2017年08月16日

Mad Professor『A Caribbean Taste Of Technology』

カリビアン・テイストの人気ダブ・アルバム☆Mad Professor『A Caribbean Taste Of Technology』
A CARIBBEAN TASTE OF TECHNOLOGY +2 (ボーナス・トラック・日本語解説付き国内盤)
発表年:1985年
ez的ジャンル:Ariwa系UKレゲエ/ダブ
気分は... :表と裏・・・

本当は夏らしいレゲエ・アルバムThe Paragons『The Paragons』(1985年)あたりを考えていたのですが、天候的にフィットしない感じなので急遽変更することに・・・

差し替えた作品は、今回はUKレゲエ/ダブ・シーンの第一線で活躍し続ける鬼才プロデューサー/エンジニアMad Professorの人気ダブ・アルバムMad Professor『A Caribbean Taste Of Technology』(1985年)です。

同じレゲエ/ダブでもMad教授らしいダビー・サウンドは雨模様に聴いても違和感がないのでは?

Mad Professor名義の作品を当ブログで紹介するのは初めてですが、これまで当ブログではMad ProfessorがプロデュースしたAriwaラヴァーズとして、以下の5枚を紹介済みです。

 Sandra Cross『Comet In The Sky』(1988年)
 Kofi『Black...with Sugar』(1989年)
 Sandra Cross『Foundation Of Love』(1992年)
 Carroll Thompson『The Other Side of Love』(1992年)
 Susan Cadogan『Soulful Reggae』(1992年)

Mad ProfessorことNeil Fraserは1955年ガイアナ生まれ。UKレゲエ/ダブ・シーンを牽引するレーベルAriwaを設立し、数々のレゲエ/ダブ名作をシーンに送り出しています。

Ariwaといえば、Mad教授プロデュースによるメロウなラヴァーズ作品でも人気ですが、もう1つの顔が人気シリーズDub Me Crazyをはじめとするダブ作品群です。

そんな中でも本作『A Caribbean Taste Of Technology』(1985年)は、普段ダブ・アルバムを聴かないような人でもスンナリ入れるカリビアン・テイストのダブ作品に仕上がっています。僕自身も前述のAriwaラヴァーズと同じ時期に本作を頻繁に聴いていました。

レコーディングにはF. M. Band(vo)、Glen Brown(vo)、Pato Banton(vo)、Ranking Ann(vo)、Sandra Cross(vo)、Black Steel(b、g、p、key、per、vo)、Bernard Cumberbatch(b)、Kirk Service(b)、Preacher(b)、The Robotiks(ds)、Drumtan Ward(ds、per)、Patrick Augustus(steel pan)、Jeffrey Beckford(g)、Cleveland Neunie(key)、Errol Reid(key)、Michael "Bami" Rose(horns)、Roger & Patrick(horns)、Vin Gordon(horns)、Kate Holmes(fl)、Roger Thomas(fl)、Bobby Beckingham(violin)、といったミュージシャンが参加しています。

一般の音楽リスナーには、とっつきにくいイメージがあるダブ・アルバムのカテゴリーですが、そんなダブ・サウンドをキャッチーさと毒っ気をバランス良く聴かせるのが、ラヴァーズとダブを両方を手掛けるMad教授ならではの手腕だと思います。

本作のお題は「カリビアン」ということも含めて、カリビアン・サウンドらしいスティール・パンの音色が響く「Fresh And Clean」「Berbice Mad House」があたりが本作のハイライトだと思います。

それ以外にもMad教授ならではの聴きやすいダビー・サウンドにはかき氷のようなヒンヤリ感があるはずです。

Mad Professor『A Caribbean Taste Of Technology』 ※Full Album
https://www.youtube.com/watch?v=ewDTHfJqLwI

全曲紹介しときやす。

「Fresh And Clean」
スティール・パンの音色が夏らしいオープニング。ダブをあまり聴かない人にも聴きやすいクール&メロウなダビー・サウンドです。Ariwaラヴァーズと組み合わせて聴くのもいいのでは?

「Hurricane Gloria」
ダークなベースにハリケーンをイメージしたホーン・サウンドが絡むダビー・サウンドがグッド!淡々とした中にマッドな香りがじんわりと滲み出てきます。

「Obeah Power」
夏らしい開放的なレゲエ・サウンドをMad教授がダビーに調理しています。ラガ調ヴォーカルがいいアクセントになっています。

「Buccaneer's Cove」
ルーツ調レゲエをダブ処理しています。ホーン・アンサンブルの響きが印象的です。程良いマッドネスがいい感じです。

「The Heart Of The Jungle」
タイトルの通り、ジャングル・モードのトライバル・サウンドが支配する密林ダブといったところでしょうか。

「Civil Unrest」
淡々としたダビー・サウンドに潜む静かなる狂気のような雰囲気にグッときます。

「Capadulla」
ダンサブルなダビー・サウンドがいい感じです。キャッチーさと毒っ気がバランスしたセクシーなサウンド感覚がグッド!

「1011 Digital」
クール&ダークなダビー・サウンドを聴いているだけで体温が少し下がる気がします。

「Berbice Mad House」
再びスティール・パンの音色が心地好く響くカリビアン・レゲエ/ダブ。「Fresh And Clean」と並ぶ僕のお気に入り。

「Uncle Sam's Back Yard」
ラストはゲーム・サウンドのエッセンスを巧みに取り入れたメロディアスなダビー・サウンドで締め括ってくれます。

僕の所有CDには未収録ですが、最近の国内再発CDには初期12"シングル「Bengali Skank (3 Cuts) 」「Mystic Loving」の2曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。

ご興味がある方はMad Professorの人気ダブ・シリーズDub Me Crazy諸作やMad ProfessorがMassive Attack『Protection』(1994年)をリミックスしたMassive Attack v Mad Professor『No Protection』(1995年)もチェックしてみては?

『Dub Me Crazy』(1982年)
DUB ME CRAZY !! PART.1 +5 (ボーナス・トラック・日本語解説付き国内盤)

『Beyond The Realms Of Dub (Dub Me Crazy, Pt.2)/The African Connection (Dub Me Crazy, Pt.3)』(1982/1983年) ※2in1CD
DUB ME CRAZY VOL. 2+3 (2in1仕様 日本語解説付き国内盤)

『Escape To The Asylum of Dub (Dub Me Crazy, Pt.4)』(1984年)
Escape to the Asylum Of Dub

『Who Knows The Secret Of The Master Tape (Dub Me Crazy, Pt.5)』(1985年)
Who Knows The Secret Of The Master Tape?

『Schizophrenic Dub (Dub Me Crazy, Pt.6)』(1986年)
Schizophrenic Dub: Dub Me Crazy Vol.6

『Adventures Of A Dub Sampler (Dub Me Crazy, Pt.7)』(1987年)
The Adventures Of A Dub Sampler: Dub Me Crazy Part 7

『Experiments Of The Aural Kind (Dub Me Crazy, Pt.8)』(1988年)
Experiments Of The Aural Kind

『Science And The Witchdoctor (Dub Me Crazy, Pt.9)』(1989年)
Dub Me Crazy 9: Science & the Witchdoctor

『Psychedelic Dub (Dub Me Crazy, Pt. 10)』(1990年)
Psychedelic Dub

『Hijacked To Jamaica (Dub Me Crazy, Pt.11)』(1992年)
Hijacked To Jamaica

『Dub Maniacs On The Rampage (Dub Me Crazy, Pt.12)』(1993年)
Dub Maniacs On The Rampage

Massive Attack v Mad Professor『No Protection』(1995年)
No Protection

Mad ProfessorプロデュースによるAriwaラヴァーズ諸作の過去記事もチェックを!

Sandra Cross『Comet In The Sky』(1988年)
Comet In The Sky

Kofi『Black...with Sugar』(1989年)
ブラック...ウィズ・シュガー(紙ジャケット仕様)

Sandra Cross『Foundation Of Love』(1992年)
Foundation Of Love

Carroll Thompson『The Other Side of Love』(1992年)
The Other Side of Love

Susan Cadogan『Soulful Reggae』(1992年)
ソウルフル・レゲエ(紙ジャケット仕様)
posted by ez at 05:17| Comment(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月14日

Gal Costa『India』

Gal Costa第2ステージのスタートとなったアルバム☆Gal Costa『India』
インディア
発表年:1973年
ez的ジャンル:ミューズ系MPB
気分は... :悩殺ジャケ・・・

MPBの歌姫Gal Costaが1979年にリリースした『India』(1973年)です。

これまで当ブログで紹介したGal Costa作品は以下の9枚。

 『Gal Costa』(1969年)
 『Gal』(1969年)
 『Cantar』(1974年)
 『Gal Canta Caymmi』(1976年)
 『Gal Tropical』(1979年)
 『Aquarela Do Brasil』(1980年)
 『Fantasia』(1981年)
 『Minha Voz』(1982年)
 『Lua De Mel Como O Diabo Gosta』(1987年)

本作『India』(1973年)は、『Legal』(1970年)以来、約3年ぶりとなるスタジオ・アルバムとなります。その間、当時のブラジル軍事政権から反体制分子と見なされ、ロンドンへの亡命を余儀なくされたトロピカリズモの盟友Caetano VelosoGilberto Gilが母国へ戻り、トロピカリズモから一歩先へ踏み出した活動へ進んでいます。

そんなトロピカリズモの盟友に呼応するように、Galも新たなステージに突入することになります。そんなGal Costa第2ステージのスタートと位置づけられるのが本作『India』(1973年)です。

何といっても、Gal本人を大胆な構図で切り取った赤パン・ジャケのインパクトが大ですね。僕の場合、本作は3〜4枚目位に購入したGal Costa作品でしたが、正直ジャケ買いでした(笑)

同じく1973年にリリースされたCaetano Veloso『Araca Azul』も赤パン・ジャケですね。その意味で、この2枚には兄妹アルバムというイメージがあります。わが家のCD棚では、この2枚を並べて整理しています。『Araca Azul』も、そのうち紹介したいと思います。

Caetano Veloso『Araca Azul』(1973年)
アラサー・アズール+2(紙ジャケット仕様)

Gilberto Gilが音楽ディレクターを務め、アレンジにはArthur Verocaiの名もクレジットされています。

レコーディングの主要メンバーはGilberto Gil(g)以下、Dominguinhos(accordion)、Toninho Horta(g)、Luiz Alves(contrabass)、Roberto Silva(ds)、Chico Batera(per、special effects)。

さらにTenorio Jr.(p)、Wagner Tiso(org)、Roberto Menescal(g)、Chacal(per)がゲスト参加しています。

また、Caetano Velosoが2曲を楽曲提供しています。

良くも悪くも多様なサウンドが楽しめるアルバムです。個人的にはブラジリアン・フォーキー「Presente Cotidiano」Tenorio Jr.のピアノをバックに歌う「Volta」、アヴァンギャルドな「Relance」、ファンキー&ミステリアス・グルーヴ「Pontos de Luz」、Jobimのボサノヴァ名曲カヴァー「Desafinado」あたりがオススメです。

このジャケに悩殺された方は、ぜひサウンドもチェックを(笑)

全曲紹介しときやす。

「India」
Jose Asuncion Flores/Manuel O. Guerrero/Jose Fortuna作。ウルグアイの名曲カヴァーがオープニング。ストリングを配したノスタルジックな雰囲気に意表を突かれます。
https://www.youtube.com/watch?v=rjdjZ-fi3k0

「Milho Verde」
パラグアイのフォルクローレをカヴァー。トライバルなパーカッションの音色が印象的なフォルクローレです。この変化球な前半2曲に戸惑う人も多いかもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=wlndfJO7RLg

「Presente Cotidiano」
Luiz Melodia作。本曲はArthur Verocaiがアレンジを担当。Galの歌声が優しく包み込んでくれるブラジリアン・フォーキーに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=eFtIh3viCaU

「Volta」
Lupicinio Rodrigues作。Tenorio Jr.の素晴らしいピアノをバックに、しっとりと歌い上げる感動バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=dZvECKc-uPQ

「Relance」
Caetano Veloso/Pedro Novis作。反復するリズムの中にアヴァンギャルドなテイストも感じる仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=VweK7N67CN0

「Da Maior Importancia」
Caetano Veloso作。シンプルながらもレイジーなサウンドをバックに、Galが艶やかなヴォーカルを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=RU7sUofnbTc

「Passarinho」
Tuze de Abreu作。秘境のようなミステリアス感が漂う本作らしい1曲。
https://www.youtube.com/watch?v=_i8C7n-EDXc

「Pontos de Luz」
Jards Macale/Waly Salomao作。ファンキー&ミステリアスなグルーヴ感がグッドな1曲。サウンド的には一番キャッチーなのでは?と思ったら、Arthur Verocaiのアレンジでした。
https://www.youtube.com/watch?v=ryH-Y9bCITs

「Desafinado」
Antonio Carlos Jobim/Newton Mendonca作。ラストはJobim作のボサノヴァ名曲カヴァーで締め括ってくれます。Roberto Menescalの素敵なギターをバックに、Galがソフトリーなヴォーカルで輝きます。
https://www.youtube.com/watch?v=6IZ3yVsjzIY

本曲に関して、当ブログではこれまでNara LeaoRoberto MenescalGary McFarlandTania MariaOs 3 MoraisO Quartetoのヴァージョンを紹介済みです。

Gal Costaの過去記事もご参照下さい。

『Gal Costa』(1969年)
Gal Costa

『Gal』(1969年)
Gal

『Cantar』(1974年)
カンタール

『Gal Canta Caymmi』(1976年)
Gal Canta Caymmi

『Gal Tropical』(1979年)
Gal Tropical by Gal Costa (2010-09-24)

『Aquarela Do Brasil』(1980年)
Aquarela Do Brazil

『Fantasia』(1981年)
Fantasia

『Minha Voz』(1982年)
Minha Voz

『Lua De Mel Como O Diabo Gosta』(1987年)
Lua De Mel Como O Diabo Gosta
posted by ez at 01:51| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月13日

Harriet Brown『Contact』

L.A.発ロマンティック・ファンク!☆Harriet Brown『Contact』
CONTACT (コンタクト)
発表年:2017年
ez的ジャンル:西海岸ロマンティック・ファンク
気分は... :ダーク・パープルな音世界!

今回は新作R&Bから、L.A.を拠点に活動する男性R&BアーティストHarriet Brownのデビュー・アルバム『Contact』です。

Harriet BrownことAaron Valenzuelaはベイ・エリア出身のシンガー/プロデューサー/ソングライター/パフォーマー。フィリピン系アメリカ人で現在27歳。

Harriet Brown名義での活動を開始後、2014年にはカナダの注目グループBadBadNotGoodの作品等をリリースしているL.A.のレーベルInnovative Leisureとの契約に成功し、拠点をオークランドからL.A.へ移しました。

こうして制作されたデビュー・アルバムが『Contact』です。

自らのサウンドを"ロマンティック・ファンク"と称し、80年代エレクトリック・ファンクやNJSのエッセンスを取り入れたモダン・ファンクで楽しませてくれます。Prince殿下の影響も相当感じます。

個人的にはDam-Funk等のL.A.ファンク+NJS+Prince殿下といった印象ですかね。

まだまだ散漫な印象を受けるアルバムですが、独自の音世界を持ったアーティストとしての可能性は十分感じます。

NJSフィーリングな「Paralyzed」、正にロマンティック・ファンクな「Cryptid」Prince調の「Esp」「Cybernetiplegia」、ダーク・パープルな哀愁ミディアム「Obsession」あたりがオススメです。

先物買いしたい人はチェックしておくと楽しみが増えるのでは?

全曲紹介しときやす。

「Intro」
ロマンティック・ファンクのお披露目といった感じのイントロダクション。

「Esp」
L.A.モダン・ファンクとPrince調ヴォーカルが融合した妖しげな雰囲気がクセになります。

「Paralyzed」
NJSのエッセンスを巧みに取り入れたダンサブルなミディアム・グルーヴ。NJS好きの心をくすぐるメロディ・ライン、サウンドがサイコーです。

「Cybernetiplegia」
Prince調のファルセット・ヴォーカルがハマる1曲。この少し変態チックな雰囲気にグッときます。

「Contact」
タイトル曲はインタールード的なつなぎの1曲。

「Mother」
Prince殿下に通じる魅力を持った哀愁バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=k78KxrtvJcA

「Obsession」
ジャケのようなダーク・パープルが似合いそうな哀愁ミディアム。真夜中に電気を暗くして聴きたいサウンドです。

「Cryptid」
この曲もNJSのエッセンスが効いています!彼が自らのサウンドを"ロマンティック・ファンク"と称するのが良く分かるセクシー&ドリーミーな仕上がり。

「Atlantis」
妖しげな夢の中を彷徨うようかのような音世界が展開されます。

「Outro (Athanasi)」
NJSなフィーリングを満喫しながら、最初のエンディングへ・・・

「In My Head (Alternate Ending)」
夢の中のセクシー&ビューティフル・バラードでもう1つのエンディングへ・・・妖しげな夜の子守歌って感じですね(笑)

世陸男子400Mリレー&ゴルフ全米プロのせいで今日も朝まで起きているパターンですね。
posted by ez at 00:47| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月12日

Freddie Hubbard『A Soul Experiment』

ファンク/ソウル・ジャズなHubbardを楽しめる1枚☆Freddie Hubbard『A Soul Experiment』
ア・ソウル・エクスペリメント<SHM-CD>
録音年:1968,69年
ez的ジャンル:超絶技巧トランぺッター系ファンク/ソウル・ジャズ
気分は... :ソウルの実験?

今回は名トランぺッターFreddie Hubbard『A Soul Experiment』(1969年)です。

これまで当ブログで紹介したFreddie Hubbard(1938-2008年)作品は以下の5枚。

 『Hub Tones』(1962年)
 『Breaking Point』(1964年)
 『Backlash』(1966年)
 『The Black Angel』(1969年)
 『Red Clay』(1970年)

本作『A Soul Experiment』Atlanticからの第3弾アルバムであり、"ソウルの実験"というアルバム・タイトルの通り、ファンク/ソウル・ジャズ路線の作品に仕上がっています。

ただし、"実験"と称するほど小難しい音ではなく、キャッチーで格好良いファンク/ソウル・ジャズを楽しむことができます。また、すべての演奏がエレクトリック・ギター&ベースで貫かれ、電化ジャズな布陣での演奏も特徴的です。。

レコーディング・メンバーはFreddie Hubbard(tp)以下、Carlos Garnett(ts)、Kenny Barron(el-p)、Gary Illingworth(org)、Eric Gale(g)、Billy Butler (g)、Jerry Jemmott(el-b)、Grady Tate(ds)、Bernard Purdie(ds)。

プロデュースはGil FullerJoel Dorn

本作らしい格好良いファンク/ソウル・ジャズを満喫できる「Clap Your Hands」「South Street Stroll」「Hang 'Em Up」「Soul Turn Around」「A Soul Experiment」、素晴らしいバラードの「Wichita Lineman」「Lonely Soul」などアルバム全体の充実度に興奮しまくる1枚です。

再評価が高まるAtlantic時代のHubbard作品。
本作はそれを象徴する1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Clap Your Hands」
Don Pickett作。エキサイティングな電化ソウル・ジャズがオープニング。Bernard PurdieとJerry Jemmottのリズム隊、Eric Galeのギター、そして主役Hubbardのトランペット、どれをとっても格好良ぎます。
https://www.youtube.com/watch?v=jD1BqTzQ1eI

「Wichita Lineman」
Glen Campbellのヒットで知られるJim Webb作品をカヴァー。ビューティフルなバラードは実に黄昏モードです。
https://www.youtube.com/watch?v=8YwGP5XZfXg

「South Street Stroll」
Kenny Barron作。格好良いブレイクと共に始まるファンキー・グルーヴ。グルーヴィーな鍵盤の音色がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=GlfhIzPh-HQ

Del the Funky Homosapien feat. A-Plus, Casual & Snupe「No More Worries」等のサンプリング・ソースとなっています。
Del the Funky Homosapien feat. A-Plus, Casual & Snupe「No More Worries」
 https://www.youtube.com/watch?v=vwJFJp0dH5U

「Lonely Soul」
Freddie Hubbard作。正にロンリー・モードの哀愁バラード。Hubbardのプレイが冴えるハードボイルドな男臭さがたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=P_NO-7d5818

The Wiseguys「The Real Vibes」、Delinquent Habits「Good Times」、Richie Cunning「Last Stop」のサンプリング・ソースとなっています。
Richie Cunning「Last Stop」
 https://www.youtube.com/watch?v=Fl5OqTRt-Q4

「No Time to Lose」
Carlos Garnett作。ダンサブルなソウル・グルーヴ。開放的な雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=X0cV5zmDyF0

「Hang 'Em Up」
Carlos Garnett作。「Clap Your Hands」と並ぶ格好良さを持つグルーヴィーな演奏です。エキサイティングなHubbardのソロ、Eric Galeのソリッドなギター、グルーヴィーなGary Illingworthのオルガンすべてがサイコーです。最後は少しあっけないのだけが唯一残念。
https://www.youtube.com/watch?v=obIMwrFLmyI

「Good Humor Man」
Don Pickett作。作者Pickettが参加したBlue Mitchell『Heads Up!』(1968年)でも演奏されていた楽曲です。オルガン・サウンドの栄える哀愁モードのソウル・ジャズです。ラテンな隠し味もいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=gXfnznaoVbE

「Midnite Soul」
Freddie Hubbard作。スローなブルースはハードボイルドな雰囲気が漂います。
https://www.youtube.com/watch?v=jLqVIzJyfN4

「Soul Turn Around」
Walter Bishop, Jr.作。セクシーな格好良さを持ったファンキー・グルーヴ。勢いのあるリズム隊をバックに、Hubbard、Garnettの二菅が絶好調のプレイで盛り上げてくれます。作者Walter Bishop Jr.自身のヴァージョンはアルバム‎『Coral Keys』(1971年)に収録されています。また、Blue Mitchell‎『The Last Tango=Blues』(1973年)でもカヴァーされています。さらにMadvillain「Money Folder」のサンプリング・ソースとなっています。
https://www.youtube.com/watch?v=9iPbVx45uPI

「A Soul Experiment」
Freddie Hubbard作。ラストはファンキーなソウル・ジャズで締め括ってくれます。Eric Galeのカッティング・ギターに先導され、Hubbardがソウルフルなソロでキメてくれます。Hubbardに続くGaleのソロも格好良いです。
https://www.youtube.com/watch?v=Fn3fF7tZhkc

Freddie Hubbardの過去記事もご参照下さい。

『Hub Tones』(1962年)
ハブ・トーンズ

『Breaking Point』(1964年)
Breaking Point

『Backlash』(1966年)
バックラッシュ

『The Black Angel』(1969年)
ブラック・エンジェル

『Red Clay』(1970年)
レッド・クレイ
posted by ez at 00:06| Comment(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月11日

Felix Cavaliere『Castles In The Air』

爽快AORな魅力を楽しめる1枚☆Felix Cavaliere『Castles In The Air』
キャッスル・イン・ジ・エアー(期間生産限定盤)
発表年:1979年
ez的ジャンル:元祖ブルーアイド・ソウル系AOR
気分は... :山の日だけど海気分!

今回はThe RascalsYoung Rascals)の元メンバーFelix Cavaliereの3rdソロ・アルバム『Castles In The Air』(1979年)です。

1943年N.Y.生まれのイタリア系白人シンガーFelix Cavaliereの紹介は、1stソロ・アルバム『Felix Cavaliere』(1974年)に続き2回目となります。

本作『Castles In The Air』はThe Rascals解散後、3枚目のソロ・アルバムですが、厳密には2ndアルバム『Destiny』(1975年)と本作の間に、Vinnie VincentRick LairdJack Scarangella と組んだバンドTreasure名義のアルバム『Treasure』(1977年)をリリースしています。

前回紹介した1stソロ『Felix Cavaliere』(1974年)は、Todd Rundgrenを共同プロデューサーに迎え、The Rascals(Young Rascals)の流れを汲むブルーアイド・ソウル作品でした。

それと比較して、本作『Castles In The Air』(1979年)は、ブルーアイド・ソウル作品というよりは爽快かつ都会的なAOR作品と呼べる1枚に仕上がっています。

プロデュースはFelix CavaliereCengiz Yaltkaya

レコーディングにはFelix Cavaliere(key、vo)以下、Hiram Bullock(g)、Steve Khan(g)、Vinnie Cusano(g)、Buzzy Feiten(g)、Will Lee(b)、Neil Jason(b)、Gene Santini(b)、Marcus Miller(b)、Steve Jordan(ds)、Steve Ferrone(ds)、Ed Walsh(syn)、Raphael Cruz(per)、Barry Rogers(tb)、Randy Brecker(tp)、Marvin Stamm(tp)、Ronnie Cuber(sax)、George Young(horns)、Seldon Powell(horns)、Luther Vandross(back vo)、The Rascals(Young Rascals)時代の同僚Eddie Brigati(back vo)とDavid Brigati(back vo)のBrigat兄弟、Arnold McCuller(back vo)、Diva Gray(back vo)といったメンバーが参加しています。

個人的には夏モードの爽快メロウ・サウンドを期待している作品なので、そういった面では「Good To Have Love Back」「Only A Lonely Heart Breaks」「Love Is The First Day Of Spring」「Outside Your Window」「You Turned Me Around」あたりがフィットします。

それ以外では、素敵なソウル・ダンサー「Dancin' The Night Away」を本作のハイライトに推す人も多いかもしれませんね。都会的なメロウ・バラードのタイトル曲「Castles In The Air」もAOR的な魅力があります。

The Rascals(Young Rascals)のイメージで聴かない方が楽しめる都会的なAOR作品だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Good To Have Love Back」
Felix Cavaliere作。本作を象徴するAOR/フリーソウル好きが喜びそうな爽快メロウ・グルーヴ。突き抜けるように伸びやかなCavaliereのヴォーカルが栄えます。
https://www.youtube.com/watch?v=n3kKDA3p2uA

「Only A Lonely Heart Breaks」
Felix Cavaliere作。シングル・ヒットしたメロウ・ミディアム。ポップ・ソウルな魅力のあるメロディアスな仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=jrKP49GjVjk

「All Or Nothing」
Felix Cavaliere作。夏モードにフィットする軽快な仕上がり。ホーン隊やギター・ソロなど本作ならではの開放的なサウンドを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=_Fu6mDChfXY

「Castles In The Air」
Felix Cavaliere作。タイトル曲は都会的なメロウ・バラード。AOR的な魅力を満喫できる1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=0IBp8vtzeps

「People Got To Be Free」
Felix Cavaliere/Eddie Brigati作。The Rascals、1968年の全米No.1ヒットの再演です。ここではロック・フィーリングを強調したサウンドで自身の名曲を甦らせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=CZNXjq1lsac

「Dancin' The Night Away」
Felix Cavaliere作。タイトルの通り、ダンサブルな爽快ソウル・ダンサーに仕上がっています。本作の中では最もソウル度の高い仕上がりかもしれません。
https://www.youtube.com/watch?v=_7lihEftz8o

「Love Is The First Day Of Spring」
Felix Cavaliere/Eddie Brigati作。 かつての盟友Eddie Brigatiとの共作による都会的なメロウ・ミディアム。ソウルフルなコーラス・ワークもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=2YbmOMYIrZ0

「Outside Your Window」
Felix Cavaliere/Dan Beck/Willie Young作。爽快な疾走感が心地好い1曲。ここでもソウルフルなコーラス・ワークが盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=QjOcOfdCAkc

「Don't Hold Back Your Love」
Felix Cavaliere/Dan Beck作。ポップ・ロックな哀愁ミディアムなバラード。
https://www.youtube.com/watch?v=IzdC64ocvT0

「You Turned Me Around」
Felix Cavaliere作。ラストはサマー・モードで締め括ってくれます。爽快メロウなグルーヴ感が夏にフィットします。
https://www.youtube.com/watch?v=SyfDEHDdnaE

他のFelix Cavaliere作品もチェックを!

『Felix Cavaliere』(1974年)
Felix Cavaliere

『Destiny』(1975年)
Destiny

Treasure『Treasure』(1977年)
Treasure

『Dreams in Motion』(1994年)、
Dreams in Motion

Steve Cropper & Felix Cavaliere『Nudge it up a Notch』(2008年)
Nudge It Up a Notch

Steve Cropper & Felix Cavaliere『Midnight Flyer』(2010年)、
Midnight Flyer
posted by ez at 06:53| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする