2019年07月11日

Eric Lau『New Territories』

UKプロデューサー/ビートメイカーの1st☆Eric Lau『New Territories』
New Territories
発表年:2008年
ez的ジャンル:UKビートメイカー系Hip-Hop/ネオソウル
気分は... :ジャケはB級以下ですが・・

Eric Lau『New Territories』(2008年)です。

Eric LauはUK出身(香港系イギリス人)のプロデューサー/ビートメイカー。

これまで1stアルバムとなる本作『New Territories』(2008年)を皮切りに、『Makin' Sound』(2010年)、『One of Many』(2013年)、『Quadrivium』(2011年)、『Examples』(2017年)、『Examples Volume Two』(2018年)といったアルバムをリリースしています。

また、当ブログで紹介した以下の作品にプロデューサーあるいはリミックス/ミックスで関与しています。

 Hil St. Soul『SOULidified』(2006年)
 Freddie Joachim『Fiberglass Kisses』(2012年)
 Ruth Koleva『Rhythm Slave(Remix Album)』(2015年)
 Kaidi Tatham『It's A World Before You』(2018年)

また、DegoFatimaLupe FiascoGeorgia Anne Muldrow等のアーティストとの仕事でも知られています。

さて、1stアルバムとなる本作『New Territories』(2008年)ですが、アルバムのイントロ、アウトロ以外はヴォーカルをフィーチャーしたメロウ・トラックがズラリと並ぶアルバムです。

J Dillaの影響を受けたビートメイカーですが、どのトラックもメロウなエッセンスが絶妙なので、Hip-Hop好きのみならず、ネオソウル好きや次世代ネオソウル好きの人もフィットするのでは?

プロデュースはEric Lau自身。曲によって、Jodi MillinerLayla Rutherfordが共同プロデューサーとしてクレジットされています。

Hejiraのメンバーとしても活動する女性シンガーRahel Dessalegneをはじめ、Sarina LeahTawiahMeshach BrownAnnabelTosinといったシンガーがフィーチャリングされています。

それ以外にHejiraのメンバーAlex Reeve(g)、Jodi Milliner(b、el-p)、Finn Peters(fl)、Layla Rutherford(per)、Julian Ferraretto(strings)等がレコーディングに参加しています。

どのトラックも甲乙つけがたいですが、あえておススメをピックアップするならば、Tawiahをフィーチャーした「I Don't Do It To」、エレクリック・ソウル「Confession Lounge」、ミステリアスな「Time Will Tell」、コズミック・メロウな「Show Me」、3人の歌姫をフィーチャリングした「Begin」、Meshach Brownをフィーチャーしたビューティフル・トラック「Hope」あたりでしょうか。

J Dilla経由のメロウ・トラック群は、今聴いても魅力的だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Welcome」
メロウ&ドリーミーなアルバムのイントロ。
https://www.youtube.com/watch?v=QDo1xQeEvXw

「I Don't Do It To」
Tawiahをフィーチャー。Jodi Millinerとの共同プロデュース。メロウ&コズミックなHip-Hopトラックと、少しレイジーなTawiahのヴォーカルの組み合わせ。Georgia Anne Muldrowあたりが好きな人は気に入るのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=v82606NWENs

「Right Side」
Sarina Leahをフィーチャー。J Dilla的ビートに乗って、Sarina Leahのキュート・ヴォーカルが舞います。
https://www.youtube.com/watch?v=QMjRF0PR2wE

「Confession Lounge」
Rahel Dessalegneをフィーチャー。僕好みのキャッチーなエレクリック・ソウル。Rahel Dessalegneの透明感のあるヴォーカルもフィットしています。
https://www.youtube.com/watch?v=fAthmfvgl6A

「Final Chance」
Meshach Brown/Rahel Dessalegneをフィーチャー。 Layla Rutherfordとの共同プロデュース。レトロ・ソウル×Hip-Hopにフューチャリスティックなエッセンスも加わったミクスチャー感覚が楽しいトラック。
https://www.youtube.com/watch?v=yiq4WI7Ev7M

「Time Will Tell」
Sarina Leahをフィーチャー。少しミステリアスな雰囲気のメロウ・ミディアム。Sarina Leahの少し儚いヴォーカルがサウンドにマッチしています。Lenny White「Sweet Dreamer」をサンプリング。
https://www.youtube.com/watch?v=LqSnrXPtqAQ

「Don't Let Them」
Tosinをフィーチャー。クール&メロウなトラックと切々としたヴォーカルの組み合わせがジワジワきます。さり気なさが魅力です。
https://www.youtube.com/watch?v=NwuM-IDh3pE

「Free It Out」
Sarina Leahをフィーチャー。 J Dilla的ビートのメロウ・トラック。
https://www.youtube.com/watch?v=ms41RD6z2kM

「Show Me」
Rahel Dessalegneをフィーチャー。Layla Rutherfordとの共同プロデュース。僕好みのコズミック・メロウ・トラック。Rahelのコケティッシュ・ヴォーカルもサイコーです。
https://www.youtube.com/watch?v=YJgG1NEARds

「Let It Out」
Rahel Dessalegneをフィーチャー。前曲「Show Me」からの流れがサイコー。最近の次世代ネオソウル好きの人も気に入る流れなのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=-HMQ_hTBGgk

「Begin」
Annabel/Rahel Dessalegne/Sarina Leahをフィーチャー。3人の歌姫をフィーチャリングしたキュート&メロウ・トラック。キュート・ヴォーカル大好きな僕好みの1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=L2jXaV3eKjw

「How Far」
Rahel Dessalegneをフィーチャー。浮遊するメロウ・トラックに乗ったRahelのヴォーカルがコケティッシュ・ヴォーカルに魅せられます。
https://www.youtube.com/watch?v=13O8_dmrCis

「Hope」
Meshach Brownをフィーチャー。美しいストリングスを配したビューティフル・トラック。祈るようなMeshach Brownのヴォーカルもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=64klVwVMTvU

「Outro」
アルバムのアウトロ。穏やかな中にもコズミック・フィーリングが漂います。
https://www.youtube.com/watch?v=MKXCX6nTYJg

『Makin' Sound』(2010年)
MAKIN' SOUND

『One of Many』(2013年)
One of Many
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2019年07月10日

Burton Inc.『L.A. Will Make You Pay $$$』

レア・グルーヴ人気作☆Burton Inc.『L.A. Will Make You Pay $$$』
L.A.ウィル・メイク・ユー・ペイ・ダラーズ(紙ジャケット仕様)
発表年:1976年
ez的ジャンル:レア・グルーヴ系ローカル・ファンク/ソウル
気分は... :ジャケはB級以下ですが・・

今回はレア・グルーヴ人気作Burton Inc.『L.A. Will Make You Pay $$$』(1976年)です。

Burton Inc.は、Charles BurtonBarbara BurtonのBurton夫妻によるファンク/ソウル・プロジェクト。本作『L.A. Will Make You Pay $$$』(1976年)が唯一のアルバムとなります。

Burton夫妻はオハイオのローカル・ファンク・バンドMessengers Incorporatedの中心メンバーでした。
Messengers Incorporatedとしてはアルバム『Soulful Proclamation』(1972年)をリリースしています。

本作『L.A. Will Make You Pay $$$』(1976年)は、某ディスク・ガイドにも掲載され、アナログはレア盤として高値で取引されたことで知られる1枚です。近年は国内外でCD化されたことで、かなり入手しやすくなりました。

Barbara Burtonの素晴らしいヴォーカルと、都会的センスの中に少しイナたさが残るファンキー・サウンドの絶妙な組み合わせが魅力のアルバムです。

ダンサブルなモダン・ソウルの「L.A. Will Make You Pay」「You Know I Love You」、メロウ・バラードの「Groovin' At The Night Club」「Nation Song」あたりがおススメです。

プロデュースもBurton夫妻です。

レア・グルーヴ人気作というのも頷ける充実の1枚です。

全曲紹介しときやす。

「L.A. Will Make You Pay」
おススメその1。ファンキーなモダン・ダンサーのタイトル曲はアルバムのハイライト。タイトルの通り、西海岸をイメージさせる開放的なファンキー・サウンドとBarbara Burtonの伸びやかなヴォーカルが躍動します。
https://www.youtube.com/watch?v=en4RFRxHxlo

「Sincerely Yours」
切ないソウル・バラードですが、Barbaraのシンガーとしての魅力が伝わってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=Ygy4Tg1aSmw

「Why Don't You Let Me Know」
快調なホーン・サウンドが先導するファンキーな疾走感が魅力の1曲。ここでのBarbaraは歌いすぎず、ファンキー・グルーヴの中に溶け込んでいる感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=QLjPozZ8-fM

「Who You Gonna Get」
ソウル・ヴォーカル・グループ調のミディアム・ソウル。オーセンティックな魅力があります。
https://www.youtube.com/watch?v=QhKDxF6weGw

「You Know I Love You」
おススメその2。Barbaraのヴォーカルが輝きを放つ、ダンサブルなモダン・ソウル。秀逸なホーン・アレンジも盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=oAO2IWUQPSY

「Groovin' At The Night Club」
おススメその3。メロウ・バラード好きにはたまらない1曲。Barbaraのヴォーカルの瑞々しさがサイコーです。
https://www.youtube.com/watch?v=geIyEfe8a5g

「See What You Made Me Do」
ローカル・ファンク・バンドらしく少しイナたいファンク・チューン。スペイシーなアクセントはご愛嬌(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=0WOPt7v7qGA

「Nation Song」
おススメその4。ラストもメロウ・バラードで締め括ってくれます。日本をはじめ、様々な国名が歌われます。
https://www.youtube.com/watch?v=3xJ5bFNu-IM

ご興味がある方はMessengers Incorporatedのアルバムもチェックを!

Messengers Incorporated『Soulful Proclamation』(1972年)
ソウルフル・プロクラメイション(紙ジャケット仕様)
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2019年07月08日

Sheila Jordan『Portrait Of Sheila』

幻の女性ジャズ・ヴォーカル作品☆Sheila Jordan『Portrait Of Sheila』
Portrait of Sheila
発表年:1962年
ez的ジャンル:女性ジャズ・ヴォーカル
気分は... :忽然と・・・

今回は60年代女性ジャズ・ヴォーカル作品からSheila Jordan『Portrait Of Sheila』(1962年)です。

Sheila Jordan(本名:heila Jeanette Dawson)は1928年ミシガン州デトロイト生まれの女性ジャズ・シンガー。

1952年ジャズ・ピアニストDuke Jordanとの結婚を機にSheila Jordanを名乗るようになります。

1962年、George Russell『The Outer View』収録の「You Are My Sunshine」で初レコーディング。この時の歌声が評判となり、Blue Noteで初リーダー作のレコーディング機会を得ます。こうして制作されたのが本作『Portrait Of Sheila』です。

本作以降しばらく目立った活動はありませんでしたが、70年代以降は断続的に10枚以上のリーダー作をリリースしています。

初リーダー作『Portrait Of Sheila』(1962年)は、忽然と現れ、忽然と消えていったイメージからか"幻のジャズ・ヴォーカル作品"とも形容されるアルバムのようです。

レコーディング・メンバーはSheila Jordan(vo)、Barry Galbraith(g)、Steve Swallow(b)、Denzil Best(ds)という少人数編成。

シンプルなバッキングがSheilaの抑えたトーンの可憐なヴォーカルを際立たせます。ピアノ・トリオではなく、ギター・トリオによるバッキングがSheilaのヴォーカル・スタイルにジャスト・フィットしている気がします。メロウ&クールな美学が貫かれている感じも僕好み!

この独特の雰囲気は"幻のジャズ・ヴォーカル作品"と形容したくなるのも頷けます。

全曲紹介しときやす。

「Falling in Love with Love」
Richard Rodgers/Lorenz Hart作。ミュージカル『The Boys from Syracuse』(1938年)のために書かれた楽曲。白人シンガーらしい可憐な歌声がいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=5VFT2zc1lbI

「If You Could See Me Now」
Tadd Dameron/Carl Sigman作のスタンダードをカヴァー。ギター・トリオらしいメロウなバッキングと切々としたSheilaのヴォーカルが実にフィットしています。
https://www.youtube.com/watch?v=-34UkHqd3B4

「Am I Blue」
Grant Clarke/Harry Akst作品のカヴァー。メロウ&ブルージーなバッキングが、Sheilaの抑えたトーンのキュート・ヴォーカルを際立たせます。
https://www.youtube.com/watch?v=NeU5tS7DFmw

「Dat Dere」
Bobby Timmons作品のカヴァー。オリジナルは『This Here Is Bobby Timmons』(1960年)に収録されています。ここではベースのみのバッキングで、キュートな中にも豊かな表現で歌います。
https://www.youtube.com/watch?v=PhRRg_IYPjc

「When the World Was Young」
M. Philippe-Gerard作のポピュラー・スタンダードをカヴァー。英語歌詞Johnny Mercer作。フランス語のオリジナル・タイトルは「Le Chevalier de Paris」。抑えたトーンながらも情感たっぷりのヴォーカルで哀愁バラードを歌います。
https://www.youtube.com/watch?v=Ad2veKJv77s

「Let's Face the Music and Dance」
Irving Berlin作。Fred Astaire、Ginger Rogers出演の映画『Follow the Fleet』(1936年)で使われた楽曲のカヴァー。当ブログではThe Kenny Clarke-Francy Boland Big Bandのカヴァーも紹介済みです。アップテンポのスウィンギーなバッキングを従え、Sheilaのヴォーカルが軽やかなに弾けます。
https://www.youtube.com/watch?v=lIQAVmZTIUk

「Laugh, Clown, Laugh」
Sam M. Lewis/Joe Young/Ted Fiorito作。序盤はBarry Galbraithのメロウ・ギターとSheilaの抑えたヴォーカルでしっとりと聴かせ、終盤にベース&ドラムが加わる二段構えの構成がいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=2hQ5v5cfTpI

「Who Can I Turn To?」
Alec Wilder/William Engvick作。バッキングはBarry Galbraithのギターのみのメロウ・バラード。甘く切ないSheilaの歌声にグッときます。
https://www.youtube.com/watch?v=pWToLcw0VnE

「Baltimore Oriole」
Hoagy Carmichael/Paul Francis Webster作のスタンダードをカヴァー。当ブログではNicola Conteのカヴァーも紹介済みです。ここでは妖艶な歌声で男心をくすぐります。
https://www.youtube.com/watch?v=4cJb5LlIUHc

「I'm a Fool to Want You」
Joel Herron/Frank Sinatra/Jack Wolf作。Frank Sinatraでお馴染みのスタンダードをカヴァー。当ブログではRobin McKelle & The Flytonesのカヴァーも紹介済みです。哀愁バラードを抑えたトーンながらも雰囲気たっぷりに歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=PTBacWx6deM

「Hum Drum Blues」
Oscar Brown Jr.作。ベースとドラムのみのバッキングにSheilaの艶めかしいヴォーカルが加わり、至極のジャズ・ヴォーカル・ワールドを満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=V_e9x-qSd9E

「Willow Weep for Me」
ラストは「柳よ泣いておくれ」の邦題で有名なスタンダード(Ann Ronnell作)をカヴァー。この名曲をブルージーな雰囲気で聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=fbo8qXCir4Q

本曲に関して、当ブログではDexter GordonWynton KellyRed GarlandClifford BrownWes MontgomeryJohn Lewis & Sacha DistelStanley Turrentine with The Three SoundsJohnny Lewis QuartetGene Russellのヴァージョンを紹介済みです。ご興味がある方はそちらの記事もご参照を!

Sheila Jordanの他作品もチェックを!

『Confirmation』(1975年)
Confirmation

Sheila Jordan & Arild Andersen『Sheila』(1977年)
シーラSheila

『Body and Soul』(1986年)
ボディ・アンド・ソウル

『The Crossing』(1986年)
Crossing

『Lost and Found』(1989年)
Lost & Found

『Heart Strings』(1993年)
Heart Strings

『Jazz Child』(1998年)
JAZZ CHILD

Sheila Jordan & Cameron Brown 『I've Grown Accustomed to the Bass』(2000年)
I've Grown Accustomed To The Bass

『Little Song 』(2003年)
LITTLE SONG

Sheila Jordan & E.S.P. Trio『Straight Ahead』(2005年)
STRAIGHT AHEAD

Sheila Jordan & Cameron Brown 『Celebration: Live at Triad』(2005年)
CELEBRATION-LIVE AT THE TRIAD
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2019年07月07日

Quantic『Atlantic Oscillations』

ダンスフロア仕様を目指した最新作☆Quantic『Atlantic Oscillations』
Atlantic Oscillations [解説・歌詞対訳 / ボーナストラック1曲収録 / 国内盤] (BRC599)
発表年:2019年
ez的ジャンル:コスモポリタン系N.Y.クロスオーヴァー
気分は... :多元的・・・

UK出身のDJ/ミュージシャン/プロデューサーQuanticの最新アルバム『Atlantic Oscillations』です。

QuanticことWill Hollandに関して、これまで当ブログで紹介した作品は以下の9枚。

 Quantic『Apricot Morning』(2002年)
 The Quantic Soul Orchestra『Stampede』(2003年)
 The Quantic Soul Orchestra『Pushin On』(2005年)
 Quantic Presenta Flowering Inferno『Death Of The Revolution』(2008年)
 Quantic & Alice Russell With The Combo Barbaro『Look Around The Corner』(2012年)
 Quantic『Magnetica』(2014年)
 Quantic Presents The Western Transient『A New Constellation』(2015年)
 Quantic Presenta Flowering Inferno『1000 Watts』(2016年)
 Ondatropica『Baile Bucanero』(2017年)
 Quantic & Nidia Gongora『Curao』(2017年)

Quantic名義では『Magnetica』(2014年)以来のアルバムとなります。

今でもコロンビア、クンビアのイメージが強いQuanticですが、6年前から活動拠点をコロンビアからN.Y.へ移しています。

本作では、そんなN.Y.のクラブ・サウンドを意識したダンスフロア仕様のアルバムを目指したようです。

個人的な感想としては、これまでの路線を一新したN.Y.クラブ・サウンドというよりも、UK時代、コロンビア時代といったこれまでのキャリアやThe Quantic Soul OrchestraFlowering InfernoThe Combo BarbaroOndatropica等さまざまプロジェクトで培ってきたサウンドと今のQuanticとをクロスオーヴァーさせたN.Y.クラブ・サウンドという印象を受けます。

アルバムには盟友とも呼べるUKの女性シンガーAlice Russell、共演アルバム『Curao』(2017年)でお馴染みのコロンビア人女性シンガーNidia Gongora、テキサス出身のナイジェリア系アメリカ人女性シンガーDenitia、Quantic作品にはお馴染みのサックス奏者Sly5thAve(Sylvester Onyejiaka)がフィーチャリングされています。

それ以外にCaito Sanchez(ds)、Sydney Driver(ds)、Joe Blaxx(ds)、 Paul Wilson(p)、Kofi Hunter(congas)、Adriana Molello(violin)、Juliette Jones(violin)、Freddy Colorado(per)といったミュージシャンが参加しています。

ダンサブルなサウンドに満ちたアルバムですが、全曲生音ドラムを取り入れ、随所でQuantic自身がアレンジを手掛けた美しいストリングスが配されています。

とりあえずYouTubeに音源のある「Atlantic Oscillations」「Motivic Retrograde」「You Used To Love Me」の3曲を聴いてもらえれば本作の雰囲気をわかって頂けると思います。

世界を股に掛けるコスモポリタンQuanticらしいクロスオーヴァーなダンス・ワールドを満喫しましょう!

全曲紹介しときやす。

「Divergence」
美しいヴァイオリンとシンセのエレクトロニカな音色、さらに人力ビートによるオープニング。本作におけるQuanticのスタンスがよくわかります。

「Inscendium」
Quantic自身をヴォーカルを務めるダンス・チューン。N.Y.アンダーグラウンドのダンスフロア感がある本作らしいサウンドを楽しめます。

「September Blues」
Quantic自身が手掛けたストリングス・サウンドが冴えるインスト・ダンス・チューン。初期Quanticを2019年のN.Y.仕様にしたような雰囲気もあります。

「You Used To Love Me」
Denitiaをフィーチャー。少しレイジーなDenitiaのヴォーカルが映えるクールなソウル・グルーヴ。僕の一番のお気に入りです。
https://www.youtube.com/watch?v=e2NIBW8L_Jw

「Atlantic Oscillations」
タイトル曲はN.Y.を拠点とする今のQuanticと世界中を飛び回ってきた彼のこれまでのキャリアをクロスオーヴァーさせたようなインスト・ディスコに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=AFZJKZVWv3U

「Now Or Never」
Alice Russellをフィーチャー。美しいヴァイオリンと臨場感のある生音グルーヴがAlice Russellのヴォーカルを盛り立てるソウル・グルーヴ。

「Orquidea」
Sly5thAveのサックスをフィーチャー。Sly5thAveのサックスをはじめ、開放的なサマー・モードのジャジー・サウンドで楽しませてくれます。

「Tierra Mama」
Nidia Gongoraをフィーチャー。今のQuanticとコロンビア時代のQuanticとの
クロスオーヴァーといった感じですね。ラテン・サウンドの中にN.Y.ダンスフロアのスパイスが効いています。

「Motivic Retrograde」
これはUK時代の初期Quanticとコロンビア時代のQuanticの融合させたようなインスト・ダンス・チューンです。Quantic好きの人であれば楽しめるであろうクロスオーヴァー・サウンドなのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=_ur-AFT460A

「La Reflexion」
Flowering Inferno的なダビー感覚も取り入れたN.Y.×ラテンなクロスオーヴァー・チューン。マリンバやカリンバのアクセントもいい感じです。

「Is It Your Intention」
本編ラストはQuantic自身をヴォーカルを務める哀愁エレクトロニカで締め括ってくれます。

「Atlantic Oscillations (Disco Dub)」
国内盤ボーナス・トラック。「Atlantic Oscillations」のリミックスです。
https://www.youtube.com/watch?v=VOKNLPfCiJI

Quantic関連の他作品もチェックを!

Quantic『The 5th Exotic』(2001年)
The 5th Exotic

Quantic『Apricot Morning』(2002年)
Apricot Morning (TRUCD034)

The Quantic Soul Orchestra『Stampede』(2003年)
Stampede

The Limp Twins『Tales From Beyond the Groove 』(2003年)
Tales from Beyond the Groove (TRUCD057)

Quantic『Mishaps Happening』(2004年)
Mishaps Happening

The Quantic Soul Orchestra『Pushin On』(2005年)
Pushin On (TRUCD074)

Quantic『An Announcement to Answer』(2006年)
An Announcement to Answer (TRUCD100)

The Quantic Soul Orchestra with Spanky Wilson『I'm Thankful』(2006年)
I'm Thankful

The Quantic Soul Orchestra『Tropidelico』(2007年)
Tropidelico (TRUCD139)

Quantic Presenta Flowering Inferno『Death Of The Revolution』(2008年)
Death Of The Revolution [日本語解説付き国内盤] (BRTRU163)

Quantic & His Combo Barbaro『Tradition in Transition』(2009年)
Tradition in Transition (TRUCD190)

Quantic Presenta Flowering Inferno『Dog With a Rope』(2010年)
Dog With A Rope [ボーナストラック2曲・日本語解説付き国内盤] (BRC-262)

Quantic & Alice Russell With The Combo Barbaro『Look Around The Corner』(2012年)
Look Around The Corner [解説付 / ボーナストラック2曲収録 / 国内盤] (BRC325)

Ondatropica『Ondatropica』(2012年)
Ondatropica

Quantic『Magnetica』(2014年)
Magnetica [帯解説・ボーナストラック2曲収録 / 国内盤] (BRC415)

Quantic Presents The Western Transient『A New Constellation』(2015年)
A NEW CONSTELLATION [帯解説・ボーナストラック収録] (BRC477)

Quantic Presenta Flowering Inferno『1000 Watts』(2016年)
1000 Watts [帯解説・ボーナストラック4曲収録 / 国内盤CD] (BRC514)

Ondatropica『Baile Bucanero』(2017年)
バイレ・ブカネロ

Quantic & Nidia Gongora『Curao』(2017年)
Curao [帯解説・歌詞対訳 / ボーナストラック1曲収録 / 国内盤] (BRC547)
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2019年07月06日

The New Dave Pike Set & Grupo Baiafro In Bahia『Salomao』

ブラジリアン・パーカッション・ユニットとの共演作☆The New Dave Pike Set & Grupo Baiafro In Bahia『Salomao』
Salomao
発表年:1972年
ez的ジャンル:MPS系ジャズ・ロック×ブラジリアン・パーカッション
気分は... :バイーアの風

ジャズ・ヴァイヴ奏者Dave Pike率いるThe Dave Pike Setがメンバーを一新し、The New Dave Pike Set名義でリリースした『Salomao』(1972年)です。

当ブログでこれまで紹介したDave Pike関連作品は以下の5枚。

 The Dave Pike Quartet『Pike's Peak』(1961年)
 Dave Pike『Bossa Nova Carnival』(1962年)
 Dave Pike And His Orchestra『Manhattan Latin』(1964年)
 The Dave Pike Set『Noisy Silence-Gentle Noise』(1969年)
 The Dave Pike Set『Four Reasons』(1969年)

シタール人気曲「Mathar」『Noisy Silence-Gentle Noise』収録)で有名なThe Dave Pike Setですが、本作『Salomao』(1972年)ではDave Pike(vib)、Volker Kriegel(g)以外のメンバーが変わり、Eberhard Weber(b)、Marc Hellman(ds)が加わり、The New Dave Pike Setを名乗っています。

結果として、The New Dave Pike Set名義では唯一のアルバムとなった本作『Salomao』(1972年)ですが、最大の特徴はDjalma Correa率いるブラジル、バイーアの・パーカッション・ユニットGrupo Baiafroとの共演です。そのため、本作はブラジル、リオデジャネイロでレコーディングされました。

13分超のサイケデリック・グルーヴ「Salomao」、ドープなクロスオーヴァー「Berimbass」など土着的グルーヴが印象的なアルバムです。

その極めつけがメンバー4名とGrupo Baiafroをそれぞれフィーチャーした5部構成の「Ritmos Do Bahia」です。

楽曲はすべてThe New Dave Pike SetおよびGrupo Baiafroのメンバーによるオリジナルです。

ジャズ・ロックとバイーアの土着的リズムの融合を満喫できる1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Salomao」
13分超のタイトル曲は密林の中の土着的サイケデリック・グルーヴといった雰囲気です。このタイプの演奏ではVolker Kriegelのギターが冴え渡ります。その
https://www.youtube.com/watch?v=GuwtUUTDg3s

「Berimbass」
エレクトリック・ベース、ビリンバウ、パーカッションによりドープな土着的クロスオーヴァー・グルーヴ。
https://www.youtube.com/watch?v=WD6eBV6OnJs

「An Evening With Vincent Van Ritz」
神秘的な静寂さが印象的な演奏です。Pikeのヴァイヴと抑えたトーンのブラジリアン・パーカッションの組み合わせがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=ZGY_PZEmaM0

「Ritmos Do Bahia: Samba De Rhoda/Dave」
ここからはGrupo Baiafroとのセッションらしくバイーアの息吹を前面に打ち出した5曲。それぞれメンバーやGrupo Baiafroの名が冠されています。本曲はタイトルの通り、Dave Pikeのヴァイヴを前面に打ち出した高速サンバ・グルーヴ。ジャズ・ロックもしっかりあって一番Dave Pike Setらしい演奏かも?
https://www.youtube.com/watch?v=RR47LP2abk4

「Ritmos Do Bahia: Baion/Eberhard」
Eberhard Weberのエレクトリック・ベースとGrupo Baiafroによる土着的リズムの融合ですが、結果つぉいて格好良いクロスオーヴァー・ジャズに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=lLXEnOJxSzA

「Ritmos Do Bahia: Baiafrock/Volker」
Volkerのギターが冴え渡る少しサイケなブラジリアン・ジャズ・ロックは僕好み。
https://www.youtube.com/watch?v=nTPHWe-vszs

「Ritmos Do Bahia: Marc」
Grupo Baiafroに触発されたであろうMarc Hellmanのドラム・ソロ。
https://www.youtube.com/watch?v=4ndl3KKqfBc

「Ritmos Do Bahia: Baiafro」
Marcのドラム・ソロを受け継ぐかたちで、Grupo Baiafroによるエキサイティングなパーカッション・セッションが繰り広げられます。
https://www.youtube.com/watch?v=1xzyUuHpU6I

Dave Pike関連の他作品もチェックを!

Dave Pike『It's Time for Dave Pike』(1961年)
It's Time for Dave Pike

The Dave Pike Quartet『Pike's Peak』(1961年)
PIKE'S PEAK

Dave Pike『Bossa Nova Carnival』(1962年)
ボサ・ノヴァ・カーニヴァル+リンボ・カーニバル

Dave Pike And His Orchestra‎『Manhattan Latin』(1964年)
Manhattan Latin (Dig)

The Dave Pike Set『Got the Feeling』(1968年)
Got the Feeling

The Dave Pike Set『Noisy Silence-Gentle Noise』(1969年)
ノイジー・サイレンス-ジェントル・ノイズ(紙ジャケット仕様)

The Dave Pike Set『Four Reasons』(1969年)
Four Reasons

Dave Pike『The Doors of Perception』(1970年)
Doors of Perception

The Dave Pike Set『Live at the Philharmonie』(1970年)
Live at the Philharmonie (Mlps)

The Dave Pike Set『Infra-Red』(1970年)
Infra-Red

The Dave Pike Set『Album』(1971年)
アルバム
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