2009年06月16日

Thelonious Monk『Monk's Music』

Monk作品の中でも異色の人気作☆Thelonious Monk『Monk's Music』
モンクス・ミュージック
録音年:1957年
ez的ジャンル:ハプニング系ハードバップ・ジャズ
気分は... :完璧ではない楽しさ!

個性派ジャズ・ピアニストThelonious Monkの4回目の登場です。

当ブログでこれまで紹介したMonk作品は以下の3枚。

 『Brilliant Corners』(1956年)
 『Thelonious Himself』(1957年)
 『Mulligan Meets Monk』(1957年) ※Gerry Mulliganの共演

4枚目に紹介するのはThelonious Monk『Monk's Music』(1957年)です。

Monk作品の中でも異色の傑作(?)ですね。
演奏中にハプニングが生じた迷演をそのままリリースした作品であり、"最高の失敗作"なんて形容もされる作品ですね。

"永遠のジャズ初心者"である僕は、演奏の細かなことは正直よくわかりません。そんな僕でも十分に楽しめる作品であり、演奏の内容云々に関わらす愛着が湧く作品です。そういったハプニングをそのままリリースしてしまうというセンスがさすがMonk!と拍手を送りたくなりますね。

レコーディング・メンバーは、Thelonious Monk(p)以下、Ray Copeland(tp)、Coleman Hawkins(ts)、John Coltrane(ts)、Gigi Gryce(as)、Wilbur Ware(b)、Art Blakey(ds)という顔ぶれです。大先輩Coleman HawkinsやJohn ColtraneArt Blakeyあたりに目がいきますね。特にHawkinsとBlakeyはいろんな意味で大活躍しています(笑)

クラブ・ジャズ世代の若いリスナーの方が聴いても、サウンド自体にはあまりグッとくる作品ではないかもしれません。でも、完璧ではない楽しさも含めてジャズやMonkの魅力が詰まっている作品という気がします。

いろんな意味でMonkの個性が堪能できる作品なのでは?
この独特の変テコ感がクセになります!

ジャケを観て、グッときた人は聴くべし(笑)

全曲紹介しときやす。

「Abide with Me」
Ray Copeland、Coleman Hawkins、John Coltrane、Gigi Gryceというホーン隊4人による賛美歌の演奏でアルバムは幕を開けます。偶然かもしれませんが、この曲の作者もMonk(W. H. Monk)です。

「Well, You Needn't」
本作のハイライトと言えば、この演奏ですね。曲自体はMonkが1942年に作曲したスタンダードですが、演奏開始から2分21秒前後にMonkがColtraneに対して「Coltrane! Coltrane!」と叫ぶ...という名曲の迷演ですね。 "Monkが自分のソロの小節数を間違えて2小節短く終えてしまった"という説明が長らくなされてきましたが、どうやら睡魔に襲われたColtraneを起こすためにMonkが叫んだというのが真実のようですね。

結果として、Coltrane自体は正しいタイミングでソロを開始しますが、驚いたArt Blakeyのドラムが遅れてしまい、そのBlakeyのドラムにさらに驚いたWilbur Wareが戸惑ってしまい...と歴史的な迷演が生まれたようです。

ハプニングも含めて、興味の尽きないモンクならではの演奏になっているのでは?特に序盤のミスをリカバリーしようとするBlakeyのドラム・ソロが好きですね(笑)

「Ruby, My Dear」
ここではMonk、Coleman Hawkins、Wilbur Ware、Art Blakeyというワン・ホーンで演奏されています。Hawkinsのテナーを中心にしたバラードは、あまりMonk作品らしくありません(笑)。異端児Monkも大先輩Hawkinsに大きな敬意を払っているようです。

関連して1969年の演奏の映像を紹介しておきます。
Thelonious Monk「Ruby, My Dear」(Paris, 1969)
http://www.youtube.com/watch?v=aFNGppc9pJ8

「Off Minor(Take 5)」
Monk独特の変テコ感を堪能できる1曲。この何処か収まりが悪い感じこそがMonkですよね!さまにMonk's Musicって感じが好きです。

「Epistrophy」
このMonk1942年作のスタンダードも「Well, You Needn't」に続く迷演です。ここでの迷演の主役はHawkins。二箇所で演奏のタイミングを間違えてしまいます。聴いている方がハプニングの前後は緊張してしまいますね(笑)

曲自体もMonkらしくて好きです。YouTubeに1966年の演奏の映像があったので紹介しておきます。
Thelonious Monk「Epistrophy」(Paris, 1966)
http://www.youtube.com/watch?v=F2s6LZUdYaU

「Crepuscule with Nellie(Take 6)」
ラストはMonkの愛妻Nellieの名が入ったタイトル。アドリブが許されず、ソロパートが全くない珍しい演奏になっています。Take6となっているように、演奏になかなか満足できなかったMonkの様子が窺えます。

僕の保有するCDには「Off Minor(Take 4)」「Crepuscule with Nellie(Takes 4 & 5)」の2曲がボーナス・トラックとして追加されています。

NBAファイナルは、やはりレイカーズが一気に行きましたね。
第5戦の一方的な展開はマジックにとっては残酷でしたね。
やはり、第4戦終了間際のフィッシャーの3点シュートが全てだったと思います。

NBAが終了すると、僕の興味はNFLへ...
我がマイアミ・ドルフィンズの新シーズンに向けたトレーニングが気になります。新シーズンではワイルド・キャットの進化形を観たいですね!
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2009年03月31日

Anita O'Day『This Is Anita』

センス抜群の女性ジャズ・ヴォーカル☆Anita O'Day『This Is Anita』
ジス・イズ・アニタ
録音年:1956年
ez的ジャンル:奔放系女性ジャズ・ヴォーカル
気分は... :落ち着きのない年度末ですが...

今日は女性ジャズ・ヴォーカルが聴きたい気分...

今日は偉大な女性ジャズ・シンガーの一人Anita O'Dayの代表作『This Is Anita』(1956年)です。女性ジャズ・ヴォーカルの名盤として紹介されることの多い彼女の代表作の1枚です。

Anita O'Day(1919-2006年)はシカゴ生まれの女性ジャズ・シンガー。Billie HolidayElla FitzgeraldSarah Vaughanらと並び称される偉大な女性ジャズ・シンガーの一人ですね。正直、細かい経歴については詳しくないので割愛しますが、僕の中では生き方も歌い方も"奔放なジャズ・シンガー"というイメージが強いです。

あとAnita O'Dayと言えば、やはり映画『真夏の夜のジャズ(Jazz On A Summer's Day)』(1959年)ですね。第5回ニューポート・ジャズ・フェスティバル(Newport Jazz Festival)の模様を収めた、このドキュメンタリー映画の中でもAnitaの存在感は抜群です。

Anita O'Day「Sweet Georgia Brown」
http://www.youtube.com/watch?v=xuzWegDm2HY

Anita O'Day「Tea for Two」
http://www.youtube.com/watch?v=1UP8c_cU0-c

華奢な体型からもわかるように、決して声量があるシンガーではありませんが、ジャズ・シンガーとしてのセンス抜群という感じが映像からも伝わってきますよね。

Anita O'Dayのアルバムと聞いて、僕が思い浮かべるのは本作『This Is Anita』(1956年)と『Anita Sings the Most』(1957年)の2枚です。

Anita Sings the Most
Anita Sings the Most

『Anita Sings the Most』のジャケこそが、Anita O'Dayのイメージという気がします。それと比較すると清楚な雰囲気で腰掛けている本作『This Is Anita』のジャケは完璧に猫をかぶっていますね(笑)

ノリノリのスウィンギーな曲のみならず、しっとりとした大人のバラードまで聴かせる本作の構成を考えれば、このジャケもアリなのかも?

本作では編曲担当Buddy Bregmanの手腕が光ります。バックはそのBuddy Bregman & his Orchestraをはじめ、Paul Smith(p)、Barney Kessel(g)、Joe Mondragon(b)、Alvin Stoller(ds)のカルテット、Milt Bernhart、Lloyd Elliot、Joe Howard、Si Zentnerというトロンボーン隊が務めます。Paul Smithのピアノ、Barney Kesseのギターにもグッときます。

女性ジャズ・ヴォーカル・アルバムの醍醐味を存分に堪能できる名作だと思います。

全曲紹介しときやす。

「You're the Top」
オープニングはCole Porter作品。1934年のミュージカル『Anything Goes』のために書かれた曲です。その後映画『海は桃色』(1936年)とそのリメイク『夜は夜もすがら』(1956年)でも歌われています。

トロンボーンのアンサンブルをバックにスウィンギーに歌うAnita版の楽しさは、何と言っても途中から歌詞を改変し、Sarah Vaughan、Charlie Parker、Miles Davis、Billy Eckstine、Lester Young、Lena Horne、Benny Goodmanといったジャズ・ミュージシャンの名前が次々と登場する点ですね。

個人的にはBarbra Streisand版(映画『What's Up, Doc?(おかしなおかしな大追跡)』挿入歌)も好きです。
Barbra Streisand「You're the Top」
http://www.youtube.com/watch?v=b2_GCClUPyk

「Honeysuckle Rose」
Andy Razaf作詞、Fats Waller作曲のスタンダード(1928年作品)。Ella Fitzgerald with Count Basie His Orchestraのヴァージョンも有名ですが、ベースのみの伴奏から、カルテットが加わり、トロンボーンが加わり...という展開と共にAnitaのフェイクが冴えまくってくるAnitaヴァージョンは相当カッチョ良いと思います。「Nightingale Sang in Berkeley Square」らと並ぶ本作のハイライトの1つなのでは?小粋なヴォーカルという言葉がピッタリのスウィング感がたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=Mc_efbzjDAE

「Nightingale Sang in Berkeley Square」
Eric Maschwitz作詞、Manning Sherwin作曲のスタンダード(1940年)。オリジナルはJudy Campbel。Anitaの代表的レパートリーであり、本作のハイライトです。ロマンティックなストリングスをバックに情感たっぷりのヴォーカルを聴かせてくれます。イントロのオルゴールのような響きをバックにしたAnitaの歌声だけで相当グッときます。サイコー!

「Who Cares?」
George Gershwin/Ira Gershwin作品。Paul Smithの絶妙なピアノとピッタリ息の合ったAnitaのヴォーカルが絶好調です。こういう曲を聴くとジャズ・シンガーの"センス"を実感できますね。

「I Can't Get Started」
Ira Gershwin作詞、Vernon Duke作曲(1935年作)。当初は「I Can't Get Started With You」のタイトルだったようですね。切々と語りかけてくるかのようなAnitaのヴォーカルにうっとりのロマンティックなバラード。

「Fine and Dandy」
Kay Swift作品。アップテンポで飛ばしまくります。アップ度ではアルバム中一番ですね。このスピード感のAnitaの奔放さが見事にシンクロしている感じですね。Paul SmithのピアノとBarney Kesselのギターが大活躍です。

「As Long as I Live」
Ted Koehler作詞、Harold Arlen作曲(1934年作)。ミディアム・テンポの軽快なスウィング感が魅力ですね。

「No Moon at All」
邦題「月とでもなく」。David Mann/Redd Evans作。出だしのスキャット、トロンボーン・ソロが印象的です。

「Time After Time」
Sammy Cahn/Jule Styne作のスタンダード。1947年の映画『It Happened in Brooklyn』で使われたのが最初です。エレガントなオーケストラをバックにし、落ち着きのあるしっとりとしたヴォーカルを聴かせてくれます。

「I'll See You in My Dreams」
Isham Jones/Gus Kahn作のスタンダード。1925年にIsham Jones & The Ray Miller Orchestraがヒットさせました。Anitaは期待通りスウィンギーな歌を聴かせてくれます。

「I Fall in Love Too Easily」
Sammy Cahn作詞、Jule Styne作曲。季節外れのクリスマス・ソングですが....オーケストラをバックにしみじみ聴かせます。

「Beautiful Love」
Victor Young等の共作。Bill Evansの演奏でもお馴染みの曲ですね。Anitaの少し憂いを伴ったスウィング感にグッときます。Paul SmithのピアノとBarney Kesselのギターも大活躍です。個人的にはかなり好きな演奏です。

落ち着きのない年度末になってしまいました。
でも1つの区切りなので、明日から決意を新たに頑張ります。
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2008年12月16日

Clifford Brown『Clifford Brown with Strings』

ストリングスを従えたスタンダード集☆Clifford Brown『Clifford Brown with Strings』
Clifford Brown with Strings
録音年:1955年
ez的ジャンル:天才トランペッターwithストリングス
気分は... :心が温まる!

今日は二日酔い気味で調子がイマイチ(泣)

天才トランペッターClifford Brownの3回目の登場です。

『Study In Brown』(1955年)、『Clifford Brown & Max Roach』(1954、1955年)に続いて紹介するのはClifford Brown『Clifford Brown with Strings』(1955年)です。

タイトルの通り、ストリングスを従えたスタンダード集です。

ブラウニー作品の中でも好みが分かれる作品かもしれません。ブラウニー云々よりもストリングスを従えた作品という時点でダメという方がいるかもしれませんね。

確かに、ストリングス作品にはアドリブがない等ジャズの持つエキサイティングな魅力には欠けるかもしれません。でも逆にメロディがはっきり分かるし、ロマンティックなムードを堪能できる魅力もあります。個人的にはジャズの持つロマンティックな側面も好きなので、まさに歌っているようなリリカルな演奏を堪能できるという点でストリングス作品にも魅力を感じます。

特に今日紹介するClifford Brown『Clifford Brown with Strings』はそんなストリングス作品の頂点に立つ1枚なのでは?例えば80年代に彗星の如く登場し、ブラウニー同様"天才トランペッター"と呼ばれるWynton Marsalisは本作をお手本としてトラペットの腕を磨いてきたらしいです。

本作ではWoody Herman楽団やCount Basie楽団の編曲で知られるNeal Heftiがストリングスのアレンジ及び指揮を務めています。それ以外のメンバーはClifford Brown(tp)以下、Harold Land(ts)、Richie Powel(p)、George Morrow(b)、Max Roach(ds)というメンツです。

有名なスタンダード曲ばかりなので、とても聴きやすいし、歌うブラウニーのトランペットを存分に堪能できると思います。

12月はこんなムーディーなジャズがよく似合うと思います。

全曲紹介しときやす。

「Yesterdays」
Jerome Kern/Otto Harbachによる1933年のミュージカル『Roberta』挿入歌。やや抑えたブラウニーのトランペットが渋いです。

「Laura」
Johnny Mercer/ David Raskin作品。Frank Sinatraの歌で有名な曲のようですね。哀愁のトランペットとそれを盛り上げるドラマティックなストリングスとの組み合わせがいいですね。

「What's New?」
Johnny Burke/Bob Haggartが1939年に作ったお馴染みのスタンダード。本ブログでも、これまでJohn ColtraneJimmy SmithWynton Kelly & Wes Montgomeryの演奏を紹介してきました。Linda Ronstadtでお聴きになっている方も多いかもしれませんね。

ここではまさにスタンダード然とした演奏を聴くことができます。ロマンティックなブラウニーのトランペットを堪能しましょう。

「Blue Moon」
Lorenz Hart/Richard Rodgersによる1934年の作品。実にムーディーな仕上がりです。

「Can't Help Lovin' Dat Man」
僕の一番のお気に入り演奏。Jerome Kern/Oscar Hammerstine II作品。1927年にミュージカル『Show Boat』のために書かれた曲です。その後何度も映画化されており、お馴染みの曲なのでは?スタンダードとしてもBillie Holiday、Abbey Lincolnの歌で有名ですね。僕の場合、Barbra Streisand『The Broadway Album』(1985年)のカヴァーでこの曲が好きになりました。ここでは伸びやかなブラウニーのトランペットにうっとりです。

「Embraceable You」
Ira Gershwin/George Gershwins作品。1930年のミュージカル『Girl Crazy』のために書いた曲です。インストですがまさにIra Gershwinによる歌詞を歌うようなブラウニーのトランペットが絶品です。

「Willow Weep for Me」
女性作曲家Anne RonellがGeorge Gershwinに捧げた作品。「柳よ泣いておくれ」の邦題で有名なスタンダード。本ブログでは以前にDexter GordonWynton KellyRed Garlandのバージョンを紹介しました。偉大な作曲家を懐かしむような演奏ですね。

「Memories of You」
Andy Razaf/Eubie Blake作品。ラグタイマーとして長年活躍したEubie Blakeの代表曲です。どことなく寂しげな演奏に惹かれます。

「Smoke Gets in Your Eyes」
「煙りが目にしみる」の邦題でお馴染みのスタンダード。前述の「Yesterdays」同様、Jerome Kern/Otto Harbachによる1933年のミュージカル『Roberta』挿入歌です。よく耳にする曲のせいか聴いていて安心感がありますね。この曲をブラウニーは11テイクも録音したのだとか。

「Portrait of Jenny」
1948年の映画『Portrait Of Jennie』のために書かれた曲(Gordon Burdge/J. Russell Robinson作品)。Blue Mitchellの演奏も有名なようですね。ここでは哀愁感たっぷりの演奏を聴くことができます。

「Where or When」
1937年のミュージカル『Babes in Arms』のために書かれたLorenz Hart/Richard Rodgers作品。Frank Sinatraが何度もレコーディングしているようです。

「Stardust」
お馴染みのHoagy Carmichael作によるスタンダード。ブラウニーのトランペットがよく似合う曲ですよね。

毎日暗いニュースばかりが続く日々ですが、ロマンティックなブラウニーのトランペットで心を温めましょ!
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2008年08月28日

Sonny Rollins『A Night At The Village Vanguard, Vol. 1』

Village Vanguardでの歴史的ライブ☆Sonny Rollins『A Night At The Village Vanguard, Vol. 1』
A Night at the Village Vanguard, Vol. 1
録音年:1957年
ez的ジャンル:ピアノレストリオ・Jazzライブ
気分は... :久々の50年代作品ですっ!

今年に入って50年代カテゴリーの記事を1回しか投稿していないことに気づき、慌てて50年代の作品をピックアップ。

ということでSonny Rollins『A Night At The Village Vanguard, Vol. 1』(1957年)です。

テナー・サックスの巨人Sonny Rollinsは、『Sonny Rollins Vol.2』(1957年)、『Saxophone Colossus』(1956年)に続き3回目の登場となります。

本作『A Night At The Village Vanguard, Vol. 1』はSonny Rollinsの初ライブ録音であった同時に、 N.Y.の名門クラブVillage Vanguardでの初ライブ録音でもあり、二重の意味で歴史的なライブ録音と言える作品ですね。

ライブが行われたのは1957年11月3日。昼と夜の2回セッションがあり、昼はSonny Rollins(ts)、Donald Bayiley(b)、Pete La Roca(ds)、夜はSonny Rollins(ts)、Wilbur Ware(b)、Elvin Jones(ds)というピアノレス・メンバーでした。

昼・夜のセッションで全16曲が演奏されました。今日紹介する『A Night At The Village Vanguard, Vol. 1』には、昼の2曲、夜の5曲の計7曲が収録されています。残りの9曲は『A Night At The Village Vanguard, Vol. 2』に収録されています。

A Night at the Village Vanguard, Vol. 2
A Night at the Village Vanguard, Vol. 2

昔はVol. 1〜Vol. 3までの3枚セットでした。そちらの内容と上記の2枚は収録曲は同じですが曲順等は異なります。コアなファンの方であれば、そのあたりの詳細もご存知なのでしょうが、勉強不足の僕はそこまではわかりません。ゴメンなさい。

『Way Out West 』(1957年)で初めてピアノレス・トリオに挑み、傑作の評価を得たRollinsでしたが、本作でもピアノレス・トリオでライブに臨み、それまでジャズ・シーンで馴染みの薄かったピアノレス・トリオというスタイルを大きく印象づけました。確かにRollinsの奔放なサックスを堪能するのにピアノレス・トリオというスタイルはハマっている気がします。

とにかくテンションの高さが魅力のアルバムですよね。
演奏は、Rollinsとドラマー、べーシストのバトルであり、聴衆はその激闘に固唾を呑む、といったカンジです。一般にはWilbur Ware、Elvin Jonesとの夜の部へ注目が集まりますが、Donald Bayiley、Pete La Rocaとの昼の部もなかなかエキサイティングだと思います。

稀代のインプロヴァイザーSonny Rollinsのサックスにゾクゾクしましょう!

全曲紹介しときヤス。

「A Night in Tunisia(Afternoon Take)」
「A Night in Tunisia(Evening Take)」
Dizzy Gillespieの名曲「チュニジアの夜」は昼・夜の2テイクが収録されています。聴き比べてみると楽しいですね。コアなジャズ・ファンの方は、夜の部のRollinsとElvinによる緊張感のある演奏に惹かれるのでしょうが、永遠のジャズ初心者の僕としては昼の部のLa Rokaのソロがエラく格好良く聴こえます。

「I've Got You Under My Skin」
1936年のミュージカル映画『Born to dance』のために作られたCole Porter作品。これは昼の部の演奏です。ここでもBayileyとLa Rocaのリズム・セクションのノリの良さが、Rollinsの豪快なプレイを盛り上げてくれます。もしかしたら、アルバムで一番好きな演奏かも?

「Softly, As in a Morning Sunrise」
ここからの4曲は夜の部の演奏です。本曲はOscar HammersteinU作詞、Sigmund Ronberg作曲のスタンダード(ミュージカル『New Moon』の挿入歌)。以前にWynton Kellyの演奏を紹介したことがありますね。ここではRollinsのテナー、Wilbur Wareのベース、Elvinのドラムと各人のソロを堪能できます。朝日という真夜中の雰囲気が漂う演奏です(笑)

「Four」
Miles Davis作品(Eddie "Cleanhead" Vinson作品の説もアリ)。ピアノレス・トリオのカッチョ良さをわかりやすく実感できる演奏だと思います。

「Woody 'N You」
Dizzy GillespieがWoody Hermanに捧げた曲。Rollinsの独特のフレージングを堪能できる演奏なのでは?

「Old Devil Moon」
1947年のミュージカル『Finia's rainbow』挿入歌(E.Y. Harburg/Burton Lane作品)。軽やかな出だしから徐々にRollinsとElvinの一騎打ちといった様相になってきます。演奏が進むにつれてElvinのテンションが上がってくる感じがいいですね。ただし、最後は少しあっけない気もします。

このジャケを見るたび、写っているのが黒澤明監督に見えて仕方ありません。
これって僕だけでしょうか?
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2008年02月05日

Miles Davis『Bag's Groove』

有名なMilesとMonkのクリスマス・セッションを収録☆Miles Davis『Bag's Groove』♪
バグズ・グルーヴ
録音年:1954年
ez的ジャンル:豪華メンバー・セッション系ジャズ
気分は... :ようやく落ち着いた...

ようやくバタバタ状態が収まった感じです。
昨晩は久々にフツーに寝れました。

今は昨日まともに観ることが出来なかった、「ペイトリオッツ対ジャイアンツ」のスーパーボウルの再放送をじっくり観ているところです。

ペイトリオッツの圧勝を予想していたのですが、全く予想外の結果でした。
大体、第4Qに入る時点で7対3のロースコアというのが意外でしたよね。

その意味で、ペイトリオッツの超強力攻撃陣を封じ込んだジャイアンツ守備陣の健闘が勝因でしょうね。特に、攻撃ラインを完全に押し切り、QBブレイディにプレッシャーを掛け続けた守備ラインの頑張りが光りましたね。

MVPに輝いたジャイアンツのQBイーライ・マニングについては参りましたね。前にも書いたと思いますが、僕は全くイーライを評価していなかったのですが、このプレーオフで相当成長したんじゃないかと思います。

さて、今回は久々のMiles Davisです。

これまで紹介してきたのはMiles作品は以下の8枚♪
『On The Corner』(1972年)
『Milestones』(1958年)
『Miles Ahead』(1957年)
『In A Silent Way』(1969年)
『'Round About Midnight』(1955、56年)
『Miles Smiles』(1966年)
『Cookin'』(1956年)
『Get Up With It』(1970、72、73、74年)

9枚目の紹介となるのは初期の名盤『Bag's Groove』(1954年)です。

1954年12月24日に録音された「Bags' Groove」のみ、Miles Davis(tp)、Milt Jackson(vib)、Thelonious Monk(p)、Percy Heath(b)、Kenny Clarke(ds)という布陣。残りはMiles Davis(tp)、Sonny Rollins(ts)、Horace Silver(p)、Percy Heath(b)、Kenny Clarke(ds)というメンバーで1954年6月29日に録音されました。

何と言ってもクリスマス・セッションが有名ですね。ジャズ・ファンの方はご存知の通り、Milesのソロの間、Monkがバックでピアノを演奏していないことから、MilesとMonkが険悪状態だったのでは?との憶測が流れ、昔から“喧嘩セッション”と呼ばれていました。

今では、二人の間にそのような険悪ムードが無かったことがよく知られています。それでもMilesとMonkという二人のジャズ・ジャイアントが白熱した演奏を繰り広げる様子を想像すると、“喧嘩セッション”とは実にハマった表現だと思います。

でも、コアなジャズ・ファンの方に言わせると、いまだに“喧嘩セッション”などと言っていると、笑われるのだとか(笑)

多分、“喧嘩セッション”と書いている人の殆どは、実際に喧嘩なんて無かったということを認識した上で書いていると思うので、そんな眉間にしわを寄せて小難しいこと言わなくてもって気がするのですが...

どうしても“喧嘩セッション”のことばかり注目される本作ですが、後半のMiles Davis(tp)、Sonny Rollins(ts)、Horace Silver(p)、Percy Heath(b)、Kenny Clarke(ds)によるハードバップな演奏もかなりグッドです。個人的にはHorace Silverの演奏がいい感じだと思います。

全曲紹介しときやす。

「Bags' Groove」
Milt Jackson作品。彼のニックネームをタイトルに入れたブルース。噂の“喧嘩セッション”(笑)ですが、Milesの夜のしじまって雰囲気のソロがいいですよねぇ〜。MilesとMonkのことばかり注目されることが多い演奏ですが、作曲者であるMilt Jacksonの絶品vibeも忘れちゃいけませんね。

「Airegin」
Sonny Rollins作品のスタンダード。曲自体が大好きです。同じMilesのアルバム『Cookin'』(1956年)収録のバージョンを以前に紹介しましたね。

本バージョンにおけるRollinsと『Cookin'』でのJohn Coltraneあたりを比較してみるのも面白いのでは?

「Oleo」
この曲もSonny Rollins作品。ハードバップを代表するスタンダード曲の1つですね。Milesが格好良いのは当たり前ですが、Silverのカッチョ良さも引けをとりません。

「But Not for Me」
Ira & George Gershwinによるブロードウェイ・ミュージカル『Girl Crazy』の挿入歌。本ブログでは、これまでJohn Coltrane(アルバム『My Favorite Things』収録)、Modern Jazz Quartet(アルバム『Django』収録)の演奏を紹介してきました。

ここではテンポの異なるTake1とTake2という2つの演奏が収めれています。個人的にはテンポの速いTake2がクールな感じで好きですね。この曲でもMilesとSilverのセンスは抜群ですな。

「Doxy」
この曲もSonny Rollins作品。全体的に少しレイジーな感じが好きです。Miles、Rollins、Silverがそれぞれ実に雰囲気のある演奏を聴かせてくれます。

明日からは、これまで通りフツーにエントリーできると思います(多分)
posted by ez at 20:34| Comment(2) | TrackBack(0) | 1950年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする