2017年03月22日

Lonnie Liston Smith & The Cosmic Echoes『Cosmic Funk』

コズミックな瞑想ワールドへようこそ!☆Lonnie Liston Smith & The Cosmic Echoes『Cosmic Funk』
Cosmic Funk
発表年:1974年
ez的ジャンル:コズミック系スピリチュアル・ジャズ/ジャズ・ファンク
気分は... :マインドフルネス!

今回はジャズ・キーボード奏者Lonnie Liston SmithによるThe Cosmic Echoes名義の第2弾アルバム『Cosmic Funk』(1974年)です。

これまで当ブログで紹介したLonnie Liston Smith作品は以下の5枚です。

 『Astral Traveling』(1973年)
 『Expansions』(1975年)
 『Visions of a New World』(1975年)
 『Reflections Of A Golden Dream』(1976年)
 『Loveland』(1978年)

The Cosmic Echoesらしいコズミックなスピリチュアル・ジャズ/ジャズ・ファンクを存分に楽しめる1枚です。

レコーディング・メンバーはLonnie Liston Smith(p、el-p、per)以下、Donald Smith(vo、p、fl)、George Barron(sax、fl、per)、Al Anderson(el-b)、Lawrence Killian(congas、per)、Art Gore(ds)、Doug Hammond(per)、Andrew Cyrille(per)、Ron Bridgewater(per)。

正にLonnie Liston Smithサウンドを象徴するタイトル曲「Cosmic Funk」をはじめ、「Footprints」Wayne Shorter作)、「Naima」John Coltrane作)といったジャズ名曲のカヴァー、躍動するスピリチュアル・ジャズ「Beautiful Woman」、メロウに瞑想する「Peaceful Ones」James Mtume作の「Sais (Egypt)」など何処を切ってもLonnie Liston Smithワールドで溢れています。

いつ聴いても目を閉じて瞑想したくジャズ作品です。

全曲紹介しときやす。

「Cosmic Funk」
Lonnie Liston Smith作。タイトルの通り、コズミックなジャズ・ファンク。Lonnieの弟Donaldがヴォーカルをとります。僕好みのパーカッシヴ感にグッときます。スピリチュアル・ジャズ好きの人も楽しめるはず!
https://www.youtube.com/watch?v=Vt1oQ_6vtZk

「Footprints」
Wayne Shorterの名曲カヴァー。オリジナルは当ブログで紹介した『Adam's Apple』(1966年)に収録されています。当ブログではMiles DavisCarl & Joanne BarryGretchen Parlatoのカヴァーも紹介済みです。Lonnie Liston Smithらしいコズミック&スピリチュアルな好きカヴァーで楽しませてくれます。George Barronのサックス、Al Andersonのベースが格好良いです。
https://www.youtube.com/watch?v=O7I9FF1uELc

「Beautiful Woman」
Lonnie Liston Smith作。スピリチュアルな躍動感があるヴォーカル曲。Lonnieの美しいピアノにもスピリチュアル感があります。
https://www.youtube.com/watch?v=G2beX7GlWtc

「Sais (Egypt)」
James Mtume作。コズミック&ミステリアスな仕上がり。古代エジプトへタイムスリップした雰囲気のコズミック・スピリチュアル・ジャズ。
https://www.youtube.com/watch?v=WF4gKyZW0k8

「Peaceful Ones」
Lonnie Liston Smith作。メロウ・エレピが神秘的に響く、Cosmic Echoesらしい瞑想系サウンドです。
https://www.youtube.com/watch?v=LnRKvqWEkyY

AZ「Born Alone Die Alone」、Maury B feat. Kiave「Non Puoi Fermare Il Flow」のサンプリング・ソースとなっています。
AZ「Born Alone Die Alone」
 https://www.youtube.com/watch?v=5xwjVFA0TOw
Maury B feat. Kiave「Non Puoi Fermare Il Flow」
 https://www.youtube.com/watch?v=lvL7W_uWNKo

「Naima」
John Coltrane作の名曲をカヴァー。当ブログでは『Live At The Village Vanguard Again!』のColtraneヴァージョンや、Gene HarrisPucho & His Latin Soul BrothersDoug CarnTom ScottJon Hendricksのカヴァーを紹介済みです。この幻想的なバラード名曲を瞑想にピッタリなコズミック・スピリチュアル・ジャズで聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=nR7i_MDeq4o

Lonnie Liston Smithの過去記事もご参照下さい。

『Astral Traveling』(1973年)
アストラル・トラヴェリング(紙ジャケット仕様)

『Expansions』(1975年)
Expansions

『Visions of a New World』(1975年)
ヴィジョンズ・オブ・ア・ニュー・ワールド(紙ジャケット仕様)

『Reflections Of A Golden Dream』(1976年)
Reflections of a Golden Dream

『Loveland』(1978年)
ラヴランド
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2017年03月20日

Becca Stevens『Regina』

注目の女性SSW、初のソロ名義作品☆Becca Stevens『Regina』
レジーナ【日本先行発売】
発表年:2017年
ez的ジャンル:ミューズ系ハイブリッド女性SSW
気分は... :ドアの向こうにミューズが・・・

連休なので昨日に続いて新作を・・・注目の女性シンガー・ソングライターBecca Stevensの最新作『Regina』です。

ノースカロライナ出身、N.Y.のニュースクール大学でジャズ・ヴォーカルを専攻した女性シンガー・ソングライターBecca Stevensの紹介は、Becca Stevens Band名義のBecca Stevens Band『Weightless』(2011年)、Becca Stevens Band『Perfect Animal』(2014年)に続き3回目となります。

また、昨年リリースされたBecca StevensGretchen ParlatoRebecca Martinという女性アーティスト3名によるスペシャル・ユニットTilleryのデビュー・アルバム『Tillery』も当ブログで紹介済みです。

最新作『Regina』は、初のソロ名義の作品となります。

現行ジャズを牽引するジャズ・ミクスチャー・バンドSnarky Puppyが設立したGroundUP Musicからのリリースです。

"女王"を意味するアルバム・タイトルに象徴されるように、本作『Regina』は歴史・文学の世界に登場する女性からインスパイアされた作品になっています。

また、ロンドンに赴きレコーディングを行うなど、様々なミュージシャンとの交流を通して、自身の音楽の幅を広げようとしている点にも注目です。

さらに、本作ではスタジオならではの多重録音によるヴォーカル・ワークも重視しています。このあたりはTilleryでの活動成果をソロ作に還元したのかもしれませんね。

プロデュースはTroy Miller。さらにBecca Stevens本人、Snarky PuppyのリーダーMichael League、デビュー・アルバム『In My Room』(2016年)でその才能を示したロンドン出身の若きSSW/マルチ・インストゥルメンタリストJacob Collierが共同プロデューサーとしてクレジットされています。

Michael League、Jacob CollierはBeccaやJacob CollierがフィーチャリングされていたSnarky Puppy『Family Dinner Volume Two』(2016年)で形成された人脈です。

Snarky Puppy『Family Dinner Volume Two』(2016年)
Family Dinner Volume T

レコーディングにはBecca Stevens(vo、g、charango、ukulele)以下、Troy Miller(ds、el-p、syn b、harmonium、vibe)、Michael League(back vo、g、moog、ds)に加え、Liam Robinson(p、el-p、syn、accordion)、Chris Tordini(b)、Jordan Perlson(ds、per)といったBecca Stevens Bandの仲間がバッキングを務めます。

さらに前述のJacob Collier、同じく『Family Dinner Volume Two』でフィーチャリングされていたUKの黒人女性SSW、Laura Mvula、GroundUP Musicから最新作『Lighthouse』(2016年)をリリースした大御所の男性SSW、David Crosby、"今ジャズ"好きにはお馴染みのSSW/ミュージシャンAlan Hampton、オーストラリア出身でBeccaと同じくジャズをバックボーンに持つ女性SSW/ヴァイオリン奏者Jo Lawryといったミュージシャンがフィーチャリングされています。

上記以外に以外にOli Rockberger(p)、日本人ヴァイオリン奏者の徳永慶子さんも所属するN.Y.の若手弦楽四重奏団Attacca Quartet(Amy Schroeder、Andrew Yee、Keiko Tokunaga、Luke Fleming)も参加しています。

アルバム全体として、歴史・文学からのインスパイアや、様々なミュージシャンからの刺激を糧に、これまでBeccaが構築してきた音世界をさらに深化させた印象を受けます。

歴史・文学の世界に登場する"女王(レジーナ)"のようにジャケに写るBeccaの凛とした表情が、アーティストとしての自信を物語っているのでは?

もはや"Jazz The New Chapter"云々で語ることが全く不要な、素晴らしい女性SSW作品だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Venus」
Laura Mvulaをフィーチャー。Lauraの最新作『The Dreaming Room』(2016年)もTroy Millerがプロデュースしており、Becca、Laura、Troy Millerの三者の音イメージが一致している感じがいいですね。インディー・ロック+エレクトロニカ+ソウルなが見事に融合したオープニングです。本作らしい素敵なヴォーカル・ワークを楽しめます。

Laura Mvula『The Dreaming Room』(2016年)
THE DREAMING ROOM

「Lean On」
Attacca Quartetによる美しいストリングスを配した幻想的なフォーキー・ジャズ。Beccaの多重録音によるコーラスが幻想的な音世界に拡がりを持たせています。

「Both Still Here」
Jacob Collierをフィーチャー。Beccaのチャランゴの音色が印象的な1曲で、Jacob Collierがマルチ・インストゥルメンタリストぶりを発揮しています。♪人生は一瞬の夢♪と歌い、その美しくも儚い世界観を見事に音で表現しています。

Jacob Collier『In My Room』(2016年)
イン・マイ・ルーム

「45 Bucks」
過去に振り向かず、前へ進んでいく女性の潔さを感じるタフな仕上がり。チャランゴの持つ神秘的な響きとエレクトロニカなエッセンスをうまく融合させているのがいいですね。

「Queen Mab」
Jo Lawryをフィーチャー。シェイクスピアによる有名な『ロミオとジュリエット』からインスパイアされた楽曲。インディー・ロックなサウンドをバックに、BeccaとJo Lawryが素晴らしいヴォーカル・ワークで聴く者を魅了します。
https://www.youtube.com/watch?v=XchJQV8accM

Jo Lawry『Taking Pictures』(2015年)
テイキング・ピクチャーズ

「We Know Love」
Alan Hamptonをフィーチャー。初代レスター伯ロバート・ダドリーから女王エリザベス1世への手紙からインスパイアされた楽曲。当ブログでも紹介したHamptonの『Origami for the Fire』(2014年)がお好きな人であれば、気に入るであろう幻想的&牧歌的なビューティフル・ソングに仕上がっています。

Alan Hampton『Origami for the Fire』(2014年)
Origami For The Fire

「Mercury」
Jo Lawryをフィーチャー。Freddie Mercuryに捧げられたドライブ感のあるロック・チューン。Becca Stevens Bandの仲間が力強いバッキングで好サポートしています。

「Regina」
タイトル曲はギター、ウクレレ、チャランゴの響きが美しく重なった幻想的で美しいフォーキー・チューンに仕上がっています。Attacca Quartetの好サポートもグッド!

「Harbour Hawk」
Jo Lawryをフィーチャー。静と動のコントラストが見事な1曲に仕上がっています。1曲の中にドラマがあります。

「Well Loved」
Laura Mvulaをフィーチャー。「Venus」と同様に、Becca、Laura、Troy Millerの三者のコラボならではの世界観を楽しめる幻想的なビューティフル・チューンに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=4OBKmZVOMuk

「Ophelia」
Attacca Quartetを配したフォーキー・チューン。タイトルの通り、『ハムレット』のオフィーリアを歌ったものです。Beccaの歌声が時を超えていきます。

「The Muse」
David Crosbyをフィーチャー。困難を乗り越えるために、ドアの向こうからノックしてくれる女神のことを歌います。David Crosbyの作詞ですが、このミューズ(女神)とは正にBeccaのことかもしれませんね。

「As」
Jacob Collierをフィーチャー。ラストはStevie Wonder『Songs In The Key Of Life』収録の名曲カヴァーで締め括ってくれます。チャランゴの音色をバックに、BeccaとJacob Collierが感動的なデュエットを聴かせてくれます。


国内盤には「45 Bucks (Original Demo)」「Both Still Here (Original Demo)」の2曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。

Becca Stevensの他作品もチェックを!

Becca Stevens Band『Tea Bye Sea』(2008年)
ティー・バイ・シー

Becca Stevens Band『Weightless』(2011年)
Weightless

Becca Stevens Band『Perfect Animal』(2014年)
パーフェクト・アニマル

Tillery『Tillery』(2016年)
ティレリー
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2017年03月19日

Sampha『Process』

UK期待の男性R&Bシンガーのデビュー・アルバム☆Sampha『Process』
Process [ライナーノーツ / 歌詞対訳 / ボーナストラック収録 / 国内盤] (YTCD158J)
発表年:2017年
ez的ジャンル:UK期待の男性R&Bシンガー
気分は... :内なる自分に向き合う・・・

UK期待の男性R&BシンガーSamphaのデビュー・アルバムSampha『Process』です。

SamphaことSampha Sisayは1988年南ロンドン生まれのR&Bシンガー/プロデューサー。

これまで「Sundanza」(2010年)、「Dual」(2013年)という2枚のEPをリリースしています。また、Jessie WareSBTRKT作品で頻繁にフィーチャリングされています。

さらにDrake「Too Much」(2013年)、Kanye West「Saint Pablo」(2016年)、Frank Ocean「Alabama」(2016年)、Solange「Don't Touch My Hair」(2016年)等の大物アーティスト作品におけるフィーチャリングで、その名をシーンに轟かせることになります。

また、SBTRKT『SBTRKT』(2011年)を共同プロデュースするなどプロデューサーとしてもその手腕を発揮しています。

そんな期待の男性R&Bシンガーが満を持してリリースしたデビュー・アルバムが本作『Process』です。The XXSBTRKTFKA Twigsを輩出したレーベルYoung Turksからのリリースです。

プロデュースはSamphaRodaidh McDonald

レコーディングにはJosh Doughty(kora)、John Foyle(vo)、Laura Groves(back vo)、The PSMとして知られるPauli Stanley-McKenzie(ds)等も参加しています。

楽曲はすべてSamphaのオリジナルです(共作含む)。Kanye Westとの共作もあります。

全体的にはSamphaの内面を歌い上げたアルバムであり、音数は少なく、彼の心模様がダイレクトに伝わってきます。決して明るいアルバムではありませんが、Samphaの切なる歌声が聴く者に感動を与えます。

この飾り気のないサウンド・プロダクションで存在感を示すSamphaの歌声に、アーティストとしてのスケールの大きさや可能性を感じます。

聴いていると、内なる自分と真摯に向き合いたくなるような1枚です。

R&Bの新星の静かなるデビュー作を聴き込んでみてください。

全曲紹介しときやす。

「Plastic 100°C」
美しくも切ないオープニング。Josh Doughtyによる印象的なコラの音色をバックに、Samphaが愁いを帯びたヴォーカルで訴えます。

「Blood On Me」
アルバムに先駆け2016年シングル・リリースされた楽曲。切迫感のあるSamphaのヴォーカルが聴く者の心に刺さる哀愁R&Bグルーヴ。
https://www.youtube.com/watch?v=_oM1DFL43Lk

「Kora Sings」
タイトルの通り、Josh Doughtyのコラを大きくフィーチャーしたエスニック+エレクトリックな仕上がり。このあたりはSBTRKTとの共演歴も多いR&Bの枠のみで収まらないSamphaらしさかもしれませんね。。

「(No One Knows Me) Like The Piano」
アルバムからのリード・シングル。2015年に亡くなった母のために書かれた歌のようです。母への想いが伝わってくる美しいピアノ・バラードです。
https://www.youtube.com/watch?v=_NSuIYwBxu4

「Take Me Inside」
ピアノの弾き語りからエレクトリック・サウンドが加わり、心の葛藤を歌い上げます。

「Reverse Faults」
ダウナー・モードの哀愁チューン。噛み合わない歯がゆさが伝わってきます。

「Under」
揺らぎのあるエレクトリック・サウンドの中で、Samphaが懸命に戦っています。Samson & Delilah「I Can Feel Your Love Slipping Away」をサンプリング。

「Timmy's Prayer」
Kanye Westとの共作。アルバムに先駆け2016年シングル・リリースされた楽曲。派手さはありませんが、Samphaのアーティストとしてのスケール感が伝わってくる仕上がりです。後半のエレクトリックな盛り上がりがいいですね。Timmy Thomas「The Coldest Days of My Life」をサンプリング。
https://www.youtube.com/watch?v=ZQXDVZf3akg

「Incomplete Kisses」
心の中の小宇宙を歌いきった美しい仕上がり。静寂の中に感情がジワジワとにじみ出てくる感じがSamphaらしいのかもしれませんね。

「What Shouldn't I Be?」
鍵盤とヴォーカルが織り成すビューティフルな音世界で本編を締め括ってくれます。

国内盤にはボーナス・トラックとして以下の6曲が追加収録されています。

「In-Between And Overseas」
美しいピアノをバックに優しく歌い上げる、静かなる闘志を感じる仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=vciLEByIcIE

「Answer」
本編ではあまり聴けなかったエレクトリックなビート感のあるインスト。サウンド・クリエイターとしてのSamphaを楽しめます。

「Too Much」
2013年にシングル・リリースしていたピアノ・バラード。本作に通じる内面から湧き起こるSamphaの心の声が感動的です。
https://www.youtube.com/watch?v=yC-0p4k0jw4

「Happens」
上記「Too Much」のカップリング曲。ピアノの弾き語りですが、聴く者に特別な感情を湧かせます。
https://www.youtube.com/watch?v=GxVdTQyEPQo

「Without」
EP「Dual」収録曲。ローファイな魅力に溢れた1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=KWEbYsXeDvE

「Indecision」
EP「Dual」収録曲。
https://www.youtube.com/watch?v=FF8okFt4bGg

急に腰痛が・・・
三連休は大人しくしています(泣)
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2017年03月18日

Carlos Nino & Lil Sci Present What's The Science?『Elevation』

L.A.スピリチュアル・ジャズとHip-Hopの融合☆Carlos Nino & Lil Sci Present What's The Science?『Elevation』
Elevation
発表年:2008年
ez的ジャンル:L.A.スピリチュアル・ジャズ+Hip-Hop
気分は... :ガラスの天井・・・

今回はL.A.スピリチュアル・ジャズの首領Carlos NinoがHip-HopアーティストLil' Sciとタッグを組んだ1枚、Carlos Nino & Lil Sci Present What's The Science?『Elevation』(2008年)です。

Build An ArkThe Life Force Trio等での活動でも知られるCarlos Ninoの紹介は、Carlos Nino & Friends『Flutes, Echoes, It's All Happening!』(2016年)に続き2回目となります。

本作『Elevation』(2008年)は、Hip-HopユニットScienz Of LifeのメンバーでもあるLil' Sci(John Frederick Robinson)と組み、L.A.スピリチュアル・ジャズとHip-Hopの融合を図った1枚です。

Lil' SciCarlos NinoFabian AmmonによるHip-Hop/エレクトロニカ・ユニットAmmonContactのレコーディングに参加したことが本作制作のきっかけとなったようです。その流れでトラックにもAmmonContactのマテリアルが多く用いられています。

レコーディングには、Ninoの右腕的なヴァイオリン/ヴィオラ奏者Miguel Atwood-Ferguson(viola、key)、Build An ArkThe Life Force Trioでの盟友Dwight Trible(vo)とDexter Story(b、key)、前述のAmmonContactFabian Ammon(ds)、Build An Ark作品に参加しているNick Rosen(b)、Nate Morgan(el-p)、それ以外にTiffany Paige(vo)、Prince Po(vo)、Invizible Handz(Michael Robinson)(vo)、Elvin "Nobody" Estela(g)、Daedelus(g)等が参加しています。

また、Flying Lotusが楽曲提供している曲もあります。

L.A.スピリチュアル・ジャズ、Carlos Ninoといったことを意識せずとも、エッジーで格好良いHip-Hop作品として楽しめると思います。Lil' Sciのハスキー・ヴォイスによるラップは

L.A.スピリチュアル・ジャズ、Carlos Nino好きの人は、ジャズの枠に止まらないNinoをはじめとするL.A.ジャズ人脈の懐の深さを感じる1枚です。

L.A.スピリチュアル・ジャズとHip-Hopの相性は意外に良いですよ!

全曲紹介しときやす。

「Inspiration」
スピリチュアル・ジャズなトラックをバックに、Lil' SciがHip-Hopへの敬愛を述べるオープニング。

「Love, Hugs And Hip-Hop Soul」
Miguel Atwood-Fergusonのヴィオラも加わったリズミックなスピリチュアル・トラックとLil' Sciのフロウが見事にシンクロしたピースフルな仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=_EPKn6g5k2k

「The Right Song」
Tiffany Paigeの女性ヴォーカルも加わったジャズHip-Hop。ここではMiguel Atwood-Fergusonがローズを弾いています。Lil' Sciのハスキー・ヴォイスがビターな味わいとなっていい感じです。

「The Natural/Scriptures」
AmmonContactのトラックを使った1曲。コズミックに浮遊するトラックとリズミックなLil' Sciのフロウはアブストラクトな魅力があります。
https://www.youtube.com/watch?v=3zLz7RMjqOU

「Higher」
AmmonContactのトラックにDaedelusのギター、 Tiffany Paigeの女性ヴォーカルが加わったキャッチーな1曲。アルバムの中で最も華のある仕上がりです。

「Circulate」
Flying Lotus作品。L.A.スピリチュアル・ジャズ+L.A.ビートミュージック+Hip-Hopといった感じですね。無機質なビートの中にも薄っすらとスピリチュアルな雰囲気が漂います。ヴォーカルでInvizible Handzが参加しています。

「What's The Science?」
ユニット名を冠した曲はジャズ・フィーリングの効いたHip-Hopチューンです。

「Honor, Courage And Karma/Infinity Of Rhythm」
Dexter Story参加曲。Prince Poも参加し、Lil' Sciとマイクリレーを展開します。アブストラクトなHip-Hopチューンは僕好み!
https://www.youtube.com/watch?v=g0O9br32c-M

「Constant」
ジャジー&メロウHip-Hop好きはグッとくるであろうメロウ・エレピにグッとくる1曲。全然Carlos Ninoっぽくありませんが(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=SJ17-CLcYlI

「The Replenish」
AmmonContactのトラックを用いたアブストラクト・トラックが格好良い1曲。

「Freedom」
Build An Ark『Peace With Every Step』(2004年)でもカヴァーしているクラブジャズ人気曲でもあるPharoah Sanders「You've Got To Have Freedom」をベースにした1曲。Pharoah Sandersのオリジナルは当ブログでも紹介した『Journey To The One』(1980年)に収録されています。Tiffany Paigeが女性ヴォーカルで参加しています。スピリチュアル・ジャズ好きにはたまらない仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=_PKYxsrwOsA

「The Dream」
本編のラストは盟友Dwight Tribleも参加したスピリチュアル・チューンで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=M_bHRBJEyyA

国内盤にはボーナス・トラック「So Heavenly」が追加収録されています。

Carlos Nino関連の他作品もチェックを!

Carlos Nino & Miguel Atwood-Ferguson『Fill The Heart Shaped Cup』(2007年)
フィル・ザ・ハート・シェイプド・カップ

Carlos Nino & Friends『High With A Little Help From』(2009年)
High With a Little Help from

Carlos Nino & Friends『Aquariusssssss』(2012年)
アクエリアス

Carlos Nino & Friends『Aurorasmushroomtenderness』(2014年)
AURORASMUSHROOMTENDERNESS(オーロラスマシュルームテンダネス)

Carlos Nino & Friends『Flutes, Echoes, It's All Happening!』(2016年)
Flutes, Echoes, It's All Happening! [日本限定流通輸入盤CD / ボーナストラック4曲収録] (LR081)_251

Dwight Trible & The Life Force Trio『Love Is the Answer』(2005年)
Love Is the Answer [2CD] (ZENCD108)

The Life Force Trio『Living Room』(2006年)
Living Room

Build An Ark『Peace With Every Step』(2004年)
ピース・ウィズ・エヴリー・ステップ

Build An Ark『Dawn』(2007年)
ドーン

Build An Ark『Love Part 1』(2009年)
ラヴ

Build An Ark『Love Part 2』(2010年)
ラヴ・パート2 [限定盤]

Build An Ark『The Stars Are Singing Too』(2011年)
THE STARS ARE SINGING TOO ~10 YEARS ANNIVERSARY SPECIAL 2001-2011~

AmmonContact『Sounds Like Everything』(2003年)
Sounds Like Everything

AmmonContact『One in an Infinity of Ways』(2004年)
One in an Infinity of Ways

AmmonContact『New Birth』(2005年)
New Birth

AmmonContact『With Voices』(2006年)
With Voices

Turn on the Sunlight『Turn on the Sunlight』(2010年)
TURN ON THE SUNLIGHT

Turn on the Sunlight『New Day』(2013年)
NEW DAY
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2017年03月17日

Brian Auger & Julie Tippetts『Encore』

Julie Tippetts(Julie Driscoll)との再会作品☆Brian Auger & Julie Tippetts『Encore』
思い出にアンコール
発表年:1978年
ez的ジャンル:UK鍵盤ロック/フリーソウル
気分は... :素敵な再会!

今回はUKキーボード奏者Brian AugerJulie Tippetts(旧姓:Julie Driscoll)と共同名義でリリースした『Encore』(1978年)です。

これまで当ブログで紹介したBrian Auger関連作品は以下の8枚です。

Julie Driscoll, Brian Auger & The Trinity
 『Open』(1967年)
 『Streetnoise』(1969年)
Brian Auger & The Trinity
 『Definitely What!』(1968年)
Brian Auger's Oblivion Express
 『A Better Land』(1971年)
 『Second Wind』(1972年)
 『Closer to It!』(1973年)
 『Straight Ahead』(1975年)
 『Reinforcements』(1975年)

『Happiness Heartaches』 (1977年)でOblivion Expressの活動に一区切りをつけ、ソロ活動をスタートさせたBrian Augerですが、その最初の作品はKeith Tippettと結婚してTippetts姓となったJulie Tippetts(旧姓:Julie Driscoll)との共同名義での作品となりました。

Brian Auger & The Trinity時代に『Open』(1967年)、『Streetnoise』(1969年)といった作品でタッグを組んだ二人の再会作品とも呼べる1枚です。

Brian Auger自身がプロデュース&アレンジを手掛け、Brian Auger(org、p、el-p、syn、per、vo)、Julie Tippetts(vo)以下David McDaniels(b)、Dave Crigger(ds)、George Doering(g)といったメンバーがレコーディングに参加しています。

また、Jessica SmithThe WatersJulia Tillman WatersMaxine Willard Waters等がバック・コーラスを務めています。

カヴァー中心ですが、The Trinity時代やOblivion Express時代のレパートリーの再演などもあります。Brian Augerにジャズ・ロック的なものを求めている人には物足りないのかもしれませんが、フリーソウル/ブルーアイド・ソウル的なものを求めている僕にとっては楽しめる1枚になっています。

個人的にはFree Soulのコンピにも収録されたJack Bruceのカヴァー「Rope Ladder To The Moon」をはじめ、オリジナルの「Git Up」Al Jarreauのカヴァー「Spirit」Milton Nascimentoのカヴァー「Nothing Will Be As It Was」あたりがオススメです。

Brian Augerの鍵盤とJulie Tippettsのソウルフル・ヴォーカルの相性の良さを再確認できる1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Spirit」
先月惜しくも逝去したAl Jarreauのカヴァー。オリジナルは『We Got By』(1975年)に収録されています。Augerの格好良い鍵盤サウンドとJulieのパワフル・ヴォーカルが調和したオトナのロック・チューンに仕上がっています。

「Don't Let Me Be Misunderstood」
「悲しき願い」の邦題でお馴染みの名曲をカヴァー(Bennie Benjamin/Gloria Caldwell/Sol Marcus作)。The AnimalsやSanta Esmeraldaのヴァージョンが有名ですがオリジナルはNina Simoneです。テンポを落としたミディアム・バラードで哀愁のメロディを歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=DanA_cxlz-4

「Git Up」
Brian Augerのオリジナル。Julieと女性バック・コーラス陣のソウルフル・ヴォーカルにAugerのハモンドが絡むパワフルなジャズ・ロック的ソウル・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=Ii-nOBfXYI4

「Freedom Highway」
The Staple Singersのカヴァー(Pops Staples作)。Julieと女性バック・コーラス陣のソウルフル・ヴォーカルにファンキー・グルーヴが絡むスワンピーな仕上がりです。

「Future Pilot」
Brian Auger's Oblivion Express時代の『Reinforcements』(1975年)で演奏していた楽曲のセルフ・カヴァー。『Reinforcements』ヴァージョンの雰囲気を受け継ぎつつ、Julieのヴォーカルの引き立てるナチュラル・フィーリングな仕上がりです。

「Rope Ladder To The Moon」
Jack Bruce/Pete Brown作。Jack Bruceのオリジナルは 『Songs For A Tailor』(1969年)に収録されています。Colosseumもカヴァーしています。前述のようにFree Soulのコンピにも収録された再評価の高い人気曲であり、本作のハイライトと呼べるフリーソウルなジャジー&フォーキー・メロウです。少し幻想的な雰囲気もあっていいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=iAycBh4-8hM

「No Time To Live」
Trafficのカヴァー(Jim Capaldi/Steve Winwood作)。オリジナルは『Traffic』(1968年)に収録されています。Brian Auger & The Trinity時代のアルバム『Befour』(1970年)でも取り上げていた楽曲の再演です。本ヴァージョンはJulieのヴォーカルやサウンドも抑えめで味わい深い仕上がりです。

「Nothing Will Be As It Was」
Milton Nascimentoのカヴァー(Ronaldo Bastos/Milton Nascimento/Rene Vincent作)。オリジナルは『Clube Da Esquina』に収録されています。当ブログでは『Milton』(1976年)収録ヴァージョンも紹介済みです。さらに当ブログではElis ReginaFlora PurimSarah Vaughanによるカヴァーも紹介済みです。少し意外な選曲ですが、Auger本人がリード・ヴォーカルを務めるミステリアスなポップ・ロックに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=kosVsMGJS5A

「Lock All The Gates」
Al Jarreau作品のカヴァー2曲目。「Spirit」と同じくオリジナルは『We Got By』(1975年)に収録されています。ラストはAugerの美しいピアノをバックに、Julieが歌い上げ、The Waters姉妹がゴスペル調コーラスで盛り上げるソウル・バラードで締め括ってくれます。

Brian Auger関連作品の過去記事もご参照下さい。

Julie Driscoll,Brian Auger & The Trinity『Open』(1967年)
Open

Brian Auger & The Trinity『Definitely What!』(1968年)
デフィニットリー・ホワット(紙ジャケット仕様)

Julie Driscoll,Brian Auger & The Trinity『Streetnoise』(1969年)
Streetnoise by Julie Driscoll & Brian Auger (2011-07-12) 【並行輸入品】

Brian Auger's Oblivion Express『A Better Land』(1971年)
ア・ベター・ランド(紙ジャケット仕様)

Brian Auger's Oblivion Express『Second Wind』(1972年)
Second Wind

Brian Auger's Oblivion Express『Closer to It!』(1973年)
Closer to It (Dlx)

Brian Auger's Oblivion Express『Straight Ahead』(1975年)
ストレイト・アヘッド(紙ジャケット仕様)

Brian Auger's Oblivion Express『Reinforcements』(1975年)
Reinforcements
posted by ez at 09:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする