2005年11月26日

Pharoah Sanders『Elevation』

まさにスピリチュアルなサックス・プレイヤーPharoah Sandersの魂揺さぶる傑作ライブ『Elevation』
Elevation
発表年:1973年
ez的ジャンル:アフロ・アメリカン系スピリチュアル・ジャズ
気分は... :生きること自体が歓喜なのかもね?

Pharoah Sanders...なんか不思議な魅力を持つサックス・プレイヤーだ。

うちのCD棚のジャズコーナーで、Pharoah Sandersは“帝王”Miles Davis、“神様”John Coltraneと3人まとめて同じ棚に収納してある。多分、John Coltraneが切り開いたスピリチュアルなジャズの方向性を引継ぎ、それを発展させたのがPharoahという流れでこのような収納になったんだと思う。Pharoahを知らない人のために補足すると、彼は晩年のColtraneのクインテッドのメンバーでシタ。

正直、晩年のJohn Coltraneのスピリチュアルな世界は凄すぎて凡人の僕には理解しづらい部分もある。それに比べると、Pharoah Sandersの音楽は、コアなジャズファンではない僕のような奴でも魂を激しく揺さぶられる。その意味で、スピリチュアルな音楽を聴きたいと思った時の僕のファースト・チョイスは迷わずPharoahである。

僕が感じるPharoah Sandersの魅力は、アフロ・アメリカンとしての彼のアイデンティティをベースに、心を浄化し、崇高な世界へと導くスピリチュアル・ジャズ、コズミック・ミュージックとも呼ぶべき部分と、単純にカッチョ良い民族性溢れるグルーヴィーな部分がうまいバランスで融合している点である。Pharoahの音楽から感じる高揚感って、明らかに他のアーティストにはない何か特別なものがある。

そんなPharoahのアルバムの中で僕が最も聴く頻度が高いアルバムが1973年のライブを収録した『Elevation』である。クラブ系の音楽ファンならば、『Izipho Zam』(1969年)、『Karma』(1969年)、『Thembi』(1970年)、『Love In Us All』(1974年)、『Journey To The One』(1980年)、『Rejoice』(1981年)あたりなのかもしれないけど、僕はダントツで『Elevation』がスキなんだよね。初めて聴いた時に、さっき書いたこれまで感じたことがないエネルギッシュかつ崇高な高揚感で一発KOされたなぁ。

オススメ曲を紹介しときやす(というか今回は初の全曲紹介デス)。

「Elevation」
Pharoahの情熱的なブロウを堪能できる18分に及ぶ大作。前半の淡々とした展開から一転中盤の混沌としたカオス状態を経て、エスニック溢れるパーカッシブな後半へとまさにコズミック・ミュージック♪サンプリングソースとしても有名な曲デス。

「Greeting to Saud (Brother McCoy Tyner)」
Coltraneクインテッド時代の同僚McCoy Tynerに捧げられた曲。この曲のみがスタジオ録音。幻想的で優しく包み込むようなJoseph Bonnerのピアノが印象的デス。

「Ore-Se-Rere」
とってもアフリカンな曲。歓喜の踊りといったムードがとってもハッピーな気分にさせてくれる曲。

「Gathering」
このアルバムで一番スキな曲であり、僕は間違いなく昇天してしまいマス。14分以上ある曲なんだけど、そんな長さを感じさせず一気に聴かせるパワーがありマス。スリル溢れる疾走感と心地良いグルーヴ感とフリーキーな狂騒感と心の奥に響く感動と...何か聴いているいるだけで力強い生命力が注入されるような気分になりマ〜ス。ホント、ミラクルの一言!

「Spiritual Blessing」
ハーモ二ウムとタンブーラにPharoahのサックスが絡み、エスニックかつ崇高なスピリチュアルな世界を見事にクリエイトしているナンバー。心が浄化されマス。

このアルバムを聴き終わると、何か1日1日を大切に楽しく生きないとねっ!って気がしてくる☆不思議だ。
posted by ez at 02:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする