2019年07月07日

Quantic『Atlantic Oscillations』

ダンスフロア仕様を目指した最新作☆Quantic『Atlantic Oscillations』
Atlantic Oscillations [解説・歌詞対訳 / ボーナストラック1曲収録 / 国内盤] (BRC599)
発表年:2019年
ez的ジャンル:コスモポリタン系N.Y.クロスオーヴァー
気分は... :多元的・・・

UK出身のDJ/ミュージシャン/プロデューサーQuanticの最新アルバム『Atlantic Oscillations』です。

QuanticことWill Hollandに関して、これまで当ブログで紹介した作品は以下の9枚。

 Quantic『Apricot Morning』(2002年)
 The Quantic Soul Orchestra『Stampede』(2003年)
 The Quantic Soul Orchestra『Pushin On』(2005年)
 Quantic Presenta Flowering Inferno『Death Of The Revolution』(2008年)
 Quantic & Alice Russell With The Combo Barbaro『Look Around The Corner』(2012年)
 Quantic『Magnetica』(2014年)
 Quantic Presents The Western Transient『A New Constellation』(2015年)
 Quantic Presenta Flowering Inferno『1000 Watts』(2016年)
 Ondatropica『Baile Bucanero』(2017年)
 Quantic & Nidia Gongora『Curao』(2017年)

Quantic名義では『Magnetica』(2014年)以来のアルバムとなります。

今でもコロンビア、クンビアのイメージが強いQuanticですが、6年前から活動拠点をコロンビアからN.Y.へ移しています。

本作では、そんなN.Y.のクラブ・サウンドを意識したダンスフロア仕様のアルバムを目指したようです。

個人的な感想としては、これまでの路線を一新したN.Y.クラブ・サウンドというよりも、UK時代、コロンビア時代といったこれまでのキャリアやThe Quantic Soul OrchestraFlowering InfernoThe Combo BarbaroOndatropica等さまざまプロジェクトで培ってきたサウンドと今のQuanticとをクロスオーヴァーさせたN.Y.クラブ・サウンドという印象を受けます。

アルバムには盟友とも呼べるUKの女性シンガーAlice Russell、共演アルバム『Curao』(2017年)でお馴染みのコロンビア人女性シンガーNidia Gongora、テキサス出身のナイジェリア系アメリカ人女性シンガーDenitia、Quantic作品にはお馴染みのサックス奏者Sly5thAve(Sylvester Onyejiaka)がフィーチャリングされています。

それ以外にCaito Sanchez(ds)、Sydney Driver(ds)、Joe Blaxx(ds)、 Paul Wilson(p)、Kofi Hunter(congas)、Adriana Molello(violin)、Juliette Jones(violin)、Freddy Colorado(per)といったミュージシャンが参加しています。

ダンサブルなサウンドに満ちたアルバムですが、全曲生音ドラムを取り入れ、随所でQuantic自身がアレンジを手掛けた美しいストリングスが配されています。

とりあえずYouTubeに音源のある「Atlantic Oscillations」「Motivic Retrograde」「You Used To Love Me」の3曲を聴いてもらえれば本作の雰囲気をわかって頂けると思います。

世界を股に掛けるコスモポリタンQuanticらしいクロスオーヴァーなダンス・ワールドを満喫しましょう!

全曲紹介しときやす。

「Divergence」
美しいヴァイオリンとシンセのエレクトロニカな音色、さらに人力ビートによるオープニング。本作におけるQuanticのスタンスがよくわかります。

「Inscendium」
Quantic自身をヴォーカルを務めるダンス・チューン。N.Y.アンダーグラウンドのダンスフロア感がある本作らしいサウンドを楽しめます。

「September Blues」
Quantic自身が手掛けたストリングス・サウンドが冴えるインスト・ダンス・チューン。初期Quanticを2019年のN.Y.仕様にしたような雰囲気もあります。

「You Used To Love Me」
Denitiaをフィーチャー。少しレイジーなDenitiaのヴォーカルが映えるクールなソウル・グルーヴ。僕の一番のお気に入りです。
https://www.youtube.com/watch?v=e2NIBW8L_Jw

「Atlantic Oscillations」
タイトル曲はN.Y.を拠点とする今のQuanticと世界中を飛び回ってきた彼のこれまでのキャリアをクロスオーヴァーさせたようなインスト・ディスコに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=AFZJKZVWv3U

「Now Or Never」
Alice Russellをフィーチャー。美しいヴァイオリンと臨場感のある生音グルーヴがAlice Russellのヴォーカルを盛り立てるソウル・グルーヴ。

「Orquidea」
Sly5thAveのサックスをフィーチャー。Sly5thAveのサックスをはじめ、開放的なサマー・モードのジャジー・サウンドで楽しませてくれます。

「Tierra Mama」
Nidia Gongoraをフィーチャー。今のQuanticとコロンビア時代のQuanticとの
クロスオーヴァーといった感じですね。ラテン・サウンドの中にN.Y.ダンスフロアのスパイスが効いています。

「Motivic Retrograde」
これはUK時代の初期Quanticとコロンビア時代のQuanticの融合させたようなインスト・ダンス・チューンです。Quantic好きの人であれば楽しめるであろうクロスオーヴァー・サウンドなのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=_ur-AFT460A

「La Reflexion」
Flowering Inferno的なダビー感覚も取り入れたN.Y.×ラテンなクロスオーヴァー・チューン。マリンバやカリンバのアクセントもいい感じです。

「Is It Your Intention」
本編ラストはQuantic自身をヴォーカルを務める哀愁エレクトロニカで締め括ってくれます。

「Atlantic Oscillations (Disco Dub)」
国内盤ボーナス・トラック。「Atlantic Oscillations」のリミックスです。
https://www.youtube.com/watch?v=VOKNLPfCiJI

Quantic関連の他作品もチェックを!

Quantic『The 5th Exotic』(2001年)
The 5th Exotic

Quantic『Apricot Morning』(2002年)
Apricot Morning (TRUCD034)

The Quantic Soul Orchestra『Stampede』(2003年)
Stampede

The Limp Twins『Tales From Beyond the Groove 』(2003年)
Tales from Beyond the Groove (TRUCD057)

Quantic『Mishaps Happening』(2004年)
Mishaps Happening

The Quantic Soul Orchestra『Pushin On』(2005年)
Pushin On (TRUCD074)

Quantic『An Announcement to Answer』(2006年)
An Announcement to Answer (TRUCD100)

The Quantic Soul Orchestra with Spanky Wilson『I'm Thankful』(2006年)
I'm Thankful

The Quantic Soul Orchestra『Tropidelico』(2007年)
Tropidelico (TRUCD139)

Quantic Presenta Flowering Inferno『Death Of The Revolution』(2008年)
Death Of The Revolution [日本語解説付き国内盤] (BRTRU163)

Quantic & His Combo Barbaro『Tradition in Transition』(2009年)
Tradition in Transition (TRUCD190)

Quantic Presenta Flowering Inferno『Dog With a Rope』(2010年)
Dog With A Rope [ボーナストラック2曲・日本語解説付き国内盤] (BRC-262)

Quantic & Alice Russell With The Combo Barbaro『Look Around The Corner』(2012年)
Look Around The Corner [解説付 / ボーナストラック2曲収録 / 国内盤] (BRC325)

Ondatropica『Ondatropica』(2012年)
Ondatropica

Quantic『Magnetica』(2014年)
Magnetica [帯解説・ボーナストラック2曲収録 / 国内盤] (BRC415)

Quantic Presents The Western Transient『A New Constellation』(2015年)
A NEW CONSTELLATION [帯解説・ボーナストラック収録] (BRC477)

Quantic Presenta Flowering Inferno『1000 Watts』(2016年)
1000 Watts [帯解説・ボーナストラック4曲収録 / 国内盤CD] (BRC514)

Ondatropica『Baile Bucanero』(2017年)
バイレ・ブカネロ

Quantic & Nidia Gongora『Curao』(2017年)
Curao [帯解説・歌詞対訳 / ボーナストラック1曲収録 / 国内盤] (BRC547)
posted by ez at 00:35| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月30日

Jordan Rakei『Origin』

さらなる進化を遂げた次世代ネオソウル☆Jordan Rakei『Origin』
Origin [輸入盤CD] (ZENCD256)_742
発表年:2019年
ez的ジャンル:次世代ネオソウル系男性シンガー・ソングライター
気分は... :シンギュラリティへの警告!

新作アルバムから注目の男性シンガー・ソングライターJordan Rakeiの3rdアルバム『Origin』です。

オーストラリア、ブリスベン出身、現在はロンドンを拠点とする男性シンガー・ソングライターJordan Rakeiの紹介は、1stアルバム『Cloak』(2016年)、2ndアルバム『Wallflower』(2017年)に続き3回目となります。

本作も前作『Wallflower』(2017年)に続き、Ninja Tuneからのリリースです。

クロスオーヴァーな次世代ネオソウルとして注目を集めた1stアルバム『Cloak』(2016年)に続く、前作『Wallflower』(2017年)はパーソナルな内面にフォーカスしたシンガー・ソングライター的な色合いの強いアルバムでした。

最新作となる3rdアルバム『Origin』は、行き過ぎたテクノロジーへ警鐘を鳴らす社会メッセージ色の強い楽曲が多く収録されています。シンギュラリティあたりを懸念しているのでしょうね。

その一方でメロディアスでカラフルなサウンドを楽しめる作品に仕上がっています。Rakei本人はTom Misch『Geography』(2018年)あたりを意識していたみたいですね。

前作も悪くありませんでしたが、個人的には本作の方向性の方が断然好きです。

派手なゲストはありませんが、互いの作品に参加し合う敏腕ドラマーRichard Spaven(ds)、The Cinematic Orchestraのギタリスト
Stuart McCallum(strings arr)、何曲かで共同プロデューサーも務めるJim Macrae(ds、prog)、UK新世代フューチャー・ソウル・バンドNative DancerのメンバーであるFrida Touray(back vo)、Sam Crowe(p)、Josh Arcoleo(ts)の3名(リーダーのSam CroweMark Guilianaも参加していたSam Crowe Group名義の作品でも知られるミュージシャン)、『Cloak』にも参加していたImraan Paleker(g、b、per)、WaajuのメンバーでJordan Rakei作品にはお馴染みのErnesto Marichales(per)、男女ユニットBrotherlyとしても活動していたRob Mullarkeys(b)等のミュージシャンが参加しています。

また、UKの男性シンガー・ソングライターOli Rockbergerが共同プロデュース&ソングライティングで参加しています。

アルバムに先駆けて昨年シングル・リリースされた「Wildfire」、リード・シングルとなった「Mind's Eye」をはじめ、シングル向きのキャッチーなディスコ・ファンク「Rolling Into One」、フューチャリスティックな中にソウルフルな味わいがある「Mad World」、シンセ・ベースの効いたフューチャリスティック・ネオソウル「Signs」、Oli Rockbergerとの共同プロデュース・共作の深遠なビューティフル・バラード「Speak」、インド×ジャズな神秘的スピリチュアル・チューン「Mantra」あたりがおススメです。

さらに進化を遂げたJordan Rakeiワールドをご堪能あれ!

全曲紹介しときやす。

「Mad World」
Christopher Taylor/Jordan Rakei/Kwabena Adjepong作。作者の一人Kwabena AdjepongはKwabs名義でNao『Saturn』にもフィーチャリングされていましたね。タイトルの通り、テクノロジーに支配されたマッド・ワールドへの警鐘を鳴らすオープニング。プログラミングを駆使したフューチャリスティックな雰囲気の楽曲ですが、RakeiのヴォーカルはMarvin Gaye調のソウルフルな味わいがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=yWj2fD8ggnc

「Say Something」
Jordan Rakei作。演奏もすべて一人でこなし、マルチ・インストゥルメンタリストぶりで楽しませてくる幻想的な次世代ネオソウル・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=IwJU6fmGsc0

「Mind's Eye」
Jim Macraeとの共同プロデュース。Beau Diakowicz/Jordan Rakei作。アルバムからのリード・シングルとして今年1月にリリースされた楽曲。UKらしいダンサブルなフューチャー・ソウルに仕上がっています。Ernesto Marichales(per)も加わり、少しアフロ・フィーリングも入っている感じがいいですね。歌詞は未来の電脳世界を皮肉った内容になっています。
https://www.youtube.com/watch?v=ZwdBaYxVyCI

「Rolling Into One」
Jim Macraeとの共同プロデュース。Jordan Rakei作。シングル向きのキャッチーなディスコ・ファンクですが、Jordan Rakei流の佇まいがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=dmcTYjVDb-M

「Oasis」
Beau Diakowicz/Jordan Rakei作。Richard Spaven(ds)参加曲。多重録音による素晴らしいヴォーカル・ワークと共に始まる次世代ネオソウル・チューン。颯爽とした雰囲気がいいですね。Spavenが新世代ドラマーらしいドラミングで盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=pb9pNw6qKkA

「Wildfire」
Imraan Paleker/Jordan Rakei作。アルバムに先駆けて、2018年にシングル・リリースされた楽曲。Rakei本人も前作『Wallflower』と本作を橋渡しする曲と位置づけています。Imraan Paleker(g、b、per)、Jim Macrae(ds)が参加したメロディアスかつリズミックな次世代ネオソウルに仕上がっています。本作らしいビューティフルで透明感のある音世界を楽しむことができます。
https://www.youtube.com/watch?v=D81WtY2Xuqw

「Signs」
Frida Touray/Jordan Rakei作。シンセ・ベースによるグルーヴが印象的なフューチャリスティック・ネオソウル。Frida Tourayのバック・コーラスもいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=zk0GZ4jFWro

「You & Me」
Jordan Rakei作。ポップ職人的な魅力に溢れた1曲。Sam Croweの素敵なピアノも印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=BpHtof-ua4w

「Moda」
Jim Macraeとの共同プロデュース。Jordan Rakei作。前曲「You & Me」との組曲のような構成がいいですね。本作らしい社会メッセージが歌われるミディアム・グルーヴ。ポップ・センスに溢れたサウンドもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=EYcSQHVqIw0

「Speak」
Oli Rockbergerとの共同プロデュース・共作。Oli RockbergerはRichard Spaven作品やBecca Stevens『Regina』にも参加しているUKの男性シンガー・ソングライター。また、Stuart McCallumがストリングス・アレンジを手掛けています。ピアノと素晴らしいストリングス中心の深遠なビューティフル・バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=X_wp2RibPiQ

「Mantra」
Jim Macraeとの共同プロデュース。Jordan Rakei作。本編ラストはインド×ジャズなクロスオーヴァーが楽しめる神秘的スピリチュアル・チューンに仕上がっています。スピリチュアル・フィーリングですがポジティブなヴァイヴで満ちているのがいいですね。Native Dancerの3名が活躍しています。
https://www.youtube.com/watch?v=5XN1ojq52Hc

国内盤CDにはボーナス・トラック「Always Coming」が追加収録されています。幻想的なビューティフル・バラードです。

未聴の方は、1st『Cloak』(2016年)、2nd『Wallflower』(2017年)もぜひチェックを!

『Cloak』(2016年)
クローク

『Wallflower』(2017年)
Wallflower [帯解説 / 国内仕様輸入盤CD] (BRZN245)
posted by ez at 00:26| Comment(2) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月23日

Grupo Fantasma『American Music Vol. VII』

磨きが掛かったハイブリッド・ラテン・ファンク☆Grupo Fantasma『American Music Vol. VII』
アメリカン・ミュージック VOL.7
発表年:2019年
ez的ジャンル:ハイブリッド系ラテン・ファンク
気分は... :イノベーション=新結合!

USを代表するラテン・ファンク・バンドGrupo Fantasmaの最新作『American Music Vol. VII』です。

テキサス州オースティン出身を拠点に活動するラテン・ファンク・バンドGrupo Fantasmaに関して、これまで当ブログで紹介したのは以下の3枚。

 『Sonidos Gold』(2008年)
 『El Existential』(2010年)
 『Problemas』(2014年)

前作『Problemas』(2014年)から約5年のインターバルをとってリリースされた最新作が『American Music Vol. VII』です。

タイトルから『American Music』というアルバムがシリーズ化されている印象をお持ちの方もいるかもしれませんが、そうではなくグループにとって7枚目のアルバム(ライブ・アルバムも含む)という意味合いです。

ラテン、サルサ、クンビア、ファンク、ソウル、ジャズ、レゲエ、ロック等を取り入れたハイブリッドなラテン・ファンクが特徴のGrupo Fantasmaですが、本作でも彼らならではのハイブリッド・サウンドで楽しませてくれます。

前作ではLos LobosSteve Berlinをプロデューサーに迎えていましたが、本作ではコロンビア人プロデューサー/エンジニアのCarlos "El Loco" Bedoyaがプロデュースを務めています。

本作におけるメンバーは、Gilbert Elorreaga(tp)、Kino Esparza(vo、per)、Jose Galeano(timbales、vo)、Mark "Speedy" Gonzales(tb)、Greg Gonzalez(b)、Matthew "Sweet Lou" Holmes(congas、bongos)、Josh Levy(bs)、Beto Martinez(g)、John Speice(ds、per)の9名。

さらにアルバムにはグラミー最優秀テハーノ・アルバム受賞歴もあるテックス・メックス・バンドLos TexmaniacsのメンバーJosh Baca(accordion)、、N.Y.ブルックリンを拠点とするバングラ・ファンク・バンドRed BaraatのメンバーSunny Jain(dhol)、L.A.を拠点とするラテン・ミクスチャー・バンドOzomatliの面々、
マイアミを拠点とするレゲエ/サルサ/クンビア/ファンクのミクスチャー・バンドLocos Por JuanaItawi Correa(vo)、Grupo Fantasmaと同じテキサス州オースティンを拠点とするR&BバンドTomar And The FCSのリーダーTomar Williams(vo、org)、クンビア・アコーディオン奏者Mr. Vallenato(accordion)、コロンビア人ミュージシャンのJaime Ospina(vo、per)といった多彩なミュージシャンがゲスト参加しています。

ハイブリッド・サウンドを楽しみたいのであれば、テハーノ×トルコ×バングラな「LT」、Ozomatli、Locos Por Juanaと共演したラテン・ファンク×ロック×Hip-Hopな「The Wall」あたりがおススメです。

クンビア色の強い音を欲している人には「Nubes」「Sombra Roja」がそのタイプです。

純粋にドライヴ感のあるラテン・ファンクの格好良さを欲しているのであれば、「Nosotros」「Ausencia」「Cuidado」「El Fugitivo」がおススメです。個人的にもこのタイプが好きです。あとはR&B調の「Let Me Be」や(後半のみですが)ラテン・メロウ・ファンクな「Yo Quisiera」も僕好みの1曲。

多彩なハイブリッド・サウンドでラテン・ファンクの可能性を示してくれる渾身の1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「El Fugitivo」
Los TexmaniacsのJosh Bacaによるアコーディオンをフィーチャー。ドライヴ感のあるラテン・ファンクとテックス・メックスを融合させたテキサスのラテン・ファンク・バンドらしいオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=9R02JEzdUus

「Nubes」
クンビア色の強い仕上がり。コロンビア人プロデューサーCarlos "El Loco" Bedoyaの起用も、このタイプの曲に狙いがあるのかもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=9kGKNOEPJIU

「LT」
本作の中でも異色の格好良さを持った1曲。バングラ・ファンク・バンドRed BaraatのSunny Jainによるドール・ドラムの響きと、60〜70年代にトルコで人気を博したトルコの伝統音楽とサイケデリック・ロックを融合させたターキッシュ・サイケデリア/アナドル・ロックを意識したギター・サウンドが印象的です。テハーノ×トルコ×バングラという超ハイブリッド・サウンドが何とも痛快です。
https://www.youtube.com/watch?v=zJyf6fbsMSM

「Que Es Lo Que Quieres De Mi?」
哀愁のテハーノ・ワールドが展開されます。少しレゲエのエッセンスも入っているのがこのバンドらしいかもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=g_bBJAdMjU0

「The Wall」
タイトルはトランプ大統領がメキシコ国境に作ろうとしている壁のことです。L.A.のラテン・ミクスチャー・バンドOzomatli、マイアミのラテン・ミクスチャー・バンドLocos Por Juanaをゲストに迎えた3組のラテン・ミクスチャー・バンドの共演です。ラテン・ファンク×ロック×Hip-Hopなミクスチャー・サウンドで魅せてくれます。トランプ大統領に対して、USラテン・コミュニティの結束を示しているかのような1曲です。

「La Cruda」
再びJosh Bacaのアコーディオンをフィーチャー。リラックスした開放的な演奏で楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=vTatVFjgFYY

「Nosotros」
重量感のあるラテン・ファンク・ロック。ファンク・ロック色の強いサウンドでグループのハードな側面の魅力を満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=bC6Bu6nixQM

「Let Me Be」
同郷のR&BバンドTomar And The FCSのリーダーTomar Williams(vo、org)をフィーチャー。ソウルフルなR&Bグルーヴとラテン・ファンクの融合はモロに僕好みです。ソウル/R&Bファンも楽しめるはずです。
https://www.youtube.com/watch?v=VVrRxXj9Dq0

「Ausencia」
Grupo Fantasmaの格好良さがストレートに伝わってくるラテン・ファンク。ラテンらしい疾走感、豪快なホーン・サウンドに、ドライブ感のあるファンク・グルーヴが加味された100%Grupo Fantasma印の1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=4YSjHt61SrM

「Hot Sauce」
タイトルからしてテハーノ風ですね。哀愁テックス・メックスな前半から、後半はサルサ調で疾走します。サルサ・ソースを使った辛い料理が食べたくなります(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=L5-lG1C-6kw

「Cuidado」
格好良いテハーノ・ラテン・ファンク。格好良すぎるドラム、ギターに鮮やかなホーン隊が絡む文句なしの1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=GMXjSqnNF6k

「Yo Quisiera」
哀愁モードの前半から、後半はラテン・メロウ・ファンクへ様変わり。できれば、後半のみで1曲にして欲しかったなぁ。
https://www.youtube.com/watch?v=_2WG8cQulZg

「Sombra Roja」
Jaime Ospina、Mr. Vallenatoをフューチャー。ラストはフォルクローレ調のクンビアで締め括ってくれます。Mr. Vallenatoのアコーディオンが実に印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=yEUYDnogBhQ

興味がある方はGrupo Fantasmaの他作品やサイド・プロジェクトBrownoutの作品もどうぞ!

『Movimiento Popular』(2002年)
Grupo Fantasma

『Movimiento Popular』(2004年)
Movimiento Popular

『Comes Alive』(2006年)
Comes Alive

『Sonidos Gold』(2008年)
ソニードス・ゴールド

『El Existential』(2010年)
エル・エクシステンシャル

『Problemas』(2014年)
プロブレマス

Brownout『Homenaje』(2007年)
Homenaje

Brownout『Aguilas and Cobras』(2009年)
Aguilas and Cobras

Brownout『Oozy』(2012年)
Oozy

Brownout『Brownout Presents Brown Sabbath』(2014年)
Presents Brown Sabbath

Brownout『Fear of a Brown Planet』(2018年)
FEAR OF A BROWN PLANET
posted by ez at 00:39| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月16日

Shafiq Husayn『The Loop』

超豪華メンバー参加。遂にリリースされた新作☆Shafiq Husayn『The Loop』
shafiq husayn the loop.jpg
発表年:2019年
ez的ジャンル:L.A.クロスオーヴァー・ソウル
気分は... :豪華すぎるメンツ!

新作アルバムからSa-Ra Creative PartnersのメンバーShafiq Husaynの2ndソロ・アルバム『The Loop』です。

2012年にリリースが予告されてから7年越しで遂にリリースが実現しました。

おそらくレコーディング時期はバラバラだと思いますが、参加ミュージシャンの豪華さが目を引きます。

当ブログで作品を紹介したアーティストだけ挙げても、Anderson .PaakFatimaHiatus KaiyoteBilalErykah BaduN'dambiNanna.BFlying LotusThundercatKamasi WashingtonChris DaveRobert GlasperJosef LeimbergAustin PeraltaSeven Davis Jr.という超豪華なメンツです。

これだけ当ブログで紹介したアーティストが揃えば、僕が購入しないわけにはいきませんよね(笑)

それ以外にもSa-Ra Creative Partnersの同僚Om'Mas Keith、L.A.ジャズのキーマンMiguel Atwood-FergusonRobert Glasper ExperimentCasey BenjaminPharoahe MonchAnderson .Paak作品でお馴染みのJose Rios(g)、Vicky Nguyen(key)、Kelsey Gonzalez(b)なども参加しています。

その一方で、あまり聞きなれない新進アーティストがフィーチャリングされている楽曲もあり、新旧多様なメンバーが参加しています。

エグゼクティブ・プロデューサーとして、Shafiq Husayn本人に加え、Anderson .PaakI CedJimetta Roseの名がクレジットされています。

L.A.音楽シーンの活況を凝縮させたようなクロスオーヴァー・ソウル作品に仕上がっています。ネオソウル、ジャズ、Hip-Hopが自然なかたちで融合しているのがいいですね。全体的にメロウな楽曲が多いのも僕好みです。

青山トキオ氏によるジャケ・デザインも秀逸ですね。

L.A.音楽シーンでいえば、先週紹介したFlying Lotus『Flamagra』も話題作でしたが、個人的にはそれ以上の重要作に思えます。

7年待たされましたが、その甲斐あったと納得の充実作です。

全曲紹介しときやす。

「Intro/The Flood」
Computer Jay/Shafiq Husaynプロデュース。Silkaをフィーチャー。イントロに続き、トライバルなリズムをバックに、レイヤーのようなヴォーカルワークが展開されます。Pharoahe Monchも参加。
https://www.youtube.com/watch?v=xgC52wbbECQ

「May I Assume」
スウェーデン生まれ、ロンドンを拠点に活動する注目の女性ソウル・シンガーFatimaとL.A.の女性ネオソウル・シンガーJimetta Roseをフィーチャー。ThundercatChris Dave、さらには2012年に22歳の若さで急逝した天才ジャズ・ピアニストAustin Peraltaの名もクレジットされています。本作らしいジャジー・フィーリングのクロスオーヴァー・ソウルを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=jIeiV3Oy_QM

「My-Story Of Love/Starring You」
Jimetta RoseとSilkaがリード・ヴォーカル。Shafiq Husaynらしいビート・センスを楽しめるクロスオーヴァー・ソウル。グッド・ヴァイヴがあって個人的にはかなり好みの1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=Mn1TTNpwx-0

「DMT (The Whill)」
J Dilla的ビートをバックに、BilalFatima、Jimetta Rose、Nia Andrews、Shafiq Husaynがヴォーカルをとります。

「Between Us 2」
L.A.を拠点とするトランぺッター/ビートメイカーJosef Leimbergによるプロデュース。Bilalをフィーチャーし、Kamasi Washington、Miguel Atwood-Fergusonも参加しています。
当ブログでも紹介したJosef Leimberg『Astral Progressions』(2016年)にも同じヴァージョンが収録されています。実にキャッチーなネオソウルで『Astral Progressions』で聴いたときから好きな曲でした。
https://www.youtube.com/watch?v=UvIbwwvcQE8

「Mrs. Crabtree」
Erykah BaduN'dambi、Aset SoSavvyをフィーチャー。Anderson .Paakがドラムを叩き、Thundercatが彼らしい格好良いベースを披露してくれます。キュートな女性ヴォーカル陣が映える素敵なクロスオーヴァー・ソウルです。

「On Our Way Home」
FatimaとJimetta Roseをフィーチャー。エクスペリメンタルな雰囲気でスタートしますが、Shafiqのプログラミングによるビートが加わると、アッパーなダンサブル・チューンへ様変わりします。
https://www.youtube.com/watch?v=BJhbeYRbwN0

「Walking Round Town」
Flying Lotus/Shafiq Husaynプロデュース。Silkaをフィーチャー。L.A.ビートらしいミニマルな仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=x294qUtRPVQ

「Cycles」
注目のオーストラリアのフューチャリスティック・ハイブリッド・バンドHiatus Kaiyoteをフィーチャー。Hiatus Kaiyoteの個性を引き立てつつ、Shafiq Husaynの音世界とうまく融合させています。
https://www.youtube.com/watch?v=23wrnZZ5q_c

「Message In A Bottle」
Hawthorne Headhunters、Bottle Tree、Noble Metal名義でも作品をリリースしているセントルイス出身の異才男性ソウル・シンガーCoultrainをフィーチャー。Coultrainの放つ存在感を生かした雰囲気のあるネオソウル・チューンに仕上がっています。Ced Norah/Shafiq Husaynプロデュース。

「It's Better For You」
Anderson .Paakをフィーチャー。『Malibu』(2016年)でPaakがブレイクする以前の2014年にリリースされていた楽曲ですが、Shafiqの先見の明に感心します。今聴くと、Paakの最新作『Ventura』とリンクするメロウ・チューンに仕上がっているのが興味深いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=w1bpYrY7P_g

「Show Me How You Feel」
Karen Beをフィーチャー。ドリーミーなメロウ・ソウル。パーカッションによるトライバル・リズムとメロウ・サウンドとキュートなKaren Beのヴォーカルの組み合わせが絶妙です。
https://www.youtube.com/watch?v=VRT_Mxn-wzg

「Hours Away」
Sa-Ra Creative Partnersの同僚Om'Mas KeithとCoultrainをフィーチャー。軽快なビートのダンサブル・チューン。フィーチャリングされた2人以上に女性バック・コーラスが目立っていますが(笑)。Ron Avant/Shafiq Husaynプロデュース。

「Twelve」
Anderson .Paak/Shafiq Husaynプロデュース。The Dove Societyをフィーチャー。「It's Better For You」と同じく2014年にリリースされた楽曲です。「It's Better For You」同様のメロウな仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=nmHvxY5gGO8

「Picking Flowers」
El Sadiqをフィーチャー。Hip-Hop色の強い楽曲が少ない本作で一番Hip-Hopしている楽曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=blD8oofhTy4

「Optimystical」
Robert Glasperのエレピをフィーチャー。今ジャズ的な演奏ですが、ヴォーカル入りのメロウ・チューンに仕上がっています。。Robert Glasper ExperimentのCasey Benjaminもフルートで参加し、Miguel Atwood-Fergusonがストリングスを手掛けています。また、実力派ジャズ・ドラマーのMarcus Gilmoreの名がベースとしてクレジットされています。
https://www.youtube.com/watch?v=7qreAcij3WI

「Jungle Madness」
CDボーナス・トラック。King Karnov/Shafiq Husaynプロデュース。The Dove Societyをフィーチャー。当ブログでも紹介したデンマーク出身の女性ネオソウル・シンガー Nanna.Bもヴォーカルで参加しています。King Karnov/Shafiq Husaynのコラボ的な1曲であり、Shafiqらしいビートに乗ったメロウ・チューンに仕上がっています。

Shafiq Husaynの他作品やSa-Ra Creative Partnersの過去記事もチェックを!

『Shafiq En' A-Free-Ka』(2009年)
Shafiq En' A-Free-Ka

Blu + Shafiq Husayn『The Blueprint』(年)
THE BLUEPRINT (ザ・ブループリント) (直輸入盤帯付国内仕様)

Sa-Ra『Second Time Around』(2005年)
Second Time Around

Sa-Ra Creative Partners『The Hollywood Recordings』(2007年)
Hollywood Recordings

Sa-Ra Creative Partners『Nuclear Evolution: The Age Of Love』(2009年)
Nuclear Evolution: The Age of Love
posted by ez at 02:36| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月09日

Flying Lotus『Flamagra』

Brainfeederの総帥、待望の最新作☆Flying Lotus『Flamagra』
【メーカー特典あり】Flamagra [初回限定紙ジャケット仕様 / 解説・歌詞対訳 / ボーナストラック収録 / 国内盤] オリジナル肖像画マグネット付 (BRC595)
発表年:2019年
ez的ジャンル:LAビート系ブラック・ミュージック/エクスペリメンタル
気分は... :炎の精霊が語るものは...

今回はLAビート・シーンを牽引するFlying Lotusの最新作『Flamagra』です。

音楽ファンは目を離せない注目レーベルBrainfeederの総帥でもあるFlying Lotus(本名:Steven Ellison)に関して、これまで当ブログで紹介した作品は以下の3枚。

 『Cosmogramma』(2010年)
 『Until The Quiet Comes』(2012年)
 『You're Dead!』(2014年)

死後の世界をコンセプトとした前作『You're Dead!』(2014年)は、進化形ジャズをも飲み込んだスケールの大きな意欲作として注目を浴びました。確かに、『You're Dead!』でアーティストとしてネクスト・レベルの高みに達した感のある衝撃作でした。

そして、『You're Dead!』から待つこと5年、遂に待望の新作がドロップされました。

『You're Dead!』も全20曲という大作でしたが、本作『Flamagra』はそれを上回る全27曲(本編のみ)というボリュームです。ただし、そのうち12曲が2分に満たない小曲というのがFlying LotusあるいはLAビート・ミュージックらしいのですが。

本作は"ある丘の上に鎮座している永遠の炎"がコンセプトとなっています。

また、Flying Lotusの初監督映画『KUSO』(2017年)で用いた音源も多く収録されているらしいです。

アルバムにはAnderson .PaakGeorge ClintonLittle DragonTierra WhackDenzel CurryDavid LynchShabazz Palaces(Ish/Tendai "Baba" Maraire)ThundercatToro Y MoiSolangeといったアーティストがフィーチャリングされています。

また、フライローの右腕Thundercat(b)、L.A.シーンに欠かせない重鎮Miguel Atwood-Ferguson(strings)、Thundercatの兄Ronald Bruner Jr.(ds)、注目のキーボード奏者Brandon Coleman(key)をはじめ、Herbie HancockSyunsuke OnoRobert GlasperTaylor Graves(key)、Dennis Hamm(key) 、Deantoni Parks(ds) 、Ashley Norelle(back vo)、Niki Randa(back vo)等がレコーディングに参加しています。

最近のBrainfeeder作品の傾向を反映したかのように、本作『Flamagra』も歌ものを中心にポップで聴きやすい楽曲が増えています。

Anderson .Paakをフィーチャーした「More」Little Dragonをフィーチャーした「Spontaneous」、日本人アーティストSyunsuke Onoとのコラボ「Takashi」、80年代テクノ・ポップNick Scarim「Spy vs. Spy - Main Theme」のリメイク「All Spies」、、WOKEの同僚Shabazz Palacesをフィーチャーした「Actually Virtual」Thundercatをフィーチャーした「The Climb」Toro Y Moiをフィーチャーした「9 Carrots」といった曲にこうした傾向が反映されています。

また、映画監督David Lynchのナレーションをフィーチャーした「Fire Is Coming」George Clintonをフィーチャーした「Burning Down The House」、人気女性R&BシンガーSolangeをフィーチャーした「Land Of Honey」あたりに本作らしい"永遠の炎"というコンセプトを感じることができます。

その一方でエクスペリメンタルな小曲があちこちに散りばめられており、その雑多感が逆に面白いのかも?

前作は"ジャズ・ネクスト・レベルの超問題作"という進化形ジャズ的な形容詞がフィットしましたが、本作は"進化形ジャズ"という枠組みからもはみ出しており、もはやジャンル的説明は困難ですね。このあたりは最近のBrainfeeder作品全編に言えることかもしれませんが・・・

本作のアートワークで使用されたタイポグラフィは、気鋭の日本人グラフィック・デザイナーGUCCIMAZE氏が手掛けています。

全27曲は良くも悪くも手ごわいですが、ポップな曲も多いので案外スンナリ聴けるかもしれません。

とりあえずLittle Dragonをフィーチャーした「Spontaneous」を聴けば、かなり印象が変わるはず!

全曲紹介しときやす。

「Heroes」
本作のテーマである丘の上に鎮座している永遠の炎を想起させるオープニング。Miguel Atwood-Fergusonがストリングスを手掛け、Thundercatらしいプレイも聴こえてきます。ドラゴンボール・ネタがサンプリングされているあたりがアニメ/ゲーム好きのFlying Lotusらしいのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=aDDvwoABgwE

「Post Requisite」
Flying Lotus/Thundercatのタッグによるコズミックなエレクトロニカ。本作らしい彩り鮮やかな音色を楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=QbytIjGOqqk

「Heroes In A Half Shell」
L.A.ビートらしいミニマル感とジャズ・フィーリングを融合させた小曲。
https://www.youtube.com/watch?v=hzLjObMptFo

「More」
Anderson .Paakをフィーチャー。ソウルフルな序章に続き、OutKast「Da Art of Storytellin' (Part 1)」の引用と共に始まるPaak節ラップ全開の本編に突入します。Anderson .Paak Meets Brainfeederって感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=ylqBPksn36A

「Capillaries」
浮遊するHip-Hopビートが美しもの物悲しげなピアノが印象的なインスト。
https://www.youtube.com/watch?v=uuUe2PWtV1Y

「Burning Down The House」
George Clintonをフィーチャー。George Clintonの得体の知れないキャラクターと炎の精霊という本作らしいモチーフをうまく重ね合わせた不穏なファンク・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=h4Z-mTcAsPU

「Spontaneous」
日系スウェーデン人の女性シンガーYukimi Nagano率いるスウェーデンの4人組バンド
Little Dragonをフィーチャー。これがフライロー?と疑いたくなるメロディアスでキャッチーなポップ・チューン。Yukimiのキュートなヴォーカルが映える1曲はモロに僕好み。こういう曲でも2分強であっけなく終わってしまうところはフライローらしいのかもしれませんが(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=Yi67hQf2AjA

「Takashi」
日本人アーティストSyunsuke Onoとのコラボ。Spotifyで流れていた彼の曲をフライローが気に入りコラボが実現したようです。また、日本人名の曲タイトルはチームラボの工藤 岳 氏に因んだものらしいです。フライローらしいミニマルな音世界にポップな要素が加わった感じのインストです。
https://www.youtube.com/watch?v=YrygJAr13Dk

「Pilgrim Side Eye」
『You're Dead!』にも参加していたHerbie Hancockとのコラボ。1分半のエクスペリメンタルなインストです。
https://www.youtube.com/watch?v=rynqb6m8FnM

「All Spies」
Nick Scarim「Spy vs. Spy - Main Theme」のリメイク。 80年代テクノ・ポップのチープ感覚を2019年流のセンスで聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=cDlBO3ja3rw

「Yellow Belly」
女性ラッパーTierra Whackをフィーチャー。ゲーム・ミュージック的トラックと妖しげなTierra Whackラップによるエクスペリメンタルな仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=Z8rSTXeyMns

「Black Balloons Reprise」
Denzel Curryをフィーチャー。Alain Goraguer「Ten Et Tiwa」、Melvin Bliss「Synthetic Substitution」をサンプリングした哀愁トラックによるHip-Hopチューンです。Miguel Atwood-Fergusonによるストリングスも印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=hc7K4q3P2wg

「Fire Is Coming」
『イレイザーヘッド』、『エレファント・マン』、『ツイン・ピークス』、『ロスト・ハイウェイ』等でお馴染みの映画監督David Lynchのナレーションをフィーチャー。あるフェスティバルでLynchのスポークン・ワード的スピーチを聞いたことが、"炎"という本作のコンセプトを後押ししたようです。音を聴いているだけで、Lynchの不気味な映像が思い浮かんできます。
https://www.youtube.com/watch?v=hcKBell84GQ

「Inside Your Home」
1分半ながらもフライロー×ThundercatコンビらしいL.A.ビートを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=_sCLw79q0wc

「Actually Virtual」
IshとTendai "Baba" MaraireによるHip-HopユニットShabazz Palacesをフィーチャー。Ishは元Digable PlanetsButterflyと同一人物です。2人とFlying Lotus、ThundercatはHip-HopプロジェクトWOKEの同僚です。そんなWOKE的トラックはトライバル・ビートと炎の精霊ラップによる呪術的な1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=iwDJa2F2Tlc

「Andromeda」
1分半の小曲ですがコズミックなエレクトロニカ感が魅力です。
https://www.youtube.com/watch?v=49ajVcXyG4A

「Remind U」
前曲からの流れがいい感じです。「Andromeda」と合わせて1曲位の感覚で聴くと丁度良いコズミックなインスト。
https://www.youtube.com/watch?v=CTNJ18bU4Dc

「Say Something」
ピアノとストリングスのみよるクラシカルな雰囲気の小曲。
https://www.youtube.com/watch?v=UJnEh2Xx4yA

「Debbie Is Depressed」
Miguel Atwood-Fergusonのストリングスが映える美しくも切ない1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=j1pwFuOnyXc

「Find Your Own Way Home」
美しも儚いコーラスワークが印象的な小曲。
https://www.youtube.com/watch?v=M6yta67jRPQ

「The Climb」
Thundercatをフィーチャー。Thundercat『Drunk』の雰囲気をそのまま持ち込んだかのようなメロウ・ソウルに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=8hcv3q7vNTY

「Pygmy」
呪術的トライバル感が印象的な小曲。
https://www.youtube.com/watch?v=uyd-ymw6_MU

「9 Carrots」
幅広い音楽性を持つチル・ウェイヴ系アーティストToro Y Moiをフィーチャー。彼のファルセット・ヴォーカルが優しく響くメロウ・ポップ。本作らしいクラヴィネットの響きも印象的です。。
https://www.youtube.com/watch?v=r_VEXk2oJ7E

「FF4」
美しくも儚いアブストラクトHip-Hopといった雰囲気の小曲。
https://www.youtube.com/watch?v=mDJf4vKgevE

「Land Of Honey」
人気女性R&BシンガーSolangeをフィーチャー。Robert Glasperもソングライティングに名を連ねています(ここで聴かれるピアノも彼かも?)。Solangeの祈りのようなヴォーカルが映える美しく深淵な仕上がり。Miguel Atwood-Fergusonのストリングスによるドラマティックな演出もグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=UZ_v07WeVmE

「Thank U Malcolm」
本作らしいコズミックなインストですが、ThundercatとRonald Bruner Jr.というBruner兄弟の活躍が目立ちます。
https://www.youtube.com/watch?v=lYPgHsI1mkw

「Hot Oct.」
炎の精霊のメッセージと共にアルバムは幕を閉じます。
https://www.youtube.com/watch?v=mRo8gxvhJCg

「Quarantine」
国内盤ボーナス・トラック。トライバル&エスニック&エクスペリメンタルなインストです。

他のFlying Lotusのアルバムもチェックを!

『1983』(2006年)
1983 (Rmx) (Dig)

『Los Angeles』(2008年)
Los Angeles (WARPCD165)

『Until The Quiet Comes』(2012年)
Until the Quiet Comes [解説付 / ボーナストラック収録 / 国内盤] (BRC350)『You're Dead!』(2014年)
You're Dead! [帯解説・ボーナストラック1曲収録 / 初回盤のみ特殊パッケージ仕様 / 国内盤] 特典マグネット付 (BRC438)

また、彼の主宰するBrainfeeder10周年記念コンピ『Brainfeeder X 』(2018年)あたりをチェックするのも楽しいのでは?

『Brainfeeder X 』(2018年)
Brainfeeder X [(解説 / 特殊スリーヴ付豪華パッケージ仕様 / 初回限定盤 / 2CD / 国内盤] (BRC586LTD)
posted by ez at 01:34| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする