2005年12月06日

Patrice Rushen『Straight From The Heart』

R&B/Hip-Hopファンの“ハート泥棒!”Patrice Rushen『Straight From The Heart』
Straight from the Heart
発表年:1982年
ez的ジャンル:フュージョン系R&B
気分は... :忘れないでねっ!

Patrice Rushenの1982年のアルバム『Straight From The Heart』の邦題は『ハート泥棒』である。
なんか昔の洋楽アルバムにありがちな安易な邦題だよね。でも、このアルバムに収録された「Forget Me Nots」、「Remind Me」の2曲は、確かに今日でもR&B/Hip-Hopファンを虜にする“ハート泥棒”と呼ぶにふさわしい曲だっちゃ!

僕は80年代後半にPatriceのLPを数枚購入した経験があるが、周囲の洋楽好きでも“Patrice Rushenっていいよね!”という声を殆ど聞いたことが無かったなぁ。なので、ずいぶんとマイナーなレコードを買ったという印象が強かったね。

R&B/Hip-Hopファンのハートを奪った2曲のうち、「Forget Me Nots」は当時もヒットした曲なので、今日の盛り上がりもわかるが、「Remind Me」がこんなに盛り上がるとはサプライズだよねっ?

僕が「Remind Me」を思い出すきっかけとなったのは、ベタだけどMary J. Blige「You Remind Me」だった。この曲の場合はネタ使いと言うよりもサビの引用だけどね。どっかで聴いたよなぁ?となかなか思い出せず長い間モヤッとしてたんだけど、引越しの準備でLPを整理している時にPatriceのLPを手に取り、一気にスッキリした記憶がある。

Patriceって、上手くはないけどキラキラしているボーカルがとってもチャーミングだよね。そのボーカルとバックのグルーヴィーなサウンドがうまくマッチして、まさにメロウ&グルーヴィーな世界をデリバリーしてくれる。特に、このメロウネスは彼女が元々ジャズ/フュージョン系のキーボード奏者である点がプラスに作用していると思いマス。

『Straight From The Heart』は「Forget Me Nots」、「Remind Me」の2曲ばかりが注目されるけど、捨て曲ナシの名盤だと思いマス。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Forget Me Nots」
当時も大ヒットしたベースラインが印象的なダンスクラシック。先に述べたボーカルも含めて、サウンド全体がキラキラしてマス。Beatnuts「Gimme Da Ass」、George Michael「Fastlove」、Will Smith「Men In Black」、J-Flexx「Who Been There,Who Done That?」ネタ。

「Remind Me」
90年代突如ブレイクした定番ネタ。同じく定番ネタKeni Burke「Risin' To The Top」あたりと共通するスタイリッシュさが魅力だと思いマス。

Brotha Lynch Hung「Walkin 2 My Funeral」、Chubb Rock「Just the Two of Us」、Common Feat. Chantay Savage「Reminding Me (Of Sef)」、Faith Evans「Fallin' in Love」Junior M.A.F.I.A.「I Need You Tonight」、Keith Murray「Dip-Dip-Di (You Remix Me)」、King George「TRU Playa」、Kut Klose「Keep On 」、MoKenStef feat. Grand Puba「He's Mine (Remix)」、Mack 10「Here Comes the G」、The Notorious B.I.G.「Unbelievable」、Silkk The Shocker「What Gangstas Do」等々ネタに使った曲を挙げたら際限ないっすね。

「Where There Is Love」
アルバム中胸キュン度は一番高いメロウ・ナンバー。「Forget Me Nots」、「Remind Me」という2枚看板で目立たないけどこの曲も、Frost「Nothing in this World」、Lil 1/2 Dead「12 Pacofdoja」、Mobb Deep「Temperature's Rising」、Smooth「Strawberries」などのネタとして有名な曲デス。

「I Was Tired of Being Alone」
ギターカッティングとホーンセクションがカッチョ良いEW&F風のダンス・ナンバー。

「Number One」
ブラジリアン・フュージョン風のインスト・ナンバー。パーカッシブなカンジがイイっす。

「Breakout!」
Brenda Russellとの共演曲。80年代風のハジけ方が後引きマス。

「(She Will) Take You Down to Love」
Free Soulファンがいかにも飛びつきそうなフォーキーな曲。勿論僕も大好きデス。

それにしても彼女のアルバムの邦題は笑える。本作以外にも『Pizzazz』(1979年)が『陽気なレイディ』、『Posh』(1980年)が『おしゃれ専科』...ウ〜ン(¬¬)
posted by ez at 02:55| Comment(0) | TrackBack(1) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする