2017年10月17日

Manfredo Fest Trio『Alma Brasileira』

ジャズ・サンバ・トリオの名作☆Manfredo Fest Trio『Alma Brasileira』
アルマ・ブラジレイラ(BOM1904)
発表年:1966年
ez的ジャンル:ジャズ・サンバ系ピアノ・トリオ
気分は... :マリアづくし・・

今回は60年代ジャズ・サンバのピアノ・トリオ作品からManfredo Fest Trio『Alma Brasileira』(1966年)です。

Manfredo Fest Trioは、Manfredo Fest(p)、Mathias Mattos(b)、Heitor Guy(ds)によるジャズ・サンバのピアノ・トリオ。

盲目のピアニストManfredo Festについては、彼がリーダーを務めたSergio Mendes & Brasil '66の弟分グループBossa Rioの作品や70年代のソロ作を紹介済みです。

 Bossa Rio『Bossa Rio』(1970年)
 Bossa Rio『Alegria!』(1970年)
 Manfredo Fest『Brazilian Dorian Dream』(1976年)
 Manfredo Fest『Manifestations』(1979年)

Manfredo Fest Trio名義では、『Manfredo Fest Trio』(1965年)、『Alma Brasileira』(1966年)という2枚のアルバムをリリースしています。

ジャズ・サンバ・トリオの名作の誉れ高いのが2ndとなる本作『Alma Brasileira』(1966年)です。

ジャズ・サンバ・トリオらしい快活さと同時に、どの演奏にもエレガントさを兼ね備えているのがいいですね。Manfredo Festの繊細なタッチにはBill Evansからの影響もあるみたいですね。

こうした特徴を満喫できる「Alma Brasileira」「Amanha」「Sonho de um Carnaval」「Joga a Tristeza no Mar」あたりがオススメです。アフロ・ブラジリアンな「Canto de Ossanha」、ショーロ+クラシックな「Contracanto」あたりも僕の好みです。

ジャズ・サンバ系ピアノ・トリオ好きの方は、ぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Pot-Pourri de Marias」
オープニングは「Maria」 (Ary Barroso/Luiz Peixoto作)、「Manias de Maria」 (Luiz Bonfa/Maria Helena Toledo作)、「Maria Ninguem」 (Carlos Lyra作)、「Eu sem Maria」 (Dorival Caymmi作)、「Sonho de Maria」 (Marcos Valle/Paulo Sergio Valle作)、「Tres Marias」 (Betinho/Nelson Figueiredo作)というMariasソングのメドレー。小気味良くメリハリのあるメドレーでマリアづくしを堪能できます。
https://www.youtube.com/watch?v=3fkmTmtv_D4

上記6曲のうち、「Manias de Maria」については、La Nueva Banda De Santistebanヴァージョン、「Maria Ninguem」については、Paul Winter With Carlos Lyraヴァージョン、「Sonho de Maria」については、Conjunto 3DElis Reginaヴァージョンを当ブログで紹介済みです。

「Contracanto」
Paulinho Nogueira作。ショーロ+クラシックといった趣の哀愁グルーヴ。エレガントなピアノの美しくも切ないフィーリングがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=SRuJ6LB2fJA

「Joga a Tristeza no Mar」
Manfredo Fest/Lili Festo作。躍動するピアノとドラムのリムショットが織り成す、美しいジャズ・サンバ・ワールドに魅了されます。

「Amanha」
Walter Santos/Tereza Souza作。当ブログではLuciana Souzaヴァージョンも紹介しています。緩急つけた快活かつ品のあるジャズ・サンバに仕上がっています。Manfredoの小粋なピアノが実にいいですね。Mathias Mattosもベース・ソロで盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=t6D1K4_Qeeg

「Canto de Ossanha」
Baden Powell/Vinicius De Moraes/作。明暗のコントラストを含むこの曲の持つアフロ・ブラジリアンは雰囲気をピアノ・トリオで見事に表現しています。
https://www.youtube.com/watch?v=eEA1RN4ageU

本曲に関して、当ブログでは作者Baden E ViniciusヴァージョンやTamba 4Quarteto Em CyLill LindforsElis ReginaToots Thielemans & Elis ReginaAgustin Pereyra LucenaRosalia De SouzaChristiane LegrandThe Girls from BahiaWalter WanderleyDorothy Ashbyのカヴァーを紹介済みです。ご興味がある方はご参照下さい。

「Alma Brasileira」
Villa Lobos作。クラシック的な演奏でじっくり聴かせますが、中盤のドラマティックな展開がいいアクセントになっています。

「Definitivamente」
Edu Lobo作。僕の一番のお気に入り。このトリオのセンスの良さを実感できるスリリングかつエレガントなジャズ・サンバに仕上がっています。

「Um Abracinho」
Zezinho Alves作。ジャズ・ピアノ作品としても楽しめる美しい仕上がり。Manfredo Festの繊細なタッチにうっとりします。

「Sonho de um Carnaval」
Chico Buarqueの名曲をカヴァー。当ブログではPaulinho Da ViolaLenita Brunoのカヴァーを紹介済みです。ジャズ・サンバ好きの人であれば魅了されるであろう躍動感とこのトリオならではのエレガントさのバランスが絶妙です。

「Luz Serena」
Mathias Mattos/Newton S. Campos作。ドラムのMathias Mattosの作品ですが、ピアノ・トリオらしい品のある美しい演奏で魅了します。

「Diza」
Johnny Alf作。ラストはエレガントに疾走する素敵なジャズ・サンバで締め括ってくれます。

Manfredo Fest Trioの1stアルバム『Manfredo Fest Trio』(1965年)やManfredo Festの他作品もチェックを!

Manfredo Fest Trio『Manfredo Fest Trio』(1965年)
Manfredo Fest Trio

『Bossa Nova, Nova Bossa』(1963年)
Bossa Nova Nova Bossa

『After Hours』(1972年)
アフター・アワーズ [紙ジャケット仕様]

『Brazilian Dorian Dream』(1976年)
ブラジリアン・ドリアン・ドリーム [紙ジャケット仕様]

『Manifestations』(1979年)
マニフェステイションズ [紙ジャケット仕様]

『Braziliana』(1987年)
Braziliana

『Jungle Cat』(1989年)
Jungle Cat

『Comecar De Novo』(1995年)
Comecar De Novo

『Fascinating Rhythm』(1996年)
Fascinating Rhythm

『Amazonas』(1997年)
Amazonas

『Just Jobim』(1998年)
Just Jobim (Hybr)
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2017年10月06日

Jimmy Smith『The Cat』

ジャズとしては異例の大ヒットを記録したアルバム☆Jimmy Smith『The Cat』
ザ・キャット
録音年:1964年
ez的ジャンル:グルーヴィー・オルガン with ビッグ・バンド
気分は... :Twiggy Twiggy!

今回はジャズ・オルガンの神様Jimmy Smith(1925-2005年)の大ヒット・アルバム『The Cat』(1964年)です。

てっきり当ブログで紹介済みだと思っていたのですが、僕の思い込みでした。

これまで当ブログで紹介したJimmy Smith作品は以下の3枚。

 『Crazy! Baby』(1960年)
 『Midnight Special』(1960年)
 『Back at the Chicken Shack』(1960年)
 『Root Down』(1972年)

Verveからリリースされた本作はJimmy Smith最大のヒット・アルバムであり、全米アルバム・チャート第12位というジャズ・アルバムとしては異例の大ヒットを記録した作品です。

本作の特徴は『Music From Mission: Impossible』(1967年)等で知られるサントラの巨匠Lalo Schifrinが指揮するビッグ・バンドとの共演です。

レコーディングにはJimmy Smith(org)、Lalo Schifrin(arr、conductor)、Kenny Burrell(g)George Duvivier(b)、Grady Tate(ds)、Phil Kraus(per)、Thad Jones(tp)等が参加しています。プロデュースはCreed Taylor

ビッグ・バンドとジャズ・オルガンの組み合わせってフィットするのかな?という感じもしますが、さすがはLalo Schifrinという仕事ぶりで、ビッグ・バンドがSmithのオルガンを引き立てています。

Pizzicato Five「Twiggy Twiggy」のサンプリング・ソースとしてもお馴染みのタイトル曲「The Cat」に本作の魅力が凝縮されています。それ以外にもLalo Schifrinらしい手腕を楽しめる「Theme from Joy House」、個人的には「The Cat」と並ぶハイライト「St. Louis Blues」、ダイナミック&スリリングな「Main Title from The Carpetbaggers」あたりが僕のオススメです。

Jimmy Smith好きの人も、Lalo Schifrin好きの人も楽しめるジャズ・アルバムです。

全曲紹介しときやす。

「Theme from Joy House」
Lalo Schifrin作。Jane Fonda、Alain Delonが主演した映画『Joy House(邦題:危険がいっぱい』(1964年)テーマ曲です。Lalo Schifrinのアレンジ・センスとSmithのハモンドの音色が見事に調和したドラマチックなオープニングです。特に中盤以降のスリリングな展開にグッときます。
https://www.youtube.com/watch?v=hl9OBx0t_Jc

「The Cat」
タイトル曲はJimmy Smithを代表する1曲。この曲も映画『危険がいっぱい』の挿入曲です(Lalo Schifrin/Rick Ward作)。 SmithのオルガンとBurrellのギターの軽やかな掛け合いが心地好いモッド・グルーヴィー・ジャズ。オルガン・ジャズのグルーヴィーな格好良さを存分に楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=PaKLB71QE4k

渋谷系好きの人にとってはPizzicato Five「Twiggy Twiggy」のサンプリング・ソースとしてもお馴染みですね。
Pizzicato Five「Twiggy Twiggy」
 https://www.youtube.com/watch?v=z22nzBVLCto

「Basin Street Blues」
Spencer Williams作。Jimmy Smithらしいブルージーなオルガン・サウンドを楽しめます。ビッグ・バンドならではの盛り上げ方で演奏にメリハリをつけています。
https://www.youtube.com/watch?v=Y_rKRjqhTp0

「Main Title from The Carpetbaggers」
映画『大いなる野望』のテーマ曲をカヴァー(Elmer Bernstein/Ray Colcord作)。サントラの巨匠Lalo Schifrinらしいアレンジ・センスを楽しめます。グルーヴィー・オルガンとパーカッシヴ・リズムにホーン隊が絡むダイナミック&スリリングなサウンドが魅力です。
https://www.youtube.com/watch?v=QNcUnfvFAFI

「Chicago Serenade」
Eddie Harris作品をカヴァー。オリジナルは『Cool Sax Warm Heart』(1964年)に収録されています。Burrellのギターが先導する哀愁モードの演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=1Dbt_e2J0po

「St. Louis Blues」
W.C. Handy作のブルースなジャズ・スタンダードをカヴァー。個人的には「The Cat」と並ぶハイライト。クラブジャズ好きの人であれば気に入るであろうスピーディーな疾走感がたまらないオルガン・グルーヴです。
https://www.youtube.com/watch?v=mgYUzk_16kk

「Delon's Blues」
Jimmy Smithのオリジナル。親交の深いAlain Delonのために書いた曲です。リラックスしたブルージー・オルガン・サウンドにSchifrinが小粋なスパイスを効かせています。
https://www.youtube.com/watch?v=H32yi7r7aoQ

「Blues in the Night」
Harold Arlen/Johnny Mercer作のブルースをカヴァー。ラストもブルージー・オルガン・サウンドです。ダイナミックなビッグ・バンド・サウンドによるメリハリがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=L9c0fjfhN14

Jimmy Smithの過去記事もご参照下さい。

『Crazy! Baby』(1960年)
クレイジー・ベイビー

『Midnight Special』(1960年)
ミッドナイト・スペシャル

『Back at the Chicken Shack』(1960年)
Back at the Chicken Shack

『Root Down』(1972年)
ルート・ダウン
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2017年09月21日

Jonny Teupen『Play Harp』

ハープ奏者による優雅なバロック・ジャズ☆Jonny Teupen『Play Harp』
プレイ・ハープ
発表年:1966年
ez的ジャンル:ドイツ産バロック・ジャズ
気分は... :安室ちゃん引退!

今回はドイツ人ハープ奏者Jonny Teupenによるバロック・ジャズ作品『Play Harp』(1966年)です。

Jonny Teupen(1923-1991年)の作品紹介は、『Love And Harp A La Latin』(1965年)に続き2回目になります。

本作『Play Harp』(1966年)は、ヨーロッパらしいバロック・ジャズ作品として再評価の高い1枚です。クラシックのエレガントさとジャズの小粋なフィーリングがうまく融合しています。

元々クラシック畑であったJonny Teupenらしい

レコーディング・メンバーはJonny Teupen(harp)、Jimmy Woode Jr.(b)、John Fischer(b)、Kenny Clarke(ds)、Stuff Combe(ds)、Sahib Shihab(fl)、Francis Coppieters(harpsichord)、Blanche Birdsong(vo)。

プロデュースはFriedel Berlipp

人気コンピ『Cafe Apres-midi』シリーズにも収録された「Bourree」「Konzert Fur Harfe Und Orchester Op. 4, Nr.6, B-Dur, 1. Satz」などソフトリーでヨーロピアンなバロック・ジャズを楽しむできます。

正直、クラシックは少し苦手な僕ですが、そんな僕でも楽しめるクラシックなジャズ作品です。

全曲紹介しときやす。

「Bourree」
F. J. Zimmermann/Friedel Berlipp作。前述のように人気コンピ『MPS for Cafe Apres-midi』のオープニングを飾った人気曲。Teupenのハープ、Francis Coppietersのハープシコード、Blanche Birdsongの女声スキャットがヨーロピアンなエレガントさを醸し出す至極のバロック・ジャズに仕上がっています。

「Menuett Nr. 1」
Jonny Teupen作。Sahib Shihabのフルートが印象的なバロック・ジャズらしい落ち着いた仕上がり。クラシック出身らしいTeupenの品格のあるハープを楽しめます。

「Fugato」
Paul Kuhn作。クラシックとジャズを見事に融合させた気品に満ちたヨーロピアン・ジャズ。

「Konzert Fur Harfe Und Orchester Op. 4, Nr.6, B-Dur, 3. Satz」
Georg Fr. Handel作。ヘンデル「ハープとオーケストラのための協奏曲変ロ長調 第3楽章」のジャズ・カヴァー。クラシカルな優雅さとジャズらしい軽やかさを見事に両立させています。

「Prelude」
H. Banter作。優雅なオーケストレーションをバックに、Sahib ShihabのフルートとTeupenのハープが軽やかに舞います。

「Minuetto Per Un Arpa」
F. J. Zimmermann/Friedel Berlipp作。聴いているだけで時間や場所を忘れてエレガントな音世界に浸れます。

「Gavotte」
Joh. Seb. Bach作。バッハ作品のジャズ・カヴァー。室内楽的な雰囲気の中でほんのりジャズ・フィーリングを効かせているのがいいですね。

「Barock On Harp」
H. Hotter作。タイトルの通り、バロックなハープを存分に楽しめます。Kenny Clarkeのドラミングだけは思い切りジャズしていますが。

「Barockin' The Blues」
Friedel Berlipp/Jonny Teupen作。タイトルからバロック&ブルースってどんな音だろう?と思いましたが、ウォーキングベースがナビゲートする軽やかでエレガントな仕上がりです。

「Konzert Fur Harfe Und Orchester Op. 4, Nr.6, B-Dur, 1. Satz」
Georg Fr. Handel作。ヘンデル「ハープとオーケストラのための協奏曲変ロ長調 第1楽章」のジャズ・カヴァー。『MPS for Cafe Apres-midi Grand Cru』のオープニングを飾った、「Bourree」と並ぶ人気曲。ヘンデルのクラシック名曲をBlanche Birdsongの女声スキャットを交えつつ、ジャズ・ハープらしいエレガントなヨーロピアン・ジャズに仕上げています。

「Menuett Nr. 2」
Jonny Teupen作。朝の目覚めに聴きたくなる爽やかなバロック・ジャズ。

「Konzert Fur Harfe Und Orchester Op. 4, Nr.6, B-Dur, 2. Satz」
Georg Fr. Handel作。ヘンデル「ハープとオーケストラのための協奏曲変ロ長調 第2楽章」のジャズ・カヴァー。まさにハープとオーケストラのための協奏曲です。

「Etude In C」
Paul Kuhn作。Sahib ShihabのフルートとTeupenのハープの軽やかな掛け合いが心地好いバロック・ジャズ。ジャズ・フィーリングを巧みに融合させています。

「Pavane」
Jonny Teupen作。他の演奏とは少し異なる素朴な味わいにグッときます。

「Intrada」
Hans Willi Bergen作。Blanche Birdsongの女声スキャットに魅了させる小気味よい演奏です。

「Andante」
F. J. Zimmermann/Friedel Berlipp作。ラストは美しいハープの音色を堪能しながらエンディングを迎えます。

Jonny Teupenの他作品もチェックを!

『Love And Harp A La Latin』(1965年)
Love & Harp a La Latin

『Harpadelic』(1969年)
Harpadelic
posted by ez at 00:03| Comment(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月06日

Willie Bobo『Uno Dos Tres 1-2-3』

N.Y.スパニッシュ・ハーレムらしいブーガルー/ラテン・ジャズ☆Willie Bobo『Uno Dos Tres 1-2-3』
Uno Dos Tres & Spanish Grease
発表年:1966年
ez的ジャンル:N.Y.ブーガルー/ラテン・ジャズ
気分は... :W杯最終予選、今晩は少し余裕で!

今回はラテン・パーカッション/ティンバレス奏者Willie Boboが1966年にリリースした『Uno Dos Tres 1-2-3』です。

N.Y.スパニッシュ・ハーレム出身のニューヨリカンWillie Bobo(本名:William Correa)(1934-1983年)の紹介は、『Juicy』(1967年)、『Bobo Motion』(1967年)に続き3回目となります。

厳密には上記ジャケにリンクしているのは、『Spanish Grease』(1965年)との2in1CDです。僕が保有しているのもこの2in1です。『Uno Dos Tres 1-2-3』単品でのCD化はされていないと思います。

本作は以前に紹介した2枚と同様に、Boboがノリに乗っていた60年代後半のVerveでのレコーディングです。プロデュースはCreed Taylor

レコーディング・メンバーはWillie Bobo(timbales)以下、Mel Lastie(cornet)、Bobby Brown(as、ts)、Sonny Henry(g)、Jon Hart(b)、Bobby Rodriguez(b)、Oswald Martinez(bongos、guiro)、Carlos Valdes(congas)、Jose Mangual(per)、Victor Pantoja(per)。

アルバム全体としては、N.Y.スパニッシュ・ハーレムのストリート感覚を楽しめるファンキー&グルーヴィーなブーガルー/ラテン・ジャズに仕上がっています。

アッパーなブーガルー/ラテン・グルーヴでいえば、「One, Two, Three (Uno, Dos, Tres) 」「Boogaloo in Room 802」「Rescue Me」「No Matter What Shape (Your Stomach's In)」「Ol' Man River」「The Breeze and I」あたりがオススメ。

テンポを落とした「Fried Neck Bones and Some Homefries」「Goin' Out of My Head」「I Remember Clifford」も僕好み。

この時期のBoboの勢いのあるサウンドを楽しみましょう!

全曲紹介しときやす。

「Boogaloo in Room 802」
Jon Hart/Melvin Lastie作。軽快で開放的なブーガルーがオープニング。ストリート感覚のラテン・グルーヴを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=uJaJgPlXzLA

「Come a Little Bit Closer」
Tommy Boyce/Wes Farrell/Bobby Hart作。Jay & The Americans、1964年のヒット曲をカヴァー。何の予備知識もなく聴いたとき、Ritchie Valens「La Bamba」のカヴァーだと思いました(笑)。「La Bamba」とマッシュアップしたらジャスト・フィットだと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=mrRejBhRRIQ

「Goin' Out of My Head」
Teddy Randazzo/Bob Weinstein作。 Little Anthony & the Imperials、1964年のR&Bヒットをカヴァー。ゆったりとしたテンポながらも、気の利いたラテン・ジャズは魅力的です。
https://www.youtube.com/watch?v=givmPi-L7qQ

「I Remember Clifford」
天才トランぺッターClifford Brownに捧げられたBenny Golson作品をカヴァー。Donald Byrd/Gigi Gryceヴァージョンが初レコーディングですが、当ブログでも紹介したLee Morganのカヴァーが印象的ですね。ゆったりとしたラテン・リズムで聴く「I Remember Clifford」も悪くありません。
https://www.youtube.com/watch?v=OZe-PzPw3c8

「Rescue Me」
女性R&BシンガーFontella Bass、1965年の大ヒット曲をカヴァー(Raynard Miner/Carl Smith作)。アッパーなストレート感覚が魅力の1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=gBUGNAt4Mvc

「Michelle」
Beatlesの名曲カヴァー(John Lennon/Paul McCartney作)。オリジナルは『Rubber Soul』に収録されています。情熱的なラテン・グルーヴとなった「Michelle」もなかなかの珍味です。
https://www.youtube.com/watch?v=RRc1YifQXA4

「No Matter What Shape (Your Stomach's In)」
USロック・バンドThe T-Bones 、1965年のシングルをカヴァー(Granville Burland作)。 スリリングに疾走するラテン・グルーヴです。
https://www.youtube.com/watch?v=_49ujR0etow

「Fried Neck Bones and Some Homefries」
Willie Bobo/Melvin Lastie作。今日的にはタイトル曲と並ぶハイライトかもしれませんね。抑えたトーンが格好良いビターなラテン・グルーヴです。
https://www.youtube.com/watch?v=VjLRkdVihJw

当ブログで紹介したCoke Escovedoヴァージョンをはじめ、Santana、Giants、Yeska等がカヴァーしています。また、Styles of Beyond「Survival Tactics」、Delinquent Habits feat. Michelle「Boulevard Star」のサンプリング・ソースとなっています。
Santana「Fried Neckbones」
 https://www.youtube.com/watch?v=dke84YMCFs0
Coke Escovedo「Fried Neckbones」
 https://www.youtube.com/watch?v=7NBksJWXfi0
Giants「Fried Neck Bones and Some Home Fries」
 https://www.youtube.com/watch?v=N5siaDUhHaU
Yeska「Fried Neck Bones and Some Home Fries」
 https://www.youtube.com/watch?v=xRfcdSoEd4A
Styles of Beyond「Survival Tactics」
 https://www.youtube.com/watch?v=coF-KsSb4iU
Delinquent Habits feat. Michelle「Boulevard Star」
 https://www.youtube.com/watch?v=9r5d8yCiVCY

「Ol' Man River」
Oscar Hammerstein II/Jerome Kern作のスタンダードをカヴァー。ラテン・ジャズ〜ブーガルーでいえば、当ブログで紹介したJimmy Castorによるカヴァーもあります。スピード感という点ではアルバム随一のの仕上がり。Boboのティンバレスも存分に楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=3lk89RQpWis

「One, Two, Three (Uno, Dos, Tres) 」
タイトル曲はブルーアイド・ソウル・シンガーLen Barry、1965年の大ヒット曲「1 - 2 - 3」をカヴァー(John Medora/David White/Len Barry作)。この曲自体、The Supremes「Ask Any Girl」(Holland-Dozier-Holland作)のリワークという位置づけです。N.Y.ブーガルーの魅力を存分に伝えてくれる本作のハイライトなのでは?演奏全体にストリートな男の色気があるのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=kCnHikW6BNQ

「Night Song」
1964年のミュージカル『Golden Boy』の挿入歌をカヴァー(Lee Adams/Charles Strouse作)。エレガントな古き良きラテン・ムードが漂います。
https://www.youtube.com/watch?v=hRKOphUBKTw

「The Breeze and I」
キューバ人コンポーザーErnesto Lecuona作、Al Stillmanが英詞をつけたスタンダードをカヴァー。「Ol' Man River」と並ぶスピード感でスタンダードをスリリングも聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=bPOlsRFq3HA

Willie Boboの他作品もチェックを!

『Bobo's Beat』(1963年)
ボボズ・ビート

『Bobo! Do That Thing/Guajira』(1963年)
Do That Thing

『Let's Go Bobo!』(1964年)
レッツ・ゴー・ボボ

『Bobo Motion』(1967年)
Bobo Motion (Dig)

『Juicy』(1967年)
Juicy

『A New Dimension』(1968年)
New Dimension (Special Packaging)

Willie Bobo & The Bo-Gents『Do What You Want To Do, Tomorrow Is Here』(1971年)
Do What You Want to Do

『Tomorrow Is Here』(1977年)
トゥモロー・イズ・ヒア

『Bobo』(1979年)
ボボ【完全生産限定盤】
posted by ez at 00:09| Comment(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月23日

Maysa『Barquinho』

早熟の女性シンガーによるボサノヴァ作品☆Maysa『Barquinho』
ボサノヴァの小舟(期間生産限定盤)
発表年:1961年
ez的ジャンル:魔性の女系ボサノヴァ
気分は... :波乱万丈・・・

今回は60年代ボサノヴァ作品からMaysa『Barquinho(邦題:ボサノヴァの小舟)』(1961年)です。

Maysa(本名:Maysa Matarazzo)(1936-1977年)はサンパウロ出身の女性シンガー。

1956年にデビュー。早熟のオトナな歌声で"サンバ・カンサフォンの女王"と称賛され、ブラジルで全国的の人気を誇ると同時に、酒や恋愛をめぐるトラブルも多い波乱万丈な女性シンガーだったようです。1977年に自動車事故で死去。

本作『Barquinho』は、詩人のRonaldo Boscoliと組み作ったボサノヴァ作品です。ボサノヴァをブラジル全土に広めたヒット作となりましたが、当時Boscoliの婚約者であったNara Leaoから恋人を奪うという略奪愛のオマケ付きになってしまいました。ただし、略奪愛は長くは続きませんでしたが・・・

レコーディングにはLuiz Eca(p)、Bebeto(b)、Helcio Milito(ds)というグループ結成直前のTamba TrioのメンバーやRoberto Menescal(g)等も参加しています。Luiz Ecaはオーケストレーションも手掛けています。

12曲中7曲をRonaldo Boscoliが作詞しています。そのうち4曲がRoberto Menescal、2曲がLuiz Ecaの作曲です。

オーケストレーションを伴うノスタルジックな雰囲気の演奏も多く、そのあたりで好き/嫌いが分かれるかもしれません。ただし、そういったサウンド以上に、Maysaの妖艶ヴォーカルの魅力をメインに聴くべきアルバムだと思いますので、あまり気にせず聴きましょう(笑)

波乱万丈の人生を送った早熟の女性シンガーならではのボサノヴァを楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「Barquinho」
Roberto Menescal/Ronaldo Boscoli作の名曲「小舟」がオープニング。Maysaが艶やかなヴォーカルでボサノヴァ名曲を歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=lZ7xA-EGhXU

本曲について、当ブログではElis Regina『Elis, Como e Porque(Como & Porque)』『Elis Regina in London』『Aquarela Do Brasil』収録の3ヴァージョンやO QuartetoStacey KentTamba TrioHerbie Mann & Tamiko Jonesのカヴァーを紹介済みです。

「Voce E Eu」
Carlos Lyra/Vinicius De Moraes作の名曲カヴァー。涼しげなフルートに先導され、Maysaが早熟なオトナの妖艶ヴォーカルを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=q3vgtMmgmWQ

本曲について、当ブログではNara LeaoRoberto MenescalPaul Winter With Carlos LyraAdam DunningJoyceChristiane LegrandJon Hendricksのヴァージョンを紹介済みです。

「Dois Meninos」
Roberto Menescal/Ronaldo Boscoli作。ピアノとオーケストレーションをバックに、しっとりと歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=xiK0ktNWcPY

「Recado A Solidao」
Francisco Feitosa作。個人的にはアルバムで一番のお気に入り。小粋なアレンジと艶やかなMaysaのヴォーカルがフィットした軽快なボッサ・チューンです。
https://www.youtube.com/watch?v=PmTT-lSsohk

「Depois Do Amor」
Normando/Ronaldo Boscoli作。オーケストレーションをバックに、吐息交じりのMaysaのヴォーカルが切なく響きます。
https://www.youtube.com/watch?v=GAtKQMXhfPw

「So Voce (Mais Nada)」
Paulo Saudade作。郷愁感たっぷりの仕上がり。Maysaのクールな低音ヴォーカルが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=mXDTq8xuLN8

「Maysa」
Luiz Eca/Ronaldo Boscoli作。雄大なオーケストレーションをバックに、雰囲気たっぷりの哀愁ヴォーカルを聴かせてくれます。

「Errinho A Toa」
Roberto Menescal/Ronaldo Boscoli作。当ブログではWalter Wanderleyのカヴァーも紹介済みです。「Recado A Solidao」と並ぶ僕のお気に入り。軽快なボッサ・グルーヴが艶やかなMaysaのヴォーカルを引き立てます。
https://www.youtube.com/watch?v=5lM3F9xCmVo

「Lagrima Primeira」
Roberto Menescal/Ronaldo Boscoli作。情感たっぷりの哀愁ヴォーカルで歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=6xiFkTN0JIY

「Eu E O Meu Coracao」
Inaldo Villarin作。クラリネットの音色が印象的なジャズ・フィーリングのボッサ・グルーヴ。
https://www.youtube.com/watch?v=YRWj5dR-cAY

「Cala Meu Amor」
Antonio Carlos Jobim/Vinicius De Moraes作。しっとりとした雰囲気の中で、早熟のシンガーMaysaの魅力を存分に堪能できます。
https://www.youtube.com/watch?v=RjkQ5cTaaKQ

「Melancolia」
Luiz Eca/Ronaldo Boscoli作。ラストは素敵なオーケストレーションをバックに、ロマンティックな雰囲気で締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=92JM0ujTlaQ

Maysaの他作品もチェックを!

『Maysa』(1957年)
マイーザの世界へようこそ (BOM1112)

『Convite Para Ouvir Maysa No.2』(1958年)
マイーザの世界へようこそ No.2 (BOM1113)

『Maysa E Maysa... E Maysa, E Maysa!』(1959年)
Maysa E Maysa

『Maysa Canta Sucessos』(1960年)
Canta Sucessos

『Voltei』(1960年)
Voltei

『Songs Before Dawn』(1961年)
MAYSA SINGS SONGS BEFORE DAWN

『Maysa, Amor... E Maysa』(1961年)
Maysa Amor E Maysa

『Maysa』(1964年)
Maysa: Serie Elenco

『Maysa』(1966年)
Maysa

『Canecao Apresenta Maysa』(1969年)
Canecao Apresenta Maysa
posted by ez at 03:25| Comment(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする