発表年:1967年
ez的ジャンル:バナナ系元祖パンク/ガレージロック
気分は... :常識なんてクソ喰らえ!
POPアートの巨匠Andy Warholの名言☆“誰でも15分間だけ有名人になれる”
昔はピンと来なかったが、今日のブログのようなパーソナル・メディアが普及しつつある世の中において、確かに誰でも有名になれるチャンスがあると思う。でも、誰でも有名になれるという表現を逆説的に解釈すれば、“余っぽどインパクトが無ければ有名になれない”ということことかもね? ただし、この意味を誤解すると、とんでもない事をしでかす大馬鹿野郎になってしまうんだけどねぇ...
Velvet Undergroundの音楽を聴いたことがなくても、彼らのデビューアルバム『The Velvet Underground & Nico』のAndy Warholデザインによるバナナ・ジャケットは誰もが知っている。その意味で彼らはAndy Warholとの出会いによって、“15分間だけ有名なバンド”どころか“35年以上有名なバンド”へと変貌したのかもしれない。そう考えると、人生なんてたった一人の人間との出会いによって、全然変わってしまうよねぇ。だからこそ、人との出会いは不可解で面白いだろうけど。
『The Velvet Underground & Nico』は、当時は全然見向きもされなかったけど、35年以上たった今も多くの人にインパクトを与え続けている興味深いアルバムだ。純粋に音楽的な側面のみにフォーカスすれば、2nd『White Light/White Heat』(1968年)の方が聴きごたえはあると思うけど、存在感という点についてこのアルバムに遠く及ばない。1967年という時代背景を考えれば、当時タブー視されていた様々なことを、アルバム1枚で軽々ぶち破ってしまったという点にインパクトがあったのかも?こんなにDarksideなアルバムは当時あり得ないもんねぇ。
オススメ曲を紹介しときやす。
「Sunday Morning」
イントロのチャーミングな音色が印象的なオープニング・ナンバー。異端児ロックをイメージしていると、拍子抜けするぐらいポップなナンバーだよね。でも、この儚いポップ気分が僕は大好きデス。この曲を聴いているうちに思わずMamas & Papas「Monday, Monday」を口ずさんでしまうのは僕だけだろうか?
「I'm Waiting For The Man」
彼らの元祖ガレージ・パンク的な魅力が堪能できる曲。タイトル通り、男を待ち続ける男=ホモのことを歌ったナンバー。でも、Lou Reedのボーカルって、ある意味ラップの出現を予見していたようなスタイルだよねっ!
「Female Fatale」
Andy Warholによって無理やり押し付けられた謎の女性Nicoがボーカルを努める曲。ファンの中には彼女を邪魔者扱いする風潮も強いけど、素人丸出しの彼女の訳わからんちんな存在こそが、このアルバムのミステリアスかつアヴァンギャルドな魅力を高めているんだと思うなぁ。結果的に彼女はこのアルバム1枚で追い出されるんだどねぇ。以前にブログで紹介したTracey Thornによるカヴァーも僕は大好きデス。
「Venus In Furs」
東洋的で怪しげなサウンドが印象的なSMソング。ちなみのVelvet Underground というバンド名もあるSM雑誌のタイトルから取ったものデス。Doorsあたりとセットで聴くとヤバさ倍増かもね!
「Heroin」
タイトル通り、ずばりヘロインをテーマにした曲であり、彼らの代表曲の1つデス。次第にスピードアップしていく疾走感と、そこでいきなりスローダウンする曲展開がカッチョ良い曲。Lou Reedの魅力が一番堪能できる曲だと思いマス。
CDではわからないけど、オリジナルのLPではバナナの皮を剥がすとピンクのバナナがある。勿論、男性のXXXを表したものだ。Andy WarholのXXX好きは、その後Rolling Stones『Sticky Fingers』(1971年)のジッパー付きジャケットでへと更にエスカレートしていく...これぞPOPアートなのか?凡人の僕には訳わからんちんデス。