2017年05月28日

Kendrick Lamar『Damn』

『To Pimp A Butterfly』に続く衝撃!☆Kendrick Lamar『Damn』
Damn
発表年:2017年
ez的ジャンル:コンシャスHip-Hop
気分は... :リバース!

今回は新作アルバムから超話題のHip-Hop作品Kendrick Lamar『Damn』です。

現代アメリカ社会に鋭く切り込むリリックで絶大なる支持を得ているKendrick Lamarの紹介は、大ヒットとなった歴史的名盤『To Pimp A Butterfly』(2015年)に続き2回目となります。

未発表曲集『Untitled Unmastered』(2016年)を挟んでリリースされた新作『Damn』ですが、『To Pimp A Butterfly』に続く衝撃作だと思います。

アルバムは『To Pimp A Butterfly』『Untitled Unmastered』に続く全米アルバム・チャートNo.1に輝いています。

プロデューサー陣には、Anthony "TopDawg" TiffithBekonMike WiLL Made ItDJ DahiSounwaveJames BlakeRicci RieraTerrace MartinSteve LacyThe Internet)、BadBadNotGoodGreg KurstinTeddy WaltonThe AlchemistCardo9th Wonderという多彩な面々が起用されています。

アルバムではRihannaU2、Zacariがフィーチャーされ、それ以外にBekon(vo)、Kid Capri(vo)、Chelsea Blythe(vo)、DJ Dahi(vo)、Anna Wise(vo)、Steve Lacy(vo)、Rat Boy(vo)、Matt Schaeffer(g)、Thundercat(b)、Kamasi Washington(strings)、Sounwave(strings)、Mike Hector(ds)等が参加しています。

『To Pimp A Butterfly』もそうでしたが、曲単位で云々ではなくアルバム単位で1つの作品、メッセージになっている構成力の高さが、他のアーティストの追随を許さない魅力だと思います。

普段は歌詞内容やメッセージよりもサウンド重視で作品を聴く僕ですが、本作に関しては、リリックや世界観に圧倒され、サウンドは二の次になってしまいます。

本作に貫かれているテーマは「邪悪さと弱さ」。神になったかのように振る舞う邪悪な自分、その反対に己の弱さを克服しようとする自分、自分の中に存在する2つのパーソナリティの間を揺れ動きます。

そんなテーマを象徴するように、「Pride.(強欲)」「Humble.(謙虚さ)」「Lust.(色欲)」「Love.(愛)」といった対照的なタイトルの曲が並んだ構成になっています。

対照的といえば、オープニングの「Blood.」では、誤った選択が死を招くという内容、ラストの14曲目「Duckworth.」は正しい選択が運命を切り開く内容になっているのも意味深です。

さらにラストの「Duckworth.」の終盤にはテープの逆回し音と共に、アルバムがリバースされ、気づくとオープニングの「Blood.」に戻っているという仕掛けがあります。

本作は1曲目から聴くと、2つのパーソナリティの間を揺れ動きながらも、「Lust→Love」、「Pride→Humble」のように弱さを克服してエンディングを迎える流れになっています。しかし、逆回しの流れで14曲目からアルバムをリバースしながら聴くと、「Love→Lust」「Humble→Pride」のように邪悪な方向に流れ、ラストはその選択の誤りから銃で撃たれて絶命することになります。

どちらから聴き始めるかでストーリーが大きく異なってくる。それを選択するのはリスナー次第・・・
こうしたリバースの流れを意図して本作が制作されたのであれば脱帽です。

こんなアルバムを作ってしまうKendrick Lamarは真のアーティストですね。

僕も両方のパターンでアルバムをさらに聴き込みたいと思います。

全曲紹介しときやす。

「Blood.」
Anthony "TopDawg" Tiffith/Bekonプロデュース。Bekonのヴォーカルに続き、Kendrickが盲目の女性を助けようとしたところ、銃で撃たれて絶命する悲劇を語った後、銃声が響き、さらにFoxニュースのコメントのサンプリングが流れます。

最後のFoxニュースは、2015 BET AwardsにおけるKendrickの「Alright」のパフォーマンス(パトカーの上に乗った扇動的パフォーマンス)に対して、Foxニュースのコメンテーターが痛烈に批判したことが発端になっています。Kendrickが伝えたかったメッセージと全く逆の意味で受け止められてしまうもどかしさを伝えたいのでしょう。

「DNA.」
Mike WiLL Made Itプロデュース。少しダークなトラックにのって、「Blood」での鬱憤を晴らすかのように、自身の才能への自信を組み込まれたDNAの違いという切り口でまくし立てます。ここでもFoxニュースのコメントのサンプリングが挿入されています。
https://www.youtube.com/watch?v=NLZRYQMLDW4

「Yah.」
Anthony "TopDawg" Tiffith/DJ Dahi/Sounwaveプロデュース。タイトルには神を意味する"Yahweh"というニュアンスも込められているようです。、サウンドからも宗教的なムードが漂います。♪buzzin',radaras in buzzin'♪のフレーズが脳内に刻まれます。

「Element.」
Sounwave/James Blake/Ricci Rieraプロデュース。Kid Capriがヴォーカルで参加しています。ポスト・ダブステップの貴公子James Blakeも関与した曲で、♪誰も俺を守ってくれない♪とKendrickが自身の脆さを吐露します。Juvenile「Ha」のフレーズが引用されています。

「Feel.」
Sounwaveプロデュース。超絶ベーシストThundercatが参加しています。そのThundercatのベース、O.C. Smith「Stormy」ネタのドラム・ループ、Chelsea Blytheのヴォーカルをバックに、富と名声を得た代償として孤独を感じる自身の内面に迫ります。

「Loyalty.」
Anthony "TopDawg" Tiffith/DJ Dahi/Sounwave/Terrace Martinプロデュース。Rihannaをフィーチャー。Bruno Marsの「24K Magic」を大胆にサンプリングし、"バッドガール"Rihannaと共に大切な人への忠誠心を歌い上げます。

「Pride.」
Anthony "TopDawg" Tiffith/Steve Lacyプロデュース。注目のR&BユニットThe InternetのメンバーSteve Lacyがプロデュースに関与しています。そんなせいもあってサウンドがいいですね。ここでのKendrickのラップは不安定な心を露わにしています。

「Humble.」
Mike WiLL Made Itプロデュース。アルバムからのリード・シングルとして全米チャート、同R&Bチャート共にNo.1に輝いています。最後の晩餐を模したシーンも登場するPVが印象的です。謙虚でいることは難しい・・・
https://www.youtube.com/watch?v=tvTRZJ-4EyI

「Lust.」
BadBadNotGood/DJ Dahi/Sounwaveプロデュース。Kid CapriとRat Boyがヴォーカルで参加しています。L.A.ジャズの重要アーティストKamasi Washingtonがストリングスを手掛けています。哀愁モードのトラックにのって、色欲に流される人々を歌います。Rat Boy「Knock Knock Knock」のフレーズも登場します。

「Love.」
Anthony "TopDawg" Tiffith/Greg Kurstin/Sounwave/Teddy Waltonプロデュース。Zacariをフィーチャー。前曲「Lust」とは対照的に真の愛について歌います。そのテーマに相応しい崇高な美しさに包まれた仕上がりです。

「XXX.」
Anthony "TopDawg" Tiffith/DJ Dahi/Mike WiLL Made It/Sounwaveプロデュース。U2をフィーチャーした話題曲。ここでのKendrickはオバマが去り、トランプが仕切る合衆国への絶望を明確に示しています。そんな苛立つKendrickをなだめるようにBonoのヴォーカルが響きます。James Brown「Get Up Offa That Thing」 、Young-Holt Unlimited「Wah Wah Man」
Foals「Fugue」 ネタ。

「Fear.」
The Alchemistプロデュース。不気味な空気が支配するトラックをバックに、Kendrickがこれまでの人生の節目で感じてきた恐怖心を歌います。The 24-Carat Black「Poverty's Paradise」の声ネタが正にFearですね!自身の「The Heart Part 4」のフレーズを引用しています。

「God.」
Anthony "TopDawg" Tiffith/Bekon/Cardo/DJ Dahi/Ricci Riera/Sounwaveプロデュース。「DNA.」や「Humble.」で自身の神ポジションを誇示していましたが、ここでは♪神はこのように感じているのか♪と謙虚な姿勢です。

「Duckworth.」
9th Wonderプロデュース。9th WonderらしいTed Taylor「Be Ever Wonderful」、Hiatus Kaiyote「Atari」、September「Ostavi Trag」、The Fatback Band「Let the Drums Speak」 ネタのソウルフル・トラックが冴えます。

ラストは自身の名字(Kendrick Lamar Duckworth)をタイトルに冠したエンディングのリリックは、20年前、Kendrickの父親と所属レーベルTop Dawg Entertainmentの社長Anthony "Top Dawg" Tiffithの間で本当にあった数奇な縁(レストランに強盗を企てようとしたTop Dawgに対して、その店で働くKendrickの父親が親切に接することで強盗を踏み止めさせた)をテーマにしています。

あの時、Top Dawgが強盗を犯していたら、あの時、Kendrickの父親が襲われて死亡していたら、Kendrick Lamarという才能が生まれることはなかった・・・この時の2人の選択がKendrickの人生を導いたという、嘘のようなアンビリバボーな実話から人生の選択の重要性を説きながらエンディングを迎えます・・・しかし、ここで終わらず銃声と共にテープの逆回転が始まり、アルバムがリバースし、気づけばオープニングの「Blood.」に戻ってアルバムは幕を閉じます。

Kendrick Lamarの他作品もチェックを!

『Section.80』(2011年)
Section.80 (Limited Edition Cdr)

『Good Kid, M.A.A.D City』(2012年)
Good Kid M.a.a.D City

『To Pimp A Butterfly』(2015年)
To Pimp a Butterfly

『Untitled Unmastered』(2016年)
untitled unmastered.
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2017年05月21日

Diggs Duke『Civil Circus』

話題のSSW/マルチ・インストゥルメンタリストの新作☆Diggs Duke『Civil Circus』
CIVIL CIRCUS [日本限定CD化 / 日本語解説付き]
発表年:2015年
ez的ジャンル:マルチ・インストゥルメンタリスト系異才ジャズ/ソウル
気分は... :この感性についていけるか・・・

今回は話題のシンガーソングライター/マルチ・インストゥルメンタリストDiggs Dukeの新作アルバム『Civil Circus』です。

Diggs Dukeの紹介は、Gilles PetersonのBrownswood Recordingsからリリースされた1stアルバム『Offering For Anxious』(2014年)に続き、2回目となります。

本作『Civil Circus』は自身のレーベルFollowing Is Leadingから2015年にリリースされ、Bandcampで数量限定でフィジカル・リリースされていた作品です。今回、日本限定でCDがリリースされ、新作アルバムとして話題になっています。

『Offering For Anxious』(2014年)における生演奏とプログラミング、ジャズをベースにソウル/R&B、Hip-Hop、ビートミュージックのエッセンスを絶妙に融合させた独自の音世界は、玄人志向ながらも各方面から絶賛されました。

本作『Civil Circus』でも独自の音世界は健在です。『Offering For Anxious』と比較すると、よりジャズ・フィーリングが強調されているかもしれませんね。きっと"今ジャズ"好きの人は興味深く聴けるのでは?

『Offering For Anxious』(2014年)同様に、30分にも満たないアルバムです。このあたりはビートミュージック作品のような感覚ですね。

決して聴きやすいアルバムではありません。
しかし、少ない音数の中にDiggs Dukeの感性が凝縮されています。
Diggs Dukeの感性に挑んでみましょう!

Diggs Duke『Civil Circus』Trailer
https://www.youtube.com/watch?v=uvWoplEXcEg

全曲紹介しときやす。

「Busker」
Jelani Brooksのサックス、Luke Stewartのダブルベース、Warren G. Crudup IIIのドラムをフィーチャー。完全にジャズ・モードのオープニング。

「Compensation」
Dante Popeのヴォーカルをフィーチャー。ヴォーカル・ワークを重視した約1分半の小曲。

「Ambition Addiction」
ジャズとドラムンベースを融合させたDiggs Dukeらしいサウンドを楽しめる1曲。"今ジャズ"好きの人は気に入るはず!

「Stoplight Lessons」
Herb Scottのアルト・サックス、Jelani Brooksのテナー・サックス、Terry Orlando Jonesのドラム、Rachel Brotmanのヴォーカルをフィーチャー。ソウル+ジャズ+ビートミュージックなクロスオーヴァー感覚が楽しい1曲に仕上がっています。

「Postcard」
ビートミュージックな側面を前面に打ち出したミニマルな仕上がり。

「Street Preacher」
Diggs Duke自身のクラリネットとアルト・サックスが織り成す陽だまりの一人ジャズ・セッションといった趣です。

「Bumper To Bumper」
Diggs Dukeのピアノ・ソロ。静かなる闘志といった雰囲気の演奏です。

「Warming Warning」
Warren G. Crudup IIIのドラム、Jada Irwinのヴォーカルをフィーチャー。トライバル・リズム、巧みなヴォーカルワークにフューチャリスティックな味付けも加わり、独特の感性を楽しめる1曲。

「Damn Near Home」
Herb Scottのアルト・サックス、Jelani Brooksのテナー・サックス、Rachel Brotmanのヴォーカルをフィーチャー。サックスとヴォーカルが織り成すストレンジ・ワールド。

「We Don't Need Love (But Understanding)」
ラストはDiggs Dukeのヴォーカル、ピアノ、ベースによるジャズ・フィーリングの演奏で締め括ってくれます。

未聴の方は『Offering For Anxious』(2014年)もチェックを!

『Offering For Anxious』(2014年)
オファリング・フォー・アンクシャス(タワレコ生産限定CD) Diggs Duke ディグス・デューク
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2017年05月14日

Lord Echo『Harmonies』

今回はThe O'Jays「I Love Music」をカヴァー!☆Lord Echo『Harmonies』
HARMONIES (ハーモニーズ)
発表年:2017年
ez的ジャンル:NZレゲエ・ディスコ系クロスオーヴァー
気分は... :死んでしまう系のぼくらに・・・

新作アルバムからニュージーランド出身のアーティスト/プロデューサーLord Echoの最新作『Harmonies』です。

ニュージーランドのレゲエ/ダブ・バンドThe Black SeedsのギタリストMike Fabulous(Michael August)によるソロ・プロジェクトLord Echoの紹介は、2ndアルバム『Curiosities』(2013年)、1stアルバム『Melodies』(2010年)に続き3回目となります。

レゲエ/ダブをベースとしたクロスオーヴァーなダンス・ミュージックで音楽を魅了してきたLord Echoですが、新作でもそのクロスオーヴァー・サウンドに磨きがかかっています。

アルバムにはNZ産フューチャー・ソウル・ユニットElectric Wire HustleのメンバーMara TK(vo)、Fat Freddy's DropのメンバーToby Laing(Tony Chang)(vo、tp)、Lucien Johnson(sax、fl)、Daniel Hayles(syn)、Lisa Tomlins(vo)がフィーチャリングされています。

それ以外のレコーディング・メンバーはLord Echo(ds、per、g、b、key)以下、Chris O'Conner(per、ds)、Daniel Hayles(tb)、Nick Van Dijk(tb)、Isaac Aesili(tp)、Duane Te Whetu(b)、Paiheretia Aperahama(key)、Will Ricketts(per)、Julien Dyne(cowbell)です。

1stアルバム『Melodies』にはSister Sledge「Thinking Of You」、2nd『Curiosities』にはPharoah Sanders「The Creator Has A Master Plan」という秀逸カヴァーが収録されていましたが、本作でもThe O'Jays「I Love Music」のカヴァーでファンの期待に応えてくれています。

それ以外にもレゲエ、ディスコ、アフロ、ジャズ、ソウル、チル・ウェイヴ等のエッセンスを織り交ぜたLord Echoらしいダビーなクロスオーヴァー・サウンドを随所で堪能できます。

過去2作品を気に入った人であれば、満足できる1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Woah! There's No Limit」
Mara TKのヴォーカルとLucien Johnsonのサックスをフィーチャー。オープニングはラヴァーズ調のレゲエ・チューンです。Lord Echoらしいクール&ダビーなレゲエ・サウンドを楽しめます。

「Life On Earth」
Mara TKのヴォーカルとLucien Johnsonのフルートをフィーチャー。妖しげなクロスオーヴァーなサウンドで楽しませてくれます。

「The Sweetest Meditation」
Mara TKのヴォーカルとDaniel Haylesのシンセをフィーチャー。Lord Echo流ディスコを満喫できるキャッチーなダンス・チューン。

「Makossa No. 3」
Lucien Johnsonのサックスをフィーチャー。2016年にリリースされた来日記念シングル「Floating Bridge Part 1」に収録された「Makossa No. 2」の別ヴァージョン。タイトルからして、Manu Dibango「Soul Makossa」がモチーフになっているのでしょうね。アフロを感じる1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=t3s_piuNXiI

「Low To The Street」
Lisa Tomlinsのヴォーカルをフィーチャー。Lisaの艶やかなヴォーカルを生かした素敵なラヴァーズに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=JlMd3JVG1nI

「In Your Life」
Lord Echoらしいダビーでチル・ウェイヴなクロスオーヴァー・サウンドで楽しませてくれます。

「Just Do You」
Mara TKのヴォーカルをフィーチャー。アルバムの先行シングルにもなりました(シングルはアルバム・ヴァージョンのエディット)。哀愁モードのレゲエ・ディスコに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=aujGcWKz59E

「C90 Eternal」
Daniel Haylesのシンセをフィーチャー。「Makossa No. 3」と同路線の電脳アフロ・グルーヴのインスト。こういう覚醒的グルーヴもLord Echoらしいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=4hWuHccwN0o

「Note From Home」
Toby Laingのヴォーカルをフィーチャー。ルーツ・レゲエ調のサウンドとダビーなToby Laingのヴォーカルが織り成す白日夢のような音世界がいいですね。

「I Love Music」
Lisa Tomlinsのヴォーカルをフィーチャー。ラストはThe O'Jaysの大ヒット曲をカヴァー(Kenneth Gamble/Leon Huff作)。僕の一番好きなThe O'Jays'sソングであり、オリジナルは当ブログでも紹介した『Family Reunion』(1975年)に収録されています。Lord Echoの名を一躍有名にしたSister Sledgeのカヴァー「Thinking Of You」もそうでしたが、カヴァーのセレクトが僕のど真ん中です。少しテンポを落としたオルガン・レゲエ・チューンに仕上げています。
https://www.youtube.com/watch?v=rXWEPzwSvok

Lord Echoの過去記事もチェックを!

『Melodies』(2010年)
MELODIES

『Curiosities』(2013年)
CURIOSITIES
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2017年05月07日

Wayne Snow『Freedom TV』

ナイジェリア出身、ベルリン在住の男性R&Bシンガーのデビュー作☆Wayne Snow『Freedom TV』
Freedom TV
発表年:2017年
ez的ジャンル:ベルリン産新世代男性R&B
気分は... :自由と創造性・・・

今回は新作アルバムからベルリン産の新世代R&B作品Wayne Snow『Freedom TV』です。

Wayne Snow(本名:Kesiena Ukochovbara)はナイジェリア出身で現在ベルリン在住の黒人男性シンガー・ソングライター。

これまで「Red Runner」(2014年)、「Rosie」(2015年)という2枚の12"シングルをリリースしています。

本作『Freedom TV』は、彼のデビュー・アルバムとなります。

メイン・プロデューサーは「Red Runner」、「Rosie」をプロデュースしたベルリンを拠点とするDJ/プロデューサーMax Graef。それ以外にNeue GrafikNu Guineaもプロデューサーとして参加しています。

R&Bとハウス、Hip-Hopブロークンビーツ、アフロ、ビートミュージック等を独自の感性で融合させた音世界は、実に自由で刺激的です。また、儚く甘美な楽曲はオルタナティブR&Bとしても楽しめます。

1枚の中にダンス・ミュージックとオルタナティブR&Bがバランス良く配されているのがアルバムの魅力です。

新世代ミュージシャンらしい多彩なビート感覚は、今ジャズ的な視点からも楽しめるのでは?

全曲紹介しときやす。

「Cooler」
儚く甘美な空気が漂うオープニング。ゆったりとした音世界の中にジワジワと引き込まれていきます。
https://www.youtube.com/watch?v=skqMIHj9tk4

「Still In The Shell」
Wayneの繊細なヴォーカルや孤高の佇まいには、D'Angeloに通じる魅力があります。
https://www.youtube.com/watch?v=1pTIYPzE0Ws

「Drunk」
新世代ミュージシャンらしいビート感覚を楽しめる1曲。セクシーな魅力があります。
https://www.youtube.com/watch?v=XdYidu1Dn8Q

「Red Runner」
Wayne Snow流のダンス・ミュージックを楽しめます。流行のディスコ/ブギーとベルリンらしいハウス・フィーリングを融合させているのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=pYM6RfHWZf8

「The Rhythm」
僕の一番のお気に入り。タイトルの通り、リズムの洪水で聴く者を陶酔させます。中毒性のあるダークなダンス。ミュージックです。
https://www.youtube.com/watch?v=x_2M0Mi83mQ

「Rosie」
甘美なセクシーR&B。Wayneのヴォーカルやサウンドに色気が漂います。WayneとMax Graefのセンスを感じる1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=mYLPgfuyB4k

「Fall」
オルタナティブR&B的な魅力を感じる1曲。美しくも儚く落ちていきます。後半のビートミュージック的な展開も面白いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=ART28uWYCiI

「Nothing Wrong」
トライバルなリズムが印象的なソウルフル・ハウス調の仕上がり。本作のダンス・アルバムとしての魅力を実感できます。
https://www.youtube.com/watch?v=7aMdg4kdT7A

「Freedom R.I.P.」
人権解放運動に尽力したジンバブエの女性詩人Freedom Nyamubaya(1958-2015年)の詩を引用した1曲。ダンサブル・サウンドにのって自由へのメッセージを歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=8g7U-vg2_zU

「Nothing But The Best」
本編ラストは変則ビートが印象的なオルタナティブR&Bで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=MX3U_OitFy8

国内盤CDには「Rosie (Hubert Daviz Remix)」「Red Runner (Glenn Astro & Imyrmind Remix)」の2曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。

ご興味がある方は、本作に大きく貢献しているプロデューサーMax Graefの作品をチェックするのも楽しいのでは?ハウス好きにオススメです。

Max Graef & Glenn Astro『The Yard Work Simulator』 (2016年)
The Yard Work Simulator [帯解説 / 国内仕様輸入盤CD] (BRZN227)
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2017年04月30日

Ondatropica『Baile Bucanero』

"コロンビア版ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ"の第2弾☆Ondatropica『Baile Bucanero』
バイレ・ブカネロ
発表年:2017年
ez的ジャンル:コロンビア版ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ
気分は... :トロピカル!

新作アルバムから、UK出身のDJ/ミュージシャン/プロデューサーQuanticことWill Hollandとコロンビア人ミュージシャンMario Galeanoによるコロンビア音楽の一大プロジェクトOndatropicaの第2弾アルバム『Baile Bucanero』です。

UK出身のDJ/ミュージシャン/プロデューサーQuanticことWill Hollandに関して、これまで当ブログで紹介した作品は以下の7枚。

 The Quantic Soul Orchestra『Stampede』(2003年)
 The Quantic Soul Orchestra『Pushin On』(2005年)
 Quantic Presenta Flowering Inferno『Death Of The Revolution』(2008年)
 Quantic & Alice Russell With The Combo Barbaro『Look Around The Corner』(2012年)
 Quantic『Magnetica』(2014年)
 Quantic Presents The Western Transient『A New Constellation』(2015年)
 Quantic Presenta Flowering Inferno『1000 Watts』(2016年)

コロンビア音楽の伝説的なミュージシャンを集結させた"コロンビア版ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ"とも呼べるプロジェクト、Ondatropicaの第1弾アルバム『Ondatropica』(2012年)から5年・・・1枚限りのプロジェクトと思われたOndatropicaの第2弾作品が届けられました。

Quanticを通して、さまざまなコロンビア音楽を紹介する、といった内容のアルバムです。そのため、通常のQuantic作品よりも好みが分かれる作品かもしれません。ワールド・ミュージック好きの人であれば、楽しめる1枚だと思います。

クンビアに収まず、幅広くコロンビアの音を紹介しているのが印象的です。レゲエ/ダンスホール、カリプソ/ソカ、アフロなどのエッセンスも取り入れています。

最初は耳馴染みが良くないかもしれませんが、聴き重ねるほどに、豊かなリズムの虜になります。

リード曲となったカリビアン・ファンク「Hummingbird」、Michi Sarmientoがサックス&ヴォーカルで盛り上げてくれる「La Naranja Madura」「Bogota」、カリプソ/ソカ調の「Lazalypso」、アフロ・コロンビアンな「Caldo Parao」、完全にダンスホール・スタイルのレゲエ「Come Back Again」あたりがクセになります。

中南米ならではの開放的な音色がポジティヴな気分にさせてくれます。

全曲紹介しときやす。

「Commotion」
Quanticの別プロジェクトFlowering Infernoに通じるレゲエ/ダブ調のオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=J-iacYYWpVw

「La Naranja Madura」
前作にも参加していたサックス奏者Michi Sarmientoがサックス&ヴォーカルで参加。開放的なリズム&ホーンで一気にバカンス気分に・・・

「Hummingbird」
アルバムからのリード曲となったカリビアン・ファンク。Michi Sarmientoらが見事なホーン・アンサンブルで盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=AW2v5Yqt84I

「De Mar A Mar」
Quantic作品ではお馴染みのコロンビア人女性シンガーNidia Gongoraをフィーチャー。少しノスタルジックな雰囲気の中で、Nidiaの華のあるヴォーカルが栄えます。

QuanticとNidia Gongoraといえば、5月にQuantic & Nidia Gongora名義のアルバム『Curao』がリリースされます。こちらも楽しみです。
Quantic & Nidia Gongora『Curao』
Curao [帯解説・歌詞対訳 / ボーナストラック1曲収録 / 国内盤] (BRC547)

「Malaria」
コロンビア音楽ならではのイナタさに、少しアッパーなリズムが加わり、独特の味わいを醸し出します。
https://www.youtube.com/watch?v=CUEYRrmbkBE

「Lazalypso」
カリプソ/ソカ調の開放感が気持ちいいですね。そんな中でQuanticのギターがいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=lbtOQGdJpOA

「Caldo Parao」
アフロのエッセンスを取り入れた演奏です。このアフロ・コロンビアン・サウンドはアフロ・ジャズ好きの人にもグッとくるはず!
https://www.youtube.com/watch?v=bdsqb6m6V80

「Estar Contigo」
この曲もアフロ・コロンビアン・サウンドです。昔のワールド・ミュージックを思い出します。

「Come Back Again」
これは完全にダンスホール・スタイルのレゲエです。このあたりはQuanticには朝飯前かもしれませんね。

「Soy Campesino」
前作にも参加していたMarkitos Mikoltaがリード・ヴォーカルをとる哀愁クンビア。Quanticがアコーディオンで盛り上げてくれます。

「Boga Conoero」
リズミック+汎ラテン的な魅力があります。ラテンらしい泣きのメロディと男女ヴォーカルの掛け合いがいい感じです。

「Bogota」
再びMichi Sarmientoのヴォーカル&サックスをフィーチャー。開放的なリズム&サウンドと激シブなMichi Sarmientoのヴォーカルの組み合わせが絶妙です。
https://www.youtube.com/watch?v=vnNQh6VWDDQ

「Trustin'」
レゲエ調ですがコロンビア風味が加わり、イナたい魅力があります。
https://www.youtube.com/watch?v=xlmDt9tcpjE

「Cumbia Bucanero」
タイトルの通り、クンビアです。緩急つけた展開で楽しませてくれますが、特に後半のヒートアップがいいです。
https://www.youtube.com/watch?v=gE4Ed6V4wsw

「Just A Moment」
ラストはバカンス・モードの寛いだ雰囲気で締め括ってくれます。

未聴の方は1stアルバム『Ondatropica』(2012年)もチェックを!

Ondatropica『Ondatropica』(2012年)
Ondatropica

合わせてQuantic関連の他作品もチェックを!

Quantic『The 5th Exotic』(2001年)
The 5th Exotic

Quantic『Apricot Morning』(2002年)
Apricot Morning (TRUCD034)

The Quantic Soul Orchestra『Stampede』(2003年)
Stampede

The Limp Twins『Tales From Beyond the Groove 』(2003年)
Tales from Beyond the Groove (TRUCD057)

Quantic『Mishaps Happening』(2004年)
Mishaps Happening

The Quantic Soul Orchestra『Pushin On』(2005年)
Pushin On (TRUCD074)

Quantic『An Announcement to Answer』(2006年)
An Announcement to Answer (TRUCD100)

The Quantic Soul Orchestra with Spanky Wilson『I'm Thankful』(2006年)
I'm Thankful

The Quantic Soul Orchestra『Tropidelico』(2007年)
Tropidelico (TRUCD139)

Quantic Presenta Flowering Inferno『Death Of The Revolution』(2008年)
Death Of The Revolution [日本語解説付き国内盤] (BRTRU163)

Quantic & His Combo Barbaro『Tradition in Transition』(2009年)
Tradition in Transition (TRUCD190)

Quantic Presenta Flowering Inferno『Dog With a Rope』(2010年)
Dog With A Rope [ボーナストラック2曲・日本語解説付き国内盤] (BRC-262)

Quantic & Alice Russell With The Combo Barbaro『Look Around The Corner』(2012年)
Look Around The Corner [解説付 / ボーナストラック2曲収録 / 国内盤] (BRC325)

Quantic『Magnetica』(2014年)
Magnetica [帯解説・ボーナストラック2曲収録 / 国内盤] (BRC415)

Quantic Presents The Western Transient『A New Constellation』(2015年)
A NEW CONSTELLATION [帯解説・ボーナストラック収録] (BRC477)

Quantic Presenta Flowering Inferno『1000 Watts』(2016年)
1000 Watts [帯解説・ボーナストラック4曲収録 / 国内盤CD] (BRC514)
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