2015年06月14日

Kamasi Washington『The Epic』

Brainfeederの最終兵器による3枚組大作☆Kamasi Washington『The Epic』
The Epic
発表年:2015年
ez的ジャンル:Brainfeeder系スピリチュアル・ジャズ
気分は... :3枚組170分!

今回は新作ジャズから3枚組大作Kamasi Washington『The Epic』です。

3枚組アルバムを紹介するのは、当ブログ初かもしれませんね。

Kamasi Washingtonは1981年L.A.生まれのジャズ・サックス奏者。

これまでKamasi Washington & The Next Step『Live At 5th Street Dick's 』(2005年)、『The Proclamation』(2007年)、『Light Of The World』(2008年)といったリーダー作をリリースしています。

また、Cameron Graves(p)、Thundercat(Stephen Bruner)(b)、Ronald Bruner(ds)とのユニットYoung Jazz Giantsのメンバーとして『Young Jazz Giants』(2004年)をリリースしています。

現在はL.A.ビートミュージックの雄Flying Lotusが主宰するBrainfeederに所属しており、総帥Flying Lotusの問題作『You're Dead!』(2014年)にも参加していました。

最近ではHip-Hop話題作Kendrick Lamar『To Pimp A Butterfly』にも参加していました。当ブログで紹介した作品でいえば、Build An Ark系のクロスオーヴァー作品Dexter Story『Seasons』(2013年)にも参加しています。

そんなKamasi WashingtonのBrainfeederからリリースされた最新作が『The Epic』です。Flying Lotusが制作総指揮したCD3枚組、約170分の大作です。

レコーディングにはKamasi Washington(ts)以下、Thundercat(el-b)、Cameron Graves(p)、Ronald Bruner(ds)というYoung Jazz Giantsの同胞や、Miles Mosley (b)、Tony Austin(ds)、Leon Mobley(per)、Brandon Coleman(key)、Ryan Porter(tb)、Igmar Thomas(tp)、Patrice Quinn(vo)、Dwight Trible(vo)が参加し、それ以外にも多数のストリングス隊、コーラス隊が参加しています。コーラス隊の中にはDexter Storyの名も含まれます。

3枚のCDには『Volume 1 - The Plan』『Volume 2 - The Glorious Tale』『Volume 3 - The Historic Repitition 』といったタイトルが付けられています。

アルバム全体としては、ストリングス隊、コーラス隊を従えた壮大なスケールの進化形スピリチュアル・ジャズといった感じですかね。重厚ですが決して難解な訳ではなく、普段ジャズを聴かない人でも感動できる1枚に仕上がっています。

Pharoah Sandersをはじめとするスピリチュアル・ジャズが大好きな僕としては、こんなジャズ作品を聴きたかった!と感想しました。

3枚組170分の作品を紹介するのは正直大変ですが、この感動の超大作を前にしてそんなことは言っていられません。

このスピリチュアル・ジャズの新宇宙をぜひご賞味あれ!

全曲紹介しときやす。

「Change of the Guard」
Brainfeeder期待のホープであったにも関わらず、惜しくも2012年に逝去した天才ピアニストAustin Peraltaへ捧げられた曲です。これから始まる170分の一大スピリチュアル・ジャズ絵巻のオープニングに相応しい演奏です。壮大なオーケストレーションやコーラス隊を従え、Cameron Gravesのピアノ、Igmar Thomasのトランペット、Washingtonのサックスが、天国にいる天才ピアニストに向けて渾身のソロを届けています。
https://www.youtube.com/watch?v=NtQRBzSN9Vw

「Askim」
今やFlying Lotusの右腕として大活躍するThundercatの壮絶ベースが牽引し、Washingtonもそれに続けとばかりにPharoah Sandersばりのブロウで応える圧巻のスピリチュアル・ジャズ。Leon Mobleyのパーカッションも効いています。これぞBrainfeederのスピリチュアル・ジャズ!
https://www.youtube.com/watch?v=mYdDFZLGx7U

「Isabelle」
美しさと悲しみが入り混じったような演奏です。特にRyan Porterのトロンボーン・ソロが心に沁みます。『You're Dead!』にも参加していたBrandon Colemanのオルガンも印象的ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=bCIAMO3Al1A

「Final Thought」
Ronald BrunerとTony Austinによる迫力のツイン・ドラムが牽引する疾走感のある演奏はかなり格好良いです。Washingtonのサックスも絶好調で昇天しそうなプレイを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=YuQdtFb_Z2k

「The Next Step」
穏やかなムードで始まりますが、コーラス隊が加わり徐々に重厚な雰囲気となり頂点を迎え、その後はその余韻で聴かせます。
https://www.youtube.com/watch?v=rQ2bkIfHDl4

「The Rhythm Changes」
Patrice Quinnのヴォーカルをフィーチャーした感動的なジャズ・グルーヴ。ピースフルな雰囲気に包まれているのがいいですね。単体でも切り出しやすいので、これから重宝しそうな曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=OkLz4MyDmuE

ここまでが『Volume 1 - The Plan』です。

「Miss Understanding」
このメンバーのバップ的な演奏を存分に楽しめる『Volume 2 - The Glorious Tale』のスリリングなオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=F-75-tUHIrQ

「Leroy and Lanisha」
WashingtonとRyan Porterの二管による快調なプレイをはじめとるパワフルな演奏を堪能できます。
https://www.youtube.com/watch?v=nIRAXOB68vE

「Re Run」
トライバルなリズムをバックに、WashingtonとRyan Porterの二管が駆け抜けます。
https://www.youtube.com/watch?v=78P6ZUJhXoI

「Seven Prayers」
今年2月に逝去したサックス奏者Zane Musaに捧げられた曲。天国へ逝った仲間へのレクイエムといった趣です。
https://www.youtube.com/watch?v=Ep7z3OG9rW8

「Henrietta Our Hero」
Patrice Quinnのヴォーカルをフィーチャー。ドラマのエンディングのような美しく壮大な演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=-t0IhU7I0S4

「The Magnificent 7」
Ronald BrunerとTony Austinによるツイン・ドラムと14名のコーラス隊の威力を感じさせる演奏です。終盤のThundercatのベースもたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=NCnP5Z7Vn1E

ここまでが『Volume 2 - The Glorious Tale』です。

「Re Run Home」
本作のハイライトはコレかもしれませんね。アフロ・ジャズ的な疾走感で進化するジャズ・スピリットを表現しています。ツイン・ドラム、ツイン・ベースの効果が最大限活かされているのがいいですね。Leon Mobleyのパーカッションもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=U8NFS8WXfCI

「Cherokee」
Charlie Parkerの十八番として有名だったRay Noble作のスタンダードをカヴァー。当ブログではClifford BrownMichel Petruccianiヴァージョンを紹介済みです。Patrice Quinnのヴォーカルをフィーチャーし、明るくモダンな「Cherokee」を聴かせてくれます。予想以上の出来栄えに感動しました。
https://www.youtube.com/watch?v=3DM9fGXHhlk

「Clair de Lune」
クラシックの名作曲家Debussyの「月の光」をカヴァー。コーラス隊を従えて本作で最も美しい演奏を聴けます。Cameron GravesのピアノやMiles Mosleyのベースにも魅了されます。
https://www.youtube.com/watch?v=KqJJ-2cRR0M

「Malcolm's Theme」
映画『Malcolm X』(1992年)のテーマ曲(Terence Blanchard)をカヴァー。Dwight TribleとPatrice Quinnの男女ツイン・ヴォーカルをフィーチャーし、強力なメッセージを発してします。
https://www.youtube.com/watch?v=h-ywrqeQPto

「The Message」
ラストはポジティヴなヴァイヴを発する疾走感のある演奏で締め括ってくれます。Thundercatの格好良すぎるエレクロック・ベースが目立っています。
https://www.youtube.com/watch?v=gI1wK508370

Young Jazz Giants『Young Jazz Giants』(2004年)
Young Jazz Giants

『The Proclamation』(2007年)
ザ・プロクラメイション
posted by ez at 03:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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