2017年11月19日

Stacey Kent『I Know I Dream:The Orchestral Sessions』

オーケストラと共演した最新作☆Stacey Kent『I Know I Dream:The Orchestral Sessions』
アイ・ノウ・アイ・ドリーム
発表年:2017年
ez的ジャンル:ロマンティック系女性ジャズ・ヴォーカル
気分は... :Happy Madness・・・

今回は新作アルバムから女性ジャズ・ヴォーカリストStacey Kentの最新作『I Know I Dream:The Orchestral Sessions』です。

キュートな歌声の女性ジャズ・ヴォーカリストStacey Kentに関して、これまで当ブログで紹介したのは以下の3枚。

 『Breakfast On The Morning Tram』(2007年)
 『Raconte Moi』 (2010年)
 『The Changing Lights』(2013年)
 『Tenderly』(2015年)

最新作『I Know I Dream:The Orchestral Sessions』は、タイトルの通り、オーケストラと共演した作品です。Stacey本人がオーケストラとの共演を強く望んでいたみたいですね。

プロデュースは公私のパートナーであるJim Tomlinson。アレンジはJim TomlinsonとTommy LaurenceJesse Sadoc

レコーディングには、Stacey Kent(vo)、Jim Tomlinson (sax、alto fl、per)、Graham Harvey(p、el-p)、John Parricelli (g)、Jeremy Brown(b)、Joshua Morrison(ds)、Curtis Schwartz(el-b)等が参加しています。

個人的にはメロウ・ボッサなStacey Kentが好きなので、オーケストラとの共演と聞いて、僕の好きなStaceyに会えるか少し心配でしたが・・・

CDショップで試聴し、そんな心配が杞憂であったことがわかり、購入した次第です。

冒頭の「Double Rainbow」「Photograph」といったAntonio Carlos Jobimのカヴァー2曲に本作のオーケストレーションな魅力が凝縮されていると思います。

個人的には軽快ボッサ「Make It Up」、哀愁フレンチ・ボッサ「La Rua Madureira」、ドリーミーなビューティフル・バラード「I Know I Dream」、スタンダードのビューティフル・カヴァー「That's All」あたりもオススメです。

また、先日ノーベル文学賞の受賞が決まった日系英国人作家Kazuo Ishiguro氏が作詞している楽曲が2曲収録されている点にも注目です。

これからの時期にフィットする素敵な女性ジャズ・ヴォーカル作品だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Double Rainbow」
Antonio Carlos Jobim/Gene Lees作。Jobimの「Chovendo Na Roseira」をカヴァー。当ブログではOsmar MilitoSergio Mendes & Brasil '77Steen Rasmussen Feat. Josefine Cronholmヴァージョンを紹介済みです。本作らしい美しくドリーミーなオーケストレーションをバックに、Staceyらしいコケティッシュなヴォーカルを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=epv-4FZk4wc

「Photograph」
Antonio Carlos Jobim/Ray Gilbert作。2曲目もJobimの「Fotografia」のカヴァー。当ブログではNara Leao(アルバム『Dez Anos Depois』および『Os Meus Amigos Sao Um Barato』)、Adam DunningElis ReginaDaniela Basso/Ernesto Salgueiroのカヴァーも紹介済みです。今の季節らしい落ち着いた雰囲気の中で、Staceyがしっとりと歌い上げます。オーケストラとの共演らしい素敵な仕上がりです。John Parricellのギターもグッド!

「Les Amours Perdues」
Serge Gainsbourg作。哀愁メロディをフランス語ヴォーカルで歌い上げるアンニュイなStaceyもいいですね。夫Jim Tomlinsonのサックスも盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=2EaJDa8QU3o

「Bullet Train」
Jim Tomlinson/Kazuo Ishiguro作。先日ノーベル文学賞の受賞が決まったKazuo Ishiguro氏が作詞を務めた新曲。日本の新幹線がテーマであり、名古屋駅でのアナウンスも流れます。Staceyの透明感のあるヴォーカルが栄える1曲に仕上がっています。

「To Say Goodbye」
Edu Lobo/Lani Hall/Torquato Neto作。人気曲「Pra Dizer Adeus」をカヴァー。美しいオーケストレーションと切ないStaceyのヴォーカルがフィットした素敵な仕上がりです。ここでも夫Jim Tomlinsonのムーディーなサックスが盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=SaFquyw2I7U

本曲に関して、当ブログではEdu Lobo & Maria Bethaniaのヴァージョンをはじめ、Luciana SouzaMaria BethaniaSebastiao Tapajos/Maria Nazareth/Arnaldo HenriquesAgustin Pereyra LucenaElis Reginaヴァージョンも紹介済みです。

「Make It Up」
Cliff Goldmacher/Jim Tomlinson作。ボッサなStaceyを聴きたい方には、この曲が一番オススメです。軽快なボッサ・グルーヴにのって、Staceyのヴォーカルがキュートに躍動します。

「Avec Le Temps」
Leo Ferre作のシャンソン名曲をカヴァー。哀愁のメロディをフランス語で情感たっぷりに歌い上げます。

「I Know I Dream」
Cliff Goldmacher/Jim Tomlinson作。タイトル曲はその名の通りドリーミーなビューティフル・バラードです。Staceyの清らかなヴォーカルが美しい夢の世界へ誘ってくれます。

「La Rua Madureira」
Nino Ferrari/Paule Zambernadi作。Nino Ferrer、1969年のヒット曲をカヴァー。フルートが先導する哀愁フレンチ・ボッサ。フランス語の響きがボッサ・サウンドにフィットします。

「Mais Uma Ves」
Antonio Ladeira/Jim Tomlinson作。切々と歌われる哀愁バラード。本作らしいオーケストレーションを配したボッサ・サウンドを楽しめます。

「That's All」
Alan Brandt/Bob Haymes作。 Nat King Cole等でお馴染みのスタンダードをカヴァー。Jim Tomlinsonの素敵なサックスと共に始まるビューティフル・バラードは、Staceyの清らかなヴォーカルに相応しいスタンダードですね。

「The Changing Lights」
Jim Tomlinson/Kazuo Ishiguro作。『The Changing Lights』のタイトル曲をカヴァー。この曲もノーベル賞作家Kazuo Ishiguro氏の作詞であることを再認識できました。大好きなこの曲を美しいオーケストレーションと共に楽しむことができます。

他のStacey Kent作品もチェックを!

『Close Your Eyes』(1997年)
Close Your Eyes

『Love Is...The Tender Trap』(1998年)
Love Is...The Tender Trap

『Let Yourself Go: Celebrating Fred Astaire』(2000年)
Let Yourself Go: Celebrating Fred Astaire

『Dreamsville』(2001年)
Dreamsville

『In Love Again: The Music of Richard Rodgers 』(2002年)
In Love Again

『The Boy Next Door』(2003年)
The Boy Next Door

Jim Tomlinson Feat. Stacey Kent『The Lyric』(2005年)
The Lyric featuring Stacey Kent

『Breakfast On The Morning Tram』 (2007年)
Breakfast on the Morning Tram

『Raconte Moi』 (2010年)
Raconte Moi

『Dreamer in Concert』(2011年)
Dreamer in Concert

『The Changing Lights』(2013年)
Changing Light

Marcos Valle & Stacey Kent『Ao vivo』(2014年)
Marcos Valleとの共演ライブ
マルコス・ヴァーリ&ステイシー・ケント・ライヴ~マルコス・ヴァーリ・デビュー50周年記念

『Tenderly』(2015年)
Tenderly
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2017年11月12日

Dego & Kaidi『A So We Gwarn』

ロンドン・シーンを牽引する強力タッグの最新作☆Dego & Kaidi『A So We Gwarn』
ソー・ウィー・グワン (SO WE GWARN)
発表年:2017年
ez的ジャンル:ロンドン最新ブラック・ミュージック
気分は... :あゝ、荒野・・・

新作アルバムはロンドンの音楽シーンを牽引する強力タッグの最新作Dego & Kaidi『A So We Gwarn』です。

4HeroDegoBugz In The AtticKaidi Tathamのタッグに関して、当ブログでは2000Black名義の『A Next Set A Rockers』(2008年)、Silhouette Brown名義の『Silhouette Brown』(2004年)という2枚のアルバムを紹介済みです。

Dego & Kaidi名義でリリースする本作『A So We Gwarn』は、デトロイトのレジェンドDJ、Theo ParrishのレーベルSound Signatureからのリリースです。

KaidiKaidi以外に、United VibrationsのメンバーWayne Francis(sax)をはじめ、 Yelfris Valdes(tp)、Ray Carless(horns)、Mr Mensah(g)、Miles Brett(violin)、Nadine Charles(vo)、Sarina Leah(vo)といったミュージシャンが参加しています。

Dego & Kaidiによる最新ブラック・ミュージックを存分に楽しめる内容です。アフロ/カリブなエッセンスを取り入れたブロークンビーツ経由のクロスオーヴァー・サウンドが印象的ですね。

個人的には「Decide What You Choose」「It's All For Us」タイプのヴォーカル曲がもう少しあるとさらに満足度が高いのですが・・・

西ロンドン好きの人であれば、間違いのない1枚なのでは?

全曲紹介しときやす。

「See & Blind, Hear & Deaf」
Dego & Kaidiによるロンドン流ブギー・サウンドといった趣のオープニング。クールにキメてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=FmD47qQGSyM

「Treasure Beach」
70代ジャズ・ファンクを2017年ロンドン仕様にアップデートしたような仕上がり。Wayne Francis、Yelfris Valdesのホーン隊が盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=p2ToWMKmbfI

「Too Much Ginger」
フューチャリスティックなブロークンビーツ。Miles Brettのヴァイオリンがいいアクセントになっています。

「Sista's Love」
アブストラクトな質感のメロウ・チューン。J Dilla好きの人なんかも気に入るのでは?

「Nyabinghi Warriors」
ラテン・フレイヴァーの効いたクラブジャズな小曲。もっと長尺で聴きたい気分・・・
https://www.youtube.com/watch?v=mVyTuvyqKSY

「Decide What You Choose」
Nadine Charles、Sarina LeahというDego作品ではお馴染みの女性シンガー2人をフィーチャーしたフューチャー・ソウル。アルバムで最もキャッチーな仕上がり。Mr Mensahのギターも効いています。
https://www.youtube.com/watch?v=7TiQF6dNwko

「Maroon Strategies」
ラテン・フレイヴァーのダンサブル・チューン。Dego & Kaidiらしい音世界を楽しめます。シャープな疾走感が実に心地好いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=x1ecU35ffog

「The Sorrell Sweet」
フューチャリスティックなフュージョン・サウンドで近未来な爽快感を満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=AjI9LJdVuzM

「A So We Gwarn」
タイトル曲はフューチャリスティックなアーバン・サウンドの小曲。

「18.1096 N 77.2975 W」
ライナーノーツにも書いてありますがAzymuthの影響を感じるロンドン調フュージョン・サウンドです。
https://www.youtube.com/watch?v=2PQJW51GAbI

「Shy Makku」
シンセ・ベースによる腹に響くヘヴィ・グルーヴが印象的です。聴き重ねるごとにハマりそうです。
https://www.youtube.com/watch?v=iY3wPPAax_g

「The Rockers Rebel Step」
UKジャマイカンのDNAを持つDego & Kaidiらしいタイトルですね。フューチャリスティックなフュージョン・サウンドで駆け抜けます。爽快な格好良さがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=vJzKCEwoWIg

「It's All For Us」
Nadine Charlesのヴォーカルをフィーチャー。Yelfris Valdes、Ray Carlessのホーン隊も加わったフューチャリスティックなブギー・チューン。Dego & Kaidi好きの人であれば、気に入るはず!
https://www.youtube.com/watch?v=FqaYzKQKHfk

「Don't Put Your Hat Where Your Hand Can't Reach」
Wayne Francisのサックスをフィーチャーしたフューチャー・ジャズで締め括ってくれます。

DegoおよびKaidi Tatham関連の過去記事もご参照ください。

Silhouette Brown『Silhouette Brown』(2004年)
シルエット・ブラウン

2000Black『A Next Set A Rockers』(2008年)
ア・ネクスト・セット・ア・ロッカーズ

Dego『A Wha' Him Deh Pon?』(2011年)
A Wha Him Deh Pon ?

Dego『The More Things Stay The Same』(2015年)
The More Things Stay The Same (ザ・モア・シングズ・ステイ・ザ・セイム)

4Hero『Parallel Universe』(1994年)
Parallel Universe

4Hero『Creating Patterns』(2001年)
Creating Patterns

4Hero『Play with the Changes』(2007年)
Play With the Changes (Dig)

Tek 9『Simply』(1999年)
Simply (+ Bonus Tracks)

Bugz In The Attic『Back In The Doghouse』>(2006年)
Back in the Doghouse
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2017年11月05日

Aron Ottignon『Team Aquatic』

次世代ジャズ・ピアニストによるユニークな今ジャズ☆Aron Ottignon『Team Aquatic』
Team Aquatic
発表年:2017年
ez的ジャンル:NZ出身次世代ジャズ・ピアニスト
気分は... :スティール・パンが効いています!

今回は新作ジャズ作品からAron Ottignon『Team Aquatic』です。

Aron Ottignonはニュージーランド出身のジャズ・ピアニスト。

祖母や父がミュージシャンであった影響で幼少期からジャズに親しみ、父の人脈で実力派ジャズ・ピアニストAndrew Hillの手ほどきを受けたこともあるようです。

2000年に自身のジャズ・ユニットAronasを結成し、2006年にはアルバム『Culture Tunnels』をリリースしています。

現在はパリとベルリンを活動拠点とし、2015年には「Starfish EP」「Waves」、2017年には「Nile」といったEPをリリースしています。そして、Blue Note Franceからリリースしたソロ名義の初アルバムが本作『Team Aquatic』です。

プロデュースはAron Ottignon自身とRodi Kirk

レコーディングにはAron Ottignon(p、beats & electronics、per)、Rodi Kirk(beats & electronics、per)、Samuel Dubois(steel pan、per)、Kersley Sham(per)、Aziz Sahmaoui(per)といったミュージシャンが参加しています。

特にスティール・パンの音色が随所で聴こえてくるのが印象的です。また、生音とプログラミング&エレクトロニクスのバランス感覚が新世代ジャズ・ピアニストですね。こうしたスティール・パン、プログラミング&エレクトロニクスを駆使した独自の今ジャズを満喫できる内容となっています。

さらにフロアライクな曲もあり、今ジャズ好きのみならずクラブジャズ好きの人も楽しめるはずです。

USの今ジャズ作品とは異なる風合いの今ジャズ・サウンドはかなり新鮮だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Starfish」
スティール・パンの音色が印象的なオープニング。生音のスティール・パン&パーカッションとエレクトリック・サウンドをバックに、Aronのピアノが疾走するスリリングな演奏です。

「Waterfalls」
Rodi Kirkによるビーツ&エレクトロニクスに、Aronのピアノが絡む今ジャズらしい1曲。USの今ジャズとは異なるフィーリングの進行形ジャズを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=Q1peHz4fsUg

「Waves」
EP「Waves」(2015年)収録曲。
再びスティール・パンを取り入れたトロピカル感覚の今ジャズ。生音とエレクトロニクスのメリハリが絶妙な独自のジャズ・ワールドを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=ulX0sA6fxRM

「The Jungle」
EP「Waves」(2015年)収録曲。ピアノ&エレクトロニクスによるダーク&ミニマルな演奏が印象的です。

「Ocean」
生音とプログラミングを融合させた今ジャズらしいジャズ・ピアノを楽しめる1曲。ゆったりとした中に大海の神秘のようなものを感じるサウンドです。

「Team Aquatic」
タイトル曲はエレクトロニクス、スティール・パンを効果的に駆使したダイナミックなサウンドが魅力です。

「Hot Tub」
ジャズ・ピアニストらしいAronのピアノ・タッチとスリリングなビートが織り成すフロアライクな仕上がりはクラブジャズ好きの人もグッとくるのでは?

「Rivers」
ピアノとスティール・パンが織り成すトロピカルな今ジャズにグッときます。ワールド・ジャズ好きの人も楽しめるのでは?

「Stonefish」
フロアライクなサウンドで疾走します。アンダーグラウンドなハウス・サウンドが好きな方も気に入るのでは?

「The Nile」
Aron Ottignonの世界観がよく分かるサウンドは、ナイル河のように壮大です。それでもしっかりジャズしているのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=phEP1t2dHCE

「Rothesay Bay」
ラストはピアノ・ソロによる美しい演奏で締め括っています。

ご興味がある方はAronas時代の『Culture Tunnels』(2006年)もチェックを!

Aronas『Culture Tunnels』(2006年)
Culture Tunnels
posted by ez at 00:21| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月29日

30/70『Elevate』

期待のオージー・ソウル・コレクティヴ☆30/70『Elevate』
エレヴェイト
発表年:2017年
ez的ジャンル:オージー・ソウル・コレクティヴ
気分は... :新鮮な驚き!

今回は新作アルバムからオーストラリアのソウル・コレクティヴ、期待の新作30/70『Elevate』です。

30/70はオーストラリア、メルボルンを拠点とするソウル・コレクティヴ。中核メンバーはAllysha Joy(vo)、Jarrod Chase(el-p)、Tom Mansfield(g、syn)、Ziggy Zeitgeist(ds、per)、Henry Hicks(b)。

2015年に1stアルバム『Cold Radish Coma』をリリース。本作『Elevate』は2ndアルバムとなります。

オーストラリアの次世代ネオソウルということで、同郷のHiatus KaiyoteJordan Rakeiあたりに通じる魅力があります。

実際、Hiatus KaiyoteやNZ出身、ベルリンを拠点にする新世代R&BシンガーNoah Sleeを輩出したWondercore Island Recordsがマネジメントを手掛け、Hiatus KaiyotePaul Benderが本作のミックスを手掛けるといったように、注目の新世代アーティストとの接点もあるようです。

プロデュース&ソングライティングは30/70自身。
Rhythm Section Internationalからのリリースです。

‎前述の5名以外にDanika Smith(back vo)、Tiaryn Griggs(back vo)、Josh Kelly(sax)、
Nathaniel Sametz(tb)、Reuben Lewis(tp)、Alex Vella-Horne(vo)がレコーディングに参加しています。

ボーナス・トラックを除く8曲のうち、1分半に満たない小曲が2曲があり、中身はフル・アルバムというよりもミニ・アルバムというのが実態です。しかしながら、そんな尺の短さを補う充実した内容になっています。

実際聴いてみると、思っていた以上にソウル/R&B、ファンク、ジャズ、Hip-Hopが融合したクロスオーヴァー感覚があります。個人的にはHip-Hop、ジャズのエッセンスが特に印象に残りました。その意味では"今ジャズ"的な聴き方をしても楽しめると思います。

フューチャー・ソウル/クロスオーヴァーという点では、Jordan Rakeiあたりよりも新鮮な驚きのある1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Slangin」
フューチャー・ソウルなクロスオーヴァー感覚に惹かれるオープニング。このユニットが只者ではないことを実感できるはずです。
https://www.youtube.com/watch?v=afXA2_cuPe0

「Lucid」
ドリーミー&トライバルな繋ぎの小曲。

「Nu Spring」
躍動するリズムと鮮やかなホーン・アンサンブルと共に疾走するアッパー・チューン。ジャンルの枠を軽々と飛び越えている感じがいいですね。今ジャズ好きの人も楽しめる1曲なのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=R0TZN_YQAZ0

「Breaking (For This World to Change)」
Allysha Joyの少しハスキーなヴォーカルとHip-Hopのエッセンスも取り込んだ変幻自在のビートに魅了されます。フューチャー・ソウル的な魅力と今ジャズ的な面白さが同居しているのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=rRPSM_Y--_4

「Misrepresented」
アルバムからのリード・トラック。ジャズ・フィーリングの強い仕上がりですが、一筋縄ではいかない少しダークな空気感に惹かれます。Allysha Joyの少しクセのあるヴォーカルがよく似合います。

「Get to Me」
乾いたビートと浮遊するヴォーカル&鍵盤の組み合わせが僕好みの小曲。
https://www.youtube.com/watch?v=Qj0Z5hmSaL8

「Steady Hazin」
Hip-Hop経由の次世代ネオソウルといった感じでしょうか。次世代ソウル・コレクティヴらしい乾いたビート感覚がクセになります。
https://www.youtube.com/watch?v=SkCpnUyzNZE

「Takin Me Back」
本編のラストは80年代ブラコンの香り漂うメロウ・バラードで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=RANhL_dWzHo

「Nu Spring (Live at The Night Cat)」
ボーナス・トラック。「Nu Spring」のライヴ・ヴァージョン。このユニットのクロスオーヴァーな魅力をライブ・サウンドで実感できます。

今週のNFLは我がドルフィンズがレイブンズ相手に0対40という完敗。
生放送で観ていましたが、救いようのない内容の酷さに、さすがに途中で観るのを止めました。次週以降の奮起を期待します。
posted by ez at 00:54| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月22日

Aaron Abernathy『Dialogue』

ブラック・パワーに溢れたリアル・ソウル☆Aaron Abernathy『Dialogue』
Dialogue
発表年:2017年
ez的ジャンル:リアル・ソウル系男性R&Bアーティスト
気分は... :差別なき世界へ!

今回は新作R&Bから期待の男性R&Bアーティストの2ndアルバムAaron Abernathy『Dialogue』です。

Aaron Abernathyはオハイオ州クリーブランド出身の男性R&Bシンガー/ソングライター/キーボード奏者/プロデューサー。現在はワシントンD.C.を拠点にしているようです。

名門ハワード大学で音楽を学び、2005年にAb & The Souljourners名義でアルバム『Lyrically Inclined 1.3:The Odyssey』をリリースしています。

さらにSlum Villageのワールド・ツアーのミュージック・ディレクターに起用されたり、Eric Roberson『Music Fan First』(2009年)収録の「Howard Girls」でフィーチャリングされるなど実績を重ねていきます。

昨年にはAaron Abernathy名義の1stアルバム『Monologue』をリリースしました。PhonteZo!Black MilkDeborah Bond等をゲストに迎えた同作は、ディープなR&Bファンから高い支持を得ました。

そして、リリースされた最新作『Dialogue』。前作のような目立ったゲストはなく、自身と少数のミュージシャンのみでレコーディングしています。プロデュース&アレンジ&ソングライティングはAaron Abernathy本人。前作にも参加していたBlack Milkがミキシングを手掛けています。

一方、公民権運動、黒人解放運動に尽力した政治家、牧師、作家、アーティストのスピーチ、インタビュー等を数多く取り入れたメッセージ色の強い1枚に仕上がっています。背景には近年アメリカで大きな社会現象となっているブラック・ライヴズ・マター運動があると思います。

サウンド的にもMarvin Gaye、、Curtis MayfieldSly & The Family Stoneといった70年代ニュー・ソウルの影響が感じられます。

ただし、単なる70年代ニュー・ソウルのオマージュではなく、21世紀ならではのブラック・パワーに満ちたブラック・ミュージックを聴くことができます。

決して派手なアルバムではありませんが、聴いた者の心に響くリアル・ソウルがココにはあります。

21世紀版ニュー・ソウルをぜひチェックしてみて下さい!

全曲紹介しときやす。

「Daily Prayer」
Sly & The Family Stoneの諸作に通じるブラック・パワーを感じるヘヴィ・グルーヴ。ワシントンD.C.が拠点ということでGo-Go Funkの影響を感じます。

「Children of the City」
黒人解放運動の象徴的存在である女性作家Angela Davisの言葉と共に始まり、さらに黒人女性シンガーNina Simoneの言葉の引用と共に始まるブラック・ライヴズ・マターなヘヴィ・ファンク・グルーヴ。ダークなブラック・グルーヴが癖になります。

「Restrictions」
モダンな生音ソウル・グルーヴでMarvin Gayeを甦らせたような仕上がりです。どこまでセクシーで、どこまでもブラックなグルーヴがたまりません。

「Generation」
黒人女性初の米連邦下院議員Shirley Chisholm、黒人女性作家Lorraine Hansberry、さらにはNina Simoneのスピーチ/インタビューを引用したブラック・パワー炸裂のリアル・ソウル!60〜70年代ブラック・ミュージックの空気感を21世紀モードにアップデートしたような仕上がりです。

「Am I Good Enough To Love?」
愛に満ちたソウル・グルーヴ。ヴィンテージ感がありながらも単なるレトロで終わらないヴィヴィドな魅力があります。

「Human Actions Matter (Leviticus)」
Marvin Gayeモードの小曲。次曲「Now A Days」への助走のような位置づけかな。

「Now A Days」
アルバムに先駆けて昨年3月に発表した楽曲。公民権運動家の黒人牧師Ralph Abernathyのインタビュー音声をサンプリングした"21世紀ニュー・ソウル"。公民権運動の時代から今日まで黒人に対する差別が解決されていないことを訴える社会派ソウル。メッセージのみならずサウンド面でもMarvin Gayeライクの魅力的なソウル・グルーヴに仕上がっています。

「Forecast」
過去ではなく未来に目を向けようとする願いが込められたリアル・ソウル。美しくも切ないヴォーカル&サウンドが胸に響きます。

「The Villain In Me」
ラストは呪術的なダーク・グルーヴで締め括ってくれます。このエンディングが示唆するものは・・・

ご興味がある方は1stアルバム『Monologue』(2016年)もチェックを!

『Monologue』(2016年)
Monologue
posted by ez at 00:58| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする