2019年07月20日

Bob Thompson, His Chorus And Orchestra『Mmm, Nice!』

男女コーラスの映えるジャズ・オーケストラ作品♪Bob Thompson, His Chorus And Orchestra『Mmm, Nice!』
ンー,ナイス!(紙ジャケット仕様)
発表年:1960年
ez的ジャンル:男女コーラス系系ジャズ・オーケストラ
気分は... :ナイス!

Bob Thompson, His Chorus And Orchestra『Mmm, Nice!』(1960年)です。

Bob Thompson(1924-2013年)は、カリフォルニア州生まれのコンポーザー/アレンジャー/オーケストラ・リーダー。

Roger Nichols & The Small Circle Of FriendsHarpers Bizarreといったソフトロック作品のアレンジでも知られる人ですが、『The Sound Of Speed』(1958年)、『Just for Kicks』(1959年)、『Mmm, Nice!』(1960年)、『On the Rocks』(1960年)といった自身のリーダー作も再評価されています。

さて、本作『Mmm, Nice!』(1960年)ですが、全曲に男女コーラスを配したジャズ・オーケストラ作品です。

ヴォーカル・ワークとジャズ・オーケストラ・サウンドを合わせたトータルなサウンド・センスの冴える1枚に仕上がっています。

カフェ・アプレミディのコンピにも収録されたタイトル曲「Mmm, Nice!」が人気ですが、クラブジャズ好きも気に入りそうな「While We're Young」、華やかなスウィンギー「The Song Is You」、ホーン・アレンジが冴え渡る「Hello, Young Lovers」、スリリングな「Playboy」あたりもおススメです。

Thompsonのアレンジャーとしての才が冴え渡る男女コーラス&ジャズ・オーケストラをご堪能あれ!

全曲紹介しときやす。

「Mmm, Nice!」
Bob Thompson作。お色気たっぷりの女性スキャット・コーラスがたまらない、まさにナイス・ラウンジなタイトル曲。カフェ・アプレミディのコンピにも収録されています。
https://www.youtube.com/watch?v=5iJivZs-bkI

「The Song Is You」
Jerome Kern/Oscar Hammerstein II作。リラックスしたスウィンギー・サウンドと華やかな男女コーラスの組み合わせがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=-v51I9mhVmc

「Younger Than Springtime」
Richard Rodgers/Oscar Hammerstein II作。ミュージカル『South Pacific』(1949年)収録曲のカヴァー。スタンダードのジャズ・コーラス・カヴァーといった雰囲気です。
https://www.youtube.com/watch?v=AJNwQLzW2QY

「People Will Say We're In Love」
Richard Rodgers/Oscar Hammerstein II作。ミュージカル『Oklahoma!』(1943年)収録曲のカヴァー。スウィンギーな疾走感と華やかな男女コーラスがグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=dXttm6cq_8c

「They Can't Take That Away From Me」
George Gershwin/Ira Gershwin作。お色気モードのキュートな女性コーラスが映える1曲。華があります。
https://www.youtube.com/watch?v=yV0CLZo34yM

「While We're Young」
Alec Wilder/Morty Palitz/Bill Engvick作。クラブジャズ好きも気に入るであろう格好良い疾走感がいいですね。男女コーラスに加えてヴァイヴの響きがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=nahxO775wlg

「The Best Thing For You」
Irving Berlin作。Thompsonのアレンジ・センスの冴える楽しげな演奏が女性コーラスを引き立てます。
https://www.youtube.com/watch?v=Lks5V19jVAE

「Ain't We Got Fun」
Richard A. Whiting/Raymond B. Egan/Gus Kahn作。リラックスした男女ヴォーカルとメリハリの効いたジャズ・オーケストラが一体化しています。
https://www.youtube.com/watch?v=FupOmg4RHYM

「Hello, Young Lovers」
Richard Rodgers/Oscar Hammerstein II作。ホーン・アレンジが冴え渡る1曲。素敵な男女コーラスも含めて1曲の中にミュージカル的な楽しさが詰まっています。
https://www.youtube.com/watch?v=kQnujfU0cpc

「Do It Again」
George Gershwin/Buddy DeSylva作。演奏を少し抑えめにして女性コーラスを際立てています。
https://www.youtube.com/watch?v=sAhmd-eXEh4

「Joie De Vivre」
Bob Thompson作。小気味よいスウィンギー・サウンドを華やかなコーラスが盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=FUkbOuEEZ9w

「I've Grown Accustomed To Her Face」
Frederick Loewe/Alan Jay Lerner作。ミュージカル『My Fair Lady』(1956年)収録曲のカヴァー。ムーディーな雰囲気です。

「Playboy」
Bob Thompson作。ラストはスリリングなスウィンギー・サウンドでど派手に締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=8hy6pYG-b5w

Bob Thompsonの他作品をチェックを!

『The Sound Of Speed』(1958年)
Sound of Speed

『Just for Kicks』(1959年)
ジャスト・フォー・キックス

『On the Rocks』(1960年)
オン・ザ・ロックス
posted by ez at 02:13| Comment(2) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年07月08日

Sheila Jordan『Portrait Of Sheila』

幻の女性ジャズ・ヴォーカル作品☆Sheila Jordan『Portrait Of Sheila』
Portrait of Sheila
発表年:1962年
ez的ジャンル:女性ジャズ・ヴォーカル
気分は... :忽然と・・・

今回は60年代女性ジャズ・ヴォーカル作品からSheila Jordan『Portrait Of Sheila』(1962年)です。

Sheila Jordan(本名:heila Jeanette Dawson)は1928年ミシガン州デトロイト生まれの女性ジャズ・シンガー。

1952年ジャズ・ピアニストDuke Jordanとの結婚を機にSheila Jordanを名乗るようになります。

1962年、George Russell『The Outer View』収録の「You Are My Sunshine」で初レコーディング。この時の歌声が評判となり、Blue Noteで初リーダー作のレコーディング機会を得ます。こうして制作されたのが本作『Portrait Of Sheila』です。

本作以降しばらく目立った活動はありませんでしたが、70年代以降は断続的に10枚以上のリーダー作をリリースしています。

初リーダー作『Portrait Of Sheila』(1962年)は、忽然と現れ、忽然と消えていったイメージからか"幻のジャズ・ヴォーカル作品"とも形容されるアルバムのようです。

レコーディング・メンバーはSheila Jordan(vo)、Barry Galbraith(g)、Steve Swallow(b)、Denzil Best(ds)という少人数編成。

シンプルなバッキングがSheilaの抑えたトーンの可憐なヴォーカルを際立たせます。ピアノ・トリオではなく、ギター・トリオによるバッキングがSheilaのヴォーカル・スタイルにジャスト・フィットしている気がします。メロウ&クールな美学が貫かれている感じも僕好み!

この独特の雰囲気は"幻のジャズ・ヴォーカル作品"と形容したくなるのも頷けます。

全曲紹介しときやす。

「Falling in Love with Love」
Richard Rodgers/Lorenz Hart作。ミュージカル『The Boys from Syracuse』(1938年)のために書かれた楽曲。白人シンガーらしい可憐な歌声がいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=5VFT2zc1lbI

「If You Could See Me Now」
Tadd Dameron/Carl Sigman作のスタンダードをカヴァー。ギター・トリオらしいメロウなバッキングと切々としたSheilaのヴォーカルが実にフィットしています。
https://www.youtube.com/watch?v=-34UkHqd3B4

「Am I Blue」
Grant Clarke/Harry Akst作品のカヴァー。メロウ&ブルージーなバッキングが、Sheilaの抑えたトーンのキュート・ヴォーカルを際立たせます。
https://www.youtube.com/watch?v=NeU5tS7DFmw

「Dat Dere」
Bobby Timmons作品のカヴァー。オリジナルは『This Here Is Bobby Timmons』(1960年)に収録されています。ここではベースのみのバッキングで、キュートな中にも豊かな表現で歌います。
https://www.youtube.com/watch?v=PhRRg_IYPjc

「When the World Was Young」
M. Philippe-Gerard作のポピュラー・スタンダードをカヴァー。英語歌詞Johnny Mercer作。フランス語のオリジナル・タイトルは「Le Chevalier de Paris」。抑えたトーンながらも情感たっぷりのヴォーカルで哀愁バラードを歌います。
https://www.youtube.com/watch?v=Ad2veKJv77s

「Let's Face the Music and Dance」
Irving Berlin作。Fred Astaire、Ginger Rogers出演の映画『Follow the Fleet』(1936年)で使われた楽曲のカヴァー。当ブログではThe Kenny Clarke-Francy Boland Big Bandのカヴァーも紹介済みです。アップテンポのスウィンギーなバッキングを従え、Sheilaのヴォーカルが軽やかなに弾けます。
https://www.youtube.com/watch?v=lIQAVmZTIUk

「Laugh, Clown, Laugh」
Sam M. Lewis/Joe Young/Ted Fiorito作。序盤はBarry Galbraithのメロウ・ギターとSheilaの抑えたヴォーカルでしっとりと聴かせ、終盤にベース&ドラムが加わる二段構えの構成がいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=2hQ5v5cfTpI

「Who Can I Turn To?」
Alec Wilder/William Engvick作。バッキングはBarry Galbraithのギターのみのメロウ・バラード。甘く切ないSheilaの歌声にグッときます。
https://www.youtube.com/watch?v=pWToLcw0VnE

「Baltimore Oriole」
Hoagy Carmichael/Paul Francis Webster作のスタンダードをカヴァー。当ブログではNicola Conteのカヴァーも紹介済みです。ここでは妖艶な歌声で男心をくすぐります。
https://www.youtube.com/watch?v=4cJb5LlIUHc

「I'm a Fool to Want You」
Joel Herron/Frank Sinatra/Jack Wolf作。Frank Sinatraでお馴染みのスタンダードをカヴァー。当ブログではRobin McKelle & The Flytonesのカヴァーも紹介済みです。哀愁バラードを抑えたトーンながらも雰囲気たっぷりに歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=PTBacWx6deM

「Hum Drum Blues」
Oscar Brown Jr.作。ベースとドラムのみのバッキングにSheilaの艶めかしいヴォーカルが加わり、至極のジャズ・ヴォーカル・ワールドを満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=V_e9x-qSd9E

「Willow Weep for Me」
ラストは「柳よ泣いておくれ」の邦題で有名なスタンダード(Ann Ronnell作)をカヴァー。この名曲をブルージーな雰囲気で聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=fbo8qXCir4Q

本曲に関して、当ブログではDexter GordonWynton KellyRed GarlandClifford BrownWes MontgomeryJohn Lewis & Sacha DistelStanley Turrentine with The Three SoundsJohnny Lewis QuartetGene Russellのヴァージョンを紹介済みです。ご興味がある方はそちらの記事もご参照を!

Sheila Jordanの他作品もチェックを!

『Confirmation』(1975年)
Confirmation

Sheila Jordan & Arild Andersen『Sheila』(1977年)
シーラSheila

『Body and Soul』(1986年)
ボディ・アンド・ソウル

『The Crossing』(1986年)
Crossing

『Lost and Found』(1989年)
Lost & Found

『Heart Strings』(1993年)
Heart Strings

『Jazz Child』(1998年)
JAZZ CHILD

Sheila Jordan & Cameron Brown 『I've Grown Accustomed to the Bass』(2000年)
I've Grown Accustomed To The Bass

『Little Song 』(2003年)
LITTLE SONG

Sheila Jordan & E.S.P. Trio『Straight Ahead』(2005年)
STRAIGHT AHEAD

Sheila Jordan & Cameron Brown 『Celebration: Live at Triad』(2005年)
CELEBRATION-LIVE AT THE TRIAD
posted by ez at 01:22| Comment(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月27日

Jongo Trio『Jongo Trio (1965)』

個性的なジャズ・サンバ・トリオ☆Jongo Trio『Jongo Trio (1965)』
Jongo Trio
発表年:1965年
ez的ジャンル:ジャズ・サンバ・トリオ
気分は... :決定力の違い・・・

サッカーはコパ・アメリカの男子代表、W杯の女子代表ともに敗れ、大会から姿を消しました。どちらのチームも決定機を決めきれずに敗戦というパターンでしたね。いつもの決定力不足・・・

勝ち上がれなかったが日本らしさは見せることができた・・・という言い訳にはいい加減ウンザリですね。

さてブラジルのジャズ・サンバ作品からJongo Trio『Jongo Trio (1965)』(1965年)です。
※1972年リリースのセルフ・タイトル・アルバムと区別するために便宜上リリース年を補足しています。

Jongo Trioはは1965年にサンパウロで結成されたジャズ・サンバ・トリオ。

オリジナル・メンバーはAntonio "Toninho" Pinheiro(ds、vo)、Cido Bianchi(p、vo)、Sebastiao "Sabá" Oliveira Da Paz(b、vo)の3名。

ToninhoSabaSom Tresでの活動でも知られています。

1stアルバムとなる本作『Jongo Trio』(1966年)以降、Claudette Soaresらとの共演アルバムClaudette Soares, Taiguara e Trio『Primeiro Tempo: 5 X 0』(1966年)、ヴォーカル・メンバーを加え4人体制となった『Jongo』(1970年)、再びトリオ編成に戻った『Jongo Trio』(1972年)といったアルバムをリリースしています。

さて、本作『Jongo Trio (1965)』ですが、ヴォーカル曲中心のエレガントかつ変幻自在なジャズ・サンバ作品に仕上がっています。3人のメンバーが演奏のみならず3声コーラスによるヴォーカル・ワークでも魅せてくれます。また、ジャズ・サンバ・トリオですが、その枠からはみ出たような演奏を聴けるのも楽しいですね。

特に有名曲のカヴァーについては、オリジナルの雰囲気をうまく受け継ぎつつ、Jongo Trio流の個性を発揮している演奏や、オリジナルの雰囲気を一変させている演奏といったように、オリジナル(作者ヴァージョン)と聴き比べると更に楽しめると思います。

なかなか個性的なジャズ・サンバ・トリオ作品だと思います。

全曲紹介しときやす。

「O Menino Das Laranjas」
Theo De Barros作。アフロ・サンバなイントロに続き、変幻自在なジャズ・サンバが展開されます。この1曲を聴けば、彼らが只者ではないことがわかるはず!
https://www.youtube.com/watch?v=tNgzQMpD9dc

「Feitinha Pro Poeta」
Baden Powell作。当ブログではBossacucanovaのカヴァーも紹介済みです。ここでは軽快かつエレガントなジャズ・サンバで楽しませてくれます。メリハリのつけ方が絶妙ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=_Cg6xlzibr4

「Ela Vai,Ela Vem」
Roberto Menescal/Ronaldo Boscoli作。ジャズ・サンバとジャズ・ワルツを織り交ぜたセンスに脱帽の1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=sa_VIys5dz8

「Eternidade」
Adylson Godoy/Luiz Chaves作。Cidoのピアノを楽しめるインスト。
https://www.youtube.com/watch?v=amOZeEfOwms

「Terra De Ninguem」
Marcos Valle/Paulo Sergio Valle作。Marcos自身のヴァージョンは『Viola Enluarada』(1968年)に収録されています。当ブログではSabrina Malheirosのカヴァーも紹介済みです。Marcosヴァージョンを知っていると、そのプロトタイプ的な演奏に聴こえてきますね。
https://www.youtube.com/watch?v=-Ih2iuCZOEA

「Seu Chopin, Desculpe」
Johnny Alf作。タイトルの通り、ショパンの調べを織り交ぜた品格のあるジャズ・サンバです。
https://www.youtube.com/watch?v=rQ4ZUmuoUnQ

「Arrastao」
Edu Lobo/Vinicius de Moraes作。Loboのオリジナルは『A Musica De Edu Lobo Por Edu Lobo』(1965年)に収録されています。Loboのオリジナルにあったノルデスチ・モードのリズミック・パートとテンポを落としたエレガント・パートの緩急を受け継ぎ、Jongo Trio流の演奏に再構築しているのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=6pRxnNLpRZY

「Garota Moderna」
Evaldo Gouveia/Jair Amorim作。小粋なセンスのインスト・ジャズ・サンバ。ヴォーカル入りの演奏とは違った彼らの魅力を楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=eNn-4WHgRfU

「Vai Joao」
Vera Brasil作。3人のヴォーカル・ワークが冴える軽やかなジャズ・サンバ。
https://www.youtube.com/watch?v=Q0hnShAi-l8

「Reza」
Edu Lobo/Ruy Guerra作。Loboのオリジナルは『A Musica De Edu Lobo Por Edu Lobo』(1965年)に収録されています。Loboの名曲を少しテンポを落として聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=JkVAW1l-81w

本曲について、当ブログではSergio Mendes & Brasil '66Wanda de Sah featuring The Sergio Mendes Trio Lennie Dale & Sambalanco TrioTamba 4The CarnivalDorothy AshbyThe Girls From Bahiaのカヴァーも紹介済みです。

「Balanco No 1」
Hermeto Pascoal作。凛とした疾走感が格好良い僕好みのンスト・ジャズ・サンバ。
https://www.youtube.com/watch?v=kKg6SghZ5eo

「Deus Brasileiro」
Marcos Valle/Paulo Sergio Valle作。Marcosのオリジナルは『O Compositor E O Cantor』(1965年)で聴くことができます。当ブログではTitaDoris Monteiroヴァージョンも紹介済みです。Marcosのオリジナルのしっとりとした雰囲気を打ち破る変幻自在なジャズ・サンバを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=GS5GJ-FMhVk

再発CDにはボーナス・トラック「Medley Dorival Caymmi」が追加収録されています。

Jongo Trioの他作品もチェックを!

Claudette Soares, Taiguara e Trio『Primeiro Tempo: 5 X 0』(1966年)
PRIMEIRO TEMPO 5×0  プリメイロ・テンポ 5×0

Jongo Trio『Jongo Trio (1972)』(1972年)
ジョンゴ・トリオ
posted by ez at 01:44| Comment(2) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月13日

Clarence Carter『This Is Clarence Carter』

盲目の男性ソウル・シンガーの1stアルバム☆Clarence Carter『This Is Clarence Carter』
ジス・イズ・クラレンス・カーター
発表年:1968年
ez的ジャンル:Atlantic系男性ソウル
気分は... :とってもグルーヴィーだね!

盲目の男性ソウル・シンガー/ギタリストClarence Carterの1stアルバム『This Is Clarence Carter』(1968年)です。

Clarence Carterは1936年アラバマ生まれ。

1961年、友人のCalvin ScottとのデュオClarence & Calvinを結成し、レコード・デビュー。何枚かのシングルをリリースしますがヒットには至らず、1966年に交通事故でCalvinが重傷を負ったことを機にデュオ解消。同年に、ClarenceはFameからシングル「Tell Daddy」でソロ・デビューを果たします。

ちなみに「Tell Daddy」は、1967年にEtta James「Tell Mama」としてシングル・リリースしています。

1967年にAtlanticに移籍し、1stアルバムとなる本作『This Is Clarence Carter』(1968年)をリリースします。『This Is Clarence Carter』からはシングル「Slip Away」がUSチャート第6位、同R&Bチャート第2位の大ヒットとなり、一躍人気ソウル・シンガーの仲間入りを果たします。

その後もUSチャート第4位、同R&Bチャート第2位の大ヒットとなった「Patches」(1970年)等のヒットを放っています。また、1970年代前半には女性ソウル・シンガーCandi Statonと結婚していた時期もありました。

現時点での最新作『Dance to the Blues』(2015年)までコンスタントに作品をリリースしていますが、Atlantic移籍後、 Rick Hallプロデュースの下、Muscle ShoalsFAME Studiosでレコーディングを行っていた70年代前半までが全盛期だったのではないでしょうか。

さて、1stアルバムとなる本作『This Is Clarence Carter』(1968年)ですが、Rick Hallプロデュースの下、Roger Hawkins(ds)、David Hood(b)、Jimmy Johnson(g)、Barry Beckett(org)といったMuscle Shoals Rhythm Sectionの面々をはじめ、Linden Oldham(p)、Albert Lowe(g)、Gene Miller(tp)、Wayne Jackson(tp)、Aaron Varnell(ts)、Andrew Love(ts)、Charles Chalmers(ts)、Floyd Newman(bs)、James Mitchell(bs)といったミュージシャンがレコーディングに参加しています。

ジャケの雰囲気や、大ヒット・シングル「Slip Away」のイメージからは、シブくてブルージーなソウル・バラードが想起されますが、アルバム全体としては、グルーヴィーなアップ・チューンが印象的な内容となっています。

そういった意味では、「Looking For A Fox」「I'm Qualified」「Wind It Up」「Funky Fever」といったグルーヴィー・ソウルがおススメです。

それ以外であれば、Jimmy Webb作の「Do What You Gotta Do」、自作のバラード「I Can't See Myself」も僕好みです。

決して、「Slip Away」だけではないアトランティックらしいソウル・ワールドを満喫できる1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Do What You Gotta Do」
Johnny RiversやAl Wilsonヴァージョンで知られるJimmy Webb作品をカヴァー。さすがJimmy Webbと思わせる楽曲の良さをClarenceのヴォーカルがうまく引き出しているミディアム・ソウル・グルーヴ。オルガンの音色がシブくていいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=Dhu5nVcd6as

「Looking For A Fox」
Clarence Carter/Marcus Daniel/Rick Hall/Wilbur Terrell作。シングル・カットされ、US R&Bチャート第20位となっています。個人的にはアルバムで一番のお気に入り。Roger Hawkins、David Hoodのリズム隊が生み出す格好良いグルーヴに乗って、Clarenceが雰囲気のあるソウルフル・ヴォーカルで弾けます。
https://www.youtube.com/watch?v=BFJC68SC6p4

当ブログでも紹介したHard Knocks「Nigga for Hire」のサンプリング・ソースとなっています。
Hard Knocks「Nigga for Hire」
 https://www.youtube.com/watch?v=R9QOEZ2phV0

「Slippin' Around」
Art Freeman、1966年のシングル曲をカヴァー(Dan Penn/Linden Oldham作)。「I'm Qualified」と同じくJimmy Hughesのレパートリーでもあります。軽快なソウル・グルーヴに乗ったClarenceのヴォーカルも軽やかです。
https://www.youtube.com/watch?v=qrD65g_ItsY

「I'm Qualified」
Jimmy Hughes、1962年のシングル曲をカヴァー(Quin Ivy/Rick Hall作)。David HoodのベースとBarry Beckettのオルガンが印象的なグルーヴィー・ソウル。Clarenceの歌い回しの格好良さが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=i4qI4_05874

Ugly Duckling feat. Grand Puba「Something's Going Down Tonight」のサンプリング・ソースとなっています。
Ugly Duckling feat. Grand Puba「Something's Going Down Tonight」
 https://www.youtube.com/watch?v=SG0kjf5h_KY

「I Can't See Myself」
Clarence Carter作。自作のソウルフル・バラード。何処となく物悲しいソウル・フィーリングにグッときてしまいます。
https://www.youtube.com/watch?v=7zAHmwk6mys

「Wind It Up」
Clarence Carter作。アトランティック・ソウルらしいアップ・チューン。豪快なホーン・サウンドに乗って、Clarenceのダイナミックなヴォーカルが躍動します。Roger HawkinsのブレイクやBarry Beckettのオルガン・ソロもキマっています。
https://www.youtube.com/watch?v=Su6Z1xPZpUE

「Part Time Love」
Clay Hammond作。ブルージーな仕上がり。この人の見た目だと、この手のブルージーな楽曲が似合いないはずがない(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=C4PQwHFcCZ4

「Thread The Needle」
Clarence Carter作。アルバムに先駆け、1967年にシングル・リリースされ、US R&Bチャート第38位となっています。リラック・ムードですが、実はClarence本人があまり歌っていません(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=DtFztwtNp6A

「Slip Away」
Marcus Daniel/Wilbur Terrell/William Armstrong作。「Patches」と並ぶ彼の代表曲。前述のようにUSチャート第6位、同R&Bチャート第2位となった大ヒット・シングルです。元々はシングル「Funky Fever」のB面曲でした。アトランティック・ソウルらしい味わいの哀愁ソウル・チューンです。
https://www.youtube.com/watch?v=kJgbv5W0hWc

Hank Ballard、Eddie Floyd、Slim Smith、Tyrone Davis、Don Bryant、Barbara Lewis、Travis Wammack、Narvel Felts、Juice Newton & Silver Spur、Billy Price & The Keystone Rhythm Band、Dottsy、Gregg Allman等数多くのアーティストがカヴァーしている点からも名曲であることを確認できます。

「Funky Fever」
Clarence Carter/Joe Wilson/Marcus Daniel/Rick Hall作。アップ・テンポのグルーヴィー・ソウル。タイトルの通り、ファンキーにフィーバーてくれます。ホーン・セクション&女性コーラスが盛り上げてくれますし、ハンドクラップもキマっています。
https://www.youtube.com/watch?v=I5hr4AnqYAA

「She Ain't Gonna Do Right」
Dan Penn/Linden Oldham作。Fame時代の楽曲の再レコーディング。オルガンの似合うミディアム・ソウル・グルーヴです。
https://www.youtube.com/watch?v=TsrqxbVGUu0

「Set Me Free」
Curly Putman, Jr.作のカントリー・ソングをカヴァー。なかなか味わい深いソウル・バラードで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=mh6XsaDpPG8

Clarence Carterの初期作品もチェックを!

『The Dynamic Clarence Carter』(1969年)
ザ・ダイナミック・クラレンス・カーター

『Testifyin'』(1969年)
テスティファイン

『Patches』(1970年)
パッチズ
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2019年06月05日

Tina Brooks『True Blue』

幻のテナー・サックス奏者。生前唯一リリースのリーダー作☆Tina Brooks『True Blue』
トゥルー・ブルー(紙ジャケット仕様)
録音年:1960年
ez的ジャンル:幻のテナー・サックス奏者系ハードバップ
気分は... :謎は深まるばかり...

今回は60年代ジャズからBlue Noteハードバップ傑作の誉れ高い1枚、Tina Brooks『True Blue』(1960年)です。

Tina Brooks(1942-74年)はてノースカロライナ州生まれのテナー・サックス奏者。

ヴァイヴ奏者Lionel Hampton、トランペット奏者Benny Harrisのグループに参加した後、1958年にJimmy Smithのサイドメンとして初のレコーディングを行います。その直後にはArt Blakey(ds)、Lee Morgan(tp)、Sonny Clark(p)といった大物を従えて、初リーダー作『Minor Move』Blue Noteでレコーディングしますが、何故かお蔵入りになってしまいます。

そして、1960年に正真正銘の初リーダー作となる本作『True Blue』をレコーディングします。

1961年以降はレコーディング機会がなくなり、1974年に肝臓疾患で42歳の若さで逝去してしまったTina Brooks。結局、彼の存命中にリリースされたリーダー作は『True Blue』のみとなってしまいました。

しかし、その唯一のリーダー作『True Blue』はハードバップ傑作として今日高い評価を得ています。

レコーディング・メンバーはTina Brooks(ts)、Freddie Hubbard(tp)、Duke Jordan(p)、Sam Jones(b)、Art Taylor(ds)。

当時28歳のTina Brooksと24歳のFreddie Hubbardという若いフロント二管のプレイが魅力のアルバムです。

「Nothing Ever Changes My Love For You」以外はTina Brooksのオリジナルです。

Brooks、Hubbardが自信満々のフレーズを聴かせてくれるオープニング「Good Old Soul」、クラブジャズ的な聴き方をしてもグッとくる格好良いハードバップの「Up Tight's Creek」「Miss Hazel」、ラテン・フレイヴァーを効かせた「Theme For Doris」、印象的なテーマのリピートで中毒になりそうなタイトル曲「True Blue」、Art Taylorのドラムが上手く変化をつける「Nothing Ever Changes My Love For You」という充実の6曲です。

聴けば聴くほど、これが生前唯一のリーダー作というのが信じらない、Tina Brooksというジャズ・ミュージシャンの才に溢れた1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Good Old Soul」
Brooks、Hubbardのブルージーなアンサンブルが印象的なオープニング。ブルースのようでブルースではありません。Brooks、Hubbard共に臆することなく自信満々のフレーズを聴かせてくれます。。
https://www.youtube.com/watch?v=IAr4P9ulv5U

「Up Tight's Creek」
格好良いハードバップで疾走します。Art Taylorのドラミングに煽られ、Hubbard、Brooksのソロへ・・・特にBrooksのソロがいい雰囲気です。
https://www.youtube.com/watch?v=gCNE9sFPVog

「Theme For Doris」
僕好みのラテン・フレイヴァーを効かせた演奏です。特にBrooks、Hubbardの鮮やかなアンサンブルがいいですね。軽やかなDuke Jordanのピアノもグッド!Brooksのソロも存分に堪能できます。
https://www.youtube.com/watch?v=nt0YUclyGAY

「True Blue」
タイトル曲は印象的なテーマのリピートで中毒になりそうなインパクトのある演奏です。こういう聴かせ方もあるんですね。Brooksのセンスを感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=XCQ4ElOXlwQ

「Miss Hazel」
痛快なハードバップで一気に駆け抜けます。Brooksのソロに触発されたかのように、Hubbardが格好良いソロでキメてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=1-ANZvUcTpk

「Nothing Ever Changes My Love For You」
Jack Segal/Marvin Fisher作。ラストはスタンダード・カヴァー。Art Taylorのドラムが上手く変化をつけながら、いいムードの演奏を聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=uR5ALgE34ag

ご興味がある方は1980年にようやく日の目を見た『Minor Move』もチェックを!

『Minor Move』(1958年録音)
Minor Move
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