2014年10月26日

Becca Stevens Band『Perfect Animal』

インディー・ロック寄りに舵を切った話題の女性SSWの新作☆Becca Stevens Band『Perfect Animal』
パーフェクト・アニマル
発表年:2014年
ez的ジャンル:女性SSW系インディー・ロック/ハイブリッド・フォーキー
気分は... :「静」から「動」へ!

今回は今年最も注目されている女性シンガー・ソングライターの一人、Becca Stevens待望の新作Becca Stevens Band『Perfect Animal』です。

ノースカロライナ出身、N.Y.のニュースクール大学でジャズ・ヴォーカルを専攻し、現在もN.Y.を拠点に活動する女性シンガー・ソングライターBecca Stevensの紹介は、Becca Stevens Band名義の2ndアルバム『Weightless』(2011年)に続き2回目となります。

今年話題の音楽ムック本『Jazz The New Chapter』および『Jazz The New Chapter 2』で大きくクローズ・アップされ、一躍注目の女性シンガー・ソングライターとなったBecca Stevens

当ブログでも、この数ヵ月で前述のBecca Stevens Band『Weightless』(2011年)をはじめ、Jose James『While You Were Sleeping』 (2014年)、Gideon Van Gelder『Lighthouse』(2014年)、Taylor Eigsti『Daylight at Midnight』(2010年)とBecca Stevens関連作品を紹介しています。

そして、周囲の期待が大きく高まった中でリリースされた待望の新作が『Perfect Animal』です。『Perfect Animal』は『Tea Bye Sea』(2008年)、『Weightless』(2011年)に続くBecca Stevens Band名義の3rdアルバムとなります。

Becca Stevens Bandのメンバーは、Becca Stevens(vo、g、charango、ukulele、n'goni)、Liam Robinson(p、el-p、org、p、syn、accordion、vo)、Chris Tordini(b、org、vo)、Jordan Perlson(ds、per)という前作『Weightless』と同じ4名。

さらにゲストとして、Keith Ganz(g)、Colin Killalea(g)、Tom Korkidis(sax)が参加しています。

プロデュースはScott Solter。Superchunk、The Mountain Goats、St. Vincent、Okkervil River、Spoon等インディー・ロック系の作品を数多く手掛けている人です。

前作『Weightless』は、『Jazz The New Chapter』の中で"『Black Radio』級の重要作"と大絶賛されていました。ただし、実際に作品を聴くと、ジャズというよりはフォーク/カントリー系の女性SSW作品という印象が強いものでした。

そして、本作『Perfect Animal』は、インディー・ロック系プロデューサーScott Solterの起用からもイメージできるように、ロック色を強めた重厚なサウンドへ大きくシフトした作品です。前作『Weightless』がバンドの「静」ならば、本作は「動」のBecca Stevens Bandを聴くことができます。

アルバム全体を通して、Beccaやバンド・メンバーの力強い演奏を聴くことができ、ずっしりとした重量感のあるアルバムに仕上がっています。本作におけるサウンドの拡がりは、「Thinking Bout You」(Frank Ocean)、「You Make Me Wanna」(Usher)、「Higher Love」Steve Winwood)というカヴァー3曲やタイトル曲的な役割を果たす「Imperfect Animals」に顕著です。

前述のカヴァー3曲以外はBeccaのオリジナルですが、「105」「Tillery」の2曲では女流詩人Jane Tyson Clement(1917-2000年)の作品を引用しています。

前作『Weightless』のジャケでは、南米フォルクローレで使われる弦楽器チャランゴを手にしていたBeccaですが、本作ではギター、ウクレレ、チャランゴに加え、西アフリカの弦楽器ンゴーニも演奏しています。こういった点にも様々なジャンルを貪欲に採り込んでいく、彼女のハイブリッド感覚にさらに磨きがかかったことが窺えます。

また、本作はクラウドファンディングで自主制作したアルバムです。レーベルからの制約を受けず、自分たちがやりたい音を素直に創り上げた作品であるといえます。

Becca StevensはJazz The New Chapter(JTNC)の流れで注目が高まったアーティストであり、Robert Glasperをはじめとする進化形ジャズ・アーティスト達こぞって絶賛するアーティストであり、ジャズ・ヴォーカルを専攻してきた人ですが、本作を聴くと、もはや無理に「ジャズ」視点で語らなくてもいい気がします。『Jazz The New Chapter 2』のインタビューでBecca本人が「自分をジャズ・ミュージシャンだとは思っていない」と語ってしましたし・・・

『Perfect Animal』 EPK
 http://www.youtube.com/watch?v=PniHJByXPSU
Becca Stevens Band 『Perfect Animal』 PledgeMusic Video
 http://www.youtube.com/watch?v=pPJ65nZrUCs

「動」に転じた力強いBecca Stevensを堪能しましょう。ジャズだ、フォークだ、ロックだというジャンルの話は抜きにして、素晴らしい歌、サウンドが詰まった素晴らしいアルバムだと思います。

全曲紹介しときやす。

「I Asked」
Becca Stevens作。フォーキーな味わいながらもズシリと重みのあるサウンドに、本作におけるバンドの進化を感じます。

「Imperfect Animals」
Becca Stevens作。アルバム・タイトルを逆にしたタイトル曲的な役割の楽曲。本作のロック路線を象徴する楽曲です。Jordan Perlsonによる力強いビートをバックにBeccaのメッセージ発信にもパワーを感じます。

「Thinking Bout You」
注目のR&BシンガーFrank Oceanの2013年のグラミーRecord of the Yearにもノミネートされた人気曲をカヴァー(Frank Ocean/Shea Taylor作)。オリジナルはアルバム『Channel Orange』(2012年)に収録されています。オリジナルがシンプルなサウンドの楽曲なので、カヴァー・センスが問われる曲ですが、エレクトリックなエッセンスも加えた深みのあるサウンドとBeccaの切々としたヴォーカルによる絶品カヴァーに仕上がっています。

「Be Still」
Becca Stevens作。前作『Weightless』で聴かれたBeccaとバンド・メンバーによる美しいハーモニーが聴けます。ただし、バックのサウンドの躍動感や厚みが前作までとは桁違いです。

「105」
Becca Stevens作。前述のようにJane Tyson Clementの詞を引用した楽曲です。最初はシンプルなフォーキー・チューンですが、その後本作らしいエレクトリック/インディー・ロックのエッセンスが加わっていきます。

「Tillery」
Becca Stevens作。この曲もJane Tyson Clementの詞を引用しています。本曲は『Home - Gift of Music (Japan Earthquake Relief) 』(2012年)の中でChris Tordini, Gretchen Parlato & Becca Stevens名義で歌われた楽曲の再録です。本作の中では一番『Weightless』の雰囲気を受け継いでいる仕上がりです。フォーキーな中にエスニックなエッセンスが自然なかたちで散りばめられています。

本曲タイトルは、その後結成されたGretchen ParlatoRebecca Martinとの女性ヴォーカル・トリオTilleryのグループ名にもなっています。

「You Make Me Wanna」
人気R&BシンガーUsherの大ヒット曲をカヴァー(Jermaine Dupri/Manuel Lonnie Seal/Usher作)。オリジナルはアルバム『My Way』(1997年)に収録されています。バンドの素晴らしいコーラス力を押し出しつつ、ずっしり重量感のあるカヴァーに仕上がっています。この楽曲に新たな魅力を植え付けた好カヴァーだと思います。終盤のギターがメチャ格好良いです!

「Reminder」
Becca Stevens作。アルバムの中でもロック路線が最も色濃いサウンドを聴ける楽曲がコレ。単に激しいのみならず、メリハリのつけ方が絶妙でキレのある格好良さに惹かれます。

「Higher Love」
Steve Winwood、1986年の大ヒット曲をカヴァー(Steve Winwood/Will Jenings作)。オリジナルはアルバム『Back in the High Life』(1986年)に収録されています。Beccaが(多分)ンゴーニを奏で、エレクトロなエッセンスも加わったハイブリッド・サウンドが実に新鮮です。今聴くとWinwoodのオリジナルは少し野暮ったさがありますが、その弱点を見事に補った秀逸カヴァーだと思います。

「JAC」
Becca Stevens作。ラストは少しミステリアスなアコースティック・チューンで余韻を残して締め括ってくれます。

「I Asked (Acoustic Demo Version)」
国内盤ボーナス・トラック。「I Asked」のアコースティック・デモです。『Weightless』の頃のバンドであれば、こんな雰囲気だったのかもしれませんね。

未聴の方は2nd『Weightless』(2011年)もチェックを!

『Weightless』(2011年)
Weightless

只今、「レアル・マドリード対バルセロナ」のクラシコをTV観戦中!
遂にメッシ、ネイマール、スアレスが揃い組となりましたね。
しかしながら勝負はレアル・マドリードの完勝!
後半のマドリードのカウンターは凄すぎ!ですね。
posted by ez at 02:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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