2007年03月14日

Thelonious Monk『Brilliant Corners』

ジャズ界の偉大なる個性の代表作☆Thelonious Monk『Brilliant Corners』
Brilliant Corners
録音年:1956年
ez的ジャンル:ユニーク・ジャズ・ピアノ
気分は... :.個性を出すためには..

今日はホワイトデーですね。

昨日デパ地下をうろうろ回りながら、いろいろホワイトデー用の商品を見たけど、チョコ、クッキーなどで一見して個性的なプレゼントって、なかなかないものですな。やっぱり、この手の商品って見た目のインパクトが重要だからね。

さて、今回はインパクト十分のジャズ・ピアニストThelonious Monkの代表作『Brilliant Corners』(1956年)デス。

Monkは本ブログ2回目の登場となりマス。

前回はピアノソロ作品『Thelonious Himself』(1957年)を紹介しましたが、今回はグループとしてのモンク・ミュージックの真価を示した『Brilliant Corners』(1956年)をセレクト。本作は僕が一番最初に購入したMonk作品でシタ。

本作『Brilliant Corners』を同じ1956年に録音されたSonny Rollins『Saxophone Colossus』と一緒に購入した記憶がある。
当時はJazzを聴き始めの頃で、とりあえず雑誌で名盤としていた紹介されていた2枚を購入してみたというノリだったと思う。

その時の印象として、『Saxophone Colossus』は期待通りの名盤だと感じたけど、正直『Brilliant Corners』についてはよくわからんかったね(笑)ジャケの爽やかな表情にすっかり騙された気がしたなぁ。

でも、年月と共にそのアクの強さを個性として受け入れられるようになり、違和感なく聴けるようになってしまうから、慣れって怖いですな(笑)

本作のメンバーは、Thelonious Monk(p)、Ernie Henry(as)、Sonny Rollins(ts)、 Oscar Pettiford(b)、Max Roach(ds)の5人。「Bemsha Swing」のみ、Ernie HenryとOscar Pettifordが抜けて、代わりにClark Terry(tp)、Paul Chambers(b)が加わっていマス。

Monkの強烈な個性がメンバー達を独自の音世界へと引き寄せ、グループとしてのモンク・ミュージックのかたちを見事に表現してみせたアルバムなのでは?

全曲紹介しときやす。

「Brilliant Corners」
Monkのユニークさが満喫できるタイトル曲。不気味で不穏なカンジのテーマを初めて聴いた時には“何じゃこりゃ?”と思いまシタ(笑)ミディアム・スローからダブル・テンポにチェンジする時の疾走感がたまりませんな。いろんなレビューを見ると、Ernie Henryのソロが話題になることが多いみたいですが、確かに前衛的ってカンジはしますね。

「Ba-Lue Bolivar Ba-Lues-Are」
別名「Blue Bolivar Blues」とも呼ばれる曲。気だるいカンジがいいですね。Ernie Henryのソロが好きデス。

「Pannonica」
Monkの後援者だったBaroness Pannonica "Nica" de Koenigswarter(パノニカ・ド・ケーニグスウォーター男爵夫人)に捧げた曲。

ここでMonkは右手でチェレスタ(鉄琴を鍵盤で演奏できるようにした楽器)、左手でピアノを演奏している。チェレスタの音色に滅多に聴かないので、そんな物珍しさもあって印象的ですな。そんなチェレスタのチャーミングな音色もあって、実に優雅な雰囲気がありマス。Nicaの愛称で親しまれたPannonica男爵夫人のイメージがそうだったんでしょうね。

「I Surrender, Dear」
本作唯一のMonkのオリジナルではない作品(Harry Barris/Gordon Clifford作品をソロ・ピアノで聴かせてくれマス。実に叙情的なんだけど、そこはMonk!一くせ、二くせありマス。

「Bemsha Swing」
前述の通り、この曲だけメンバー構成が異なっていマス。なんてことはない、喧嘩が原因らしいです(笑)印象的なテーマと共に、Max Roachのティンパニが目立ちますね。

Monk未体験の方は、僕のようにいきなり本作から聴くよりも、『Thelonious Himself』(1957年)、『Monk's Music』(1957年)あたりから入った方が良いのではと思いマス。
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2007年02月20日

Clifford Brown & Max Roach『Clifford Brown & Max Roach』

ブラウニーとローチの黄金コンビを堪能できる1枚☆Clifford Brown & Max Roach『Clifford Brown & Max Roach』
Clifford Brown & Max Roach
録音年:1954年、1955年
ez的ジャンル:天才トランペッター系ハードバップ
気分は... :言い訳せずにやりきろう!

2月も気付けばあと1週間強ですね。
ホント、今年は年明けからバタバタしっぱなしデス。

充実していると言えばそうなんだけど、やり残していることが山積みなのも事実。
特に、こういう時って小さな事を後回しにしがちだけど、後々その小さな事がボディーブローのようにジワジワ効いてくることが多い。忙しいからと言い訳せずに、何とかやりきってしまいたいものです。

さて、天才トランペッターClifford Brown(1930年-1956年)の『Study In Brown』(1955年)に続く2回目の登場っす。

ブラウニー(Clifford Brownの愛称)は、1954年に本ブログでも紹介したArt Blakey Quintetによる歴史的ライブ『A Night at Birdland』へ参加した後、西海岸へ趣きMax Roach(ds)と出会う。そして、歴史的な名コンボClifford Brown=Max Roach Quintetが誕生した。

このMax Roachとの双頭クインテットは、2年間足らずの間に数々の名演を録音し、我々に宝物の数々を残してくれましたね。

昔、あるジャズ関連の書籍を読んだ時、“Clifford Brownに限って言えば、とるに足りない作品というのは1枚もない!”と書いてあったのが実に印象的だった。

実質4年という短い活動期間の中で、常に輝き続けたブラウニー。ブラウニーの作品を聴いていると、その短い活動期間を悟っていたかのような密度の高さを感じますねぇ。

そんな作品の中から今回は『Clifford Brown & Max Roach』をセレクト。

メンバーは、Clifford Brown(tp)、Harold Land(ts)、Richie Powell(p)、George Morrow(b)、Max Roach(ds)というお馴染みの布陣デス。

流麗かつ温かみのあるブラウニーのトランペット、豪快で奔放なRoachのドラムに加え、コンボとしての充実ぶりを再認識できる1枚っす。特に、Harold Landがいい味出してま!

全曲紹介しときヤス。

「Delilah」
映画音楽の作曲家として有名なVictor Youngの作品。Delilahとは、旧約聖書の中の有名な物語である「Samson and Delilah(サムソンとデリラ)」のDelilahのことです。本バージョンは妖婦デリラらしいミステリアスでエキゾチックな雰囲気がいいですね。ブラウニーのソロは勿論良いですが、Harold LandのテナーとRichie Powellのピアノも実にハードバップらしく印象的です。Roachのマレットも忘れちゃいけませんね。

「Parisian Thoroughfare」
Bud Powell作品。『In Concert』にも収録されているグループの主要レパートリーの1曲ですね。全体的にパリの街並みのような小粋な雰囲気が大好きデス。スピーディーでスリリングな展開もいいですね。Roachのドラム・ソロがかなり来てマス。

「Blues Walk」
ブラウニーのオリジナル。個人的にはアルバムで一番好きな演奏デス。ブラウニーとHarold Landがカッチョ良すぎです!聴いているうちにテンションが上がってくる曲ですね。エキサイティング!の一言に尽きます。

「Daahoud」
ブラウニーのオリジナル。この名コンボの魅力をコンパクトに堪能できる1曲なのでは?Roachの豪快で奔放なドラム・ソロが目立ちますね。

「Joy Spring」
これもブラウニーのオリジナル。タイトルの通り、春の陽気のような軽やかで、楽しげな演奏が聴けマス。

「Jordu」
Duke Jordan作曲によるスタンダード。タイトルのJorduとはDukeのDuとJordanのJorを合わせたものなのだとか。『In Concert』にも収録されていますね。ブラウニーのソロを堪能できる1曲デス。

「What Am I Here For?」
Duke Ellington作品。とってもワクワクする演奏ですね。

さぁ、輝き続けるブラウニーからパワーをもらったところで、こちらも気合い入れて頑張ろうっと!
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2007年01月21日

John Coltrane『Blue Train』

John Coltrane『Blue Train』

Coltrane唯一のBlue Noteリーダー作☆John Coltrane『Blue Train』
Blue Train
録音年:1957年
ez的ジャンル:Coltrane meets Jazz Messengers
気分は... :マジメもいいけど、たまにはガス抜きしないとね!

ジャズの求道者John Coltraneの3回目の登場っす。

これまで紹介してきた『Ballads』(1962年)、『My Favorite Things』(1960年)に続き、今回もColtraneとしては聴きやすい『Blue Train』(1957年)です。

あまりに有名かつ聴きやすいことから、いわゆる“ジャズ通”の人からは超初心者向けと見られがちな作品ですが、そんな事は気にせず楽しめばいいと思いマス。僕は15年以上聴いていて全然飽きません。まぁ、僕は永遠のジャズ初心者ですが(笑)

後期のジャズ求道者としての重苦しい作品ばかりがColtraneではないというカンジで聴いてみて下さい。

というか、いきなりその方面から入ってしまうと永遠にColtraneと縁遠くなる人も多いので、まずはこれらの作品から入ることをオススメします。

あるいはスピリチュアルなジャズに興味がある方は、Coltraneの意志を受け継いだPharoah Sandersあたりを先に聴いてから、後期のスピリチュアルな作品に入ると、スンナリ入れるかもしれませんね。

さて、本作『Blue Train』Coltraneが唯一Blue Noteに残したリーダー作として有名ですね。

当時Prestigeと契約していたColtraneを、Blue Noteの総帥Alfred Lionが1枚だけという条件でレコーディングしたのだとか。

レコーディング・メンバーは、John Coltrane(ts)、Lee Morgan(tp)、Curtis Fuller(tb)、Kenny Drew(p)、Paul Chambers(b)、Philly Joe Jones(ds)というJazz MessengersのMorganとFullerを迎えた3管編成の6名。何と言ってもLee Morganの参加がウレシイ限りっす。

Jazz Messengersのメンバーの参加の影響もあってか、ジャケのブルーで憂いの表情とは裏腹に、リラックスした雰囲気のファンキーなハードバップを聴かせてくれマス。

「I'm Old Fashioned」以外は全てColtrane自身の作品っす。

全曲紹介しときヤス。

「Blue Train」
Coltraneのオリジナル作品を代表するタイトル・ナンバーですね。お馴染みのイントロに続き、いきなりColtraneのソロを存分に堪能できマス。あとはKenny Drewのピアノがサイコーにイカしてますね。

「Moment's Notice」
個人的には、一番のお気に入りの演奏です。全体的に垢抜けたゴキゲンなカンジがいいですね。Coltraneのテナーは勿論のこと、Lee Morganのトランペットもカッチョ良いっす。この曲は以前にPharoah Sandersのバージョン(アルバム『Rejoice』収録)を紹介しましたね。

「Locomotion」
ファンキーな疾走感が魅力の1曲。今ヨーロッパ・サッカーを観ながら記事を書いているので、サッカーに例えると、同じFWでもColtraneはゴール前でドンと構えてひたすら得点を狙うストライカー。Lee Morganは一人で局面を打開する高速ドリブラーってカンジだよね。

「I'm Old Fashioned」
ミュージカル映画『You Were Never Lovelier(晴れて今宵は)』で使われたJerome Kern作曲のスタンダード。後の人気作『Ballads』を予感させるリリカルな演奏を聴かせてくれマス。

「Lazy Bird」
実に明るく軽快な演奏が印象的な1曲。そんな雰囲気の中で各人のソロが楽しめマス。ChambersとPhilly Joeのソロもなかなか。約7分の演奏時間が3分くらいに感じてしまいマス。

次に紹介するのは入門編のダメ押しで『Soultrane』(1958年)あたりかなぁ。あるいはいきなりジャズの求道者となった後期の作品へ行くかもしれません(笑)
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2006年12月24日

Miles Davis『'Round About Midnight』

こんな作品で淡々とイヴを過すのもいいのでは?☆Miles Davis『'Round About Midnight』
'Round About Midnight
録音年:1955年、1956年
ez的ジャンル:Milesのハードバップ絶頂期
気分は... :クリスマス・イヴですね!

いよいよクリスマス・イヴですね。

僕の場合、先日のSounds of Blacknessのエントリーでも書いた通り、感謝したり、祈ったり、願ったりする日がクリスマスだと思っているので、特別浮かれ気分でもないんですけどね。

なので、気分的には淡々とした音楽が聴きたい感じかな。
ということでMiles Davis『'Round About Midnight』をセレクト☆

本ブログ最多登場の帝王Milesは、『On The Corner』(1972年)、『Milestones』(1958年)、『Miles Ahead』(1957年)、『In A Silent Way』(1969年)に続き5回目の登場となりマス。

本作『'Round About Midnight』は、Milesが独立レーベルのPrestigeから大手のColumbiaへの移籍第1弾アルバムとなった作品っす。録音は1955年、1956年、発売は1957年となってマス。これはPrestigeとの契約が残っていたため、こっそり録音だけしておき、Prestigeとの契約が切れるのを待って、即発売という感じだったみたいですね。録音時期は有名なマラソン・セッションの時期とも重なっており、Prestigeに残されたこれらの作品と聴き比べるのも面白いかもしれませんね。

本作は、Miles Davis(tp)、John Coltrane(ts)、Red Garland(p)、Paul Chambers(b)、Philly Joe Jones(ds)というオリジナル・クインテットの最初の録音としても有名ですね。

Milesの長いキャリアの中でハードバップ期の代表作である本作は、僕のMilesコレクションの中でもわりと最初の頃に購入した記憶がある。ジャケのクールなMilesの姿とそのタイトルにつられて購入したカンジだったかなぁ。何せ僕がJazzに興味を持つきっかけとなったのが大学生の時に観たDexter Gordon主演の映画『Round Midnight』(1986年)だったもので。

この作品と言えば、やっぱりMilesのミュート・トランペットの印象が強いよね。永遠のジャズ初心者の僕にミュート・トランペットの美学を教えてくれたのがこの作品のように思いマス。この作品を聴くまではミュートって何かふん詰まりな音だなぁなんて思っていた大バカ者でしたので(笑)

ジャズ初心者の方も、聴きやすく、ハードバップ・ジャズの魅力をわかりやすく伝えてくれる作品だと思いマス。
だからこそ永遠のジャズ初心者の僕が気に入るのかもね?

全曲紹介しときやす。

「'Round Midnight」
本作と言えば、このタイトル曲ですね。Thelonious Monkによる永遠の名曲。以前に紹介したMonk自身のバーションも聴いて欲しいですが、この曲を名曲に押し上げたのはMilesの演奏があったからかもしれませんね。

とにかくMilesのミュートのクールなカッチョ良さといったらたまりませんな。この演奏を聴くと、北方謙三あたりのハードボイルドの世界をすぐに思い浮かべてしまいマス。アレンジもグッドなのですが、これは元々Gil Evansがオーケストラ用に書いたものをMilesが拝借したらしいっす。

Monkのエントリーの時にも書きましたが、当初は「'Round About Midnight」のタイトルでしたが、 Barnie Hanighen が歌詞をつけた時に,どうしてもabout が入らなくて,削ってしまい、「'Round Midnight」となりまシタ。

「Ah-Leu-Cha」
Charlie Parkerの作品。この演奏こそがオリジナル・クインテットの最初の録音曲みたいっす。多少そのあたりのギクシャク感があるのかもしれませんが。MilesとGarlandのソロが好きデス。

「All of You」
Cole Porterの名曲ですね。ここでのクインテットは実に品格のあるエレガントな演奏を聴かせてくれるのがウレシイですね。Milesは『My Funny Valentine』(1964年)でも本曲を取り上げています。個人的にはBill Evans Trioによる演奏(アルバム『Sunday At The Village Vanguard』収録)も愛聴していマス。

「Bye Bye Blackbird」
作詞Mort Dixson、作曲Ray Hendersonによるスタンダード。この曲もMilesの本バージョンによってスタンダードになったと言えるかもしれませんね。Milesの余裕たっぷりの気取ったミュート、Coltraneの気まじめなテナー、Garlandのムード満点のピアノといろいろ楽しめるカンジが好きですね。特にGarlandがこの曲がお気に入りなのか、自身のリーダー作でも何度か本曲を取り上げていマス。

「Tadd's Delight」
かつてMilesとも活動したピアニストTadd Dameronの作品。全体としてこざっぱりとしたカンジが好きですね。特に最初のMilesとColtraneのユニゾンがいいカンジ。

「Dear Old Stockholm」
Stan Getzの演奏で有名なスウェーデン民謡ですね(原曲は「Ack Varmeland Du Skona」、「Warmland」で表記されることも)。Milesは本バージョン以前にもBlue NoteでJ.J.Johnson、Jackie McLeanらと本曲を録音していマス。この曲のメランコリックなムードをMilesは気に入ったのでしょうか?

僕が持っているCDにはオリジナルの6曲しか収録されていませんが、最近のCDはボーナス・トラック4曲が追加されていマス。
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2006年11月16日

Bill Evans Trio『Portrait In Jazz』

ピアノ・トリオ・ジャズの定番アルバム☆Bill Evans Trio『Portrait In Jazz』
Portrait in Jazz
録音年:1959年
ez的ジャンル:ピアノ・トリオ・ジャズの定番
気分は... :心が浄化されマス

『Alone』(1968年)、『Waltz For Debby』(1961年)に続く、3回目のBill Evans登場デス。

本ブログで恒例となっている4半期ごとのアクセス数Top10で前回(2006年7-9月)第1位に輝いたのが『Waltz For Debby』だった。

どちらかと言えば、R&B/Soul、Hip-Hop系のアクセス数が多い本ブログでジャズ・アルバムへのアクセス数が一番多いというのは、かなり意外な結果だったけど、Bill Evansファンが多いことが素直に嬉しかったっす。

さて、今回は『Waltz For Debby』と同じ、Scott LaFaro(b)、Paul Motian(ds)との最強トリオによる代表作『Portrait In Jazz』(1959年)っす。

『Portrait In Jazz』は、もしかしたら一番ポピュラーなBill Evansの作品かもしれませんよね。僕も最初に購入したBill Evans作品はコレでした。当時、僕のJazzに対するイメージって、黒人、破天荒みたいなイメージがあったので、この選挙ポスターのようなクソまじめで仏頂面の白人(Evans)が写るジャケは印象的だったね。

初リーダー作『New Jazz Conceptions』(1956年)を発表した頃は、まだ自らのスタイルを模索していたEvansは、1958年から1959年にかけて、帝王Miles Davisのグループへの参加し、歴史的名盤『Kind Of Blue』(1959年)などのセッションを通じて、モーダルなスタイルを自分のものにしていった。

それを昇華すべく結成したのがLaFaro、Motianとの最強トリオであり、その第1作が本作『Portrait In Jazz』である。よく言われる表現だけど、やっぱりエレガントという表現がピッタリだよね。

そのエレガントさは、Evansのピアノの素晴らしさもさることながら、LaFaroのベース、Motianのドラムが一体化したインタープレイの見事さに尽きると思いマス。

熱心なジャズ・ファンの方からすると、あまりにベタなセレクトと笑われそうですが、やっぱりコレは絶対抑えておくべき1枚だし、飽きずに一生聴き続けることができる作品だと思いますよ。

全曲紹介しときやす。

「Come Rain or Come Shine」
ミュージカル『St.Louis Woman』のために書かれたスタンダード(作詞Johnny Mercer、作曲Harold Arlen)。余計な音がない分、ピアノ、ベース、ドラムの絡みに耳を澄ませると味わい深いっす。

Bill Evans Trioとスウェーデンの歌姫Monica Zetterlundとの共演作『Waltz For Debby』でも取り上げていました。

他アーティストのカヴァーでは、Dinah Washington、Art Blakey & The Jazz Messengers、Sonny Clark、Keith Jarrett、Wynton Kellyなどのジャズ・ミュージシャンが取り上げています。意外なところでは、Eric Clapton & B.B. Kingによるカヴァーなんていうのもありマス。個人的には、映画『For The Boys』のサントラのBette Midlerバージョンも捨て難いですな(このサントラはBeatles「In My Life 」の名カヴァーが目玉ですけどね)。

「Autumn Leaves」
その後、Evansが何度もレコーディングすることになった定番曲。元々はJuliette Grecoによるシャンソンの名曲。Cannonball Adderley『Somethin' Else』(1958年)の演奏が有名かもしれませんが、本作の演奏も実にスリリングなインタープレイが展開され、素晴らしいと思いマス。僕はこのアルバムと言えば、すぐにこの曲が思い浮かぶなぁ。

Wynton Kelly、Keith Jarrett、Red Garlandなど数多くのミュージシャンが取り上げています。

「Witchcraft」
1957年のFrank Sinatraのヒットで有名な曲(作詞Carolyn Leigh、作曲Cy Coleman)。Marvin Gayeもカヴァーしています。本作では恋の魔法にかかったようなウキウキな演奏が印象的ですね。

「When I Fall in Love」
元々は1952年の映画『One Minute To Zero』のために書かれた曲。その後Nat King Coleが取り上げて有名になった曲なのだとか。スタンダード感漂う実にロマンチックな演奏ですね。「Someday My Prince Will Come」、「Autumn Leaves」と並んで、僕がよく聴く曲デス。

Miles Davis、Keith Jarrett、Jackie McLean、Blue Mitchell、Red Garlandなんかも取り上げていマス。

「Peri's Scope」
Evansのオリジナル。とても小粋な感じのする演奏ですね。EvansのピアノとLaFaroのベースの絡みが楽しい(この曲に限ったことではありませんが)。

「What Is This Thing Called Love?」
Cole Porter作品。元々はミュージカル『Wake Up and Dream』のために書かれたもの。“恋とは何?”という永遠のテーマを、ここでは実にスリリングに聴かせてくれます。恋にはこのスピード感が大事なのか(笑)

「Spring Is Here」
Richard Rodgers & Lorenz Hartzによるスタンダード。John Coltraneも取り上げていますね。個人的にはCarly Simonのバーション(アルバム『Torch』収録)をよく学生時代に聴いていまシタ。しっとりと翳りのある演奏がステキですね。

「Someday My Prince Will Come」
「いつか王子様が」という邦題の方がピンとくる1937年のディスニー映画『白雪姫(Snow White and the Seven Dwarfs)』の主題歌(作詞Larry Morey、作曲Frank Churchill)。

個人的には本作で一番聴く頻度が多いお気に入り曲。「Waltz for Debby」(アルバム『Waltz for Debby』収録)、「Alice in Wonderland(不思議な国のアリス)」(アルバム『Sunday At The Village Vanguard』収録)の3曲をセットで聴くのが、僕のお気に入りパターンっす。エレガントな演奏を聴きながら、童心に戻れるカンジがたまりません。

本バーション以外ならばMiles Davisのバージョンが僕のお気に入りデス。Dave Brubeck、Keith Jarrett、Wynton Kellyなども取り上げていマス。

「Blue in Green」
Miles Davisの名盤『Kind Of Blue』(1959年)収録のMiles DavisとBill Evans共作曲。本作でのリリカルな演奏にはただただウットリするのみですね。

こうやって全曲を眺めてみると、改めて充実の1枚だと再認識した次第っす。

ちょっと今へこみ気味なんだけど、Bill Evansの演奏はそんな心を優しく浄化してくれるカンジっす。これだからBill Evansは止められない。
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