2020年03月31日

The Sweet Inspirations『What the World Needs Now is Love』

Bacharach作品カヴァーが印象的な3rdThe Sweet Inspirations『What the World Needs Now is Love』(1968年)
世界は愛を求めてる
発表年:1968年
ez的ジャンル:黒人女性ヴォーカル・グループ。
気分は... :世界は愛を求めてる・・・

今週から完全に在宅ワーク体制。
新型コロナ以前から週の半分は在宅ワークだったので、自宅で仕事すること自体はいつも通りですが、オフィス勤めだった周囲の人たちが在宅ワークとなることで、Zoomでのミーティングが増えるなど仕事のやり方に変化が生じつつあります。

そんな中で、やはり昨日の志村けんさんの逝去は衝撃的でした。知人からのLineで知らされ、慌ててTVをつける各局が一斉に速報で伝えており、一気に眠気が吹き飛びました。

危機意識が希薄な人も多い日本において大きなインパクトを与えましたね。この訃報で多くの日本人が目覚めて、不要不急の外出自粛を徹底することが、志村さんへの供養となるのではないしょうか。

外出せずに家で音楽を楽しもう!

さて、今回は60年代後半から70年代にかけて活躍した黒人女性ヴォーカル・グループThe Sweet Inspirationsの3rdアルバム『What the World Needs Now is Love』(1968年)です。

バック・コーラス・グループからソロ・グループとなったThe Sweet Inspirationsの紹介は、『Estelle, Myrna And Sylvia』(1973年)に続き2回目となります。

3rdアルバムとなる本作『What the World Needs Now is Love』(1968年)は、前2作と同じくAtlanticからのリリースです。

2ndアルバムとなる前作『Songs of Faith & Inspiration』(1968年)はゴスペル・アルバムだったので、ソウル・アルバムとしては1stアルバム『The Sweet Inspirations』(1967年)からの流れで聴いたほうがいいかもしれません。

本作におけるメンバーは、Cissy Houston(Whitney Houstonの母)、Sylvia ShemwellMyrna SmithEstelle Brownという4名。

プロデュースは前2作も手掛けたTom Dowd
Arif Mardinがアレンジャーを務めます。

全12曲。カヴァー9曲、Cissy Houstonによるオリジナル3曲という構成です。

カヴァーはソウル・カヴァーのみならず、Burt Bacharach/Hal David作品、Bee Gees、、
The Righteous Brothersなども取り上げているのが本作らしい点だと思います。

「Alfie」「What the World Needs Now Is Love」というBurt Bacharach/Hal David作品カヴァー2曲、Bee Geesのカヴァー「To Love Somebody」という冒頭3曲が印象的です。

個人的にはDon Covay作の「Watch the One Who Brings You the News」Gladys Knight & The Pipsのカヴァー「Walk in My Shoes」といったグルーヴィーな楽曲がお気に入り。

オリジナルの「You Really Didn't Mean It」「I Could Leave You Alone」もおススメです。

ゴスペル・ソウルなリード・ヴォーカル、コーラスワークを満喫しましょう。

全曲紹介しときやす。

「Alfie」
Burt Bacharach/Hal David作品カヴァー1曲目。Dionne Warwickが歌った映画『Alfie』の主題歌となった名曲のカヴァーです(オリジナル・レコーディングはCilla Black)。Vanessa Williamsなどのカヴァーでもお馴染みですね。当ブログではDelfonicsChristopher ScottThe Buddy Rich Big Bandのカヴァーも紹介済みです。エレガントなアレンジをバックに、黒人コーラス・グループらしいコーラスワークで魅せてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=-b_xwXDGHL0

「What the World Needs Now Is Love」
Burt Bacharach/Hal David作品カヴァー2曲目。Jackie DeShannonのヒット曲をカヴァー。当ブログではCal TjaderEnoch LightDwight Trible With Matthew HalsallSamuel Jonathan Johnsonヴァージョンも紹介済みです。「Alfie」以上にゴスペル・ソウルな味わいが強く、このグループらしい圧倒的なヴォーカルワークを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=X2g3R1WeW1s

DJ Babu「Love」、DJ Babu feat. Termanology「Guns Gon' Blow」等のサンプリング・ソースとなっています。
DJ Babu「Love」
 https://www.youtube.com/watch?v=0Mq6d324Ik8
DJ Babu feat. Termanology「Guns Gon' Blow」
 https://www.youtube.com/watch?v=83Vj2u7Fk1U

「To Love Somebody」
Bee Geesのヒット曲カヴァー(Barry Gibb/Robin Gibb作)。当ブログでは『Bee Gees 1st』(1967年)に収録されたオリジナルやP. P. ArnoldRobin McKelle & The Flytonesのカヴァーを紹介済みです。味わい深いソウル・チューンで、この曲の魅力を再認識させてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=7IaS6TlupI4

「Watch the One Who Brings You the News」
Don Covay作品をカヴァー。Millie Jacksonヴァージョンでも知られる楽曲です。僕の一番のお気に入りはコレ。実力派黒人ヴォーカル・グループならでは味わいとノリのいい軽快なソウル・グルーヴがたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=6Y0nUVQE_wE

Millie Jackson「Watch the One Who Brings You the News」
 https://www.youtube.com/watch?v=YW1t91s673w

「Am I Ever Gonna See My Baby Again」
Aldora Britton、1967年のシングル曲をカヴァー(Ralph Bartey/Johnny Northern/Rudy Clark作)。情感たっぷりに歌い上げるソウル・バラード。ゴスペル仕込みのヴォーカルには迫力があります。
https://www.youtube.com/watch?v=f1c5gqwxY1E

「Unchained Melody」
The Righteous Brothers、1965年の大ヒット曲をカヴァー(Alex North/Hy Zaret作)。オリジナルの雰囲気とは異なるThe Sweet Inspirationsならではの「Unchained Melody」を聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=uGWzeL-mV0k

「You Really Didn't Mean It」
Cissy Houston作。Cissyのオリジナル1曲目。美しいストリングスをバックに、Cissyが圧倒的なヴォーカルを聴かせてくる感動バラード。このCissyのヴォーカルを聴いていると、娘の今は亡きWhitneyを思い出してしまいます。
https://www.youtube.com/watch?v=EGc69ibQg_I

「Walk in My Shoes」
Gladys Knight & The Pips、1966年のシングル曲をカヴァー(Kay Lewis/Helen Lewis作)。これも大好き!ゴスペル・ソウルな魅力全開のグルーヴィー・チューン
https://www.youtube.com/watch?v=bxqaKNeeaWg

「Where Did It Go」
Cissy Houston作。Cissyのオリジナル2曲目。ゴスペル・モードのバラード。オルガンの音色がいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=2KfjNkYgwKA

「I Could Leave You Alone」
Cissy Houston作。Cissyのオリジナル3曲目。ゴスペル・ソウルな躍動感がいい感じのグルーヴィー・ソウル。
https://www.youtube.com/watch?v=Yg0kaoPwMas

「That's How Strong My Love Is」
Roosevelt Jamison作。O. V. Wrightのデビュー・シングルであり、Otis ReddingやRolling Stones
も歌った名曲をカヴァー。当ブログではLaura LeeTommie Youngのカヴァーも紹介済みです。ここではコーラスワークの素晴らしさを前面に打ち出しています、
https://www.youtube.com/watch?v=kjA5ZPsfH04

「I Don't Want to Go on Without You」
The Drifters、1964年のシングル曲をカヴァー(Jerry Wexler/Bert Russell作)。ラストは美しいストリングスをバックに、しみじみと歌い上げるソウル・バラードで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=R_DOCrh-Dy8

The Sweet Inspirationsの他作品もチェックを!

『The Sweet Inspirations』(1967年)
スウィート・インスピレイションズ

『Songs of Faith & Inspiration』(1968年)
ソングス・オブ・フェイス&インスピレイション

『Sweets for My Sweet』(1969年)
Sweets for My Sweet

『Sweet Sweet Soul』(1970年)
スウィート、スウィート・ソウル

『Estelle, Myrna And Sylvia』(1973年)
Estelle, Myrna and Sylvia by Sweet Inspirations (1991-05-03)
posted by ez at 02:31| Comment(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月29日

Shabaka And The Ancestors『We Are Sent Here By History』

次世代UKジャズの旗手が放つ現代のグリオ☆Shabaka And The Ancestors『We Are Sent Here By History』
ウィー・アー・セント・ヒア・バイ・ヒストリー
発表年:2020年
ez的ジャンル:次世代UKジャズ/アフロ・ジャズ
気分は... :外出自粛の夜には・・・

新作から次世代UKジャズの旗手の一人Shabaka Hutchings率いるShabaka And The Ancestorsの最新作『We Are Sent Here By History』です。

1984年ロンドン生まれのサックス/クラリネット奏者Shabaka Hutchingsについては、Sons Of Kemet『Your Queen Is A Reptile』(2018年)を紹介しています。

Sons Of KemetThe Comet Is ComingMelt Yourself Downといったユニットでも作品をリリースしているShabaka Hutchings

今回紹介するShabaka And The Ancestorsは、Shabaka Hutchingsが南アフリカの精鋭ジャズ・ミュージシャンと組んだユニット。

本作『We Are Sent Here By History』は、『Wisdom Of Elders』(2016年)に続く2ndアルバムとなります。名門Impulse!からのリリースです。

本作におけるShabaka And The Ancestorsメンバーは、Shabaka Hutchings(ts、clarinet)、Mthunzi Mvubu(as)、Siyabonga Mthembu(voice)、Gontse Makhene (per)、Ariel Zamonsky(b)、Tumi Mogorosi(ds)という6名。

それ以外にNduduzo Makhathini(el-p)、Mandla Mlangeni(tp)という前作メンバーやThandi Ntuli(p)が参加しています。

楽曲はすべてShabakaのオリジナルです。

本作はShabakaが現代におけるグリオとして作ったのだとか。
グリオとは文字を持たなかった人々が神話や歴史を歌にして吟じた西アフリカの伝承音楽のことです。

アフロ・ジャズ、アフリカの伝統音楽、カリブのエッセンスが加わった次世代UKブラックジャズは、今の僕の嗜好にフィットした1枚に仕上がっています。

普段ジャズを聴かない人も直感的に格好良いと感じる演奏なのでは?
クラブジャズ好きの人も意外にスンナリと聴けると思います。

主役は勿論、Shabaka Hutchingsのサックス、クラリネットですが、格好良さの肝はAriel Zamonskyのダブルベースにあると思います。

Shabaka Hutchingsが伝承したいジャズ・ワールドを確かめましょう。

全曲紹介しときやす。

「They Who Must Die」
トライバルなパーカッションにダブルベースが絡むイントロが格好良いアフロ・ジャズがオープニング。ダークでコズミックなグルーヴが僕好み。現在の世界の危機的状況とリンクさせると不吉なタイトルも気になります。
https://www.youtube.com/watch?v=rpyoP3x9-hk

「You've Been Called」
まさにストーリーテラーといった雰囲気で始まりますが、本編はしっかりブラック・ジャズしています。スピリチュアル・ジャズ好きの人にフィットするのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=4bG5dL3RUZs

「Go My Heart, Go To Heaven」
伝承音楽×ジャズな雰囲気が伝わってくる演奏です。Ariel Zamonskyの格好良いベースがShabakaのサックスを引き立てます。
https://www.youtube.com/watch?v=eg-0rBD38Lc

「Behold, The Deceiver」
コズミックな疾走感が格好良い僕好みの1曲。ShabakaとMthunzi Mvubuのホーン・アンサンブルもグッド!クラブジャズ好きの人にもフィットするのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=Y8XCaxVsslg

「Run, The Darkness Will Pass」
ここではShabakaのクラリネットを満喫できます。アフリカ×カリブ×ジャズな雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=0E-WEVbTBMQ

「The Coming Of The Strange Ones」
イントロのAriel Zamonskyのベースの格好良さで一発KOされてしまうアフロ・ジャズ。Shabakaらしいブラック・ジャズ・ワールドにテンション上がります。
https://www.youtube.com/watch?v=Crhs76o9mvw

「Beast Too Spoke Of Suffering」
フリー・ジャズでスタートし、そこにアフリカの伝統音楽のエッセンスが加わってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=0E-WEVbTBMQ

「We Will Work (On Redefining Manhood)」
序盤はグリオ的な展開ですが、それに続く本編はまたまたAriel Zamonskyのベースの格好良いベースが先導するエキサイティングな演奏です。ここでのShabakaはクラリネットを演奏していますが、彼がクラリネットをプレイすると一気にカリビアン・テイストが増すのが面白いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=vq5A4WtsrgQ

「'Til The Freedom Comes Home」
ベース、パーカッション、サックスの絡みがエキサイティングです。中盤でさらにハイテンションになっていくのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=DimK2Wjdq38

「Finally, The Man Cried」
Tumi Mogorosiのドラミングにグッとくるスケールの大きな演奏です。アフリカ×UKブラックジャズな雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=jPGDdjxfAKw

「Teach Me How To Be Vulnerable」
ラストはピアノをバックにShabakaのサックスが寂しげに響きます。この音色が示すメッセージは・・・
https://www.youtube.com/watch?v=zBMUnmZRa1A

他のShabaka Hutchings関連作品もチェックを!

Shabaka And The Ancestors『Wisdom Of Elders』(2016年)
Wisdom of Elders [帯解説 / 国内盤] (BRC529)

Sons Of Kemet『Burn』(2013年)
BURN

Sons Of Kemet『Lest We Forget What We Came Here to Do』(2015年)
LEST WE FORGET

Sons Of Kemet『Your Queen Is A Reptile』(2018年)
Your Queen Is A Reptile

Melt Yourself Down『Melt Yourself Down』(2013年)
Melt Yourself Down

Melt Yourself Down『Last Evenings On Earth』(2016年)
Last Evening On Earth

The Comet Is Coming『Channel The Spirits』(2016年)
Channel The Spirits

The Comet Is Coming『Trust In The Lifeforce Of The Deep Mystery』(2019年)
Trust in the Lifeforce..

The Comet Is Coming『Afterlife』(2019年)
Afterlife
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2020年03月28日

『今の気分は...2020年3月28日編』

外出自粛モードの週末・・・
こんな日は記事を書く気力も湧かず(泣)

なので、過去記事から10曲セレクトすることにしました。
こんなときはウイルスに打ち克つ愛に溢れた曲が聴きたい!
2010年代カテゴリーから愛のあるR&Bを中心に10曲セレクトしました。

全て過去記事で紹介済なので、気に入った曲があれば過去記事もご参照下さい。

Anthony David feat. Algebra Blessett & Phonte「For Evermore」
http://www.youtube.com/watch?v=zQDcJBrLcNQ
From 『As Above So Below』(2011年)
Above So Below

Jarrard Anthony feat. Amma Whatt「Something Like Love
https://www.youtube.com/watch?v=IC1s4OjuT9w
From 『Ready To Live』(2012年)
Ready to Live

Kindred The Family Soul「Everybody's Hustling」
http://www.youtube.com/watch?v=UpdKrknL1i8
From 『A Couple Friends』(2014年)
Couple Friends

Al Castellana & The Soul Combo「20 Days 20 Nights」
https://www.youtube.com/watch?v=GjraZ9TuPXM
From 『Al Castellana & The Soul Combo』(2013年)
al castellana & the soul combo.jpg

Charlie Wilson「I Still Have You」
https://www.youtube.com/watch?v=f1qC2_f-4ww
From 『Love, Charlie』(2013年)
Love Charlie

Resurface「You Got What I Want」
https://www.youtube.com/watch?v=pgkSRTe0mt0
From 『Where Have You Been』(2015年)
resurface where have you been.jpg

Chris Turner「Kiss Of Life」
https://www.youtube.com/watch?v=QVjb_2sSsSw
From Chris Turner『LOVElife Is A Challenge』(2014年)
LOVELIFE IS A CHALLENGE

Jay.Keyz「I Just Want to Hang Around You」
https://www.youtube.com/watch?v=xNtupM1Dq_M
From 『Lover's Race』(2011年)
Lover's Race

Lyle Divinsky「Fallin'」
https://www.youtube.com/watch?v=rjk8XR1TNl8
From 『Uneven Floors』(2016年)
アンイーヴン・フロアーズ(UNEVEN FLOORS) (直輸入盤帯ライナー付国内仕様)

Stokley feat. Estelle「U & I」
https://www.youtube.com/watch?v=8K4rB5gOjdo
From 『Introducing Stokley』(2017年)
Introducing Stokley
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2020年03月27日

Pierre Barouh『Ca Va, Ca Vient』

自身のSaravah第一弾アルバム☆Pierre Barouh『Ca Va, Ca Vient』
サ・ヴァ、サ・ヴィアン
発表年:1971年
ez的ジャンル:吟遊詩人系フレンチSSW
気分は... :逆さまに微笑むことができるかい?

今回はSaravah Recordの主宰でも知られるフランス人ミュージシャンPierre Barouhを代表する1枚、『Ca Va, Ca Vient』(1971年)です。

フランス、パリ生まれのミュージシャン、プロデューサー、俳優Pierre Barouh(1934 - 2016年)の紹介は、『Vivre』(1966年)に続き2回目となります。

本作『Ca Va, Ca Vient』(1971年)は、1966年に自身が立ち上げたSaravah Recordからリリースする自身初のアルバムであり、当時のフレンチ・ポップスに新風を吹き込んだ生命の躍動が詰め込まれたフォーキー作品です。

Pierre Barouh作品にフレンチ・ボッサを期待する人もいるかもしれませんが、本作でそれに該当するのは、Antonio Carlos Jobim/Vinicius de Moraes作のボサノヴァ名曲カヴァー「Ce N'Est Que De L'Eau(Agua De Beber)」のみです。

正直、サウンドのみ聴いていても本作の素晴らしさはわかりづらいかもしれません。単に哀愁漂う寂しげな曲のオンパレードのように聴こえるかも?

本作は歌詞内容とサウンドをセットで聴くことで、その味わいが増してくる1枚です。

僕の所有する国内盤はPierre Barouhの奥方であった潮田敦子バルーさんによる日本語歌詞と歌詞内容についての注釈が付いています。それを読みながら聴くと、本盤の持つ生命の躍動が伝わってきます。

ぜひ日本語歌詞付の国内盤でお楽しみください。

全曲紹介しときやす。

「Ca Va, Ca Vient」
Pierre Barouh/Jerome Savary作。タイトル曲は自身が監督を務めた同名長編映画の主題歌。ビル工事の労働者がサーカス団と共に旅に出る物語です。本曲もサーカス会場のようなサウンドと共に人生のチャンスを歌います。♪逆さまに微笑むことができるかい♪と人生はさかのぼることができず、人生のチャンスに飛び込むことができるか否かは個人の選択次第であることを歌います。フランス人らしい人生観ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=V5JThrc8LSU

「De L'Amour A L'Amour」
Pierre Barouh/Jacques Datin作。以前にシングル・リリースした楽曲の再レコーデイング。時計の秒針の音のみをバックに映画的手法で描かれた歌詞を寂しげに歌います。
https://www.youtube.com/watch?v=7FiJGxEi3SM

「Le Petit Cine」
Pierre Barouh作。「小さな映画館」という邦題のイメージがピッタリの1曲。ピアノとバンジョーの軽やかな音色が印象的な旧いサイレント・ムービーのBGMのような雰囲気です。
https://www.youtube.com/watch?v=kqxumulfLiA

「Ce N'Est Que De L'Eau」
Antonio Carlos Jobim/Vinicius de Moraes作のボサノヴァ名曲「Agua De Beber(おいしい水)」をカヴァー。以前にシングル・リリースした楽曲の再レコーデイング。フランス語によるフォーキーな「おいしい水」も独得の味わいがあります。エレピのアクセントもいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=INuUneeFEJQ

本曲について、当ブログでは、Sergio Mendes & Brasil'66Wanda Sa(Wanda De Sah)Diane Denoir/Eduardo MateoAl JarreauBossacucanova & Roberto MenescalSheila Landis/Rick MatleAquarius Y Luiz AntonioSebastiao Tapajos/Maria Nazareth/Arnaldo HenriquesVida NovaTamba Trioのカヴァーを紹介済みです。

「Boite De Cirage, Creme De Marron」
Pierre Barouh/David Mac Neil作。邦題「靴墨のビンとマロンクリーム」。バンジョーとアコーディオンをバックに、マロンクリームに似ている茶色のビンに入っている靴墨を子供がなめそうに光景を歌います。
https://www.youtube.com/watch?v=5BiYZFS7LJM

「Le Courage D'Aimer」
Pierre Barouh/Francis Lai作。以前にシングル・リリースした楽曲の再レコーデイング。♪人を愛する勇気などもうない♪と歌う失恋ソング。人生どん底の哀愁感が歌&サウンドから滲み出ています。
https://www.youtube.com/watch?v=JMcX-A1tOSM

「80 A B」
Pierre Barouh/Areski Belkacem作。1940年ヴェルサイユ生まれのアルジェリア系のパーカッション奏者Areski Belkacemは、Saravahを代表する前衛的な1枚、Brigitte Fontaine『Comme A La Radio』(1969年)でも知られるミュージシャンです。そのAreski Belkacemのパーカッションが鳴り響く、トライバル&アヴァンギャルドな雰囲気の1曲です。フリー・ジャズ調のクラリネットもいい感じ。
https://www.youtube.com/watch?v=Vs0XStZjlC0

「Paris Wellington」
Pierre Barouh作。恋人がパリとは地球の裏側にあるニュージーランドのウエリントンへ行ってしまったと嘆く、寂しげな哀愁ラブソング。パリとウエリントンの距離感が伝わってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=M7gSp-gSeAs

「Decroche-Moi La Terre」
Pierre Barouh作。邦題「地球を取って」。フランスでは女性が愛を確かめるために言うわがままに対して、男性が「月を取ってと言うつもり」と反論するそうです。それを前提にここでは女性が「地球を取ってちょうだい」とわがままを言う様を描いています。ノスタルジックなサウンドも含めてフランスらしい男女の関係性が伝わってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=OGcDKpWTcdA

「La Chanson Du Port」
Pierre Barouh/Francis Lai作。以前にシングル・リリースした楽曲の再レコーデイング。フランス語の音韻を楽しむ曲なのだとか。この曲もノスタルジック&不条理な雰囲気が漂います。
https://www.youtube.com/watch?v=LDdaziPT68k

「La Foret」
Pierre Barouh/Francois De Roubaix作。邦題「森林」。環境破壊をテーマにしたフォーキー・チューン。地球環境問題が大きく取り上げられる以前に、こういった問題意識を持っていた点に感服します。
https://www.youtube.com/watch?v=93YkCk2sAfM

「Le Petit Cheval De Bois」
Pierre Barouh/Francis Lai作。邦題「小さな木馬」。街の騒音をバックに遊園地モードのワルツが展開されます。
https://www.youtube.com/watch?v=g5cSqZrYvKo

「Lorsque J'Etais Phoque」
Pierre Barouh作。邦題「僕がアザラシだった頃」。本編のラストはフランス人SSWらしいフォーキー・チューン。Pierre本人は自身を犬とアザラシの生まれ変わりと思っているのだとか。
https://www.youtube.com/watch?v=96AypcN8kZs

「Le Naufrage」
CDボーナス・トラックその1。Pierre Barouh/Michel Rivard作。リズムボックスとシンセを使ったサウンドが他の曲にはない雰囲気です。
https://www.youtube.com/watch?v=AMzKmafPE2k

「La Complainte De Ben」
CDボーナス・トラックその2。Pierre Barouh/J. Godebarge作。同名映画の主題歌。フランスらしい哀愁モードが伝わってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=Hb_jBryze7w

Pierre Barouhの他作品もチェックを!

Original Soundtrack『Un Homme Et Une Femme』(1966年)
男と女

『Vivre』(1967年)
VIVRE〜生きる

『Viking Bank』(1977年)
バイキング・バンク

『Le Pollen』(1983年)
Le Pollen
posted by ez at 01:20| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月26日

Matt Bianco『Matt Bianco』


二人Mark体制となった2nd☆Matt Bianco『Matt Bianco』
Matt Bianco
発表年:1986年
ez的ジャンル:フェイク・ボッサ/ラテン系UKポップ
気分は... :行動は自粛!家で音楽で楽しもう!

いよいよ首都東京が危うくなっていますね。

昨日仕事の道すがら中目黒駅周辺を歩いてきましたが、例年の賑わいには到底及ばないものの、自粛疲れの反動で気が緩んでいる人が多いことを実感しました。また、夜は仕事帰りで渋谷経由で帰宅しましたが、いつもの渋谷の景色には及ばないものの危機意識の希薄な若者の群れに出会い、オーバーシュートの可能性を痛感しました。

これでは都知事が会見を開くのも分かる気がします。少なくとも今日、明日はテレワークにしようと思います。

今日は日本でも根強い人気を誇るUKのポップ・ユニットMatt Biancoの2ndアルバム『Matt Bianco』(1986年)です。

1982年にロンドンで結成されたMatt Biancoの紹介は、デビュー・アルバム『Whose Side Are You On』(1984年)に続き2回目となります。

デビュー・アルバム『Whose Side Are You On』(1984年)に続く2ndアルバムとなる本作『Matt Bianco』(1986年)ですが、オリジナル・メンバーのDanny WhiteBasiaが脱退し、Mark Reilly(vo)と新加入のMark Fisher(key、b)のて二人体制で制作された作品です。

プロデュースはメンバー二人とPhil Harding。

また、女性シンガーJenni Evansがリード・ヴォーカルをとる曲もあります。

「Yeh Yeh (12" Dance Mix) 」以外はメンバー二人のオリジナルです。

確信犯的フェイク・モードのブラジル/ラテンのエッセンスを織り交ぜたダンサブルなUKポップを満喫できます。

深く考えず楽しめるUKポップ感覚が閉塞感が蔓延する今の世界情勢に安らぎを与えるのでは?

フェイク・ニュースよりフェイク・ボッサ/ラテンの方が楽しめるはず!

全曲紹介しときやす。

「Yeh Yeh (12" Dance Mix) 」
Rodgers Grant/Pat Patrick/Jon Hendricks作。Georgie Fame & The Blue Flamesの大ヒットで知られる楽曲をカヴァー。シングルはUKチャート第13位となりました。LPにはシングル・ヴァージョンが収録されていますが、CDには12" Dance Mixが収録されています。彼ららしいボッサ/ラテン風味の軽快なダンサブル・チューンで楽しませてくれます。開放的なホーン・サウンドもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=XaXgaHzcBuA
「Yeh Yeh (Single Version) 」※CD未収録
 https://www.youtube.com/watch?v=ty3lKDKXV2g

本曲に関して、当ブログではJimmy CastorMongo Santamariaのカヴァーも紹介済みです。

「Dancing in the Street」
3rdシングル。ファンカラティーナ調のポップなダンサブル・チューン。80年代らしいカラフルなポップ感覚がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=dM-7PZJ2oSE

「Undercover」
スウィンギー・ジャズ調のポップ・チューン。この当時のお洒落ポップらしい雰囲気を楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=ePaHU6GcCEM

「Fly by Night」
Jenni Evansがリード・ヴォーカルをとるメロウ・ボッサ・グルーヴ。ラテン風味も取り込んだ確信犯的なフェイク・ボッサ/ラテン・サウンドがこのユニットらしくていいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=SgiBkaDv6vw

「Smooth」
妖しげなムードのラテン風味の効いたダンス・チューン。無機質なダンス・サウンドにラテン風味、さらにはサンバのエッセンスも重ねてくる何でもアリな感じが好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=cdJnS5Jk1XE

「I Wonder」
スウィンギー×UKポップ・ソウルなミクスチャー感覚が楽しい1曲。ファストフードの高額メニュー的なお得感があります(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=wVMLCZq0JrI

「Just Can't Stand It」
「Yeh Yeh」に次ぐ2ndシングル。リラックスした雰囲気は悪くありませんが、シングルとして少し地味かも?この曲を聴いていると、本作の前年の大ヒット曲Tears For Fears「Everybody Wants To Rule The World」が聴きたくなります。
https://www.youtube.com/watch?v=SbcCC3mQ26Q

「Summer Song」
アーバン・メロウ×UKジャジー・ポップな雰囲気が心地好い1曲。80年代らしいキラキラ・モードがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=nmUbymil0z8

「Sweetest Love Affair」
スウィンギー×UKポップなバランスが絶妙な1曲。フェイク・モード全開なのに何故か憎めない抜群のセンスがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=527Lfh-rJ3I

「Up Front」
ラストはラテン・モードのポップ・ダンスで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=CCFI7sqREL4

Matt Biancoの他作品もチェックを!

『Whose Side Are You On』(1984年)
WHOSE SIDE ARE YOU ON?

『Indigo』(1988年)
インディゴ

『Samba in Your Casa』(1991年)
Samba In Your Casa

『Another Time Another Place』(1994年)
Another Time Another Place

『Gran Via』(1995年)
Gran Via

『World Go Round』(1998年)
ワールド・ゴー・ラウンド

『Rico』(2000年)
Rico by Matt Bianco

『Echoes』(2002年)
Echoes by Matt Bianco (2002-12-24)

『Matt's Mood』(2004年)
Matt's Mood by MATT BIANCO (2004-06-15)

『Wap Bam Boogie』(2006年)
Wap Bam Boogie by Matt Bianco (2006-02-22)

『Hifi Bossanova』(2009年)
HIFI BOSSANOVA

『Hideaway』(2012年)
HIDEAWAY

『Gravity』(2017年)
Gravity
posted by ez at 04:45| Comment(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする