2018年02月03日

WC And The Maad Circle『Ain't A Damn Thang Changed』

濃厚ファンクネスの西海岸ギャングスタ・ラップ☆『WC And The Maad Circle『Ain't A Damn Thang Changed』
エイント・ア・ダム・サング・チェンジド
発表年:1991年
ez的ジャンル:西海岸ギャングスタ・ラップ
気分は... :ギャングスタ・ラップ!

たまたま深夜に伝説的ヒップホップ・グループN.W.A.の歴史を描いた映画『Straight Outta Compton』(2015年)を観ていたら、気分がウエスト・コーストHip-Hop/ギャングスタ・ラップモードになってきました。

『Straight Outta Compton』(2015年)
ストレイト・アウタ・コンプトン [DVD]

(熱曲的Hip-Hopリスナーであった訳ではありませんが)当時の僕自身のHip-Hop嗜好はイースト・コースト寄りであり、ウエスト・コーストのギャングスタ・ラップは斜め目線で眺めていたので、N.W.A.を偉そうに語れる身分ではありません。

それでも(当ブログで紹介したことはありませんが)N.W.A.やDr. Dre関連のCDも一応所有しており、N.W.A.Dr. DreIce Cubeが音楽シーンに与えた影響はリアルタイムで実感していました。

その意味で『Straight Outta Compton』は実に興味深い映画でした。Eazy-EDr. DreIce Cubeという中心メンバー3名それぞれの目線で描かれていたのが良かったですね。

映画でも描かれていましたが、結局、才能ある音楽グループを崩壊させるのはメンバーではなく、グループが生む莫大な金に群がる連中というのは、いつの時代も同じなのですね。

前置きが長くなりましたが、そんな気分でセレクトした西海岸ギャングスタ・ラップ作品がWC And The Maad Circle『Ain't A Damn Thang Changed』(1991年)です。

本当はベタにN.W.A.『Straight Outta Compton』(1988年)、Dr. Dre『The Chronic』(1992年)あたりにすればいいのかもしれませんが、いずれも歴史的作品だけに生半可な記事を書けないと思い、逃げました(笑)

WC And The Maad Circleは、Hip-HopデュオLow ProfileのメンバーであったWC(William Calhoun)がデュオ解消後にL.A.で結成したHip-Hopユニット。

ちなみにMinority Alliance of Anti-Discriminationを意味するThe Maad Circleというユニット名は、Ice Cubeが命名したものです。

結成時のメンバーはWCChilly ChillBig GeeSir JinxCoolioDJ Crazy Toones。1995年に「Gangsta's Paradise」で大ブレイクするCoolioもメンバーでした。

グループは『Ain't A Damn Thang Changed』(1991年)、『Curb Servin'』(1995年)という2枚のアルバムをリリースしており、どちらもIce Cubeが関与しています。

また、リーダーWCは、Ice CubeMack 10とのギャングスタ・ラップ・スーパー・ユニットWestside Connectionを結成し、『Bow Down』(1996年)、『Terrorist Threats』(2003年)という2枚のアルバムを大ヒットさせています。

1stアルバムとなる本作『Ain't A Damn Thang Changed』は、1991年リリースということで、まだG-Funk前夜ですが野太いハードコア感が漂うギャングスタ・ラップ作品に仕上がっています。

必ずしもギャングスタ・ラップ好きではなかった僕が、なぜ本作をリアルタイムで購入したのか全く覚えていません。多分、ファンクネス濃厚なトラックが多いので、ショップで試聴して気に入ったのかもしれません。

「Ghetto Serenade」「You Don't Work, U Don't Eat」「Ain't A Damn Thang Changed」「Behind Closed Doors」「Get Up On That Funk」「Back To The Underground」あたりで当時の西海岸らしい重量ファンク・サウンドとギャングスタ・ラップを楽しめます。

もう一回、『Straight Outta Compton』が観たくなってきました!

全曲紹介しときやす。

「Intro」
アルバムのイントロ。

「Ain't A Damn Thang Changed」
The Sequence「Funk You Up」ネタのトラックにJames Brown「The Payback」、Kurtis Blow「AJ Scratch」、Low Profile「Funky Song」の声ネタが絡む重量ファンク。後半にはThe Brothers Johnson「Ain't We Funkin' Now」のベース・ネタも加わり、パワー・アップします。西海岸ギャングスタ・ラップ然としたタイトル曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=pvaaEPu-kiI

「The Break Up (Skit)」
短いスキットですが、Parliament「Do That Stuff」Parliament「Agony of Defeet」、The Staple Singers 「I'll Take You There」、Digital Underground 「The Humpty Dance」といったネタ満載です。
https://www.youtube.com/watch?v=RPbLIoiiL4Q

「Behind Closed Doors」
Fred Wesley & The J.B.'s「More Peas」のホーン・ネタ、Digital Underground 「The Humpty Dance」ネタの重量トラックに、N.W.A「Gangsta Gangsta」、Dana Dane「Cinderfella Dana Dane」ネタが絡む不穏なギャングスタ・ラップ。
https://www.youtube.com/watch?v=7FvBICxisfo

「Out On A Furlough」
Sly & The Family Stone「Thank You for Talkin' to Me Africa」ネタのミディアム・ファンク・トラックが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=pvDAwY5w3_c

「A Crazy Break」
1分にも満たないトラックですが、Marvin Gaye「What's Going On」Bloodstone 「Who Has the Last Laugh Now」、Bo Diddley「Hit or Miss」、James Brown「Get Up (I Feel Like Being A) Sex Machine」、、「Funky President (People It's Bad) 」、「Coldblooded」、Melvin Bliss「Synthetic Substitution」 ネタのファンキー・チューンに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=lpTASI_tLCs

「Caught N A Fad」
ラガ/レゲエ調のアクセントと途中のTears for Fears「Shout」ネタの挿入が印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=-xzSVLpdhHw

「Fuck My Daddy」
ギャングスタ・ラップらしい挑発的なリリックを畳みかけます。
https://www.youtube.com/watch?v=1vviS0uC44k

「Back On The Scene」
このトラックも1分強しかありませんが、The Isley Brothers「Fight the Power」Earth, Wind & Fire「Fantasy」、Rick James「Mary Jane」、The Dramatics「Get Up and Get Down」、Rufus Thomas「Do the Funky Penguin」という大ネタで楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=Oqyz7eibRKw

「Get Up On That Funk」
Average White Band「Your Love Is a Miracle」ネタのトラックにJames Brown「Get Up Offa That Thing」のフレーズを引用した重量ファンク感が魅力の1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=23AZO6hnmHM

「Gettin' Looped/Dress Code」
「Dress Code」としてシングル・カットもされました。The Mar-Keys「Black」のトラックに、N.W.A「A Bitch Iz a Bitch」、Grandmaster Flash & The Furious Five feat. Grandmaster Melle Mel & Duke Bootee 「The Message」、Joeski Love「Pee-Wee's Dance」、The O'Jays「Back Stabbers」ネタが絡むデンジャラスなギャングスタ・ラップに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=4i1_FPGb93A

「Smokers La La Bye」
インタールード的なトラック。

「You Don't Work, U Don't Eat」
Ice Cube、 J-Dee、MC Eihtをフィーチャー。Zapp「More Bounce to the Ounce」 、Johnny Guitar Watson「Superman Lover」
One Way「Pull Fancy Dancer/Pull」ネタの超重量ファンク・トラックに、Ice Cube「You Can't Fade Me/JD's Gafflin'」、Rollin' Wit' the Lench Mob by 「Rollin' Wit' the Lench Mob」、James Brown「Mind Power」、Ohio Players「Skin Tight」、Malcolm Xネタが絡み、ウエッサイな雰囲気を存分に楽しめます。The Headhunters「God Make Me Funky」、Fred Wesley & The J.B.'s「You Can Have Watergate Just Gimme Some Bucks and I'll Be Straight」ネタも使われています。
https://www.youtube.com/watch?v=tyImtXh4n-E

「Grandma Locked Out (Skit)」
放送禁止用語が聞こえっぱなしのスキット。

「Ghetto Serenade」
僕の一番のお気に入り。One Way feat. Al Hudson「Pop It」、Parliament「Gamin' on Ya!」ネタにB.T. Express「You Got Something」のベース、James Brown「Funky Drummer」、Joe Tex「Papa Was Too」のドラムが絡むファンクネスたっぷりのトラックが格好良すぎます。James Brown「Stone to the Bone」、Big Bird「Big Bird Writes a Poem」ネタも使われています。
https://www.youtube.com/watch?v=aj1E0As3IgY

「Back To The Underground」
The Soul Searchers「Ashley's Roachclip」ネタのドラムに、James Brown「Say It Loud, I'm Black and I'm Proud」、The Jimmy Castor Bunch「Troglodyte (Cave Man) 」、T La Rock and Jazzy Jay「It's Yours」、Digital Underground 「The Humpty Dance」の声ネタが絡む強力ファンク・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=9j85ac-maDA

「A Soldiers Story」
ラストはSun「My Woman」ネタの哀愁モードが、中盤に一転し、Bobby Demo「More Ounce (Rap)」ネタの重量ファンク・トラックへ変貌します。
https://www.youtube.com/watch?v=QoRLtyUjPvQ

ご興味がある方は2nd『Curb Servin'』(1995年)やWestside Connectionの他作品もチェックを!

『Curb Servin'』(1995年)
Curb Servin

Westside Connection『Bow Down』(1996年)
バウ・ダウン

Westside Connection『Terrorist Threats』(2003年)
Terrorist Threats
posted by ez at 15:56| Comment(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月02日

The Buddy Rich Big Band『Mercy, Mercy』

エキサイティングなビッグバンド・ジャズ☆The Buddy Rich Big Band『Mercy, Mercy』
マーシー、マーシー +3
発表年:1968年
ez的ジャンル:凄腕ドラマー系ビッグバンド
気分は... :ビッグバンドの魅力!

今回はジャズ・ドラマーBuddy Richがビッグバンドを率いたライブ作品The Buddy Rich Big Band『Mercy, Mercy』(1968年)です。

凄腕ドラマーBuddy Richの紹介は、『The Roar Of '74』(1973年)に続き2回目となります。

本作『Mercy, Mercy』(1968年)は、ラスベガスCaesars Palaceでのライヴ・レコーディングです。

参加メンバーは、Buddy Rich(ds)以下、Art Pepper(as)、Walter Namuth(g)、Gary Walters(b)、Joe Azarello(p)、Charles Owens(as)、Pat LaBarbera(ts)、Don Menza(ts)、John Laws(bs)、Jim Trimble(tb)、Rick Stepton(tb)、Peter Graves(btb)、Al Porcino(tp)、David Culp(tp)、Kenneth Faulk(tp)、Bill Prince(tp)といった面々。

注目すべきは1950年代ウエストコースト・ジャズを代表する白人アルト・サックス奏者Art Pepperの参加です。当時、ドラッグやアルコール依存で音楽シーンから殆ど姿を消していたPepperをビッグバンド・メンバーで音楽監督の役割を実質的に担っていたDon Menzaが声を掛け、ラスベガスでのショーに合流した模様です。

The Kenny Clarke-Francy Boland Big Bandあたりと同じく、従来のビッグバンドのイメージを覆すビッグバンド・サウンドが本作の魅力です。勿論、大暴れするリーダーBuddy Richのドラミングも随所で楽しめます。

Richによる格好良いドラム・ブレイクがサンプリング・ソースとしても人気のタイトル曲「Mercy, Mercy, Mercy」、クラブジャズ好きの人も楽しめる「Channel One Suite」、鮮やかなアレンジの「Goodbye Yesterday」、ワイルド&エキサイティングな「Ode to Billie Joe」あたりが僕のおススメです。

Buddy Richならではの豪快なドラミングが牽引するエキサイティングなビッグバンド・ジャズを満喫しましょう!

全曲紹介しときやす。

「Mercy, Mercy, Mercy」
Joe Zawinul作の名曲カヴァー。オリジナルは当ブログで紹介したCannonball Adderley『Mercy, Mercy, Mercy!』(1968年)に収録されています。Richの格好良いドラムブレイクと共に始まり、ビッグバンドらしい重厚なホーン・アンサンブルを楽しめます。Walter Namuthのギター・ソロもいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=N8WAvTmJuKk

本曲に関して当ブログではOsmar MilitoHeraldo Do MonteWillie BoboRusty Bryantのカヴァーを紹介済みです。

また、本演奏のRichによる格好良いドラム・ブレイクはDeee-Lite「I.F.O. (Identified Flying Object)」、Pizzicato Five「Pizzicatomania」、「Darlin' of Discotheque」、DJ Format「English Lesson」、Micatone「Got to Give It Up」、Keaton & Hive「Resolution」、Soopasoul feat. Nikeya Booker「Brand Nu (Lack of Afro Remix)」のサンプリング・ソースとなっています。
Deee-Lite「I.F.O. (Identified Flying Object)」
 https://www.youtube.com/watch?v=rbrupJLEZaE
Pizzicato Five「Darlin' of Discotheque」
 https://www.youtube.com/watch?v=VKHlyXGrGW4
DJ Format「English Lesson」
 https://www.youtube.com/watch?v=yf-6aTiTnoc
Micatone「Got to Give It Up」
 https://www.youtube.com/watch?v=RX2BBUOw-m0
Soopasoul feat. Nikeya Booker「Brand Nu (Lack of Afro Remix)」
 https://www.youtube.com/watch?v=gkRnwyldgG0

「Preach and Teach」
Johnny Burke作。このバンドならではのビッグバンドの美学を感じる演奏です。決して野暮ったくならない、ヴィヴィッド感がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=6wEUfKP-2Ks

「Channel One Suite」
Bill Reddie作。緩急織り交ぜた組曲。スリリングかつ重厚なビッグバンドならではの演奏とメンバーのソロを楽しめます。特にクラブジャズを先取りしていたかのような格好良いアンサンブルに魅了されます。ここでもRichのドラムが大暴れし、楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=SB3mI6lMpuw

Showbiz & A.G.「Silence of The Lambs(Remix)」、L*Roneous「No Limitations」のサンプリング・ソースとなっています。
Showbiz & A.G.「Silence of The Lambs(Remix)」
 https://www.youtube.com/watch?v=LqssdJ6L_Is
L*Roneous「No Limitations」
 https://www.youtube.com/watch?v=F2YhyS5nbMM

「Big Mama Cass」
Don Sebesky作。ここでもRichの格好良いドラム・ブレイクと共にスタート!ダイナミックなホーン・アンサンブルを満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=L1uyXNAfq7M

「Goodbye Yesterday」
Don Piestrup作。ビッグバンドならではのアンサンブルを重視したアレンジの妙が光る華やかな演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=1WIUqyZp3ak

「Acid Truth」
Don Menza作。ここではブルージーな演奏で少しアクセントをつけてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=etEFn8AWyis

「Alfie」
Burt Bacharach/Hal David作。Dionne Warwickが歌った映画『Alfie』の主題歌となった名曲のカヴァーです(オリジナル・レコーディングはCilla Black)。Vanessa Williamsなどのカヴァーでもお馴染みですね。当ブログではDelfonicsChristopher Scottのカヴァーも紹介済みです。Art Pepperのアルト・サックスを主役に据えたロマンティックな演奏です。

「Ode to Billie Joe」
女性カントリー・シンガーBobbie Gentry、1967年の大ヒット曲をカヴァー。Ellenというアーティストの持つ存在感に圧倒される素晴らしい演奏です。特に彼女独特の歌い回しに惚れ惚れします。当ブログでは本曲に関して、Lou DonaldsonNicola ConteEllen McIlwaineのカヴァーも紹介済みです。ラストはRichらしい少しワイルドなビッグバンド・サウンドでエキサイティングな気分にさせて締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=qGXXaApWiiw

再発CDには「Chavala」「Mr. Lucky」「Chelsea Bridge」の3曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。

Buddy Richの他作品もチェックを!

『Big Swing Face』(1967年)
Big Swing Face

『A Different Drummer』(1971年)
ア・ディファレント・ドラマー

『Stick It』(1972年)
Stick It

『The Roar Of '74』(1973年)
ザ・ロアー・オブ’74

『Very Live at Buddy's Place』(1974年)
ヴェリー・ライヴ・アット・バディズ・プレイス[再発/廉価盤]

『Big Band Machine』(1975年)
ビッグ・バンド・マシーン

『Speak No Evil』(1976年)
Speak No Evil

『Buddy Rich Plays and Plays and Plays』(1977年)
Plays & Plays & Plays
posted by ez at 11:17| Comment(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月01日

Ray Barretto『Que Viva La Musica』


『Our Latin Things』のオープニングを飾った名曲「Cocinando」収録☆Ray Barretto『Que Viva La Musica』
Que Viva La Musica
発表年:1972年
ez的ジャンル:Fania系N.Y.ラテン/サルサ
気分は... :雪の日に灼熱のラテン/サルサ!

今夜も雪ですかね。これから外出するので少し不安が・・・
寒い日ですが、灼熱のラテンが聴きたい気分です。

今回はN.Y.ラテン/サルサからRay Barretto『Que Viva La Musica』(1972年)です。

ラテン・グルーヴの帝王"ハード・ハンズ"Ray Barrettoについて、これまで当ブログで紹介したのは以下の5枚。

 『Senor 007』(1965年)
 『Acid』(1968年)
 『The Message』(1972年)
 『Can You Feel It』(1978年)
 『La Cuna』(1981年)

本作『Que Viva La Musica』(1972年)は、N.Y.ラテン/サルサの絶頂期にFaniaからリリースされたアルバムであり、ハード・ドライヴィング・サルサな魅力を持った評価の高い1枚です。

レコーディング・メンバーはRay Barretto(congas、per)、Luis Cruz(p、el-p)、Roberto Rodriguez(tp)、Rene Lopez(tp)、Joseph Roman(tp)、Orestes Vilato(timbales、caja)、John Rodriguez(bongos、congas)、David Perez(b)、Adalberto Santiago(vo、guiro)。

プロデュースはRay Barretto自身。アレンジはRay BarrettoとLuis Cruz。

本作が人気作である要因の1つは、N.Y.サルサの伝説的な音楽ドキュメンタリー映画『Our Latin Things』のオープニングを飾った名曲「Cocinando」の収録だと思います。

『Our Latin Things』オープニング
https://www.youtube.com/watch?v=N3D-XwcsD8o

「Cocinando」以外にも「Que Viva La Musica」「La Pelota」「El Tiempo Lo Dira」「Alafia Cumaye」といったFaniaらしいN.Y.ラテン/サルサを満喫できる曲が収録されています。

まずはハイライト「Cocinando」を聴いてみてください。この1曲だけでも価値のあるアルバムだと思います。

全曲紹介しときやす。

「Que Viva La Musica」
Roberto Rodriguez作。打楽器を強調したグァグァンコー調のタイトル曲。コンガを通してラテン音楽の魅力を伝えてくれます。伝統にリスペクトしつつ、当時のN.Y.ラテン・フィーリングにアップデートされている感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=Md4p-Du7Zhg

「Bruca Manigua」
偉大なキューバ人ミュージシャンArsenio Rodriguezの名曲をカヴァー。ノスタルジックにスタートしますが、ラテンらしい華やかな雰囲気の中で少し表情を変えていく感じがいいですね。ラテン作品ならでの色気のある男性ヴォーカル&コーラスがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=f3AaXgGGUN4

「La Pelota」
Ray Barretto作。僕好みのパーカッシヴ&エキサイティングなN.Y.ラテンを満喫できる1曲。聴いているだけでアドレナリンが分泌しそうなアッパー感がいいですね。鮮やかなホーン・アンサンブルにも魅了されます。
https://www.youtube.com/watch?v=wekrRBwA9DA

「El Tiempo Lo Dira」
Roberto Rodriguez作。開放的なラテン・リズムをバックに、Adalberto Santiagoのヴォーカルの魅力を実感できる1曲。作者Roberto Rodriguezのトランペットも快調です。
https://www.youtube.com/watch?v=SojQcSmt7nQ

「Cocinando」
Ray Barretto作。前述のように本作のハイライトであり、映画『Our Latin Things』のオープニングを飾った曲です。映画でもそうでしたが、このイントロを聴いただけでワクワク感がありますね。覚醒的なLuis Cruzのエレピの音色が新時代のN.Y.ラテンを感じさせます。主役Rayの"ハード・ハンズ"なコンガは勿論、ティンバレス、ボンゴとラテン・パーカッションの魅力を存分に堪能できます。10分超の長尺ですが、思わず何度もリピートしたくなってしまう名曲だと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=6Z0HaqXS3Bs

「Triunfo El Amor」
Tony Fuentes作。Adalberto Santiagoがムーディーに歌い上げるボレロ。
https://www.youtube.com/watch?v=VhURfsVQIno

「Alafia Cumaye」
Tite Curet Alonso作。ラストはハード・ドライヴィング・サルサで格好良く締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=LA7_u9j4aoc

Ray Barrettoの過去記事もご参照ください。

『Senor 007』(1965年)
Senor 007

『Acid』(1968年)
Acid

『The Message』(1972年)
The Message

『Can You Feel It』(1978年)
キャン・ユー・フィール・イット

『La Cuna』(1981年)
ラ・クーナ
posted by ez at 13:40| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月31日

Switch『Reaching For Tomorrow』

メロウな魅力に惹かれる爽快ソウル/ファンク☆Switch『Reaching for Tomorrow』
リーチング・フォー・トゥモロー
発表年:1980年
ez的ジャンル:メロウ・ソウル/ファンク・グループ
気分は... :レジリエンス・・・

一昨日からPC不調で、ここ数日はその対応に終始していたため疲労困憊です。
今から振り返れば、予兆はあったのに・・・自業自得ですな。

まぁ、悔やんでも戻ってこないものは戻ってこないので、前向きに開き直っています(笑)

気持ちを立て直したい今の気分でセレクトしたのは、Switch『Reaching for Tomorrow』(1980年)です。

DeBargeのメンバーの実兄Bobby DeBarge、人気ソウル・シンガーJames Ingramの実弟Phillip Ingramがリード・ヴォーカルを務めるソウル/ファンク・グループSwitchの紹介は、1stアルバム『Switch』(1977年)、4thアルバム『This Is My Dream』(1980年)に続き3回目となります。

本作『Reaching for Tomorrow』(1980年)は、『Switch』(1977年)、『Switch II』(1979年)に続く3rdアルバムであり、これまでと同じくGordyからのリリースです。

Switchらしい爽快メロウな魅力に溢れた1枚に仕上がっています。

本作のメンバーは、Bobby DeBarge(vo、key)、Eddie Fluellen(p、el-p、tb)、Gregory Williams(syn、org、el-p、flh、back vo)、Thomas DeBarge(b、back vo)、Jody Sims(ds)、Phillip Ingram(vo、per)の6名。

メイン・プロデューサーはBobby DeBarge。他にThomas DeBargeGregory WilliamsJody Sims、さらにはJacksonファミリーのJermaine Jacksonもプロデュースしています。

また、メンバー以外にJermaine Jackson (b、ds、per)、Paul M. Jackson, Jr.(g)、Michael McGloiry(g)、Ollie E. Brown(ds、per)、Al DeBarge(key)等のミュージシャンが参加しています。

素敵なメロウ・ミディアム「My Friend In The Sky」、スケールの大きなタイトル曲「A Brighter Tomorrow/Reaching For Tomorrow」、ファルセット・ヴォーカルが引き立つメロウ・バラード「I Finally Found Someone New」、爽快ファンキー「Keep Movin' On」あたりがおススメです。

爽やかなファルセット・ヴォーカルを満喫しましょう!

全曲紹介しときやす。

「Power To Dance」
軽快なディスコ・ファンクがオープニング。爽快かつ軽やかなダンサブル・サウンドで楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=g8jFH_OiCf8

「My Friend In The Sky」
今日的には爽快ファルセットが舞う、このメロウ・ミディアムの人気が高いのでは?このバンドのメロウな魅力が凝縮されている1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=3Va7IuNMsj4

Queen Pen「No Hooks」、Raheem DeVaughn「The Love Experience」、Lil' Keke feat. Coota Bang and Archie Lee「Wish U Well」、Hometown Hero「See It Now」、The Game feat. Master P「HVN4AGNGSTA」等のサンプリング・ソースとなっています。
Queen Pen「No Hooks」
 https://www.youtube.com/watch?v=yj470BVMYXU
Raheem DeVaughn「The Love Experience」
 https://www.youtube.com/watch?v=6CN4gTKjn9Q
Lil' Keke feat. Coota Bang and Archie Lee「Wish U Well」
 https://www.youtube.com/watch?v=A7jZ6QpJp3M
The Game feat. Master P「HVN4AGNGSTA」
 https://www.youtube.com/watch?v=Pb8Puq8qLuM

「Don't Take My Love Away」
シングルにもなったメロウ・バラード。DeBargeに通じるものがあるのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=QgPx3d3Bs6A

「Keep Movin' On」
アップものではコレが一番のお気に入り。この時期のKool & The Gangがお好きな人は気に入るであろう爽快ファンキーです。
https://www.youtube.com/watch?v=Lc8IWvlda2Q

「A Brighter Tomorrow/Reaching For Tomorrow」
Jermaine Jacksonが大きく関与している曲。素敵なヴォーカルワークで魅了するイントロ的な「A Brighter Tomorrow」から、EW&F的なスケールの大きなタイトル曲「Reaching For Tomorrow」へ展開します。完成度の高さを感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=nUsdZHfvaF8

De La Soul「The Future」、Theory Hazit「Really Yes」等のサンプリング・ソースとなっています。
De La Soul「The Future」
 https://www.youtube.com/watch?v=en5zJ2HZiXg

「I Finally Found Someone New」
ファルセット・ヴォーカルが引き立つメロウ・バラード。Switchらしいメロウ・ワールドを堪能できます。
https://www.youtube.com/watch?v=nvgsbUawkAI

Rythmatical feat. Diverse「Our Deepest Fear」のサンプリング・ソースとなっています。
Rythmatical feat. Diverse「Our Deepest Fear」
 https://www.youtube.com/watch?v=L1_QEjuHDPQ

「Honey, I Love You」
60年代モータウンのH-D-H作品へのリスペクトを感じる爽快ポップ・ソウル。これが案外良かったりします。
https://www.youtube.com/watch?v=pDfZqVZ6YY8

Median「How Big Is Your World」(9th Wonderプロデュース)のサンプリング・ソースとなっています。
Median「How Big Is Your World」
 https://www.youtube.com/watch?v=O1NXeeIYN60

「Get Back To You」
軽快なホーン隊が活躍する爽快ファンキー・グルーヴでアルバムを締めくくってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=3dInfeccXOo

Cyne「Avians」のサンプリング・ソースとなっています。
Cyne「Avians」
 https://www.youtube.com/watch?v=yngmgivMQVc

Switchの他作品もチェックを!

『Switch』(1978年)
SWITCH

『Switch II』(1979年)
SWITCH II

『This Is My Dream』(1980年)
This Is My Dream

『Am I Still Your Boyfriend?』(1984年)
Am I Still Your Boyfriend?
posted by ez at 17:50| Comment(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月29日

『4,000エントリー達成!ezの音楽嗜好の変遷』

昨日のエントリーで当ブログの記事が4,000回に達しました。

単なる通過点かもしれませんが、開設から約12年4カ月、よくもまぁ続けてこられたなぁ!という感慨深い気持ちも込み上げてきます。

そこで今回は年末恒例の『ezが選ぶ20●●年の10枚』の各記事から2枚をセレクトし、当時聴いていた新譜から僕の音楽嗜好の変遷を振り返りたいと思います。

セレクトした作品は、すべて当ブログで紹介済みです。気になるものがあれば、過去記事をご参照ください。

【2005年】

Pretty Ricky『Bluestars』(左)
Gordon Chambers『Introducing Gordon Chambers』(右)
BluestarsIntroducing Gordon Chambers
Pretty Ricky「Your Body」
https://www.youtube.com/watch?v=-6CdIQER73c
Gordon Chambers「Slipping Away」
https://www.youtube.com/watch?v=5tWGjom7uko

ブログ開設当初の新譜紹介は殆どR&B/Hip-Hop中心でした。今振り返るとPretty Rickyのセレクトは意外に映るかも?

【2006年】

The Good People『The Good People』(左)
Latrice『Illuminate』(右)
ザ・グッド・ピープルIlluminate
The Good People「Lovely Thing (Fausha's Song)」
https://www.youtube.com/watch?v=7nTVRLzPjGw
Latrice「Illuminate」
https://www.youtube.com/watch?v=nS-xG_mwfOs

この頃はアンダーグラウンドなHip-Hop作品にご執心でしたね。The Good Peopleはその典型です。Latrice、今聴いても心地好いですね。

【2007年】

Maria Rita『Samba Meu』(左)
Mario Biondi & The High Five Quintet『A Handful Of Soul』(右)
Samba Meuハンドフル・オブ・ソウル
Maria Rita「Num Corpo So」
https://www.youtube.com/watch?v=o32X_DAknMM
Mario Biondi & The High Five Quintet「This Is What You Are」
https://www.youtube.com/watch?v=5IzccDy94Zg

ブラジル作品、クラブジャズ作品をセレクトしたこの年は、僕の音楽嗜好においてターニング・ポイントになったかも?

【2008年】

The Baker Brothers『Transition Transmission』(左)
Jason Champion『Reflections』(右)
トランジション・トランスミッションReflections
The Baker Brothers「Chance And Fly」
https://www.youtube.com/watch?v=6NA5tYDUBNI
Jason Champion「Find A Reason」
https://www.youtube.com/watch?v=Hhezf-NOcXA

The Baker Brothers大好きでした。今は全く別バンドですが・・・。Jason Championのこの曲には随分救われましたね。

【2009年】

Pseudo Slang『We'll Keep Looking』(左)
Milano Jazz Dance Combo『Milano Jazz Dance Combo』(右)
We'll Keep Lookingミラノ・ジャズ・ダンス・コンボ
Pseudo Slang「Walkin'」
https://www.youtube.com/watch?v=dItREYi3IxQ
Milano Jazz Dance Combo「Much More」
https://www.youtube.com/watch?v=GCXoR14eO-w

この頃は、この2曲に代表される格好良いダンシング・ジャズを欲していました。

【2010年】

Eric Benet『Lost In Time』(左)
Jeff Hendrick『Color Blind』(右)
Lost in TimeCOLOR BLIND
Eric Benet feat. Faith Evans「Feel Good」
https://www.youtube.com/watch?v=py-q0Kw0lmI
Jeff Hendrick「Back To The Days」
https://www.youtube.com/watch?v=rvDuYKrHJ7c

Eric Benetの復調は嬉しかったですね。Jeff Hendrickは昨今のディスコ/ブギー・ブームを先取りしていましたね。

【2011年】

Tamy『Tamy』(左)
Selah Sue『Selah Sue』(右)
TamySelah Sue
Tamy「Gigi」
http://www.youtube.com/watch?v=0ieb_GPzYfY
Selah Sue「This World」
https://www.youtube.com/watch?v=mJtM7SRo6l8

Tamyの本作については、自分でも「よくぞ掘り出した」と自画自賛したくなります。新世代アーティストSelah Sueの登場は、インパクト大でしたね。

【2012年】

Carlos Aguirre『Orillania』(左)
Papik『Music Inside』(右)
OrillaniaMusic Inside
Carlos Aguirre「Con los primeros pajaros de la manana」
https://www.youtube.com/watch?v=FgSUqdYmMEs
Papik「The Puzzle Of Life」
http://www.youtube.com/watch?v=z7AD0SvgK40

Carlos Aguirreに代表される"静かなる音楽"は、今では僕の音楽ライフに欠かせないものになっています。Papikのポップ・センスは忘れかけていたポップ・ミュージックの原点を思い出させてくれました。

【2013年】

The Oldians『Island Jazz Sessions』(左)
The Foreign Exchange『Love In Flying Colors』(右)
アイランド・ジャズ・セッションズLove in Flying Colos
The Oldians「Shalalala (Prisoner of Love)」
http://www.youtube.com/watch?v=gwNsQEhedyY
The Foreign Exchange「Call It Home」
http://www.youtube.com/watch?v=mj9XRorvs70

バルセロナのジャマイカン・ジャズ・バンドThe Oldiansの音は、いつ聴いてもグッときます。The Foreign Exchangeの本作に代表されるクロスオーヴァー・ソウルも僕が常に追い求める音の1つです。

【2014年】

The Internet『Feel Good』(左)
Taylor McFerrin『Early Riser』(右)
Feel GoodEarly Risr [帯解説・ボーナストラック収録 / デジパック仕様 / 国内盤] (BRC418)
The Internet「Dontcha」
https://www.youtube.com/watch?v=28JAS1ZUUqw
Taylor McFerrin「Already There」
http://www.youtube.com/watch?v=vY-MZ0bL1Gc

この2枚に代表されるように、この頃からL.A.の音楽シーンが面白くなってきましたね。Taylor McFerrinに代表される今ジャズ作品を数多く聴いた年でもありました。

【2015年】

The Mighty Mocambos『Showdown』(左)
Kamasi Washington『The Epic』(右)
ショウダウンThe Epic
The Mighty Mocambos「It's The Music」
https://www.youtube.com/watch?v=f9-2i8ibxEI
Kamasi Washington「The Rhythm Changes」
https://www.youtube.com/watch?v=OkLz4MyDmuE

ドイツのファンク・バンドThe Mighty Mocambosには、初期衝動的な音楽の魅力を感じました。Kamasi Washingtonの本作は、僕にとっての今ジャズ最高傑作です。

【2016年】

KING『We Are KING』(左)
Los Stellarians『Los Stellarians』(右)
We Are KingLos Stellarians
KING「The Greatest」
https://www.youtube.com/watch?v=UbpSV3gBRfk
Los Stellarians「I Can't Understand You」
https://www.youtube.com/watch?v=7K77wgTJAJM

KINGの登場はR&B新時代を感じましたね。Los Stellariansのミクスチャー・サウンドは痛快でした。実は、こういったチカーノ系の音は今も昔の大好きです。

【2017年】

Moonchild『Voyager』(左)
Stokley『Introducing Stokley』(右)
Voyager [帯解説・歌詞対訳 / ボーナストラック2曲収録 / 国内盤] (BRC549)Introducing Stokley
Moonchild「Cure」
https://www.youtube.com/watch?v=Ic1rvQ44gFc
Stokley feat. Estelle「U & I」
https://www.youtube.com/watch?v=8K4rB5gOjdo

陽だまりのネオソウル・バンドMoonchildを聴いていると、時代の変化を感じます。しかしながら、もう1枚のセレクトStokley『Introducing Stokley』からの「U & I」と2005年セレクトからのGordon Chambers「Slipping Away」を比較すると、僕の好きな音は変わっていないとも言えます。

次は5,000回目指して!と言いつつ、そこまで続くのか自信はありませんが・・・

これからも一記事入魂で好きな音楽を紹介できればと思います。
posted by ez at 02:26| Comment(2) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする