2018年02月26日

Made In Brazil『Nosso Segundo Disco(Our Second Album)』

シスコ産ブラジリアン・ジャズ☆Made In Brazil『Nosso Segundo Disco(Our Second Album)』
セカンド・アルバム
発表年:1976年
ez的ジャンル:シスコ産ブラジリアン・ミュージック
気分は... :祭りのあと・・・

今回はサンフランシスコ産のブラジリアン・ミュージック作品、Made In Brazil『Nosso Segundo Disco(Our Second Album)』(1976年)です。

Made In Brazilは、Victor Mによるブラジリアン・ジャズ・バンド。

Victor MことVictor Meshkovskyは、1939年上海生まれのロシア人。1953年に一家でブラジル、サンパウロへ移住し、ブラジル音楽に慣れ親しむようになり、自身もグループを組むようになります。その後1959年に米国へ移住し、サンフランシスコで自身の会社を経営する傍ら、ブラジル音楽のプロモーション活動にも関与すようになりました。

そして、結成した自身のブラジリアン・ジャズ・バンドがMade In Brasilです。Made In Brasilとして、『Numero Um(Number One)』(1975年)、『Nosso Segundo Disco(Our Second Album)』(1976年)という2枚のアルバムをリリースしています。

僕自身は既に1stアルバム『Numero Um(Number One)』(1975年)を当ブログでエントリーした気分で、続く2ndアルバム『Nosso Segundo Disco(Our Second Album)』(1976年)を今回取り上げたつもりになっていましたが、記事を途中まで書いていて『Numero Um(Number One)』が未エントリーであることに気づきました。

『Numero Um』と本作『Nosso Segundo Disco』では、大きくメンバーが異なっており、本作ではキーボード奏者Claudio MedeirosRoberto de LimaLiza Jeorge da Silvaという男女ヴォーカリストが参加しています。

ポルトガル生まれのClaudio MedeirosはVictor Mが発掘したアーティストであり、彼がプロデュースしたアルバムClaudio Medeiros,Victor M & Friends『Rotation』(1975年)は、当ブログでも紹介済みです。

前作『Numero Um』は結構ベタな有名曲カヴァー集でしたが、コンポーザー/アレンジャーとしての才を持つClaudio Medeirosの参加により、本作『Nosso Segundo Disco』にはオリジナルも多数収録されており、アレンジ面でもさらに磨きが磨きが掛かっています。

Edu Lobo/Capinan作の「Ponteio」Milton Nascimento作の「Salt Song」Ivan Lins作の「Madalena」といった名曲カヴァーが目立ちますが、個人的には「Circles」「So Peco P'ra Voce Voltar」といったオリジナルや、Herb Alpert & The Tijuana Brassのカヴァー「Slick」あたりがおススメです。

グルーヴィーなブラジリアン・ジャズをご堪能あれ!

全曲紹介しときやす。

「Ponteio/Asa Branca」
Edu Lobo/Capinan作の名曲「Ponteio」とHumberto Teixeira/Luiz Gonzaga作の「Asa Branca」をカヴァー。グルーヴィーなオルガンの音色、男女ヴォーカルが彩るミステリアスなブラジリアン・グルーヴがオープニング。

「Ponteio」について、当ブログではThe G/9 GroupBatidaSergio Mendesのカヴァーを紹介済みです。また、「Asa Branca」についてもCravo & Canelaのカヴァーを紹介済みです。

「Salt Song」
Milton Nascimento作の名曲「塩の歌」をカヴァー。♪パッパパラッパ♪ダバダバ♪スキャットを伴った軽快なオルガン・グルーヴで名曲を聴かせてくれます。

本曲に関して、当ブログではBossa RioRonald MesquitaChristiane LegrandTania MariaElis Reginaのカヴァーも紹介済みです。

「One, Two-Two」
Victor M作。少しユーモラスなミステリアス感が印象的なオリジナル。
https://www.youtube.com/watch?v=UGck5WoN8SE

「Carinhoso」
Pixinguinha作。美しいピアノ&アコーディオンによるインスト。当ブログではTania MariaElis Reginaヴァージョンも紹介済みです。

「Canaval Medley」
「Mamae Eu Quero」、「Cidade Maravilhosa」、「Cachaca」、「Aurora」、「O Le-Le,O La-La」というカーニヴァル曲のメドレー。緩急つけた楽しげな演奏で盛り上げてくれます。

「Madalena」
Ivan Lins/Ronaldo Monteiro De Souza作の名曲をカヴァー。この曲はいつ聴いても名曲ですね。そんな名曲の魅力を十分に伝えてくれるブラジリアン・ジャズ・カヴァーに仕上がっています。

当ブログでは有名なElis ReginaヴァージョンやTania MariaAquarius Y Luiz AntonioSylvia VrethammarAnamaria & Mauricioのカヴァーを紹介済みです。

「Circles」
Claudio Mendeiros/Victor M作。セルメン好きの人は気に入るであろうブラジリアン・ソフトロック調の仕上がり。クラヴィネット、シンセを織り交ぜたアレンジの妙も光ります。

「So Peco P'ra Voce Voltar」
Claudio Mendeiros/Victor M作。前曲に続き、ソフトリーなブラジリアン・ジャズを楽しめます。Claudio Mendeirosの奏でる鍵盤の音色も心地好いです。

「Slick」
Herb Alpert & The Tijuana Brassのカヴァー(Herp Albert/Joe Pizano作)。オリジナルは『The Beat Of The Brass』(1968年)に収録されています。小粋なオルガン・メロウ・グルーヴのインストで楽しませてくれます。

「A Briza」
Johnny Alf/Victor M作。ラストは美しいピアノをバックに、しっとりと歌い上げるビューティフル・バラードで締め括ってくれます。

1stアルバム『Numero Um(Number One)』(1975年)やVictor MがプロデュースしたClaudio MedeirosClaudio Medeiros,Victor M & Friends『Rotation』(1975年)も併せてチェックを!

『Numero Um(Number One)』(1975年)
ファースト・アルバム

Claudio Medeiros,Victor M & Friends『Rotation』(1975年)
ローテイション
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2018年02月22日

The Impressions『Finally Got Myself Together』

不安を払拭した新生The Impressions!☆The Impressions『Finally Got Myself Together』
ファイナリー・ガット・マイセルフ・トゥゲザー
発表年:1974年
ez的ジャンル:シカゴ・ソウル・グループ
気分は... :今宵楽しく!

今回は70年代ソウル作品からシカゴの名グループThe ImpressionsCurtom時代の1枚、『Finally Got Myself Together』(1974年)です。

Jerry ButlerCurtis MayfieldLeroy Hutsonらを輩出したシカゴ・ソウルの名グループThe Impressionsの紹介は、

全米R&BチャートNo.1となったヒット曲「Choice Of Colors」を収録したCurtom第2弾アルバム『The Young Mods' Forgotten Story』(1969年)に続き、2回目となります。

本作『Finally Got Myself Together』(1974年)は、Curtis Mayfield脱退後にリード・ヴォーカルとしてグループに加入したLeroy Hutsonが抜け、さらにCurtis Mayfieldがプロデュースからも完全に手を引き、グループへの不安が渦巻く中でリリースされました。

結果として、そんな不安を払拭するように、シングル「Finally Got Myself Together (I'm A Changed Man)」を全米R&Bチャート第1位へ送り込んだ起死回生の1枚です。

本作におけるメンバーは、Sam GoodenFred Cashという従来メンバー2名に、Reggie TorianRalph Johnsonという新加入の2名が加わった4名。

プロデュースはEd TownsendLowrell Simon/Rich Tufo。Ed TownsendはMarvin Gaye「Let's Get It On」の共作者としてお馴染みですね。

前述のヒット・シングル「Finally Got Myself Together (I'm A Changed Man)」のみならず、全8曲ファンキー・チューンからスウィート・ソウルまでかなり充実していると思います。アルバム全体がポジティヴかつスウィートな魅力に溢れているのがいいですね。

個人的にはモダン・ソウルな魅力に溢れた「I'll Always Be Here」、スウィート&メロウな「We Go Back A Ways」Curtis Mayfield調のサウンドも聴こえてくる「If It's In You To Do Wrong」、ファンキーな魅力に溢れた「Don't Forget What I Told You」あたりがおススメです。

僕の場合、The Impressionsについて、Curtom時代のCurtis MayfieldLeroy Hutson絡みのアルバムしか興味の対象ではありませんでしたが、その認識を改めさせられたのが本作です。

変な先入観なしに聴けば、かなりいいアルバムだと思います。

全曲紹介しときやす。

「If It's In You To Do Wrong」
Lowrell Simon/Rich Tufoプロデュース。シングルにもなったオープニング。ドラム・ブレイク、ワウワウ・ギター、ストリングスが醸し出す不穏なサウンドはCurtis Mayfield調ですが、ヴォーカルが始まると本作らしいスウィート・ソウルを堪能できます。
https://www.youtube.com/watch?v=P8K4cfPB15Y

Ganksta C「Str8-Husla」、Young Buck feat. Stat Quo「Walk With Me」、Wiz Khalifa「Gotta Get It」、Big K.R.I.T.「2000 & Beyond」等のサンプリング・ソースとなっています。
Ganksta C「Str8-Husla」
 https://www.youtube.com/watch?v=RlwhKvF7uE8
Young Buck feat. Stat Quo「Walk With Me」
 https://www.youtube.com/watch?v=BvP2WAqbb60
Wiz Khalifa「Gotta Get It」
 https://www.youtube.com/watch?v=SAVMB8YfRRk
Big K.R.I.T.「2000 & Beyond」
 https://www.youtube.com/watch?v=cQxxcn7c3f4

「Finally Got Myself Together (I'm A Changed Man)」
Ed Townsendプロデュース。全米R&Bチャート第1位、全米チャート第17位となったヒット曲。The Impressions健在!を示したソウル・チューン!力強いヴォーカルとしなやかなコーラス、Crusadersメンバーらがバックを務めた都会的なソウル・サウンドがよくマッチしています。
https://www.youtube.com/watch?v=q9A0RpXtgiw

「I'll Always Be Here」
Lowrell Simon/Rich Tufoプロデュース。今日再評価が高いのはモダン・ソウルな魅力に溢れた本曲かもしれませんね。ポジティヴに躍動するキャッチーなソウル・チューンは何度もリピートしたくなります。
https://www.youtube.com/watch?v=oxStukWbibU

「Miracle Woman」
Ed Townsendプロデュース。昔ながらのソウル・チューンをエレピの音色が心地好い70年代メロウ・ソウルへアップデートさせた雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=b-c0XI_nOpw

「We Go Back A Ways」
Lowrell Simon/Rich Tufoプロデュース。ヴォーカル・グループらしいコーラス・ワークを楽しめるメロウ・ミディアム。本作らしいスウィートな魅力を堪能できます。
https://www.youtube.com/watch?v=9lGylF94O2A

「Guess What I've Got」
Ed Townsendプロデュース。新生The Impressionsの実力を示してくれる絶品バラードです。オーセンティックなスウィート・ソウルで魅せてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=qMjrtk7zRR8

「Try Me」
Ed Townsendプロデュース。ゴスペル・フィーリングのミディアム・バラード。抑えたトーンのファンキー・メロウなサウンドが格好良いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=jDi91gunRbE

「Don't Forget What I Told You」
Lowrell Simon/Rich Tufoプロデュース。ラストはThe Temptations調のファンキー・チューンで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=9XK8eb_SF8M

The Impressionsの他作品もチェックを!

『The Impressions/Never Ending Impressions』(1963/1964年) ※2in1CD
Impressions/Never Ending Impressions

『Keep on Pushing/People Get Ready』(1964/1965年) ※2in1CD
Keep on Pushing/People Get Ready

『One by One/Ridin' High』(1965/1966年) ※2in1CD
ONE BY ONE/RIDIN!

『The Fabulous Impressions/We're a Winner』(1967/1968年) ※2in1CD
The Fabulous Impressions / We're A Winner

『This Is My Country』(1968年)
This Is My Country

『The Young Mods' Forgotten Story』(1969年)
ヤング・モッズ・フォゴットン・ストーリー

『Check Out Your Mind!』(1970年)
チェック・アウト・ユア・マインド!

『Times Have Changed』(1972年)
タイムズ・ハヴ・チェンジド

『Preacher Man』(1973年)
プリーチャー・マン

『First Impressions/Loving Power』(1975/1976年) ※2in1CD
First Impressions & Loving

『It's About Time』(1976年)
It's About Time

『Come to My Party/Fan the Fire』(1979/1981年) ※2in1CD
Come to My Party/Fan the Fire
posted by ez at 03:21| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月19日

Gene Russell『New Direction』

記念すべきBlack Jazz Records第1弾アルバム☆Gene Russell『New Direction』
New Direction (直輸入盤・帯・ライナー付き)
発表年:1971年
ez的ジャンル:Black Jazz Records系ピアノ・トリオ・ジャズ
気分は... :感動の金メダル!

冬季オリンピック、スピードスケート女性500Mの小平選手の金メダルは、昨日のフィギュア男子に続き、感動的でしたね。

それにしても500Mは競技開始からメダル決定まであっという間でしたね。カーリングのように1試合が長いと疲れますが、反対に全16組の走りが30分強で終わってしまうのも少しあっけないですね。

今回はブラック・ジャズを象徴するレーベルBlack Jazz Recordsの第1弾作品Gene Russell『New Direction』(1971年)です。

ジャズ・ピアニストGene RussellDick Schorylが1969年に設立したブラック・ジャズ専門レーベルBlack Jazz Records。その活動期間は短いものでしたが、印象深いブラック・ジャズ作品を数多く残した伝説のレーベルですね。

本作『New Direction』(1971年)は、レーベル・オーナーGene Russellによる記念すべき初アルバムとなります。

プロデュースはGene Russell本人。

レコーディング・メンバーはGene Russell(p)、Henry Franklin(b)、Larry Gates(b)、
Steve Clover(ds)、Tony William(congas)※あの有名ジャズ・ドラマーTony Williamsとは別人です

Black Jazz Records作品として聴くと、レア・グルーヴ度は低く、ブルージーな演奏が多いので少々おとなしい作品に思えるかもしれません。それでもBlack Jazz Recordsの原点に触れることができる作品として興味深く聴くことができます。

個人的にはパーカッシヴな「Black Orchid」、ソウルジャズな「Listen Here」Stevie Wonderの名曲カヴァー「My Cherie Amour」が僕のおススメです。

ブラック・ジャズ好きの方はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Black Orchid」
Neal Hefti作。The Three Soundsの演奏でも有名な楽曲ですね。タイトルも含めて初のBlack Jazz Records作品のオープニングに相応しいのでは?パーカッシヴなGeneのピアノに、コンガも加わった軽くラテンの入ったリズミックな演奏が印象的なオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=4sorkhmJjts

「Hitting The Jug」
Richard Carpenter作。ピアノ・トリオによるブルージーな演奏が魅力です。

「Willow Weep For Me」
「柳よ泣いておくれ」の邦題で有名なスタンダード(Ann Ronnell作)をカヴァー。お馴染みのスタンダードをピアノ・トリオらしいブルース・フィーリングで聴かせてくれます。

本曲に関して、当ブログではDexter GordonWynton KellyRed GarlandClifford BrownWes MontgomeryJohn Lewis & Sacha DistelStanley Turrentine with The Three SoundsJohnny Lewis Quartetのヴァージョンを紹介済みです。ご興味がある方はそちらの記事もご参照を!

「Listen Here」
ジャズ・サックス奏者Eddie Harris作品をカヴァー。オリジナルは『The Electrifying Eddie Harris』(1968年)に収録されています。Brian Auger & The Trinityもカヴァーしていた曲です。Henry Franklinが格好良いベースで牽引し、Geneがソウルフルなプレイで応えるピアノBlack Jazz流ソウル・ジャズといった趣の演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=3n6PDm7f1OM

「On Green Dolphin Street」
Ned Washington作詞、Bronislau Kaper作曲のスタンダードをカヴァー。当ブログではWynton Kellyのカヴァーを紹介済みです。それ以外にもMiles DavisSonny RollinsBill EvansRed GarlandEric Dolphyなど数多くのアーティストが取り上げている名曲ですね。軽やかな中にも本作らしいブルージーなテイストが漂います。

「Silver's Serenade」
Horace Silver作品をカヴァー。オリジナルは『Silver's Serenade』(1963年)に収録されています。ブルージーかつ小気味よい演奏が印象的です。

「My Cherie Amour」
Henry Cosby/Sylvia Moy/Stevie Wonder作。Stevie Wonderのお馴染みの名曲をカヴァー。Steve Cloverのドラミングがいいアクセントになっている小粋なグッド・カヴァーです。
https://www.youtube.com/watch?v=m32dM7eScdY

「Making Bread」
Gene Harris作。ラストは少しレイジーなブルース・フィーリングの演奏で締め括ってくれます。

Gene Russellのもう1枚のBlack Jazz Records作品『Talk To My Lady』(1973年)もチェックを!
『Talk To My Lady』(1973年)
Talk To My Lady (直輸入盤・帯・ライナー付き)

他のBlack Jazz Recordsの過去記事もご参照下さい。

Kellee Patterson『Maiden Voyage』(1973年)
メイデン・ヴォヤージュ

Doug Carn『Revelation』(1973年)
Revelation (直輸入盤・帯・ライナー付き)

Henry Franklin『The Skipper at Home』(1974年)
THE SKIPPER AT HOME

Doug Carn『Adam's Apple』(1974年)
ADAMS APPLE
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2018年02月16日

Lou Bond『Lou Bond』

再評価の高いフォーキー・ソウル作品☆Lou Bond『Lou Bond』
Lou Bond
発表年:1974年
ez的ジャンル:メンフィス系フォーキー・ソウル
気分は... :善は急げ!

今回は再評価の高い70年代フォーキー・ソウル作品Lou Bond『Lou Bond』(1974年)です。

Lou Bond(1945-2013年)はシカゴ出身の黒人ソウル・シンガー。

60年代に数枚のシングルと1974年に唯一のアルバムとなる本作『Lou Bond』をリリースしています。

アルバム『Lou Bond』は、名門Stax傘下のマイナー・レーベルWe Produce Recordsからリリースされた作品ですが、あのGilles Petersonに絶賛されるなどフォーキー・ソウル作品としての再評価が高い1枚です。確かに、Terry Callierあたりに通じる部分があるかもしれませんね。

ただし、フォーキー・ソウルといってもストリングスやホーン・サウンドを配したアレンジが施されており、フォーキーな質感と練られたサウンドの調和が本作の魅力かもしれません。

プロデュースはJo BridgesLester SnellTom Nixon

レコーディングにはAl McKay(g)、William Murphy(b)、 Steve Holt(ds)、Willie Hall(ds)、 Lester Snell(p)、Sidney Kirk(org)、The Horns Of South Memphis(horns)といったメンフィス系ミュージシャンが参加しています。

再評価のきっかけとなった10分超の大作「To The Establishment」が本作のハイライト。個人的にはオリジナルの「Why Must Our Eyes Always Be Turned Backwards」が一番好きです。

また、「Lucky Me」(Jimmy Webb作)、「Let Me Into Your Life」Bill Withers作)、「That's The Way I've Always Heard It Should Be」Carly Simon作)といったカヴァーも本作らしいフォーキー・ソウル感を楽しめます。

ファルセットを交えて歌い上げるLou Bondのヴォーカルは、味わい深く魅力的です。

フォーキー・ソウル好きの方はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Lucky Me」
Jimmy Webb作。Richard Harris、1968年のシングル曲をカヴァー。Lou Bondらしい哀愁フォーキー・ソウルとして聴かせてくれます。味わい深い語り口がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=djn-TWE3Hmk

「Why Must Our Eyes Always Be Turned Backwards」
John Harris/Lou Bond作。個人的にはコレが一番好きです。ピースフルな雰囲気のサウンドとファルセットを交えたLou Bondのヴォーカルがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=tz01ffaDZWs

「To The Establishment」
John Harris/Lou Bond作。本作の再評価を高めた1曲はストリングスを配したニューソウル的な仕上がり。哀愁のメロディをしみじみと歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=7psjsGe6A3g

本曲は定番サンプリング・ソースとしても大人気です。OutKast「Wailin'」、Prodigy「Trials of Love」、Mary J. Blige「Free (Interlude)」、Brother Ali「Picket Fence」、Houston feat. LeToya Luckett「My Promise」、Ransom「Funeral」、Algebra「My Pride」、Supar Novar「Never Give In」、Starlito「Alright」、Lil B「Whats 100 Dollars」 、Fabolous feat. Trey Songz「Slow Down」、ScHoolboy Q feat. Punch & BJ The Chicago Kid「I'm Good」、Eko Fresh「Zu Extrem」、Genesis the Greykid「A Thought」、Joe Budden「Quality of Life」、Purpose & Confidence「Felony Findings」、Ta-Ku「I Need You」、Cookin Bananas「NPDDPET」、Kuba Knap「Jak Dym Z Tipa」、Mindz of a Different Kind「Black & Brown」、Torae「R.E.A.L.」等のサンプリング・ソースとなっています。
OutKast「Wailin'」
 https://www.youtube.com/watch?v=Hat11nEGpIQ
Prodigy「Trials of Love」
 https://www.youtube.com/watch?v=9_Q5a2VrTOI
Mary J. Blige「Free (Interlude)」
 https://www.youtube.com/watch?v=dZUdgG_UQUI
Brother Ali「Picket Fence」
 https://www.youtube.com/watch?v=a1XzHWP1Lsc
Houston feat. LeToya Luckett「My Promise」
 https://www.youtube.com/watch?v=fuO3GUikeyY
Supar Novar「Never Give In」
 https://www.youtube.com/watch?v=zx5fKgrgq2o
Lil B「Whats 100 Dollars」
 https://www.youtube.com/watch?v=MIPL3wBseIw
Fabolous feat. Trey Songz「Slow Down」
 https://www.youtube.com/watch?v=F7hG3HnrqyY
ScHoolboy Q feat. Punch & BJ the Chicago Kid「I'm Good」
 https://www.youtube.com/watch?v=_4Pq7cE8G0k
Eko Fresh「Zu Extrem」
 https://www.youtube.com/watch?v=dHdOQVY68fk
Genesis the Greykid「A Thought」
 https://www.youtube.com/watch?v=wCaMHGf2F_E
Joe Budden「Quality of Life」
 https://www.youtube.com/watch?v=dpNAOLsrg8Y
Purpose & Confidence「Felony Findings」
 https://www.youtube.com/watch?v=gOQSgHCboVc
Ta-Ku「I Need You」
 https://www.youtube.com/watch?v=OCa-fyaODwQ
Cookin Bananas「NPDDPET」
 https://www.youtube.com/watch?v=sa-JdVKWH6k
Kuba Knap「Jak Dym Z Tipa」
 https://www.youtube.com/watch?v=EBOdp4q3oqk
Mindz of a Different Kind「Black & Brown」
 https://www.youtube.com/watch?v=ICoYthkp010

「Let Me Into Your Life」
Bill Withers作品をカヴァー。Bill Withers自身のヴァージョンは『Bill Withers Live At Carnegie Hall』(1973年)に収録されています。正にフォーキー・ソウルな仕上がりです。少しストリングスが仰々しい感じもしますが・・・
https://www.youtube.com/watch?v=MPqC-gKbJow

「That's The Way I've Always Heard It Should Be」
Carly Simon/Jacob Brackman作。初の全米Top10ヒット曲をカヴァー。オリジナルはアルバム『Carly Simon』(1971年)に収録されています。そんなヒット曲を魅惑のファルセットによるフォーキー・ソウル・カヴァーで聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=H_E8n9expGQ

Murs & 9th Wonder「Marry Me」
Murs & 9th Wonder「Marry Me」
 https://www.youtube.com/watch?v=TWDJGuXoV7o

「Come On Snob」
Lou Bond/Sarah Chandler作。素朴なフォーキー感とスケールの大きなストリングスのコントラストが面白いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=q1Y-x3HEo4E

「I'm Still In Love With You/Motherless Child (Live)」
CDボーナス・トラック。Al Green、1972年の大ヒット曲「I'm Still In Love With You」(Al Green/Al Jackson Jr./Willie Mitchell作)とトラディショナル「Motherless Child」のメドレーのライブ音源です。本編にはないシンプルなギターの弾き語りを聴くことができます。
https://www.youtube.com/watch?v=yxAqx3e3cOY

ギター抱えつつ、面構えは影で見えないジャケの佇まいもいいですね。思わずジャケ買いしたくなる1枚でもあります。
posted by ez at 03:48| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月12日

Lenny Williams『Choosing You』

ガラージ・クラシック「Choosing You」収録☆Lenny Williams『Choosing You』
CHOOSING YOU: EXPANDED EDITION
発表年:1977年
ez的ジャンル:元Tower Of Power系アーバン・ソウル
気分は... :祝日モードの音!

Tower Of Powerのリード・シンガーLenny Williams『Choosing You』(1977年)です。

ベイエリアの人気ファンク・グループTower Of Powerの絶頂期を支えたリード・シンガーLenny Williamsの紹介は、1stソロ・アルバム『Pray For The Lion』(1974年)に続き2回目となります。

本作『Choosing You』(1977年)は、『Pray For The Lion』(1974年)、『Rise Sleeping Beauty』(1975年)に続くソロ第3弾アルバムとなります。

プロデュースはFrank Wilson

レコーディングにはGreg Adams(tp)、Mic Gillette(tp、tb)、Lenny Pickett(ts、as)、Emilio Castillo(as)、Steve Kupka(bs)という古巣Tower Of Powerのホーン・セクションをはじめ、James Gadsen(ds)、Ollie Brown(ds)、James Jamerson(b)、Nathan Watts(b)、Willie Weeks(b)、Ray Parker, Jr.(g)、SpaceArkKenny Chavis(g)、Sonny Burke(key)、Gregory Phillinganes(key)、Neil Larsen(key)等の腕利きミュージシャンが参加しています。

ハイライトとなるのはガラージ・クラシックとしても知られる「Choosing You」ですね。

僕の一番のお気に入りはフリーソウルなメロウ・グルーヴ「Look Up With Your Mind」。それ以外に、ディスコ調の「Riding The High Wire」、軽やかなシャッフル「Shoo Doo Fu Fu Ooh!」、アーバン・ファンク「Please Don't Tempt Me」あたりもおススメです。バラードならば、「Problem Solver」ですかね。

西海岸のアーバン・フィーリングが心地好い1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Shoo Doo Fu Fu Ooh!」
Bernard Thompson/Lenny Williams作。シングル・カットもされた軽やかなシャッフル・ミディアム・グルーヴ。聴いているだけで開放的な気分になれるオープニングです。TOPホーン隊が盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=eJl1f9T9hXA

「Look Up With Your Mind」
Frank Wilson/Judy Wieder作。この曲もシングルになりました。フリーソウル好きが気に入りそうなメロウ・グルーヴ。僕の一番のお気に入りです。
https://www.youtube.com/watch?v=YGfYmm5E_dA

「Choosing You」
Lenny Williams作。今日的にはガラージ・クラシックとしても知られる本曲が本作のハイライトかもしれませんね。シングルにもなりました。国内盤ライナーノーツにも書いてありますが、The Isley Brothersっぽいですね。当時のIsleysをアーバンにすると、こんな感じになるのでは?Ernie Isleyばりのギター・ソロはRay Parker, Jr.です。
https://www.youtube.com/watch?v=vDunbeWjSi8

「Riding The High Wire」
Frank Wilson/John Footman/Judy Wieder作。ディスコ調のダンサブル・チューン。華やかなストリングス・アレンジで盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=eaw8_nM1HgI

Willie the Kid & Lee Bannon「Bath Water Running」のサンプリング・ソースとなっています。
Willie the Kid & Lee Bannon「Bath Water Running」
 https://www.youtube.com/watch?v=99I-AeWIF4s

「Please Don't Tempt Me」
Art Posey/Frank Wilson/Josef Powell作。ジャケットの雰囲気を音に反映したようなアーバン・ファンク。重心の低いグルーヴでグイグイくる感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=OBovQ4cDUmo

「I've Been Away For Too Long」
Art Posey/Josef Powell作。しっとり歌い上げるバラード。ヴォーカリストとしての本領を発揮してくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=QbzkwLWK-Ps

Kool G Rap feat. Haylie Duff「On the Rise Again」のサンプリング・ソースとなっています。
Kool G Rap feat. Haylie Duff「On the Rise Again」
 https://www.youtube.com/watch?v=unOMLdiErBo

「Trust In Me」
Frank Wilson/John Footman/Terri McFaddin作。この曲もバラード。美しいピアノ&ストリングスをバックに切々と歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=hVUb3QN6UU4

「Problem Solver」
David Stallings/Lenny Williams作。1stソロ『Pray For The Lion』(1974年)に収録されていたジェントル・バラードの再演。『Pray For The Lion』ヴァージョンも大好きでしたが、アーバン・メロウ風味の本ヴァージョンもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=zHeNrAN91Rg

ご興味がある方は他のLenny Williams作品もチェックを!

『Pray For The Lion』(1975年)
Pray for the Lion by Wounded Bird Records 【並行輸入品】

『Spark of Love』(1978年)
Spark of Love: Expanded Edition

『Layin' In Wait』(1989年)
Layin' In Wait

『Here's To The Lady』(1996年)
Here's to the Lady

『Love Therapy』(2000年)
Love Therapy

『My Way』(2004年)
My Way

『It Must Be Love』(2007年)
It Must Be Love

『Unfinished Business』(2009年)
Unfinished Business

『Still In The Game』(2012年)
Still in the Game by Music Access Inc. 【並行輸入品】
posted by ez at 00:04| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする