2017年01月03日

Mocky『The Moxtape Vol.3』

個性派カナディアン・ポップ職人のEPを日本独自にCD化☆Mocky『The Moxtape Vol.3』
MOCKY Presents The Moxtape Vol. III - Expanded Edition -
発表年:2016年
ez的ジャンル:個性派カナディアン・ポップ職人
気分は... :2017年最初の1枚は・・・

今日から通常のエントリーに戻ります。
2017年最初に紹介するのはMocky『The Moxtape Vol.3』(2016年)です。

Mocky(本名:Dominic Salole)は1974年カナダ生まれの男性シンガー/ソングライター/マルチ・プレイヤー/プロデューサー。

これまで『In Mesopotamia』(2002年)、『Are + Be』(2004年)、『Navy Brown Blues』(2006年)、『Saskamodie』(2009年)、『Key Change』(2015年)といったアルバムをリリースし、独自のポップ感覚で根強いファンの獲得に成功しています。

また、UK出身の白人男性ソウル・シンガーJamie Lidell、カナダ人女性シンガー・ソングライターFeist、幼少時より活躍する女性シンガーNikka Costa、元Wu-Tang ClanGZA、カナダ出身でドイツを拠点に活動するミュージシャンChilly Gonzales、カナダ人女性アーティストPeaches等の作品への関与でも知られています。

トロントを経てドイツ、ベルリンを拠点に活動していたMockyがL.A.に拠点を移し、6年ぶりの新作『Key Change』をリリースし、好評を得たのが一昨年でした。その勢いに乗って制作したのが8曲収録のEP『The Moxtape Vol.3』(2016年)です。このEPは『Graveyard Novelas EP (The Moxtape Vol.1)』(2013年)、『Living Time EP (The Moxtape Vol.2)』(2015年)に続くThe Moxtapeシリーズの第3弾となります。

そして、ネット配信のみであった『The Moxtape Vol.3』に未発表5曲を加えて、日本独自でCD化したのが本作です。

全13曲ですから、EP、ミニ・アルバムというよりアルバムに近い体裁ですが、EP感覚で聴いた方が楽しめる1枚だと思います。

オリジナルEPの8曲は、自らの音楽を"My own vision of Pop"と称するMockyらしいポップ・ワールドを楽しめます。特に「Exception To The Rule」を聴けば、Mockyの魅力が一発でわかると思います。

一方、追加収録の未発表5曲はインスト中心でMocky風ジャズを楽しむことができます。

Jamie LidellHilary GayMiguel Atwood-FergusonJoey DosikNia Andrewsがゲストとしてフィーチャリングされています。

ホッと一息つける癒しのポップ・ワールドを堪能あれ!

全曲紹介しときやす。

「Keep Feelin' This」
Mockyとは関連が深いアーティストであるJamie Lidellをフィーチャー。クールな中にもポップ感覚が散りばめられたファンク調のオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=N_Q-nhbafiQ

「Starless Sky」
追加未発表曲。Hilary Gayをフィーチャー。男女ユニットFM Fataleとしてもアルバムをリリースしている女性シンガーであり、これまでもMocky作品に参加したことがあります。ヴァイオリンを織り交ぜたビューティフル&ドリーミーな仕上がりです。

「Read My Mind (Nothing To Fear)」
Mockyらしい鼻歌感覚の素朴なポップ・チューンです。口笛の響きが何ともいい味わいです。
https://www.youtube.com/watch?v=mcGL2tlCPpE

「Put It Away」
絶妙のヘタウマ感が癖になるジャジー・ポップ。
https://www.youtube.com/watch?v=4bJgiH3x42U

「Art Brakey」
追加未発表曲。タイトルはジャズ・ジャイアントの一人Art Blakeyを意識したものでしょうね。Art Blakeyのようなファンキー・ジャズが聴けると思いきや、Mocky風ジャズになっているあたりが、"Blakey"ではなく"Brakey"なのかもしれませんね。

「Skipping Stone」
追加未発表曲。この曲もMocky風ジャズを楽しめるインスト。何処となくカリビアンなエッセンスを感じられるあたりもいいですね。

「Peace Of Mine」
追加未発表曲。メロトロンも交えた透明感のあるインスト・チューン。静と動のメリハリがあるのがいいですね。

「Resonance」
追加未発表曲。ジャズに牧歌的なエッセンスが加わり、Mockyらしいインストに仕上がっています。

「Surprise You With A Smile」
Mockyのコンポーザーとしてのセンスが窺える美しい1曲。優しく柔らかな音色で包み込んでくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=UhdxMBUWjbE

「When Paulie Gets Mad (Miguel Atwood-Ferguson Edit)」
L.A.ジャズのキーマンの一人、Miguel Atwood-Fergusonをフィーチャー。『Key Change』収録曲をAtwood-Fergusonのストリングスのみで堪能できます。こういったL.A.ジャズ・シーンとの接触がMockyに新たな刺激を与えたのでしょうね。
https://www.youtube.com/watch?v=B8ZTj81k7UM

「Exception To The Rule」
この1曲を聴けば、すべてが分かる!Mockyワールドが凝縮された木漏れ日ポップ。聴けば、いつもの自分が取り戻せるはず!
https://www.youtube.com/watch?v=6w62ZwNqmP4

「For Toots」
この曲もかなり好き!ゆったりとしたジャジー・ポップは聴く者に安らぎを与えてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=ejMR6hrN5CY

「Amaimono (Sweet Things)」
Build An Arkのメンバーであるアメリカ人ピアニスト/キーボード奏者Joey Dosikと、Dexter StoryMark De Clive-LoweDegoのアルバムにフィーチャリングされ、昨年は日本独自アルバムもリリースされたL.A.の女性ヴォーカリストNia Andrewsをフィーチャー。爽快なフォーキー・ジャズ調のポップ・チューンに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=Zmw72hSS9n0

Mockyの他作品もチェックを!

『In Mesopotamia』(2002年)
In Mesopotamia

『Are + Be』(2004年)
Are & Be

『Navy Brown Blues』(2006年)
Navy Brown Blues

『Saskamodie』(2009年)
SaskaModie(ボーナス・トラック追加収録)

『Key Change』(2015年)
KEY CHANGE ( Deluxe edition )
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2016年12月29日

John Legend『Darkness and Light』

人気R&Bシンガー。制作陣を一新した最新作☆John Legend『Darkness and Light』
Darkness & Light
発表年:2016年
ez的ジャンル:男性R&B
気分は... :年内最後の新作紹介です!

今回は人気男性R&BシンガーJohn Legendの最新作『Love In The Future』です。

グラミー賞9冠に輝く実力派男性R&BシンガーJohn Legendについて、当ブログでこれまで紹介した作品は以下の3枚。

 『Once Again』(2006年)
 『Evolver』(2008年)
 John Legend & The Roots『Wake Up!』(2010年)
 『Love In The Future』(2013年)

少し前にCommonがアメリカ社会の抱える人種差別問題に鋭く切り込んだアルバム『Black America Again』をリリースしましたが、そのCommonと血の日曜日事件(1965年)で有名なセルマからモンゴメリーへの行進を描いた映画『グローリー/明日への行進(Selma)』(2014年)のテーマ曲「Glory」を歌っていたJohn Legendの新作も社会派アルバムになると勝手に予測していました。

しかし、その予想は外れました、Johnの場合、社会問題に直接言及するのではなく、自分の身近なテーマを歌うことで世界に希望や光を与えるというアプローチを選択したようです。

また、プロダクションもメンバーを一新している点も興味を引きます。

Johnが制作パートナーとして迎えたのがBlake Mills。グラミーでAlbum of the Yearに輝いたAlabama Shakes『Sound & Color』(2015年)のプロデュースを手掛けた彼をエグゼクティブ・プロデューサー&メイン・プロデューサーに抜擢しています。それ以外にもPitbull「Fireball」の共作者John Ryanが1曲共同プロデュースしています。

また、Adele「Hello」の共作者Greg KurstinMadonna、Justin Bieber、Lady Gagaを手掛けたBloodPop(Michael Tucker)Selah Sue『Reason』にプロデューサーの1人として参加していたスウェーデン人コンポーザーLudwig Goransson、US姉弟デュオThe Belle BrigadeEthan Gruska、Adele「Chasing Pavements」、Duffy「Warwick Avenue」、Diana Vickers「Once」のソングライティングで知られるEg White等がソングライティングで参加しています。

ゲストとして、注目のラッパーChance the RapperAlabama Shakesの女性ヴォーカル/ギターBrittany Howard、人気男性R&BシンガーMiguelがフィーチャリングされています。

それ以外にベテラン人気ベーシストPino Palladino(b)、元Robert Glasper ExperimentD'Angelo & The Vanguardのメンバーとしても活躍するChris Dave(ds)、現在L.A.ジャズ・シーンを代表するサックス奏者Kamasi Washington、Blake Millsとつながりの深いギタリスト/バイオリニストRob Moose(strings)、Zac Rae(p)、Larry Goldings(org)等がレコーディングに参加しています。

サウンドよりも、アーティストとしての自らの姿勢を表明する歌の内容に重きが置かれた作品かもしれません。

John自身は、サウンド面は原点回帰と述べているようですが、Blake Millsにプロデュースを全面的に委ねているように、R&Bに囚われないオルタナティブな方向を模索しているようにも思えます。

必ずしも今の僕の音楽嗜好に合致する作品ではありませんが、アーティストとしての立ち位置を表明したJohn Legendの心意気は支持したいと思います。

暗闇の中から光明を見出すために・・・

全曲紹介しときやす。

「I Know Better」 
ゴスペル調のオープニング。オルガン・サウンドにのって、♪音楽が僕を選んでくれたならば♪僕が知っていることを歌う♪という自分の歌を追い求める姿勢をしっかり歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=CUAbbNmKYtU

「Penthouse Floor」
Chance the Rapperをフィーチャー。アルバムからの2ndシングル。Pino Palladino & Chris Daveのリズム隊が素晴らしいバッキングで盛り上げてくれます。サウンド面ではコレが一番面白かったです。後半はChance the Rapperが盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=GHdBsQFcYrw

「Darkness and Light」
Alabama ShakesのBrittany Howardをフィーチャー。タイトル曲はアーシーな香りのするソウル・チューンに仕上がっています。Blake Millsのギターもいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=9DEGFE1dM50

「Overload」
Miguelをフィーチャー。切々と歌われるバラード。Kamasi Washingtonが参加していますが、かなり控えめのプレイです。
https://www.youtube.com/watch?v=x7A6e9pUtq0

「Love Me Now」
John Ryan/Blake Millsプロデュース。アルバムからの先行シングルにもなりました。本作のテーマである愛を訴えます。必ずしも僕の好みではありませんが、今のJohn Legendらしい1曲かもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=NmCFY1oYDeM

「What You Do to Me」 
シンセ・サウンドが強調された1曲。アルバムの中ではいいアクセントになっているのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=EmVYabYDiAg

「Surefire」
Selah Sue『Reason』に関与したスウェーデン人コンポーザーLudwig Goranssonもソングライティングに加わっているせいか、オルタナティブなサウンドが印象的な1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=HWI_OKIxCIM

「Right by You (For Luna)」 
Blake Millsプロデュース。娘Lunaに捧げられた1曲。Rob Mooseの美しいストリングスをバックに、Johnが切々と歌い上げます。

「Temporarily Painless」
僕好みのメロディアスなミディアム・グルーヴ。ダークネスよりライトな雰囲気があっていいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=9-e7WJx8Kd8

「How Can I Blame You」
Eg Whiteがソングライティングで参加しているビューティフル・ソング。最近のJohn Legendにはよく似合うバラードです。
https://www.youtube.com/watch?v=UOJgn4wBfAg
 
「Same Old Story」
シンセとRob Mooseの美しいストリングスをバックに切々と歌い上げるバラード。
https://www.youtube.com/watch?v=R_Ycb76dpak

「Marching Into the Dark」
本編のラストはタイトル曲を対を成すようなタイトルで締め括ってくれます。暗闇の中を行進したその先に光はあるのか・・・インディ・ロック的な仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=41mdlnKa-HI

ここらはデラックス・エディションで追加収録の3曲。

「Drawing Lines」
Blake Millsプロデュース。ア・カペラで歌い上げます。

「What You Do to Me (Piano Demo)」
John Legendプロデュース。「What You Do to Me」のピアノの弾き語り。アルバム・ヴァージョンと聴き比べるのも楽しいです。

「Love You Anyway」 
Blake Millsプロデュース。オルタナティブR&B的な面白さのある仕上がり。こういうのがあと1、2曲欲しかったかな?
https://www.youtube.com/watch?v=vbGsHc-09pQ

John Legendの過去記事もご参照下さい。

John Legend『Once Again』(2006年)
Once Again

John Legend『Evolver』(2008年)
エヴォルヴァー

John Legend & The Roots『Wake Up!』(2010年)
Wake Up

『Love In The Future』(2013年)
ラブ・イン・ザ・フューチャー
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2016年12月25日

Josef Leimberg『Astral Progressions』

L.A.ジャズとHip-Hop/R&Bの融合☆Josef Leimberg『Astral Progressions』
Astral Progressions
発表年:2016年
ez的ジャンル:L.A.ジャズ系ブラック・ミュージック
気分は... :ジャケ最高!

クリスマスですが、日曜なので新作優先で紹介します。
多分、年内は今日を含めて新作紹介は残り2回になると思います。

ということで、新作ジャズ作品からJosef Leimberg『Astral Progressions』です。

Josef Leimbergは20年以上のキャリアを誇るL.A.を拠点とするトランぺッター/プロデューサー。

ジャズ・ミュージシャンであると同時に有能なHip-Hopプロデューサーである彼の名を有名にしたのは、昨年の音楽シーンを席巻した衝撃作Kendrick Lamar『To Pimp A Butterfly』(2015年)のプロデュースでしょうね。

同作でJosef Leimbergは、同じくジャズ・ミュージシャン兼Hip-HopプロデューサーであるTerrace Martinとプロデュース・ユニットLoveDragonを組み、「How Much a Dollar Cost」「You Ain't Gotta Lie (Momma Said)」の2曲を手掛けました。

こうした活動に代表されるように、JosefはSnoop DoggErykah BaduRobin ThickeShafiq HusaynSa-Ra (Sa-Ra Creative Partners))、FunkadelicFreestyle FellowshipDr. DreMurs等といったHip-Hop/R&Bアーティストの作品にプロデューサー/ミュージシャンとして数多く参加しています。

当ブログで紹介した作品でいえば、以下の作品に関与しています。
(プロデューサーとして参加)
 213『The Hard Way』(2004年)
 Murs『Murs For President』(2008年)
 Kendrick Lamar『To Pimp A Butterfly』(2015年)
(ミュージシャンとして参加)
 Avila Brothers『The Mood: Soundsational』(2005年)
 Erykah Badu『New Amerykah: Part One (4th World War)』(2008年)
 Sa-Ra Creative Partners『Nuclear Evolution: The Age Of Love』(2009年)

同時に、彼はKamasi WashingtonTerrace Martinをはじめとする、今日のL.A.ジャズ・シーンを牽引するミュージシャンとも交流を持つと同時に、Flying LotusThundercatといったL.A.ビートミュージックからの影響も受けます。

そうした中、2012年にJosefの母が逝去したことがきっかけとなり、初のリーダー・アルバムの制作を決意します。そして、遂に完成させたのが本作『Astral Progressions』です。ここに至るまでにはSa-RaShafiq HusaynTaz Arnoldの後押しがあったようです。

アルバムには、Kamasi WashingtonMiguel Atwood-FergusonGeorgia Anne MuldrowTerrace MartinBilalTracy WannomaeKuruptJimetta Roseといったミュージシャンがフィーチャリングされています。

また、レコーディングにドラマーは参加せず、ビートはすべてJosefのプログラミングによるものです。その意味で、ジャズ・ミュージシャンとしての彼と、ビートメイカーとしての彼を融合させたアルバムと呼べるでしょう。

アルバム全体としては、L.A.ジャズとHip-Hop的センスが融合したブラック・ミュージック作品という印象です。Hip-Hop的センスもありますが、Kamasi Washingtonの傑作『Epic』(2015年)に通じる魅力もあります。

ちなみに印象的なジャケのアートワークはGeorgia Anne Muldrowのアルバム・ジャケで知られる日本人クリエイターTokio Aoyama(青山宗央)氏です。僕が本作が最初に気になったのも実はジャケでした。Georgia Anne Muldrow作品で青山氏のアートワークに魅了されていたので、自然と目に留まったのでしょうね。

今年聴いたジャズ・アルバムの中でも、かなり上位に入る1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Spirits Of The Ancestors」
Miguel Atwood-Fergusonのストリングス、Josefのトランペット、さらに厳かなコーラス等が織り成す壮大なスピリチュアル・ジャズでアルバムは幕を開けます。

「Interstellar Universe」
Kamasi Washingtonをフィーチャー。Kamasiの『Epic』に通じる雰囲気を持った現行ブラック・ジャズって雰囲気がいいですね。Kamasiの躍動するブロウに続き、Josefも負けじと快調なプレイを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=Glie1tbc_ME

「As I Think Of You」
Georgia Anne Muldrow/Miguel Atwood-Fergusonをフィーチャー。当ブログでもお馴染み、独特の世界観を持つ女性R&BシンガーであるMuldrowが神秘的なヴォーカルを聴かせてくれます。ここでのMuldrowのヴォーカルはNina Simoneを意識しているrしいです。Muldrowが神秘的な雰囲気とMiguel Atwood-Fergusonがアレンジするストリングスの相性もバッチリです。

「The Awakening」
Terrace Martinと女性ジャズ・ミュージシャンTracy Wannomaeをフィーチャー。Josefのビートメイカーの側面を実感できるJ Dilla的なビートにのって、Martinのサックス、Wannomaeのバスクラリネット、Josefのトランペットが駆け巡ります。Robert Glasper Experimentあたりとは異なるアプローチでのジャズとHip-Hopの融合を楽しめます。

「Between Us 2」
Bilalをフィーチャー。Sa-RaのShafiq HusaynとJosefの共作曲です。さらにはKamasi Washington、Miguel Atwood-Fergusonも参加しています。アルバムの中でも最もキャッチーなネオソウルに仕上がっています。

「Celestial Visions」
Miguel Atwood-Fergusonの美しいストリングスをバックに、Josefが伸びやかなトランペットを響かせるビューティフル&ドリーミーな仕上がり。主役のJosef以上にMiguel Atwood-Fergusonの手腕が光る演奏かもしれません。

「Astral Progressions」
Kuruptのラップをフィーチャー。タイトル曲はHip-HopプロデューサーJosef Leimbergの側面を楽しめる1曲です。フツーに格好良いHip-Hopチューンとして楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=UkYVM0iOyYA

「Lonely Fire」
Terrace Martinをフィーチャー。Miles Davisのカヴァーです(オリジナルはアルバム『Big Fun』収録)。まさにエレクトリック・マイルスのような世界観を楽しめる演奏です。少しスピリチュアルなエッセンスが効いているのみグッド!

「Echoes Of One」
Jimetta Rose/Miguel Atwood-Fergusonをフィーチャー。Jimetta Roseのソウルフルな女性ヴォーカルを前面に打ち出した仕上がり。彼女は当ブログで紹介した作品でいえば、Visioneers『Hipology』(2012年)、Dexter Story『Seasons』(2013年)、Quantic Presenta Flowering Inferno『1000 Watts』(2016年)に参加しています。

「Psychedelic Sonia」
ラストは14分超の大作。本作を制作するきっかけとなった亡き母に捧げた1曲です。病床での母親の声が全編に流れる1曲です。ダンサーで画家でもあった彼の母はJosefに"ブルースのアルバムを作りなさい"と説いていたそうです。Josefの母への想いが伝わってくるスピリチュアル・ジャズです。

どうやら、Anderson .PaakDr. Dreと制作しているアルバムに、Josef Leimbergが参加し、楽曲も提供しているらしいです。コチラも楽しみですね!
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2016年12月18日

Jimi Tenor『Saxentric』

12年ぶりのソロ名義アルバム☆Jimi Tenor『Saxentric』
jimi tenor saxentric.jpg
発表年:2016年
ez的ジャンル:北欧系モンド・ジャズ/アフロ・ジャズ
気分は... :ジャズの桃源郷へ・・・

今回は新作アルバムから、フィンランドの奇才マルチプレーヤーJimi Tenorが久々にソロ名義でリリースした『Saxentric』です。

当ブログでこれまで紹介したJimi Tenor作品は以下の3枚。

 『Intervision』(1997年)
 Jimi Tenor & Kabu Kabu『Joystone』(2007年)
 Cola & Jimmu『Enigmatic』(2013年)

ここ10年はベルリンのアフロビート・バンドKabu Kabu、アフロビートのレジェンド・ドラマーTony Allen、奥方Nicole Willis、アイスランドのバンドHjalmar、フィンランドのビッグバンドUmo Jazz Orchestra等との共演アルバムが多かったJimi Tenorが、『Beyond the Stars』(2004年)以来のソロ名義のアルバムとしてリリースしたのが本作『Saxentric』です。

レコーディングにはTony Allen(ds)をはじめ、Ekow Alabi Savage(ds)、Akinola Famson(per)、Patrick Frankowski(b)、Daniel Allen Oberto(per、tp)というKabu Kabuのメンバー、Jimiと共演アルバム『Dub Of Doom』(2013年)もリリースしたアイスランドのバンドHjalmarのメンバーであるHelgi Svavar Helgason(ds)、同じくJimiと共演アルバム『Itetune』(2011年)をリリースしたAbdissa Assefa(ds)、昨年Jimiとの共演アルバム『Mysterium Magnum』をリリースしたフィンランドのビッグバンドUmo Jazz OrchestraのメンバーMongo Aaltonen(per)、かつてJimi Tenor & His ShamansのメンバーであったIlkka Mattila(b、g)、さらにはAllonymous(vo、per)、Tero Lindberg(flh)、Kalle Kalima(g)、Hilary Jeffery(tb)といったミュージシャンが参加しています。また、Jimi自身もマルチプレーヤーぶりを大いに発揮しています。

この十数年のコラボ相手が多数参加していることからも推察されるように、近年の活動の集大成的な作品かもしれませんね。サウンド的にもJimiのさまざまなジャズ・ワールドを楽しめます。

派手さはありませんが、Jimi Tenorというミュージシャンのプリミティブな魅力に触れることができる1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Cap De Creus」
モンドでバカンスなラウンジ・チューンでアルバムは幕を開けます。トロピカル・ベースあたりにも通じる世界観なのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=rurD_qqogqI

「Full House」
Tony Allen参加のアフロビート。Tony AllenKabu Kabuと共演した諸作がお好きな方には、やはりアフロビートなJimiがしっくりくるのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=nVpN11hrCK8

「My Baby Is Coming」
Jimi自身がヴォーカルをとるモンド感覚のジャズ・ヴォーカル・チューン。何処か毒々しいのに、それをスマートに聴かせてしまうのがJimiのセンスかもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=lL9838A1Rmo

「Vortex」
Helgi Svavar Helgasonの叩くビートにのって、Jimiのサックスを存分に楽しめるアフロ・ファンク。軽くボッサなエッセンスも効いています。
https://www.youtube.com/watch?v=UuGM__7HoEI

「Ursa Major」
すべての楽器をJimiが演奏しているマルチプレーヤーぶりを堪能できます。Jimiの一人スピリチュアル・ジャズを楽しみましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=9lV2TYZmf0A

「Baby Pharaoh」
タイトルからしてPharoah Sandersを意識したものでしょうか。2分強で終わってしまうので少しあっけない気も・・・
https://www.youtube.com/watch?v=6aqPzjcAwCY

「Four Corners Of The Earth」
Allonymousのヴォーカルをフィーチャー。ラウンジ感のあるオルガンが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=gSwTuOhNzHQ

「Meridian Of Peace」
Walter Wanderley的なオルガン・ラウンジに、Jimiらしい近未来的なモンド感覚を加えた演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=ghEstkYlNMc

「Kivinokka」
この演奏こそPharoah Sanders的なスピリチュアル・ジャズですね。
https://www.youtube.com/watch?v=JnuQiJYs6u4

「Magick Of Choice」
50年代のジャズ黄金期を2016年に再構築したようなサウンドを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=VbyVh2wVgAc

「Peaceful Maelstrom」
本作の中で最も多くのミュージシャンが参加したパーカッシヴなアフロビート/アフロ・ファンクを楽しめます。

「Polygonal」
ラストはJimiらしいモンドでかつスピリチュアルな雰囲気の演奏で締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=Cujkb5993MI

Jimi Tenorの他作品もチェックを!

『Sahkomies』(1994年)
Sahkomies by Tenor, Jimi (2001-01-01) 【並行輸入品】

『Europa』(1995年)
Europa

『Intervision』(1997年)
INTERVISION

『Organism』(1999年)
Organism

『Out of Nowhere』(2000年)
Out of Nowhere (WARPCD76)

『Utopian Dream』(2001年)
Utopian Dream

『Higher Planes』(2003年)
Higher Planes

『Beyond the Stars』(2004年)
Beyond the Stars

『Deutsche Grammophon Recomposed』(2006年)
Recomposed By Jimi Tenor

Jimi Tenor & Kabu Kabu『Joystone』(2007年)
Joystone

Jimi Tenor & Kabu Kabu『4th Dimension』(2009年)
4th Dimension

Jimi Tenor & Tony Allen『Inspiration Information, Vol. 4』(2009年)
Inspiration Information, Vol. 4

Jimi Tenor & Abdissa Assefa『Itetune』(2011年)
jimi tenor & abdissa assefa itetune.jpg

Jimi Tenor & Kabu Kabu『The Mystery Of Aether』(2012年)
Mystery of Aether

Cola & Jimmu『Enigmatic』(2013年)
Enigmatic

Jimi Tenor & Umo Jazz Orchestra 『Mysterium Magnum』(2015年)
Mysterium Magnum
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2016年12月11日

Sacha Vee『Luminous』

NZ出身の女性シンガーによるオランダ産ネオソウル☆Sacha Vee『Luminous』
Luminous
発表年:2016年
ez的ジャンル:オランダ産ネオソウル
気分は... :ブリしゃぶ・・・

新作からSacha Vee『Luminous』です。

Sacha Veeはニュージーランド出身の白人女性シンガー。

2011年に日本でデビューEP『Sacha Vee』をリリース。その後、State Of MindBenny TonesK+Labといったニュージーランドのアーティストとレコーディングしています。

2012年よりオランダに拠点を移して活動しています。2015年にはEP『Rising One』をリリースし、同年にはポーランドのビートメイカー/ラッパーO.S.T.R. と共演したり、日本人女性シンガーNao Yoshiokaへ楽曲を提供しています。

本作『Luminous』は彼女にとって初のフル・アルバムとなります。

メイン・プロデューサーはオランダ人プロデューサーのI.N.T.(Percy La Rock)。それ以外にオランダのHip-HopユニットKilling SkillsWantiggaMoodsChef Redがプロデューサーに起用されています。

アルバム全体としては、R&B、Hip-Hop、ジャズ、エレクトロニカ、クラブミュージックのエッセンスをうまく融合させた次世代ネオソウルに仕上がっています。

また、国内盤CDにはEP『Rising One』収録曲など3曲のボーナス・トラックが追加収録されているのも嬉しいですね。

北欧らしいオルタナティヴ感にグッとくるネオソウル作品です。

次世代の歌姫とクリエイター達が生み出したネオソウルを楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「Caught Up (Intro)」
I.N.T.プロデュース。フューチャリスティックなドリーミー&メロウ感が心地好いアルバムのイントロ。
https://www.youtube.com/watch?v=azjvm9fiCj4

「I'm No Joke」
I.N.T./Killing Skillsプロデュース。Killing SkillsはKilling Skills & Noise Trio feat. Joe Kickass & Sacha Vee名義での作品もリリースしています。ジャジー&メロウなHip-Hopサウンドにのって、Sachaが少し気怠いヴォーカルで歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=GXHZPeAqU8s

「Stonecold」
Wantiggaプロデュース。元々はWantiggaのEP『Pillow Talk』に収録されていた楽曲です。エレクトロ色の強いトラックにのってSachaがクールなヴォーカルを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=xl-t5dTv5YA

「Sail Away」
I.N.T.プロデュース。軽快かつドリーミーに浮遊するメロウ・チューン。アンビエントな雰囲気もあっていいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=cbIAIAf_ufc

「Monday」
Moodsプロデュース。Moodsはオランダ、ロッテルダムを拠点に活動する新進アーティストのようです。ホーン・セクションも加わったキャッチーなネオソウルに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=N4A6EGlKKuQ

「My Way」
Chef Redプロデュース。Sachaが艶めかしいヴォーカルで切々と歌うスロウ。引き算の音作りがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=NT0yswjmo-I

「Trigger」
I.N.T.プロデュース。ブロークンビーツ的なエッセンスを取り入れたフューチャリスティック・ソウル
https://www.youtube.com/watch?v=hQu-c1dJoYg

「Feels Good」
I.N.T.プロデュース。Sachaのキュート・ヴォーカルにグッとくるメロウ・ミディアム。サウンド作りが80年代UKラヴァーズっぽくて好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=6gUCbky2Dns

「Light Of Day」
I.N.T.プロデュース。コケティッシュなオルタナティヴ・ソウル感はSelah Sueあたりに通じる魅力があります。
https://www.youtube.com/watch?v=_7IcCKndXTo

「Ging (I.N.T. Rework)」
I.N.T.プロデュース。EP『Rising One』収録曲をI.N.T.がリワーク。後述するオリジナル以上にビートが強調された仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=h1KI5Kr1NOM

「Leave Me All Your Love」
I.N.T.プロデュース。ボッサ調のエレクトロニカ・サウンドが心地好い僕好みの1曲。ホーン隊も盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=Tf7nHQ9UwDo

「Music Child」
I.N.T.プロデュース。本編のラストはパーカッシヴなメロウ・グルーヴ。前曲からのブラジリアンな流れがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=FpYRWwgBwQQ

ここから3曲は国内盤ボーナス・トラック。

「Hey Sugar (I.N.T. Rework Instrumental)」
I.N.T.プロデュース。次曲「Hey Sugar」のI.N.T.によるインスト・リワーク。I.N.T.のサウンド・クリエイターとしての才能を確認できます。
https://www.youtube.com/watch?v=rmsWVdt--pQ

「Hey Sugar」
Killing Skillsプロデュース。EP『Rising One』収録曲。オリジナルはErykah Baduあたりに通じるネオソウルに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=8jy1Tt1gHlI

「Ging」
Chef Redプロデュース。EP『Rising One』収録曲。キュート&メロウなネオソウル。「Hey Sugar」と同じくネオソウル好きの人は気に入るはず!
https://www.youtube.com/watch?v=tXATEl6W0p8

いよいよ忘年会シーズン。
今年は短期間に集中しているので体調を崩さないように注意せねば・・・
posted by ez at 00:59| Comment(2) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする