2018年06月12日

Arto Lindsay/The Ambitious Lovers『Envy』

Arto Lindsayの2つの顔が聴ける衝撃作☆Arto Lindsay/The Ambitious Lovers『Envy』
Envy
発表年:1984年
ez的ジャンル:ノー・ウェイブ×ブラジル音楽
気分は... :この組み合わせが面白い!

今回はN.Y.生まれながらブラジル人の心を持つミュージシャンArto LindsayPeter Schererと組んだユニットAmbitious Loversの1stアルバム『Envy』(1984年)です。

当ブログで紹介したAmbitious LoversおよびArto Lindsay作品は以下の通りです。

 Ambitious Lovers『Greed』(1988年)
 Ambitious Lovers『Lust』(1991年)

 Arto Lindsay『O Corpo Sutil/The Subtle Body』(1995年)
 Arto Lindsay『Noon Chill』(1997年)
 Arto Lindsay『Mundo Civilizado』(1996年)
 Arto Lindsay『Prize』(1999年)
 Arto Lindsay『Invoke』(2002年)

本作『Envy』(1984年)は、Ambitious Loversの1stアルバムという位置づけですが、厳密はArto LindsayAmbitious Loversの名が併記されており、Peter Schererとの双頭ユニットというよりもArto Lindsayのソロ・プロジェクト的な色合いが強いアルバムです。

D.N.AのメンバーとしてN.Y.ノー・ウェイブの金字塔的アルバム『No New York』(1978年)へ参加し、その後もLounge LizardsGolden Palominos等で活躍してきた前衛ギタリストとしてのArto Lindsayと、3歳から17歳までをブラジルで過し、ブラジル音楽から多大な影響を受けているArto Lindsayという2つの側面が融合した1枚です。

プロデュースはArto LindsayPeter SchererMark E. Miller。Arto Lindsay、Peter Schererに加え、Mark E. Millerが作品に大きく貢献しています。

レコーディングにはArto Lindsay(vo、g)、Peter Scherer(syn、sampler)、Mark E. Miller(prog、tom‐tom、congas、vo)以下、Toni Nogueira(per、timpani)、Reinaldo Fernandes (per、vo)、Claudio Silva (vo、pandeiro、prog)、Jorge Silva(per)、Anton Fie(prog)、David Moss(vo)、Duncan Lindsay(vo)といったミュージシャンが参加しています。

ノー・ウェイヴ/ポストロックな楽曲、ブラジリアン・モードの楽曲、両者を融合させた楽曲、次作『Greed』を予感させるダンサブルな楽曲がバランス良く配した構成です。全13曲ですが、1分前後の小曲が5曲もあるので、意外とあっという間に聴き終えることができます。

アルバムで最もキャッチーな「Let's Be Adult」、本来のAmbitious Loversサウンドを実感できる「Locus Coruleus」、本作ならではのノー・ウェイヴ×ブラジルなアヴァンギャルド感を楽しめる「Cross Your Legs」「Too Many Mansions」、ブラジリアン・モード全開の「Dora」あたりがおススメです。

アルバム1枚の中でArto Lindsayが持つ2つの顔をバランス良く楽しめる1枚です。プレAmbitious Loversという意味でも楽しめるはずです。

全曲紹介しときやす。

「Cross Your Legs」
Arto Lindsay/Mark E. Miller/Peter Scherer作。ノー・ウェイヴ/ポストロック×ブラジルなオープニング。この組み合わせ自体がアヴァンギャルドですね。
https://www.youtube.com/watch?v=BLlyOXcjLrk

「Trouble Maker」
Arto Lindsay/Mark E. Miller/Peter Scherer作。ブラジルの土着リズムのエッセンスを巧みに使ったミディアム・グルーヴ。ブラック・ミュージックのエッセンスも感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=DkUlMaSKZJ4

「Pagode Americano」
Claudio Silva/Reinaldo Fernandes/Toni Nogueira作。ブラジリアン・リズム全開の仕上がり。D.N.Aをイメージして聴くとギャップが大きいかもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=6HFXF0WsvvQ

「Nothings Monstered」
Arto Lindsay/Mark E. Miller/David Moss作。前曲から一転してノー・ウェイヴ/ポストロックな小曲。
https://www.youtube.com/watch?v=GwRGDLKs2fU

「Crowning Roar」
Arto Lindsay/Mark E. Miller作。メタリック感のあるアヴァンギャルドな小曲。
https://www.youtube.com/watch?v=evMdYnshAy0

「Too Many Mansions」
Arto Lindsay/Mark E. Miller/Peter Scherer作。ノー・ウェイヴ×ブラジルなアヴァンギャルド感を満喫できる1曲。前衛的なサウンドとブラジル音楽特有のサウダージな雰囲気を違和感なく同居させているのが面白いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=tBaPQJYczBE

「Let's Be Adult」
Arto Lindsay/Peter Scherer作。シンセ・ポップ調のダンサブル・チューンはアルバムで最もキャッチーな仕上がりです。Peter Schererとの双頭ユニットAmbitious Loversとしての本来の音なのでは?ニュー・ウェイヴ好きの人は気に入るはず!
https://www.youtube.com/watch?v=OU3rXvNnRr0

「Venus Lost Her Shirt」
Arto Lindsay/Mark E. Miller/Peter Scherer/Claudio Silva/Reinaldo Fernandes/Toni Nogueira作。ブラジリアン・ノー・ウェイヴと称したくなるミニマルな仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=K8S6CtBlmTw

「My Competition」
Arto Lindsay/Mark E. Miller作。1分に満たない小曲ですが、ニュー・ウェイヴ的な格好良さがあります。

「Badu」
Claudio Silva/Jorge Silva/Toni Nogueira作。ブラジリアン・パーカッションのみのアフロ・ブラジリアンな小曲。

「Dora」
ブラジルの偉大なコンポーザー/シンガーDorival Caymmiの作品を取り上げています。Arto Lindsayのブラジルの心を最も実感できる仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=H6NlSU1EWfo

「Beberibe」
Arto Lindsay/Toni Nogueira作。ブラジリアン・モードのアヴァンギャルドを楽しめる小曲。
https://www.youtube.com/watch?v=LTd-hTjk-7s

「Locus Coruleus」
Arto Lindsay/Peter Scherer/Anton Fier作。ラストは次作『Greed』につながるアヴァンギャルドなダンサブル・チューンで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=TekcXnCwmwk

Ambitious LoversおよびArto Lindsayのソロ作の過去記事もご参照ください。

Ambitious Lovers『Greed』(1988年)
Greed

Ambitious Lovers『Lust』(1991年)
Lust

Arto Lindsay『O Corpo Sutil/The Subtle Body』(1995年)
O Corpo Sutil

Arto Lindsay『Mundo Civilizado』(1996年)
Mundo Civilizado

Arto Lindsay『Noon Chill』(1997年)
Noon Chill

Arto Lindsay『Prize』(1999年)
プライズ

Arto Lindsay『Invoke』(2002年)
インヴォーク
posted by ez at 11:46| Comment(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月11日

Bill Hughes『Dream Master』

爽快メロウなAOR作品☆Bill Hughes『Dream Master』
ドリーム・マスター(期間生産限定盤)
発表年:1979年
ez的ジャンル:爽快メロウ系AOR
気分は... :目が痒い(泣)

ここしばらくアレルギー性の目の痒みがひどくて困っています。
多分、梅雨の気候が影響していると思います。
こんなときに聴きたい音は・・・

今回は70年代AOR作品からBill Hughes『Dream Master』(1979年)です。

日本ではDick St. Nicklaus『Magic』(1979年)と並び、関西限定リリースで火が付き、全国展開されたAOR作品として有名ですね。

Bill Hughesは1948年テキサス生まれの男性シンガー・ソングライター。

当ブログでも紹介したフォーキー・トリオLazarusのメンバーとしてキャリアをスタートさせ、『Lazarus』(1971年)、『A Fool's Paradise』(1973年)という2枚のアルバムをリリースしています。

Lazarus解散後はカナダでソロ活動の準備を進め、遂にリリースした1stソロ・アルバムが本作『Dream Master』(1979年)です。

その後、『Horton, Bates & Best: The Last Catch』(1981年)、『Welcome To The Edge』(1991年)という2枚のアルバムをリリースしています。特に『Welcome To The Edge』のタイトル曲(邦題:届かぬ想い)は吉田栄作・山口智子主演のドラマ『もう誰も愛さない』の主題歌としても話題となりました。

ソングライターとしても活躍したBill Hughesでしたが、1998年に惜しくも他界しています。

さて、本作『Dream Master』(1979年)ですが、メイン・プロデュースはHenry Lewy。それ以外にBillie HughesDale Jacobsが各1曲プロデュースしています。

楽曲はすべてBillie Hughesのオリジナルです。

Billie Hughes(vo、g)以下、TotoJeffrey Porcaro(ds)と弟のMichael Porcaro(b)、Jose Feliciano(g、back vo)、
Jay Graydon(g)、Oscar Castro-Neves(g)、Mitch Holder(g)、Wilton Felder(b)、Mike Melvoin(el-p、p)、Russ Kunkel(ds)、Victor Feldman(per)、Ernie Watts(sax)、Renee Armand(back vo)、Colleen Peterson(back vo)等がレコーディングに参加しています。

Billieの書く楽曲の良さと、Billieのヴォーカルおよびバック・コーラス陣を含めたヴォーカルワークの良さが魅力のアルバムです。そこに、この豪華メンバーのサポートがあるわけですから悪いはずがありません。

「Dreams Come True」「Waiting For You To Fly」「Only Love」「Catch Me Smilin'」といった爽快メロウがおススメです。あとはManassas的なファンキー・ロック「Gypsy Lady」Jose Feliciano参加の「Only Your Heart Can Say」も僕好みの仕上がり。

アコースティックな爽快メロウがお好きな人はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。、

「Stealin' My Heart Away」
オープニングは哀愁モードのバラード。Billie Hughesの切々としたヴォーカルと哀愁ギターが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=RqsTR8bRo2E

「Dreams Come True」
おススメその1。Billie Hughesの魅力が伝わってくる爽快メロウ。透明感のあるヴォーカルワークがいいですね。Jay Graydonのギターもグッドだし、Ernie Wattsがサックス・ソロで盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=6z9Fm1MoxFk

「Waiting For You To Fly」
おススメその2。透明感のあるフォーキー・メロウ。誠実さが伝わってくるSSWらしい1曲。この曲もヴォーカルワークが素晴らしいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=oia83XqFTyo

「Only Love」
おススメその3。ポップな味わいのアコースティック・メロウ。派手さはありませんが、なかなかキャッチーですよ。

「Lower Lights」
ストリングスを配したビューティフル・バラード。声質がいいので、こういったバラードが映えますね。

「Gypsy Lady」
おススメその4。Stephen StillsManassasあたりがお好きな人は気に入るであろうラテン・フレイヴァーのファンキー・ロックです。アルバムの中で最もハードです。

「Quiet Moment」
ヴァイヴの音色が印象的なメロウ・バラード。ロマンティックな雰囲気がたまりません。

「Catch Me Smilin'」
おススメその5。Billieのハイトーン・ヴォーカルの魅力を満喫できるメロウ・ミディアム。ヴォーカルワークも素敵です。
https://www.youtube.com/watch?v=rLKQssXNiL8

「Only Your Heart Can Say」
おススメその6。ジワジワと胸に込み上げてくるメロウ・ミディアム。Jose Felicianoがギター&バック・ヴォーカルで参加し、終盤に彼らしいギター・プレイで盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=6LDWpyK44aw

「Dream Master」
イナたい雰囲気ながらもコンテンポラリーに仕上がったタイトル曲で締め括ってくれます。

ご興味がある方は、Lazarus時代の作品や他のソロ作もチェックを!

Lazarus『Lazarus』(1971年)
ラザルス <SHM-CD>

Lazarus『Lazarus/A Fool's Paradise』(1971/1973年)※2in1CD
Lazarus/A Fool's Paradise (2on1) (2017 reissue)

Bill Hughes『Welcome To The Edge』(1991年)
とどかぬ想い

同じ関西から火が付いたAOR作品ということで、Dick St. Nicklaus『Magic』(1979年)もチェックしてみては?

Dick St. Nicklaus『Magic』(1979年)
マジック(期間生産限定盤)
posted by ez at 01:38| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月10日

Mabuta『Welcome To This World』

Shabaka Hutchingsも参加した南アフリカ・ジャズ作品☆Mabuta『Welcome To This World』
Welcome To This World [Daedelusによるリミックス音源のダウンロードコードつき]
発表年:2018年
ez的ジャンル:南アフリカ・ジャズ
気分は... :瞼(まぶた)?

今回は新作ジャズから南アフリのジャズ・ユニットMabutaのデビュー・アルバム『Welcome To This World』です。

Mabutaは2017年にヨハネスブルグで結成されたジャズ・ユニット。

メンバーはShane Coope(b)、Marlon Witbooi(ds)、Bokani Dyer(p、el-p、syn)、 Sisonke Xonti(ts)、Robin Fassie-Kock(tp)という5名。

中心人物のShane Coopeは、Card On Spokes名義でスウェディッシュ・エレクトロ・ユニットLittle Dragon、スコットランドはのHip-HopユニットYoung Fathers等のツアーにも同行しています。

南ロンドン・ジャズ・シーンの最重要ミュージシャンShabaka Hutchings(ts)、さらにBuddy Wells(ts)、Reza Khota(g)といった南アフリカのミュージシャンがフィーチャリングされています。

Shabaka Hutchingsと南アフリカ・ジャズとの相性はShabaka And The Ancestors『Wisdom Of Elders』(2016年)で証明済みですね。

それ以外にJanus Van Der Merwe(bs)、Tlale Makhene(per)といったミュージシャンも参加しています。

アフロ・ジャズと南ロンドンを中心とするUKジャズ、さらにはUSの今ジャズのエッセンスが調和した、非常にバランスの良い最新ジャズだと思います。その意味では、アフロ・ジャズという部分を意識しすぎない方が楽しめると思います。

先週紹介したNicola Conte & Spiritual Galaxy『Let Your Light Shine On』もそうですが、南アフリカ・ジャズの勢いは凄いですね。

南ロンドンから南アフリカへ・・・ジャズは進化し続ける!

全曲紹介しときやす。

「Welcome To This World」
メロウな鍵盤の音色と鮮やかなホーン・サウンドが彩るスケールの大きな電化ジャズで楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=Zd8vWwi8Q1g ※スタジオ・セッション

「Bamako Love Song」
Shabaka Hutchingsをフィーチャー。アフロ・ジャズと今ジャズを違和感なく融合させた演奏がいいですね。

「Fences」
Shabaka Hutchingsをフィーチャー。僕の一番のお気に入り。エレクトロニックなエッセンスを強調した刺激的な演奏は、少し前に紹介した南ロンドン・ジャズ作品Joe Armon-Jones『Starting Today』あたりに通ずるものがあります。フューチャリスティックなグルーヴはクロスオーヴァー・ジャズ好きの人も気に入るのでは?

「Beneath The Waves」
予備知識がなければUSの今ジャズ作品だと思ってしまうかもしれません。ジャズ・ユニットとしての基本がしっかりしていることを実感できます。

「Log Out Shut Down」
Buddy Wellsのテナー・サックスをフィーチャー。ここではアフロビート調の演奏を聴かせてくれます。覚醒的なエッセンスは抑え、スマートにアフロビートのグルーヴを生み出しているのが印象的です。

「As We Drift Away」
澄み切った美しさを感じる演奏です。ジャケに描かれた神秘的な母性のようなものを音で表現しているようです。

「Tafattala」
Reza Khotaのギターをフィーチャー。エチオピアン・ジャズ風の神秘的な演奏ですが、途中で現代ジャズなインプロヴァイゼーションでアクセントをつけています。

「The Tunnel」
ラストは今ジャズ仕様のスリリング&コズミックな演奏でスカッと締め括ってくれます。

昨日のサッカー日本代表、対スイス戦については酷評のオンパレードですね。僕は酷評するつもりはありませんが、この危機感が吉と出ることを願っています。個人的には乾、酒井宏がプレーできたのは光明だと思います。この2人はスタメンで起用して欲しいですね。
posted by ez at 01:34| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月09日

Dino Valente『Dino』

Quicksilver Messenger Service創設メンバー、唯一のソロ・アルバム☆Dino Valente『Dino』
ディノ・ヴァレンテ
発表年:1968年
ez的ジャンル:アシッド・フォーク
気分は... :間に合わなかった男…

Quicksilver Messenger Serviceの創設メンバー、Youngbloodsの大ヒットで知られる「Get Together」の作者として知られている男性シンガー・ソングライターDino Valente唯一のソロ・アルバムが本作『Dino』(1968年)です。

Dino Valente(本名:Chester William Powers, Jr.)(1937-1994年)は、コネチカット州ダンベリー生まれの男性シンガー・ソングライター。

1950年代後半からN.Y.グリニッジ・ヴィレッジのモダン・フォーク・シーンで活躍し、1960年代半ばには拠点を西海岸のサンフランシスコへ移します。そして、Grateful DeadJefferson Airplaneと並ぶ、サンフランシスコのサイケデリック・ロック・グループQuicksilver Messenger Serviceを結成します。

しかしながら、デビュー直前にValenteはドラッグの不法所持で逮捕され、18カ月の刑務所暮らしとなります。その間、Quicksilver Messenger ServiceはDino抜きでデビューを果たします。

出所後、紆余曲折を経てValenteがQuicksilver Messenger Serviceに再合流するのは1970年になりますが、その間にレコーディングされたValente唯一のソロ・アルバムが本作『Dino』(1968年)です。

"アンダーグラウンドの"とも称された才能の持ち主ですが、そんな言葉がフィットするアシッド・フォーク作品に仕上がっています。

プロデュースはDino Valente本人。2曲のみBob Johnstonがプロデュースしています。

12弦ギターの弾き語りによるシンプルな演奏が中心ですが、この時代ならではのアシッドなフォーキー・ワールドを存分に楽しむことができます。

「Me And My Uncle」以外はValenteのオリジナルです。

全曲紹介しときやす。

「Time」
♪時が過ぎ去り、新しい夢が毎日のように生まれる♪というフラワームーヴメントな歌詞やギターの幻想的な響きがこの時代らしいアシッド・フォーク。
https://www.youtube.com/watch?v=O2TqparRck4

「Something New」
Valenteのソングライターとしての才能を感じる1曲。哀愁メロディとアシッドなフォーキー・ワールドがよくフィットしています。
https://www.youtube.com/watch?v=zLyHAXhx-YU

「My Friend」
Bob Johnstonプロデュース。ホーン&ストリングス・アレンジが施された幻想的な仕上がり。サイケ好きの人にフィットするのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=0NqDedFXmew

「Listen To Me」
シンプルなフォーキー・チューンですが、独特の味わい深さがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=fYkUZ6DbTb4

「Me And My Uncle」
The Mamas & The PapasのJohn Phillips/Michelle Phillips作。Judy Collinsヴァージョンでも知られる楽曲です。The Mamas & The Papasヴァージョンはアルバム『People Like Us』(1971年)のExpanded CDのボーナス・トラックとして聴くことができます。"アンダーグラウンドの"の風格を実感できる1曲なのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=zR29AkGxcJo

「Tomorrow」
Bob Johnstonプロデュース。ストリングスが雰囲気を盛り上げてくれるラブ&ピースな仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=0hB__hDpDDY

「Children Of The Sun」
Dino Valenteというアーティストの矜持を感じる1曲。この時代ならではの空気感が伝わってくる歌詞やその力強い語り口がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=UxkqpNiwIu0

「New Wind Blowing」
タイトルからして、"アンダーグラウンドの"ですね。シンプルながらもValenteらしさが出ていると思います。
https://www.youtube.com/watch?v=wWG1MrKbPyQ

「Everything Is Gonna Be OK」
エコーの掛かったヴォーカルが虚しく響くアシッド・フォーク。
https://www.youtube.com/watch?v=Z0ElkOdXm7I

「Test」
タイトルの通り、テスト(デモ)のようなアヴァンギャルドな演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=cpp6jXJEs9w

彼の名を有名にした「Get Together」について、大ヒットしたYoungbloodsヴァージョンはアルバム『The Youngbloods』(1967年)に収録されています。また、当ブログではYoungbloods『RIde The Wind』のライブ・ヴァージョン、The Dave Pell SingersWe FiveBobbi Boyleのカヴァーも紹介済みです。

ちなみにThe Jimi Hendrix Experienceでお馴染みの楽曲「Hey Joe」についてもDino Valente作品である、という記述を見かけますが、正しくは同曲の作者はBilly Robertsです。確かにLeaves、Loveの「Hey Joe」の作者はValenteになっているのは事実ですが、最終的に作者はBilly Robertsとなりました。
posted by ez at 01:50| Comment(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月08日

Teti『Equatorial』

Toninho Hortaがアレンジを手掛けたブラジル女性シンガー作品☆Teti『Equatorial』
テチ
発表年:1979年
ez的ジャンル:ブラジル北東部女性シンガー
気分は... :梅雨に聴くブラジル音楽!

今回は梅雨に似合いそうなブラジル作品Teti『Equatorial』(1979年)です。
※国内再発CDは『Teti』のタイトルですが、オリジナル・タイトルを尊重して『Equatorial』としておきます。

Tetiは1950年ブラジル、セアラー州生まれの女性シンガー。

EdnardoRodger Rogerioと組んだユニットPessoal do Cearaでアルバム『Meu Corpo Minha Embalagem Todo Gasto Na Viagem』(1973年)をリリース。さらにRodger RogerioとのデュオRodger e Tetiとしてアルバム『Chao Sagrado』(1975年)をリリースしています。

そして、初のソロ・アルバムとしてレコーディングしたのが本作『Equatorial』(1979年)です。

プロデュースはRaimundo Fagner

Toninho HortaTulio Mouraoがアレンジを手掛けています。

レコーディングには盟友Rodger Rogerio(violao)をはじめ、Toninho Horta(g)、Tulio Mourao(org、el-p、key)、Luis Alves(b)、Tuti Moreno(ds)、Elber Bedaque(ds)、Robertinho de Recife(g)、Robertinho Silva(per)、Mauro Senise(fl)、Nivaldo Ornelas(fl)、Manasses(viola de 10 cordas)、Geraldo Azevedo(viola de 10 cordas)等のミュージシャンが参加しています。

爽快で楽しげなメロウ・グルーヴ「Pe na Terra」、透明感のあるTetiのヴォーカルが映えるメロウ・チューン「Daniela」、SSW作品風の「Falando da Vida」、美しいオーケストレーションの「Ultimo Raio de Sol」、軽快なファンキー・サウンドの「Girias do Norte」、郷愁モードの「Vento Rei」、Fagnerとのデュエット「Passaras, Passaras, Passaras」、リズミックに疾走する「Equatorial」など1枚の中でバラエティ豊かな音楽性を楽しめる1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Daniela」
Clodo/Rodger Rogerio作。しっとりとしたメロウ・チューンがオープニング。透明感のあるTetiのヴォーカルとメロウ・エレピの組み合わせがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=I0knPTLEacc

「Jumento Passarinho」
Rodger Rogerio/Zila Mamede作。子供の歌声も交えた童心に帰ったような小曲。
https://www.youtube.com/watch?v=wsmoL_oVy44

「Barco de Cristal」
Fausto Nilo/Clodo/Rodger Rogerio作。この時代らしい哀愁メロディを聴けます。Robertinho de Recifeによるポルトガル・ギターが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=K_v4Tt-NpXU

「Ultimo Raio de Sol」
Fausto Nilo/Clodo/Rodger Rogerio作。美しいメロディを少し憂いを帯びたヴォーカルが歌い上げます。Mauro Seniseのフルートとオーケストレーションによる美しくも切ないサウンドが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=42dn1l9iGaQ

「Girias do Norte」
Onildo Almeida/Jacinto Silva作。それまでのサウンドからは一転し、軽快なファンキー・サウンドと共にTetiのヴォーカルが弾けます。
https://www.youtube.com/watch?v=Tc3l4O-L2NQ

「Pe na Terra」
Fausto Nilo/Stelio Valle作。僕の一番のお気に入り。爽快かつ楽しげに疾走するメロウ・グルーヴ。アレンジの妙が光ります。
https://www.youtube.com/watch?v=aPHa5wDSOUA

「Vento Rei」
Ze Maia/Cale Alencar作。初めて聴くのに懐かしい思いがこみ上げてくる郷愁モードの仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=8A0PJ42bjOk

「Passaras, Passaras, Passaras」
Capinan/Petrucio Maia作。Fagnerとのデュエット。澄み切ったエレガント・ムードの中でいい雰囲気のデュエットを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=DunM1s_2T1k

「Espacial」
Belchior作。ロマンティック・ムードの中でTetiが可憐な歌声を聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=in1qxMK7XxU

「Falando da Vida」
Rodger Rogerio/Dede Evangelista作。SSW作品風の雰囲気がいい感じのメロウ・チューン。アレンジも含めて1曲の中に物語があります。
https://www.youtube.com/watch?v=wdsKgQafHDY

「Maraca」
Clodo/Rodger Rogerio作。ノルデステ×ジャズ・ロックな雰囲気の1曲。独特のリズミック感がグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=NHEM-9sAWoM

「Equatorial」
Fausto Nilo/Cale作。タイトル曲はリズミックな疾走感に惹かれます。スピード感の中にもTetiの可憐なヴォーカルの魅力を楽しむことができます。
https://www.youtube.com/watch?v=dOByCXoP33M

ソロ・アルバムとしては、本作以外に『Nos Um』(2006年)というアルバムをリリースしているようです。
posted by ez at 02:49| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする