大きく貢献しているようです。

実に聴きやすい音だなぁ!というのがアルバム全体の印象です。初心者でも楽しめる"開かれたビート・ミュージック"といった感じでしょうか。

エクスペリメンタルなビート・ミュージックでありながらも、ダンサブル/ポップなエッセンスを上手く織り交ぜ、無機質なビート感覚と温もりのあるエレクトロニカ・サウンドを巧みに融合させているのがいいですね。

あとはダビー・バンドDub Trioでも活躍するベーシストStu Brooksの参加曲を中心に、ビート・ミュージックの中にレゲエ/ダブを上手く取り込んでいる演奏も目立ちます。

もはやジャズ作品とは呼べない内容ですが、鬼才ジャズ・ドラマーのビート感覚を楽しむという意味では、現在進行形ジャズの側面も残しています。

能の大成者、世阿弥が用いた「却来(きゃくらい)」(元々は禅語の「却来(きゃらい)」)という言葉があります。「高い段階に一度到達した後に、あえて低い位に立ち戻る」という意味であり、芸を究めた者が目利きの観客(上級者)しかわからない高位の芸ではなく、あえて目利かずの観客(初心者)でも理解しやすい低位の芸を披露するといったものです。

本作におけるMark Guilianaは、正に「却来」的アプローチで初心者でも楽しめるビート・ミュージックを聴かせてくれます。

Beat Music!を3回連呼させるタイトルに相応しいビート・ミュージック・ワールドをぜひお楽しみください。

全曲紹介しときやす。

「Girl」
ビートミュージックらしいミニマルなオープニング。今ジャズ・ドラマーらしいビート感覚と同時に、本作らしいレゲエ/ダブのエッセンスも織り交ぜたアルバムを象徴するオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=PYq758xhxOU

「Bones」
推進力のあるグルーヴが印象的なキャッチーなダンサブル・チューン。Louis Coleあたりに通じるポップ・センスがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=TOkxahVcOdI

「Bud」
Stu Brooksの地を這うベースが先導する哀愁エレクトロニカ・ダビー。ビートミュージックならではのダビー・サウンドになっているのがいいですね。無機質なのに、その先にエレクトロニカな温もりを感じるのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=x4iDFwLmWS4

「Bullet」
新幹線の京都駅でのアナウンスを素材にしたダンサブルなビートミュージック。サウンドも駅構内アナウンスという素材の選び方もビートミュージックらしい1曲に仕上がっていて楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=4vIcwoXkR0I

「Home」
エレクトロニカなミニマル・ワールドが展開されます。
https://www.youtube.com/watch?v=gDONPcIi4FM

「Roast」
ビートミュージックらしい疾走感が格好良いダンサブル・チューン。初心者もとっつきやすい開かれたビートミュージックになっているのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=pkGwrj8FHEA

「Human」
モロにレゲエな感じでスタートしますが、中盤以降はビートミュージックが浸食し、エキサイティングな展開に・・・
https://www.youtube.com/watch?v=qBoUSTgpimQ

「Bloom」
パートナーGretchen Parlato、息子Marley Guilianaが参加。温かみのあるエレクトロニカに仕上がっています。

「Stream」
ラストはJason Lindnerのメロディカが印象的なレゲエ/ダブのエッセンスを強調した演奏で締め括ってくれます。

Mark Guiliana関連の他作品もチェックを!

Mehliana『Taming The Dragon』(2014年)
Mehliana: Taming the Dragon

『My Life Starts Now』(2014年)
My Life Starts Now[日本語解説付]

『Beat Music:The Los Angels Improvisations』(2014年)
Beat Music : The Los Angels Improvisations[日本語解説付]

Mark Guiliana Jazz Quartet『Family First』(2015年)
Family First[ボーナストラック収録・日本語解説つき]

Mark Guiliana Jazz Quartet『Jersey』(2017年)
Jersey [ボーナストラック収録/日本語解説つき]

Now Vs Now『Earth Analog』(2013年)
Earth Analog

Now Vs Now『The Buffering Cocoon』(2018年)
Buffering Cocoon
posted by ez at 04:34| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする