発表年:1973年
ez的ジャンル:クロスオーバー系オルガン・ロック
気分は... :何でもアリ!
以前にも書いたが、最近の僕は仕事もプライベートもかなり自由に行動できる。そんな中で心掛けていることは、“何でもアリ”だ。せっかく何でもできるん立場なんだから、自分で勝手な壁をつくらず、面倒くさがらず、いろんな人と会い、何でも貪欲に吸収し、恐れず新しいことにチャレンジしたいと思っている。このブログを始めたのも、そんな流れの1つかな。
さて、UKのオルガン/キーボードプレイヤーBrian Augerは、真の意味で“何でもアリ”のクロスオーバーな音楽をデリバリーしてきたアーティストだと思う。
60年代のBrian Auger & Trinity時代のソウルジャズ/ロック的な彼もお気に入りだが、見事にロックとジャズとR&B/ソウルを融合し、独自のサウンドを確立した70年代のBrian Auger's Oblivion Express時代がやっぱり最高だなぁ。
当時、彼の音楽はプログレ・ジャズロックなるジャンルで語られていたらしい。彼のクロスオーバー感覚が時代を先取りしすぎて、周囲が消化しきれなかったのかもね?
Oblivion Express時代のアルバムは、どれも僕的には外せない作品ばかりだ。一般的には、『Straight Ahead』(1975年)あたりがフリーソウル・ファンを中心に人気作なんだろうけど、 個人的には本作『Closer to It!』(1973年)、『Reinforcements』(1975年)の2枚を聴く頻度が一番多い。
『Closer to It!』は、Oblivion Expressの他のアルバムと比較して、あまりにジャケットがチープだったので、CDショップで何度も購入をためらった作品だったなぁ。でも、サウンド的には一番ハマったね。その最大の理由はパーカッションの充実ぶりだ。僕は基本的にパーカッションがチャカポコ鳴っている音楽が大好きなんだっちゃ♪
久々に全曲紹介しやす。
「Whenever You're Ready」
僕はこのオープング・ナンバーで完全にヤラれました。パーカッション好きには、パーカッションとBrian のハモンドが絡みまくる前半だけで完璧に鼻血ブーです。このカッチョ良さはなかなか今でも見つけるのが難しいのでは?あと終盤の雰囲気が(旧作の)映画『猿の惑星』のオープニングテーマっぽくて好きです...といっても伝わりづらいよね。
「Happiness Is Just Around the Bend」
クロスオーバーという言葉がピッタリの曲。Steely Danの初期の名曲「Do It Again」をよりジャズっぽくしたカンジかな。The Main Ingredientもカヴァー。
「Light on the Path」
El ChicanoやMaloといったチカーノ系バンドとの接点も見出せるようなラテン風味のインスト曲デス。
「Compared to What」
これはニューソウルを思い起こすナンバー。Curtis Mayfield『Superfly』あたりの雰囲気に近いかも?このアルバム全体にいえることなんだけど、なかなかボーカルが始まらず、インスト曲だと思っていると突然ボーカルが入ってくる。この焦らしが案外良かったりして?
「Inner City Blues」
ご存知Marvin Gayeの超有名クラシックのカヴァー。ただ、数多あるカヴァーの中でも最高傑作だと思いマス。クールかつファンキーかつグルーヴィー♪Marvinファンの方はこの1曲だけでも聴く価値アリだと思いマス。
「Voices of Other Times」
クロスオーバーというよりフュージョンと表現した方がしっくりくるナンバー。メロウネスがほんのり香るのがイイねっ!
アルバム全6曲という曲数の少なさに物足りなさを感じる人もいるかもしれませんが、かなり濃密な6曲でっせ!