2017年05月27日

Robert Glasper『In My Element』

故J Dillaに捧げた「J Dillalude」収録☆Robert Glasper『In My Element』
イン・マイ・エレメント
発表年:2007年
ez的ジャンル:進化形ジャズ・ピアノ・トリオ
気分は... :ピアノ・トリオによる『Black Radio』!

今日はジャズ・ピアノが聴きたい気分です。

セレクトしたのは、"今ジャズ"をリードするジャズ・ピアニストRobert Glasperの初期作品『In My Element』(2007年)です。

"今ジャズ"をリードするピアニストRobert Glasper率いる先鋭ジャズ・ユニット
1978年、テキサス州ヒューストン出身のジャズ・ピアニストRobert Glasperに関して、これまで当ブログで紹介した作品は以下の7枚(Robert Glasper Experiment(RGE)名義の作品も含む)。

 『Double Booked』(2009年)
 『Black Radio』(2012年)
 『Black Radio Recovered: The Remix EP』(2012年) ※リミックスEP
 『Black Radio 2』(2013年)
 『Covered』(2015年)
 Miles Davis & Robert Glasper『Everything's Beautiful』(2016年)
 『ArtScience』(2016年)

本作はジャズ界に大きなインパクトを与えたRobert Glasper Experiment(RGE)結成以前の作品であり、Robert Glasper(p)、Vicente Archer(b)、Damion Reid(ds)というピアノ・トリオ編成でのレコーディングです。

ジャズ・ピアノ・トリオらしい美しいアコースティック・ジャズに加え、故J Dillaが手掛けたHip-Hop作品の数々を奏でる「J Dillalude」Radiohead「Everything in Its Right Place」のカヴァーなど、『Black Radio』を予感させる"今ジャズ"演奏も楽しめるのが本作の魅力です。

『Black Radio』からRobert Glasperを聴くようになったR&B/Hip-Hop系リスナーの方には、ピアノ・トリオ編成の本作に対する興味は薄いのかもしれません。

しかしながら、「J Dillalude」を聴けば、ピアノ・トリオでもJ Dillaの遺志を受け継ぐHip-Hop的なフィーリングを生み出すことができることを実感できるはずです。ピアノ・トリオによる『Black Radio』といった雰囲気ですよ。

進化形ジャズ・ピアノ・トリオを演奏を楽しみましょう!

全曲紹介しときやす。

「G&B」
小気味よいオープニング。こういったジャズ・ピアノ・トリオらしい演奏でも、決して小難しい感じがしないのがGlasperですね。
https://www.youtube.com/watch?v=HFB7ZEGzJRk

「Of Dreams to Come」
タイトルの通り、夢の中のピアノ・ジャズといった雰囲気が伝わってくるエレガントな演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=nCsB6pHZQcs

「F.T.B.」
衝撃作『Black Radio』「Gonna Be Alright (F.T.B.)」として再演された楽曲です。『Black Radio』を聴いている人でれば、耳馴染みがあるので聴きやすいのでは?既にこの時点でピアノ・トリオによるBlack Radio感があってグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=uEh83c1wkMA

「Y'outta Praise Him (Intro)」
イントロといいながら3分半以上の叙情的な演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=3tEXOT4V2bU

「Y'outta Praise Him」
イントロに続く本編の方は"今ジャズ"のエッセンスがほんのり香る演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=oE3mFDcfMgM

「Beatrice」
サックス奏者Sam Riversの作品をカヴァー。オリジナルは『Fuchsia Swing Song 』(1965年)に収録されています。正統派ピアノ・トリオとしての実力も示してくれる演奏で、聴き応えがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=LXnXV2VvOLg

Sam Riversのオリジナルも素晴らしいのでチェックを!
Sam Rivers「Beatrice」
 https://www.youtube.com/watch?v=HxMIiTW59Co

「Medley: Maiden Voyage/Everything in Its Right Place」
「J Dillalude」と並ぶ本作のハイライト。Herbie Hancock「Maiden Voyage」Radiohead「Everything in Its Right Place」のカヴァー。ただし、単なるメドレーではなく、マッシュ・アップ感覚で聴かせるのが"今ジャズ"ミュージシャンらしいですね。深遠ながらも小粋な雰囲気が好きです。Radiohead「Everything in Its Right Place」が好きなので嬉しいカヴァーです。
https://www.youtube.com/watch?v=HJCFDlwMDxY

「J Dillalude」
J Dillaへのトリビュート。Q-Tipのヴォイス・メッセージに続き、Common「Thelonius」Jay Dee名義の「Doo Doo」、Slum Village「Fall in Love」De La Soul「Stakes Is High」というJ Dilla作品が演奏されます。Hip-Hop経由のジャズを堪能できます。
https://www.youtube.com/watch?v=uNXosFXKll4

「Silly Rabbit」
スピーディー&スリリングな演奏です。終盤には「J Dillalude」の流れを汲むHip-Hopテイストの演奏で楽しませてくれます。

「One for 'Grew (for Mulgrew Miller)」
タイトルの通り、リスペクトするジャズ・ピアニストMulgrew Miller(1955-2013年)に捧げた曲です。オーセンティックな美しい演奏で魅了します。
https://www.youtube.com/watch?v=roX-vHvDr4U

「Tribute」
本編のラストはGlasperの魂の叫びと美しいピアノで締め括ってくれます。

国内盤CDにはボーナス・トラックとして、「Grey Days」が追加収録されています。

Robert Glasperの他作品もチェックを!

『Mood』(2003年)
MOOD

『Canvas』(2005年)
Canvas

『Double Booked』(2009年)
Double Booked

Robert Glasper Experiment『Black Radio』(2012年)
ブラック・レディオ

Robert Glasper Experiment『Black Radio Recovered: The Remix EP』(2012年)
Black Radio Recovered: the Remix Ep

Robert Glasper Experiment『Black Radio 2』(2013年)
ブラック・レディオ2

『Covered』(2015年)
カヴァード

Miles Davis & Robert Glasper『Everything's Beautiful』(2016年)
エヴリシングス・ビューティフル

Robert Glasper Experiment『ArtScience』(2016年)
アートサイエンス
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2017年05月18日

Meshell Ndegeocello『The Spirit Music Jamia: Dance of The Infidel』

人気女性ベーシストによるジャズ・プロジェクト☆Meshell Ndegeocello『The Spirit Music Jamia: Dance of The Infidel』
Dance of the Infidels
発表年:2005年
ez的ジャンル:ジャンル超越系女性ベーシスト/ヴォーカリスト
気分は... :世界観・・・

今回はジャンルを超越した音楽性でシーンにインパクトを与えてきた女性アーティストMeshell Ndegeocello『The Spirit Music Jamia: Dance of The Infidel』(2005年)です。

ワシントンD.C.育ちのアメリカ人ベーシスト/ヴォーカリスト/ソングライターMeshell Ndegeocello(Me'Shell Ndegeocello)の紹介は、『Comfort Woman』(2003年)に続き2回目となります。

本作『The Spirit Music Jamia: Dance of The Infidel』はMeshellが本格的ジャズ・アルバムに取り組んだ意欲作です。

本作と前後してPapillonというネーミングのジャズ・プロジェクトでライブ活動を行っており、本作はその延長線上にあるジャズ・アルバムです。正式なアルバム・タイトルも『Meshell Ndegeocello Presents - The Spirit Music Jamia: Dance of The Infidel』であり、Meshellのソロ・アルバムというより、プロジェクト的な作品になっています。ヴォーカルは全て他人に任せ、中にはMeshellが演奏に参加していない曲もあります。

プロデュースはBob PowerMeshell Ndegeocello

レコーディングにはMeshell Ndegeocello(b、programming)以下、Brandon Ross(g)、Michael Cain(p、key)、Neal Evans(p、key)、Federico Gonzalez Pena(key)、Didi Gutman(key、programming)、Don Byron(horn)、Joshua Roseman(horn)、Oliver Lake(horn)、Wallace Roney(horn)、Kenny Garrett(horn)、Ron Blake(horn)、Oran Coltrane(horn)、Matt Garrison(b)、Dave Meshell(b、programming)、Chris Dave(ds)、Jack DeJohnette(ds)、Gene Lake(ds)、Pedro Martinez(per)、Yosvany Terry(per)、Mino Cinelu(per)、Gregoire Maret(harmonica)等の新旧ジャズ・ミュージシャンが参加しています。

また、ヴォーカル曲ではSabina SciubbaBrazilian Girls)、Cassandra WilsonLalah Hathawayといったヴォーカリストがフィーチャーされています。

アルバム全体としては、"今ジャズ"を先取りしていたかのような先見性のあるサウンド、神秘的なスピリチュアル・ジャズ・サウンド、抑えたトーンのヴォーカル曲がバランス良く配された構成だと思います。特に"今ジャズ"好きの人は興味深く聴くことができるはずです。

個人的には「Aquarium」「Papillon」「Dance Of The Infidel」「Mu Min」にグッときました。

スタンダード「When Did You Leave Heaven」以外はMeshellや参加メンバーによるオリジナルです。

本作ならではのMeshell Ndegeocelloによるジャズ・ワールドを楽しみましょう!

全曲紹介しときやす。

「Mu Min」
アルバムのイントロダクション的な短い演奏です。Chris Daveの生ドラムにプログラミングを組み合わせた"今ジャズ"なリズム感覚にMeshellの先見性を垣間見ることができます。

「Al Falaq 13」
Meshellは楽曲提供のみで演奏には参加していません。Kenny Garrett、Wallace Roney、Michael Cain、Gene Lake、Matt Garrisonらがミステリアスかつ緊張感のある演奏を繰り広げます。

「Aquarium」
Sabina Sciubba(vo、p)をフィーチャー。"今ジャズ"を先取りしていたかのようなサウンドは、ジャンルを超越した音楽性を持つMeshellならではのジャズ・サウンドですね。また、Brazilian GirlsのヴォーカリストSabina Sciubbaを巻き込むあたりにもMeshellの一歩先を行くセンスを感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=M_Fg9EXkkH0

「Papillon」
本作と前後してライブ活動していたジャズ・プロジェクトの名を冠した約11分半の演奏です。Kenny Garrettのサックスを大きくフィーチャーしています。ベースはMatt GarrisonとMeshellの2人体制。壮大かつ神秘的な音世界はスピリチュアル・ジャズ的な魅力もあります。
https://www.youtube.com/watch?v=5mW_g_01Pno

「Dance Of The Infidel」
John ColtraneAlice Coltraneの息子であるサックス奏者Oran ColtraneとMeshellの共作。『Persuance;The Music Of John Coltrane』(1996年)というColtran作品集を録音したKenny GarrettとColtranの息子Oranのサックス共演は興味深いですね。また、王道ジャズ演奏におけるChris DaveとMeshellのリズム隊に注目するのも楽しいです。
https://www.youtube.com/watch?v=j63AqHq2EKo

「The Chosen」
Cassandra Wilsonをフィーチャー。Cassandraの"プリンセス・オブ・ダークネス"らしい低音ヴォーカルにグッろときます。さり気ないですが味わい深いですね。Brandon Rossのギターもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=OKR2k5eztE4

「Luqman」
ジャズ・プロジェクトらしいアンサンブルを楽しめます。特にMatt GarrisonとMeshellの2人体制ベース、Jack DeJohnetteのドラム、さらにはパーカッションも加わり生み出される強力グルーヴがいいですね。

「When Did You Leave Heaven」
Lalah Hathawayをフィーチャー。アカデミー賞を受賞したスタンダードをカヴァー(Richard Whiting/Walter Bullock作)。ラストはNeal Evans(p)、Michael Cain(key)、Chris Dave(ds)というシンプルなバッキングで、Lalahがしっとりと歌い上げます。抑えたトーンながらもエモーションが伝わってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=VjJWjtFDi4Q

Meshell Ndegeocelloの他作品もチェックを!

『Plantation Lullabies』(1993年)
Plantation Lullabies

『Peace Beyond Passion』(1996年)
Peace Beyond Passion

『Bitter』(1999年)
Bitter

『Cookie: The Anthropological Mixtape』(2002年)
Cookie: The Anthropological Mixtape

『Comfort Woman』(2003年)
Comfort Woman

『The World Has Made Me the Man of My Dreams』(2007年)
The World Has Made Me...

『Devil's Halo』(2009年)
Devil's Halo (Dig)

『Weather』(2011年)
Weather

『Pour une Ame Souveraine: A Dedication to Nina Simone』(2012年)
Pour Une Ame Souveraine (for a Sovereign Soul)

『Comet, Come to Me』(2014年)
Comet Come to Me -Digi-
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2017年05月11日

Parov Stelar『Shine』

エレクトロ・スウィング+αな仕上がり☆Parov Stelar『Shine』
Shine
発表年:2007年
ez的ジャンル:エレクトロ・スウィング+α
気分は... :トム・カー・ガイ・・・

ジャズ感覚のクラブミュージックが聴きたい気分・・・

セレクトしたのはエレクトロ・スウィング作品Parov Stelar『Shine』(2007年)です。

1974年オーストリア、リンツ生まれのプロデューサー/DJ/ミュージシャンParov Stelar(本名Marcus Fureder)の紹介は、『Seven and Storm』(2005年)に続き2回目となります。

エレクトロ・スウィングを代表するアーティストですが、本作ではエレクトロ・スウィングに止まらず、北欧ポップ、ロック、Hip-Hop、クラブジャズ等のエッセンスも取り込んだ幅広い音楽性で楽しませてくれます。

こうした新境地がParov Stelarらしいのかは???ですが、アルバム全体としてはメリハリのある構成で飽きずに楽しめるのでは?

勿論、Gabriella Hanninenをフィーチャーした「Good Bye Emily」「Charleston Butterfly」、ヨーロピアンな雰囲気の「Tango Muerte」、ダーク・トーンの「Shine」などParov Stelarらしい楽曲もしっかり収録されているのでご安心を!

全曲紹介しときやす。

「Come Closer」
LaineのメンバーKristina Lindbergをフィーチャー。フォーキー感覚のダンサブル・サウンドとKristinaの女性ヴォーカルによるセピアな音世界がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=pPZUeARuUxE

「Good Bye Emily」
Gabriella Hanninenをフィーチャー。Gabriellaのコケティッシュ・ヴォーカルとマッチしたレトロ・フューチャーなエレクトロ・スウィング。
https://www.youtube.com/watch?v=KabBJt6047g

「Shine」
Barbara Lichtenauer(Lilja Bloom)をフィーチャー。タイトル曲は哀愁ピアノが印象的なダーク・トーンのダンサブル・チューン。ジャズ・フィーリングでダウナーが中和されるのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=xikPDt6rAfs

「Tango Muerte」
Parov Stelarらしい美学を楽しめる1曲。ジャズやクラシックのフィーリングを取り入れてヨーロピアンな雰囲気を巧みに醸し出しているのがいいですね。

「Your Fire」
デンマークのシンセ・ポップ・デュオLukeのメンバーNikolaj Grandjeanをフィーチャー。北欧風味の哀愁ポップ・チューンに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=8c8MMrbf8Lo

「Lost In Amsterdam」
レトロ・フューチャーなエレクトロ・スウィング。独特のノスタルジック感が心地好いです。
https://www.youtube.com/watch?v=5tp1tAE6k0E

「Little Lion」
Hip-Hop調のトラックで楽しませてくれます。

「Love (Part 1)」
軽快なビートと共にポップに弾けます。Parov Stelarらしからぬ感じもしますが、なかなかキャッチーです。
https://www.youtube.com/watch?v=tFeRF_z7Clg

「Charleston Butterfly」
Gabriella Hanninenをフィーチャー。「Good Bye Emily」と同様に、Gabriellaのコケティッシュ・ヴォーカルを生かしたレトロ・フューチャーなエレクトロ・スウィングに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=vnBXciglPPk

「Autumn Beasts」
意外にもロッキン・モードで疾走します。

「On My Way Now (Love Part 2)」
電脳モードのダンサブル感がキャッチーなポップ・チューン。メリハリのある展開も含めて新境地を開拓しています。

「Crushed Island」
クラブジャズ的な格好良さを持つ仕上がり。そんな中でも独特の哀愁感を織り込んでいるのがParov Stelarらしいのかも?

「War Inside」
悲しみに満ちた哀愁ビートが響き渡ります。
https://www.youtube.com/watch?v=JxAfQrZTH7Y

「Happy End」
本編のラストは美しくも切ない雰囲気でエンディングを迎えます。
https://www.youtube.com/watch?v=9zEZAXeMyh8

「Homesick」
CDボーナス・トラック。ジャズ・ハウス調に疾走するダンス・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=n84rENgBZkk

Parov Stelarの他作品もチェックを!

『Rough Cuts』(2004年)
Rough Cuts

『Seven and Storm』(2005年)
Seven&Storm

『Coco』(2009年)
Coco

『The Princess』(2012年)
Princess

『The Demon Diaries』(2015年)
The Demon Diaries

『The Burning Spider』(2017年)
THE BURNING SPIDER

Peter Kreuzer & Parov Stelar『Klangwolke』(2013年)
Klangwolke 2013

Parov Stelar Trio『The Invisible Girl』(2013年)
Invisible Girl
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2017年05月05日

Oddlocgik『Modern Authenticity』

Gretchen Parlatoが全面参加したN.Y.ジャズ・ユニット作品☆Oddlocgik『Modern Authenticity』
モダン・オーセンティシティ
発表年:2007年
ez的ジャンル:N.Y.ジャズ・ファンク・ユニット
気分は... :Gretchenファンは要チェック!

都会的でメリハリのあるジャズ・サウンドが聴きたい気分・・・

セレクトしたのはN.Y.ジャズ作品Oddlocgik『Modern Authenticity』(2007年)です。

Oddlocgikは、Dion Tucker(tb)、Kevin Lewis(tp)、Gretchen Parlato(vo)、Bernie Pelsmajer(key、g)、Ameen Saleem(b)、Jason Brown(ds)というN.Y.で活躍する(当時の)若手ジャズ・ミュージシャンによるスペシャル・ユニット。

そんなOddlocgik名義の唯一のアルバムが本作『Modern Authenticity』(2007年)です。

上記ジャケは2009年リリースの国内盤ですが、2007年リリースの輸入盤はジャケが異なるのでご留意ください。

Oddlocgik『Modern Authenticity』 ※輸入盤
Modern Authenticity

"今ジャズ"を代表する女性ヴォーカリストGretchen Parlatoが全面参加している作品にも関わらず、あまり話題にならず埋もれてしまっている1枚ですね。

それ以外にも期待のホーン・チームDion TuckerKevin Lewis、人気ドラマーJason Brownなどが参加した強力布陣がN.Y.フレイヴァーのハイブリッド・ジャズで楽しませてくれます。

アルバム全体は都会的かつハツラツとしたジャズ・ファンクといった印象です。

Gretchen Parlatoのウィスパー・ヴォーカルと相性抜群!Bernie Pelsmajerのメロウ・エレピ、センス抜群のDion TuckerとKevin Lewisのホーン・アンサンブル、Ameen SaleemとJason Brownのリズム隊が生み出すダイナミックなグルーヴが融合し、お互いの個性を尊重しつつ、全体が見事に調和した都会的ジャズ・ファンクに魅了されます。

Gretchen Parlatoはメンバーの一人に徹していますが、彼女のソロに通じる曲もあり、Gretchenファンも十分楽しめるはずです。

全曲紹介しときやす。

「Dr. Kuntry Funk」
メロウ・エレピとGretchenのヴォーカルによるイントロに続き、洗練されたN.Y.ジャズ・ファンクが展開されます。一体感のあるアンサンブルがグッド!特にDion TuckerとKevin Lewisのホーン隊が格好良いですね。

「Feelings」
このユニットの自由でモダンなフィーリングが伝わってくるメリハリのある演奏です。各プレイヤーが余裕を持って存在感を示しているのがいいですね。

「If Blue Is Me」
Gretchen好きの人は気に入るであろうメロウなN.Y.ジャズを楽しめます。Kevin Lewisのトランペット・ソロも素敵です。

「Don't Shoot」
緩急つけた演奏をGretchenのスキャットが先導します。全体を統率するJason Brownのドラミングもいいですね。

「Let's Make When Right Now」
Ameen SaleemとJason Brownのリズム隊が生み出すグルーヴと、Gretchenのウィスパー・ヴォーカルがよくマッチした都会的な演奏が実に心地好いです。

「Dollar Van Bump」
Bernie Pelsmajerのファンキーなカッティング・ギターが印象的です。Dion TuckerとKevin Lewisのホーン隊もファンキーに弾けているのがいいですね。

「Grown Folks Music」
メロウ・バラード。Dion TuckerとKevin Lewisのホーン隊のリリカルなアンサンブルが素晴らしいです。

「Can You Feel Me」
Gretchenがしっとりと歌い上げる哀愁メロウ・バラード。途中レゲエ調の演奏でアクセントをつけています。Gretchen好きの人は楽しめるはず!

「Why Don't You Understand」
この演奏もGretchen好きにオススメ!Bernie Pelsmajerのメロウ・エレピをバックに、Gretchenの切ないヴォーカルが栄えるメロウ・チューン。Dion TuckerとKevin Lewisのホーン隊も気の利いた演奏でGretchenのヴォーカルを引き立てます。
https://www.youtube.com/watch?v=-Wk9bHrYCCI

「Outro」
ラストはハツラツとした都会的ジャズ・ファンクで締め括ってくれます。

Gretchen Parlatoの過去記事もチェックを!

Gretchen Parlato『Gretchen Parlato』(2005年)
グレッチェン・パーラト

Gretchen Parlato『In a Dream』(2009年)
In a Dream

Gretchen Parlato『The Lost And Found』(2011年)
Lost & Found

Gretchen Parlato『The Gretchen Parlato Supreme Collection』(2015年)
※日本独自企画コンピ
ザ・グレッチェン・パーラト シュプリーム・コレクション
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2017年04月27日

Silhouette Brown『Silhouette Brown』

DegoとKaidi Tathamが創るNu Soul☆Silhouette Brown『Silhouette Brown』
シルエット・ブラウン
発表年:2004年
ez的ジャンル:西ロンドン系Nu Soul
気分は... :夜明け前のクールダウン・・・

今回は2000年代の西ロンドン系作品からSilhouette Brown『Silhouette Brown』(2004年)です。

Silhouette Brown4HeroDegoBugz In The AtticKaidi Tathamという西ロンドンの音楽シーンを牽引する2人によるユニット。

Silhouette Brown名義で本作『Silhouette Brown』(2004年)、『Two』(2010年)という2枚のアルバムをリリースしています。

DegoKaidi Tathamの2人は、DKD2000Black等の名義でもユニットを組んでいる盟友ですが、Silhouette Brownは西ロンドン流のNu Soulユニットといった位置づけでしょうか。

アルバムではDeborah Jordanをメイン・ヴォーカリストに据え、それ以外にBembe SegueD.T.X.といったヴォーカリストをフィーチャーしています。

少しテンポを落とした曲が多いため、ブロークン・ビーツ全開のイメージで聴くと、少し地味な印象を受けるかもしれません。しかしながら、その落ち着いたクールネスが本作の魅力だと思います。アッパー感は低めですが、西ロンドンらしいビートも楽しめます。

西ロンドンの歌姫Bembe Segueをフィーチャーした「Whose In Change」、美しくも儚い「Looking Back」、メロウなNu Soul「Pain (It's Gonna Come Heavier)」、クールなダンサブル・チューン「Spread That」、本作らしいセンスを実感できる「Check It (Calling You)」あたりが僕のオススメです。

DegoとKaidiの強力タッグが創り出すNu Soulでクールダウンしましょう!

全曲紹介しときやす。

「Whose In Change」
西ロンドンの歌姫Bembe Segueをフィーチャーしたオープニング。ダウンテンポながらもBembe Segueの華のあるヴォーカルが栄えるブロークン・ビーツ経由のソウル・ミュージックって感じがあります。終盤はリズミックな展開で楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=wUUBq1Y4Oq8

「Looking Back」
Deborah Jordanのキュート・ヴォーカルが印象的な美しくも儚いダウンテンポ。余韻のNu Soul感がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=5So90YNHpCQ

「Pain (It's Gonna Come Heavier)」
メロウネスという点ではアルバム随一かもしれません。抑えたトーンながらもメロウ・エレピ、Deborahのキュート・ヴォーカル、西ロンドンらしいビートのバランスが絶妙です。
https://www.youtube.com/watch?v=2aT1KFEQP5A

「Time Waits For No One」
エレクトリックを少し強調したグルーヴやSomatikのロッキン・ギターでアクセントをつけています。
https://www.youtube.com/watch?v=282HsqyqcAE

「Spread That」
西ロンドンらしいダンサブル感があります。ダンサブルといっても落ち着いたクールネスが漂うのが本作らしいかもしれませんが。
https://www.youtube.com/watch?v=Lgj8tjl0Mgw

「Check It (Calling You)」
今回聴き直して、コレが一番好きかも?適度にリズミックなのに寛げる雰囲気がいいですね。DegoとKaidiのセンスの良さを感じる仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=3hIG3hQUfg8

「They Can't Tell Us」
アルバムで一番ダンサブルな仕上がり。ブラジリアン・グルーヴあたりと一緒に聴いてもフィットすると思います。

「Looking Back (Reprise)」
「Looking Back」のリプライズ。

「Monday's Coming」
Deborah JordanとD.T.X.をフィーチャー。聴いていると和んでくるハートウォーミングな仕上がり。

「Just A Little More」
本編ラストは夜明けにクールダウン・モードといった雰囲気でしっとりと締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=wXWVUbM2Nrg

国内盤には「Monday's Coming (Instrumental)」がボーナス・トラックとして追加収録されています。

『Two』(2010年)
Two
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