2006年01月26日

Kiki『Let Go』

R&Bファンを虜にするゴスペル・アルバム☆Kiki『Let Go』
レット・ゴー(期間限定)
発表年:2005年
ez的ジャンル:キュート系アーバン・ゴスペル
気分は... :これでもゴスペルなんだ!

KiKiことKierra Kiki Sheardの日本独自編集アルバム『Let Go』っす。

Kierra Kiki Sheardは、伝説的ゴスペル・グループClark Sistersのオリジナル・メンバーであり、ソロ・シンガーとしても活躍しているKaren Clark Sheardの娘である。子供の頃から聖歌隊で母親譲りの才能にさらに磨きをかけ、2004年に弱冠17歳でデビューアルバム『I Owe You』を発表し、全米ゴスペル・チャートで1位を記録した期待の若手ゴスペル・シンガーっす。

ここまで洗練されていると、もはやゴスペル・アルバムと言うよりも、完全にR&Bアルバムだよね〜!何よりキュートで張りのあるKiKiのハイトーン・ボーカルにヤラれマス。なんか鮮度200%なカンジがいいよねっ!聴いていると元気印になるアルバムっす。

『Let Go』は、デビューアルバム『I Owe You』とそのリミックス・アルバム『Just Until』からの編集盤デス。いつもの僕ならば、リミックス・アルバムには目もくれず、『I Owe You』を購入しているパターンなんだけど、今回は『Just Until』で彼女の存在を知り、気に入ったので、どちらにするか正直かなり迷っていまシタ。そんな矢先に、タイムリーな日本独自編集アルバムの朗報でシタ☆

オリジナル重視派としては、日本独自編集アルバムなんて大嫌いでて購入したくないのですが、今回だけはアッサリと軍門に下ってしまいまシタ...まぁ、いいかぁ♪結果として、彼女の魅力を十分に知ることができたしねっ!

Rodney Jerkins、Warren CampbellといったR&Bファンにお馴染みのメンツやゴスペル・ファン要チェックのPAJAMなどが制作に携わっていマス。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Let Go」
本作では、オリジナルとRock Soul Remix、The Godson Rock Jointの3ヴァージョンが収録されてマス。このうち、Rock Soul Remixがリードシングルになってマス。Rock Soul Remixは、オリジナルをより派手にしたリミックスであり、R&Bファンが喜ぶゴージャス・サウンドのバージョンです。でも、オリジナルもそんなに悪くはないっすよ。The Godson Conceptは、Rock Soul Remixを聴き込んで、お気に入りにした後に聴いた方が楽しめてクセになる、いかにもリミックスなバージョンっす。

「You Don’t Know」
インターナショナルでは、こちらがシングルらしいっす。オリジナル、Monsta’s Mix、The Godson Rock Jointの3ヴァージョンが収録されてマス。オリジナルは、わりと直球勝負のアーバン・ゴスペルってカンジです。Monsta's Mixは、オリジナルとは全然雰囲気が異なるHip-Hop調のリミックスです。ラテン・フレイヴァーが効いてマス。R&B/Hip-Hopファンはこっちのバージョンを気に入るのでは? 僕はオリジナルをもう少しクラブ仕様にしたThe Godson Rock Jointが一番スキっす!

「Church Nite」
これはオリジナルのみ。でも、このオリジナルがR&Bテイスト溢れていて、かなりイイっす。正直アルバムで一番スキです。何たって、ボコーダー使いがたまりません!

「Closer」
「That Thing」
これまたR&Bファンの心を奪うキャッチーなナンバー2曲。「Closer」は、ゴスペル・テイストとR&Bが見事に融合していて、「Church Nite」と並んでお気に入りっす!「That Thing」もR&BなトラックをバックにKikiのキュートなボーカルを堪能できマス。

「Praise Offering」
アルバム中、最も正統派のゴスペルナンバー。ゴスペルアルバムなんだから、この手の曲を何曲か聴きたいよね。

「Sweetest Thing」
本作ではオリジナルは未収録で、Dutch Mix、Soul House mixの2曲が収録されていマス。オリジナルを未聴なのでコメントしづらいですが、Dutch Mixはルーズなミディアムナンバーに、Soul House mixはアッパーなハウスに仕上がっていマス。

久々にリミックスの楽しさに触れたアルバムっす。ぜひ、R&Bファンに聴いてほしいゴスペルですね!
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2006年01月25日

Alexander O'Neal『Hearsay』

Jam & Lewisその後の大ヒット諸作のプロトタイプ的名盤☆Alexander O'Neal『Hearsay』
Hearsay
発表年:1987年
ez的ジャンル:Jam & Lewis系大人のR&B
気分は... :アダルト気分で...

Jam & Lewis(Jimmy Jam & Terry Lewis)好きには外せないAlexander O'Nealっす。

本ブログでは、Karyn White『Ritual of Love』New Edition『Heart Break』Sounds of Blackness『The Evolution of Gospel』に続く、4枚目のJam & Lewisプロデュース作品っす。

Alexander O'Neal(以下Alex)とJam & Lewisはかつてのバンド仲間であり、契約等で折り合いの付かなかったAlexを除くメンバーがPrince殿下に引き抜かれ、The Timeとしてデビューしたのは有名な話ですよね。その後Jam & Lewisの二人も殿下ともめてTimeを脱退し、プロデュースチームとして歩んでいくこととなった。

そんな中で、Jam & Lewisの全面バックアップにより、Alexの1stソロ『Alexander O'Neal』(1985年)が発表された。まだ、Jam & Lewisがスーパープロデューサーになる前で、一部のR&B好きにしか知られない存在だったので、この頃のS.O.S Band、Cherrelle、AlexのJam & Lewisプロデュース作品は特に思い入れがあるね。

AlexとCherrelleについて言えば、二人のデュエットによる「Saturday Love」(1986年)が大好きだったなぁ。今は亡きMZA有明で二人のライブを観たのが懐かしいっす!本当はバックとしてJam & Lewisの二人も来日するってことだったんだけど、実際にはそれは実現せず(残念)...それでも十分に楽しめるライブだった記憶がある。

『Hearsay』はAlexの1987年に発表された2ndアルバムっす。パーティーをテーマにしたコンセプト・アルバムであり、interludeなどでパーティーの雰囲気が伝わってきます。前半はJam & Lewis流ミネアポリス・ファンク、後半は胸キュン・スローのオンパレードといった構成っす。このアルバムはJam & Lewisプロデュースによる数々の大ヒット作のプロトタイプ的なアルバムなのではと思いマス。勿論、Alexのソウルフルなアダルト・ヴォイスの魅力も満載っす。

オススメ曲を紹介しときやす。

「(What Can I Say) To Make You Love Me」
Jam & Lewis流ファンク全開のナンバー。ノリノリな中にほのかに香るメロウネスがらしいカンジっす。

「Hearsay」
「Lovers」
アダルト・ムード満点のミディアム・ナンバー2曲。特に「Hearsay」は、AlexのボーカルとJam & Lewisゴージャス・サウンドが見事にマッチした逸品だと思いマス。

「Fake」
シングルヒットしたファンクナンバー。Jam & Lewisらしいクールネス・ファンクっす。Janet Jacksonあたりのファンクナンバーにも通じるものがありマス。

「Criticize」
これまたカッチョ良いファンクナンバー。女性コーラスが盛り上げてくれマス。正直「Fake」よりもコチラの方が断然スキっす。

「Never Knew Love Like This」
「Saturday Love」第2弾とも呼べるCherrelleとのデュエット曲。「Saturday Love」大好きの僕としてはアルバムで一番のお気に入りっす。胸キュン度200%のメロウネスがたまりません!やっぱりこの二人の相性はバッチリだよね。

「Sunshine」
Jam & Lewisらしいアーバンな逸品スロー。。この曲はサンプリング・ネタとしても有名で、Jay-Z「Sunshine」、Jungle Brothers「Sunshine」、L.L. Cool J 「Candy Girl」Mr.Cheeks「Brighter」などで使われてマス。

「Crying Overtime」
とっても切なくロマンティックなバラード。Alexのボーカリストとしての魅力が堪能できマス。

「When the Party's Over」
タイトル通り、パーティーの終わりを告げるナンバー。「Never Knew Love Like This」から「When the Party's Over」まで続く後半4曲は本当に素晴らしいの一言デス。この4曲を聴いていると、学生時代の様々な思い出が走馬灯のように頭を過ぎりマス。

本作が気に入った方は、Alexの1st『Alexander O'Neal』、Cherrelleの『Fragile』(1984年)、『High Priority』(1985年)あたりもどうぞ!
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2006年01月24日

Massive Attack『Protection』

ブリストルからの静かなる衝撃作☆Massive Attack『Protection』
Protection
発表年:1994年
ez的ジャンル:ワイルド・パンチ系トリップ・ホップ
気分は... :寒い夜には...

トリップ・ホップの名作Massive Attack『Protection』っす。
トリップ・ホップ(Trip Hop)と説明して、最近の若い音楽ファンの人に通じるのかな?
トリップ・ホップは、イギリスのブリストルで生まれたダブ/レゲエやHip-Hopをベースに、テクノ、ロック、ジャズ等さまざまな音楽要素を取り入れたトリップ感覚とダウナー感覚を持ったハイブリッドなクラブ・ミュージックのことデス。代表的なアーティストは、Massive Attack、Tricky、Portisheadデス。

Massive Attackの前身は1982年に結成された伝説のDJ/サウンド・システム・ユニットWild Bunchっす。Wild Bunchには、90年代のUKクラブシーンを席巻したグランド・ビート(Ground Beat)の生みの親であり、本作もプロデュースしているNelly Hooperも在籍していまシタ。また、TrickyもWild Bunchに出入りしていた一人デス。

最終的には、3D、Daddy G、Mushroomの3人でデビューアルバム『Blue Lines』(1991年)を発表。何か訳のわからないクラブ・ミュージックで衝撃を受けまシタ。僕が熱心に聴いていたのは、2nd『Protection』(1994年)、3rd『Mezzanine』(1998年)あたりまでかなぁ〜!

その3枚の中でも『Protection』が一番スキかな?フィーチャーされているボーカルがお気に入りの人が多かったのが一番の決め手かもね!

全曲紹介しときやす。

「Protection」
「Better Things」
Everything But the GirlのTracy Thornのボーカルをフィーチャーした2曲。Tracyのアンニュイなヒンヤリボーカルとサウンドが抜群の相性だよね。

シングルにもなったオープニングナンバー「Protection」は、静寂の中の美しさといった雰囲気で、雪を見ながら聴くとピッタリなカンジだよね。僕はこの1曲でアルバムの虜になりまシタ。James Brown「The Payback」ネタ(イントロ)。「Better Things」は、ダビーなテイストが強いナンバーです。James Brown「Never Can Say Goodbye」ネタ。

「Karmacoma」
「Eurochild」
盟友Trickyが参加した2曲。「Karmacoma」はシングルにもなったエキゾチックな雰囲気のナンバー。Dr. John「Gris-Gris Gumbo Ya Ya」ネタのトラックは得体の知れないスパイスが漂うカンジです?「Eurochild」は重厚なトラックがズッシリくるナンバーです。

「Sly」
「Three」
UKクラブシーンでは御馴染みのナイジェリア系英国人シンガーNicoletteのボーカルをフィーチャーした2曲。僕は彼女の子供のような無邪気なカンジのボーカルが大好きで、彼女のソロアルバム『Let No One Live Rent Free』(1996年)も愛聴盤デス。

「Sly」はシングルになったナンバーで、ドラマティックなトラックとNicoletteのチャーミングなボーカルの取り合わせがビミョーなカンジで逆に面白いデス。「Three」はテクノっぽいトラックのナンバー。Nicoletteのボーカルにはコチラのトラックの方が合っているかも?

「Spying Glass」
「Light My Fire (Live)」
70年代に活躍したレゲエ・シンガーHorace Andyをフィーチャーしたトリップ・ホップ・ミーツ・ルーツレゲエといった2曲。「Spying Glass」は、Horace Andyの個性的なボーカルをダビーに調理してマス。「Light My Fire」はご存知Doorsの名曲のカバーっす。これが案外イケてます!

「Weather Storm」
「Heat Miser」
メランコリックで繊細なCraig Armstrongのピアノがひたすら美しいインスト2曲。特に、「Weather Storm」はかなり好きデス。

このアルバムの裏バージョンともいうべきMad Professorによる本作のダブ・アルバム『No Protection』もオススメです。僕はMad Professorと言えば、Kofi、Sandra Cross、Carroll ThompsonといったAriwaラヴァーズの大ファンなのですが...
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2006年01月23日

King Crimson『In The Court Of The Crimson King』

プログレ・ロックの幕開けとなった名盤☆King Crimson『In The Court Of The Crimson King』
In the Court of the Crimson King
発表年:1969年
ez的ジャンル:プログレ・ロックの記念碑的アルバム
気分は... :怖いよ〜でも美し〜い!

とうとうプログレ・アルバムを紹介します。

若い音楽ファンの方には馴染みが少ないかもしれないので、簡単に説明すると、プログレとはプログレッシブ(先進的な)・ロックの略デス。具体的には、ロックとジャズ、クラシック、現代音楽を融合したサウンドで、知的で芸術的な音楽性を追求した1960年代後半から1970年代にかけて流行った音楽スタイルのことっす。代表的なバンドとして、King Crimson、Pink Floyd、Yes、Emerson, Lake & Palmerの4グループを挙げることができマス。

高校生の頃はかなりプログレにハマっていた。リアルタイムで聴くにはそろそろブームは下降気味であったが、後追いで上記4グループのアルバムを聴いたものだ。その中でも、King Crimson『In The Court Of The Crimson King』(1969年)、Pink Floyd『Dark Side of the Moon』(1973年)、Yes『Close To The Edge』(1972年)の3枚は、当時かなりの衝撃を受けたし、後追いで聴いていたにも関わらず、まさに先進的な音楽だと感じていたかもね!

このうち一番聴いていたアルバムはPink Floyd『Dark Side of the Moon』なんだけど、少しヤバすぎるアルバムなので、まずはKing Crimson『In The Court Of The Crimson King』を紹介します。

King Crimson『In The Court Of The Crimson King』はプログレ・ブームの幕開けとなったアルバムだ。日本では後期Beatlesの大傑作『Abbey Road』を全英チャート第1位の座から引きずり降ろしたアルバムという説明を多く見かけるけど、僕が知っている限りでは、それは事実誤認だ。僕も後追いで調べたので100%の確信を持って言えないが、多分5位あたりが最高位だと思いマス。

それでも、デビューしたばかりの無名新人バンドのヒット狙いではない先鋭的なアルバムが、いきなりチャートの上位に入ったことは当時驚きだったのではないかと推察しマス。そもそも、こんな醜く怖いジャケットのアルバムが売れるとは思わないもんねっ!

メンバーは、Robert Fripp(g)、Greg Lake(b、vo)、Michael Giles(ds)、Ian McDonald(key)、Peter Sinfield(words)の5人。中でもPeter Sinfieldという作詞専門のメンバーがいたあたりが異色だし、コンセプチュアルなアルバム作りを目指していた証だと思いマス。リーダーのRobert Frippのワンマン・バンドのイメージが強いけど、このアルバムではIan McDonaldの大活躍が目立ちマス。彼はこの1作のみで脱退してしまいましたが...

全曲紹介しときやす。

「21st Century Schizoid Man (Including Mirrors)」
「21世紀の精神異常者」と題されたオープニング曲。まさにアルバム・ジャケットのようなインパクトを持った衝撃のナンバー。とってもへヴィーな前半からはジャズ的インプロビゼーションが続く中盤のスリリングな展開は迫力満点デス。一時期トヨタのCMでも使われていましたよね!

「I Talk To The Wind」
「21st Century Schizoid Man」と対極を成すクラシック・テイストの美しく幻想的なナンバー。Ian McDonaldのフルートとGreg Lakeの翳りのあるボーカルがイイっすね。

「Epitaph (Including March For No Reason/Tomorrow And Tomorrow)」
「墓碑銘」と題された重厚感のある名曲。メロトロンのメランコリックなフレーズに思わず心奪われてしまいマス。このやり切れない悲しさは何なのかね?

ちなみにメロトロンとは、各鍵盤にそれぞれ一つのテープと再生ヘッドがついた鍵盤楽器で、これ1台でオーケストラのようなサウンドを作りだせマス。多くのプログレ・バンドがメロトロンを使っていまシタ。Beatlesの名曲「Strawberry Fields Forever」もメロトロンを使っていマス。

「Moonchild (Including The Dream/The Illusion)」
12分超の大作??美しいバラードの前半以降は、現代音楽を取り入れているのか、あまりにプログレシッブで僕には全く理解不能デス

「The Court Of The Crimson Song (Including The Return Of The Fire Witch/The Dance Of The Puppets)」
アルバムの最後を飾るタイトル曲。この曲こそ、プログレとは何ぞや?という疑問に対する一発回答だと思いマス。「Epitaph」同様にメロトロンが威力を発揮しまくりマス。スケールの大きさ、叙情的な美しさ、何とも言えない物悲しさ...プログレの魅力がこの1曲に凝縮されているような気がしマス。

今回、聴いて思ったけど、メロトロンって何でこんなに魅力的なのかね!シンセじゃこのカンジは再現できないもんね!

彼らの他のアルバムでは『Islands』(1971年)、『Lark's Tongues in Aspic』(1973年) 、『Discipline』(1981年)あたりが僕の愛聴盤デス。本当は『Discipline』が一番好きなアルバムなんだけど、King Crimson本来の魅力を伝えるアルバムとは言い難い部分もあるので、また次の機会にご紹介しマス。
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2006年01月22日

Kanye West『The College Dropout』

スーパーHip-Hopプロデューサーによるコンセプチュアルな1stソロ☆Kanye West『The College Dropout』
The College Dropout
発表年:2004年
ez的ジャンル:スーパーHip-Hopプロデューサー&アーティスト
気分は... :カニ食いたい!

今さらってカンジもするけど、Kanye Westを単なる売れっ子プロデューサーから超ビッグなアーティストへと押し上げた大ヒット作『The College Dropout』(2004年)っす。

「Diamonds From Sierra Leone」、「Gold Digger」といった大ヒットシングルを含む『Late Registration』(2005年)も絶好調のKanye。『Late Registration』は僕の2005年の10枚に選んだほど好きなアルバムだけど、グラミー賞で3部門受賞に輝き、米タイム誌で「今日最も影響力の強い100人」の一人に選定されるほどの超ビッグな存在になって、少し大物感が漂いすぎかもね〜。その意味では『The College Dropout』の方が、もっとカジュアルなカンジで好きかなぁ?

ラッパーとしての彼については賛否両論があるとは思うけど、“大学中退”と題されたこのアルバムは、彼が今日の成功に至るまでの思いを赤裸々に語っている点が胸にグッときます。また、今さら説明不要のソウルフルなトラックの数々がその感動をさらに高めてくれマス。

Lil Jonのようなクランクよりも、Kanyeの45回転早回しを駆使したソウルフル・トラックの方がオヤジにはマッチしてヤス。

オススメ曲を紹介しときやす。

「We Don't Care」
Jimmy Castor Bunch「I Just Wanna Stop 」ネタのソウルフルなトラックが印象的なナンバー。ドラッグ・ディーラーをテーマにしたへヴィーなナンバーなんだけども、子供の声で思わず和んでしまいマス。

「All Falls Down」
昨年、僕イチオシの3rdアルバム『Chapter 3: The Flesh』を昨年発表したSyleena Johnsonをフィーチャーしたナンバー。シングルカットされ大ヒットもしましたね!Lauryn Hill「Mystery Of Iniquity」ネタを使ったアーシーなトラックがイイカンジっす!

「Spaceship」
下積み時代の苦労を語ったナンバー。Marvin Gaye「Distant Lover」ネタの哀愁トラックが泣けマス。GLCとConsequenceをフィーチャー。

「Jesus Walks」
アルバムからの3rdシングル。The ARC Choir「Walk With Me」ネタの荘厳なトラック。Kanyeって結構信仰心が厚いのかもね?

「Never Let Me Down 」
Jay-ZとJ-Ivyをフィーチャーしたナンバー。Michael Bolton「Maybe It's The Power of Love」ネタの哀愁トラックをバックにJay-Zのラップが冴えマス。

「The New Workout Plan」
アルバムからの4thシングル。Miri Ben-Ariのバイオリンが独特の雰囲気を醸し出してイイっす。Roger大好きの僕はBoskoのトークボックスにも弱いっす!

「Slow Jamz」
TwistaとJamie Foxxをフィーチャーしたナンバー。Twista名義でのシングルが大ヒットし、一気に彼がブレイクしましたよね。いろんな有名アーティスト名も登場するところも嬉しいっす!ただし、Slow Jam好きの僕は、この曲のようにSlow Jamとはお別れしたくはないですが...☆Luther Vandross「House Is Not A Home」ネタのKanyeらしいトラックも秀逸デス。

「Breathe In Breathe Out」
Ludacrisをフィーチャーしたナンバー。少しイナたいカンジのトラックがだんだんクセになりマス。

「School Spirit」
Aretha Franklin「Spirit In The Dark」ネタを得意技の45回転早回しで調理したトラックをバックに学歴社会に一石を投じるナンバー。

「Two Words」
Mos Def、Freeway、The Harlem Boys Choirをフィーチャーしたナンバー。ストリートで暮らしの現実を訴えるシリアスなナンバー。Mandrill「Peace And Love」ネタ。

「Through The Wire」
Chaka Khan「Through The Fire」の45回転早回しトラックを駆使し、アルバムの先行シングルとなり大ヒットした説明不要のクラシック。ご存知の通り、2002年の交通事故で顎に大怪我をし、長い間ワイヤーで固定され続けた彼がその“Through The Wire”状態からの復帰するまでを振り返った曲。

「Last Call」
アルバムのラストを飾る12分超の大作。彼がRoc-A-Fela入りするまでの紆余曲折が延々語られマス。

かぶりモノ大好きの僕としては、ジャケの哀愁漂うクマにもヤラれました!
posted by ez at 02:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする