2017年12月14日

Courtney Pine『Underground』

ジャズ+Hip-Hop路線を成熟させた1枚☆Courtney Pine『Underground』
アンダーグラウンド feat.
発表年:1997年
ez的ジャンル:ジャズ+Hip-Hop系UKジャズ
気分は... :ドルフィンズ一矢報いる!

2日遅れになってしまいましたが、NFLのマンデー・ナイトでは我がドルフィンズが王者ペイトリオッツに勝利しました。今シーズンも地区優勝がほぼ確定のペイトリオッツとポストシーズン進出はかなり厳しいドルフィンズ。しかも、2週前に対戦し、敗れたばかりなので、あまり期待していなかったのですが、まさかの勝利!一矢報いました!NHK BSで録画放送を観ましたが、王者相手の堂々の戦いぶりに、結果が分かっていても興奮してしまいました。

今回はUKを代表するジャズ・サックス奏者Courtney Pine『Underground』(1997年)です。

1964年ロンドンのジャマイカ地区生まれのマルチ・リード奏者Courtney Pineの紹介は、『Modern Day Jazz Stories』(1995年)、『Destiny's Song and The Image Of Pursuance』(1988年)に続き3回目となります。

今年に入り、UKソウルの重鎮Omarを大きくフィーチャーした新作『Black Notes from the Deep』(2017年)をリリースし、再び注目されているCourtney Pine

『Black Notes from the Deep』(2017年)
Black Notes from the Deep

Hip-Hop、UKソウル、レゲエ、クラブミュージックのエッセンスも取り入れ、独自のジャズ・ワールドを展開し、人気を博していくCourtney Pineですが、本作では前作『Modern Day Jazz Stories』(1995年)のジャズ+Hip-Hopの方向性を継承し、そのサウンドを成熟させています。

プロデュースはCourtney PineDJ PogoSparki.


レコーディングにはCourtney Pine(sax、clarinet、fl)、 Cyrus Chestnut(p、el-p、org)、 Reginald Veal(b)、 Jeff "Tain" Watts(ds)、 DJ Pogo(turntable)、 Jhelisa(vo)、 Nicholas Payton(tp)、 Mark Whitfield (g)といったミュージシャンが参加しています。

ターンテーブルを使ったHip-Hop色の強い1枚ですが、それが目立ちすぎず、Courtneyのジャズ・ワールドに自然と溶け込んでいるあたりに成熟を感じます。

Guru『Jazzmatazz』がお好きな人であれば、気に入るであろうHip-Hop経由のUKジャズだと思います。

Donny Hathaway/Leroy Hutson作品のカヴァー「Tryin' Times」以外はオリジナルです。

全曲紹介しときやす。

「Intro - Inhale」
イントロ。

「Modern Day Jazz」
ジャズ+Hip-Hopな仕上がり。『Jazzmatazz』と一緒に聴きたくなるサウンドです。Hip-Hopビートとジャズ・サウンドが実にスムースに融合しています。
https://www.youtube.com/watch?v=T6dYJRS6Rbk

「Tryin' Times」
Donny Hathaway/Leroy Hutson作品のカヴァー。『First Take』(1969年)収録のRoberta Flackヴァージョンや『Everything Is Everything』(1970年)収録のDonny Hathawayヴァージョンでお馴染みの曲です。ここではJhelisaの女性ヴォーカルをフィーチャー。Carleen Andersonの従姉妹でもあるJhelisaは本作と同じ1997年にデビュー・アルバム『Language Electric』をリリースしています。リラックスしたジャズ・サウンドをバックに、Jhelisaが雰囲気たっぷりのヴォーカルを聴かせてくれます。Courtneyの伸びやかなソプラノも心地好いです。
https://www.youtube.com/watch?v=Rtr1vkGWK7c

「Oneness Of Mind」
アシッド・ジャズらしいターンテーブルを交えた少しザラついたジャズ・サウンドを楽しめます。Cyrus Chestnutのエレピや、CourtneyとNicholas Paytonの掛け合いもグッド!

「Invisible (Higher Vibe)」
Courtneyの伸びやかなプレイを満喫できる美しいバラード。内面から湧き上がるヴァイヴが伝わってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=BCY8u8AEOWU

「The Book Of...(The Dead)」
10分近くに及ぶ大作。ターンテーブルも交えていますが、本格的なジャズ・サウンドを楽しめるストレート・アヘッドな魅力もあります。Courtneyのサックスのみならず、バス・クラリネットのプレイも楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=2XCxdu0eCYc

「Children Of The Sun」
ゆったりと心地好いプレイを楽しめるスムーズ・ジャズですが、ターンテーブルがいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=9CFXrGSUBkc

「The In-Sense Song」
ストレート・アヘッドな演奏ですが、要所で聴かれるバス・クラリネットとターンテーブルがミステリアスな雰囲気を醸し出します。
https://www.youtube.com/watch?v=n5j-36P79b0

「Silver Surfer」
Jeff "Tain" Wattsの叩き出すリズムがHip-Hop調からスウィンギーに演奏を変貌させます。

「Underground」
DJ PogoによるHip-Hopビートを強く打ち出したアシッド・ジャズらしい1曲ですが、それが突出していない点がCourtneyのジャズ・ワールドの進化かもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=kfFYv0ICOrY

「Outro - Exhale」
アウトロでアルバムは一度幕を閉じます。

「Save The Children」
Jhelisaをフィーチャーした本曲はアンコール的な1曲といったところでしょうか。Jhelisaの優しい歌とCourtneyのフルート/サックスが包み込む愛に満ちた1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=yFdk0t0b238

Courtney Pineの他作品もチェックを!

『Journey to the Urge Within』(1986年)
Journey to/Urge..

『Destiny's Song and The Image Of Pursuance』(1988年)
courtney pine destiny's song.jpg

『The Vision's Tale』(1989年)
The Vision's Tale

『Closer To Home』(1990年)
Closer to Home

『Within The Realms of Our Dreams』(1991年)
Within the Realms of Our Dr

『To The Eyes of Creation』(1992年)
To the Eyes of Creation

『Modern Day Jazz Stories』(1995年)
Modern Day Jazz Stories

『Back in the Day』(2000年)
Back in the Day

『Devotion』(2003年)
Devotion

『Transition in Tradition: En Hommage a Sidney Bechet』(2009年)
Transition in Tradition: En Ho

『Europa』(2011年)
Europa

『House of Legends』(2012年)
House of Legends

『Song (The Ballad Book)』(2015年)
Song

『Black Notes from the Deep』(2017年)
Black Notes from the Deep
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2017年12月06日

Groove Collective『We The People』

洗練されたN.Y.ジャズ・ファンク☆Groove Collective『We The People』
groove collective we the people.jpg
発表年:1996年
ez的ジャンル:N.Y.ジャズ・ファンク
気分は... :チャーシューエッグ丼!

今回はN.Y.ジャズ・ファンク作品からGroove Collective『We The People』(1996年)です。

N.Y.のジャズ・ファンク・グループGroove Collectiveの紹介は、Steely Dan作品でお馴染みのGary Katzがプロデュースしたことでも話題となったデビュー・アルバム『Groove Collective』(1994年)に続き2回目となります。

2ndアルバムとなる本作『We The People』(1996年)は、グループのセルフ・プロデュースです。

本作におけるメンバーは、Gordon "Nappy G" Clay(per、timbales、bongos、talking drum、vo)、Fabio Morgera(tp、fl、vo)、Jonathan Maron(b、g、moog、vocoder)、Jay Rodriguez(ts、ss、bs、bcla、berimbu、gaita、vo)、Josh Roseman(tb、key、g、vo)、Itaal Shure(el-p、p、org、syn、vo)、Genji Siraisi(ds、prog、vo、vocoder)、Chris Theberge(congas、per、vo)、Bill Ware(vibe、el-p、p、vo)、Richard Worth(fl、alt fl、picollo、shakuhachi、kalimba、vo)の10名。

メンバー以外にAdam Rodgers(g)、Vinia Mojica(vo)、MC Babee Power(vo)、Saul Rubin(g)といったミュージシャンも参加しています。

1st『Groove Collective』と比較すると、話題性が少ない作品かもしれませんが、バンドの音が練られ、このグループならではのジャズ・フィーリングを楽しむことができます。

Hip-Hop的なアシッド・ジャズを期待するのであれば、1st『Groove Collective』、よりジャズ・ユニット的な音を求めるのであれば、本作『We The People』といったところでしょうか。

N.Y.の街の息遣いが聴こえてくるジャズ・ファンクを楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「Jay Wrestles The Bari Constrictor Pt.1」
アルバムのイントロ的な小曲。

「Loisaida」
ラテン/カリビアン・テイストのジャム・セッション的な仕上がり。トロンボーンの響きが似合うジャズ・グルーヴです。
https://www.youtube.com/watch?v=vlnPy4-qT2s

「Lift Off」
ヴォーカル入りのアーバンなメロウ・ミディアム。序盤のメロウ・ヴァイヴの響きがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=q7D8r92ftS8

「Everybody (We The People)」
タイトル曲は爽快に疾走するアシッド・ジャズらしいジャズ・ファンク。抜けのいいホーン・アンサンブルがいいですね。

「Fly」
フルートが妖しく響くミステリアス・モードと情熱的なラテン・モードを織り交ぜた構成が面白いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=_PhWm2vgRTg

「Sneaky」
N.Y.のジャズ・ファンク・バンドらしい空気感のある演奏です。目まぐるしく変化していく感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=D673DHQ26AM

「I Am」
ラップをフィーチャーしたHip-Hopバンド調の仕上がり。個人的にはこういったジャズ+Hip-Hopな曲を期待している面もあるので嬉しい1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=7cBsDPwpOhk

「Caterpillar」
落ち着いた雰囲気のホーン・アンサンブルにグッとくるオトナのアーバン・ジャズ。メロウ・ヴァイヴがアーバン・ナイトへ誘います。
https://www.youtube.com/watch?v=eUw1iDsypIk

「Hide It」
格好良さでいえばアルバム随一。勢いだけではない余裕のある疾走感にグッときます。後半はヴァイヴが演奏全体を牽引します。
https://www.youtube.com/watch?v=3EcnCPFn-GE

「Anthem」
さりげないですが、Hip-Hop世代のジャズ・ファンクといった感じですね。
https://www.youtube.com/watch?v=UjduH7ZM91o

「Sedate」
N.Y.の街の息遣いを音にしたような演奏です。

「Jay Wrestles The Bari Constrictor Pt.2/Nightwaves」
アウトロ的な「Jay Wrestles The Bari Constrictor Pt.2」に続き、隠しトラック的に登場する「Nightwaves」はリラックスしたジャム・セッションといった趣です。

ご興味がある方はGroove Collectiveの他作品もチェックを!

『Groove Collective』(1994年)
The Groove Collective

『Dance of the Drunken Master』(1998年)
DANCE OF THE DRUNKEN MASTER [Import]

『Declassified』(1999年)
DECLASSIFIED

『It's All in Your Mind』(2001年)
It's All in Your Mind

『Brooklyn, NY 04.20.02』(2002年)
Brooklyn, NY 04.20.02

『People People Music Music』(2006年)
People People Music Music (Dig)

『PS1 Warm Up:Brooklyn, NY, July 2, 2005』(2007年)
Ps1 Warm Up: Brooklyn Ny July 2nd 2005
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2017年11月23日

Ol' Skool『Ol' Skool』

Keith Sweatに見出された男性R&Bグループ☆Ol' Skool『Ol' Skool』
Ol Skool
発表年:1998年
ez的ジャンル:Keith Sweat系男性R&Bグループ
気分は... :美メロに包まれて・・・

今回は90年代男性R&Bグループ作品からOl' Skool『Ol' Skool』(1998年)です。

Ol' Skoolはセントルイスで結成された男性R&Bグループ。
メンバーはJerome "Pookie" LaneTony HerronCurtis JeffersonBobby Crawfordの4名。

Keith Sweatに見出されたグループは、1997年にシングル「Set You Free」でデビュー。1998年に1stアルバム『Ol' Skool』、2000年に2ndアルバム『R.S.V.P.』をリリースしています。

1stアルバムとなる本作『Ol' Skool』(1998年)は、Keith Sweatがエグゼクティブ・プロデューサーとして名を連ね、Bobby CrawfordCurtis Jeffersonといったメンバー以外に、Keith SweatKevin JohnsonMarvin "Chanz" ParkmanAllan "Grip" Smithがプロデュースを務めています。

実力派グループらしく、ミディアム〜スロウ中心の構成で勝負しています。

話題曲はデビュー・シングル「Set You Free」Keith Sweat & Xscapeをフィーチャーした2ndシングル「Am I Dreaming」あたりですが、「Without You」「Slip Away」「Don't Be Afraid」「Come With Me」といった美メロ・バラードもオススメです。

僕の場合、歌が巧さばかりが目立ってしまうディープすぎる男性R&Bグループって得意ではありませんが、Ol' Skoolの場合、90年代男性R&Bならではの胸キュンの美メロ・フィーリングがあるのがいいですね。このあたりはKeith Sweat譲りかもしれませんね。

美メロの男性R&Bグループ作品が聴きたい方はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Don't Be Afraid (Introlude)」
アルバムのイントロ。

「Set You Free」
Bobby Crawfordプロデュース。デビュー・シングルにもなった1曲です。リラックスした雰囲気ながらも実力派グループらしいヴォーカル・ワークで魅了するミディアムです。
https://www.youtube.com/watch?v=eZYdxZ6DMLo

「Come With Me」
オススメその1。Bobby Crawfordプロデュース。アコースティック・ギターの透明感のある音色がグッドな美メロ・バラード。90年代男性R&Bグループらしい魅力があります。
https://www.youtube.com/watch?v=eekS0im1E8U

「Slip Away」
オススメその2。Marvin "Chanz" Parkmanプロデュース。しっとりと歌い上げるビューティフル・バラード。至極のヴォーカル・ワークにヤラれます。
https://www.youtube.com/watch?v=GXHYVjO-m1M

「Still Here 4 U」
Kevin Johnson/Curtis Jeffersonプロデュース。オーセンティックな魅力があるスロウ。あまりディープになりすぎないところが僕好み。
https://www.youtube.com/watch?v=PgGeZdppv5c

「Without You」
オススメその3。Kevin Johnson/Bobby Crawfordプロデュース。素敵なギターがナビゲートする美メロ・バラード。切々と思いの丈を伝えるヴォーカルに胸が締めつけられます。
https://www.youtube.com/watch?v=IH5ZtXhswAM

「Just Between You And Me」
Bobby Crawford/Marvin "Chanz" Parkmanプロデュース。90年代らしいバラードですが、他の曲に比べると少し印象が薄いかも・・・
https://www.youtube.com/watch?v=8kPZ9J60gBg

「It Won't Let Go」
Kevin Johnson/Curtis Jeffersonプロデュース。Pretty Russのラップもフィーチャーしたミディアム・グルーヴ。
https://www.youtube.com/watch?v=YBKSmj2CvdM

「Don't Be Afraid」
オススメその4。Bobby Crawfordプロデュース。Jodeciあたりが好きな人が気に入りそうな美メロ・ミディアム・バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=Ubti-C1Ve3Y

「Am I Dreaming」
オススメその5。Allan "Grip" Smith/Keith Sweatプロデュース。Keith SweatXscapeをフィーチャーしたAtlantic Starrのカヴァー。オリジナルはアルバム『Radiant』(1980年)に収録されています。アルバムからの2ndシングルにもなっています。 SkoolとXscapeの相性がバッチリの素敵なコラボです。さらにKeith Sweatが加われば、言うことなしでしょう!Xscapeのアルバム『Traces Of My Lipstick』(1998年)にも収録されています。
https://www.youtube.com/watch?v=df0ceAvtFd8

「Touch You」
Bobby Crawfordプロデュース。少しテンポアップしたミディアム・グルーヴ。
https://www.youtube.com/watch?v=KZpaTO291Sg

「Set You Free (Outerlude)」
アルバムのアウトロ。

『R.S.V.P.』(2000年)
R.S.V.P.
posted by ez at 00:42| Comment(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月13日

Cassandra Wilson『Jumpworld』

M-Baseの面々が大挙参加!☆Cassandra Wilson『Jumpworld』
ジャンプワ−ルド(JUMPWORLD) (MEG-CD)
発表年:1990年
ez的ジャンル:M-Base系女性ジャズ・ヴォーカル
気分は... :M-Baseの精神・・・

ジャズを超越した最高の女性シンガーCassandra Wilsonの初期作品『Jumpworld』(1990年)です。

これまで当ブログで紹介したCassandra Wilsonは以下の7枚(発売年順)。

 『Point Of View』(1986年)
 『Days Aweigh』(1987年)
 『Blue Light 'Til Dawn』(1993年)
 『New Moon Daughter』(1995年)
 『Traveling Miles』(1999年)
 『Belly Of The Sun』(2002年)
 『Glamoured』(2003年)

本作『Jumpworld』(1990年)は、『Point Of View』(1986年)、『Days Aweigh』(1987年)、『Blue Skies』(1988年)に続くJMT第4弾アルバムとなります。

本作で注目すべきは、当時Cassandraも所属していた先鋭ジャズ・コレクティヴM-Baseの面々が大挙して参加している点です。

Rod Williams(p、key)、Kevin Bruce Harris(b)、Mark Johnson(ds)という当時のレギュラー・メンバーに加え、Steve Coleman(sax)、Greg Osby(sax)、Gary Thomas(sax)、Graham Haynes(tp)、Robin Eubanks(tb)、David Gilmore(g)、Lonnie Plaxico(b)といったM-Baseメンバーがレコーディングに参加しています。

今日ではM-Baseと言ってもピンと来ない人も多いのでしょうが・・・

プロデュースはCassandra Wilson自身。

前作『Blue Skies』(1988年)がスタンダード集であった反動からか、本作は全11曲中10曲がCassandraのオリジナルです(共作含む)。

レコーディング・メンバーから想像できるように、1990年当時の"最新ジャズ"を楽しめます。最も顕著なのはラップを取り入れたタイトル曲「Jump World」。先鋭ジャズ集団からのHip-Hopアプローチは、Hip-Hopとジャズの融合の代名詞であるJazzmatazzあたりと比較すると興味深く聴けるはずです。

それ以外にもCassandraのダーク&ミステリアスなヴォーカルとSteve ColemanをはじめとするM-Baseメンバーによる独自のクールなジャズ・ワールドを楽しめます。

決してCassandraの代表作の類ではありませんが、M-BaseメンバーとしてのCassandra Wilsonを満喫できる点で見逃せない1枚なのでは?

全曲紹介しときやす。

「Woman on the Edge」
Cassandra Wilson作。ミステリアスな雰囲気の中でCassandraが強く生きる女性にエールを送るオープニング。Graham Haynes、Gary Thomasがソロで盛り上げてくれます。

「Domination Switch」
Steve Coleman/Cassandra Wilson作。ファンク・テイストのM-Baseらしいサウンドをバックに、Colemanのサックス、Cassandraのヴォーカル、David Gilmoreのギターが輝きを放ちます。
https://www.youtube.com/watch?v=OhaTWZ21sMI

「Phase Jump」
Steve Coleman/Cassandra Wilson作。インタールード的な小曲ですが、なかなかエキサイティングです。

「Lies」
Cassandra Wilson作。哀愁ミディアム・バラードですが、少しカリビアン風なテイストがいいですね。

「Grand System Masters」
参加メンバーGraham Haynesの作品。作者Graham Haynesのミュート・トランペットがナビゲートされ、Cassandraのスキャットが浮遊します。

「Jump World」
Kirth Atkins/Steve Coleman/James Moore/Cassandra Wilson作。タイトル曲はKurtis Blow作品でお馴染みのプロデューサー/シンガーソングライターJ.B. Moore(James Moore)のラップをフィーチャーしています。この当時のジャズ作品で違和感なくHip-Hopを取り入れているあたりがM-Baseのセンスですね。
https://www.youtube.com/watch?v=ukzOCNOe5oM ※一部のみ

「Love Phases Dimensions」
Kevin Bruce Harris/Rod Williams/Cassandra Wilson作。プリンセス・オブ・ダークネスらしいヴォーカルで壮大なスケールの愛を歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=HsBvVd-Mpkw

「Whirlwind Soldier」
Cassandra Wilson作。オーセンティックなアコースティック・バラードをしっとりと歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=1DB5FcKEUgI

「Warm Spot」
Kevin Bruce Harris/Mark Johnson/Rod Williams/Cassandra Wilson作。Cassandraのヴォーカルとバッキングが一体化して躍動する感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=IGlc-BOFAk4

「Dancing in Dream Time」
David Gilmore/Cassandra Wilson作。夢の中を浮遊するかのようなミステリアスな雰囲気があります。作者David Gilmoreのギターの音色がミステリアス・ムードを醸し出しています。

「Rock This Calling」
Steve Coleman/Cassandra Wilson作。ラストはColemanのサックス・ソロが印象的なミステリアス・チューンで締め括ってくれます。

Cassandra Wilson作品の過去記事もご参照下さい。

『Point Of View』(1986年)
ポイント・オブ・ヴュー

『Days Aweigh』(1987年)
デイズ・アウェイ

『Blue Light 'Til Dawn』(1993年)
Blue Light 'Til Dawn

『New Moon Daughter』(1995年)
New Moon Daughter

『Traveling Miles』(1999年)
トラヴェリング・マイルス

『Belly Of The Sun』(2002年)
Belly of the Sun

『Glamoured』(2003年)
Glamoured by Wilson, Cassandra 【並行輸入品】
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2017年11月03日

Michael Speaks『No Equal』

ゴスペルの影響も感じる濃厚な男性R&B作品☆Michael Speaks『No Equal』
michael speaks no equal.jpg
発表年:1995年
ez的ジャンル:濃厚系男性R&B
気分は... :Mike Tyson最強!

今回は90年代男性R&B作品からMichael Speaks『No Equal』(1995年)です。

Michael Speaksは1977年ミシガン州ベントン・ハーバー出身の男性R&Bシンガー。

「Freak Like Me」の大ヒットで知られる女性R&BシンガーAdina Howardのデビュー・アルバム『Do You Wanna Ride?』(1995年)収録の 「You Don't Have To Cry」でフィーチャリングされ、デビューを果たします。

Adina Howard feat. Michael Speaks 「You Don't Have To Cry」
 https://www.youtube.com/watch?v=wkjTo7KiyXs

自身の名義では本作『No Equal』(1995年)と『Praise at Your Own Risk』(2000年)という2枚のアルバムをリリースしています。当ブログで紹介した作品でいえば、Sa-Deuce『Sa-Deuce』(1996年)でMichaelがフィーチャリングされています。

さて、今回する1stアルバム『No Equal』(1995年)は、ボクサー姿のMichaelが写るジャケのように、男気のある濃厚なR&B作品に仕上がっています。シャウトするMichaelのヴォーカルはなかなか魅力的です。

その一方で、後半はコンテンポラリー・ゴスペル調の楽曲も交え、ヴォーカルワークに重点を置いた楽曲が目立ちます。Michaelの原点がゴスペルであることを強く感じます。

前半ならば、「Heartbreaker」「I Specialize」「Out Of My Mind」、後半ならば、「Whatever You Need」「Nothin' I Wouldn't To Do For」あたりが僕のオススメです。

派手さはありませんが、安定した内容の男性R&B作品だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Undisputed (Tribute To Mike Tyson)」
アルバムのイントロ。ボクシングのトレーニングをイメージさせます。当時、誰もが認める(Undisputed)"最強"のボクシング世界ヘビー級チャンピオンであったMike Tysonに捧げられたものです。The Mecca Don Bros.プロデュース。

「I'll Make It Alright」
Carl Roland/Charles Jordan/Al Fouseプロデュース。熱狂するボクシングの試合会場の効果音と共に始まるファンク・チューン。重心の低いグルーヴ感がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=lJh76oq9-Tw

「Is It Still Good」
Carl Roland/Charles Jordan/Al Fouseプロデュース。この時期の男性R&Bらしいメロディアスなミディアム・バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=e-FhsZw_4JA

「Out Of My Mind」
Carl Roland/Livio Harrisプロデュース。僕好みの美メロ・バラード。Michaelと女性バック・ヴォーカルとの絡みがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=RMeyMSen8Eg

「I Specialize」
Darin Whittingtonプロデュース。Skull Snaps「It's a New Day」をサンプリングしたビートがいい感じのダンサブルなミディアム・グルーヴ。90年代R&Bグルーヴ好きの人は気に入る1曲だと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=7x34KGufM2Q

「Heartbreaker」
Jorge Corante/Livio Harrisプロデュース。個人的にはアルバムのハイライト。Al Johnson & Jean Carne「I'm Back for More」をサンプリングしたキャッチーなR&Bグルーヴ。男気のあるMichaelのヴォーカルが栄える1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=LEv02VdNOUQ

「From The Back」
Michael Speaks/T-Westプロデュース。Michaelがシャウトしまくる90年代男性R&Bらしい濃厚なスロウ・ジャムで迫ります。
https://www.youtube.com/watch?v=3yyRFmi8COA

「I'm Sorry」
Kiyamma Griffin プロデュース。コンテンポラリー・ゴスペル調の仕上がり。アルバム前半とは異なるMichael Speaksの魅力が伝わってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=RogFEJJ9Qls

「If Only For One Night」
The Mecca Don Bros.プロデュース。男臭いミディアム。この濃厚さがこの人の魅力なんでしょうね。
https://www.youtube.com/watch?v=RogFEJJ9Qls

「Whatever You Need」
Carl Roland/Livio Harrisプロデュース。素敵なヴォーカルワークが栄えるビューティフル・バラード。オーセンティックな魅力があります。
https://www.youtube.com/watch?v=QV8UMQlyLoQ

「Nothin' I Wouldn't To Do For」
John Howcott/Emanuel Officer/Donald Parksプロデュース。「Whatever You Need」と同系統のオーセンティックなバラード。ヴォーカルワークで魅せます。
https://www.youtube.com/watch?v=9hrfoJxVX2I

「Jesus Is Real」
Michael Speaks/The Mecca Don Bros.プロデュース。TGE Choirをフィーチャー。この時期流行ったコンテンポラリー・ゴスペルな仕上がりです。New Life Community Choir feat. John P. Keeのカヴァーです。
https://www.youtube.com/watch?v=QWnR3ZjNhBw

「You Don't Have To Cry (Remix)」
CDボーナス・トラック。Michaelのデビュー・シングルAdina Howard「You Don't Have To Cry」のリミックス。
https://www.youtube.com/watch?v=Z1v5rEEjExE

ご興味がある方は2nd『Praise at Your Own Risk』(2000年)や「You Don't Have To Cry」のオリジナル収録のAdina Howard『Do You Wanna Ride?』(1995年)あたりもチェックしてみては?

『Praise at Your Own Risk』(2000年)
プレイズ・アット・ユア・オウン・リスク

Adina Howard『Do You Wanna Ride?』(1995年)
Do You Wanna Ride
posted by ez at 15:07| Comment(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする