発表年:1997年
ez的ジャンル:慎まし系シンガーソングライター
気分は... :優しい心で...
メチャメチャ寒い日が続きますね。
こんな夜には心暖まる音楽が聴きたくなりなすねっ!
ということで、そんな気分にぴったりなアルバムRon Sexsmith『Other Songs』デス。
Ron Sexsmithの1stアルバム『Ron Sexsmith』(1995年)は、静かなる衝撃作だったなぁ。少しこもった感じのRonの実直そうなボーカルと、そのシンプルなサウンドが楽曲の良さを逆に際立たせていた。僕が大好きなElvis Costelloが“今後20年は聴き続けられる”と絶賛したのは有名な話だ。
当時R&BやHip-Hop、Jazzばかり聴いていた僕が、シンガーソングライターのアルバムでこんなに衝撃を受けるなんて、自分でも意外だったね。70年代シンガーソングライターの名作群をそれなり聴いてきて、90年代にそれを越えるアルバムなんて滅多に出会いないであろうと勝手にたかをくくっていたが、その滅多があったんだよね!
Ronは、30歳過ぎてから前述の1stアルバムを発表したカナダ出身の遅咲きシンガーソングライターだ。それまでは郵便配達などの仕事をしながら、コツコツと曲をストックしていたのだと言う。歌う郵便配達屋さんというのは、イメージとしてピッタリな気がする。
僕は30歳すぎてから、自然体、等身大の自分でいることをとても大切にしている。それが人から見てガキっぽかったり、欠点だらけであったとしても、それも含めて嘘偽りのない自分だから、まぁいいっか!てなカンジでね。
僕がRonの歌にエラク共感してしまうのは、彼の歌にも自分の周囲に起こるいい事も悪い事も全て受け入れて生きていく“等身大”の人間像を感じるからかもしれない。僕とRonは年齢的にも多分同じくらいだしね。Ronの歌を聴いていると、自然にとっても心が優しくなってくる。
『Other Songs』は彼の2ndアルバムであり、前作同様にMitchell Froom & Tchad Blakeがプロデュースしている。忘れちゃいけないけど、Ronの作品を感動的なものにしているもう1つの大きな要因として、90年代を代表するこの名プロデュースチームがクリエイトする独特のサウンド処理がありマス。これによって、90年代ならではの名作に仕上がったのだと思いヤス。
オススメ曲を紹介しときやす。
「Thinking Out Loud」
淡々と始まるオープニングナンバー。冬の夜中に一人でいろいろ考え事をしたくなる。
「Strawberry Blonde」
ぶっきらぼうだけど、何気に可愛らしい曲。ムサいオヤジも案外お茶目なのデス。
「Average Joe」
RonのBrian Wilson(Beach Boys)好きが納得できるナンバー。 Ronのしゃくりあげるハイトーンボーカルが何かイイっす。
「Nothing Good」
力強さがみなぎるナンバー。ほのかにポップなところがスキだね。
「It Never Fails」
シンガーソングライターらしいシンプルなナンバー。ホント、こういった曲での彼の歌は説得力がありマス。
「Clown in Broad Daylight」
ホーンセクションなども入り、アルバム中一番カラフルな曲かも?このあたりのMitchell Froom & Tchad Blakeの手腕はさすが!
「So Young」
僕の大好きな青クサイ歌っす。人生は悩み続けながらも、前へ歩み続けるのだ!
「April After All」
とっても静かだけど美しいエンディング。
とにかくアルバム1枚あっという間に聴けてしまいマス。そして、誰もが心洗われ、穏やかな気持ちになる...