2012年10月06日

Pharoah Sanders『Journey To The One』

クラブジャズ人気曲「You've Got To Have Freedom」参加☆Pharoah Sanders『Journey To The One』
ジャーニー・トゥ・ザ・ワン
発表年:1980年
ez的ジャンル:成熟系スピリチュアル・ジャズ
気分は... :呪縛からの解放・・・

昨晩、Martin Scorsese監督によるGeorge Harrisonのドキュメンタリー映画『Living in the Material World』を観ました。Beatles絡みのドキュメンタリーの中には(何度も観たせいか)退屈なものも少なくありませんが、『Living in the Material World』は人間George Harrisonの姿に迫っており、なかなか興味深く観ることができました。

その影響からか、今日はスピリチュアルな音が聴きたい気分です。
そこでセレクトしたのがPharoah Sanders『Journey To The One』(1980年)です。

これまで紹介してきたPharoah Sanders作品は以下の7枚です。

 『Izipho Zam』(1969年)
 『Karma』(1969年)
 『Deaf Dumb Blind (Summun Bukmun Umyun)』(1970年)
 『Thembi』(1970年)
 『Elevation』(1973年)
 『Love In Us All』(1975年)
 『Rejoice』(1981年)

『Journey To The One』は、アメリカ西海岸に移転し、インディ・レーベルTheresa Recordsと契約を交わしたSandersのTheresa第1弾アルバムとなっています。

70年代は師匠John Coltraneの意志を継ぐべく、フリー/スピリチュアルなジャズを探求し続けたPharoah Sandersですが、80年代の幕開けを飾った本作『Journey To The One』は呪縛から解放されたかのような聴きやすさが印象的なアルバムです。

メンバーはPharoah Sanders(ts)、John Hicks(p)、Ray Drummond(b)、Idris Muhammad(ds)、Eddie Henderson(flh)を基本メンバーに、曲ごとに多様なメンバーが参加しています。

本作といえば、クラブジャズ人気曲「You've Got To Have Freedom」がハイライトですが、それ以外の曲もPharoah Sanders好きならば納得のスピリチュアル・ジャズを満喫できます。琴をフィーチャーした演奏、シタール&タブラをフィーチャーした演奏などのアクセントを効かせた演奏もあり、飽きずにアルバム1枚を聴くことができます。

また、「After The Rain」「Easy To Remember」といったJohn Coltraneを意識した演奏も感動的です。

Pharoah Sandersのアルバムに難解なイメージをお持ちの方は本作や『Rejoice』(1981年)あたりから聴くといいかもしれませんね。

全曲紹介しときやす。

「Greetings To Idris」
穏やかな中にもスピリチュアルでエネルギッシュな高揚感に包まれるオープニング。Sandersらしさ失わず、実に聴きやすい演奏になっているのがいいですね。ここではCarl Lockettがギターで参加しています。
http://www.youtube.com/watch?v=cO3BSEZ3KQE

「Doktor Pitt」
小気味良く疾走するMuhammad〜Drummond〜Hicksのリズム隊に支えられ、Sandersの絶好調のテナー・ソロを満喫できます。それ続くHendersonのフリューゲルホーン、Hicksのピアノのソロもグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=JxbMddC_N_A

「Kazuko (Peace Child)」
Yoko Ito Gatesの琴、Paul Arslanianのハーモニウム、ウインドチャイム、Sandersのテナーによるオリエンタルな演奏。
http://www.youtube.com/watch?v=VOpmtFoZWjA

「After The Rain」
師匠John Coltraneの名バラードをカヴァー。当ブログでも『Impressions』の演奏を紹介済みです。ここではJoe Bonnerのピアノをバックに、美しく感動的なテナーを聴かせてくれます。天国で師匠Coltraneも喜んでいるでしょう。
http://www.youtube.com/watch?v=rPkpubkbppE

「Soledad」
James Pomerantzのシタール、Phil Fordのタブラをフィーチャーしたインド音楽+スピリチュアル・ジャズな演奏を楽しめます。シタール大好きな僕としては結構お気に入りの演奏です。。
http://www.youtube.com/watch?v=4Kkoxi-VcjA

「You've Got To Have Freedom」
本作のハイライト。クラブジャズ人気曲ですね。Bobby McFerrin、Donna (Dee Dee) Dickerson、Ngoh Spencer, Vicki Randleのヴォーカルをフィーチャーしたダンス・ジャズ・クラシックです。Sandersらしいフリー&スピリチュアルな演奏とキャッチー感をうまくバランスさせています。
http://www.youtube.com/watch?v=Ek7h2p6qj5c

DJ Smash「Blown Away」、You The Rock & DJ Ben「Over The Border」、The Next Diffusion「Ritorno Al Buon Gusto」、Channel Two「Jazz Move」、John Forty「Spring Breeze」等のサンプリング・ソースとしても定番です。また、Boogalooによるカヴァーもあります。

Boogaloo「You Gotta Have Freedom」
 http://www.youtube.com/watch?v=fAHQre831z4
DJ Smash「Blown Away」
 http://www.youtube.com/watch?v=pDvW0h7wAQI
You The Rock & DJ Ben「Over The Border」
 http://www.youtube.com/watch?v=Z_N-xM_c-_Q
The Next Diffusion「Ritorno Al Buon Gusto」
 http://www.youtube.com/watch?v=iUDrHebXrl4
Channel Two「Jazz Move」
 http://www.youtube.com/watch?v=l1vIqiyglbE

「Yemenja」
John Hicks作。洗練された演奏の中にもSandersのエモーションを感じます。作者John Hicksの小粋なピアノがグッド!Carl Lockettがギターで参加。
http://www.youtube.com/watch?v=X9fho0M4oms

「Easy To Remember」

Lorenz Hart作詞/Richard Rodgers作曲のスタンダード。師匠John Coltrane『Ballads』の演奏でお馴染みの曲でもあります。Coltraneへの想いが伝わってくる美しいバラードです。

「Think About The One」
本曲はJoy Julks(b)、Randy Merrit(ds)、Carl Lockett(g)、Joe Bonner(p)、Mark Isham(syn)、Babatunde(per)、Claudette Allen(lead vo)、Bobby McFerrin(back vo)、Donna (Dee Dee) Dickerson(back vo)、Ngoh Spencer(back vo)、Vicki Randle(back vo)というメンバー編成の異なる演奏になっています。シンセ・サウンドとClaudette Allenのソウルフル・ヴォーカルが印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=AwIihCnk4oM

「Bedria」
ラストは雄大で幻想的なスピリチュアル・ジャズによる感動的なフィナーレで締め括ってくれます。Chris Hayesがギターで参加。やはりPharoah Sandersのアルバムではこういった演奏を聴きたいですよね。
http://www.youtube.com/watch?v=eWpZcEtZ_sM

Pharoah Sandersの過去記事もご参照下さい。

『Izipho Zam』(1969年)
Izipho Zam

『Karma』(1969年)
カーマ

『Deaf Dumb Blind (Summun Bukmun Umyun)』(1970年)
SUMMUM BUKMUM UMYUM(紙ジャケット仕様)

『Thembi』(1970年)
Thembi

『Elevation』(1973年)
Elevation (Reis)

『Love In Us All』(1975年)
ラヴ・イン・アス・オール(紙ジャケット仕様)

『Rejoice』(1981年)
リジョイス
posted by ez at 18:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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