2018年02月25日

Reginald Omas Mamode W『Children Of Nu』

ロンドン発の新進ブラック・ミュージック☆Reginald Omas Mamode W『Children Of Nu』
Children of Nu [日本限定CD]
発表年:2018年
ez的ジャンル:ロンドン発新進ブラック・ミュージック
気分は... :最後にスッキリ!

大詰めのオリンピックは女子スピードスケート・マススタートの金メダル、女子カーリングの銅メダルでスッキリ気分になりましたね。

特にマススタートは、全出場選手の中で最も小柄な高木菜那選手が一番でゴールを駆け抜け、ガッツポーズした姿は痛快でした!パシュート決勝以上に興奮しましたね。

さて、今回は新作アルバムからReginald Omas Mamode W『Children Of Nu』です。作品のリリース自体は昨年末ですが、今年に入り日本でCD化が実現されました。

Reginald Omas Mamode IVはサウスロンドン、ペックハム出身。

Tenderloniousが率いるベースミュージックを展開する地元の音楽クルー22aの一員のようです。

22aには、他にMo KoloursAl Dobson Jr.Henry WuJeen BassRuby RushtonDennis AylerJames 'Creole' Thomasといったメンバーがいます。ちなみに、Mo Kolours、Jeen BassはReginaldの実の兄弟です。

Reginald自身は、これまでミニ・アルバム『All Together』(2015年)、1stアルバム『Reginald Omas Mamode W』(2016年)といった作品をリリースしています。特に、『Reginald Omas Mamode W』はGilles Petersonからも絶賛された1枚でした。

さて、『Reginald Omas Mamode W』に続く2ndアルバムとなる本作『Children Of Nu』は、ベースミュージック、R&B、Hip-Hop、ファンク、ジャズ、アフリカ音楽等を飲み込んだ2018年モードの新進ブラック・ミュージックを提示されたような刺激があります。

特にD'AngeloJ DillaPrinceあたりの影響を今のロンドンらしいサウンドに昇華させたサウンドに魅了されます。

その一方で、全19曲中3分を超えるものは僅かに6曲という1曲の短さや、ひたすら反復するミニマルな覚醒感はベースミュージックならではの音世界だと思います。

刺激的なR&Bサウンドを求めている方はぜひチェックを!

『Children Of Nu』 [Full Album]
https://www.youtube.com/watch?v=P46_N7zIo0A

全曲紹介しときやす。

「Rollin' In」
1分にも満たないオープニングですが、グルーヴィーなR&Bサウンドを楽しめます。

「Put Your Hearts Together」
僕が本作を購入しようと決めた1曲。Prince殿下がベースミュージックにアプローチしていたら、こんな感じだったのでは?と想像させる刺激的な1曲です。

「Afrika Crunk」
タイトルの通り、アフリカン・リズムを取り入れたトライバル・サウンドを楽しめる小曲。

「Us Two」
D'Angelo好きの人が気に入りそうなファンク・チューン。ダークな覚醒感がクセになりそうです。

「Interlude」
アフリカン・リズムによるトライバルなインタールード。

「Question They」
ロンドンらしい翳りのあるグルーヴが支配するブラック・ミュージックに仕上がっています。不思議な感覚の音世界を楽しめます。

「Nu」
チープなビートと美しいキーボードの音色が織り成す小曲。

「Do Right」
初期D'Angeloを彷彿させる漆黒のR&Bグルーヴ。ベースミュージックらしいミニマルな魅力もあります。

「Peoples Pattern」
再びアフリカン・リズムによるトライバルなインタールード。

「Working」
70年代のStevie Wonderと80年代のPrince、さらにはD'Angeloが出会ったような音世界を楽しめます。僕が本作に惹かれるのはこういう音を欲しているからだと思います。

「Unity」
Prince殿下に通じる妖しい魅力が漂うミディアム・グルーヴ。ミニマルな展開がハマる1曲です。

「Don't You Know」
漆黒のグルーヴィー・サウンドに魅了される1曲。D'Angelo『Voodoo』好きの人はグッとくると思います。

「I Guess」
簡素な中にも漆黒のグルーヴがビンビン押し寄せてくる感じがいいですね。Princeに通じる閉じた音世界がいいですね。

「Interlude II」
またまたアフリカン・リズムによるトライバルなインタールード。

「We Must Learn (skit)」
小曲ですが、刺激的なサウンドです。

「Wake Up」
少ない音ながらも、脳内が刺激されるグルーヴにヤラれます。

「Children of Nu」
タイトル曲の"Nu"とはエジプト神話の原始の神をさすらしいです。そんなタイトルを反映したトライバルなグルーヴを楽しめます。

「Satisfied」
本作らしい漆黒のグルーヴを満喫できます。反復するグルーヴに脳内が侵食されていくようです。コレはクセになる!

「This Light (Omas Sextet)」
ラストはジャズ・フィーリングも織り交ぜたアッパー・サウンドと共に疾走します。

『Reginald Omas Mamode W』(2016年)
REGINALD OMAS MAMODE I
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2018年02月18日

The Precious Lo's『Too Cool For Love』

カナダのモダン・ファンク・デュオの初フル・アルバム☆The Precious Lo's『Too Cool For Love』
トゥ・クール・フォー・ラヴ
発表年:2018年
ez的ジャンル:カナダ産モダン・ファンク・デュオ
気分は... :ようやく金メダル!

新作アルバムからカナダのモダン・ファンク・デュオThe Precious Lo'sの初フル・アルバム『Too Cool For Love』です。

The Precious Lo'sはカナダ出身のGilbert MasudaNik Timarによるモダン・ファンク・デュオ。Gilbert Masudaは日本人の両親を持つ日系カナダ人です。

2人は元々Circle ResearchというHip-Hop/ブレイクビーツ・ユニットを組んでおり、Circle Research名義で『Mulligan Stew』(2004年)、『Who?』(2008年)といったアルバムをリリースしています。特に『Who?』J Dillaへのオマージュ作品という点で興味深い1枚です。

そのサイド・プロジェクトとしてスタートさせたディスコ/ファンク・ユニットがThe Precious Lo'sです。

話題の日本人クリエイターT-GrooveがフランスのDiggy Down Recordzからリリースしたアルバム『Move Your Body』からのシングル曲「Roller Skate」でフィーチャリングされたことで彼らの存在が大きくクローズ・アップされました。

そんな中でリリースされたThe Precious Lo's名義の初フル・アルバムが本作『Too Cool For Love』です。

ディスコ/ファンク・デュオということで、思わず"カナダ版Tuxedo"と形容したくなりそうですが、中身はアッパーなディスコ・チューンよりもミディアム・ファンク中心の構成であり、Tuxedo好きの方より、Dam Funkあたりが好きの方にフィットする内容です。

個人的にはゲスト参加のTyler Smith絡みの「Without You」「Still The Same (BusCrates 16-Bit Ensemble Remix) 」「Night Ridin」「Fly Away (Tyler Smith Remix)」の4トラックに、このユニットの魅力が凝縮されていると思います。

ど派手なディスコ/ファンク作品という訳ではありませんが、モダン・ファンク好きのハートを射抜く素敵な1枚に仕上がっていると思います。

全曲紹介しときやす。

「Too Cool For Love」
メロウなミディアム・ファンクのタイトル曲でスタート!軽くウォーミングアップといった感じですね。

「More Than Frends」
カナダの女性アーティストMaylee Toddをフィーチャー。ベース・シンセの効いたミディアム・ファンク・サウンドをバックに、Mayleeがキュートなヴォーカルを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=xMV16-6gkEQ

「Without You」
Tyler Smithをフィーチャー。にZapp/Rogerばりの重量ファンクながらもメロディアスなのがいいですね。G-Funk好きの人も気に入るはず!
https://www.youtube.com/watch?v=DSJN52LSuIY

「Still The Same (BusCrates 16-Bit Ensemble Remix) 」
Tyler Smithをフィーチャー。ローラー・ディスコなミュージック・ヴィデオもグッドなメロウ・ファンク。モダンとレトロの絶妙なさじ加減に脱帽です。
https://www.youtube.com/watch?v=n2Ax-p5SLvE

「Falling For You」
ソフトリーなムードにグッとくるメロウ・チューン。さり気なさがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=PZBhN6_g58c

「Problems」
ベース・シンセの効いた哀愁ミディアム・ファンク。ギター・カッティングの音色が効果的です。
https://www.youtube.com/watch?v=jmWQMdQprmg

「Right Time For Us」
オートチューン・ヴォーカルでスペイシーな雰囲気を醸し出すスロウ・ファンク。
https://www.youtube.com/watch?v=8wHaIKEki_o

「This Is Love (Circle Research Remix) 」
フロア仕様のファンク・サウンドですが、少し単調な気も・・・

「Night Ridin」
Tyler Smithをフィーチャー。「Without You」と同じく、メロディアスな重量ファンクを楽しめるモダン・ファンクの名に相応しいキャッチーな1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=acmWgYfsMRk

「Fly Away (Tyler Smith Remix)」
今度はTyler Smithがプロデュース/リミックスしたG-Funk調ディスコ・ファンク。彼らとTyler Smithの相性の良さを実感できます。
https://www.youtube.com/watch?v=43mvq70S8W8

「Thinking」
メロウな哀愁モードにグッときます。J Dillaの影響も感じるトラックです。
https://www.youtube.com/watch?v=VvdDZnNo7mo

「Small Town Girl」
ポップな味わいの1曲。甘酸っぱい雰囲気のサウンドとハイトーン・ヴォーカルがマッチしています。
https://www.youtube.com/watch?v=gPWOrpTFrlE

「Older Now」
ノスタルジックな雰囲気を逆手にとった1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=GrOLC6EJFT0

「U Turn Me Up」
ラストはT-Groove『Move Your Body』と同じDiggy Down Recordからシングル・リリースしていたアッパーなディスコ・ファンクで締め括ってくれます。華やかさでいえば、アルバムで随一かもしれません。

ご興味がある方は、Circle Research名義の『Mulligan Stew』(2004年)、『Who?』(2008年)もチェックを!

Circle Research『Mulligan Stew』(2004年)
Cycle Reseach: Mulligan Stew

Circle Research『Who?』(2008年)
Who
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2018年02月11日

Zara McFarlane『Arise』

UKジャマイカンとしてルーツを探求した1枚☆Zara McFarlane『Arise』
Arise [帯解説 / 国内仕様輸入盤CD] (BRBW162)
発表年:2017年
ez的ジャンル:UKジャズ・ジャマイカ
気分は... :ミッション!プライド!バリュー!

今回はUK女性ジャズ・シンガーZara McFarlaneの3rdアルバム『Arise』です。

昨年秋のリリースなので新作と呼ぶには結構経っていますが・・・

Zara McFarlaneはUKジャマイカンの女性シンガー。これまでGilles PetersonBrownswood Recordingsから『Until Tomorrow』(2011年)、『If You Knew Her』(2014年)という2枚のアルバムをリリースしています。

また、当ブログで紹介した作品でいえば、Louie Vega『Louie Vega Starring...XXVIII』(2016年)でフィーチャリングされています。

ディープな黒人女性ジャズ・シンガーというイメージが強い人ですが、3rdアルバムとなる本作『Arise』(2017年)は、ZaraがUKジャマイカンという自身のルーツを掘り下げた作品であり、ジャズとレゲエ等のジャマイカ音楽、さらにかカリビアンを融合させた楽曲が目立ちます。

プロデュースはMoses Boyd。Moses BoydはMoses Boyd Exodus名義やBinker GoldingBinker And Moses名義で作品をリリースしているUKのドラマー/プロデューサー。The Peter Edwards Trioのメンバーでもあります。

Zara McFarlane(vo)以下、Moses Boyd(ds)、Peter Edwards(p、el-p、org、clavinet、melodica)、Shirley Tetteh(g)、Shane Beales(g)、Max Luthert(b)、Binker Golding(ts)、Nathaniel Cross(tb)、Shabaka Hutchings(bass cla)、Pete Eckford(per)等のミュージシャンがレコーディングに参加しています。Peter EdwardやBinker Goldingは1st『Until Tomorrow』にも参加していました。

「Peace Begins Within」「Fisherman」以外はZara McFarlaneのオリジナルです(共作含む)。

従来の作品以上に、僕の嗜好にフィットした1枚です。

派手さはありませんが、UKジャマイカンとしてのZaraの誇り、願いが音に反映された素晴らしい1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Ode To Kumina」
タイトルの通り、ジャマイカの伝統音楽クミナのエッセンスを取り入れたアルバムのイントロ。

「Pride」
スピリチュアルなヴァイヴが漂う、ある意味Zara McFarlaneらしい1曲。Shabaka Hutchingsのバス・クラリネットの音色が独特の雰囲気を醸し出します。Binker Goldingもサックス・ソロで盛り上げてくれます。Kamasi Washingtonあたりがお好きな人も気に入るのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=qGSe9eF1WtQ

「Fussin' And Fightin'」
ジャズとルーツ・レゲエがダビー感覚で融合した本作らしい1曲。覚醒的なレゲエ・サウンドと美しいジャズ・ピアノが織り成す音世界に魅了されます。
https://www.youtube.com/watch?v=ocqsfYLIFSA

「Peace Begins Within」
ジャマイカン女性シンガーNora Deanの楽曲をカヴァー。前作『If You Knew Her』でもNora Deanの「Angie La La」をカヴァーしており、彼女にとっては特別なアーティストなのでしょうね。レゲエではなく、あくまでジャズ・フィーリングでカヴァーするのがZara流ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=0Uqj2FOB7Ag

「Stoke The Fire」
Zaraの多重録音によるヴォーカル・ワークに惹かれる哀愁バラード。深淵な雰囲気が漂います。

「Freedom Chain」
ルーツ・レゲエ調の仕上がり。メッセージとサウンドがよくフィットしています。クラヴィネットの響きがいいアクセントになっています。

「Riddim Interlude」
ジャズ・ジャマイカなインタールード。

「Allies Or Enemies」
Shane Bealesのアコースティック・ギターをバックに、Zaraがソウルフルなヴォーカルを聴かせてくれます。シンプルさがいいですね。

「In Between Worlds」
ジャズとカリビアン・フィーリングを融合させた仕上がり。少し哀愁を帯びたZaraのヴォーカルが心の奥まで染み渡ります。
https://www.youtube.com/watch?v=oc_nZafkc-c

「Silhouette」
Shabaka Hutchingsのバス・クラリネットをフィーチャー。UKジャマイカンとしてのルーツ探求という本作のテーマを色濃く反映した1曲。美しさと悲しみが入り混じった音世界が印象的です。

「Fisherman」
ジャマイカのレゲエ・グループThe Congosの「Row Fisherman」 をカヴァー(Cedric Myton/Roydel Johnson/Watty Burnett作)。ルーツ・レゲエをZaraらしいディープなバラードで歌い上げます。

「Ode to Cyril」
ラストはラスタファリアンの宗教音楽ナイヤビンギのエッセンスを取り入れています。UKジャマイカンとしてのDNAを探求しながらアルバムは幕を閉じます。

Zara McFarlaneの他作品もチェックを!

『Until Tomorrow』(2011年)
Until Tomorrow [解説付 / 国内盤仕様] (BRBW070)

『If You Knew Her』(2014年)
If You Knew Her [帯解説・歌詞対訳 / ボーナストラック1曲収録 / 国内盤] (BRC401)
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2018年02月04日

Chris Dave And The Drumhedz『Chris Dave And The Drumhedz』

最も旬のドラマーが提示する最新形ブラック・ミュージック☆Chris Dave And The Drumhedz『Chris Dave And The Drumhedz』
クリス・デイヴ&ザ・ドラムヘッズ
発表年:2018年
ez的ジャンル:最新形ドラマー系ブラック・ミュージック
気分は... :ビートに抱かれて・・・

新作からジャンルの枠を超えて活躍する今最も旬のドラマーChris Daveの正式なデビュー・アルバム『Chris Dave And The Drumhedz』です。

個人的に今年最も心待ちにしていた新作アルバムが遂にリリースされました。

Chris Daveは1973年テキサス州ヒューストン生まれ。

Mint ConditionKenny GarrettMeshell Ndegeocelloらのレコーディングに参加し、キャリアを積み重ねていきます。

そして、現代ジャズ・シーンを牽引するジャズ・ピアニストRobert Glasperとの出会いが彼の運命を切り開きます。

その決定打となったのが、ジャズとHip-Hop/R&Bを統合させた名盤Robert Glasper Experiment『Black Radio』(2012年)です。

グラミー最優秀R&Bアルバム賞を受賞した同作で、リーダーのGlasperと共に、Hip-Hop世代のドラミングでジャズ・ドラムに革新をもたらしたChris Daveが注目を浴びました。

また、Adele『21』(2011年)、D'Angelo & The Vanguard『Black Messiah』(2014年)、Justin Bieber『Purpose』(2015年)等ジャンルの枠を超えて重要作品のレコーディングに参加しています。

そんな今最も旬のドラマー、待望のフル・アルバムが本作『Chris Dave And The Drumhedz』です。

Chris Dave And The Drumhedz名義でも、これまで『Mixtape』(2013年)、『Radio Show』(2017年)といった作品をリリースしていますが、正式には本作をデビュー・アルバムと位置付けていいと思います。

まず参加メンバーが僕の好みにジャスト・フィットしています。

本作でフィーチャリングされているアーティストはSiRAnderson .PaakBilalTweetKendra FosterStokley WilliamsGoapeleShafiq HusaynSa-Ra (Sa-Ra Creative Partners))、ElzhiEric RobersonPhonte ColemanThe Foreign Exchange)、Anna Wiseといった面々。

さらにレコーディングには、Robert Glasper Experimentの盟友Robert Glasper(el-p、p)とCasey Benjamin(vo)、D'Angelo & The Vanguardの仲間であるPino Palladino(b)とIsaiah Sharkey(g)、RC & The Gritzの名義作品が昨年話題となったR.C. Williams(moog b)、The Soulquariansメンバーとしてお馴染みJames Poyser(key、p)、当ブログでもお馴染みの女性R&BシンガーSy Smith(vo)、A Tribe Called QuestAli Shaheed Muhammad(vo)、L.A.のラッパーKrondon(vo)、レジェンドDJ Jazzy Jeff(dj)、L.A.ジャズの重要人物Miguel Atwood-Ferguson(strings)、今ジャズ注目のトランぺッターKeyon Harrold(tp)等さまざまなジャンルから多彩なミュージシャンが参加しています。

長く当ブログをご覧の方であれば、このメンツがモロに僕好みであることをご理解頂けると思います。

参加メンバーからはR&B寄りの作品をイメージするかもしれないし、名門Blue Noteからのリリースという点を考慮すれば、ジャズ作品なのかもしれません。

実際の音を聴くと、ジャンル云々を語ることは意味のないことに思えます。アルバム全体に漂うコズミック感覚も含めて、Chris Daveならではの音に挑戦しているブラック・ミュージック作品という印象を受けます。ただし、ジャズの枠を超えたサウンドを発信しつつ、本人にとっての一丁目一番はR&Bではなくジャズなのであろうと感じます。

RGE『Black Radio』のような作品をイメージすると、案外地味なので肩透かしうを食うかもしれません。しかしながら、丁寧に聴き込めば、音の新しさ、懐の深さに魅了される1枚になるのではないかと思います。

さり気ない刺激に満ちた1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Rocks Crying」
コズミック・フィーリングの電化サウンドが印象的なオープニング。

「Universal Language」
Robert Glasper、Krondon、Sy Smithらが参加。Erykah Baduを彷彿させるSy Smithのキュートなヴォーカルが映える今ジャズ的な電化ネオソウルといった感じです。R.C. Williamsのムーグ・ベースが効いています。

「Dat Feelin'」
当ブログでもプッシュしていた西海岸R&Bシンガー・ソングライターSiRをフィーチャー。Chris Daveの今ジャズ・フィーリングのR&BサウンドとSiRの持つアトモスフィアな雰囲気がうまく合体した1曲に仕上がっているのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=5WEXTZ0fIUA

「Black Hole」
旬なR&B/Hip-HopアーティストAnderson .Paakをフィーチャー。Paak色が強く出る共演と思いきや、意外にもシタール入りのアフロ・ジャズといった展開。でもこれが絶品!Chris Daveならではのハイパー・アフロ・ジャズになっているのがいいですね。Keyon Harroldも演奏&ソングライティングで貢献しています。
https://www.youtube.com/watch?v=OXRLE9K1SlQ

「2N1」
Chris Dave、Pino Palladino、Isaiah Sharkey、Andre Harrisによるインタールード的なインスト。

「Spread Her Wings」
Bilal、Tweetをフィーチャー。今ジャズ・フィーリングとネオソウル・フィーリングがいい塩梅でバランスしたメロウ・チューンに仕上がっています。

「Whateverer」
Shafiq Husayn、Ali Shaheed Muhammadらがヴォーカルで参加。さり気ないですが、リラックスした雰囲気で和ませてくれます。

「Sensitive Granite」
D'Angelo & The Vanguardで一緒であった女性R&BシンガーKendra Fosterをフィーチャー。浮遊した音空間の中で、最新形ドラマーらしいプレイを披露してくれます。

「Cosmic Intercourse」
Mint Conditionを通して旧知の中であるStokley Williamsのヴォーカルをフィーチャー。RGEの盟友Casey BenjaminのヴォコーダーやMiguel Atwood-Fergusonのストリングスも加わり、壮大かつ感動的なコズミック・サウンドが展開されます。本編に続き、ゴスペル調のスキットが挿入されています。

「Atlanta, Texas」
Goapele、Shafiq Husaynをフィーチャー。タイトル通りに南部のアーシーなテイストがある一方で、Chris Daveが参加したMe'Shell Ndegeocello『Comfort Woman』(2003年)に通じるダビー感覚も漂います。

「Destiny N Stereo」
Elzhi、Eric RobersonPhonte Colemanをフィーチャー。Phonte & Eric Roberson『Tigallerro』(2016年)が大好きだった僕としては嬉しい顔合わせです。Chris DaveによるJ Dilla的ビートを楽しめる1曲に仕上がっています。あのDJ Jazzy Jeffも参加しています。
https://www.youtube.com/watch?v=PSyB5rtMgSs

「Clear View」
Anderson .PaakSiRをフィーチャー。インディー・ロック的なオルタナ感のある演奏です。コズミックな演出は本作らしいですね。終盤はAnderson .Paak色を前面に出し、Paak節を楽しめます。

「Job Well Done」
Anna Wise、SiRをフィーチャー。人力クラブミュージック的なイントロに続き、SiRらしい音世界を打ち出した美しい本編へ展開します。ゆっくりと流れていくようなアトモスフィア感覚がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=2x3dOieDGoU

「Lady Jane」
The New Tony Williams Lifetime「Lady Jade」のカヴァー。オリジナルは『Million Dollar Legs』(1976年)に収録されています。新しい音に挑戦するChris Daveの姿を革新的ジャズ・ドラマーの先輩Tony Williamsと重ねたくなりますね。

「Trippy Tispy」
ラストはコズミック&トライバルなジャズ演奏で締め括ってくれます。

『Black Radio』(2012年)、『Black Messiah』(2014年)はマストとして、それ以外のChris Dave参加作や本作に参加しているアーティストの作品を再チェックするのも楽しいと思います。ここでは当ブログで紹介した作品の中から3枚プッシュしておきます。3枚共にChris Dave参加作品です。

Me'Shell Ndegeocello『Comfort Woman』(2003年)
Comfort Woman

SiR『Seven Sundays』(2015年)
Seven Sundays

RC & The Gritz『The Feel』(2016年)
Feel
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2018年01月28日

Umii『This Time』

L.A.インディらしいチルアウトR&B☆Umii『This Time』
ディス・タイム
発表年:2018年
ez的ジャンル:チルアウトR&B/エレクトロニカ
気分は... :4,000エントリー達成!

さり気に当ブログのエントリー数が4,000に達しました。

今日は新作エントリーが恒例の日曜なので、とりあえず新作エントリーに専念し、4,000回達成に関しては明日のエントリーで触れたく思います。

ということで、新作からUmii『This Time』です。

UmiiはL.A.を拠点とする日系アメリカ人のプロデューサー/トークボクサーB. Bravo(本名Adam Mori)とポートランドを拠点とする女性シンガーReva DeVitoのユニット。ちなみユニット名は日本語の"海"に由来するそうです。

本作『This Time』は、元々EPとして昨年リリースされたデビュー作ですが、リミックス2曲を加えたアルバム仕様で今年に入って国内盤CDがリリースされました。実態としてはミニ・アルバムといったところでしょうか。

B. Bravoは2009年のデビューEP「Analog Starship EP」以降、コンスタントに作品をリリースし、昨年は初のフル・アルバム『Paradise』をリリースしています。

『Paradise』収録曲「Stay the Night」のリミックス「Stay the Night (Mr. Carmack Remix) 」は、あのMURO氏もレコメンドしていた模様です。
Bravo「Stay the Night (Mr. Carmack Remix) 」
https://www.youtube.com/watch?v=zJ-GcbrJmFA

そして、『Paradise』収録曲「Can't Keep My Hands Off You」でフィーチャリングされていたのが今回相方となったReva DeVitoです。Reva DeVitoKaytranadaとも共演していますね。

本作『This Time』は、Kenny Freshが主宰するレーベルFresh Selectsからのリリースです。ちなみに当ブログで紹介した作品であれば、注目のR&BアーティストSiR『Seven Sundays』(2015年)もFresh Selectsでした。

アルバム全体としては、B. Bravoによるレトロ&モダンなトラックとコケティッシュなReva DeVitoのヴォーカルによるチルアウトなR&B/エレクトロニカ作品といった印象を受けます。

キャッチーな「Masquerade」「Dangerous」の2曲がハイライトであり、とりあえずこの2曲を聴けば、このユニットの魅力を実感できると思います。

L.A.インディらしい音を求めるのではあれば、「Don't Let Up」「The One」がオススメ。個人的にはメロウ&ソフトリーなチルアウト「Not Alone」も大好きです。

葛飾北斎風のジャケも秀逸ですね。

とりあえず「Masquerade」「Dangerous」の2曲をぜひチェックしてみてください。

全曲紹介しときやす。

「This Time (Intro)」
アルバムのイントロ。

「Dangerous」
2ndシングル。キャッチーなディスコ・ポップ。甘く切ない雰囲気がたまりません!Reva DeVitoのヴォーカルのコケティッシュな魅力を満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=c0yDAwrGvPU

「Make Your Move」
Reva DeVitoが栄えるドリーミー・ポップ。レトロなエレクトロニカ・フィーリングを逆手に取った感じがいいですね。

「Feelin It」
抑えたエレクトロニカ・サウンドと妖艶なReva DeVitoのヴォーカルが織り成すクールな音世界に惹かれます。

「Don't Let Up」
哀愁モードのミディアム・グルーヴ。レトロな音色をモダンなフィーリングで聴かせてくれるのがいいですね。

「Masquerade」
1stシングル。幻想的なメロウ・ミディアム。B. Bravoのトラック作りのセンスとReva DeVitoの切ないヴォーカルがマッチした逸品です。聴いているだけで日々の些末なことを忘れられる感じがします。
https://www.youtube.com/watch?v=ueVvmMj3ohA

「The One」
このユニットの特長であるチルアウトな魅力を実感できるエレクトロニカ色の強い1曲。今のL.A.シーンらしい音ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=HLFBKtD0FTc

「Not Alone」
Reva DeVitoのヴォーカルに癒されるメロウ&ソフトリーなチルアウト・ミュージック。

「Masquerade (Trackademicks Remix)」
「Masquerade」のリミックス。オリジナルとは別の魅力を持ったフロア仕様のダンサブル・チューンに仕上がっています。

「Dangerous (Touch Sensitive Remix)」
「Dangerous」のリミックス。80年代モードのレトロなエレクトロ・フィーリングを巧みに織り交ぜたリミックスです。

ご興味がある方は、B. Bravo『Paradise』 (2017年)もセットでチェックを!

B. Bravo『Paradise』 (2017年)
Paradise
posted by ez at 01:54| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする