2005年10月31日

Derek & The Dominos『Layla & Other Assorted Love Songs』

永遠のギターヒーローEric Claptonの最高傑作Derek & The Dominos『Layla & Other Assorted Love Songs』
Layla
発表年:1970年
ez的ジャンル:求愛系スワンプ・ロック
気分は... :三角関係...人間関係ってわかんねぇ(-_-;)???

今の音楽好きの人が憧れるのはDJかもしれないね。でも、Hip-HopやTechno/Houseなんて音楽ジャンルすら存在せず、洋楽=Rockだった僕の子供の頃、音楽好きキッズの憧れはロック・ギタリストであり、その最高峰がEric Clapton、Jeff Beck、Jimmy Pageという3大ギタリストだった(3人ともYardbirds出身デス)。

Eric Claptonほどの長いキャリアを持つアーティストになると、Yardbirds、John Mayall & The Bluesbreakers、Cream、Blind Faith、Derek & The Dominosといった様々なグループでの活動、そして30年以上にも及ぶソロ活動というようにアルバム数も膨大でありファンにとってはコレクションするのが大変かもしれないよね。僕も80年代後半以降のアルバムは全くノーチェック状態デス。

そんなClaptonの魅力を3枚で味わうとすれば、Cream『Disraeli Gears』(1967年)、Derek & The Dominos『Layla & Other Assorted Love Songs』 (1970年)、ドラッグ中毒に陥っていたClaptonが復活を遂げたソロ『461 Ocean Boulevard』(1974年)を選ぶね。あと、Blind Faith『Blind Faith』(1969年)はClapton+Steve Winwoodの別枠扱いで。

特に、Claptonの最高傑作として絶対譲れないのが『Layla & Other Assorted Love Songs』☆中学生の時にこのLPを購入してから今日に至るまで、ずっと僕のRockアルバム・ランキングの上位を維持し続けている。

このアルバムの魅力は、Claptonがスワンプ・ロック(アメリカ南部の泥臭いテイストのロック)という新境地を開拓したと同時に、従来の作品以上に哀愁を帯びたメロディー&ボーカルがわかりやすくデリバーされている点にある。さらに、Claptonに加えて、ギタリストとしてDuane Allmanが全面参加しており、二人のギターバトルを堪能できる点も嬉しい限りだ。Allmanはスワンプ・ロックの代表的グループThe Allman Brothersの伝説のギタリストであり、1971年に24才の若さでオートバイ事故死している†(‐‐)

オススメ曲を紹介しときやす。

「Layla」
誰もが知っているClaptonの代表曲ともいえるタイトル曲(邦題「いとしのレイラ」)。ご存知の通り、この曲はClaptonの大親友のGeorge Harrison(元Beatles)の当時の妻Patti Boydへの想いを歌った不倫ラブソングである。あのイントロのギターを聴いただけでヤラれるよね。切羽詰まったClaptonのボーカルから抑えられない彼女への様々な想いが生々しく伝わってくる。そしてClaptonとDuane Allmanの炸裂するギターバトル、さらには切なく響くJim Gordonの美しすぎるピアノソロ...ホント、ミラクルな曲。

「I Looked Away」
「Bell Bottom Blues」
レイドバック感たっぷりのユルさが魅力のオープニング曲「I Looked Away」。それに続く泣きのボーカル&ギターで哀愁出しまくりのメロウ・ナンバー「Bell Bottom Blues」。この最初の2曲でまずは僕は昇天してしまう。2曲ともClaptonのボーカルに絡んでくるBobby Whitlockの野太くドスの効いたソウルフルなボーカルがとってもイイっす。

「Keep On Growing」
とってもファンキーかつグルーヴィーなナンバー。パーカッシブなカンジもスキだなぁ。

「Anyday」
スワンプ臭さとゴスペル・フィリーングが溢れるソウルフルなナンバー。ClaptonとDuane Allmanのギターを共に堪能できる。特に、Allman のスライドがイイっす。何か全体が一体となった大きくうねるグルーヴ感がたまりましぇ〜ん。

「Tell The Truth」
ラフでワイルドなカンジが魅力的なナンバー。Allmanのアーシーなギターがグッド!

「Why Does Love Got To Be So Sad?」
ギタープレイの壮絶な掛け合いがカッチョ良すぎるナンバー。個人的には「Layla」よりもスキでアルバム中一番のお気に入り。こんなカッチョ良いClaptonは他に無いんじゃないかなぁ。僕はずっとこの曲のギターはClaptonとAllmanのバトルだと思っていたんだけど、Claptonのオーヴァーダビングとのこと。

「Thorn Tree In The Garden」
「Layla」の余韻を味わうかのように、アコースティックギターのみで歌われる美しすぎるエンディング・ナンバー。Bobby Whitlockのボーカルがシブすぎる。昔からよくこの曲を子守歌代わりに使っている。聴いていると、とっても心が安らかになるんだよね。

これだけの求愛ソングのおかげかClaptonは1976年にPattiを妻として迎えた(結局10年後に離婚するのだが)。一方で、Georgeとの友情も壊れることがなかったと言う。人間関係なんてわからないもんだね(-_-;)??
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2005年10月30日

Syleena Johnson『Chapter 3: The Flesh』

僕の選ぶ今年のベストアルバム有力候補Syleena Johnson『Chapter 3: The Flesh』
チャプター3:ザ・フレッシュ
発表年:2005年
ez的ジャンル:シカゴ系スタイリッシュR&B
気分は... :今年はシカゴ・イヤーでしょ!

たまには新譜のことも書かないとね。

ここ数ヶ月はLeela James『A Change Is Gonna Come』Jaguar Wright『Divorcing Neo 2 Marry Soul』Keyshia Cole『The Way It Is』Rihanna『Music of the Sun』といった女性R&Bの新譜を好んで聴いていたんだけど、そんな中で今年のベスト女性R&Bアルバム候補としてイチ押しなのがSyleena Johnson『Chapter 3: The Flesh』デス。

Syleena Johnsonは、ブルースとサザン・ソウルを融合したスタイルで活躍したシカゴ・ソウルの重鎮Syl Johnsonを父に持ち、2001年にChapterシリーズの第1弾アルバム『Chapter 1: Love Pain & Forgiveness』を発表。その後2002年の2nd『Chapter 2: The Voice』を経て発表されたChapterシリーズの第3弾が本作『Chapter 3: The Flesh』デス。

僕は『Chapter 1』『Chapter 2』は未購入だが、Kanye West『College Dropout』Cam'ron『Purple Haze』Cuban Link『Chain Reaction』 なんかを通じて、彼女の歌は聴いていた。で、CDショップの新譜試聴コーナーで、その妖艶で美しいプロポーションが印象的なジャケットに吸い込まれ、気付くとヘッドフォンを手にしていた。最初の2、3を聴いて瞬く間に昇天☆即ゲットってカンジだったね。

R&B/Hip-Hopファンならば、R Kelly、Kanye West、Common、Twistaといったシカゴ人脈に加え、Jermaine Duupri、Anthony Hamiltonといった制作・ゲスト陣の豪華さだけでも生ツバもんだけど、父親譲りの本格派ボーカルがそれらに負けていないのがイイよねっ!

オススメ曲を紹介しときやす。

「Hypnotic」
R. KellyとFabolousをフィーチャーした1stシングル。R. Kellyらしいチキチキ・サウンドとレイザーラモンHGに負けない“フォ〜♪”が印象的なフロア向けナンバー。

「He Makes Me Say」
Natalie Cole「Annie Mae」ネタのミディアム・グルーヴ。CD購入の決め手となったのは実はこの曲。彼女のボーカルの魅力全開だし、サウンドもメチャカッチョいい文句ナシの1曲。また、Syleena同様に偉大な父(Nat "King" Cole)を持つNatalie Coleの曲をネタに使うあたりは偶然なのかな?

「Special Occasion」
R. Kellyプロデュースのナンバー。SyleenaとR. Kellyの絡みがグッドな落ち着いた大人のラブソングってカンジ。

「More」
実力派シンガーAnthony Hamiltonをフィーチャーした曲。本格派二人の歌の見事さもさることながら、基本的に曲がとってもイイ。70年代ソウルから感じるのと同様のスィートネス満載ってカンジ。

「Bulls Eye(Suddenly)」
僕の今年の上半期No1アルバムはCommon『Be』だった。そのCommonをフィーチャーしたスムーズ・ナンバー。悪いハズないでしょ。

「Classic Love Song」
Jermaine Dupriフィーチャー曲。タイトル通り、クラシカルな胸キュンものラブソング。The Manhattans「There's No Me Without You」ネタ。

「Phone Sex」
Twistaフィーチャー曲。Twistaの早口ラップに続いて、Syleenaの妖艶なボーカルが堪能できる。

「Still Open」
ジャズギタリストRodney Jones「I'll Always Be With You」ネタ使いのスロー。ギターの音色が実にロマンティックなムーディーな曲。かなりスキです。

紹介しきれないけど他もホント捨て曲ナシです。聴けば聴くほど惚れまくりのアルバム。それにしても、R Kelly、Kanye West、Common、Syleena Johnsonと今年はシカゴ・イヤーだね。MLBでもワールド・シリーズでホワイトソックスが優勝したしね。
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2005年10月29日

Prince『1999』

孤高の天才Prince殿下の快進撃開始となった5thアルバム『1999』
1999
発表年:1982年
ez的ジャンル:殿下流ファンク
気分は... :殿のご乱心じゃあ〜!

今晩はふとPrinceの名が思い浮かんだので殿下のアルバムを紹介します。

長年、僕の意識の中でPrince殿下の最高傑作は『Sign O' The Times』という構図ができあがっていた。殿下のピークは『1999』(1982年)から『Purple Rain』(1984年)、『Around The World In A Day』 (1985年)、『Parade』(1986年)、『Sign O' The Times』 (1987年)、『Lovesexy』(1988年)までで、『Batman』(1989年)以降は長年のお付き合いで購入していたというカンジだったかな。

今回記事投稿するにあたりどの1枚を選ぼうと考えた時、CD棚から無意識に2枚のアルバム取り出していた。『Controversy』(1981年)と『1999』の2枚だった。何か意外だったね。でも、きっと今日の僕がダンス・ミュージックを欲しており、その気分にマッチする殿下のアルバムがこの2枚ということであろう。

『Controversy』は、僕が始めてリアルタイムで聴いた殿下のアルバムだ。当時は、ニューウェイブとダンス・ミュージックが合体した得体の知れない音楽というイメージがあったかな。でも、音楽以上にブリーフ1枚でセクシーポーズを取る殿下のスキャンダラスなビジュアルの方がインパクトあったね。なんか踏みこんではいけない倒錯世界の音楽ってカンジがしたなぁ。
*追記
これって完璧『Dirty Mind』と『Controversy』が交錯していますよね。多分、ジャケで最初に見た殿下は『Dirty Mind』で、実際に音を聴いた殿下は『Controversy』が最初だったのでしょうね。記憶が曖昧でスミマセン。


その意味では、きちんと殿下の作品と向き合ったという点では、『Controversy』の次に発表された『1999』が最初だった。スキャンダラスなイメージは前作でかなり免疫ができていた分、音楽の方に興味が向いたし、作品自体もそれまでに比べるとグッとポップで聴きやすくなっている。当時はロックファンのスタンスからこのアルバムを聴いていたのであまり気付かなかったが、R&B中心の音楽生活を楽しむ今聴き直してみると、とっても80年代のエレクトリック・ファンクらしいアルバムだね。

オススメ曲を紹介しときやす。

「1999」
アルバムからの1stシングルであり、このアルバムを象徴するポップかつファンキーさを堪能できる代表曲。今聴いても腰が浮き上がってくる☆この仰々しいシンセがなんともイイねっ。今思うと、このアルバムから後にRevolution(殿下のバックバンド)のメンバーとなるWendy & Lisaが参加しており、Lisaのバックボーカルが全体の華やかさアップにずいぶん貢献しているね。

「Little Red Corvette」
2ndシングルであり、殿下初の全米Top10ヒットとなった曲。殿下のメロディーメーカーとしての才能を思い知らされるね。特に、この曲は当時の僕のようなロックファンからもかなり支持されたんじゃないかな?この曲のヒットで一部のコアなファンから一般の音楽ファンへと支持層をかなり広げたと思うよ。

「Delirious」
3rdシングルとなり、これまたヒットしたダンスナンバー。この曲が前作『Controversy』の路線に一番近いかもね。下品なシンセの音色が変態チックで殿下らしい。

「Let's Pretend We're Married」
「Automatic」
80年代のエレクトリック・ファンクらしいこの2曲。以前に紹介したMidnight Starなんかと一緒に聴くといいかも?

「Lady Cab Driver」
このアルバムの隠れた名曲。僕がハマるパターンのカッティングギターがシャカシャカするとてもシャープでキレがあるナンバー。

このアルバムは発表当時LP2枚組だったんだけど、全11曲しか収録されていないんだよね。LP片面2〜3曲だもんね、少ねぇ。僕の持っているCDにはその少ない全11曲の中の1曲である「D.M.S.R」がカットされて10曲しか収録されていない。「D.M.S.R」はカットされる理由が見つからないイイ曲なんだけどね。ちなみに現在発売されているCDは全11曲収録となっているのでご安心を!
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2005年10月28日

Antonio Carlos Jobim『Wave』

このブログ初のブラジル物☆ボサノヴァの巨匠Antonio Carlos Jobimによる究極のイージー・リスニング『Wave』
Wave
発表年:1967年
ez的ジャンル:ボサノヴァ系究極のイージー・リスニング
気分は... :まったりいこか!

とある書物に、ボサノヴァとジャズ・ボッサは違うと断言されていた。50年代後半にブラジルで生まれた新しいスタイルの音楽がボサノヴァであり、それを取り入れたジャズ・ミュージシャンの演奏がジャズ・ボッサということらしい。

ボサノヴァ・ファンならばご存知の通り、Antonio Carlos Jobimはボサノヴァの創始者と言われる作曲家、詩人である。彼の作品で一番有名なのはやはり「The Girl From Ipanema(イパネマの娘)」だよね。1964年に「イパネマの娘」がアメリカで大ヒットしたことで、ボサノヴァという音楽が世界中に知れわたることになった。

でも、この曲が収録されたアルバム『Getz/Gilberto』 は、先のボサノヴァとジャズ・ボッサの話で言えば、Stan GetzというJazzミュージシャンが絡んだ“ジャズ・ボッサ”のアルバムということになる。僕的には、Getz以外はJoao Gilberto、Antonio Carlos Jobim、Milton Bananaなどボサノヴァ創生メンバーで固められたこのアルバムを、ボサノヴァのアルバムにGetzがサックスでゲスト参加ているという感覚で聴いているんだけど。

またBossa Novaの“Bossa”とは“都会的で粋なセンス”みたいな意味を持つらしい。それがNova(新しい)なんだから、Bossa Novaとは元々ブラジルの都会人のための洒落た新しい音楽みたいなカンジだったんだろうね。

前置きが大分長くなったけど、1967年に発売されたAntonio Carlos Jobim『Wave』は、ボサノヴァ入門の定番アイテムのように紹介されることが多い。きっとボサノヴァの名曲が多数収録されていることと、Antonio Carlos Jobimというボサノヴァ創始者のアルバムだからだと思う。でも、個人的にはこのアルバムをボサノヴァ入門アイテムとして紹介するのは少し違う気がするなぁ。

皆さんに紹介するくらいなので、当然このアルバムは大のお気に入りでデス。でも、正直このアルバムの魅力は、Jobim以上にアレンジとオーケストラを指揮するClaus Ogermanのつくり出す究極のイージーリスニングとも言うべきサウンドにあると思う。Jobimという究極のボサノヴァ素材を、Claus Ogermanという調理人が、素材の魅力を殺さずに見事に調理した逸品というカンジかな。ちなみに歌ものは1曲のみで、残りはインスト曲デス。

いつもならオススメ曲の紹介なんだけど、このアルバムは曲名なんか気にせずバックに流しながら、まったりと過ごすのに向いているので、あえてオススメ曲のような紹介はしません。有名曲ということで言えば、「Wave」「Triste」あたりが有名です。

アルバムジャケットをボーッと眺めながら、都会の喧騒を忘れ大自然に思いをめぐらしていると、究極のリラクゼーションのような心地よい音楽で、知らぬ間にウトウトなんてパターンが僕流の『Wave』の聴き方デス。

最後に、幻想的なグリーンの空をバックにしたキリンの姿がとても印象的なジャケットについてなんだけど、このジャケットには今回掲載しているグリーンの空の緑版とレッドの空の赤版の2種類があるんだよね。僕が持っているCDは緑版だったので、ずっとこれがオリジナルだと思っていたんだけど、どうやら赤版の方がオリジナルらしいです。僕はこの緑版の方がサウンドともマッチして断然好きだけどねぇ。

Bossa Novaについては、僕がもっとBossa Novaらしいと思うアルバムを近々に紹介しますので。
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2005年10月27日

XTC『Oranges & Lemons』

シニカルな英国産ポップ/ロックを象徴するバンド☆Andy Partridge率いるXTCの濃厚でカラフルなアルバム『Oranges & Lemons』
Oranges & Lemons
発表年:1989年
ez的ジャンル:屈折系UKポップ/ロック
気分は... :素直じゃないねぇ...

日本シリーズをずっとTVで観ていたんだけど、優勝決定の直前に転寝して、胴上げの瞬間を見逃してしまった。間抜けだねぇ"(ノ_・、)"

さて、今日はXTCデス。
80年代半ばから90年代前半にかけてPaul Weller(Style Council含む)、XTC、Elvis Costelloの3アーティストは新作が出れば、試聴もせずに購入するお気に入りUKロック・ベスト3だった。

僕がXTCに興味を持ったのは1982年発表の5thアルバム『English Settlement』からだ。このアルバムはパンク/ニューウェイヴ・バンドだった彼らが、ヒネリが効いた純英国産ポップ/ロック・バンドへ変貌する節目となった作品だ。この作品発表から間もなく彼らはライブ活動を休止し、レコーディング活動のみのバンドとなった。

凝ったスタジオワーク、後期Beatlesを思わせる60年代後半のテイスト、UKならではのシニカルなポップさ...当時僕が求めていた要素を全て満たしてくれたロックバンドがXTCだった。

彼らの音楽同様、当時の僕も屈折していて、ヒットアルバムよりもマイナーなアルバムを発掘して音楽通を気取りたい!なんてことをいつも思っていた。その意味で、本国英国の除けば地味な存在であった彼らのマイナー感は、きっと僕の思惑とも見事にマッチしていたのだと思う。今思うと嫌らしい奴だったよねぇ。現在はもっと素直に音楽に接していマス\(_"_)反省

そんな嫌らしい考えを抜きにしても、UKロック好きならばマストだと思うのが『Oranges & Lemons』デス。まずジャケットがサイケでイイでしょ!中身の方もUKポップ/ロックの玉手箱のようなカラフルで濃厚な仕上がりデス。まさにXTC(エクスタシー)☆

オススメ曲を紹介しときやす。

「Garden Of Earthly Delights」
いきなり、英国ポップと中近東のアラビアン・テイストとサイケサウンドが合体したヒネリ技全開のオープニング。そう言えば、当時はワールド・ミュージックブームで、ずいぶんとアフリカ、中東、インド、東南アジアといった欧米以外のCDを買い漁っていまシタ。

「The Mayor Of Simpleton」
シングルにもなったXTCの魅力全開のポップナンバー。とってもポップでキャッチーだけどシニカルなんだよねぁ。何たって大バカ野郎のXXXの歌だもんね。

「King For A Day」
まるでBeatlesの『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』を彷彿させるカラフルなサウンドと素敵なメロディを堪能できるナンバー。勿論、1日天下の国王の虚しさを歌った歌詞も最高!

「Cynical Days」
重苦しい歌詞を皮肉なくらい美しいメロディで聴かせるナンバー。ブルージーなミュート・トランペットもイイかんじです。

「Pink Thing」
愛しのピンクちゃん(?)のことを歌う毒々しくキャッチーなポップソング。このエゲツなさが彼ららしい?

「Miniature Sun」
『Pet Sounds』以降のサイケなBeach Boysを思わせるコーラスワークが聴ける曲。

「Chalkhills And Children」
静けさの中に暗雲が立ち込める不気味が漂う美しいバラードでアルバムの幕は閉じる。

秋の夜長にピッタリな牧歌的なアルバム『Mummer』(1983年)、プロデューサーのTodd RundgrenとAndy Partridgeの衝突が生んだ傑作『Skylarking』(1986年)あたりも僕のオススメです。
posted by ez at 01:31| Comment(2) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする