2017年06月16日

Lenita Bruno『Work Of Love』

サンバ・カンサォン時代に活躍した女性シンガーのボサノヴァ作品☆Lenita Bruno『Work Of Love』
ワーク・オブ・ラヴ
発表年:1967年
ez的ジャンル:クリスタル・ヴォイス・ボサノヴァ
気分は... :塩バターロール…

今回は60年代ブラジル作品からLenita Bruno『Work Of Love』(1967年)です。

Lenita Bruno(1926-87年)はリオデジャネイロ出身のブラジル人女性シンガー。

60年代のボサノヴァ隆盛につながる50年代サンバ・カンサォンの時代に活躍したシンガーとして知られる人です。

本作『Work Of Love』は彼女がアメリカに渡り、ライブ活動をしていた時代のUS録音作です。

Victor MことVictor Meshkovskyがプロデュースを務め、Clare Fischerがアレンジを手掛けています。

僕の場合、Lenita Brunoについて全く知りませんでしたが、Victor Mプロデュースということで、彼のグループMade In Brasil『Numero Um』(1975年)と一緒にCDを購入した記憶があります。

レコーディングにはLenita Bruno(vo)以下、Laurindo Almeida(g)、Clare Fischer(p、org、harpsichord)、Paulinho da Costa(ds、per)、Bud Shank(fl)、Jose Marinho(b)、Ray Neopolitan(b)、Allen Harshman(strings)、Anatol Kaminsky(strings)、Willy Wanderburg(strings)、Gerald Vinci(strings)等のミュージシャンが参加しています。

基本はボサノヴァ作品ですが、ボサノヴァで多く聴かれる囁きヴォーカルではなく、サンバ・カンサォン的な情感たっぷりの美しく伸びやかなヴォーカルが印象的です。

個人的には「Old Guitaron」以降のアルバム後半5曲が特に気に入っています。

全曲紹介しときやす。

「Sing, Sing More (Canta, Canta Mais)」
Antonio Carlos Jobim/Vinicius De Moraes作。『Por Toda Minha Vida』(1959年)でも歌われて楽曲の再録音。哀愁のメロディを伸びやかな歌い声で歌い上げます。

「Dindi」
Antonio Carlos Jobim/Aloysio de Oliveira作。Laurindo Almeidaの美しいギターとLenitaの美しい歌声の相性が抜群です。Bud Shankのフルートも印象的です。

「Dindi」について、当ブログではFlora PurimPaprika SoulClaudine Longetのカヴァーを紹介済みです。

「Stay My Love (Da-Me)」
Adilson Godoy作。ここで英語で情感たっぷりの歌声を聴かせてくれます。Clare Fischerのハープシコードの使い方がユニークですね。

「Someone To Light Up My Life (Se Todos Fossem Iguais a Voce)」
Antonio Carlos Jobim/Vinicius De Moraes作。ポピュラー・スタンダードのような雰囲気の中、Lenitaが澄み切った歌声を聴かせてくれます。

「Baquianas Brasileiras #5」
Villa Lobos作。美しい旋律を持つ曲ですが、情感たっぷりのスキャットで聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=1ubuWY7808A

「Old Guitaron」
Johnny Mercer/Laurindo Almeida作。Bud Shankのフルートが先導し、作者AlmeidaのギターとClare FischerのピアノがLenitaのヴォーカルに寄り添う、雰囲気のあるジャジー・ボッサに仕上がっています。

「Wave」
Antonio Carlos Jobim作。お馴染みの名曲の魅力をLenitaが美しいクリスタル・ヴォイスで再認識させてくれます。

「Constant Rain (Chove Chuva)」
Jorge Ben作品のカヴァー。アルバムで最も躍動感のあるアレンジは僕の一番のお気に入りでもあります。Clare Fischerのハープシコードがダンサブル・サウンドにアクセントを加えてくれます。

「Constant Rain (Chove Chuva)」に関して、当ブログではSergio Mendes & Brasil'66Gimmicksのカヴァーを紹介済みです。

「Winter Moon」
Laurindo Almeida作。美しいバラードをクリスタル・ヴォイスでしっとりと歌い上げます。琴を思わせる音色がアクセントになっています。

「Dream Of A Carnival (Sonho De Um Carnaval)」
Chico Buarqueの名曲をカヴァー。当ブログではPaulinho Da Violaのカヴァーを紹介済みです。ラストはクイーカとホイッスルが先導するサンバ・チューンで締め括ってくれます。

ご興味がある方はLenita Brunoの他作品もチェックを!

『Por Toda Minha Vida』(1959年)
Por Toda Minha Vida

『Modinhas Fora De Moda』(1959年)
Modinhas Fora De Moda

さらに本作のプロデューサーVictor MのグループMade In Brasilのアルバムもチェックしてみては?

Made In Brasil By Victor M『Numero Um』(1975年)
ファースト・アルバム

Made In Brasil By Victor M『Nosso Segundo Disco』(1976年)
セカンド・アルバム
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2017年06月01日

Archie Shepp『The Magic Of Ju-Ju』

呪術を味方に闘うテナー・サックス☆Archie Shepp『The Magic Of Ju-Ju』
ザ・マジック・オブ・ジュジュ
録音年:1967年
ez的ジャンル:闘うフリー・ジャズ
気分は... :花柄のドクロ・・・

今回は“闘う”テナー・サックス奏者Archie Shepp『The Magic Of Ju-Ju』(1967年)です。

1937年フロリダ州生まれのテナー・サックス奏者Archie Sheppは再評価の高い人気作『Attica Blues』(1972年)に続き、2回目となります。

アフリカの呪術をイメージさせるタイトルや花柄のドクロが写るジャケからも想像できるように、アフリカ回帰のタイトル曲が印象的なアルバムです。

レコーディング・メンバーはArchie Shepp(ts)以下、Martin Banks(tp、flh)、Mike Zwerin(tb)、Reggie Workman(b)、Norman Connors(ds)、Beaver Harris(ds)、Frank Charles(talking drum)、Dennis Charles(per)、Ed Blackwell(per)。

John Coltraneから大きな影響を受けていたArchie Sheppですが、本作のレコーディングの3カ月後に師と仰ぐColtraneが逝去してしまいます。

本作におけるSheppのプレイはColtrane魂を継承すると同時に、人種差別との闘いを音に託す自身のアグレッシブな音楽スタイルを提示しています。

アフリカの呪術がSheppにパワーを与えたかのようなエキサイティングなプレイの連続です。フリー・ジャズ系はあまり得意ではありませんが、プリミティブなジャズの衝動が伝わってくる本作に惹かれてしまいます。

全曲Sheppのオリジナルです。

ジャケも含めてインパクト大の1枚です。

全曲紹介しときやす。

「The Magic of Ju-Ju」
パーカッションによるアフリカン・リズムをバックに、テナー・サックスがひたすらブロウする様は、人種差別と闘い、解放を訴えるSheppの姿勢そのものですね。John Coltraneからジャズ魂をバトンタッチされたようなSheppのプレイにプリミティブな凄みを感じます。正にジャケのイメージそのものの黒魔術的トランスにヤラれてしまいます。
https://www.youtube.com/watch?v=4MjoR4Rq9s0

「You're What This Day Is All About」
超大作タイトル曲の次は2分にも満たない演奏です。短いですが、なかなか見事なアンサンブルです。
https://www.youtube.com/watch?v=sUq3Wwu_kcg

「Shazam!」
最初と最後のみ帳尻を合わせ、間はえいやっ!ノリ一発!みたいな感じがエキサイティングです。周囲がSheppを煽り、それに呼応してSheppがあらにギアを一段上げる感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=SEOUT-jDbYA

「Sorry 'Bout That」
Reggie Workmanのベースが牽引するハイ・テンションの演奏を楽しめます。倒れても起き上がりファイティング・ポーズをとるかのような、“闘う”テナー・サックス奏者らしいSheppのプレイを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=zpj5UyLHhSg

Impulse!時代のArchie Sheppの他作品もチェックを!

『Four for Trane』(1964年)
Four for Trane

『Fire Music』(1965年)
Fire Music

『On This Night』(1965年)
On This Night

John Coltrane & Archie Shepp『New Thing at Newport』(1965年)
ニュー・シング・アット・ニューポート

『Mama Too Tight』(1966年)
Mama Too Tight

『Archie Shepp Live in San Francisco』(1966年)
ライヴ・イン・サンフランシスコ

『The Way Ahead』(1968年)
The Way Ahead /Imp By Archie Shepp,Roy Haynes (2003-05-16)

『For Losers/Kwanza』(1968/1969年)
Impulse 2-on-1: For Losers / Kwanza

『Things Have Got To Change/The Cry of My People』(1971/1972年)
Things Have Got To Change

『Attica Blues』(1972年)
アッティカ・ブルース
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2017年05月20日

Herbie Mann & Tamiko Jones『A Man And A Woman』

フリーソウルでお馴染みTamiko Jonesの初アルバム☆Herbie Mann & Tamiko Jones『A Man And A Woman』
男と女
発表年:1967年
ez的ジャンル:ソフト・ボッサ系ジャズ/ポップス
気分は... :1-2-3!

今回はジャズ・フルート奏者Herbie Mannが母親が日本人の黒人女性シンガーTamiko Jonesと共演したアルバム『A Man And A Woman』(1967年)です。

N.Y.出身の人気ジャズ・フルート奏者Herbie Mann(1930-2003年)について、これまで当ブログで紹介してきた作品は以下の3枚。
 『Memphis Underground』(1969年)、
 『Muscle Shoals Nitty Gritty』(1970年)
 『Push Push』(1971年)

また、1945年ウエスト・ヴァージニア生まれ、母親が日本人の女性シンガーTamiko Jonesについては、フリーソウル人気曲「Touch Me Baby」「Creepin'」収録のアルバム『Love Trip』(1975年)を紹介済みです。

フリーソウル人気作『Love Trip』(1975年)から入ると、ソウル・シンガーのイメージが強いTamiko Jonesですが、彼女の初アルバムは人気ジャズ・フルート奏者Herbie Mannとの共演によるジャズ/ポップス作品の本作です。

レコーディング・メンバーはHerbie Mann(fl)、Tamiko Jones(vo)以下、Joe Zawinul(p)、Victor Gaskin(b)、Reggie Workman(b)、Everett Barksdale(el-b)、Bruno Carr(ds)、Roy McCurdy(ds)、Carlos "Patato" Valdes(congas、per)、Roy Ayers(vibe)、Gary Burton(vibe)等。

アルバム全体はライト感覚のポップス作品に仕上がっています。ソフト・ボッサ調の曲が多いのが特徴です。

どちらかと言えば、ボッサ名曲カヴァーに惹かれて購入したのですが、実際に聴いて気に入ったのは「1-2-3」「Sidewinder」「A Good Thing (Is Hard to Come By)」といったビートの効いたヒップな演奏です。

Herbie Mannの持つクロスオーヴァーなポップ感覚がTamiko Jonesの魅力を上手に引き出している1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「A Man and a Woman」
お馴染みのフランス映画『Un Homme Et Une Femme(邦題:男と女)』(1966年)の主題歌をカヴァー(Francis Lai/Pierre Barouh作)。オリジナルの雰囲気を受け継いだソフト・ボッサな仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=jPUl0hjRShE

「Day Tripper」
Beatlesソングをカヴァー(John Lennon/Paul McCartney作)。TamikoのヴォーカルをHerbie Mannのフルートが先導する疾走感のあるポップ・チューンに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=hv9wladnFy8

「Come Back to Me」
ミュージカル『On a Clear Day You Can See Forever』(1965年)の挿入歌をカヴァー(Burton Lane/Alan Jay Lerner作)。疾走感が心地好いボッサ・グルーヴで楽しませてくれます。

「Little Boat」
Roberto Menescal/Ronaldo Boscoli作の名曲「O Barquinho(小舟)」をカヴァー。イントロだけ聴くと、「A Man and a Woman」と混同しそうなソフト・ボッサです(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=b7lcAgOY2X4

本曲について、当ブログではElis Regina『Elis, Como e Porque(Como & Porque)』『Elis Regina in London』『Aquarela Do Brasil』収録の3ヴァージョンやO QuartetoStacey KentTamba Trioのカヴァーを紹介済みです。

「It's Time That You Settled Down」
Neil Sheppard/Ray Fox作。ポップな魅力があるソフト・ボッサ。しっとりとしたTamikoのヴォーカルがチャーミングです。

「A Good Thing (Is Hard to Come By)」
Tamiko Jones作。R&Bフィーリングのサウンドでヒップに躍動します。パンチのあるサウンドとコケティッシュなTamikoのヴォーカルの組み合わせがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=o3ce4rUIHis

「1-2-3」
Len Barry、1965年のヒット曲をカヴァー(Len Barry/John Madara/Dave White作)。個人的には一番のお気に入り。快活なポップ・チューンでTamikoのキュートなヴォーカルが弾けます。
https://www.youtube.com/watch?v=a2nft9e1lfI

「Only Yesterday」
Jimmy Wisner作。しっとりと歌い上げるバラード。Tamiko Jonesのソロ・アルバム『Tamiko』(1968年)でも取り上げています。
https://www.youtube.com/watch?v=dTVbOOoQY5E

「Sunny」
Bobby Hebbの1966年のヒット曲のカヴァー。このサウンド・プロダクションに見事にハマっています。あまりにも予定調和な感じが逆に物足りない気もしますが・・・
https://www.youtube.com/watch?v=o1UVPOnhTUM

本曲について、当ブログではDusty SpringfieldBirgit LystagerClementineAnn BurtonJose FelicianoPapikVoices In Latinのカヴァーも紹介済みです。

「How Insensitive」
Antonio Carlos Jobim/Vinicius De Moraes作のボサノヴァ名曲をカヴァー。少し憂いを帯びたヴォーカルでしっとりと歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=p_10dVKwlHc

本曲について、当ブログではTriste JaneroDuke PearsonOscar PetersonEarl OkinStacey KentStan Getz & Luiz BonfaGenaiBobbi Boyle & The Trioのカヴァーを紹介済みです。

「Sidewinder」
Lee Morganのジャズ・ロック名曲をカヴァー。「1-2-3」と並ぶお気に入り。スウィンギン・ロンドン系の曲と一緒に聴きたくなるヒップな魅力があります。
https://www.youtube.com/watch?v=AYXsUdyUPMw

Herbie MannTamiko Jonesの過去記事もチェックを!

Herbie Mann『Memphis Underground』(1969年)
Memphis Underground

Herbie Mann『Muscle Shoals Nitty Gritty』(1970年)
Muscle Shoals Nitty Gritty

Herbie Mann『Push Push』(1971年)
プッシュ・プッシュ

Tamiko Jones『Love Trip』(1975年)
ラヴ・トリップ
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2017年05月08日

Geoff & Maria Muldaur『Pottery Pie』

夫婦デュオの第1弾作品☆Geoff & Maria Muldaur『Pottery Pie』
ポテリィ・パイ
発表年:1968年
ez的ジャンル:ルーツ探求系夫婦フォーク/カントリー
気分は... :黒人音楽のエッセンス多めで・・・

今回はGeoff MuldaurMaria Muldaurの夫婦デュオGeoff & Maria Muldaurの1stアルバム『Pottery Pie』(1968年)です。

Maria Muldaurに関しては、これまで当ブログで『Maria Muldaur』(1973年)、『Open Your Eyes』(1979年)という2枚のアルバムを紹介済みです。

ジャグ・バンド・リヴァイヴァルの旗手であったJim Kweskin & The Jug Bandのメンバーとして共に活動し、プライベートでも結婚したGeoff MuldaurとMaria Muldaurが、1967年のJim Kweskin & The Jug Band解散後に組んだ夫婦デュオがGeoff & Maria Muldaurです。

2人はGeoff & Maria Muldaur名義で『Pottery Pie』(1968年)、『Sweet Potatoes』(1972年)という2枚のアルバムをReprise Recordsからリリースしています。

1972年に2人は離婚し、コンビも解消してソロ・アーティストとして別々の道を歩むことになります。特にMaria Muldaurは、1973年に「Midnight at the Oasis」を大ヒットさせたことは周知の通りです。

夫婦デュオの第1弾となる本作『Pottery Pie』(1968年)は、GeoffとMariaのリード・ヴォーカルが交互に配される構成となっています。

フォーク/カントリーをベースにしつつ、ブルース、R&B、オールド・ジャズ等のフィーリングを取り入れた幅広いルーツ・ミュージックに根差した作品になっています。特に黒人音楽のエッセンス多めなのが僕好みです。

また、ブラジル音楽の名曲「ブラジルの水彩画(Aquarela Do Brasil)」をカヴァーしている点も、僕にとってポイント高いです。ちなみにGeoffがヴォーカルをとる本ヴァージョンは、映画『未来世紀ブラジル』(1985年)のテーマ曲にもなりました。『未来世紀ブラジル』のサントラ紹介記事でも書きましたが、モンティ・パイソンのメンバーTerry Gilliam監督によるこの近未来ブラック・コメディは僕の大好きなカルト・ムービーです。

話を本作に戻すと、レコーディング。メンバーはGeoff Muldaur(vo、g、p)、Maria Muldaur(vo)以下、Amos Garrett(g)、Bill Keith(pedal steel)、Billy Mundi(ds)、Rick Marcus(ds)、Hal Grossman(horns)、Peter Ecklund(tp、whistling)、Betsy Siggins(vo)。

特に、コンビ解散後もGeoffとMariaの活動に深く関わることになり、Maria Muldaur「Midnight at the Oasis」でも見事なギターを聴かせてくれたギタリストAmos Garrettの貢献が目立ちます。

プロデュースはFairport Convention等を手掛けたJoe Boyd

一般的なハイライトは、「Brazil」「Georgia On My Mind」あたりだと思いますが、「Me And My Chauffeur Blues」「Catch It」「Trials, Troubles, Tribulations」も僕のオススメです。

フォーク/カントリーに収まらない魅力に溢れた1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Catch It」
リヴァイヴァル・フォークの牽引者Eric Von Schmidtのカヴァー。GeoffがEric Von Schmidtのレコーディングに数多く参加しており、そういった縁でのセレクトでしょう。少しテンポを落としたユルめのブルース・フィーリングの演奏がグッド!ホーン・サウンドも含めてアレンジが絶妙です。

「I'll Be Your Baby Tonight」
Bob Dylan作品のカヴァー。Dylanのオリジナルは『John Wesley Harding』(1967年)に収録されています。Jim Kweskin & The Jug Band名義でもシングル・リリースしていた本曲を再び取り上げているのが興味深いですね。Mariaのソロ作にも通じるコケティッシュなカントリー・タッチがいい感じです。

「New Orleans Hopscop Blues」
1920〜30年代に活躍したクラリネット奏者/シンガーGeorge Thomasの作品をカヴァー。タイトルの通り、ジャズ/R&Bのエッセンスを取り入れたニューオリンズ・フィーリングの仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=edAcv7oJ9fE

「Trials, Troubles, Tribulations」
トラディショナル・ソングをMariaがアレンジ。淡々としていますが不思議な味わいに惹かれてしまいます。Mariaのヴォーカルに寄り添うBetsy Sigginsの歌声もグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=3XHuS6HZ5sE

「Prairie Lullabye」
カントリー歌手Jimmie Rodgersヴァージョン(1932年)で知られるBilly Hill作品をカヴァー。Geoffがしみじみと歌い上げます。

「Guide Me, O Great Jehovah」
トラディショナル・ソングをMariaがア・カペラで歌い上げます。

「Me And My Chauffeur Blues」
女性ブルース・シンガー/ギタリストMemphis Minnieの作品をカヴァー。南部フィーリングの黒い音のバッキングを従え、Mariaが味のあるヴォーカルで魅了します。Amos Garrettのギターにもグッときます。個人的には「Brazil」と並ぶ本作のハイライト。

「Brazil」
偉大なブラジル人コンポーザーAry Barroso作の名曲「ブラジルの水彩画(Aquarela Do Brasil)」をカヴァー。前述のように、映画『未来世紀ブラジル』(1985年)のテーマ曲にもなりました。Geoffの少しわざとらしいヴォーカルとPeter Ecklundの口笛の組み合わせがいい感じです。僕の場合、映画と本ヴァージョンがセットで刷り込まれているので、曲を聴いていると映画も観たくなります。サイコー!
https://www.youtube.com/watch?v=urN7Pdzw5Cs

本曲に関して、前述の『未来世紀ブラジル』サントラ以外に、当ブログではElis ReginaSonzeiraGal Costaヴァージョンも紹介済みです。

「Georgia On My Mind」
Ray Charlesヴァージョンでお馴染み、ジョージア州歌にもなったスタンダードをカヴァー(Hoagy Carmichael/Stuart Gorrell作)。Ray Charlesヴァージョンがデフォルトで刷り込まれているので、Mariaの脱力ヴォーカルに癒される本ヴァージョンは新鮮です。Amos Garrettのギター・ソロにもグッときます。

「Death Letter Blues」
ラストはミシシッピー・デルタ・ブルースの偉大なギタリスト/シンガーSon Houseのカヴァーでブルージーに締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=_7tAGF6HYwY

ご興味がある方は、2nd『Sweet Potatoes』(1972年)やMaria Muldaur作品もチェックを!

『Sweet Potatoes』(1972年)
スウィート・ポテト

Maria Muldaur『Maria Muldaur』(1973年)
Maria Muldaur

Maria Muldaur『Open Your Eyes』(1979年)
Open Your Eyes
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2017年04月25日

Milt Jackson Quintet Featuring Ray Brown『That's The Way It Is』

ブルージーな味わいがたまらないジャズ作品☆Milt Jackson Quintet Featuring Ray Brown『That's The Way It Is』
ザッツ・ザ・ウェイ・イット・イズ
録音年:1969年
ez的ジャンル:ブルージー・ジャズ
気分は... :この落ち着きがたまらん!

今回はジャズ・ヴァイヴのパイオニアMilt Jacksonが盟友Ray Brownと共に組んだクインテットのライブ盤『That's The Way It Is』(1969年)です。

Modern Jazz Quartet(MJQ)のメンバーとしても活躍したヴァイヴ奏者Milt Jackson(1923-1999年)に関して、当ブログで紹介したのは以下の4枚。

 Milt Jackson & Wes Montgomery『Bags Meets Wes』(1961年)
 『Jazz 'N' Samba』(1964年)
 Milt Jackson With The Ray Brown Big Band『Memphis Jackson』(1969年)
 『Sunflower』(1972年)

Impulse!からリリースされた本作『That's The Way It Is』(1969年)は、バグスらメンバーが演奏するジャケからもわかるようにライブ・レコーディングです。場所はハリウッドのShelly's Manne-Hole

クインテットのメンバーはMilt Jackson(vibes)、Ray Brown(b)、Teddy Edwards(ts)、Monty Alexander(p)、Dick Berk(ds)という編成です。Dizzy Gillespie楽団時代からの盟友であるベーシストRay Brownをフィーチャリングする名義となっています。

アップテンポな演奏は「Wheelin' and Dealin'」のみで、リラックスした雰囲気のブルージーな演奏が印象的です。特に落ち着いたテンポの「Frankie and Johnny」「Blues In Bassment」「That's The Way It Is」がいいですね。

ブルージーな雰囲気が良く似合うバグスとRay Brownの相性の良さを感じます。

グラス片手に寛ぎながら楽しみたいジャズ作品です。

全曲紹介しときやす。

「Frankie and Johnny」
トラディショナル・ソングのカヴァー。Ray Brownのベースが存在感を示すオープニング。ミディアム・テンポのスウィンギー&ブルージーな演奏で会場がジワジワと高揚していく感じがいいですね。演奏も終わり方が実にオシャレ!
https://www.youtube.com/watch?v=BaFfiNrqe5A

「Here's That Rainy Day」
1953年のミュージカル『Carnival In Flanders(フランダースの謝肉祭)』の挿入歌をカヴァー(Johnny Burke/Jimmy Van Heusen作)。バグスの美しいヴァイヴの音色を楽しめるバラードです。しっとりとした雰囲気がたまりません。本曲に関して、当ブログではPeter Fesslerのカヴァーも紹介済みです。

「Wheelin' and Dealin'」
Teddy Edwards作。アップテンポで駆け抜けるエキサイティングな演奏で会場を盛り上げます。特にMonty Alexanderのピアノ・ソロで大盛り上がりします。
https://www.youtube.com/watch?v=H9gm6jvceIA

「Blues In Bassment」
Ray Brown作。作者Ray Brownのクールなベースに魅せられるブルージーな演奏です。ブルージーなサウンドの中でバグスのヴァイヴの音色も栄えます。
https://www.youtube.com/watch?v=za-_-fXzn0I

「Tenderly」
Walter Gross/Jack Lawrence作のスタンダードをカヴァー。Ray Brownの長いベース・ソロで拍手喝采を浴び、バグスがテンダーなヴァイヴを少し披露したところで、再びRay Brownのソロで盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=MQf4BEXFTtM

本曲に関して、当ブログではClara MorenoJose JamesStacey KentPeter Fesslerのカヴァーを紹介済みです。

「That's The Way It Is」
Monty Alexander作。最後はメンバー紹介を交えながらテンポを落としたブルージーな演奏で締め括ってくれます。Teddy Edwardsのサックスをはじめ、落ち着いた雰囲気の中にもソウルフルな味わいがあっていいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=wkVOVA8I-B4

Milt Jacksonの過去記事もご参照下さい。

Milt Jackson & Wes Montgomery『Bags Meets Wes』(1961年)
Bags Meets Wes

『Jazz 'N' Samba』(1964年)
ジャズ・ン・サンバ

Milt Jackson With The Ray Brown Big Band『Memphis Jackson』(1969年)
メンフィス・ジャクソン

『Sunflower』(1972年)
Sunflower
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