2008年11月18日

Q-Tip『The Renaissance』

遂にQちゃん復活!☆Q-Tip『The Renaissance』
The Renaissance
発表年:2008年
ez的ジャンル:ルネッサンス系Hip-Hop
気分は... :Qちゃん復活!(髭男爵風に)ルネッサ〜ンス!

遂にQちゃん復活!
と言ってもマラソンのQちゃんではありません...って、みんな書いているんでしょうね(笑)

Hip-Hop界のQちゃん、Q-Tipの8年ぶりの新作『The Renaissance』(2008年)です。

先日のA Tribe Called Quest『People's Instinctive Travels And The Paths Of Rhythm』の記事でも書いたとおり、実際に店頭で手に取るまでは安心できない心境だったので、無事こうして聴くことができただけで大感激ですね。

ATCQの中心人物として90年代のHip-Hopシーンを牽引してきたQ-Tipでしたが、ATCQ解散後は地味な感じでしたよね。
1stソロ『Amplified』(1999年)は成功とも失敗とも言えないビミョーな結果だったし、幻の2ndソロ『Kamaal the Abstract』はリリースを見送られ(現在ではその音源を聴くことができますが)...とファンにとっては寂しい限りでしたよね。

ATCQのレア・トラック集などを聴きながら、"Q-Tipは新作をリリースしないのかなぁ"と待ちわびていたファンの方も多かったのでは?僕もそんな一人でしたぁ。

個人的には新作をちゃんとリリースしてくれた!というだけで満足なのですが、内容もサイコーなので二重の喜びです。

Raphael Saadiq、故J DillaNorah JonesD'Angeloといった豪華ゲストの参加も嬉しいですが、アルバム全体支配するジャズ・テイストが印象的です。"ジャジー"というよりも"ジャズ"なんですよね。その意味ではバックに配したジャズ系ミュージシャンの好サポートぶりが目立ちます。

マラソンQちゃんは引退しましたが、Hip-Hop界のQちゃんには復活してもらわねば!

内容云々に関係なくミーハー気分で今年のNo.1Hip-Hopアルバムは本作で決まり!

全曲紹介しときヤス。

「Johnny Is Dead」
復活アルバムのオープニングは大人のHip-Hopといった雰囲気ですね。ジャズ・ギタリストKurt Rosenwinkelのギターの響きが印象的です。

「Won't Trade」
Ruby Andrews「You Made A Believer Out Of Me」ネタのイナたいトラックがいいですね。シカゴ・ソウル・フレイヴァーのはずがだんだん演歌フレイヴァーに聴こえてきてしまい...♪エンヤコラ〜♪エンヤコラ〜♪なんて歌いたくなるのは僕だけでしょうか(笑)

「Gettin' Up」
アルバムからのリードシングル。Madlib「Understanding (Comprehension)」でもお馴染みBlack Ivory「You and I」ネタの軽快で明るいトラックがQ-Tipらしいですね。スコーンと突き抜けたラップ&トラックが今までのモヤモヤを一発で吹き飛ばしてくれます。サイコー!GapのCMっぽいPVも大好き!
http://jp.youtube.com/watch?v=Hki_gfj8l3k&feature=related

オリジナルに加え、Swizz Beatzがプロデュースしたリミックスも話題ですね。女性ラッパーEveをフィーチャーし、トラックはPuff Daddy「It's All about the Benjamins」ネタです。こちらもなかなか楽しめます。
Q-Tip Feat. Eve「Gettin Up(Remix)」
http://jp.youtube.com/watch?v=OVYDG1PgOKY

「Official」
生音バックがいい感じのライト・グルーヴ。ジャジーなHip-Hopと言うよりも、ジャズの演奏に合わせてラップしているって雰囲気ですね。

「You」
ジャズ・ファンにはお馴染みの期待のピアニストRobert Glasperが参加しています。Glasperのリリカルかつエレガントなピアノに合わせて、Qちゃんが哀愁ラップを聴かせてくれます。秋〜冬にピッタリな仕上がりです。

「We Fight/We Love」
Raphael Saadiqをフィーチャー。この2人の相性の良さは聴く前からバッチリというのがわかりますよね。ジャズ・サウンドに合わせて、どこか懐かしい哀愁メロウな歌&ラップを聴かせてくれます。

「Manwomanboogie」
女性ラッパーAmanda Divaをフィーチャー。正直、アルバムで一番カッチョ良い曲だと思います。ただし、Q-TipやAmanda Diva以上にエキサイティングな演奏を聴かせてくれるバック陣がカッチョ良すぎです。特にベースのAntuan Barrettがサイコー!Can「A Spectacle」ネタ。

「Move」
2ndシングルは故J Dillaプロデュース曲です。Jackson 5「Dancing Machine」をサンプリングしたダンサブルな仕上がりです!PVのQちゃんもどこかMJっぽいですよね(笑)ご機嫌な曲ですが、これがJ DillaとQ-Tipの最後のコラボだと思うと感慨深いものがあります。
http://jp.youtube.com/watch?v=CI2szueHoL8

「Dance on Glass」
イントロのアカペラが印象的ですね。Qちゃんらしいフロウを堪能できる1曲。

「Life Is Better」
Norah Jonesをフィーチャー。意外な組み合わせの実現ですよね。Norahの優しく湿り気のあるヴォーカルとお経のようなQちゃんラップ絡みは納豆カレーを食べたような気分(?)...案外合うんじゃない?落ち着いたジャズ・サウンドは、QちゃんよりもNorahのフィールドに近いと思います。そう考えると、それほど意外な組み合わせではないのかも?

「Believe」
D'Angeloをフィーチャー。この二人が組むと"浮遊感×浮遊感"といった感じですね。不思議な世界の中で至極のフワフワ気分になれます。 気分はへヴン???Youtubeにもこの曲がアップされていましたが、アルバム収録のヴァージョンとは異なるものでした。アルバム・ヴァージョンの方が二人の魅力である浮遊感を堪能できる仕上がりで好きです。

「Shaka」
バラク・オバマ次期合衆国大統領絡みの曲として話題になりましたね。やはり、初のアフリカ系大統領誕生というのは我々が考える以上に大きな出来事なのでしょうね。

日本盤にはボーナス・トラックとしてJ Dillaプロデュースの「Fever」が収録されています。
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2008年11月10日

John Legend『Evolver』

伝説第3幕は"進化"☆John Legend『Evolver』
Evolver
発表年:2008年
ez的ジャンル:"進化中"コンテンポラリーR&B
気分は... :進化はいいけど、劇的変化は...

今日はJohn Legend待望の3rdアルバム『Evolver』っす。

John Legendの紹介は『Once Again』(2006年)に続き2回目になります。

今秋〜冬の男性R&B新作ラッシュの中でも、Musiq Soulchildの新作と並んで最も心待ちにしていた1枚です。

グラミー3部門を受賞したデビュー作『Get Lifted』(2004年)、さらに自信に満ちた2nd『Once Again』(2006年)と今時珍しいくらいに正統派のコンテンポラリーR&B/Soulを聴かせてくれていたJohn Legend

個人的な希望を言えば、この人には流行に左右されずに、いい曲を書き続け、いい歌を歌い続けて欲しいというのがあります。

なので、伝説第3幕となる3rdアルバムのタイトルが"Evolver(進化するもの)"になると聞き、少し不安な気分になりました。"進化はして欲しいけれども、劇的に変化はして欲しくない"というのが本音ですね。

しかも、アルバムからのリード・シングル「Green Light」OutkastAndre 3000を迎えたエレクトロ・ダンス・チューンだったので余計に不安になりました(笑)

そんな複雑な思いで聴いた3rdアルバム『Evolver』でしたが、結果的に変化はしたものの、劇的には変わっていなかったという気がします。新しい試みに取り組みつつ、今までの路線をちゃんと残しているのでホッとしました。。

個人的にはまずまずの内容に納得!といった感じです。
多少不満を言えば、『Once Again』収録の「Heaven」のようなミラクルな1曲がないのが残念ですね。

ゲストには前述のAndre 3000以外にもKanye WestBrandyEstelleといったアーティストが参加しています。プロデュースはMalay & KP、Kanye West、Midi Mafia、Will.I.Am、Supa Dups、Dave Tozer、Trevor Horn等が努めています。また、ソングライティングにはPharrell WilliamsNe-Yoも関わっています。

みんなで伝説第3幕をじっくり聴き込みましょう。

全曲紹介しときやす。

「Good Morning (Intro) 」
アルバム全体のイントロです。

「Green Light」
アルバムからのリード・シングル。OutkastAndre 3000をフィーチャーしたエレクトロなダンス・チューン。今流行のサウンドで仕上がっています。John Legendらしくはありませんが、Andre 3000と一緒にやるならばこれぐらいご機嫌なノリでいいのではと思います。Malay & KPプロデュース。

「It's Over」
Kanye Westをフィーチャー、Pharrell Williamsがソングライティングという豪華なメンバーが関与した1曲。出来もかなり僕好み!本ブログでも紹介したFreedom「Get Up And Dance」のホーン部分がサンプリングされており、これがかなりグッド!Malay & KP/Kanye Westプロデュース。

「Everybody Knows」
これぞJohn Legend!って感じの美メロのミッド・チューン。アコースティックな響きの中でJohnのヴォーカルがジワジワと心に染み渡ってきます。Malay & KPプロデュース。

「Quickly」
Brandyをフィーチャー。久々にBrandyの歌声を聴けるということで大喜びの方も多いのでは?僕もそんな一人です。そういったことを抜きにしても僕好みのキャッチーなミッド・チューンに仕上がっています。Midi Mafiaプロデュース。12月発売予定のBrandy久々の新作『Human』も楽しみですね。

「Cross The Line」
Will.I.Amプロデュースの哀愁スロウ。アルバムの中では少し地味な存在かも?

「No Other Love」
Johnが立ち上げたレーベルHomeschool Recordsの第1弾アーティストEstelleをフィーチャー。彼女の2ndアルバム『Shine』は本ブログでも紹介しましたね。レゲエ/ラガのテイストが強いEstelleに合わせてレゲエ・チューンを披露してくれます。Estelle『Shine』にも参加していたBlack ChineyのSupa Dupsプロデュース。

「This Time」
ストリングスをバックにした美しく壮大なバラード。Dave Tozer/Trevor Hornプロデュース。Buggles、Art of Noise、Yes、Frankie Goes to Hollywood等の作品で一世を風靡したかつての人気プロデューサーTrevor Hornの名をこんなところで目にするとは意外ですね。

「Satisfaction」
Will.I.Amプロデュース。近未来的な仕上がりが印象的ですね。僕がJohn Legendに望むスタイルではありませんが、これはこれで面白い試みだと思います。

「Take Me Away」
Ne-Yoがソングライティングに参加。ボッサ・フレイヴァーがかなり心地好いです。『Once Again』にもボッサ・チューンが収録されていましたが、アルバムに1、2曲このタイプの曲があるといいですね!

「Good Morning」
オープニングのロングバージョン。清々しいけど、まだ少しおねむって雰囲気がいいですね!

「I Love, You Love」
Will.I.Amプロデュース。悪くはないけど、もうひとひねりが欲しいですね。Dire Straits「Tunnel Of Love」ネタ。

「If You're Out There」
シングルにもなったスケール感の大きなバラード。バラク・オバマ氏のサポート・ソングです。曲の良し悪は別にしなければいけない曲かもしれませんね。

本作と並び大いに期待しているMusiq Soulchildの新作『On My Radio』が待ち遠しいです。
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2008年11月05日

Nicola Conte『Rituals』

クラブジャズのマエストロによる4年ぶりの新作!☆Nicola Conte『Rituals』
リチュアルズ
発表年:2008年
ez的ジャンル:Schema系クラブジャズ
気分は... :クラブジャズの濃縮ジュース

今回はクラブジャズ・ファン必聴の1枚、Nicola Conteの新作『Rituals』です。

Nicola Conteはイタリアの人気DJ/プロデューサー/ミュージシャン。クラブジャズの人気レーベルSchemaを拠点に、ヨーロピアン・ジャズの最重要人物としてシーンを牽引しています。

これまで自身のアルバムとして『Jet Sounds』(2000年)、『Jet Sounds Revisited』(2001年)、『Other Directions』(2004年)といった作品をリリースしています。

前々から『Jet Sounds』を紹介しようと思っていたのですが、そんな間に新作がリリースされてしまいました...

約4年ぶりの新作となる『Rituals』ですが、全13曲中11曲がヴォーカル入りという点が特徴的です。そして、Jose James、Philipp Weiss、Kim Sanders、Chiara Civello、Alice Ricciardiという多彩なヴォーカリストが参加しています。

特にJose Jamesは、あのGilles Petersonに"15年に 一人の逸材"と言わしめた現在大注目のシンガーです。デビュー・アルバム『The Dreamer』は、その絶賛の言葉通りの内容でしたね。

バックのメンバーも豪華です。基本はFabrizio Bosso(tp)、Pietro Lussu(p)、Pietro Ciancaglini(b)、Lorenzo Tucci(ds)というNicola Conteのコンボとその派生グループ(Schema Sextet、LTC、High Five)のメンバーが中心です。Nicola Conte自身もギタリストとして参加しています。

Lussu、Ciancaglini、Tucciの3人が組んだグループLTCは、昨年リリースしたアルバム『A Different View』がサイコーでしたね。また、 Bosso率いるHigh Fiveは以前に本ブログでMario Biondiと組んだ『A Handful Of Soul』を紹介しましたね。さらに今年リリースした『Five For Fun』も大人気です!

その他ゲストとして、"Chet Bakerの再来"と言われる人気のドイツ人トランペット奏者Till Bronnerは前作『Other Directions』に続いての参加です。フィンランドの人気グループThe Five Corners QuintetからはTeppo Makynen(ds)、Timo Lassy(bs、fl)の2人が参加しています。意外なところではアメリカ人アルトサックス奏者Greg Osbyも参加しています。元々M-BASE派の人ですが、どうしても大胆にHip-Hopへアプローチした『3-D Lifestyles』(1993年)の印象が強いですね。

Nicola Conteの作品で、これだけのメンバーが集まれば、悪いはずがありません。クラブ・ジャズ好きの方は曲単位でいろいろ楽しめると思います。

また、クラブ・ジャズをあまり聴かないという方には入門編としても最適だと思います。ヴォーカル曲が多い分、入りやすいのではないかと思います。

2曲のカヴァーを除いて全てNicola Conteのオリジナルです。

全曲紹介しときやす。

「Karma Flower」
Chiara Civelloのヴォーカルをフィーチャー。退廃的な美しさを感じる仕上がりです。少し気だるいヴォーカルと美しく響くハープやフルートが印象的ですね。

「Nubian Queens」
話題のJose Jamesをフィーチャー。ナイル河の上流をさす"Nubian"をタイトルに冠したアフリカン・テイストのディープな仕上がりです。Jose Jamesのブラック・フィーリング溢れるヴォーカルが実にマッチしていますね。Fabrizio Bossoのトランペット、Timo Lassyのバリトンサックスのソロもいかしています。

クラブ仕様という点では国内盤にはボーナストラックとして収録されている本曲のリミックスSamba Versionがグッド!。

「Like Leaves in the Wind」
この曲もJose Jamesをフィーチャー。僕好みのラテンタッチの小粋な仕上がりです。このスタイリッシュな疾走感こそがNicola Conteならではのスタイリッシュさが溢れており、クラブジャズを聴いている!って気分になります。Gianluca PetrellaのトロンボーンとPietro Lussuのピアノのソロもサイコー!

「Love In」
Kim Sandersのヴォーカルをフィーチャーした軽快なアフロキューバン・グルーヴ。この曲もクラブジャスならではの疾走感を堪能できます!Kim Sandersとバック・コーラスのPhilipp Weissの絡みがいい感じです。後半の盛り上がりはかなり来ますね。

「Awakening」
Jose Jamesをフィーチャー。スリリングなアップチェーンの後は暫し小休止ということで、ロマンティックかつセクシーなミッドナイト・モードのワルツに仕上がっています。

「Paper Clouds」
Chiara Civelloのヴォーカルをフィーチャー。かなりラウンジ感覚のボッサ・チューンに仕上がっています。オシャレ・モードがお好きな方に!

「I See All Shades of You」
Alice Ricciardiのヴォーカルをフィーチャー。僕の一番のお気に入りはこのスタイリッシュなアフロキューバン・グルーヴです。パーカッシヴかつクールな疾走感がたまりません。Fabrizio Bossoのトランペット・ソロとDaniele Scannapiecoのテナー・ソロがカッチョ良すぎです。

「Macedonia」
旧ユーゴ出身のトランペット奏者Dusko Gojkovicの作品をカヴァー。エスニックかつミステリアスな雰囲気が漂います。

「Song of the Seasons」
Alice Ricciardiのヴォーカルをフィーチャー。「I See All Shades of You」と並ぶ僕のお気に入り。洗練され尽くしたワルツといった感じですね。カフェのBGMにぴったりな仕上がりです。Greg Osbyが短いながらも気の利いたアルトソロを聴かせてくれます。

「Red Sun」
Kim Sandersのヴォーカルをフィーチャーした激シブ・チューン。哀愁モードの仕上がりは秋にぴったりです。

「Black Is the Graceful Veil」
Kim Sandersヴォーカルをフィーチャー。ブラック・フィーリングに溢れたアフリカンな人力ハウスといった仕上がりはクラブ・ジャズのみならずハウス・ファンも虜にするのでは?さり気ないヴァイヴやハープの音色が心憎いですね。

「Caravan」
Duke Ellingtonが楽団のJuan Tizolと共作したアフロ・キューバン・ジャズ・クラシック。ここではPhilipp Weissのヴォーカルをフィーチャー。この曲の持つミステリアスな魅力を残しつつも、かなりエキサイティングな演奏を聴かせてくれます。特にTill BronnerとFabrizio Bossoという人気トランペッター2人の競演にはワクワクしますね。。

「Rituals」
ラストはインスト。ヴォーカルものもいいですが、このメンツならばインストものもいいですね。クールにアルバムの余韻に浸るといった趣です。

本作を気に入った方は参加メンバーの関連作品もどうぞ!
機会があれば本ブログでも紹介したいと思います。

Jose James『The Dreamer』
ザ・ドリーマー
ザ・ドリーマー

LTC『A Different View』
ア・ディファレント・ヴュー
ア・ディファレント・ヴュー

High Five『Five For Fun』
Five for Fun
Five for Fun

The Five Corners Quintet『Chasin' the Jazz Gone By』
チェイシン・ザ・ジャズ・ゴーン・バイ
チェイシン・ザ・ジャズ・ゴーン・バイ

Till Bronner『Rio』
リオ~ボサ・ノヴァの誘い
リオ~ボサ・ノヴァの誘い
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2008年10月30日

Jason Champion『Reflections』

元Men at Largeのメンバーによるシルキーなコンテンポラリー・ゴスペル☆Jason Champion『Reflections』
Reflections
発表年:2008年
ez的ジャンル:シルキー系コンテンポラリー・ゴスペル
気分は... :幸福モードになれるアルバム!

今日は新作ラッシュが続く男性R&Bの中で大穴の1枚Jason Champion『Reflections』です。

Jason Championという名前でピンと来る方はかなりの90年代R&B好きかもしれませんね。

Jason Championは、故Gerald Levertのバックアップでデビューした巨漢R&BデュオMen at Largeの元メンバー(もう一人のメンバーはDave Tolliver)。

デビュー・アルバム『Men at Large』(1992年)からは「So Alone」「Use Me」といったR&Bヒットも生まれました。Jason Champion自身は2ndアルバム『One Size Fits All』(1994年)を最後にグループを離れますが、Men at Large自体は新メンバーEdgar "Gemini" Poterを加え、その後も『Love Struggle & Progress』(1999年)、『Back On Top Couzan』(2007年)といったアルバムをリリースしています。Jason Champion自身は、最近はKirk Franklin等の仕事に関与していたらしいです。

僕もデビュー・アルバム『Men at Large』は当時よく聴いていました。いかにもGerald Levertな感じですよね。しかしながら、メンバーの名前までは正直インプットしておらず、本作を購入してから家の『Men at Large』で再度確認した次第です。

Men at Large
Men at Large

でもって本作『Reflections』ですが、一応コンテンポラリー・ゴスペルというカテゴリーになるんですかね?

Mary Mary、Men of Standardを手掛けるプロデューサーWarryn Campbelが全10曲中7曲を手掛けており、確かにコンテンポラリー・ゴスペルという仕上がりなのかもしれません。ただし、本作にグッとくるのは80年代アーバン・ソウルがお好きな人や、美メロR&Bを聴きたい人なのでは?という気がします。

個人的には勇気や元気が湧いてくる幸福モードの美メロ・チューンにグッときます。

世知辛い今の世の中で、一服の清涼剤のようなアルバムに出会った気分です。
サイコー!これで今日も頑張れるぞ〜!

全曲紹介しときヤス。

「Always」
オートチューン使いの爽快アップ・チューン。アルバムからの先行シングルにもなっているみたいですね。

「Find A Reason」
僕のイチオシ!もしかしたら今年聴いた新作男性&&Bの全楽曲の中で一番好きかもしれません。メロディ良し!歌&コーラス良し!サウンド良し!聴いていると天国へ昇天しそうな、シルキーなメロウ・チューンに仕上がっています。嫌なこと、辛いこと、後悔していること...そんなマイナス・モードを全て忘れさせて幸福モードにしてくれます。名曲!

「Friend Of Mine」
80年代アーバン・ソウルがお好きな人は気に入るであろうメロウ・チューン。無理していない自然な優しさに溢れています。この曲も幸福モードですな!

「The Life」
コンテンポラリー・ゴスペルらしいポップな部分とホーリーな部分のバランスが絶妙ですね。特に後半のゴスペルらしい盛り上がり方はいいですね。

「I'm Sorry」
胸に染み入るスロウ。こういった曲を歌っても仰々しくなりすぎないのがいいですね。

「For Better Or For Worse」
アーバン・メロウしているAOR好きにはグッとくるメロウ・グルーヴ。でも単にメロウってだけじゃなくて、何か元気が沸いてくるのがいいですね。デュエット曲ですがお相手はPaula Championとなっています。名前からするとJasonの奥方又は親族なのでしょうね。

「Reflections」
タイトル曲は正統派スロウ。風貌からは想像しづらいハイトーン・ヴォーカルを聴かせてくれます。

「Father You」
「Find A Reason」、「Friend Of Mine」、「For Better Or For Worse」と並ぶ僕のお気に入り。体の中からポジティブな気持ちが湧いてくる美メロのミディアム・チューンです。

「He Is The Way」
アルバムの中で一番ゴスペルらしい仕上がり。素晴らしいJasonのヴォーカルと感想的なピアノが暫し神聖な気持ちにさせてくれます。オー!ジーザス!

「Ain't So Bad」
正直、アルバムの中では一番印象が薄いかも?

恥ずかしながらオートチューンって初めて知りました。今まで声にエフェクトがかかっているのは全部"ボコーダー使い"という説明で済ませていました。楽器や録音技術のようなことは全く疎いので...なので過去記事の中には不適切な説明があるかもしれません。ゴメンなさい。
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2008年10月22日

Joe『Joe Thomas, New Man』

移籍第一弾アルバム、New ManになったJoe!☆Joe『Joe Thomas, New Man』
Joe Thomas, New Man
発表年:2008年
ez的ジャンル:大人のセクシー男性R&B
気分は... :New Manになったジョー!

男性R&Bシンガー秋の陣の中からJoeの新作『Joe Thomas, New Man』です。

今日のR&Bシーンを代表する実力派シンガーJoeの紹介は、『All That I Am』(1997年)、『Ain't Nothin' Like Me』(2007年)に続き3回目となります。

前作『Ain't Nothin' Like Me』をリリースしたのが昨年ですから、わりと短いインターバルでの新作発表ということになりました。

長年所属してきたJiveを離れ、デビュー当時から彼をマネジメントしてきた敏腕マネージャー/プロデューサーKedar Massenburgが設立したKedar Entertainmentへ移籍したことが影響しているのでしょうね。Kedar Massenburgはかつてはモータウンの社長も務めた人物であり、Joe以外にD'AngeloErykah Badu、India Arieなどを世に送り出したことでも知られていますね。

Kedar Massenburgが総帥を務めているとはいえ、新興レーベルとしてまだまだ成長過程の状況にあるKedar Entertainmentであり、そんな中でレーベルの認知度を向上させる作品として本作がリリースされた気もしますね。

実際、インナーには今年デビューした期待の新人Algebraのデビュー・アルバム『Purpose』や来年リリース予定のChico Debargeの新作、さらにはJoeの次作『Signature』(来年2月リリース予定)の宣伝がなされています。

そんな新興レーベルで制作された新作『Joe Thomas, New Man』ですが、中身はさすがにJoe!といった感じです。

前作『Ain't Nothin' Like Me』も様々なプロデューサーが制作に関与していましたが、本作でもBryan-Michael CoxStereotypes、Dernst "D Mile" Emile II、Micayle "The Mack" Mckinney、Jerry "Fatz" Flowersといった多彩なプロデュース陣で制作されています。

従来からのJoeらしさのみならず、今時のエレクトリックな仕上がりの曲もあってなかなか楽しめます。タイトルの通り、New ManになったJoeに出会えるのでは?

全米アルバム・チャート第8位という滑り出しは、環境の変化を考慮すればまずまずといったところでしょうか。

次作『Signature』も気になるところですが、まずは目前にある本作を堪能しましょう。

全曲紹介しときやす。

「E.R.(Emergency Room)」
アルバムからのリード・シングル。心拍数の測定音に救急車のサイレン音という不穏な雰囲気で始まるですが、そこは実際のE.R.(緊急救命室)ではなく、恋のE.R.だった...というJoeらしい展開です。僕にはそれほどグッと来ない設定ですが(笑)。中身はJoeらしい濃厚なヴォーカルを堪能できるミディアム・スロウに仕上がっています。Dernst "D Mile" Emile IIがプロデュース。

「By Any Means」
今流行のエレクトロな仕上がり。Joeにこういったサウンドはあまり似合わないイメージがあったのですが、これが新鮮で案外悪くないんですよね。Bryan-Michael Coxプロデュース。

「Why Just Be Friends」
この曲もシングルカットされていますね。セクシーなファルセット・ヴォイスが魅力的なミッド・チューン。特に女性ファンにはJoeのセクシー・ヴォーカルが媚薬のように効いてくるのでは?男の僕でもグッとくる仕上がりです。Micayle "THE MACK" McKinneyとStereotypesがプロデュース。 個人的にはアルバムで一番のお気に入り。

「We Need to Roll」
この曲はMarioやTrey Songsの参加が噂されていた曲ですが、結局アルバムに収録されたのはJoe本人のみのバージョンが収録されています。中身はヴォコーダーも取り入れたエレクトリック・サウンドにのった哀愁ミディアム・スロウ。ゲストの不参加は残念ですが情熱的なJoeのヴォーカルは聴き応え充分です。Bryan-Michael Coxプロデュース。

MarioやTrey SongsがフィーチャーされたバージョンがYoutubeにアップされているので紹介しておきますね。
Joe Feat. Mario「We Need to Roll」
http://jp.youtube.com/watch?v=l6XfzyjMDYk&feature=related
Joe Feat. Trey Songs「We Need to Roll」
http://jp.youtube.com/watch?v=8hVnJfDwlPA&feature=related

「Man in Your Life」
この曲はいまいちピンと来ませんでした。Bryan-Michael Coxプロデュース。

「I Won't Let Him Hurt You」
琴のようなシンセの音がどうも好きになれないのですが、Joeらしい熱唱が聴ける感動的なスロウに仕上がっています。Bryan-Michael Coxプロデュース。

「New Man」
タイトル曲はStereotypesプロデュースによるエレクトロな哀愁ダンス・チューン。Joeらしいかと聞かれるとビミョーですが、キャッチーな仕上がりでグッドだと思います。

「Start Over Again」
「Sorry」
正攻法な大人のR&B2曲。共にJerry "Fatz" Flowersプロデュース。

「Heart Behind My Eyes」
Jerry "Fatz" Flowersプロデュース曲の中ではこの曲が一番好きです。アコースティックな味わいのメロウ・グルーヴに仕上がっています。しみじみ聴きたい1曲です。

「Chameleon」
ラストはJared Lee Gosselinプロデュースによるスムージーな美メロ・チューン。この曲もかなり好き!感動のドラマを観終えたような充実感がありますね。

個人的には感動的な「Chameleon」で締めて、"終わりよければすべてよし"という気がするのですが...この後に来年リリース予定の次作『Signature』収録予定曲が5曲ほどSnippet(1分半程度の抜粋)で収録されています。

正直、中途半端なかたちでしか聴けないSnippetは不要だと思います。

国内盤にはボーナス・トラック「Heavy」が収録されています。
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2008年10月16日

The Tony Rich Project『Exist』

フォーキーなR&Bが秋によく合う☆The Tony Rich Project『Exist』
Exist
発表年:2008年
ez的ジャンル:大人のフォーキーR&B
気分は... :まぁ、長い目で見ましょ!

秋の男性R&Bシンガー新作ラッシュの中で地味ながらも結構気に入っているのがThe Tony Rich Projectの5thアルバム『Exist』です。

Tony Richは1971年デトロイト生まれのR&Bシンガー/ソングライター/マルチプレイヤー。父が音楽家であった影響で幼少の頃から音楽に慣れ親しみ、10代の頃になると様々なバンドで活動していました。Pebblesへ楽曲提供したことがきっかけでL.A.Reid & BabyfaceのレーベルLAFaceでソングライターとして活躍するようになり、4.0、Boyz II Men、Johnny Gill、Toni Braxton等への楽曲提供しました。

1995年には自身の1stソロ・アルバム『Words』をリリース。アルバムからのシングル「Nobody Knows」は全米ポップ・チャート第2位の大ヒットとなり、アルバムは1997年グラミー賞でベストR&Bアルバムを受賞しました。

その後地味ながらも『Birdseye』(1998年)、『The Resurrected』(2003年)、『Pictures』(2006年)といったアルバムをリリースしています。

Tony Rich Projectと言えば、やはりアルバム『Words』、シングル「Nobody Knows」の印象が強いですね。LAFaceということもあって、Babyface系のシンガーというイメージでしたね。

当時の僕の嗜好で言えば、正統派、ポップ寄りのTony Rich Projectよりも、新感覚・個性派のD'AngeloMaxwellEric Benetあたりに心惹かれていましたね。

『Words』以降すっかりその存在を忘れていましたが、先月CDショップの視聴コーナーで久々に再開!Eric BenetRaphael SaadiqJoe等の新作を聴いたついでに聴いてみると、オーソドックスな作りが逆に新鮮な印象を受け、気に入ってしまいました。

少しフォーキーな彼のスタイルが秋の季節や今の僕の気分にマッチしているのかもしれません。

Eric Benetあたりもそうですが、自分のやりたい音楽をやりたいように創っているのが伝わってきていいですね。

こういった地味でオーソドックスなアルバムって、なかなか曲紹介するのが難しいのですが頑張ってみます(笑)でもいい曲揃ってますよ。

全曲紹介しときやす。

「Part The Waves」
アルバムからのリード・トラックはセクシーな大人のミッド・チューン。色気がありますな。

「It Would be A Sin」
少し気だるい感じの哀愁スロウ。男の哀愁が漂ってきます。

「Jordan」
Tony Richらしい美メロのフォーキー・ソウル。僕の一番のお気に入り。オーガニックな中にメロウな味わいが染み渡ってきます。

「According To You」
パーカッシヴな展開がいい感じです。それにしてもTony Richのヴォーカルには色気がありますな。

「Sugar Hill」
憂いのある大人のウエット感がいいですね。抑え気味のバックが逆にいいですね。

「Sweet Addiction」
良質のフォーキー・ソウルに仕上がっています。

「I Wanna Be」
「Jordan」と並ぶ僕のお気に入り。この曲はTV番組のエンディング曲で聴きそうな美メロ・チューン。Babyface好きの人は気に入るのでは?

「Anymore」
じんわりと心に響いてくるスロウ。聴いていると和の心を感じてしまうのは何故だろう?

「Oh Baby」
ロマンティックなラブ・ソング。抑えたフォーキー・サウンド&ヴォーカルが逆に愛情の深さを表現している感じですね。

「I Already Know」
ロックっぽいアレンジが加わったミッド・チューン。

「With You Through It」
ダーク&クールな雰囲気で決めてくれます。

昨日のサッカー南アフリカW杯アジア最終予選、対ウズベキスタンは消化不良の試合でしたね。でもこれが最終予選なのでは?勝てる試合だったとは思いますが、引き分けで大騒ぎするほどのこともないと思います。

マスコミはこれまで2戦2敗のウズベキスタンに勝って当たり前だったといった論調ですが、最終予選に出ている他国と日本との間に大きな実力差など存在しないと思います。

特にアジア各国はホーム/アウェーの有利/不利の差が欧州、南米に比較して少ない気がします。逆に考えれば、アウェーでも勝ち点3を十分狙えると思います。アウェーで狙って引き分けに持ち込むほどサッカーが成熟していないとも言えるかもしれませんね。

まぁ、長い目で見ましょ!
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2008年10月11日

Alexia Bomtempo『Astrolabio』

MPBの大型新人女性シンガーAlexiaデビュー!☆Alexia Bomtempo『Astrolabio』
Astrolabio
発表年:2008年
ez的ジャンル:アコースティック&ドリーミーMPB
気分は... :今年のマイ・ベストかも?

今日はブラジリアン・ポップス期待の大型新人女性シンガーAlexia Bomtempoのデビュー・アルバム『Astrolabio』です。

今秋は男性R&Bシンガーの新作が豊作!
なんて言っておきながら、この秋僕の一番のヘビロテ・アルバムはコレです(笑)

Alexia Bomtempoは1985年ワシントンD.C.生まれ。母はアメリカ人で父がブラジル人とのこと。7歳までアメリカで過ごした後、父と共にブラジル・リオへ移住。Caetano Veloso、Gilberto Gil、Marisa Monteなどの音楽を聴きながら育ったそうです。17歳の時、音楽の勉強をするために再びアメリカへ...当初はクラシックの発声法を勉強していましたが、その後慣れ親しんだジャズやボサノヴァを歌い始めるようになります。

そして、休暇で戻ったリオで本作のプロデューサー Dadi と出会います。ライブでの共演やデモテープ録音を通じて二人は意気投合すると、Alexiaがブラジルへ帰国して本格的なアルバム制作を開始します。そして2005年夏から2007年春までじっくり時間をかけて完成させたのが本作『Astrolabio』です。

本作における重要人物が二人います。

最初は前述のように本作をプロデュースしたDadiです。DadiはOs Novos Baianosのメンバーとして1970年代前半よりミュージシャンとしてのキャリアをスタート。その後、Jorge Ben、Caetano Velosoのサポートを経て、1990年代よりMarisa Monteのバック・メンバーに参加します。今やMarisaの片腕として欠かせない存在であると同時に、2005年には自身初のソロ・アルバム 『Dadi』 もリリースしており、ブラジル音楽ファンからの注目度はかなり高いのでは?

二人目はAlexiaの旦那様でありシンガーソングライターのPierre Aderneです。フランス生まれのリオ育ち。
これまで『Casa De Praia』(2005年)、『Alto Mar』(2007年)という2枚のアルバムをリリースしています。2枚共にDadiとの共同プロデュースです。

本作『Astrolabio』は、Alexia BomtempoとプロデューサーDadi、旦那さんPierre Aderneとのコラボといった色合いが強くなっています。本作がMarisa Monteを想起させるのはDadiの影響、一部フレンチな雰囲気を醸し出しているのはPierreの影響なのでしょうね。

とにかく自然体な感じがいいですね。Alexia Bomtempoという素晴らしい素材に対して、江戸前寿司の職人のように素材の旨味を最大限に引き出す仕事をDadiとPierreの二人が施したって感じですかね。

三人の作品以外にCaetano VelosoThe PoliceStevie Wonderのカヴァー等があるのも嬉しいですね。

このまま行くと、僕が選ぶ今年のベスト作は本作になりそうです。

全曲紹介しときやす。

「Pra Dormir Ate Mais Tarde」
Alexia、Dadi、Pierreの3人による共作曲。当初は前述のPierre Aderneの2nd『Alto Mar』に収録予定だったらしいです。自然体のAlexiaのヴォーカルに癒される和みモードのオープニング。

「Mais」
Pierreの『Casa De Praia』にも収録されていた曲。爽快な疾走感がサイコーです。最近仕事で外出する時、移動中にいつもこの曲を聴いています。聴いていると静かにモチベーションが高まってくるのがいいんですよね。

「Cromologia」
Alexia、Dadi、Pierreの3人による共作曲。"アコースティック&ドリーミーMPB"という形容詞がピッタリな仕上がりです。Dadiのパーカッションが心地好く響き渡ります。

「Farol Da Barra」
かつてDadiが在籍していたOs Novos Baianosのカヴァー。以前からAlexiaのライブ・レパートリーだったみたいですね。少しウエットな仕上がりがいいですね。カフェ・タイムに聴くとピッタリ!

「Astrolabio」
この曲もPierreの『Casa De Praia』収録曲。一瞬にしてボッサ気分にどっぷり浸ることができます。サウダージ!

「2 Perdidos」
Dadiの1stソロ『Dadi』収録曲。MPBテイストに加えてフレンチ・ポップスの香りが漂ってきます。

「Roxanne」
The Policeの名曲カヴァーとは意外ですね。ニューウェイヴの名曲が見事な哀愁ボッサ・チューンに生まれ変わっています。

「Nuvem Dagua...」
Alexia、Dadi、Pierreの3人による共作曲。ロマンティックな仕上がりにうっとりです。柔らかな温もりを感じます。日本人が好きそうな曲なのでは?

「Friday Song」
Pierreの『Casa De Praia』収録曲「Bula Da Musica」の英語ヴァージョン。MPBファンというよりSSW好きの人が気に入りそうなフォーキー・グルーヴ。ライブで聴いたら盛り上がりそうな曲ですね。

「Alvo Certo」
Dadiの1stソロ『Dadi』収録曲。穏やかなボッサ・グルーヴに仕上がっています。何気ない幸せ気分にさせれくれる仕上がり。

「O Leaozinho」
Caetano Velosoのカヴァー。CaetanoがDadiに捧げた曲です。エレガントなチェロの調べとDadiのパーカッションの響きがAlexiaのヴォーカルといい感じに絡んできます。

「Paz E Amor」
Dadi、PierreとPaulinho Tapajosの共作。個人的にはさりげなく小粋な感じがかなり好きです。

「My Cherie Amour」
Stevie Wonderの名曲カヴァー。これはかなりの秀逸カヴァーなのでは?ボッサ&フレンチなテイストが楽曲に見事にマッチしています。

今月に入ってプロデューサーDadiの2ndソロ『Bem Aqui』もリリースされましたね。僕はまだ未聴ですが、ぜひチェックしてみようと思います。
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2008年10月08日

Ne-Yo『Year Of The Gentleman』

R&Bシーンに品格を取り戻す?☆Ne-Yo『Year Of The Gentleman』
イヤー・オブ・ザ・ジェントルマン(初回限定特別価格)
発表年:2008年
ez的ジャンル:旬の男系R&B
気分は... :安定感はありますな

男性R&Bシンガー秋の陣の中でも大注目の1枚Ne-Yo『Year Of The Gentleman』です。

発売から約1ヶ月が経過し、既にかなり聴き込んでいる方も多いかと思いますが...

『In My Own Words』(2006年)、『Because Of You』(2007年)という2枚のアルバムでR&Bシーンにおける自身のポジションを確固たるものにしたNe-Yoですが、この3rdアルバムでは既に大物の風格が漂っています。

2nd『Because Of You』は、「Ne-Yo=美メロ」を期待していた人にとって多少物足りなさを感じるアルバムだったかもしれませんね。その点、本作は1st『In My Own Words』収録の「Stay」「So Sick」「Sexy Love」のような美メロ路線の割合が増えているのでは?

プロデュースにはNe-Yo本人の他にStargate、Polow da Don、Stereotypes等が参加しています。中心はStargateですね。

ハウス調のリード・シングル「Closer」を聴いて戸惑い気味だった方も多かったと思いますが、アルバム自体はちゃんとR6Bしています(笑)ただし、より多くの人が楽しめる間口の広いアルバム作りがなされているので、そのあたりが好みの分かれるところかもしれません。

『Year Of The Gentleman』というタイトルには、"R&Bシーンに品格を取り戻す"という思いが込められているようです。

大物ゲストを招くことなく、自身のソングライティング&歌で勝負しているところがいいですね。やはり、美メロR&Bを作らせたら上手いですね。

全曲紹介しときヤス。

「Closer」
アルバムからのリード・シングルとなったStargate & Ne-Yoプロデュースによるダンス・チューン。美メロ・チューンを期待していた多くのR&Bファンにとってはヨーロピアン・テイストのハウス調四つ打ちビートにやや戸惑い気味だったかもしれませんね。その戸惑いはBillboardのホット・チャートでは第7位のヒットとなったものの、同R&Bチャートでは第21位ともう一歩だったチャート・アクションに表れているかもしれませんね。

但し、Ne-Yoがソングライティングを手掛けたJanet Jackson「Rock With U」(2008年)でもヨーロピアン・テイストが顕在化していたことを考えれば、それほど驚くことはない展開なのかもしれませんね。

僕的にはビミョーですね。ハウスも好きですがNe-Yoらしいかと言えば???

「Nobody」
注目曲がズラリと並ぶ前半の中で見落とされがちな曲ですが、なかなかパンチのあるミッド・グルーヴに仕上がっていると思います。 Ne-Yo自身のプロデュース。

「Single」
New Kids on the Blockの再結成アルバム『The Block』のためにNe-Yoが提供した楽曲のセルフ・ヴァージョン。NKOTBヴァージョンと同様Polow da Donがプロデュースしています。現在最も旬なプロデューサーの一人であるPolow da Donのセンスが光る哀愁モードのミディアム・スロウです。

「Mad」
3rdシングル予定曲はStargate & Ne-Yoプロデュースによる美メロ・スロウ。美しいピアノの響きが胸にグッときますねぇ。オーソドックスだけど素直にいい曲だと思いマス。

「Miss Independent」
アルバムからの2ndシングル(Stargate & Ne-Yoプロデュース)。「So Sick」、「Sexy Love」がお好きな方ならば気に入るであろうセクシーなミッド・グルーヴ。Billboardのホット・チャート第11位、同R&Bチャート第5位のヒットとなりました。「Closer」に戸惑い気味だった方もこのミッド・グルーヴを聴いてホッと胸を撫で下ろしたのでは?

この曲のPVはEddie Murphyが主演した映画『Boomerang』(1992年)にインスパイアされたものらしいです。僕自身『Boomerang』を観ていないものなので、詳細はわかりません。ゴメンナサイ!

本曲のリミックス「She Got Her Own (Miss Independent Pt. 2)」ではFabolous & Jamie Foxxがフィーチャーされています。

「Why Does She Stay」
Stereotypesプロデュース。Ne-Yoらしい美メロの哀愁スロウに仕上がっています。「Mad」とセットで聴くとかなり胸に込み上げてくるものがあります。

StereotypesはJoeの新作『Joe Thomas, New Man』でもプロデュースを手掛けていますね。『Joe Thomas, New Man』も購入したものの全然聴きこみが出来ていません。こちらはもう少しちゃんと聴いてから紹介しますね。

「Fade Into The Background」
Shomari "Sho" Wilsonプロデュースによる哀愁ミッド・チューン。少し淡白な感じかな?

「So You Can Cry」
この曲はかなり好き!iPodで聴いていても、この曲はリピートしてしまいます。何気ない曲だけど基本的にソングライティングがしっかりしているのがいいですね。Scyienceプロデュース。

「Part Of The List」
思いきり哀愁モードです。僕には多少仰々しい感じでしょうか(笑)Chuck Harmonyプロデュース。

「Back To What You Know」
Stargate & Ne-Yoプロデュース。Stargate絡みの曲は好き/嫌いは別にして印象に残りますね。本曲ではアコギな展開が印象的です。

「Lie To Me」
「Stop This World」
ラスト2曲はお上品な仕上がり。僕的には少々重たいのですが...

さらにNe-Yoを堪能したい方は、Ne-Yoが関わった他アーティスト作品をコンパイルした企画盤『アイ・ラヴNe-Yo~Ne-Yoソングス』、Ne-YoがChris Brownらと共に出演した映画『Stomp the Yard(ストンプ・ザ・ヤード ストリート・ビート・パック)』あたりもセットでどうぞ!

アイ・ラヴNe-Yo~Ne-Yoソングス(エコバッグ・セット)
アイ・ラヴNe-Yo~Ne-Yoソングス(エコバッグ・セット)

ストンプ・ザ・ヤード ストリート・ビート・パック(3枚組)
ストンプ・ザ・ヤード ストリート・ビート・パック(3枚組)
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2008年10月03日

Raphael Saadiq『The Way I See It』

60年代、70年代ソウルへの想いを込めたヴィンテージ・サウンド☆Raphael Saadiq『The Way I See It』
The Way I See It
発表年:2008年
ez的ジャンル:ヴィンテージ系ソウル・ミュージック
気分は... :夢をかなえるゾウ!

水川あさみ主演のドラマ『夢をかなえるゾウ』が昨日からスタート!
『33分探偵』でもグッドだった水川あさみコミカル・キャラ全開という感じで楽しみです。

あとはガネーシャ役の古田新太がサイコーですね。

さて、元Tony! Toni! Tone!のメンバーであり、人気プロデューサーでもあるRaphael Saadiqの4年ぶりの新作『The Way I See It』です。

Raphael Saadiqの紹介は、『Instant Vintage』(2002年)、『Ray Ray』(2004年)に続き3回目です。

とにかく"ヴィンテージ"という言葉が良く似合う人ですよね。

『Instant Vintage』はタイトルの通りですし、前作『Ray Ray』では“ブラック・シネマ”からインスパイアされてアルバムを1枚制作してしまいました。

本作『The Way I See It』では、60年代、70年代ソウルへの想いをヴィンテージ・サウンド&ヴォーカルで具現化しています。特に60年代ソウルへの憧れがモロに反映されています。

ジャケのアートワークからして気合い入っていますよね。
『Ray Ray』もそうでしたが、アートワークからインスパイアされて音作りをしたのかもしれませんね。

他アーティストをプロデュースする感覚で自身のアルバムを制作すればいいのに!と思うのですが、自身のアルバムは思い切り趣味の世界に入り込んでしまうようです(笑)

個人的にはもっとコンテンポラリーなアルバムを作って欲しいと思いますが、ここまで徹底して制作されると認めざるを得ないといったところでしょうか。十分に楽しめる内容だと思います。

Stevie WonderJoss Stone等がゲスト参加しています。

全曲紹介しときやす。

「Sure Hope You Mean It」
60年代ヴィンテージ感に満ちたオープニング。StaxサウンドにのったMotownヴォーカル・グループって雰囲気ですね。

「100 Yard Dash」
Booker T. & the MG'sモードの仕上がりですね。このグルーヴ感はRaphaelにピッタリって感じですね。

「Keep Marchin'」
Miracle風の仕上がりが小粋なソウル・チューン。Raphael本人が楽しんでいる感じがいいですね。

「Big Easy」
「Never Give You Up」と並ぶお気に入り曲。The Infamous Young Spodie & the Rebirth Brass Bandをフィーチャーしたご機嫌なダンス・チューン。思わず体が動いてしまいますね。

「Just One Kiss」
Joss Stoneをフィーチャー。60年代のThe Temptationsあたりをイメージさせるスウィートな仕上がり。恋人と噂されるJoss Stoneのヴォーカルは相変わらずパワフルだし、60年代風サウンドと実にマッチしますねぇ。

「Love That Girl」
この曲のRaphaelはSmokey Robinsonモードといった感じでしょうね。 シャッフル・ビートが実に心地よく響いてきますね。

「Calling」
いきなりスパニッシュで歌われる意外な展開!でも内容は正攻法のヴォーカル・チューンに仕上がっています。

「Staying In Love」
Jackson 5あたりをイメージさせる小気味良いモータウン・サウンドがいいですね。

「Oh Girl」
シングルにもなった本曲はThe Stylisticsを思い起こさせるフィリーソウル・モードの仕上がりです。オリジナル以外にJay-Zをフィーチャーしたリミックスも収録しています。ヴィンテージ感たっぷりのオリジナルを聴くとJay-Zのラップはミスマッチだと予想したのですが、聴いてみると案外ハマっており、あ〜ら不思議!

「Let's Take A Walk」
この曲もかなり好き!60年代ならではのセクシーなグルーヴ感が腰にガンガン伝わってくるのがいいですね!

「Never Give You Up」
僕の一番のお気に入り曲はStevie WonderとCJ Hiltonをフィーチャー。Stevieが参加していますが、仕上がりはモロにMarvin Gaye風のセクシーなミッド・チューンです。

「Sometimes」
ラストはSam Cookeモードのオールド・ソウル。ジャケのようなシブさがいいですね。聴けば聴くほど味が出る感じですね。

新作R&B秋の陣!まだまだ続きます。
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2008年09月28日

Eric Benet『Love & Life』

愛と魂の伝道師は健在☆Eric Benet『Love & Life』
愛すること、生きること。
発表年:2008年
ez的ジャンル:愛と魂の伝道師系男性R&Bシンガー
気分は... :愛と魂の伝道師!健在!

ここ数日の疲れが蓄積し、疲労困憊状態...
今日もいくつかの締め切り間近の作業に追われて朝から少しブルーです。

こんな時には新作R&Bアルバムでも聴いて、しばし現実逃避...

ということで、先日の特別企画☆『R&B秋の陣〜注目新作リリース10枚』でも紹介したEric Benetの新作『Love & Life』です。

Eric Benetの紹介は『True to Myself』 に続き2回目です。

Eric Benetのデビュー・アルバム『True to Myself』 (1996年)は、D'Angelo『Brown Sugar』(1995年)、Maxwell『Maxwell's Urban Hang Suite』(1996年)、Rahsaan Patterson『Rahsaan Patterson』(1997年)あたりと共に、男性R&Bにおける新時代到来を感じさせてくれたアルバムでした。

そんな『True to Myself』 のインパクトが強かったせいか、2ndアルバム『A Day In The Life』(1999年)、3rdアルバム『Hurricane』(2005年)の印象がイマイチ弱いですね。ちゃんと聴けば、どちらの作品も良いアルバムだと思いますが、我が家のCD棚からこれら2枚を手にする頻度はかなり少ないです。

ということで本作『Love & Life』も購入したものの、過度の期待は抱いていませんでした。

ところが...実にこの新作がいいんです!
派手さはないけど、胸にグッと込み上げてくる曲が数多く収録されています。

『愛すること、生きること』というベタな邦題に、少し野暮ったい印象を受ける方もいるかもしれませんが、Eric Benetらしさを保ちつつ、70年代ソウルへリスペクトした2008年仕様のR&Bアルバムに仕上がりとなっています。曲構成もミッド〜スロウ系中心ですが、一本調子にならずバラエティに富んでいるのがいいですね。

Eric Benetの才能を再認識することができ嬉しい限りです。
R&B秋の陣の中でも、かなりの完成度を持った1枚だと思います。

愛と魂の伝道師は健在なり!

全曲紹介しときやす。

「Love Patience & Time」
いきなりアカペラ・パートで聴かせてくれます。このミッド・グルーヴを聴いて、本作の充実ぶりを確信しました。Ray Hargroveのトランペットも実に効果的ですね。

「The Hunger」
胸キュン好きに嬉しいミディアム・スロウ。 実にロマンティックな仕上がりです。

「You're the Only One」
アルバムからの1stシングルはThe Stylisticsからインスパイアされた曲らしいです。確かにスウィートな込み上げ感はそんな印象を受けます。ただし、モロに70年代ソウルをなぞっている印象は少なく、Eric Benet節をしっかりと感じ取ることができます。

「Don't Let Go」
かなり気に入っている大人のミッド・グルーヴです。Eric Benet作品ではお馴染みのDemonte Poseyプロデュース。

「Everlove」
Terry Dexterとのデュエット曲。壮大なラブ・バラッドに仕上がっています。ジワジワと感動が増してくる感じがいいですね。

「Chocolate Legs」
この曲はKeith Crouchがプロデュースしています。さすがKeith Crouch、そつなく仕上げています。Ericらしいファルセット・ヴォーカルと70年代テイストのサウンドの組み合わせがグッド!

「Weekend Girl」
ライトタッチのファンク・グルーヴに仕上がっています。アップものでもEric節は健在です。

「Iminluvwichoo」
Linda Kirallyとのデュエット曲。この曲は80年代のエレクトリック・ファンク風の仕上がりですね。Linda Kirallyの女性ヴォーカルが80年代風の雰囲気を高めてくれます。

「Spanish Fly」
タイトルの通り、ラテン・フレイヴァーのミッド・グルーヴ。アルバム全体の中でいいアクセントになっています。

「Still I Believe」
単なる原点回帰ではなく、今時のR&Bになっていることを証明してくれる仕上がりですね。中盤に軽くラテン・スパイスが効いているのもいいですね。バック・コーラスには16歳になるEricの娘India Jordanが参加しています。

「Sing to Me」
「One More Tomorrow」
ラスト2曲は前述の娘Indiaのことを歌っています。「Sing to Me」はアコースティック・ギターの弾き語りによる感動的な仕上がりです。中盤以降の仕上がりにはかなりグッときます。「One More Tomorrow」は70年代Stevie Wonder風の仕上がりが僕好みですね。

R&B秋の陣、これからガンガン紹介していきます!
posted by ez at 06:01| Comment(4) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする