2005年11月15日

Leroy Hutson『Hutson』

至極のメロウ・グルーヴ☆Leroy Hutson『Hutson』
Hutson
発表年:1975年
ez的ジャンル:メロウ・グルーヴ系ニューソウル
気分は... :あんなコート欲しいなぁ...

僕の音楽ライフの中で、やはりMarvin Gaye、Stevie Wonder、Curtis Mayfield、Donny Hathawayというニューソウル四天王の影響力は絶大である。この4人に出会ったのは中学生の頃であり、70年代に彼らが残した名作の数々は25年近く経った今でも聴くたびに感動を与え続ける。ちなみに4人の中で唯一存命なのがStevieだけど、僕の関心はオリジナルアルバムで言えば、『Hotter Than July』(1980年)までであり、『In Square Circle』(1985年) 以降の彼の作品には正直興味はない。

僕の自宅のCD棚の一角には、ミラクルな作品を連発し続けた彼ら4人の専門コーナーを設けてある。当初は彼ら4人の作品しか収納していなかったが、ある時期からそこにもう一人加わった。それがLeroy Hutsonである。Leroy Hutsonは、Donny Hathawayの大学でのルームメートであり、Curtis Mayfieldがソロ転向後、彼に代わりImpressionsの二代目リード・ボーカルを務めるなど四天王と関わりも深いアーティストだ。1973年よりソロに転向した。

僕は20代半ばまでLeroy Hutsonに対する認識は極めて低かった。僕に限らず(一般的な)R&B/Soulリスナーは彼のオリジナル作品を聴く機会は少なかったんじゃないかなぁ。多くの人が彼の作品を聴くようになったのは、レア・グルーヴやフリーソウルのムーブメントの中で彼への再評価が高まってきた90年代に入ってからなのでは?

でも、聴けば聴くほど、こんな素晴らしい作品が長い間埋もれていたのが信じられなく思うねぇ。90年代以降はメロウ&グルーヴィな音楽が最もお気に入りな僕にとっては、これほどハマった再発見はないかもしれない?

そんな彼の作品の中から今日は3rdアルバム『Hutson』デス。彼の作品中でもメロウネスとグルーヴ感のバランスが絶妙の1枚だと思いマ〜ス。

オススメ曲を紹介しときやす。

「All Because of You」
いきなり、メロウ&グルーヴのお手本のようなオープニング・ナンバー。カッチョ良すぎ☆聴いているうちにトロけてしまいそうッス!90年代Acid Jazzブームの人気グループGallianoの「Welcome To The Story」はこの曲を引用していマス。

「It's Different」
落ち着いた中にも心地良いグルーヴを感じるミディアム・ナンバー。この曲を聴けば、なぜ彼が90年代に入り再評価されるようになったの分かると思うなぁ。イントロや間奏のシンセの音色がとってもステキです!

「Lucky Fellow」
このアルバムのハイライト曲。ドラム、パーカッションのリズム、ピアノ、フェンダーローズ等のキーボード、ストリングス&ホーンといった上モノとLeroyのボーカルが見事に一体化して究極のメロウ&グルーヴを届けてくれマス。Acid Jazzブーム時のSnowboy & Noel McKoyのカヴァーや、Erykah Badu「No Love」のサンプリングネタとしても有名デス。

「I Bless the Day」
「Can't Stay Away」
ストリングス&ホーンをバックにじっくり聴かせるバラード2曲。70年代らしい込み上げ感がイイカンジです。

「So Much Love」
Leroyのボーカルに代わり女性コーラスがフューチャーされた曲。Leroyのアレンジャー、音楽クリエイターとしての才能を堪能できる曲。

アルバムジャケットもムードたっぷりで大スキです。この冬はあんなコート着てみたい...って似合うわけないし、そもそも買えねぇ〜(;一一)
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2005年11月14日

John Patton『Let 'Em Roll』

オルガン・ジャスのB級グルメ☆“Big” John Patton『Let 'Em Roll』
Let 'em Roll
録音年:1965年
ez的ジャンル:ファンキー・オルガン・ジャズ
気分は... :.なぎらサンに憧れマス

僕はB級グルメが大好きだ。
商店街の有名でもないラーメン屋で、一人でギョーザとメンマをつまみながら瓶ビールなんてパターンが大好きだ。これからの時期だと、新橋あたりでやきとん4〜5本と煮込みで熱燗2本程度を30分〜45分くらいでさっと飲み食いするのがお気に入りだ。家でも自分で変てこな激安オリジナルメニューを開発したりする。某テレビ局の節約グルメに対抗できるかも?

そんなB級グルメ好きの僕にとって、憧れの存在が“下町のB級グルメ王”なぎら健壱だ。B級グルメで一杯やりながら、日々自然体で楽しくユル〜く過ごしているカンジにとっても憧れる。テレビで観ている限り、単に飲むのが好きなオヤジなんだけど、その姿に飲んだくれの格好悪さが全然なく、とってもお茶目で粋なカンジなのが不思議なんだよねぇ。僕もあんなオヤジになりたいねぇ!

さて、久々のJazzデス。なんかオルガン・ジャズが急に聴きたくなってきた。
オルガン・ジャズっていうのも、下町グルメのようなB級感が感じられてイイよね!ジャズのオルガン・プレイヤーと言えば、Jimmy Smithが真っ先に頭に浮かぶかもしれない。僕も一番コレクション枚数が多いオルガン・プレイヤーは彼だ。でも、一番聴く回数が多いオルガン・ジャズのアルバムは“Big” John Patton『Let 'Em Roll』である。

正直、John Pattonついて大して知らなかったが、ギターにGrant Green、ヴィブラフォンにBobby Hutchersonという大好きなミュージシャン二人が参加していたのと、B級感溢れる怪しげなジャケットに惹かれて何となく購入した記憶がある。このアルバムはジャズの名盤ではないが、好アルバムだとは思う。Jazz好きには後回しにされやすいと思うけど、案外聴きやすくて、カッチョ良いアルバムだと思いマス。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Let 'Em Roll」
開放感タップリのファンキーなオープニング曲。いきなりとってもオルガン・ジャズっぽくてグッド!Grant Greenのギターも楽しげデス。

「Latona」
アルバムで一番お気に入りのラテンフレイヴァーな曲。この曲を聴きたくて、このアルバムを聴く回数が多くなるのだと思う。全体的に陽気なグルーヴ感がたまりません!特に、Bobby Hutchersonのお洒落なvibeがイイっす!

「Shadow of Your Smile」
アカデミー賞歌曲賞も受賞した映画「いそしぎ」の主題歌のカヴァー。甘く気だるいムードたっぷりなのが好きです。

「Turnaround」
Lee Morganの大ヒット曲「The Sidewinder」そっくりのジャズ・ロック・ナンバー。オリジナルはHank Mobley。John Pattonのオルガン・プレイを堪能できマス。

「Jakey」
疾走感溢れるカッチョ良いナンバー。昔のアクション映画のバックなんかに流れているとピッタリかも?刑事が犯人を追いかけているシーンなんか思い浮かぶねっ!

最近、ゆずみそにハマってます。誰かおすすめメニューを教えてチョ!
posted by ez at 00:25| Comment(2) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月13日

Aaliyah『Age Ain't Nothing But a Number』

歌姫Aaliyahが我々に残してくれた宝物『Age Ain't Nothing But a Number』
Age Ain't Nothing But a Number
発表年:1994年
ez的ジャンル:早熟系女性R&B
気分は... :年齢なんて関係ない...のかなぁ?

『Age Ain't Nothing But a Number』かぁ...
15才の子のデビューアルバムのタイトルとしてはスゴすぎだっチャ!
(『野ブタ。をプロデュース』の山下クン風にまとめてみたっチャ!)

他人から年齢不詳と言われ、自分でも年相応の自覚がない僕にとって、“年齢は単なる数字に過ぎない(Age Ain't Nothing But a Number)”というこのタイトルは勇気づけられるね!

でも、このアルバムが出た10年前の僕は年相応のアダルトな自分を演出しようと必死だったなぁ。でも、キホン的に子供っぽい性格の僕がそんな演出をしたところで結果は空回りだったね!でもって、もっと自然体に振舞った方が全然楽チンなことに気付いて、過ごしてきたら年齢不詳の今のキャラが出来上がっていた。

22才で飛行機事故による不慮の死を遂げた悲劇のR&BプリンセスAaliyahのデビューアルバム『Age Ain't Nothing But a Number』(1994年)は、今でも僕の胸をトキめかせる。Aaliyahが生前に残した3枚のアルバムは全て愛聴盤だけど、胸キュン度で言えばやっぱり恋仲だったR.Kellyプロデュースの本作がダントツだと思いマス。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Back And Forth」
グルーヴ感溢れるデビューヒット。今でもこのグルーヴには体と心が揺さぶられるね!それにしても15才の子に“後姿を見たいのさ、正面から見せてくれよ”と囁くR.Kellyはヤバいんじゃない?

「At Your Best (You Are Love)」
これまた大ヒットとなったIsley Brothersの名曲のカバー。オリジナルも勿論イイけど、Aaliyahの15才と思えない色気たっぷりのボーカルは胸キュン度アップでサイコーっす。まだブログで紹介していないけど、R&B系アーティストで一番CD保有枚数が多いのはIsley BrothersであるほどのIsleyファンなのデス。そのうちIsleyも紹介シマス。

「Age Ain't Nothing But A Number」
やっぱりこのタイトル曲は、メロディもいいけど歌詞が気になっちゃうよね。“年齢にこだわらないことが大切なのよ”なんて言われたら一撃必殺でKOされてしまいヤス。言われてみたいなぁ...さりげにBobby Caldwell「What You Won't Do For Love」ネタが聴けるのもいいねぇ。

「I'm Down」
表向けは「At Your Best (You Are Love)」が一番のオススメだけど、裏面ではこのグルーヴィーかつ健気な女心が歌われるナンバーが一番スキかも? 周囲には“この曲スキっ!”て人が結構いたりしマス。特に♪Everything is gonna be alright〜♪部分がたまらんねぇ〜。

「Old School」
またまたIsley Brothersの超有名曲「Between The Sheets」をモチーフにしたナンバー。後に『Body Kiss』(2003年)でIsley Brothersのプロデュースを手掛けることになるR.KellyのIsley好きがよくわかる曲デス。

「I'm So Into You」
これも「I'm Down」と同タイプのダンスナンバー。気持ちイイっす。

「Street Thing」
「Young Nation」
彼女のR&Bシンガーとしての実力発揮のスロー2曲。本当にキミは15才なのかい?

美しく散った歌姫が我々に残してくれた歌の宝物を大切にしないとね†(‐‐)アーメン
posted by ez at 00:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月12日

Gordon Chambers『Introducing Gordon Chambers』

今年一番の隠れた名盤だと思うなぁ!Gordon Chambers『Introducing Gordon Chambers』
Introducing Gordon Chambers
発表年:2005年
ez的ジャンル:完璧美メロ系男性R&B
気分は... :やっと紹介できやシタ!

これまでこのブログで度々名前が出てきたきけど、紹介できずにいたGordon Chambersッス!

現時点で僕が選ぶ今年の女性R&Bのベストアルバムが以前紹介したSyleena Johnson『Chapter 3: The Flesh』であるならば、男性R&Bのベストアルバムは本作が最有力候補だねっ。それ位このアルバムにはハマってマス。

本作が彼の1stアルバムだけれでも、ソングライターとしての彼のキャリアはスゴすぎ!Angie Stone、Allure、Anita Baker、Aretha Franklin、Brandy、Brownstone、Carl Thomas、Faith Evans、Naughty By Nature、Silk、SWV、Will Downing等々挙げたら限がない!中でも、ブログでも紹介したBrownstone「If You Love Me」および「Half Of You」とNaughty By Nature「Shoutout」は大のお気に入りの曲だ。「Half Of You」、「Shout out」はボーカルも披露してくれている。僕はずっとこれらの曲を彼だと意識せずに長らく愛聴してきた。いやぁ〜失礼しました。

これだけの長いキャリアを持つ人が今までアルバムを出さなかった方がオカシイよねっ。そんな彼が満を持して発表したのが、『Introducing Gordon Chambers』デス。悪いわけないでしょ!捨て曲ナシ!

オススメ曲を紹介しときやす。

「Touch You There」
Marvin Gaye「I Want You」をモチーフにしたオープニング曲。Marvinのエロさを薄めて、その分スタイリッシュにしたカンジの曲です。

「Never Fall In Love」
Glenn Lewisをフィーチャーしたロマンティックな曲。ギターが音色がとってもイイカンジっす。

「Slippin' Away」
以前紹介した不朽の名曲Spandau Ballet「True」をモチーフにした曲。「True」好きの人にはたまらない1曲デス。オリジナル以上にメロウな仕上がりにウットリだね☆〜(σ。σ)

「Be Happy」
アルバムで一番のお気に入りのミディアム・ナンバー。特に、先に紹介した「If You Love Me」のワンフレーズが挿入される部分はカンペキに昇天しまいそ〜\(@⌒∀⌒@)/

「Still In Love」
Sara Devineをフィーチャーしたラテンフレイヴァーの情熱的なナンバー。

「My Valentine」
Carl Thomasのデビューアルバム収録曲をCarl 自身を迎えてセルフカバーしたバラード。この哀愁感がイイねっ!

「I Apologize」
Anita Bakerに提供したグラミー受賞曲のセルフカバー。ライトタッチでサラッと仕上げているあたりがニクイねっ ( ≧□≦)σ

皆さんの今年の掘り出しモノの1枚は何ですか?
posted by ez at 00:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月11日

Talking Heads『Remain in Light』

NYニューウェイヴを代表するバンド☆David Byrne率いるTalking Headsがロックシーンに衝撃を与えた問題作『Remain in Light』
Remain in Light
発表年:1980年
ez的ジャンル:アフロ・ファンク系ニューウェイヴ
気分は... :オマエら誰じゃ〜っ!

発売当時このジャケットを初めて見て、“オマエら誰じゃ〜っ”ってカンジだったねっ。奇しくも、このアルバムと同年(1980年)に出たRolling Stones『Emotional Rescue』のジャケもそうだったし...

『Remain in Light』は、アフロ・ファンクとロックを融合させた歴史的名盤と言われている。ただし、僕はこのアルバムをリアルタイムで聴けたのにも関わらず、アルバム1枚通しで聴いたのは発売から4〜5年後だったかなぁ。Talking HeadsがNYの最先鋭バンドで、『Remain in Light』がロック史に刻まれる衝撃作であるという記事は雑誌等で見かけたけど、評論家の間でも賛否両論真っ二つに分かれていた記憶がありマス。

そんな議論が巻き起こっても、当時全米Top40を中心に洋楽を聴いていた僕にとって、Talking Headsは無縁のバンドってカンジがしたなぁ。周囲の洋楽好きの奴らでもTalking Headsがイイ!なんて奴は一人もいなかったしね。大体、中学生にDavid Byrneの先鋭的センスを理解できるはずないしね!ニューウェイヴを聴くならUKものがメインだったし、USだったらよりポップなCarsとかを聴いていたしね。一方でメンバーのTina WeymouthとChris FranzらのプロジェクトTom Tom Clubは大好きでよく聴いていたなぁ〜。

『Remain in Light』にハマるようになったのは、ファンクやアフリカン・ミュージックを聴くようになってからだね。ニューウェイヴというフィルターを通して作られたアフロ・ファンクというハイブリット感が、当時聴いていたファンクやアフリカン・ミュージックとは違う魅力があって、昔は理解不能だった訳わからなさがだんだんクセになってきたってカンジっす。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Born Under Punches (The Heat Goes On)」
アフリカン・テイストのギターの反復を聴いているうちに感覚が麻痺するような中毒性を持つナンバー。途中のチープなシンセによるテレビゲームの信号音ようなフレーズも意味不明でスキです。

「Crosseyed and Painless」
ニューウェイヴとアフロの融合という意味では一番雰囲気があるかもしれない曲。最近まで知らなかったが、このアルバムの国内盤で今野雄二氏が“原始(アフリカ)と原子(アメリカ)の出会い”というコピーを用いていたらしい。座布団20枚くらい見事なコピーだと思いマス。

「Great Curve」
今聴くと、一番カッチョイイ曲だね。この躍動するリズムと疾走感は何度聴いてもゾクゾクするね。この曲だけじゃないけど、特筆すべきは準メンバー的存在で参加のAdrian Belewの“エレファント”ギター♪自分ではあまり意識していなかったが、彼のソロアルバムも数枚持っているし、King Crimsonで一番頻繁に聴くアルバムが『Discipline』という不届き者だったことを考えると、結構ハマっていたのかも?

「Once in a Lifetime」
シングルカットもされたし、聴きやすさで言えば一番キャッチーでダンサブルな曲。一時期この曲とBlondie「Heart Of Glass」、Paul McCartney & The Wings「Good Night Tonight」という3曲セットをウォークマンで聴くのがスキだったなぁ。Jay-Z「It's Alright」でサンプリングネタにもなっていマス。

愛聴盤ということで言えば、本作の前の3rdアルバム『Fear of Music』(1979年)の方が聴く頻度は多いんだけどね。でも、工業用ゴムマットを模した黒いジャケットの質感がジャケット写真では判別できず、このブログの背景と同化して真っ黒になってしまうので、見た目の都合で泣く泣く断念しヤシタ〜残念!そう言えば波田陽区って最近見かけないね。
posted by ez at 00:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする