2007年09月11日

Michael Franks『Sleeping Gypsy』

秋の訪れとこのボッサ感覚のAORはマッチするのでは?☆Michael Franks『Sleeping Gypsy』
スリーピング・ジプシー <SHM-CD>
発表年:1977年
ez的ジャンル:インテリ系ボッサAOR
気分は... :何となくサウダージ

AORの定番中の定番Michael Franks『Sleeping Gypsy』(1977年)です。

Michael Franksは1944年生まれのシンガー・ソングライター。
文学や音楽を学び、大学で教鞭を取っていたこともあるインテリ派です。ミュージシャンへの道を捨てきれず1973年にアルバム『Michael Franks』を発表するものの不発に終わります。しかし、プロデューサーLenny Waronkerと知り合ったことがきっかけでチャンスをつかみ、1976年に『Art of Tea』を発表します。これが評判となり、新世代のシンガー・ソングライターと目されるようになりました。

『Art of Tea』ではプロデューサーTommy LiPuma、エンジニアAl Schmitt、アレンジNick De Caroというシティ・ミュージック黄金トライアングルが制作に携わり、バックはJoe SampleWilton FelderLarry CarltonというThe Crusaders勢、Michael BreckerDavid Sambornといったジャス/クロスオーヴァー系ミュージシャンが固めるという豪華布陣も話題となりました。

今日紹介する『Sleeping Gypsy』(1977年)は『Art of Tea』に続いて発表された作品です。
ブラジル録音の曲が2曲含まれていることや、ボサノヴァの大御所Antonio Carlos Jobimへ捧げられた人気曲「Antonio's Song (The Rainbow) 」が収録されていることもあり、ブラジル・フレイヴァーが強い作品となっています。

『Art of Tea』の制作陣からアレンジがClaus Ogermanへ代わっています。Claus Ogermanは本ブログでも紹介したAntonio Carlos Jobim『Wave』等でお馴染みの華麗なストリング・アレンジの名手ですね。バック・ミュージシャンは『Art of Tea』のメンバーに加え、Joao Palma(ds)、Joao Donato(p)、Helio Delmiro(g)といったブラジル人ミュージシャンも参加しています。

僕の中ではMichael Franksという人はGino Vannelliなんかと同じで、“AOR好きの人に持ち上げられすぎ!”という印象ですかね。悪くはないけど、特別騒ぐほどでもないというカンジですかね。

僕が本作『Sleeping Gypsy』が好きなのも、Michael Franksへの興味というよりも、プロダクションやバック・ミュージシャンの好サポートによる完成度の高さのためではと思います。

じっくり聴き込むほどのインパクトはないけど、何かをやりながらバックに流しておくと、実に心地良い1枚だと思います。特に僕の中でMichael Franksは秋のイメージがあるので、今聴くのが旬ではないかと思います。

全曲紹介しときやす。

「Lady Wants to Know」
バックの演奏の心地良さに惚れ惚れする1曲。特にLarry Carltonの優しく包んでくれるようなギターが堪らないですね。Franksのソフトなボーカルをよく引き立てていると思います。歌詞にJohn ColtraneMiles Davisの名が出てくるのも好き。

「I Really Hope It's You」
Joe Sampleのフェンダーが気持ちいいワルツ調のナンバー。いかにもシティ・ミュージックってカンジがいいですね。

「In the Eye of the Storm」
正直、歌や曲はイマイチだけどバックの演奏はグッド!Crusaders勢を楽しみましょう。

「B'wana-He No Home」
ブラジル録音1曲目。ブラジル大好きの僕はお気に入りです。Joao Donatoのピアノがサイコーにいいですね。Franksのボーカルはこういったソフトなラテン/ブラジルものに合っているかも?

「Don't Be Blue」
アルバム中一番軽快な曲かもしれませんね。Claus OgermanのアレンジとDavid Sambornのサックス・ソロが冴えています。

「Antonio's Song (The Rainbow) 」
前述の名曲です。Michael Franksの名は知らなくても、この曲は知っている人も多いのでは?素晴らしいアレンジと素晴らしい演奏のおかげでFranksの下手くそボーカルもサウダージ・ムードたっぷりに思えてくるから不思議です(笑)UAもカヴァー(『アメトラ』収録)していますね。

「Chain Reaction」
この曲のみJoe Sample作品です。Crusadersの1975年発表のアルバム『Chain Reaction』のタイトル曲としての方が有名かもしれませんね。

「Down in Brazil」
ブラジル録音2曲目。「Lady Wants to Know」、「B'wana-He No Home」と並ぶ僕のお気に入り曲。この人にはやはりボッサなナンバーが似合いますな。Joao DonatoのラテンタッチのピアノにLarry Carltonの軽やかなソロがいいですねぇ。Clementineがカヴァーしていました。

聴いていて改めて思いましたが、バックの素晴らしい演奏を邪魔しない、Michael Franksのボーカルがナイスです(笑)
posted by ez at 00:01| Comment(2) | TrackBack(1) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
おはようございます。
TB出来ていたんですね。うまくいっていなかったと思いました。
確かにマイケルは秋っていう感じですね。私もプレイヤーの凄さに、このアルバムを聴き始めたのですが、あの下手うまヴォーカルについつい引き込まれてしまい、今ではマイケルって凄いなあと思ってます。ある意味個性的ですね。
Posted by 240 at 2007年09月15日 07:37
☆240さん

ありがとうございます。

>下手うまヴォーカルについつい引き込まれてしまい

そうですね。
Michael Franksの場合、歌で聴かせるというよりも、
トータルな音楽性で聴かせる人だと思いますので、
バックの演奏とマッチしたこのボーカルが魅力的なんでしょうね。
さるげなく気が効いているカンジでいいですよね!
Posted by ez at 2007年09月15日 10:54
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