2017年08月13日

Harriet Brown『Contact』

L.A.発ロマンティック・ファンク!☆Harriet Brown『Contact』
CONTACT (コンタクト)
発表年:2017年
ez的ジャンル:西海岸ロマンティック・ファンク
気分は... :ダーク・パープルな音世界!

今回は新作R&Bから、L.A.を拠点に活動する男性R&BアーティストHarriet Brownのデビュー・アルバム『Contact』です。

Harriet BrownことAaron Valenzuelaはベイ・エリア出身のシンガー/プロデューサー/ソングライター/パフォーマー。フィリピン系アメリカ人で現在27歳。

Harriet Brown名義での活動を開始後、2014年にはカナダの注目グループBadBadNotGoodの作品等をリリースしているL.A.のレーベルInnovative Leisureとの契約に成功し、拠点をオークランドからL.A.へ移しました。

こうして制作されたデビュー・アルバムが『Contact』です。

自らのサウンドを"ロマンティック・ファンク"と称し、80年代エレクトリック・ファンクやNJSのエッセンスを取り入れたモダン・ファンクで楽しませてくれます。Prince殿下の影響も相当感じます。

個人的にはDam-Funk等のL.A.ファンク+NJS+Prince殿下といった印象ですかね。

まだまだ散漫な印象を受けるアルバムですが、独自の音世界を持ったアーティストとしての可能性は十分感じます。

NJSフィーリングな「Paralyzed」、正にロマンティック・ファンクな「Cryptid」Prince調の「Esp」「Cybernetiplegia」、ダーク・パープルな哀愁ミディアム「Obsession」あたりがオススメです。

先物買いしたい人はチェックしておくと楽しみが増えるのでは?

全曲紹介しときやす。

「Intro」
ロマンティック・ファンクのお披露目といった感じのイントロダクション。

「Esp」
L.A.モダン・ファンクとPrince調ヴォーカルが融合した妖しげな雰囲気がクセになります。

「Paralyzed」
NJSのエッセンスを巧みに取り入れたダンサブルなミディアム・グルーヴ。NJS好きの心をくすぐるメロディ・ライン、サウンドがサイコーです。

「Cybernetiplegia」
Prince調のファルセット・ヴォーカルがハマる1曲。この少し変態チックな雰囲気にグッときます。

「Contact」
タイトル曲はインタールード的なつなぎの1曲。

「Mother」
Prince殿下に通じる魅力を持った哀愁バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=k78KxrtvJcA

「Obsession」
ジャケのようなダーク・パープルが似合いそうな哀愁ミディアム。真夜中に電気を暗くして聴きたいサウンドです。

「Cryptid」
この曲もNJSのエッセンスが効いています!彼が自らのサウンドを"ロマンティック・ファンク"と称するのが良く分かるセクシー&ドリーミーな仕上がり。

「Atlantis」
妖しげな夢の中を彷徨うようかのような音世界が展開されます。

「Outro (Athanasi)」
NJSなフィーリングを満喫しながら、最初のエンディングへ・・・

「In My Head (Alternate Ending)」
夢の中のセクシー&ビューティフル・バラードでもう1つのエンディングへ・・・妖しげな夜の子守歌って感じですね(笑)

世陸男子400Mリレー&ゴルフ全米プロのせいで今日も朝まで起きているパターンですね。
posted by ez at 00:47| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月10日

Ely Bruna『Remember the Time』

Papik作品でお馴染みの女性シンガーの1stソロ☆Ely Bruna『Remember the Time』
Remember the Time
発表年:2010年
ez的ジャンル:イタリアン・ポップ・ジャズ
気分は... :1986年、あの頃の僕は・・・

今回はイタリアを拠点に活動する女性シンガーEly Brunaの1stアルバム『Remember the Time』(2010年)です。

イタリアの人気ポップ・ジャズ・プロジェクトPapikの諸作でフィーチャリングされたことで注目を浴びた女性シンガーEly Brunaの紹介は、2ndアルバム『Synesthesia』(2015年)に続き2回目となります。

彼女に関して、一点、僕の事実誤認があったので訂正を。
てっきりイタリア出身だと思っていましたが、メキシコ生まれ、USA育ち、その後イタリアへ移住というバイオグラフィのようです。

さて、1stソロ・アルバムとなる本作『Remember the Time』(2010年)は、PapikことNerio Poggiがアレンジを担当し、Papik一派らしいポップ・ジャズ・ワールドを展開しています。

1曲を除きカヴァー曲ですが、主に80年代ダンス・ヒットがセレクトされています。このセレクト・センスがイタリアっぽくて面白いですね。有名曲も多いのでオリジナルと聴き比べるのも楽しいと思います。オリジナルから相当変貌しているカヴァーもあります。

個人的には、夏らしいボッサ/メロウ・グルーヴな楽曲に惹かれます。その意味ではCoronaのカヴァー「The Rhythm of the Night」、Rick Astleyのカヴァー「Never Gonna Give You Up」、The RAH Bandのカヴァー「Clouds Across the Moon」、Nu Shoozのカヴァー「I Can't Wait」、Aquaのカヴァー「Barbie Girl」、オリジナルの「1986」、Whitney Houstonのカヴァー「I'm Your Baby Tonight」が僕のオススメです。

Irma Recordsからのリリースです。

夏のバカンス・モードにフィットする1枚です。

全曲紹介しときやす。

「The Rhythm of the Night」
オススメその1。イタリアのダンス系ユニットCorona、1993年のデビュー・ヒットをカヴァー。Papikらしい涼しげなボッサ・アレンジをバックに、Elyの雰囲気のいい艶やかなヴォーカルを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=NZMrvbRtewY

「Take on Me」
ノルウェーの人気グループa-ha、1985年の世界的大ヒットをカヴァー。お馴染みのヒット曲をしっとりとしたバラードで聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=-_OeutKklWE

「Dolce Vita」
Ryan Paris、1983年のイタロ・ディスコ・チューンをカヴァー。寛いだ雰囲気のオトナ・ジャズに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=yMYA13ERBGc

「Never Gonna Give You Up」
オススメその2。UKの人気男性シンガーRick Astley、1987年の世界的大ヒットをカヴァー。Papikらしいセンス全開の秀逸メロウ・カヴァーに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=C0Aes_ZyN4M

「Material Girl」
Madonnaの、1984年の大ヒットをカヴァー(Peter Brown/Robert Rans作)。ワルツ・ジャズ調の小粋なカヴァーに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=LWLo2iBltA4

「Clouds Across the Moon」
オススメその3。The RAH Band、1985年のシングル曲をカヴァー(Richard Hewson作)。ジャズ・サンバなブラジリアン・フィーリングで夏モードにしてくれるグッド・カヴァー。
https://www.youtube.com/watch?v=_RXen-Ll-n0

「I Like Chopin」
日本でも人気を博したGazebo、1983年の大ヒット曲をカヴァー。ミュート・トランペットが絡むしっとりとしたジャジー・バラードに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=dTuNRNF2jg0

「I Can't Wait」
オススメその4。USダンス系ユニットNu Shooz、1986年の大ヒット曲をカヴァー。アコースティックな質感が涼しげな僕好みのメロウ・ボッサ・グルーヴ。
https://www.youtube.com/watch?v=NgfDIJvWe9k

「Tarzan Boy」
Baltimora、1985年のイタロ・ディスコ・ヒットをカヴァー。このクセのある楽曲はレゲエ調にカヴァーしています。

「Fresh」
Kool & The Gang、1984年の大ヒット曲をカヴァー。オリジナルは『Emergency』(1984年)収録。オリジナルをイメージして聴くと、予想外な雰囲気のジャジー・チューンに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=6HqJMqoYMdk

「Barbie Girl」
オススメその5。Aqua、1997年のユーロポップ・ヒットをカヴァー。ギターの音色にグッとくる味わい深いアコースティック・バラード。Elyのヴォーカルが優しく包み込んでくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=TDhEbugQcQw

「Physical」
Olivia Newton-John、1981年の世界的大ヒットをカヴァー(Steve Kipner/Terry Shaddick作)。アノ有名曲をワルツ・ジャズへ変貌させています。
https://www.youtube.com/watch?v=csgOBXJ8Q4o

「State of the Nation」
N.Y.のシンセ・ポップ・バンドIndustry、イタリアで大ヒットした1983年のシングルをカヴァー。飾らない感じがグッドなアコースティック・カヴァーに仕上がっています。

「1986」
オススメその6。Elisa Barbosa/Nerio Poggi作。ラストはオリジナル作で締め括ってくれます。思い出に浸りたくなるボッサ・チューンです。
https://www.youtube.com/watch?v=W4vyvPhQ2bI

CDには以下の2曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。

「The Final Countdown」
スウェディッシュ・ロック・バンドEurope、1986年の世界的大ヒットをカヴァー。しっとりとしたバラードに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=Jk4aTc_D1mY

「I'm Your Baby Tonight」
オススメその7。今は亡き歌姫Whitney Houston、1990年の大ヒット曲をカヴァー(L.A. Reid/Babyface作)。ジャズ・フィーリングのダンサブル感が心地好いグッド・カヴァーに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=_5eSSSw5Fbg

『Synesthesia』(2015年)
Synesthesia
posted by ez at 03:53| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月06日

Dwight Trible With Matthew Halsall『Inspirations』

魂のジャズ・ヴォーカリスト、UKジャズ・トランぺッターとの共演作☆Dwight Trible With Matthew Halsall『Inspirations』
インスピレーションズ(with マシュー・ハルソール)
発表年:2017年
ez的ジャンル:深遠系男性ジャズ・ヴォーカル
気分は... :9秒台突入なるか・・・

間もなく世界陸上男子100Mの準決勝です。サニブラウン選手の日本人初の9秒台突入を期待してしまいます。

今回は新作アルバムから、L.A.ジャズ・シーンで活躍する男性ジャズ・シンガーDwight TribleがUKのジャズ・トランぺッターMatthew Halsallと共演したDwight Trible With Matthew Halsall『Inspirations』です。

Dwight Tribleはオハイオ州シンシナティ出身の男性シンガー。L.A.ジャズの重要人物Carlos Ninoによるスピリチュアル・ジャズ・ユニットBuild An Arkへの参加でも知られるL.A.を拠点に活動するシンガーです。

そんなL.A.ジャズを代表するヴォーカリストのDwight Tribleですが、本作『Inspirations』は共演者Matthew Halsallの拠点であるUKでの録音となっています。

マンチェスター出身のMatthew Halsallは、ジャズ・トランぺッターであると同時に、インディペンデント・レーベルGondwana Recordsの主宰者でもあります。同レーベルからは、UKの今ジャズを代表するユニットGoGo Penguinの1stアルバム『Fanfares』(2012年)、2ndアルバム『V2.0』(2014年)もリリースされています。

そんなMatthew Halsallがジャズ・フェスティバルでDwight Tribleと知り合い、ロンドンでのライブにTribleを招き、その流れ2曲を共にレコーディングしたのがアルバム制作のきっかけとなったようです。勿論、本作『Inspirations』Gondwana Recordsからのリリースです。

レコーディング・メンバーはDwight Trible(vo)、Matthew Halsall(tp)以下、Taz Modi(p)、Gavin Barras(b)、 Jon Scott(ds)、Luke Flowers(ds)、Rachael Gladwin(harp)。Matthew Halsallがプロデュースも務めています。さらに、Nostalgia 77としての活動で知られるBenedic Lamdinがレコーディング・エンジニアを務めています。

アルバムはすべてカヴァーで占められており、Tribleの低音ヴォーカルが栄えるバラードが中心の構成となっています。

Build An Arkでもカヴァーした「What The World Needs Now Is Love」「Tryin' Times」、Tribleの以前からのレパートリー「Dear Lord」John Coltraneのカヴァー)あたりが目立つかもしれません。

個人的には、Dorothy Ashbyのカヴァー「Heaven & Hell」、トラディショナル・フォークソング「Black Is The Colour Of My True Love's Hair」、感動的な黒人霊歌「Deep River」というラスト3曲に、かなりグッときました。

派手さはありませんが、聴く者の心を揺さぶる素晴らしい男性ジャズ・ヴォーカル作品です。

全曲紹介しときやす。

「What The World Needs Now Is Love」
Burt Bacharach/Hal David作。Jackie DeShannonのヒットで知られるBacharach作品のカヴァー。Build An Arkも『Love Part 2』(2010年)でカヴァーしていた楽曲です(国内盤ボーナス・トラック)。Tribleのヴォーカルが栄える深遠な仕上がりです。Rachael Gladwinのハープの響きが雰囲気があっていいですね。

「Tryin' Times」
Donny Hathaway/Leroy Hutson作。オリジナルはRoberta Flack 『First Take』(1969年)のヴァージョンです。Donny Hathaway本人のヴァージョンは『Everything Is Everything』(1970年)に収録されています。Trible自身はBuild An Ark『Love Part 2』(2010年)でも本曲をCarmen Lundyとのデュエットでカヴァーしています。雰囲気としては、Build An Arkヴァージョンに近いブルージーな仕上がりです。

「I Love Paris」
Cole Porter作のスタンダードをカヴァー。Tribleが情感たっぷりに歌い上げるバラード。男の哀愁が伝わってきます。Halsallの哀愁トランペットもいい雰囲気です。

「Feeling Good」
ミュージカル『The Roar of the Greasepaint – The Smell of the Crowd』(1964年)のために書かれたAnthony Newley/Leslie Bricusse作品をカヴァー。Nina Simoneヴァージョンでも知られる楽曲です。Gregory Porterも『Water』(2011年)でカヴァーしていました。ドライブ感のあるピアノ・トリオのバッキングに牽引されるようにTribleのヴォーカルも躍動します。僕好みの演奏です。

「Dear Lord」
John Coltrane作品にTribleが詩をつけてカヴァー。Coltraneのオリジナルは『Transition』(1965年録音)に収録されています。Tribleという男性ヴォーカリストの立ち位置がよく分かる深遠なバラードに仕上がっています。聴いているだけで、心が澄み切ってきます。

「Heaven & Hell」
ジャズ・ハープ奏者Dorothy Ashbyのカヴァー。オリジナルは『The Rubaiyat Of Dorothy Ashby』(1970年)に収録されています。Halsallによるカヴァー・セレクトのようですが、Tribleにマッチした楽曲であり、彼のヴォーカルの魅力を存分に味わえるバラードに仕上がっています。

「Black Is The Colour Of My True Love's Hair」
トラディショナル・フォークソングのカヴァー。Tribleの低音ヴォーカルが腹に響いてくるブルージーな仕上がり。黒人としての誇りを歌い上げるTribleのヴォーカルが感動的です。抑えたバッキングの美しさにも魅了されます。

「Deep River」
黒人霊歌のカヴァー。ラストはピアノをバックにTribleが感動的なヴォーカルを聴かせてくれます。

Dwight Tribleの他作品もチェックを!

『Horace』(2001年)
Horace

『Living Water』(2004年)
Living Water [帯解説・国内仕様輸入盤] (BRZN126)

Dwight Trible & The Life Force Trio『Love Is The Answer』(2005年)
Love Is The Answer [解説付・国内盤仕様・2CD] (BRZN108)

『Cosmic』(2011年)
Cosmic
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2017年07月30日

Terrace Martin Presents The Pollyseeds『Sounds Of Crenshaw Vol. 1』

Terrace Martinの新プロジェクトはヴォコーダー使いまくり!☆Terrace Martin Presents The Pollyseeds『Sounds Of Crenshaw Vol. 1』
Sounds of Crenshaw, Vol.1 [日本語解説つき]
発表年:2016年
ez的ジャンル:Hip-Hop/R&B×L.A.ジャズ
気分は... :これぞ今のL.A.の音!

今回は新作アルバムから今が旬のプロデューサー/ミュージシャンTerrace Martinによる新プロジェクト Terrace Martin Presents The Pollyseeds『Sounds Of Crenshaw Vol. 1』 です。

L.A.サウスセントラル生まれのプロデューサー/サックス奏者Terrace Martinの紹介は、グラミーのBest R&B Albumにもノミネートされた『Velvet Portraits』(2016年)に続き2回目となります。

2015年最大の衝撃作Kendrick Lamar『To Pimp A Butterfly』のプロデュースで知名度を上げ、自身のアルバム『Velvet Portraits』がグラミーにノミネートされたことで、一躍注目の存在となったTerrace Martin

そんなTerrace Martin『Velvet Portraits』から長いインターバルを置かずにリリースしたのがThe Pollyseeds名義の『Sounds Of Crenshaw Vol. 1』 です。

Hip-Hop/R&B×L.A.ジャズという点では『Velvet Portraits』と同じですが、曲ごとにサウンドの振れ幅が大きく異なった『Velvet Portraits』に対して、本作では自身のサウンドに自信を深め、よりHip-Hop/R&B寄りのサウンドで貫かれています。

もう1つ特徴的なのがヴォコーダーが多用されている点です。このあたりはRGEのアプローチに近いかもしれません。加えて、TerraceのZapp/Rogerへの愛情を感じます。

Robert Glasper(el-p)をはじめ、Wyann Vaughn(両親はEW&Fire作品でお馴染みのキーボード奏者Wayne VaughnとThe EmotionsのメンバーWanda Vaughn)とRose Goldという『Velvet Portraits』にも参加していた女性シンガー2人、コンプトン出身のラッパーChachi、男性R&BシンガーPreston Harrisがフィーチャリングされています。

有名どころではKamasi Washington(ts)、Snarky PuppyRobert Sput Searight(ds、per)もアルバムに参加しています。

それ以外にTerrace Martin(key、mini moog、as、ss、prophet、drum machine、MPC3000、vocoder、per)以下、Marlon Williams(g)、Craig Brockman(el-p、p)、Chris Cadenhead(el-p)、Curlee Martin(ds)、Brandon Eugene Owens(b)、Trevor Lawrence(ds、drum prog)、Adam Turchin(bs)、Kenneth Crouch(p)、Andrew Gouche(b)といったミュージシャンがレコーディングに参加しています。

多くの曲がTerrace MartinMarlon Williamsの共同プロデュースです。

L.A.らしいサウンドの「Chef E Dubble」、G-Funk調の「Intentions」、Vocoderを駆使したメロウ「Funny How Time Flies」、アンビエントR&B的な「You And Me」Zapp愛を感じる「Up And Away」、Terraceらしいサウンドの「Feelings Of The World」、Preston Harrisをフィーチャーした「Don't Trip」あたりが僕のオススメです。

前作『Velvet Portraits』に続き、本作でも評論家Y氏がライナーノーツを書いていますが、『Velvet Portraits』同様、事実誤認のあるフェイク・ライナーノーツでした。余計なことを書かなければいいのに、関連アーティストの一夜漬け知識を盛り込んだ結果、アラが見えてしまうパターンですね。

まぁ、どうでもいいことは忘れて、Terrace Martinの素晴らしい音世界を楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「Tapestry」
Terraceのミニ・ムーグとMarlon Williamsのギターによるアブストラクトなイントロ。
https://www.youtube.com/watch?v=KUDP7Z8rhFI

「Chef E Dubble」
Robert Glasperとの共同プロデュース。Kamasi WashingtonやRobert Sput Searightも参加しています。『Velvet Portraits』の流れを汲む今のL.A.らしいサウンドになっているのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=q8bTVm4fbSk

「Intentions」
コンプトン出身のラッパーChachiをフィーチャー。Terraceのビートメイカーとしての側面を楽しめる、哀愁シンセが響くG-Funk調の仕上がりです。終盤にはDeBarge「I Like It」のフレーズで盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=osdJtySmEes

「Funny How Time Flies」
Robert Glasperとの共同プロデュース。TerraceとGlasperの両名をフィーチャーするかたちになっています。RGEにも通じるVocoderを駆使したメロウ・チューン。R&B×L.A.ジャズなTerraceらしいサウンドに仕上がっているのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=C0pVmsrg814

「Mama D/Leimert Park」
Terrace Martinのビートメイカーぶりを楽しむトラック。ジャズ・フィーリングを効かせつつ、Vocoderも駆使して聴きやすく仕上げています。
https://www.youtube.com/watch?v=JErJLLw927E

「You And Me」
Rose Goldをフィーチャー。何処となく儚く浮遊するサウンドにはアンビエントR&B的な魅力も漂います。Rose Goldのコケティッシュ・ヴォーカルとそれに絡むPreston Harrisのコーラスもいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=dSLhTSQjvvc

「Believe」
Chris Cadenheadのメロウ・エレピとTerraceの父Curlee Martinのドラムが目立ちます。また、Wyann VaughnのヴォーカルにTerraceのミニ・ムーグ、サックス、が寄り添います。Kamasi Washingtonも参加。
https://www.youtube.com/watch?v=00Tqns51e5Y

「Up And Away」
Vocoder使いという点ではこの曲が一番好きです。Zapp「Computer Love」的な雰囲気がある点は、前作『Velvet Portraits』収録の「With You」にも通じます。きっとTerraceは「Computer Love」がかなりお気に入りのはずだと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=NSc2mPXptdg

「Wake Up」
本作で一番ストレート・アヘッドなジャズを演奏しています。Kenneth Crouchのピアノをバックに、Terraceが哀愁のソプラノを奏でます。
https://www.youtube.com/watch?v=fQ-7yQgsGFg

「Your Space」
Wyann Vaughnをフィーチャー。美しくも儚いアンビエントR&Bに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=GUAMRcUveDg

「Feelings Of The World」
Chachi/Rose Goldをフィーチャー。アンビエントR&BにヴォコーダーやMarlon Williamsの哀愁ギターも盛り込んだTerraceらしい1曲に仕上がっているのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=rSp_cCicMaw

「Reprise Of Us」
「Intentions」の終盤で聴けたDeBarge「I Like It」のフレーズが再び登場します。
https://www.youtube.com/watch?v=xoc12GY-6h8

「Don't Trip」
Preston Harrisをフィーチャー。ラストはビューティフルなR&Bバラードで締め括ってくれます。ヴォコーダーを交えつつも穏やかな雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=viie91FomnQ

Terrace Martinの他作品もチェックを!

Murs & Terrace Martin『Melrose』(2011年)
Melrose

『3ChordFold』(2013年)
3chordfold

『Velvet Portraits』(2016年)
Velvet Portraits [日本語解説・帯付]
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2017年07月27日

Pilots On Dope『Udopeia』

ウイーン産ブラジリアン・グルーヴ☆Pilots On Dope『Udopeia』
Edopeia
発表年:2014年
ez的ジャンル:ウイーン産ブラジリアン・グルーヴ
気分は... :ウイーンからリオへ...

今回はウイーン産ブラジリアン・グルーヴPilots On Dope『Udopeia』(2014年)です。

最近、こういったクラブジャズ系のブラジリアン・グルーヴを聴いていなかったのでハマりました。

Pilots On DopeGerhard GiglerGerald TomezというDJ/プロデューサーがウイーンで結成したブラジリアン・ユニット。

本作『Udopeia』(2014年)は、ブラジル人アーティストの60〜70年代作品のカヴァーが中心です。クラブジャズ的ブラジリアン・グルーヴですが、ブラジル音楽好きの人が聴いても楽しめる1枚です。

アルバムにはRosalia De SouzaWilson Simoninhaといったブラジル人アーティストをはじめ、Jenny ChiYta Morenoといったシンガーがフィーチャリングされています。

Rosalia De Souza好きの僕としては、彼女がフィーチャリングされた「Melhor Esta Noite (Meglio Stasera)」「La Vem Salgueiro」「Tenha Fe Pois Amanha Um Lindo Dia Vai Nascer」の3曲がイチオシです。

それ以外であれば、Wilson Simoninhaをフィーチャーした「Que Isso Menina」、クラブジャズなボッサ・グルーヴ「Tudo De Voce」あたりもオススメ。

これから8月に向けてフィットするブラジリアン・グルーヴだと思います。

全曲紹介しときやす。

「Take Off」
離陸の機内アナウンスと共にアルバムはスタートします。

「Que Isso Menina」
Wilson Simoninhaをフィーチャー。Wilson das Neves作品のカヴァーです。オリジナルはWilson Das Neves E Conjunto『O Som Quente E O Das Neves』(1976年)に収録されています。ノリのいいサウンドをバックに、Simoninhaのシブめのヴォーカルがいい味を出しています。
https://www.youtube.com/watch?v=izgnRAYNR0U

「Tenha Fe Pois Amanha Um Lindo Dia Vai Nascer」
Rosalia De Souzaをフィーチャー。ブラジルのサンバ・ユニットOs Originais Do Sambaのカヴァー(Jorge Ben作)。オリジナルは『Exportacao』(1971年)に収録されています。Rosalia De Souzaの諸作がお好きな人であれば気に入るであろうダンサブルなボッサ・グルーヴに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=FB4JGWx-AG8

「Rei Do Quilombo」
Wilson Simoninhaをフィーチャー。ボサノヴァ・アーティストCarlos Leeの作品をカヴァー。Carlos Leeのオリジナルは『Bossa Maximus』(1963年)に収録されています。クラブジャズ的なキャッチーさのある1曲に仕上がっています。

「Eu E O Meu Amor」
Jenny Chi、Yta Morenoをフィーチャー。Vinicius De Moraes作。Toquinho & Viniciusヴァージョンは『10 Anos De Toquinho & Vinicius』(1979年)に収録されています。小粋なヨーロピアン・ボッサといった趣がいいですね。

「Melhor Esta Noite (Meglio Stasera)」
Rosalia De Souzaをフィーチャー。映画『The Pink Panther』(1963年)の挿入歌「It Had Better Be Tonight (Meglio Stasera)」をカヴァー(Henry Mancini/Johnny Mercer作)。僕の一番のお気に入り。DJ/プロデューサー・ユニットらしいセンスの溢れたエレガントなダンサブル感に魅了されるブラジリアン・グルーヴです。
https://www.youtube.com/watch?v=1WfaLvnR7GY

「La Vem Salgueiro」
Rosalia De Souzaをフィーチャー。この曲もOs Originais Do Sambaのカヴァー(Jorge Ben作)。オリジナルは『Exportacao』(1971年)に収録されています。この曲も僕のお気に入り。開放的なサンバ・グルーヴが夏モードを盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=-_S0vPB3zbI

「Isto E Samba」
Jenny Chiをフィーチャー。Miguel Angelのカヴァーです。Miguel Angelのオリジナルは『Samba Na Onda』(1965年)に収録されています。エレガントなピアノが印象的なメロウなサンバ・グルーヴです。

「Tem De Ser」
Wilson Simoninhaをフィーチャー。Orlann Divoのカヴァーです。アフロ・ブラジリアン・テイストのギターやホーン・サウンドが印象的です。

「Tudo De Voce」
Yta Morenoをフィーチャー。Marcos Valle/Paulo Sergio Valle作。Marcos Valleのオリジナルは『Samba "Demais"』(1964年)に収録されています。クラブジャズなボッサ・グルーヴ。エレガントなピアノやリズムの緩急でメリハリをつけているのがいいですね。

「Landing」
着陸の機内アナウンスが流れます。

「Canto Chorado」
Jenny Chiをフィーチャー。この曲もOs Originais Do Sambaのカヴァーです(Billy Blanco作)。Os Originais Do Sambaヴァージョンは『Os Originais Do Samba』(1969年)に収録されています。ラストは少しアンニュイなサンバ・グルーヴで締め括ってくれます。

旅猿の満島ひかりサイコー!
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