2019年03月20日

The Alan Copeland Conspiracy『A Bubble Called You』

キラー・チューン「Frenesi」収録☆The Alan Copeland Conspiracy『A Bubble Called You』
ア・バブル・コールド・ユー
発表年:1969年
ez的ジャンル:名アレンジャー系ソフト・ロック
気分は... :ポップな気分で!

今回は人気ソフト・ロック作品からThe Alan Copeland Conspiracy『A Bubble Called You』(1967年)です。

名アレンジャーAlan Copelandの紹介は、The Alan Copeland Singers名義の『If Love Comes With It』(1969年)に続き2回目となります。

『If Love Comes With It』(1969年)と並び再評価の高いソフト・ロック人気作ですね。1回聴けば、ソフト・ロック名盤であることが即時にわかる素晴らしい1枚です。

プロデュースはBob Thiele

まずは本作の再評価を高めたキラー・チューン「Frenesi」ですね。究極のソフト・ロック!と呼びたくなるこの1曲だけでも本作を購入する価値があると思います。

ただし、「Frenesi」のみではないのが本作が名盤たる所以。グルーヴィーな「At My Front Door」、Associationの名曲カヴァー「Windy」The Beach Boysライクな「Don't Sleep In The Subway」、ドリーミーな「A Bubble Called You」、エヴァーグリーンな魅力がある「Bowling Green」Roger Nichols & The Small Circle Of Friends好きも気に入るであろう「Only In The Movies」、ソフト・ロックらしい魅力に溢れた「Don't You Care」など魅惑のソフト・ロックがズラリと並びます。

ソフト・ロック好きには間違いのない1枚です。

全曲紹介しときやす。

「At My Front Door」
The El Dorados、1955年のヒット曲をカヴァー。グルーヴィー・ロック×ソフト・ロックなオープニング。スウィン・ロンドンがお好きな人は気に入るのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=2JTDNrYp7wY

「Ode To Billie Joe」
女性カントリー・シンガーBobbie Gentry、1967年の大ヒット曲をカヴァー。少しミステリアスでオトナなコーラス・アレンジがグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=XkpcHu4Dt-s

当ブログでは本曲に関して、Lou DonaldsonNicola ConteEllen McIlwaineThe Buddy Rich Big Bandのカヴァーも紹介済みです。

「Windy」
Association、1967年の全米No.1ヒットをカヴァー。オリジナルのグッド・ヴァイヴを受け継ぎつつ、男女コーラスならではのエレガントな魅力を加味しています。
https://www.youtube.com/watch?v=r-7TKXStwZc

当ブログではWes MontgomeryAstrud Gilbertoのカヴァーも紹介済みです。

「Don't Sleep In The Subway」
Petula Clark、1967年のヒット曲をカヴァー(Jackie Trent/Tony Hatch作)。The Beach Boysライクなコーラスワークで楽しませてくれるソフト・ロックらしい1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=afEtXvT_OEM

「The Warmth Of The Sun」
The Beach Boysの名バラードをカヴァー。オリジナルは『Shut Down Volume 2』(1964年)に収録されています。美しくも切ないムードがたまらない1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=NW8DZRRSk2w

「Can't Take My Eyes Off You」
Boys Town Gangのお馴染みの人気曲「君の瞳に恋してる」をカヴァー。オリジナルはFrankie Valli、1967年の大ヒット・シングル。Boys Town Gangヴァージョンがお好きな人ならば本ヴァージョンも気に入るのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=R7ymtTmNH_8

「A Bubble Called You」
タイトル曲はCopelandとThe Love GenerationのTom Bahlerによるオリジナル。ソフト・ロックらしい魅力に溢れたドリーミー・ポップに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=irwoTJoey6w

「Frenesi」
Artie Shaw & His Orchestra、1940年の世界的ヒットで知られるラテン・スタンダードをカヴァー(Alberto Dominguez作)。前述のように本作のキラー・チューン。爽快コーラスでキュートに疾走します。聴いているだけでハッピーになる究極のソフト・ロック!
https://www.youtube.com/watch?v=dCwrvxulx1A

「Bowling Green」
The Everly Brothers、1967年のヒット曲をカヴァー。エヴァーグリーンな魅力がある爽快ソフト・ロック。爽やかなドリーミー感がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=CWhV8HlGSu0

「Only In The Movies」
Alan & Marilyn Bergman/Larry Marks作。オルガンの効いたシャッフル・グルーヴ。Roger Nichols & The Small Circle Of Friends好きの人であれば気に入るはず!
https://www.youtube.com/watch?v=H_pkD-VKwXw

「Here, There And Everywhere」
Beatlesの名曲カヴァー(John Lennon/Paul McCartney作)。この名曲を素敵なコーラス・ワークのソフト・ロックへ変貌させる手腕はさすがです。
https://www.youtube.com/watch?v=CBWHl5s3qlI

「Don't You Care」
The Buckinghams 、1967年のヒット曲をカヴァー。個人的には「Frenesi」に次ぐお気に入り。ポップに弾けるドリーミーな躍動感がサイコーです。
https://www.youtube.com/watch?v=NW8DZRRSk2w

未聴の方はThe Alan Copeland Singers『If Love Comes With It』(1969年)もチェックを!

The Alan Copeland Singers『If Love Comes With It』(1969年)
イフ・ラヴ・カムズ・ウィズ・イット
posted by ez at 00:59| Comment(2) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月05日

Jimmy Smith『I'm Movin' On』

Grant Greenらとのトリオ編成。ブルージーな1枚☆Jimmy Smith『I'm Movin' On』
I'm Movin on
録音年:1963年
ez的ジャンル:ブルージー・オルガン・トリオ
気分は... :余計なものを削ぎ落しす!

今回はジャズ・オルガンの神様Jimmy Smith『I'm Movin' On』(1963年)です。

これまで当ブログで紹介したJimmy Smith作品は以下の5枚。

 『Crazy! Baby』(1960年)
 『Midnight Special』(1960年)
 『Back at the Chicken Shack』(1960年)
 『The Cat』(1964年)
 『Root Down』(1972年)

1963年にレコーディングされた本作『I'm Movin' On』は、1967年にBlue Noteからリリースされました。

レコーディング・メンバーはJimmy Smith(org)、Grant Green(g)、Donald Bailey(ds)というトリオ編成。

正直、派手さのないブルージーな味わいの演奏が続くアルバムですが、その渋さが魅力かもしれません。

目立つのはグルーヴィーな「Back Talk」や軽やかなタイトル曲「I'm Movin' On」ですが、「Hotel Happiness」「Cherry」「T'ain't No Use」といったブルージーな演奏にもグッときます。

何枚かJimmy Smith作品を聴いた後に、聴いた方がフィットする作品かもしれませんが、ブルージーなオルガン・ジャズを試したい方はチェックを!

全曲紹介しときやす。

「I'm Movin' On」
Hank Snow作。Hank Snow、1950年のカントリー・ヒットをカヴァー。SmithのオルガンとGreenのギターが織り成す軽やかなグルーヴが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=5ZY0GeAbico

「Hotel Happiness」
Earl Shuman/Leon Carr作。Brook Bentonのカヴァー。抑えたトーンでテンポを落とした演奏が芳醇で深いブルージー感を生み出しています。
https://www.youtube.com/watch?v=-0wCDRKMbqA

「Cherry」
Ray Gilbert/Don Redman作。余分なものを削ぎ落したSmithの引き算的なオルガンを存分に楽しめます。ここでのGreenのギターはSmithのブルージー・オルガンの引き立て役に徹しています。
https://www.youtube.com/watch?v=-sOJbBWp1PI

「T'ain't No Use」
Burton Lane/Herbert Magidson作。ブルース・フィーリングに溢れたディープなオルガン・プレイを満喫できます。バーボンでも飲みながら聴きたい音です!
https://www.youtube.com/watch?v=mqWB_06HmRc

「Back Talk」
Jimmy Smith作。Smithらしいソウルフル&グルーヴィーなオルガンが心地好い演奏です。そんなSmithのプレイに呼応するようにGreenもソウル・フィーリングのソロを披露してくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=DpeEWOYzVUc

「What Kind of Fool Am I?」
Leslie Bricusse/Anthony Newley作。ミュージカル『Stop The World - I Want To Get Off』(1962年)のために書かれた楽曲をカヴァー。本編ラストは味わい深いオルガン・ソロで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=3Fg51CeO9zI

僕の保有するCDには以下の2曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。

「Organic Greenery」
Jimmy Smith作。。SmithのオルガンとGreenのギターだからこそ生まれるブルース・フィーリングがたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=I7pTgwR4FsM

「Day In, Day Out」
Rube Bloom/Johnny Mercer作のスタンダードをカヴァー。本作らしい余計なものを削ぎ落した演奏です。さり気ないGreenのメロウ・ギターと勿体ぶったようなビブラートのかかったSmithのオルガンのコントラストが面白いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=XWQHpMpQsh4

Jimmy Smithの過去記事もご参照下さい。

『Crazy! Baby』(1960年)
クレイジー・ベイビー

『Midnight Special』(1960年)
ミッドナイト・スペシャル

『Back at the Chicken Shack』(1960年)
Back at the Chicken Shack

『The Cat』(1964年)
ザ・キャット

『Root Down』(1972年)
ルート・ダウン
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2019年02月22日

Willie Bobo『Bobo's Beat』

記念すべき初リーダー作☆Willie Bobo『Bobo's Beat』
ボボズ・ビート
発表年:1963年
ez的ジャンル:N.Y.ラテン・ジャズ
気分は... :ラテンで活性化・・・

月曜から嵐の1週間を覚悟していましたが、昨日はさまざまな出来事が集中し、心身共に疲労困憊・・・こんなときはラテンな音で活性化しよう!

今回はラテン・パーカッション/ティンバレス奏者Willie Boboの初リーダー作『Bobo's Beat』(1963年)です。

N.Y.スパニッシュ・ハーレム出身のニューヨリカンWillie Bobo(本名:William Correa)(1934-1983年)に関して、当ブログでこれまで紹介したのは以下の3枚。

 『Uno Dos Tres 1-2-3』(1966年)
 『Juicy』(1967年)
 『Bobo Motion』(1967年)
 『Bobo』(1979年)

Mongo Santamariaと共に、Tito Puente楽団、Cal Tjaderのクインテットで活躍し、その後Herbie Mannの楽団で活動していたWillie Boboが、同楽団脱退後にレコーディングした初リーダー作が本作『Bobo's Beat』(1963年)です。

レコーディングにはWillie Bobo(vo、per、timbales)、Clark Terry(tp)、Joe Farrell(ts)、Frank Anderson(org、p)等のミュージシャンが参加しています。

プロデュースはTeddy Reig

N.Y.ラテンを代表するラテン・パーカッション/ティンバレス奏者Willie Boboですが、本作ではブラジリアン・ジャズ/ボッサ・ジャズへのアプローチが目立ちます。

ただし、ブラジリアン・ジャズ/ボッサ・ジャズにニューヨリカンならではのラテン・テイストを巧みに融合させているのが本作の魅力です。

今聴いても実に新鮮なブラジリアン・グルーヴ/ラテン・グルーヴだと思います。

全曲紹介しときやす。

「Bon Sueno」
Frank Colon作。ビッグ・バンド風の華やかなラテン・ジャズがオープニング。軽快なラテン・ビートにのって、Joe Farrellが鮮やかなソロを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=C_oe6BhbOgA

「Naked City Theme」
Billy May作。ラテンならではのムーディー・サウンドを楽しめます。哀愁を帯びたオルガンの響きがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=z2yITQU_ox4

「Felicidade」
Antonio Carlos Jobim/Vinicius de Moraes作。ボサノヴァ名曲をラテン×アフロ・ブラジリアンな感じで聴かせてくれるのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=ApB9PLAh6sE

本曲に関して、当ブログではRamsey Lewis TrioKenny DrewMilton NascimentoSirius BClaude Ciari, Bernard Gerard And The Batucada's SevenDiana PantonTania Mariaのカヴァーも紹介済みです。

「Bossa Nova in Blue」
Frank Anderson作。ボサノヴァ・オルガン奏者Walter Wanderley好きの人は思わずニンマリしそうなオルガン・ボッサ・ジャズです。
https://www.youtube.com/watch?v=PPpZo7sDQ9M

「Boroquinho」
Roberto Menescal/Christopher Boscole作。Menescalのボサノヴァ名曲「小舟」をカヴァー。ビッグ・バンド風の華やかなホーン・アンサンブルとボッサ・ビートの組み合わせが絶妙なボッサ・ジャズ。
https://www.youtube.com/watch?v=vApuSbV6O5k

本曲について、当ブログではElis Regina『Elis, Como e Porque(Como & Porque)』『Elis Regina in London』『Aquarela Do Brasil』収録の3ヴァージョンやO QuartetoStacey KentTamba TrioHerbie Mann & Tamiko JonesMaysaのカヴァーを紹介済みです。

「Crisis」
Freddie Hubbard作品のカヴァー。Hubbard自身のヴァージョンは『Ready For Freddie』(1962年)に収録されています。Art Blakey & The Jazz Messengers『Mosaic』(1962年)でもお馴染みですね。ニューヨリカンならではのブラジリアン・ジャズといった雰囲気がいいですね。お見事です!
https://www.youtube.com/watch?v=CGes7YxG9fA

「Mi Fas y Recordar」
Bill Salter作。軽やかな疾走するボッサ・ビートと華やかなラテンのエッセンスを見事に融合させています。メリハリの効いたホーン・アンサンブルもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=vDJ5YOJRCKM

「Capers」
Tom McIntosh作。華やかなホーン・アンサンブルとWillie Boboならではのニューヨリカンなボッサ・ビートの組み合わせがグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=9LzOY1--S2U

「Let Your Hair Down Blues」
Frank Anderson作。じらせていたようにラストはラテン・ビート全開で締め括ってくれます。ブルージーなオルガンも実にクール!
https://www.youtube.com/watch?v=hoSvWhcYsh8

Willie Boboの他作品もチェックを!

『Bobo! Do That Thing/Guajira』(1963年)
Do That Thing

『Let's Go Bobo!』(1964年)
レッツ・ゴー・ボボ

『Uno Dos Tres 1-2-3』(1966年)
Uno Dos Tres & Spanish Grease

『Bobo Motion』(1967年)
Bobo Motion (Dig)

『Juicy』(1967年)
Juicy

『A New Dimension』(1968年)
New Dimension (Special Packaging)

Willie Bobo & The Bo-Gents『Do What You Want To Do, Tomorrow Is Here』(1971年)
Do What You Want to Do

『Tomorrow Is Here』(1977年)
トゥモロー・イズ・ヒア

『Hell of an Act to Follow/Bobo』(1978/1979年) ※2in1CD
HELL OF AN ACT TO FOLLOW / BOB

『Bobo』(1979年)
ボボ【完全生産限定盤】
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2019年02月12日

Donald Byrd『A New Perspective』

ヴォイス×バンド、新たな視点を示した名作☆Donald Byrd『A New Perspective』
ア・ニュー・パースペクティヴ
録音年:1963年
ez的ジャンル:コーラス×ジャズ・コンボ
気分は... :グラミー見ましたが・・・

昨日はグラミー賞でしたね。
毎年興味ないと言いつつ、見てしまうグラミー。
今年はチャンネルは合わせつつも、思わず見入ってしまうシーンは少なかったですね。

今年は女性のためのグラミーという主催者側の意図が見え見えでしたね。
Alicia Keysの司会ぶりは見事でしたが・・・

あとはグラミーという場に、全てを詰め込むののはそろそろ限界に達している印象を受けました。個人的には受賞式とトリビュートは分けた方がスッキリする気がします。

今回はジャズ・トランペット奏者Donald Byrdの意欲作『A New Perspective』(1963年)です。

ジャズ・トランペット奏者Donald Byrd(1932-2013)ついて、これまで当ブログで紹介した作品は以下の6枚。

 『Mustang』(1966年)
 『Electric Byrd』(1970年)
 『Black Byrd』(1972年)
 『Street Lady』(1973年)
 『Stepping Into Tomorrow』(1974年)
 『Places and Spaces』(1975年)

本作『A New Perspective』(1963年)は、ジャケにBand & Voicesと明示されているように、8人編成の男女コーラスを配し、新たなアプローチに取り組んだ意欲作です(Blue Noteからのリリース)。

レコーディング・メンバーはDonald Byrd(tp)以下、Hank Mobley(ts)、Herbie Hancock(p)、Kenny Burrell(g)、Donald Best(vibe、vo)、Butch Warren(b)、Lex Humphries(ds)。

さらにColeridge-Taylor Perkinsonがディレクションを務める男性4名、女性4名のコーラス隊が参加しています。

また、アレンジャーとしてDuke Pearsonが起用され、楽曲提供も含めて本作に貢献しています。

L.A.ジャズ・シーンを牽引するサックス奏者Kamasi Washingtonの諸作では、クワイアを配したスケールの大きなスピリチュアル・ジャズを聴くことができます。

こうしたKamasiのアプローチの源流にあるジャズ・アルバムが本作『A New Perspective』(1963年)なのでは?

キング牧師の葬儀でも流れたことで知られる名曲「Cristo Redentor」をはじめ、コーラス隊とジャズ・コンボが融合した崇高な音世界は、従来のジャズという枠組みを超えた"新たな視点(A New Perspective)"を提示しています。

ハイライトとなる「Cristo Redentor」の印象からジャズとゴスペルの融合という形容されることも多いですが、「Cristo Redentor」以外はジャズ・コーラス×ジャズ・コンボのケミストリーを狙った演奏という印象を受けます。その意味では必要以上にジャズ×ゴスペルを強調しすぎるとミス・リードしてしまう気も・・・まぁ、その崇高な音世界はジャズという器では小さすぎる印象を受けるのは確かです。

個人的に本作に惹かれるのは、ヴォイス&バンドを駆使し、アフロ・アメリカンのアイデンティティを探求するような姿勢にあるのかもしれません。

Reid Milesによるジャケは、彼が手掛けた数あるBlue Note作品のジャケの中でも特に秀逸なのでは?

Childish Gambino「This Is America」のようなアメリカ社会に警鐘を鳴らす楽曲がグラミーの主要部門2冠を取るような今の時代だからこそ、本作『A New Perspective』を聴き直す価値があるのでは?

時代が一回りして、再び本作を聴くべきときが巡ってきた・・・

全曲紹介しときやす。

「Elijah」
Donald Byrd作。本作らしいコーラス隊とクールに疾走するセプテットの演奏が印象的なオープニング。演奏全体を牽引する若きHerbie Hancockのピアノがいい感じです。ソロの中ではMobleyの快調ぶりが光ります。
https://www.youtube.com/watch?v=V4iBZ-CA8Aw

「Beast of Burden」
Donald Byrd作。雰囲気のあるコーラス隊に呼応するブルージーな演奏が印象的です。全体的に抑えたトーンがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=J14zWJhgtkk

「Cristo Redentor」
Duke Pearson作。前述のようにキング牧師の葬儀でも流れたことで知られる本作のハイライト。ゴスペル・ジャズという呼称が相応しい崇高な演奏です。厳かなコーラスとByrdのトランペットをはじめとする鎮魂モードの寂しげなサウンドが胸の奥に刻まれます。
https://www.youtube.com/watch?v=Y5ujEFsaInk

Pearson自身のヴァージョンは『How Insensitive』(1969年)に収録されています。また、当ブログではJohnny LytleBobby Bryantのカヴァーを紹介済みです。それ以外にCharlie Musselwhite、Harvey Mandel、Ferrante & Teicher、David Sanbornもカヴァーしています。

定番サンプリング・ソースとしても人気です。N-Tyce feat. Method Man「Hush Hush Tip」、Shyheim「One's 4 Da Money」、Supreme NTM「Pass Pass Le Oinj」、Baby Fox「Za Za (Get Ready)」、Diam's「Daddy」 、Royce Da 5'9'' feat. Slaughterhouse & Melanie Rutherford「The Warriors」、S.Mos, Busta Rhymes & Donald Byrd「Christo Redentor」、Fixpen Sill「Train De Vie」、Big Baby Gandhi「Gandhi Mandhi Mandhi」、Smoke DZA「Best Seller」、Action Bronson「Hookers at the Point」、Goodie Mob「Father Time」、HD Been Dope「Closure」、ScHoolboy Q「Lord Have Mercy」等のサンプリング・ソースになっています。

Duke Pearson「Cristo Redentor」
 https://www.youtube.com/watch?v=U6xWfqY7Ez8
Johnny Lytle「Cristo Redentor」
 https://www.youtube.com/watch?v=fNd22BD-INE
N-Tyce feat. Method Man「Hush Hush Tip」
 https://www.youtube.com/watch?v=L--5uMkfUNc
Shyheim「One's 4 Da Money」
 https://www.youtube.com/watch?v=d_DG1zR6UWQ
Baby Fox「Za Za (Get Ready)」
 https://www.youtube.com/watch?v=kgO-R31gUfA
Royce Da 5'9'' feat. Slaughterhouse & Melanie Rutherford「The Warriors」
 https://www.youtube.com/watch?v=sLRaHFTbp4o
S.Mos, Busta Rhymes & Donald Byrd「Christo Redentor」
 https://www.youtube.com/watch?v=MRc8NHNJpZc
Fixpen Sill「Train De Vie」
 https://www.youtube.com/watch?v=tlxfZZw2kWY
Big Baby Gandhi「Gandhi Mandhi Mandhi」
 https://www.youtube.com/watch?v=GlOeIKTZdVw
Smoke DZA「Best Seller」
 https://www.youtube.com/watch?v=gryWMvpaxFU
Goodie Mob「Father Time」
 https://www.youtube.com/watch?v=3hiH3ujx9Co
HD Been Dope「Closure」
 https://www.youtube.com/watch?v=z0YFrOS8e1Q

「The Black Disciple」
Donald Byrd作。コーラス隊とセプテットが織り成す深淵かつスケールの大きなブラック・ミュージックは、Kamasi Washingtonの諸作に通ずるものがあるのでは?今聴いても実に新鮮に聴くことができます。
https://www.youtube.com/watch?v=1vn476KWrzU

「Chant」
Duke Pearson作。ラストはタイトルからも想像できるように、チャントとセクステットの見事な調和を楽しめます。このあたりはDuke Pearsonのセンスの良さでしょうね。
https://www.youtube.com/watch?v=YctBC3Y6w_Y

Donald Byrd作品の過去記事もご参照下さい。

『Mustang』(1966年)
ムスタング+2(紙)

『Electric Byrd』(1970年)
Electric Byrd

『Black Byrd』(1972年)
Black Byrd

『Street Lady』(1973年)
Street Lady

『Stepping Into Tomorrow』(1974年)
ステッピン・イントゥ・トゥモロー (完全期間限定盤)

『Places and Spaces』(1975年)
Places and Spaces
posted by ez at 02:40| Comment(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年02月02日

The Girls From Bahia『Revolucion Con Brasilia!』

新ラインナップによるアメリカ進出第2弾☆The Girls From Bahia『Revolucion Con Brasilia!』
天使のクァルテット <BRASIL SUPERSTAR 1200>
発表年:1968年
ez的ジャンル:ブラジル女性コーラス・グループの最高峰
気分は... :天使のクァルテット!

今回はブラジル女性コーラス・グループの最高峰Quarteto Em CyThe Girls from Bahia名義でリリースしたアルバム『Revolucion con Brasilia!』(1968年)です。

これまで当ブログで紹介したQuarteto Em Cy作品は以下の3枚。

 『Quarteto Em Cy』(1966年)
 The Girls from Bahia『Pardon My English』(1967年)
 『Em Cy Maior』(1968年)
 『Quarteto Em Cy』(1972年)

The Girls from Bahiaはアメリカ進出を意識したグループ名であり、この名義で『Pardon My English』(1967年)、本作『Revolucion con Brasilia!』(1968年)といったアルバムをリリースしています。

本作におけるメンバーはCyvaCybeleCynaraというDe Sa Leite姉妹とCyregina(Regina Werneck)の4名。De Sa Leite姉妹の末妹Cyleneが結婚により脱退したため、Cyreginaが新メンバーとして加わっています。

The Girls from Bahia名義の『Pardon My English』(1967年)では、USマーケットを意識した英語歌詞の楽曲が目立ちましたが、本作ではポルトガル語で歌われる楽曲が中心です。また、過去にレコーディングした楽曲の再レコーディングが5曲あるのも特徴です。きっとCyreginaが加わった新ラインナップを意識したのでしょうね。

「Berimbau」「Tem Mais Samba」「Laia Ladaia (Reza)」「I Live To Love You (Morrer de Amor)」等の再レコーディング曲を聴けば、新ラインナップになっても美しいヴォーカルワークは健在であることを示してくれます。

個人的には「E Nada Mais」「Road To Nowhere (Estrada do Nada)」といったスキャットが映えるメロウ・ボッサ/ジャズ・サンバもおススメです。

また、Glenn Miller Orchestraでお馴染みのスタンダード「Edmundo (In The Mood)」「The Sunny Side of the Street」といったUSマーケット向けのスタンダードを、Quarteto Em Cyらしく歌い上げているのも見事です。

プロデュースはSonny Burke

Quarteto Em Cyファン、ブラジル音楽好きには、『Pardon My English』(1967年)以上にフィットするのでは?

天使のクァルテットをご堪能あれ!

全曲紹介しときやす。

「Berimbau」
Baden Powell/Vinicius de Moraes作の名曲カヴァー。デビュー・アルバム『Quarteto Em Cy』(1964年)、Quarteto Em CyがThe Girls from Bahiaとして客演したDorival Caymmi『Caymmi (KAI-EE-ME) 』(1965年)に続く、3度目のレコーディング。前半はポルトガル語、後半は英語で歌われます。この曲のミステリアスな雰囲気を残しつつ、彼女達らしい華のあるコーラスワークを満喫できる好カヴァー。
https://www.youtube.com/watch?v=SB7cTH_pEl4

本曲について、当ブログではLennie DaleDiane Denoir/Eduardo MateoAgustin Pereyra LucenaSambalanco TrioNara LeaoFelicidade A BrasilGary McFarlandKenny RankinLe Trio CamaraTrio 3DWanda de Sah featuring The Sergio Mendes Trio With Rosinha De Valenca Giulio Camarca & Trinidadのカヴァーも紹介済みです。ご興味がある方はそちらの記事もご参照下さい。

「Tem Mais Samba」
Chico Buarque作。Quarteto Em Cy名義の『De Marre de Cy』(1967年)でも取り上げていた楽曲の2度目のレコーディング。当ブログElis Reginaのカヴァーを紹介済みです。軽快なテンポのバッキングを従え、実に見事なコーラスワークを披露してくれます。新ラインナップになっても素晴らしいコーラスには変わりないことを証明してくれる1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=-ZyMfMGemHI

「Edmundo (In The Mood)」
Joe Garland作のスタンダードをカヴァー。Glenn Miller Orchestraでお馴染みの曲ですね。ポルトガル語のヴォーカルと小粋なジャズ・サンバ調アレンジによる素敵なカヴァーに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=vvZ0M3jRxEo

「Laia Ladaia (Reza)」
Edu Lobo/Ruy Guerra作。デビュー・アルバム『Quarteto Em Cy』(1964年)でも取り上げていた楽曲の2度目のレコーディング。彼女たちのコーラスワークと相性バッチリのノリのいい名曲ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=7BCAdbv61mc

本曲について、当ブログではEdu Loboのオリジナルをはじめ、Sergio Mendes & Brasil '66Wanda de Sah featuring The Sergio Mendes Trio Lennie Dale & Sambalanco TrioTamba 4The CarnivalDorothy Ashbyのカヴァーも紹介済みです。

「I Live To Love You (Morrer de Amor)」
Oscar Castro Neves/Luvercy Fiorini作。前述のDorival Caymmi『Caymmi (KAI-EE-ME) 』(1965年)、『Quarteto Em Cy』(1966年)でも取り上げていた楽曲の3度目のレコーディング。美しい歌声が聴く者を優しく包み込んくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=RK4nLjjqK7k

「The Sunny Side of the Street」
Jimmy McHugh/Dorothy Fields作。当ブログではJimmy SmithTerra Trioのカヴァーも紹介済みです。太陽のように眩しい彼女たちの歌声が弾けるジャズ・サンバ調の1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=YVqp5jyI5zY

「Road To Nowhere (Estrada do Nada)」
Billy Blanco/Aloysio de Oliveira作。英語とダバ・ダバ・スキャットによるヴォーカルで軽快に疾走するジャズ・サンバ。ダバ・ダバ・スキャット好きの方はぜひ!
https://www.youtube.com/watch?v=na6hbr4sk4U

「The Old Piano Roll Blues」
Cy Coben作のスタンダードをカヴァー。お茶目でキュートな雰囲気が魅力の1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=mY-rurjICa4

「The Day It Rained」
Durval Ferreira/Pedro Camargo作。美しいバラードを英語でしっとりと歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=AzHgtQx0O1o

「E Nada Mais」
Durval Ferreira/Luis Fernando Freire作。僕の一番のお気に入り。全編美しいスキャット・コーラスで歌い上げるメロウ・ボッサ。当ブログではMario Castro-Neves & Samba S.A.Doris Monteiroのカヴァーも紹介済みです。
https://www.youtube.com/watch?v=_bxxSJx-QaY

「Manhattan」
Richard Rodgers/Lorenz Hart作。ミュージカル『The Garrick Gaieties』(1925年)の挿入歌として書かれた楽曲のカヴァー。軽快なリズムと共に楽しげなヴォーカルを披露してくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=KsEtS71e4as

「Dindi」
Antonio Carlos Jobim/Aloysio de Oliveira作の名曲カヴァー。素晴らしいハーモニーで歌い上げるビューティフルな仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=OUECk5R2u2s

本曲について、当ブログではFlora PurimPaprika SoulClaudine LongetLenita BrunoCharlie ByrdWayne Shorterのカヴァーを紹介済みです。

「A Banda (Parade)」
Chico Buarqueの名曲カヴァー。『Quarteto Em Cy』(1966年)でも取り上げていた楽曲の再レコーディング。当ブログではAstrud GilbertoSergio Mendesのヴァージョンも紹介済みです。快活かつ楽しげなヴォーカルワークに緩急をつけて楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=0jc4BDM-cZI

Quarteto Em CyThe Girls from Bahiaの過去記事もご参照下さい。

『Quarteto Em Cy』(1966年)
ペドロ・ペドレイロ

The Girls from Bahia『Pardon My English』(1967年)
Girls From Bahia: Pardon My English

『Em Cy Maior』(1968年)
エン・シー・マイオール

『Quarteto Em Cy』(1972年)
Quarteto Em Cy
posted by ez at 17:18| Comment(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする