2017年08月12日

Freddie Hubbard『A Soul Experiment』

ファンク/ソウル・ジャズなHubbardを楽しめる1枚☆Freddie Hubbard『A Soul Experiment』
ア・ソウル・エクスペリメント<SHM-CD>
録音年:1968,69年
ez的ジャンル:超絶技巧トランぺッター系ファンク/ソウル・ジャズ
気分は... :ソウルの実験?

今回は名トランぺッターFreddie Hubbard『A Soul Experiment』(1969年)です。

これまで当ブログで紹介したFreddie Hubbard(1938-2008年)作品は以下の5枚。

 『Hub Tones』(1962年)
 『Breaking Point』(1964年)
 『Backlash』(1966年)
 『The Black Angel』(1969年)
 『Red Clay』(1970年)

本作『A Soul Experiment』Atlanticからの第3弾アルバムであり、"ソウルの実験"というアルバム・タイトルの通り、ファンク/ソウル・ジャズ路線の作品に仕上がっています。

ただし、"実験"と称するほど小難しい音ではなく、キャッチーで格好良いファンク/ソウル・ジャズを楽しむことができます。また、すべての演奏がエレクトリック・ギター&ベースで貫かれ、電化ジャズな布陣での演奏も特徴的です。。

レコーディング・メンバーはFreddie Hubbard(tp)以下、Carlos Garnett(ts)、Kenny Barron(el-p)、Gary Illingworth(org)、Eric Gale(g)、Billy Butler (g)、Jerry Jemmott(el-b)、Grady Tate(ds)、Bernard Purdie(ds)。

プロデュースはGil FullerJoel Dorn

本作らしい格好良いファンク/ソウル・ジャズを満喫できる「Clap Your Hands」「South Street Stroll」「Hang 'Em Up」「Soul Turn Around」「A Soul Experiment」、素晴らしいバラードの「Wichita Lineman」「Lonely Soul」などアルバム全体の充実度に興奮しまくる1枚です。

再評価が高まるAtlantic時代のHubbard作品。
本作はそれを象徴する1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Clap Your Hands」
Don Pickett作。エキサイティングな電化ソウル・ジャズがオープニング。Bernard PurdieとJerry Jemmottのリズム隊、Eric Galeのギター、そして主役Hubbardのトランペット、どれをとっても格好良ぎます。
https://www.youtube.com/watch?v=jD1BqTzQ1eI

「Wichita Lineman」
Glen Campbellのヒットで知られるJim Webb作品をカヴァー。ビューティフルなバラードは実に黄昏モードです。
https://www.youtube.com/watch?v=8YwGP5XZfXg

「South Street Stroll」
Kenny Barron作。格好良いブレイクと共に始まるファンキー・グルーヴ。グルーヴィーな鍵盤の音色がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=GlfhIzPh-HQ

Del the Funky Homosapien feat. A-Plus, Casual & Snupe「No More Worries」等のサンプリング・ソースとなっています。
Del the Funky Homosapien feat. A-Plus, Casual & Snupe「No More Worries」
 https://www.youtube.com/watch?v=vwJFJp0dH5U

「Lonely Soul」
Freddie Hubbard作。正にロンリー・モードの哀愁バラード。Hubbardのプレイが冴えるハードボイルドな男臭さがたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=P_NO-7d5818

The Wiseguys「The Real Vibes」、Delinquent Habits「Good Times」、Richie Cunning「Last Stop」のサンプリング・ソースとなっています。
Richie Cunning「Last Stop」
 https://www.youtube.com/watch?v=Fl5OqTRt-Q4

「No Time to Lose」
Carlos Garnett作。ダンサブルなソウル・グルーヴ。開放的な雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=X0cV5zmDyF0

「Hang 'Em Up」
Carlos Garnett作。「Clap Your Hands」と並ぶ格好良さを持つグルーヴィーな演奏です。エキサイティングなHubbardのソロ、Eric Galeのソリッドなギター、グルーヴィーなGary Illingworthのオルガンすべてがサイコーです。最後は少しあっけないのだけが唯一残念。
https://www.youtube.com/watch?v=obIMwrFLmyI

「Good Humor Man」
Don Pickett作。作者Pickettが参加したBlue Mitchell『Heads Up!』(1968年)でも演奏されていた楽曲です。オルガン・サウンドの栄える哀愁モードのソウル・ジャズです。ラテンな隠し味もいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=gXfnznaoVbE

「Midnite Soul」
Freddie Hubbard作。スローなブルースはハードボイルドな雰囲気が漂います。
https://www.youtube.com/watch?v=jLqVIzJyfN4

「Soul Turn Around」
Walter Bishop, Jr.作。セクシーな格好良さを持ったファンキー・グルーヴ。勢いのあるリズム隊をバックに、Hubbard、Garnettの二菅が絶好調のプレイで盛り上げてくれます。作者Walter Bishop Jr.自身のヴァージョンはアルバム‎『Coral Keys』(1971年)に収録されています。また、Blue Mitchell‎『The Last Tango=Blues』(1973年)でもカヴァーされています。さらにMadvillain「Money Folder」のサンプリング・ソースとなっています。
https://www.youtube.com/watch?v=9iPbVx45uPI

「A Soul Experiment」
Freddie Hubbard作。ラストはファンキーなソウル・ジャズで締め括ってくれます。Eric Galeのカッティング・ギターに先導され、Hubbardがソウルフルなソロでキメてくれます。Hubbardに続くGaleのソロも格好良いです。
https://www.youtube.com/watch?v=Fn3fF7tZhkc

Freddie Hubbardの過去記事もご参照下さい。

『Hub Tones』(1962年)
ハブ・トーンズ

『Breaking Point』(1964年)
Breaking Point

『Backlash』(1966年)
バックラッシュ

『The Black Angel』(1969年)
ブラック・エンジェル

『Red Clay』(1970年)
レッド・クレイ
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2017年08月01日

Laurindo Almeida『Guitar From Ipanema』

サマー・モードの素敵なイージー・リスニング☆Laurindo Almeida『Guitar From Ipanema』
ギター・フロム・イパネマ
発表年:1964年
ez的ジャンル:偉大なブラジル人ギタリスト系イージー・リスニング
気分は... :8月突入・・・

今回はブラジル出身の偉大なギタリストLaurindo Almeida『Guitar From Ipanema』(1964年)です。

Laurindo Almeida(1917-1995年)はブラジルを代表する世界的ギタリスト。クラシック、ジャズ、ラテンと幅広い分野で長きに渡り活躍しました。

膨大なレコーディング作品を残している人ですが、ボサノヴァな魅力に満ちた本作『Guitar From Ipanema』(1964年)は今日ポピュラーなLaurindo Almeida作品の中の1枚だと思います。

レコーディング・メンバーはLaurindo Almeida(g)以下、Jack Marshall(g、whistling)、Al Hendrickson(g)、Djalma Ferreira (org)、Harry Klee(fl)、Justin Gordon(fl)、George Fields(harmonica)、Fafa Lemos(violin)、Irene Kral(vo)。

アルバム全体としては、ボサノヴァ/ジャズ・サンバ調のイージー・リスニングといった印象です。

曲構成としては、ボサノヴァ名曲カヴァーとオリジナルが半々となっています。アルバム全編をカヴァーが占めるのではなく、オリジナルも半分混ぜているあたりに、単なるイージー・リスニング・アルバムではない魅力があると思います。

と言いつつ、目立つのは「The Girl From Ipanema」「Manha De Carnaval」といったボサノヴァ名曲カヴァーです。Almeidaのギターが魅力的なのは勿論ですが、前者ではJack Marshallの口笛、後者ではGeorge Fieldsのハーモニカがいい味出しています。

オリジナルではジャズ・サンバ調の「Sarah's Samba」、素敵なボサノヴァ「Choro For People In Love」がオススメです。

また、「Winter Moon」「Old Guitaron」ではIrene Kralの女性ヴォーカルをフィーチャーしています。

参加メンバーFafa Lemosのオリジナル「The Fiddler's Wolf Whistle」も完成度の高いイージー・リスニングです。

ジャケも含めてサマー・モードの素敵なイージー・リスニング作品だと思います。

全曲紹介しときやす。

「The Girl From Ipanema」
Antonio Carlos Jobim/Vinicius de Moraes作の名曲「イパネマの娘」をカヴァー。お馴染みの名曲をAlmeidaのギターとJack Marshallの口笛がリードするジャズ・サンバ調の極上イージー・リスニングに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=PMIEx24G5BQ

本曲について、当ブログではTamba TrioAgustin Pereyra LucenaDiane Denoir/Eduardo MateoRoberto MenescalBossacucanova & Roberto MenescalSheila Landis/Rick MatlePapikTrio 3DFreddie McCoyのカヴァーも紹介済みです。ご興味がある方はチェックを!

「Manha De Carnaval」
Antonio Maria/Luiz Bonfa作の名曲「カーニバルの朝」をカヴァー。絶品の哀愁ギターにグッときます。George Fieldsのハーモニカもいい味出しています。サイコーのイージー・リスニングです。
https://www.youtube.com/watch?v=2-GKRUWRLhU

本曲について、当ブログではDexter GordonGerry MulliganBalancoAstrud GilbertoJack Marshall & Shelly ManneSteen Rasmussen Feat. Josefine CronholmOscar PetersonAkua AllrichClaude Ciari, Bernard Gerard And The Batucada's SevenDiana PantonCountry ComfortIsabelle AubretO QuartetoQuarteto Formaのカヴァーも紹介済みです。ご興味がある方はチェックを!

「Sarah's Samba」
Laurindo Almeida作。「The Girl From Ipanema」と同タイプの軽快な哀愁ジャズ・サンバ。フルートの音色が似合う演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=31qzEMGYg40

「Winter Moon」
Laurindo Almeida/Portia Nelson作。Irene Kralのヴォーカルをフィーチャーしたロマンティックな仕上がりです。タイトルは冬モードでしが・・・
https://www.youtube.com/watch?v=fy5cPmS8A6c

「Izabella」
Djalma Ferreira作。グルーヴィーなオルガンにAlmeidaのギターが絡む軽快なジャズ・サンバ。Walter Wanderleyあたりとセットで聴きたくなる音です。

「Choro For People In Love」
Laurindo Almeida作。(ジャズ・サンバではなく)ボサノヴァを期待する人にはコレが一番雰囲気があるのでは?

「Quiet Nights Of Quiet Stars (Corcovado)」
Antonio Carlos Jobim作のボサノヴァ名曲をカヴァー。さり気ないですが品のいいボサノヴァにまとまっています。

本曲について、当ブログではJoanie SommersCannonball AdderleyWanda Sa(Wanda De Sah)Mario Castro-Neves & Samba S.A.Diane Denoir/Eduardo MateoEarl OkinDardanellesCassandra WilsonO QuartetoJon HendricksGenaiTillery
のカヴァーも紹介済みです。ご興味がある方はチェックを!

「Old Guitaron」
Johnny Mercer/Laurindo Almeida作。Irene Kralのヴォーカルをフィーチャー。哀愁モードのサウンドにIreneの声質がよくマッチしています。
https://www.youtube.com/watch?v=9sa1nzeSX_c

「Um Abraco No Bonfa」
Joao Gilberto作。『Getz/Gilberto Vol. 2』(1966年)にも収録されていた楽曲です。軽快なギター・アンサンブルにJack Marshallの口笛も絡む、実に小気味いい演奏です。

「Twilight In Rio」
Laurindo Almeida作。George Fieldsのハーモニカとフルートがトワイライト気分を盛り上げてくれます。

「The Fiddler's Wolf Whistle」
Fafa Lemos作。ヴァイオリンの軽やかな音色が先導する素敵なボッサ・イージー・リスニングでアルバムは幕を閉じます。
https://www.youtube.com/watch?v=KVvOjziEjYQ

Laurindo Almeidaの他作品もチェックを!

『Viva Bossa Nova/Ol! Bossa Nova!』(1962/1963年) 2in1CD
Viva Bossa Nova + Ol! Bossa Nova!

Laurindo Almeida Feat. Bud Shank 『Brazilliance Vol. 1/Brazilliance Vol. 2』(1962/1963年) 2in1CD
Vol. 1&2 -Brazilliance of

Sammy Davis, Jr. & Laurindo Almeida 『Sammy Davis, Jr. Sings, Laurindo Almeida Plays』(1966年)
Sings & Plays

Stan Getz & Laurindo Almeida『Stan Getz With Guest Artist Laurindo Almeida』(1966年)
STAN GETZ WITH GUEST ARTIST LAURINDO ALMEIDA

『A Man and a Woman 』(1967年)
男と女

『The Look of Love』(1968年)
ザ・ルック・オブ・ラヴ
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2017年07月19日

Brother Jack McDuff & David Newman『Double Barrelled Soul』

格好良すぎるソウル・ジャズ!☆Brother Jack McDuff & David Newman『Double Barrelled Soul』
ダブル・バレルド・ソウル
録音年:1967年
ez的ジャンル:ファンキー・ソウル・ジャズ
気分は... :ヒップな格好良さ!

今回は60年代ソウル・ジャズからオルガン奏者Brother Jack McDuffとサックス奏者David Newmanの共演アルバムBrother Jack McDuff & David Newman『Double Barrelled Soul』(1967年)です。

ファンキーなジャズ・オルガン奏者Brother Jack McDuffの紹介は、『Live!』(1963年)、『Moon Rappin'』(1969年)に続き3回目となります。

本作はMcDuffがAtlantic在籍>時代に、当時Atlanticに欠かせないサックス奏者であったDavid Newmanと共演したアルバムです。

レコーディング・メンバーはBrother Jack McDuff(org)、David Newman(as、ts、fl)、Melvin Sparks(g)、Abe Blasingame(ds)、Danny Turner(sa)、Leo Johnson (ts、fl)。主役の2人以外にMelvin Sparksが参加している点にも注目です。

プロデュースはLew FuttermanJoel Dorn

アルバムのハイライトは何と言っても「Duffin' 'Round」。現行ジャズ・ファンクにも引けを取らない格好良さに一発でKOされるはずです。オープニングの「But It's Alright」にも同様の魅力があります。

それ以外にBobby Hebbのヒット曲「Sunny」のキャッチーなカヴァー、メロウな「Esperanto」、アーシーなブルース「Untitled Blues」もオススメです。

分かりやすい格好良さが魅力のソウル・ジャズ作品だと思います。

全曲紹介しときやす。

「But It's Alright」
J.J. Jackson/Pierre Tubbs作。オープニングはJ.J. Jacksonの人気曲をカヴァー。「Duffin' 'Round」と並ぶ僕のお気に入り!ファンク調のリズム隊をバックに、McDuffのグルーヴィーなオルガン・プレイを存分に堪能できます。こういうオルガン・ソウル・ジャズを聴きたかったんです!そんな絶好調のMcDuffに引っ張られるように、Newmanのサックスも快調です。
https://www.youtube.com/watch?v=dC5FL19rZ-k

「Sunny」
Bobby Hebbの1966年のヒット曲をカヴァー(Bobby Hebb作)。お馴染みのヒット曲を分かりやすいソウル・ジャズで聴かせてくれるのがグッド!涼しげなフルートを従えて、Newmanがソウルフルなサックス・ソロで魅了します。McDuffのアーシーなオルガンもよく馴染みます。
https://www.youtube.com/watch?v=NR0G8-EMux8

「Esperanto」
Jack McDuff/Billy Meshel作。爽快なフルート・アンサンブルと共に始まるメロウな仕上がり。Melvinのギターがさり気ないですが効いています。
https://www.youtube.com/watch?v=vqm3QDOvIEI

「Duffin' 'Round」
David Newman作。本作のハイライトはコレでしょう!ヒップな極上モッド・ジャズです。理屈は要りません。聴けば一発で格好良さがわかるはず!メンバーがノリノリで演奏しているのが伝わってくるもサイコーです。
https://www.youtube.com/watch?v=n8raoSSs3jw

「More Head」
David Newman作。軽やかなファンキー・ジャズ。McDuffのファンキーなオルガン・プレイを楽しめます。ただし、アルバムの中でも少し埋もれているかも?
https://www.youtube.com/watch?v=wUtgJZsepqo

「Untitled Blues」
Jack McDuff/David Newman作。ラストはタイトルの通りアーシーなブルースで締め括ってくれます。全体的に抑えた演奏が逆にいいですね。

Brother Jack McDuffの他作品もチャックを!

『The Honeydripper/Goodnight It's Time to Go』(1961年) ※2in1CD
Goodnight It's Time to Go + the Honeydripper

Sonny Stitt With Jack McDuff『Stitt Meets Brother Jack』(1962年)
Stitt Meets Brother Jack

Jack McDuff & Gene Ammons『Brother Jack Meets The Boss』(1962年)
Brother Jack Meets the Boss

『Live!』(1963年)
Live

『A Change Is Gonna Come』(1966年)
ア・チェンジ・イズ・ゴナ・カム

『Tobacco Road』(1967年)
タバコ・ロード

『Do It Now!』(1967年)
ドゥ・イット・ナウ

『Moon Rappin'』(1969年)
Moon Rappin

『Down Home Style』(1969年)
Down Home Style

『Who Knows What Tomorrow's Gonna Bring』(1971年)
Who Knows What Tomorrow's Gonna Bring
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2017年07月05日

Bobbi Boyle『Bobbi Boyle Sings』

シンプルながらも美しいラウンジ・ジャズ☆Bobbi Boyle『Bobbi Boyle Sings』
シングス
発表年:1969年
ez的ジャンル:ラウンジ・ジャズ
気分は... :質素ながらも美しく・・・

今回は60年代作品からBobbi Boyle『Bobbi Boyle Sings』(1969年)です。

1931年ボストン生まれの女性ピアニスト/シンガーBobbi Boyleの紹介は、『A Day in The Life』(1967年)に続き2回目となります。

サロン・ジャズ×ソフト・ロックな逸品『A Day in The Life』(1967年)で再評価が高まったBobbi Boyleが、『A Day in The Life』の2年後にリリースしたのが本作『Bobbi Boyle Sings』(1969年)です。

サロン・ジャズ、ソフト・ロック、ボサノヴァ的な魅力があった『A Day in The Life』と比較すると、少し地味で大人しい印象のアルバムかもしれません。

しかしながら、Bobbi Boyle(vo、p、vibes)、Jimmy Stewart(g)、Chris Clark(b)、らによるシンプルな編成で聴かせるラウンジ・ジャズには、しみじみと心に響く魅力があります。

質素ながらも、工夫次第で感動的な音世界を生み出すことができることを実感できる1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Something」
オープニングはGeorge Harrison作のBeatles名曲をカヴァー。オリジナルは『Abbey Road』に収録されています。この美しい名曲をBobbiはしみじみと歌い上げるグッド・カヴァーです。

「No Easy Way Down」
Gerry Goffin/Carole King作。Jackie DeShannonDusty SpringfieldBarbra Streisand等もカヴァーしている曲です。アルバムでの一番のお気に入り。心打たれる感動的なバラードを披露してくれます。

「Love, Please Tell Me」
Ric Marlow/Bobbi Boyle作。唯一のオリジナル曲をボッサ仕立てで聴かせてくれます。彼女のソフトリーな魅力を堪能できます。

「You've Made Me So Very Happy」
Brenda Holloway/Berry Gordy作。Brenda Hollowayのヒット曲をカヴァー。Blood, Sweat & Tearsのカヴァー・ヒットでも知られる曲ですね。シンプルながらも、うまくメリハリをつけているのがいいですね。

「Get Together」
Youngbloodsの大ヒットで知られる曲をカヴァー。Quicksilver Messenger Serviceの活動で知られるDino Valenti(Chet Powers)の作品です。ロック・フィーリングを採り入れた躍動感のあるカヴァーでこの名曲の魅力を再認識させてくれます。

Youngbloodsヴァージョンは『The Youngbloods』に収録されています。当ブログではYoungbloods『RIde The Wind』のライブ・ヴァージョン、The Dave Pell SingersWe Fiveのカヴァーも紹介済みです。

「I'll Never Fall In Love Again」
Hal David/Burt Bacharach作。ミュージカル『Promises, Promises』のために書かれた名曲です。当ブログではBirgit LystagerGrant Greenのカヴァーを紹介済みです。派手さはありませんが、小粋なアレンジがいい感じです。

「Windmills Of Your Mind」
Alan Bergman/Marilyn Bergman/Michel Legrand作。Steve McQueen主演の映画『The Thomas Crown Affair(邦題:華麗なる賭け)』(1968年)の主題歌をカヴァー。当ブログではDorothy AshbyPaige Claireのカヴァーを紹介済みです。哀愁バラードを味わい深く歌い上げます。夏というより秋モードの曲ですね。

「Rain Sometimes」
Arthur Hamilton作。Nancy Wilsonヴァージョンで知られる楽曲ですね。ラストは美しいバラードを伸びやかに歌い、締め括ってくれます。

『A Day in The Life』(1967年)もセットでどうぞ!
『A Day in The Life』(1967年)
ア・デイ・イン・ザ・ライフ+2
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2017年06月16日

Lenita Bruno『Work Of Love』

サンバ・カンサォン時代に活躍した女性シンガーのボサノヴァ作品☆Lenita Bruno『Work Of Love』
ワーク・オブ・ラヴ
発表年:1967年
ez的ジャンル:クリスタル・ヴォイス・ボサノヴァ
気分は... :塩バターロール…

今回は60年代ブラジル作品からLenita Bruno『Work Of Love』(1967年)です。

Lenita Bruno(1926-87年)はリオデジャネイロ出身のブラジル人女性シンガー。

60年代のボサノヴァ隆盛につながる50年代サンバ・カンサォンの時代に活躍したシンガーとして知られる人です。

本作『Work Of Love』は彼女がアメリカに渡り、ライブ活動をしていた時代のUS録音作です。

Victor MことVictor Meshkovskyがプロデュースを務め、Clare Fischerがアレンジを手掛けています。

僕の場合、Lenita Brunoについて全く知りませんでしたが、Victor Mプロデュースということで、彼のグループMade In Brasil『Numero Um』(1975年)と一緒にCDを購入した記憶があります。

レコーディングにはLenita Bruno(vo)以下、Laurindo Almeida(g)、Clare Fischer(p、org、harpsichord)、Paulinho da Costa(ds、per)、Bud Shank(fl)、Jose Marinho(b)、Ray Neopolitan(b)、Allen Harshman(strings)、Anatol Kaminsky(strings)、Willy Wanderburg(strings)、Gerald Vinci(strings)等のミュージシャンが参加しています。

基本はボサノヴァ作品ですが、ボサノヴァで多く聴かれる囁きヴォーカルではなく、サンバ・カンサォン的な情感たっぷりの美しく伸びやかなヴォーカルが印象的です。

個人的には「Old Guitaron」以降のアルバム後半5曲が特に気に入っています。

全曲紹介しときやす。

「Sing, Sing More (Canta, Canta Mais)」
Antonio Carlos Jobim/Vinicius De Moraes作。『Por Toda Minha Vida』(1959年)でも歌われて楽曲の再録音。哀愁のメロディを伸びやかな歌い声で歌い上げます。

「Dindi」
Antonio Carlos Jobim/Aloysio de Oliveira作。Laurindo Almeidaの美しいギターとLenitaの美しい歌声の相性が抜群です。Bud Shankのフルートも印象的です。

「Dindi」について、当ブログではFlora PurimPaprika SoulClaudine Longetのカヴァーを紹介済みです。

「Stay My Love (Da-Me)」
Adilson Godoy作。ここで英語で情感たっぷりの歌声を聴かせてくれます。Clare Fischerのハープシコードの使い方がユニークですね。

「Someone To Light Up My Life (Se Todos Fossem Iguais a Voce)」
Antonio Carlos Jobim/Vinicius De Moraes作。ポピュラー・スタンダードのような雰囲気の中、Lenitaが澄み切った歌声を聴かせてくれます。

「Baquianas Brasileiras #5」
Villa Lobos作。美しい旋律を持つ曲ですが、情感たっぷりのスキャットで聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=1ubuWY7808A

「Old Guitaron」
Johnny Mercer/Laurindo Almeida作。Bud Shankのフルートが先導し、作者AlmeidaのギターとClare FischerのピアノがLenitaのヴォーカルに寄り添う、雰囲気のあるジャジー・ボッサに仕上がっています。

「Wave」
Antonio Carlos Jobim作。お馴染みの名曲の魅力をLenitaが美しいクリスタル・ヴォイスで再認識させてくれます。

「Constant Rain (Chove Chuva)」
Jorge Ben作品のカヴァー。アルバムで最も躍動感のあるアレンジは僕の一番のお気に入りでもあります。Clare Fischerのハープシコードがダンサブル・サウンドにアクセントを加えてくれます。

「Constant Rain (Chove Chuva)」に関して、当ブログではSergio Mendes & Brasil'66Gimmicksのカヴァーを紹介済みです。

「Winter Moon」
Laurindo Almeida作。美しいバラードをクリスタル・ヴォイスでしっとりと歌い上げます。琴を思わせる音色がアクセントになっています。

「Dream Of A Carnival (Sonho De Um Carnaval)」
Chico Buarqueの名曲をカヴァー。当ブログではPaulinho Da Violaのカヴァーを紹介済みです。ラストはクイーカとホイッスルが先導するサンバ・チューンで締め括ってくれます。

ご興味がある方はLenita Brunoの他作品もチェックを!

『Por Toda Minha Vida』(1959年)
Por Toda Minha Vida

『Modinhas Fora De Moda』(1959年)
Modinhas Fora De Moda

さらに本作のプロデューサーVictor MのグループMade In Brasilのアルバムもチェックしてみては?

Made In Brasil By Victor M『Numero Um』(1975年)
ファースト・アルバム

Made In Brasil By Victor M『Nosso Segundo Disco』(1976年)
セカンド・アルバム
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