2006年01月31日

Lemon Jelly『Lost Horizons』

Madonnaも大絶賛のエレクトロニカ・ポップ・ユニット☆Lemon Jelly『Lost Horizons』♪
Lost Horizons
発表年:2002年
ez的ジャンル:ドリーミー&チルアウト系エレクトロニカ・ポップ
気分は... :(彦摩呂風に)まるでダンス・ミュージックの宝石箱や〜☆

昨年末に投稿した「ezが選ぶ2005年の10枚」で唯一R&B/Hip-Hop以外からセレクトしたのがLemon Jelly『'64-'95』でした。

昨年はCDショップへ行ってもR&B/Hip-Hopコーナーにいる時間が殆どだった僕が、唯一R&B/Hip-Hop以外のコーナーで釘付けにされたのがLemon Jellyだったってカンジっす。

Lemon JellyのメンバーであるFred DeakinとNick Franglenの二人は共に多彩な顔を持つ。Fredは注目されるデザイン事務所「Airside」の経営者兼デザイナー、有名クラブ「Impotent Fury」のオーナー兼DJであり、NickはUK屈指の庭園設計士であると同時にスタジオ・プロデューサーといったカンジっす。

こうした多彩な才能の持ち主二人が意気投合して結成したエレクトロニカ・ポップ・ユニットがLemon Jellyっす。2000年にインディーズでのアナログ音源をコンパイルしたアルバム『LemonJelly .KY』を発表し、クラブ・シーンで注目を浴びることになる。そして、2002年に本格的なデビュー・アルバム『Lost Horizons』を発表し、さまざまな音楽誌でその年のベストアルバムに選ばれ、ブレイクした。そして、2005年には前述の2nd『'64-'95』を発表した。

今回はサウンド的に一番気に入っている『Lost Horizons』を紹介します。
アルバムジャケットのイメージ同様に、彼らの音楽はポップで、カラフルで、ファンタスティックで、ドリーミーで、イノセントで、チルアウトなダンス・ミュージックっす。童心に戻れるダンス・ミュージックって気がしマス。

ちょうど『Lost Horizons』が発売された直後、Madonnaが雑誌のインタビューで一番注目しているアーティストとして彼らの名前を挙げていたらしい。Madonnaの昨年発表された最新作『Confessions On A Dancefloor』を聴くと、何となくわかる気がしマス。実は結構シングルカットされた「Hung Up」のPVにハマっていました。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Elements」
メルヘンの世界のダンス・ミュージックといった趣のナンバー。ジャケットのようなカントリー・ムードが漂うほのぼの感覚が好きっす。後半に飛び出す中近東風の旋律も楽しいですね。

「Spacewalk」
このアルバムのハイライト曲の1つ。宇宙空間で踊るクラブ・ミュージックってカンジかな?でも、案外アコースティックな音色が肝だったりしマス。

「Return To Patagonia」
これはクールネス溢れるジャジーなダンス・チューン。アルバム中で一番大人の音楽っす。こんなにカッチョ良いナンバーも軽々制作できるのに、敢えてそこへ行かないところが彼らのセンスの良さかもね!

「Nice Weather For Ducks」
セイコーエプソンのCMでも使われていたナンバー。童謡テクノ・ポップとでも呼びたくなるドリーミーで、イノセントな曲っす。僕の一番のお気に入りっす。途中でラテンが入ってくる展開も意外性があってグッド!

「Experiment No. 6」
子供向けアニメ番組で主人公に悪党の魔の手が忍び寄ってくるシーンのバックに流すとピッタリなカンジの曲。ホント、彼らの曲って映像を容易にイメージできるよね!

「Closer」
ビミョーな表現だけど、とってもディスニー&チルアウトなカンジの曲。大自然の中を冒険したくなるような気分になりマス。

「Curse Of Ka'zar, The」
映画のエンディング・テーマのような壮大な曲っす。美しいコーラスとジャジー&アーシーなトラックの組み合わせがイイカンジっす。

『'64-'95』の初回盤には、Fredが制作した全曲のPVが収められたスペシャルDVDが付いていマス。ビジュアルと一体化して聴くと、ますますLemon Jellyの世界から抜け出せなくなりますよ〜!
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2006年01月30日

Aztec Camera『High Land, Hard Rain』

ネオ・アコブームの火付け役アルバム☆Aztec Camera『High Land, Hard Rain』
High Land, Hard Rain
発表年:1983年
ez的ジャンル:青春系ネオ・アコースティック
気分は... :若いってイイね...

ティーンエイジの時にリアルタイムでAztec Cameraの1stアルバム『High Land, Hard Rain』に出会い、大きく影響を受けたという人は少なくないと思う。

日本のネオ・アコ(ネオ・アコースティック)好き人口の多さを考えれば当然なのかなぁ?
というか、このアルバムがあったからこそ、ネオ・アコというジャンルが生まれ、日本人をネオ・アコ好きにしたと説明する方が適切なのかもねっ!

僕はAztec Cameraの存在を当時聴いていたFMラジオ番組「サウンドストリート」で知った。ちなみに、サウンドストリートはNHK-FMで放送されていた音楽番組であり、佐野元春、坂本龍一、甲斐よしひろ、山下達郎、渋谷陽一という個性的な日替わりパーソナリティがマニアックな選曲をしていた番組っす。学生時代の僕の音楽ライフはかなりこの番組の影響を受けていたと思いマス。結構、この番組でしか聴けない知る人ぞ知るアーティストや隠れた名曲ってあったんですよね。

で、Aztec Cameraを紹介していたのは金曜担当の渋谷陽一氏デス。若いリスナーの方は“その人誰?”ってカンジだと思いますが、今もある音楽雑誌「rockin'on」の当時編集長だった人です。記憶では、「Oblivious」、「Walk Out to Winter」の2曲を流したと思うんだけど、「Walk Out to Winter」を聴いた瞬間に“コレだ!”って思ったよね。

当時のUK音楽シーンは、Duran Duranに代表されるエレクトロニック・サウンドを全面に出したポップなダンス・ビートと、ド派手なファッションによるビジュアル訴求を武器にしたアーティストが、全英チャートのみならず、全米チャートにも次々とヒット曲を送り込んでいた第2次ブリティッシュ・インヴェンションの時期だった。

これらの音楽も好きでよく聴いたし、PVもかなり観ていてけど、そればかりで多少胃もたれ気味だったんだよね。そんな時に聴いた「Walk Out to Winter」は、胃もたれ状態を一気にスッキリさせてくれたカンジだったなぁ。その直後に迷わず『High Land, Hard Rain』を購入した記憶がありマス。

リーダーのRoddy Frameを中心したアコースティック・サウンドは、とても爽やかでみずみずしいカンジがした。それまでアコースティック・サウンドって、フォーク、カントリーなどの野暮ったいイメージがあったんだけど、そんな間違ったイメージを完全に払拭してくれまシタ。まさにネオ・アコースティックってネーミングをしたくなる衝撃作でシタ。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Oblivious」
シングルカットもされたオープニング曲。邦題の「想い出のサニービート」には思わず苦笑してしまったけど、ラテン・フレイヴァーのアコースティックなグルーヴ感がステキなナンバーっす。

「Boy Wonders」
スコットランド出身の彼ららしい、スコティッシュ・ポップ感覚溢れるナンバー。青臭いカンジもいいっす。

「Walk Out to Winter」
シングルカットもされ、多分ファンの間で最も人気が高いと思われる曲。僕もこの曲が一番スキです。歌詞にClashのJoe Strummerの名が登場するのも興味深かったね。

このアルバムを“冬になると聴きたくなる”って人は、おそらくこの曲の影響でしょう。僕もこの曲を聴くと大学受験を思い出す。受験勉強のヤマ場の時、勉強が煮詰まって気持ちが下げモードになると、いつもこの曲を聴いていたなぁ。僕にとってドリンク剤代わりだったのかもね!

「Bugle Sounds Again」
この曲も冬の朝に聴くと、気持ちが引き締まるカンジの曲だね。淡々と歌うRoddyのボーカルって、歌詞の内容云々に関係なく妙に説得力があるカンジがしたなぁ。

「We Could Send Letters」
Roddyのソングラインティングの非凡さがわかる曲。繊細かつロマンティックなメロディがたまりません。

「Pillar to Post」
この曲もシングルカットされたポップなナンバー。計算され尽くされたプロフェッショナルなポップさではなくて、アマチュアっぽいポップ感覚こそがこのアルバムの最大の魅力だと思うなぁ。

「Lost Outside the Tunnel」
まさに悩める青春ソングってカンジの、みずみずしい憂いを感じる曲。

「Back on Board」
メロウネス溢れるバラード。何となくSpandau Balletの名曲「True」に似ているかも?「True」も同じ1983年だしね!

先の「サウンドストリート」で渋谷氏が『High Land, Hard Rain』と一緒に、Weekend『La Variete』というアルバムを紹介してくれた。こちらは『High Land, Hard Rain』ほどブレイクしなかったけど、とてもいいアルバムっす。そのせいで、この2枚をセットで聴くのがお気に入りパターンっす。
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2006年01月29日

Regina Belle『Reachin' Back』

レジーナ・シングス・フィリー・クラシックス☆Regina Belle『Reachin' Back』
Reachin' Back
発表年:1995年
ez的ジャンル:90年代版フィリー・ソウル
気分は... :企画力の勝利!

Regina Belleは、彼女が1987年にデビューアルバム『All By Myself』を発表した時からの大ファンっす。

一般的には、Peabo Brysonとのデュエットで大ヒットした1992年のディズニー映画「アラジン」のテーマ曲「A Whole New World 」のイメージが強いと思うんだけど、魂揺さぶる貴重な実力派女性R&Bボーカリストだと思いマッスル。

彼女の4thアルバム『Reachin' Back』は、Reginaによるフィリー・ソウルの名曲カヴァー・アルバムっす!Spinners、Stylistics、Blue Magic、O'jays、Delfonicsといったフィリーを代表するアーティストの曲をカヴァーしてマス(フィリー・ソウルについては以前にMusiqの投稿時に説明しているのでそちらをご参照下さい)。Reginaファンの僕としては、Reginaとフィリー・ソウルってピッタリな組み合わせだと思ったよね!

実際、彼女のエモーショナルかつ変幻自在のボーカルは、見事にフィリーの名曲の数々を自分のモノにしていヤス。まさに企画力の勝利のアルバムだと思いマス。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Could It Be I'm Falling in Love」
「I'll Be Around」
まずはSpinnersのカヴァー2曲。特に、「Could It Be I'm Falling in Love」はアルバム中一番のお気に入りのダンサブルなナンバーっす。正直オリジナルを超えているのでは?聴いているだけでウキウキ気分☆あっという間に恋に落ちそうな曲デス!

この曲のカヴァーは、少し前にソニーVaioのCMでも流れていたので、そちらで聴いた方も多いのでは?ちなみにあのカヴァーは音楽制作会社サーティ−スによるもので、CD化はされていません。アレもSpinnersのオリジナルというよりも、明らかにReginaのバージョンのカヴァーってカンジだったよね!

少しハウス調に仕上げた「I'll Be Around」のカヴァーもイイっす!アマゾンでこのカヴァーを“ユーロビート調でけしからん!”みたいなレビューを見かけましたが、全然ユーロビートじゃありませんのでご安心を!そもそもフィリーソウルはガラージュ/ハウスとの相性がバッチリなので、全く違和感なく聴けマス♪

「Love T.K.O.」
「Whole Town's Laughing at Me」
Harold Melvin & The Bluenotesでリードボーカルを務めたTeddy Pendergrassのカヴァー2曲。僕が高校の頃、Luther Vandrossと並んで人気の男性R&BボーカリストがTeddy Pendergrassでシタ。Lutherは昨年他界し、Teddyも事故で今では車椅子生活の身...わからないものです。

特に僕はReginaの懐の深さを堪能できる「Love T.K.O.」がスキっす!ちなみに「Love T.K.O.」は、Teddyのバージョンよりも、この曲の作者であるWomack & Womackのバージョンをよく聴いていまシタ。「Love T.K.O.」が収録されているWomack & Womackのアルバム『Love Wars』(1983年)もオススメのアルバムです!

「You Make Me Feel Brand New」
「You Are Everything」
「Hurry up This Way Again」
Stylisticsのカヴァー3曲。「You Make Me Feel Brand New」、「You Are Everything」は説明不要の名曲中の名曲ですよね。「You Are Everything」は、Diana Ross & Marvin Gayeのデュエットで聴いている人の方が多いかもね?この2曲は、Reginaのカヴァーも楽しめるけど、オリジナルがあまりにも偉大なので少し分が悪いかもねっ!それより「Hurry up This Way Again」の方が、オリジナルがそれほど有名でない分、純粋にReginaのボーカルの魅力を堪能できマス。

「Let Me Make Love to You」
フィリーを代表するグループO'jaysの1972年のヒット曲のカヴァー。オリジナル同様に感動のバラードに仕上がっていマス。この手のナンバーを歌わせたら、ホントReginaは天下一品ですな☆

「Just Don't Want to Be Lonely」
「Sideshow」のヒットなどで知られるBlue Magicのカヴァー。多少、オリジナルのカンジとは違うけど、70年代の雰囲気をうまく醸し出したサウンドをバックに、キュートで艶やかなReginaのボーカルが光るミディアム・ナンバーっす。

「Didn't I (Blow Your Mind This Time)」
僕も大好きな「La La Means I Love You」などのヒットでお馴染みDelfonicsの1970年のヒット曲のカヴァー。オリジナルの雰囲気をうまく再現していマス。

1st『All By Myself』(1987年)、2nd『Stay With Me 』(1989年)、3rd『Passion』(1993年)あたりも僕の愛聴盤デス。特に、1st『All By Myself』は隠れた名盤だと思いますよ〜♪
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2006年01月28日

Joe Henderson『Inner Urge』

モーダルかつ個性的なJazzアルバム☆Joe Henderson『Inner Urge』
Inner Urge
録音年:1964年
ez的ジャンル:個性派新主流Jazz
気分は... :ホット&クール!

僕が自分の気持ちの中でクールネスを求めている時に聴きたくなるJazzがJoe Hendersonデス。彼をこのような位置づけにするとJazzファンからお叱りを受けるかもしれませんが...

Joe Hendersonは1950年代末から活躍するテナーサックス奏者であり、1962年にNYへ進出後は、Wayne Shorter(ts,ss) 、Freddie Hubbard(tp)、Herbie Hancock(p) 、Bobby Hutcherson(vibe)らと並んで新主流派Jazzを代表するミュージシャンの一人として注目されまシタ。闘病生活の後2001年に死去。享年64歳。

テナーサックス奏者では、John Coltrane、Sonny Rollinsといった一流どころも聴くけど、結構、Dexter Gordon、Joe Henderson、Pharoah Sanders、Hank Mobleyといった1.5流クラスのアルバムを好んで聴く。元来Jazzの奏法などに詳しくない僕にとっては、1.5流クラスの方がヘンな先入観なく、感覚的にスキorキライで聴けるのかもね?

Joe Hendersonって、僕のようなコアなJazzリスナーではない人が案外ハマるアーティストのような気がします。クラブ系リスナーから根強い支持を集めているしねっ!

クラブ系リスナーに人気のある60年代後半や70年代の作品もイイですが、僕は初リーダー作『Page One』(1963年)から『Our Thing』(1963年)、『In 'N Out』(1964年)、『Inner Urge』(1964年)、『Mode For Joe』(1966年)あたりのBlue Noteでの諸作を頻繁に聴きマス。僕はどうもJazzはBlue Note偏重の傾向があるみたいっす(^^;

その中でも『Inner Urge』が特にお気に入りデス。全体としての調和がとれているし、スリリングながらも暑苦しくなく、クールネスを感じるモーダルかつ個性的な演奏にハマったのかも?

メンバーは、Joe Henderson(ts) 、McCoy Tyner(p) 、Bob Cranshaw(b) 、Elvin Jones(ds)の4人。Hendersonのサックスは勿論ですが、案外McCoy Tynerのピアノが本作の肝かもしれません。

全曲紹介しときやす。

「Inner Urge」
タイトル通りの内面からの衝動を感じるスリリングなナンバー。とても緊張感のある演奏なんだけど、熱くなりすぎないところが、野暮ったくなくカッチョ良いっす。

「Isotope」
Jazzジャイアントの一人であり、“最も偉大な個性”と称されたピアニストThelonious Monkに捧げられたナンバー。どことなく風変わりなメロディはMonkっぽいかもしれませんね!典型的な文系人間の僕にはIsotope(同位元素)を正確に理解できないのが残念デス(; ;)

「El Barrio」
タイトルからも察しがつく通り、“スパニッシュ”をお題にした演奏が楽しめるナンバー。でも、言うほど、スパニッシュっぽくないかも?Hendersonのサックスは何か独特の雰囲気がありマス。McCoy Tynerのピアノがイイっす。

「You Know I Care」
クラブジャズ好きに人気のピアニストDuke Pearson作のバラードっす。甘すぎにない、ビタースウィート感がたまりません。シブいねぇ〜( ̄ー ̄

「Night And Day」
Cole Porterの超有名スタンダード。「Night And Day」はずっと好きな曲で、このアルバムも正直この曲目当てで購入した。でもって聴いてビックリ!それまでの僕の「Night And Day」像を物の見事に壊してくれまシタ。まさに“Inner Urge(内なる衝動)”ってカンジだったなぁ。とにかくグルーヴ感十分でカッチョ良い!この1曲だけでも、このアルバムを聴く価値アリだと思いますd(^ ^d)♪

週末の夜、中目黒あたりで落ち着いて飲んでいる気分にピッタリの音楽かも?
posted by ez at 01:42| Comment(2) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月27日

Paul McCartney & Wings『Band On The Run』

Beatles解散後のPaul McCartneyの最高傑作☆Paul McCartney & Wings『Band On The Run』
Band on the Run
発表年:1973年
ez的ジャンル:解散後最もBeatlesな作品
気分は... :さすが天才メロディーメイカー!

中学の時にBeatlesにズッポリのめり込んでいた僕にとって、当然ながらその流れで、John Lennon、Paul McCartney、George Harrison、Ringo Starrのソロ活動もとても気になりやした!

JohnとGeorgeについては、Beatlesとは切り離してソロ・アーティストとして聴くことができたなぁ。Ringoについては申し訳ないけど、BeatlesのメンバーとしてのRingoがスキです。とフォローした上でソロ作はノーチェックっす。そして、最後に残るPaulだけど、彼だけはどうしてもBeatlesの幻影が付きまとってしまっていたなぁ。きっと、解散後もBeatlesらしい音楽をデリバリーできるのはPaulしかいない!って期待の表れだったんだと思いマス。

PaulのBeatles解散後の作品の中で、特によく聴いていたアルバムは、ソロ2作目『Ram』(1971年)、Wingsの3作目『Band On The Run』(1973年)、Wingsの4作目『Venus And Mars』(1975年)、Wingsの7作目『London Town』(1978年)、リアルタイムでハマったソロ4作目『Tug Of War』(1982年)あたりかなぁ。

そんな中で、最もBeatles的なアルバムが『Band On The Run』と『Tug Of War』の2枚じゃないかなぁ。共に、天才メロディーメイカーPaulのエース級の作品の数々が堪能できマス。今回は、僕が考えるBeatles解散後のPaulの最高傑作『Band On The Run』を紹介しマス。

『Band On The Run』は、Wingsの3作目のアルバムであり、直前にメンバー2人が脱退し、Paulと妻のLinda、Denny Laineの3人でナイジェリアでレコーディングされた作品だ。3人とは言っても、実質はPaul一人で全ての楽器を演奏しており、窮地に立ってPaul本来の才能が発揮されたカンジっす。楽曲が素晴らしいのは当然として、アレンジ面でもPaulならではのセンスを堪能できマス。全米、全英共にアルバムチャートNo1獲得アルバムです。

わかりづらいけど、James Coburn、Christopher Leeといった名優も参加しているジャケ写真も話題でシタ。James Coburnは「荒野の七人」、「大脱走」でお馴染みの人っす。最後列真ん中で一人目立っている人です。Christopher Leeはオールドファンにはドラキュラ俳優として、近年では「ロード・オブ・ザ・リング」、「スター・ウォーズ エピソード2&3」なんかで有名な人っす。最後列右から2番目の人っす。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Band on the Run」
シングルヒットもしたタイトル曲。前半は、Beatles後期の傑作『Abbey Road』のB面のような目まぐるしく変わる展開、そして天才メロディーメイカーの実力出しまくりの後半と文句ありません。本人には迷惑だったかもしれないけど、これこそ多くのBeatlesファンがPaulに求めていたものだったんじゃないかなぁ!

「Jet」
これまたシングルヒットしたWingsを代表するナンバー。Paulのロックンロール魂が堪能できマス。ホーンセクションもカッチョ良いっす。ちなみにJetとはPaulの飼い犬の名前デス。Paulファンはみんな♪ジェット!ジェット!♪と叫んでいたはずですよね!今もCD聴いていたら、思わずPaulのボーカルに合わせてLindaとDennyのコーラスパートを♪ウウウ☆ウーウウ☆ウーウウ♪と口ずさんでしまいマス。

ライブでの「Rock Show」から「Jet」への流れも大好きだったなぁ。そう言えば、1976年のUSツアーのライブ映像『Rock Show』を有楽町マリオンの大スクリーンで観ながら、大興奮していた思い出がありマス。

「Bluebird」
昔は気付かなかったけど、今聴くとかなりAORっぽいよね。パーカッション類が地味にいい味出しているところが僕好みデス。本アルバムの唯一のゲストHowie Caseyのサックスもアダルトです。

「Let Me Roll It」
Paulらしからぬブルージーなナンバー。どちらかと言えば、Johnの作品っぽいかも?

「Mamunia」
今度はPaulらしい牧歌的なナンバー。アルバムの中では地味だけど、僕の大のお気に入りデス。アルバムに1、2曲こういったフォーキーなナンバーがあるとホッとします。

「No Words」
流れるような展開が美しいナンバー。アレンジの素晴らしさに脱帽デス。

「Nineteen Hundred and Eighty Five」
昔は大して気にならなかったけど、このアルバムを聴きはじめてから約10年後あたりに、急にカッチョ良い曲だと思えるようになった。少しStonesっぽいよね!最後に「Band on the Run」のrepriseがあるのも嬉しい限りですね。

Beatles解散後初めてGeorge Martinをプロデューサーに迎えた『Tug Of War』も、Beatlesファンを満足させてくれる内容だと思いマス。Stevie Wonderとデュエットした大ヒット曲「Ebony And Ivory」をはじめポップなナンバーが目白押しデス。
posted by ez at 01:05| Comment(3) | TrackBack(1) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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