2018年04月22日

Blue Lab Beats『Xover』

新世代ミュージシャンが多数参加。UKビートメイキング・デュオのデビュー作☆Blue Lab Beats『Xover』
クロスオーヴァー
発表年:2018年
ez的ジャンル:新世代ジャズ系UKビートメイキング・デュオ
気分は... :これぞ新世代サウンド!

新作アルバムから期待のUKビートメイキング・デュオBlue Lab Beatsの1stアルバム国内独自編集盤『Xover』です。

Blue Lab Beatsは、ビートメイカーNK OKことNamali Kwatenと、マルチ・インストゥルメンタル・プレイヤーMr DMことDavid Mrakporという若き才能2人がロンドンで結成したユニット。

Namali Kwatenの父はUKアシッド・ジャズの人気グループD-InfluenceのメンバーであったKwame Kwatenです。現在のKwame Kwatenは注目のUK女性シンガーLaura Mvulaのマネジャーとなっています。

これまで「Blue Skies EP」(2016年)、「Freedom EP」(2017年)という2枚のEPをリリースしてきた彼らが昨年末にデジタル・リリースした1stアルバムが『Xover』です。

今回紹介する国内独自編集盤『Xover』は、オリジナル『Xover』の13曲に「Freedom EP」、「Blue Skies EP」の楽曲を加えた全18曲構成となっています。

本作が注目されるもう1つの要因は、南ロンドンを拠点とするUKジャズ新世代ミュージシャンが大挙して参加している点です。

主なところを挙げると、UKジャズ・バンドEzra CollectiveのメンバーDylan JonesFemi KoleosoMoses Boyd Exodusを率いるロンドンの気鋭ジャズ・ドラマーMoses Boyd、女性サックス奏者Nubya Garcia、ロンドンのアフロビート・バンドKokorokoを率いる女性トランぺッターSheila M.Maurice-Greyと同じくメンバーである女性トロンボーン奏者Richie Seivwright、UKクロスオーヴァー・ジャズ・ユニットTriforceのキーボード奏者Dominic Canning

これらのミュージシャンはGilles Petersonが期待のUKジャズ新世代を集めたコンピ・アルバム『We Out Here』で紹介されています。
『We Out Here』(2018年)
We Out Here

ちなみに先週に最新作『Your Queen Is A Reptile』を紹介したSons Of KemetのリーダーであるUKブラック・ジャズの最高峰Shabaka Hutchingsも『We Out Here』で紹介されています。そういえば、『Your Queen Is A Reptile』には上記ミュージシャンのうち、Moses Boyd、Nubya Garciaが参加していました。

話を本作『Xover』の参加ミュージシャンの話に戻すと、それ以外にNubya Garcia、Sheila M.Maurice-Greyも参加する女性ジャズ・バンドNerija、Triforceとも共演するサックス奏者Kaidi Akinnibi、南ロンドン出身のピアニストAshley HenryやベーシストDaniel Casimir等の新世代ミュージシャンが参加しています。

さらにはRuby FrancisNiCeOthaSoulLala &ceKojey RadicalTiana Major9James VickeryBoitumelo MpyeLouis VIといったシンガー/ラッパーが参加しています。

このように参加ミュージシャンをチェックするだけでも楽しいアルバムですが、中身も南ロンドンの今を感じることができる充実作です。

J Dillaの影響を感じるHip-Hopサウンドやネオソウル調R&Bサウンドとロンドン新世代ジャズ・サウンドをビートメイカーらしいセンスで巧みに融合しています。クラブジャズ、フットワーク、ブロークンビーツ、カリビアン等のエッセンスを取り入れた楽曲があるあたりがロンドンらしいですね。

評論家の中には今ジャズとクラブジャズの間に一線を画し、今ジャズの面白さを主張する人もいますが、個人的には両者を区別すること自体馬鹿らしいと感じていたので、Hip-Hop/R&B、今ジャズ、クラブジャズ全てを飲み込んでしまうBlue Lab Beatsのようなアーティストは大歓迎です。

今のロンドンは興味深い音に溢れていますね。

全曲紹介しときやす。

「Intro」
幻想的なイントロ。

「Tea」
カリビアン系の男性シンガー・ソングライターMelo-Zedのギターをフィーチャー。ジャジーHip-Hop調のメロウなインスト・チューンです。

「Say Yes」
Ruby Francis & Ashley Henryをフィーチャー。キュートなRuby Francisの女性ヴォーカルを生かしたネオソウル調の仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=ViU5xI2E_oQ

「Watch It x Blue Katana」
NiCe & Femi Koleosoをフィーチャー。J Dillaの影響を感じるNK OKのビートメイカーとしてのセンスを楽しめるトラックです。

「Dome」
ロンドンのHip-HopユニットOthaSoulのラップとDaniel Taylorのトークボックスをフィーチャー。J Dilla調ビート+トークボックス入りシンセ・ファンクな仕上がりは、UK版"Robert Glasper Experiment"といった趣です。
https://www.youtube.com/watch?v=LH4awKOWBlc

「Xover」
タイトル曲はMoses Boydをフィーチャー。スリリングなMoses Boydのドラミングを満喫できる短いインスト。

「Pineapple」
Moses Boyd & Nerijaをフィーチャー。カリビアン・テイストのレイドバック感が心地好いトロピカル・ジャズで和ませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=2ScpnUpCsM4

「Pina Colada」
Nubya Garciaのサックス、Richie Seivwrightのトロンボーンをフィーチャー。この曲もカリビアン・テイストですが、フューチャリスティックな雰囲気が加わったロンドンらしいサウンドを楽しめます。

「8O8」
Sheldon Agwu、Terry Smiles、Lala &ceをフィーチャー。Lala &ceの妖艶なヴォーカルが映える先鋭的なジャズ・サウンドはクラブジャズ好きの人も気に入るはず!

「Run Away」
Kaidi Akinnibiのサックスをフィーチャー。フットワーク調のトライバルなアッパー・サウンドで駆け抜けるロンドン新世代らしい仕上がり。

「Timeless」
Daniel Taylor、Dominic Canning、Dylan Jones、Ashley Henryをフィーチャー。トークボックス入りのAOR調メロウ・サウンドはThundercat『Drunk』あたりに通じるアプローチです。

「Sam Cooke & Marvin Gaye」
「Freedom EP」収録曲。Kojey Radical、Tiana Major9をフィーチャー。偉大なソウルマン2人を冠したタイトルですが、ネオソウル調のドリーミー・チューンに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=wEds2YR6QOA

「Blue Skies」
「Blue Skies EP」収録曲。Ashley Henry、Piers Haynes、Daniel Casimir、William Francis、Sheila M.Maurice-Greyをフィーチャー。Hip-Hop世代のジャズ・サウンドという点では"ロンドン新世代からUS今ジャズへの返答"とでも呼びたくなるインストです。
https://www.youtube.com/watch?v=xsTp_29XkW8

「My Dream」
James Vickeryをフィーチャー。このユニットの新世代らしいサウンド・センスを楽しめるR&Bチューン。ドリーミーな浮遊感が僕好みです。
https://www.youtube.com/watch?v=_k4TxTJsgt8

「Oooo Lala」
Kaidi Akinnibiをフィーチャー。メロウな中にも新世代ジャズらしさを感じるインスト。Roy Ayers調のヴァイヴの音色が心地好いです。
https://www.youtube.com/watch?v=zgRqpvGan0k

「Outro」
Daniel Taylorをフィーチャー。本編の余韻を楽しめるアウトロ。

ここからの2曲はボーナス・トラック扱い。

「Sweet Thing」
「Blue Skies EP」収録曲。Boitumelo Mpyeのキュートな女性ヴォーカルが映えるスウィートなネオソウル・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=f1CoLPDhYmM

「Freedom」
「Freedom EP」収録曲。Feat.Louis VIをフィーチャー。ジャズ・フィーリングのHip-Hopチューンで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=QWl8YR6dlHI

ご興味がある方は本作に参加しているEzra Collectiveあたりの作品もチェックしてみては?

Ezra Collective『Chapter 7 + Juan Pablo: The Philosopher』(2017年)
Chapter 7 + Juan Pablo: The Philosopher [日本限定独自企画盤]
posted by ez at 01:47| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月15日

Sons Of Kemet『Your Queen Is A Reptile』

次世代UKブラック・ジャズの最高峰Shabaka Hutchings率いるジャズ・ユニット☆Sons Of Kemet『Your Queen Is A Reptile』
Your Queen Is A Reptile
発表年:2018年
ez的ジャンル:次世代UKジャズ/アフロ・ジャズ
気分は... :衝撃の次世代ジャズ!

新作から注目のUKジャズ作品Sons Of Kemet『Your Queen Is A Reptile』です。

Sons Of Kemetは、次世代UKブラック・ジャズを牽引するジャズ・サックス奏者Shabaka Hutchingsが率いるジャズ・ユニット。

これまでNaim Jazzから『Burn』(2013年)、『Lest We Forget What We Came Here to Do』(2015年)という2枚のアルバムをリリースしています。

結成時のメンバーはShabaka Hutchings(sax)、Oren Marshall(tuba)、Tom Skinner(ds)、Seb Rochford(ds)という4名。

リーダーのShabaka Hutchingsは1984年ロンドン生まれ。南アフリカの精鋭ジャズ・ミュージシャンを従えたShabaka And The Ancestors『Wisdom Of Elders』(2016年)は、"ロンドンからKamasi Washingtonへの回答"と評され、一躍注目の存在となりました。Sons Of Kemet以外にMelt Yourself DownThe Comet Is Comingといったユニットにも参加しています。

また、ドラマーのSeb RochfordはUKエクスペリメンタル・ジャズ・バンドPolar Bearのリーダーとしても知られるミュージシャンです。

話を『Your Queen Is A Reptile』に戻すと、3rdアルバムとなる本作はImpulse!への移籍第一弾アルバムとなります。

アルバム・タイトルは女王を頂点とする英国の君主制、階級社会を皮肉ったものであり、すべての曲(すべてShabaka Hutchingsのオリジナル)のタイトルは「My Queen is 〜」のようになっており、英国女王ではない自分達の女王を提示している社会派作品になっています。

本作におけるメンバーは前作『Last Evenings On Earth』(2016年)と同じく、Shabaka Hutchings(sax)、Theon Cross(tuba)、Tom Skinner(ds)、Seb Rochford(ds)という4名。

さらに‎Rebel MCとしても知られるラガ/ジャングルの革命児Congo Natty(vo)、LV & Joshua Idehen名義の作品リリースで知られるJoshua Idehen(vo)、Eddie Hicks(ds)、ロンドンの気鋭ジャズ・ドラマーMoses Boyd(ds)、Maxwell Hallett(ds)、Melt Yourself DownのリーダーPete Wareham(sax)、期待の女性ジャズ・サックス奏者(sax)がゲスト参加しています。

プロデュースはShabaka HutchingsDemus(Dilip Harris)

Two Banks Of Four(2BO4)等の活動で知られるDemusは、これまでの2枚のアルバムでも裏方として関与してきましたが、本作はプロデューサーとしてより深く作品に関わっています。

Demusの関与からも想像できるように、今ジャズ・リスナーのみならずクラブジャズ・リスナーも惹きつける1枚に仕上がっています。

基本編成はツイン・ドラムとサックス、チューバという変則的な編成ですが、ツイン・ドラムによる強力リズムをバックに、Shabakaがブラックネスに溢れたサックスを披露してくれます。また、Theon CrossのチューバがShabakaとのホーン・アンサンブルのみならず、ベース代わりにリズム隊を補完し、地味ながらも活躍しています。

全体的にトライバル・リズムによるアフロ・ジャズ的な演奏が多いのが僕の嗜好にフィットします。また、レゲエ/ダブ、カリブあたりのエッセンスを取り入れた演奏もあります。

闘う次世代UKジャズは今ジャズ・リスナーが聴いても、クラブジャズ・リスナーが聴いてもインパクトのある1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「My Queen is Ada Eastman」
Joshua Idehenをフィーチャー。ツイン・ドラムによるトライバル・リズムとShabakaのサックス、Theon Crossのチューバがアッパー&アヴァンギャルドに疾走します。聴いているうちに、ポスト・パンク系UKジャズ・ファンク・バンドPigbagを思い出してしまいました。本作のコンセプトも含めてUKポスト・パンクからの影響もあるかもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=T19IrfO3-LQ

「My Queen is Mamie Phipps Clark」
Congo Nattyをフィーチャー。ラガ・スタイルのCongo Nattyのヴォーカルも含めて、レゲエ/ダブの影響を感じる演奏です。本作のコンセプトを踏まえれば、レベル・ミュージックの代表格であるレゲエのスタイルを取り入れるのは当然かもしれませんね。

「My Queen is Harriet Tubman」
トライバルに疾走する格好良さがたまりません。ドラム、サックス、チューバのみでこんなエキサイティングなサウンドを生み出してしまうのが凄いですね。これぞ"ロンドンからKamasi Washingtonへの回答"といった内容の演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=twjaSC5Ym9s

「My Queen is Anna Julia Cooper」
Melt Yourself DownのリーダーPete Warehamがサックスで参加。ShabakaとPete Warehamのサックスの掛け合いも含めて、クールな中に知的アヴァンギャルドを感じる演奏です。

「My Queen is Angela Davis」
アフロ・ジャズのエッセンスを強調した演奏です。中盤以降、一気に加速してエキサイティングな展開になります。Shabakaのサックスに負けないTheonのチューバの存在感もグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=HQOzgdAAirs

「My Queen is Nanny of the Maroons」
ダビー&トライバルな雰囲気ですが、本作の中で最もマイルドな演奏です。

「My Queen is Yaa Asantewaa」
期待の女性サックス奏者Nubya Garciaが参加。Shabaka、Theonとの素晴らしいアンサンブルを披露してくれます。最新形UKジャズを楽しめます。

「My Queen Is Albertina Sisulu」
強力トライバル・リズムに乗って、Shabaka、Theonが快調なプレイを繰り広げる、このユニットのエキサイティングな魅力がコンパクトに詰まっています。

「My Queen is Doreen Lawrence」
ラストは再びJoshua Idehenをフィーチャー。ダイナミックなドラム・アンサンブルとベースのように響くTheonのチューバが生み出すグルーヴが格好良いですね。Shabakaのプレイにはエスニックな雰囲気も漂います。
https://www.youtube.com/watch?v=vnacmss4bPc

Sons Of Kemetの他作品やShabaka Hutchingsの関連作品もチェックを!

『Burn』(2013年)
BURN

『Lest We Forget What We Came Here to Do』(2015年)
LEST WE FORGET

Shabaka And The Ancestors『Wisdom Of Elders』(2016年)
Wisdom of Elders [帯解説 / 国内盤] (BRC529)

Melt Yourself Down『Melt Yourself Down』(2013年)
Melt Yourself Down

Melt Yourself Down『Last Evenings On Earth』(2016年)
Last Evening On Earth

The Comet Is Coming『Channel The Spirits』(2016年)
Channel The Spirits
posted by ez at 01:43| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月12日

Jesse Boykins III & MeLo-X『Zulu Guru』

R&B/Hip-Hopの新たな方向性を示した1枚☆Jesse Boykins III & MeLo-X『Zulu Guru』
Zulu Guru [帯・解説付き・国内盤仕様 / 輸入盤] (BRZN191)
発表年:2012年
ez的ジャンル:新世代R&B/Hip-Hop
気分は... :真理はどこに・・・

今回はカリスマ的存在感を放つ男性R&BアーティストJesse Boykins IIIがN.Y.出身のDJ/プロデューサー/ラッパーMelo-Xと共同名義でリリースしたアルバムJesse Boykins III & MeLo-X『Zulu Guru』(2012年)です。

1985年シカゴ生まれの男性R&BアーティストJesse Boykins IIIの紹介は、Machinedrumがプロデュースした『Love Apparatus』(2014年)に続き2回目となります。

Ninja Tuneからリリースされた本作『Zulu Guru』(2012年)はリリース当時からR&B/Hip-Hopの新たな方向性を示したアルバムとして評価が高かった1枚ですね。

Jesse Boykins III自身は自らの音楽を"ワールド・ソウル"と称しているようであり、本作もアルバム・タイトルにはアフリカ、神秘的なジャケットにはアジアを感じます。実際のサウンドにもアフリカ、アジアのエッセンスを感じる楽曲があります。

Jesse Boykins IIIMelo-X以外にAfta-1Gora SouA.CHALTrackademicsBig MonoJ.MostAngoがサウンドを手掛けています。

『Jazz The New Chapter』方面からも注目度が高い男性R&BシンガーChris Turnerをはじめ、Trae HarrisMorufJoe KennethMara HrubryAngoKesedStreet Etiquetteといったアーティストがフィーチャリングされています。

Chris Turner、Moruf、Street EtiquetteはJesse Boykins IIIが主宰するアート・コレクティヴThe Romantic Movementのメンバーでもあります。ちなみに本作のソングライティングは全てThe Romantic Movement名義です。

フューチャリスティック&コズミックなエレクトリック・サウンドとジャケ・イメージそのままの神秘的な雰囲気を融合させたサウンドで独自の音世界を切り拓いているのが魅力的です。

D'AngeloSteve Spacekを引き合いに出されることも多かった本作ですが、確かにD'Angeloのカリスマ性とSteve Spacekのフューチャリスティックな斬新さを持ち合わせた1枚かもしれません。

アートや美学を感じる新世代R&B/Hip-Hop作品です。

全曲紹介しときやす。

「Zulu Guru (Part I)」
Trae Harrisをフィーチャー。ズールーについて語るアルバムのイントロ。

「I'm New Here」
MeLo-Xがトラックを手掛けた哀愁モードのエレクトリック・ソウル。フューチャリスティックで神秘的な音世界に引き込まれます。

「Black Orpheus」
Afta-1がサウンドを手掛けたアルバムからのリード・シングル。アフロ・パーカッシヴ&コズミックなトラックの中でJesseのヴォーカルが浮遊し、MeLo-Xのラップがパーカッシヴ・リズムとシンクロします。
https://www.youtube.com/watch?v=JpxsRwnRwCQ

「Change Of Heart」
Chris TurnerとニュージャジーのラッパーMoRufをフィーチャー。ギターが織り成すビューティフル・サウンドとChris Turnerのファルセット・ヴォーカルが夢心地の気分にさせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=jBebA-KGzCc

「Broken Wings」
元々MeLo-X『More Merch』(2010年)に収録されていた楽曲。 MeLo-Xによる幻想的でフューチャリスティックなトラックが冴えます。MeLo-Xのキレのあるラップもグッド!

「Schwaza」
Joe Kennethによるスポークン・ワードをフィーチャー。タイトルはJesseらによる造語であり、正しく理解すること、感謝することを意味するらしいです。

「The Perfect Blues」
Jesse Boykins IIIがGora Souと制作した楽曲。来日中に鎌倉の大仏、寺、神社で撮影されたPVも印象的です。幻想的なミディアムR&Bですが、東洋哲学の影響もあるのかもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=qzIPPKPtAJ8

「Searching Her Ways」
A.CHALがサウンドを手掛けています。ダイナミズムのある近未来的エレクトリック・ソウルは僕好みのダンサブルな仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=4amhAERSHvs

「Primal Chance」
Mara Hrubryの女性ヴォーカルをフィーチャー。Trackademicsがサウンドを手掛け、リズミックなエレクトリック・サウンドとヴォーカルワークが絶妙にマッチした完成度の高い1曲。
https://www.youtube.com/watch?v=c86j3P1Ita4

「Strange Recreation」
Big Monoがサウンドを手掛けています。タイトルの通り、不思議な音世界に引き込まれるコズミック&ダビーなミディアム・チューン。

「Tribe Of Stafa」
J.Mostがサウンドを手掛けています。ストリングスによるイントロを切り裂くようにトライバル・リズムとMeLo-Xのラップが駆け抜けていきます。

「Better For You (Remix)」
カナダ出身のシンガー/プロデューサーAngoをフィーチャー。リズミックなエレクトリック・サウンドが神秘的な音世界を構築します。

「Outta My Mind」
再びChris Turnerをフィーチャー。東洋哲学の影響も感じる内省的な1曲に仕上がっています。

「Zulu Guru (Part II)」
Kesedをフィーチャー。ズールーについて語るパート2。

「Schwaza Culture」
Street Etiquetteをフィーチャー。再びSchwazaがタイトルに登場します。MeLo-Xが手掛ける壮大かつダンサブルなエレクトリック・サウンドが格好良いです!

Jesse Boykins IIIの他作品もチェックを!

『The Beauty Created』(2008年)
The Beauty Created

『Love Apparatus』(2014年)
LOVE APPARATUS [国内盤/解説付/ボーナス・トラック3曲収録]
posted by ez at 02:53| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月08日

The APX『Electrik Funk』

完成度の高い夫婦モダン・ファンク☆The APX『Electrik Funk』
Electrik Funk
発表年:2017年
ez的ジャンル:USモダン・ファンク
気分は... :80年代愛!

今回は新作アルバムからUSモダン・ファンク/ブギー作品、The APX『Electrik Funk』です。

The APXは、アトランタを拠点に活動するDee RhodesErika Rhodesの夫婦ユニット。

元々はパーティーやイベントでディスコ・カヴァーを演奏するプロジェクトとして活動していましたが、オリジナル作品をリリースするようになり、The APX名義での活動をスタートさせました。グループ名はThe After Party Experienceの略です。

そんなThe APXのデビュー・アルバムが本作『Electrik Funk』です。昨年スペインの新興レーベルThe Sleepers Recordzからリリースされ、国内盤が今年リリースされました。

輸入盤を聴いて気に入っていたのですが、ジャケがデザイン・材質共にショボかったので購入を保留していました。今回、国内盤がリリースされ、ようやく踏ん切りがつきゲットしました。

アルバム全編を通して、80年代愛に溢れたキャッチーなモダン・ファンク作品に仕上がっています。

Evelyn "Champagne" Kingのカヴァー「I'm in Love」以外はオリジナルですが、80年代ダンス・クラシックのカヴァーと錯覚しそうな曲・サウンド作りの巧みさに感心してしまいます。。

モダン・ファンク作品の中には、サウンドはいいけどヴォーカルが惜しい!といった作品も少なくありませんが、本作はErikaの艶やかな女性ヴォーカルの素晴らしさも光っています。

また、ファンク/ブギーに加え、第2次ブリティッシュ・インベンションあたりのUKダンス・サウンドやN.Y.ソウルフル・ハウスのエッセンスを取り入れた楽曲でアルバムにメリハリをつけているのもグッド!

とりあえず「Right On Time」「Sweet Surrender」「Lose Yourself to the Groove」あたりを聴けば、本作の魅力を実感できるはずです。

全曲紹介しときやす。

「Sweet Surrender」
シンセのヴィヴィドな響きが印象的なエレクトリック・ブギーがオープニング。80年代サウンドを現代モードにアップデートした感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=vmO_TaaWkM4

「Lose Yourself to the Groove」
80年代カヴァーと錯覚しそうなミディアム・ファンク。Erikaのダイナマイト・ヴォーカルが映えます。Deeがプレイするサックスもいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=6-S__1E9fuU

「Digital Lover」
80年代サウンドのエッセンスを今時のモダン・ファンクのセンスでまとめたソリッドなディスコ・ファンク。匿名ディスコ・プロジェクト的な魅力があります。
https://www.youtube.com/watch?v=-s2JtTq0dpg

「Spontaneous」
アンダーグラウンド感のあるエレクトリックなダンサブル感がグッド!第2次ブリティッシュ・インベンションあたりのUKダンス・サウンドの影響も感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=ybNwtEGxgAE

「I'm in Love」
Evelyn "Champagne" King、1981年全米R&BチャートNo.1のダンス・クラシックをカヴァー(Kashif作)。オリジナルは当ブログでも紹介した『I'm In Love』に収録されています。ここではオリジナルの雰囲気を受け継ぎつつ、ヴォコーダーやサックスでアクセントをつけるなどモダン・ファンクらしいテイストでキャッチーさをマシマシにしています。
https://www.youtube.com/watch?v=E2UX4AMp9ZE

「Say You Will」
モダン・ファンクと90年代ソウルフル・ハウスを融合させた1曲。ヴォーカル・ハウス好きにはグッとくる仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=EV_VmEUz-Vk

「Truth or Dare」
この曲も「Say You Will」の流れを継続したハウス調の仕上がり。アンダーグラウンド・モードの妖しげなダンス・サウンドが印象的です。

「Right On Time」
シングル・カットもされたディスコ・ファンク。初めて聴いたのに懐かしさを感じるダンス・クラシックに通じるキャッチーさがあります。Erikaのヴォーカルにはこのタイプのサウンドがよくフィットします。
https://www.youtube.com/watch?v=LJF9-AlcvY8

「Crushing On You」
ここではDeeがリード・ヴォーカルをとります。ミッドナイト・モードの疾走感がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=0lea2f_1W6Y

「Sugar Honey Iced Tea」
Prince殿下へのリスペクトを感じるミネアポリス・テイストのポップ・ダンスに仕上がっています。

「Good Life」
ヴォコーダーを強調したアーバン・ファンク。軽くトライバルなテイストを効かせているのが僕好み。

「Electrik Funk Deluxe」
ラストはヴォコーダーを駆使したモダン・ファンクらしいミディアム・ファンクで締め括ってくれます。

スペインの新興レーベルがこういったアーティストを発掘するというのが興味深いですね。
posted by ez at 01:32| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月01日

Seun Kuti & Egypt 80『Black Times』

Fela KutiのDNAを受け継ぐ最新形アフロビート!☆Seun Kuti & Egypt 80『Black Times』
BLACK TIMES [帯・日本語解説付国内仕様盤]
発表年:2018年
ez的ジャンル:Fela Kuti直系アフロビート
気分は... :レベル・ミュージック!

新作アルバムから、アフロビートの創始者Fela Kutiの一番下の息子Seun Kutiが、父も率いたグループEgypt 80を従えた最新4thアルバム『Black Times』です。

1982年生まれのサックス奏者/ヴォーカリストSeun Kutiの紹介は2ndアルバム『From Africa With Fury: Rise』(2011年)、3rdアルバム『A Long Way To The Beginning』(2014年)に続き3回目となります。

前作に続き、先鋭ジャズ・ピアニストRobert Glasperを共同プロデューサーに迎えているようです(所有する輸入盤ではクレジットを発見できませんでしたが・・・)。

Fela Kutiが遺した"アフロビート"という世界遺産の素晴らしさを受け継ぎつつ、さらに2018年仕様にアップデートさせている点が魅力の1枚です。各曲のタイトルからして、父の遺志を継いだレベル・ミュージックになっているのがいいですね。

大物ギタリストCarlos Santanaをフィーチャーしたタイトル曲「Black Times」や、刺激なタイトルのオープニング「Last Revolutionary」あたりが目立ちますが、個人的には「Corporate Public Control Department (C.P.C.D.)」「Struggle Sounds」「Theory Of Goat And Yam」あたりもアフロビートの魅力に溢れていて大好きです。

普段、アフロビートを聴かない人にも聴いて欲しい、最新形アフロビートの魅力が詰まった1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Last Revolutionary」
父の遺志を継ぐ、権力と闘うアフロビートでアルバムは幕を開けます。パワフルなリズム隊、軽快なギター・カッティング、鼓舞するようなホーン・サウンドを従え、Seun Kutiのヴォーカルが人々を扇動します。
https://www.youtube.com/watch?v=CvU2O6YSkco

「Black Times」
タイトル曲はCarlos Santanaをフィーチャー。黒人としてのプライドを訴えるSeun Kutiのメッセージに呼応するようにSantanaのギターが唸りを上げるエネルギッシュな仕上がり。大物ゲストに敬意を払いつつ、現行アフロビートのパワーを伝えてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=HRggdDV-dBc

「Corporate Public Control Department (C.P.C.D.)」
曲タイトルからしてFela KutiのDNAを強く感じる戦闘モードのアフロビート。同時に格好良すぎる最新アフロビートのグルーヴを存分に満喫できます。僕の一番のお気に入り。

「Kuku Kee Me」
Fela Kutiのバックを務めていた元Egypt 80のサックス奏者Rilwan Fagbemiとの共作。攻撃的なアフロビートですが、ダイナミックなホーン・サウンドにはアフロ・ジャズ的な魅力もあります。

「Bad Man Lighter (B.M.L.)」
漆黒のリズム隊の格好良さにグッとくる1曲。勢いだけではない緻密に練られたアフロビートを楽しめます。

「African Dreams」
少しテンポを落としたアフロ・ジャズ。女性コーラス隊との掛け合いがいいですね。終盤の加速するアンサンブルも格好良いです。

「Struggle Sounds」
「Corporate Public Control Department (C.P.C.D.)」と並ぶ僕のお気に入り。初っ端のバリトン・サックスとSeun&コーラス隊の掛け合いを聴いただけでテンション上がりまくりです!父が創り出したアフロビートの初期衝動的な魅力を失わず、2018年仕様にアップデートされている感じがたまりませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=jOJrqWfF9Sg ※ライブ音源

「Theory Of Goat And Yam」
攻撃的ホーン・アンサンブルに脳内を刺激されるアッパーな直線的アフロビートでアルバムを締め括ってくれます。スピード感はアルバムで一番!

Seun Kutiの過去作品もチェックを!

『Many Things』(2008年)
Seun Kuti & Fela's Eygpt 80

『From Africa With Fury: Rise』(2011年)
From Africa With Fury: Rise

『A Long Way To The Beginning』(2014年)
Long Way to the Beginning
posted by ez at 00:27| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする