2006年01月16日

Kenny Loggins『Nightwatch』

もう1つの「What a Fool Believes」☆Kenny Loggins『Nightwatch』
Nightwatch
発表年:1978年
ez的ジャンル:AOR系ポップ・ロック
気分は... :ルンルン気分で!

「What a Fool Believes」と言えば、ご存知の通り1979年グラミー受賞のDoobie Brothersの名曲。あるいは昨年日産のCMで流れていたMatt Biancoのカバー・バージョンで耳にした方も多いかもしれませんね!僕も大好きなこの名曲をDoobie BrothersのMichael McDonaldと共作していたのがKenny Logginsデス。

僕がKenny Logginsの名を最初に知ったのは、映画『Caddyshack』のサントラからシングルカットされ、Top10ヒットとなった「I'm Alright」(1980年)。

ただ僕は当時売れていたもう一人のKennyであるカントリー歌手Kenny RogersとKenny Logginsの区別がつかず、長い間同一人物だと思ってまシタ。脱線するけど、Kenny Rogersって当時全米でかなり売れていたよね。ロック少年だった僕には、白髪のオッサンが歌うカントリーソングが何故大人気なのか全く理解できなかったねぇ〜!

話を戻しますねぇ!僕にとってのKenny Logginsって、『フットルース』の主題歌となった全米No1ヒット「Footloose」(1984年)、『トップガン』のサントラ収録の全米第2位のヒット曲「Danger Zone」(1986年)といったサントラ男の印象がやっぱり強かったよね!どちらも大学生の時にデートでお世話になった映画っす。

一方で、Kennyとこれらの典型的なアメリカン・ロックナンバーの組み合わせって、少し違和感を感じたなぁ。「What A Fool Believes」を作ったKennyならば、もっとAOR的なヒットソングを作れるんじゃない!ってカンジで、少し辛口の見方をしていたかもね。リアルタイムで聴いた中では『High Adventure』(1982年)からのスマッシュヒット「Heart To Heart」が一番スキだったかなぁ〜☆

そんな僕のKennyに対するAOR願望を叶えてくれたアルバムが後追いで社会人になってから購入した、Loggins & Messina解散後の1stソロ『Celebrate Me Home』(1977年)と今回紹介する2nd『Nightwatch』(1978年)デス。

『Celebrate Me Home』はPhil Ramone(Billy Joelでお馴染み)とBob Jmaesの二人がプロデュースし、『Nightwatch』は引き続きBob Jmaesが起用されている。これだけでAORファンならば期待しちゃいますよね!

全体の雰囲気では『Celebrate Me Home』の方が好きだけど、「Whenever I Call You "Friend"」、「Wait a Little While」、「What A Fool Believes」という超強力3曲が収録されているという点では『Nightwatch』に軍配アリっす!

オススメ曲を紹介しときやす。

「Whenever I Call You "Friend"」
まずはシングルカットされ全米第5位の大ヒットとなった代表曲。以前紹介したMelissa ManchesterとKennyの共作です。そしてFleetwood Macの妖精Stevie Nicksとデュエットしてます。Stevieの小悪魔的な魅力にメロメロの僕としては、AORらしい洗練されたアレンジをバックにStevieのハスキーヴォイスをこんなに爽やかに聴けるなんて、もうたまらんっす。コーラスワークもステキだし、何たって曲がイイよねっ!

「Wait a Little While」
アルバム中一番のお気に入りって言うか、Kennyの全作品の中で一番好きなメロウ&グルーヴ。少しラテン・フレイヴァーの効いたBob Jmaesらしいフュージョン・テイストの仕上がりがまさに僕好みっす。Kennyのハイトーン・ボーカルは、こういった爽やかなフュージョン風アレンジが一番合っていると思いマス。Al Jarreauもカバーしてマス。

「What a Fool Believes」
前述の名曲のKennyバージョン。この曲がKennyの作品であることを知っている人は多いけど、案外このKennyバージョンを聴いたことがある人って少ないのでは?
Doobie Brothersのバージョンに比べると、より軽快なカンジっす。Doobie BrothersファンやMichael McDonaldファンの方はぜひ聴いてみて下さいね!

「Nightwatch」
8分弱の大作デス。タイトル通り幻想的な夜を連想させる不思議な浮遊感がありマス。

「Easy Driver」
Kennyらしい軽快なロックナンバー。なんかバックがとってもDoobie Brothersっぽいっす。これ以上ロック色が強すぎるとダメっていう一歩手前で仕上がっているところがイイっす。これもBob Jmaesのおかげかな?

『Celebrate Me Home』もイイっす。こちらはフュージョン系の豪華メンバーがバックを努めているので、よりAORらしい音作りになっていマッスル☆でも、こちらは廃盤になっているようです。早く再発して〜!
posted by ez at 02:23| Comment(4) | TrackBack(3) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月15日

Elvis Costello & The Attractions『Get Happy!!』

Costelloによる60年代R&Bへのオマージュ☆Elvis Costello & The Attractions『Get Happy!!』
Get Happy!!
発表年:1980年
ez的ジャンル:60年代R&Bオマージュ系パンク
気分は... :盛り沢山でうれしぃ〜!

僕のコレクションのうち、男性ロックアーティスト部門ではElvis CostelloとVan Morrisonが最もCD保有枚数が多いアーティストだと思いマス。

Elvis Costelloは高校生の時に『Imperial Bedroom』(1982年)を聴いたのが最初っす。以来リアルタイムで聴き続けていたら、知らぬ間にコレクション枚数が増えていた。

若い音楽ファンのCostelloのイメージって、ヘタウマボーカルのラブバラード・シンガーみたいなイメージが強いかもしれないけど、元々はパンク全盛期の70年代後半のUKで、性急なビートにのせて辛らつのメッセージを叩きつけた衝撃の1st『My Aim Is True』(1977年)でデビューしやした。

いい意味でも悪い意味でもCostello作品は、アルバムごとにその内容の振れ幅が大きい。なので、作品ごとの好き嫌いも割りとハッキリ分かれるタイプだと思いマス。僕が思い入れの強いアルバムはやっぱり80年代の作品かなぁ。以前にも書いたけど80年代半ば〜90年代前半にかけてPaul Weller(Style Council含む)、XTC、Elvis Costelloの3アーティストは新アルバムが出れば、試聴もせずに購入するお気に入りUKロック・ベスト3だったもので。

そんなCostello作品中、今の僕の気分に最もフィットするアルバムが『Get Happy!!』(1980年)っす。このアルバムはリアルタイムではなく後追いでCD購入しまシタ。購入当初はどうしてもリアルタイムで聴いていた新作に心を奪われていたんだけど、ある時急にこのアルバムのカッチョ良さに目覚めてしまった記憶がありマス。

『Get Happy!!』は、かなりモータウン等の60年代R&Bテイストの強いカッチョ良い曲の並ぶ作品。しかも、オリジナルでの収録曲がなんと20曲。アルバム1枚10曲程度の収録が当たり前の時代に、この盛り沢山の曲数はそれだけでお得感一杯っすよね!

プロデュースはデビュー以来の付き合いとなるNick Low。Steve Nieve(key)、Bruce Thomas(b)、Pete Thomas(ds)というお馴染みThe Attractionsの好サポートも相変わらずデス。

60年代ブリティッシュ・ビートグループや70年代パンクバンドのR&Bカバーなんかが好みの人はハマるアルバムだと思いマス。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Love For Tender」
「High Fidelity」
いきなり60年代モータウン全開のナンバー。どちらもSupremesのヒットソングへのオマージュですね!

「Opportunity」
これまたR&Bテイストの典型的なコステロ・ソング。Steve Nieveのオルガンが実に印象的デス。

「The Imposter」
疾走感がありながらポップな味わいも堪能できるカッチョ良いナンバー。

「King Horse」
「Possession」
「Men Called Uncle」
コステロのソングライティングの素晴らしさが光る3曲。ホント、2〜3分完結型のポップなロックナンバー作らせたら上手いよね!

「New Amsterdam」
とってもトラッドな味わい深いナンバー。ワルツなカンジがイイっす。

「I Can't Stand Up For Falling Down」
「Hold On (I'm Comin')」の大ヒットで知られるソウル・デュオSam & Daveのカバー。イギリスでシングルカットされ、Top5入りする大ヒットとなりまシタ。Sam & Daveのオリジナルはスローですが、このカバーはアップテンポでカッチョ良くキメてます!

「Motel Matches」
哀愁漂う美しいバラード。今日の大人のラブバラードを歌うCostelloの姿を予感させるようなナンバー。

「Human Touch」
軽快なスカ・ナンバー。そう言えば、この時期のUkロックってSpacialsやMadnessといったスカのグループも魅力的だったよね!

「Beaten To The Punch」
タイトルの通りパンチの効いたビートナンバー。この曲聴くと、何故だかBeatles「Taxman」を思い出す。

「Temptation」
Booker T & The MG'sの「Time Is Tight」をモチーフにしたナンバー。これもカッチョ良いの一言っす。

「I Stand Accused」
60年代のブリティッシュ・ビートグループThe Merseybeatsのカバー。とっても躍動感のあるカンジがイイっす。

他の作品では、先に述べた『Imperial Bedroom』(1982年)、『Blood & Chocolate』(1986年)、『Spike』(1989年)あたりがお気に入りっす。Costello自身や評論家の評価が低い『Punch the Clock』(1983年)、『Goodbye Cruel World』(1984年)も実は結構スキっす。
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2006年01月14日

Joe『All That I Am』

Slow Jamオンパレードの胸キュン・アルバム☆Joe『All That I Am』
All That I Am
発表年:1997年
ez的ジャンル:極上Slow Jam系R&B
気分は... :俺もこんなセクシーヴォイスで口説きたい!

CD棚を眺めながら、今回はJoeにしようと決めたんだけど、Joeのアルバムの中から1枚を選ぶのって難しいね!

NJSしている1st『Everything』(1993年)、Slow Jamオンパレードの2nd『All That I Am』(1997年)、その地位を不動のものにした大ヒット3rd『My Name Is Joe 』(2000年)、大スターの貫禄十分の4th『Better Days』(2001年)あたりで考えたんだけど...う〜ん迷うね!

でも、よく考えると3rd以降はオートマチックにCD購入している状態になり、ヒット曲中心の聴き方をしていたのでアルバム全体を意外と聴きこんでいなかったかも?あまりに安定感ありすぎで聴きこまないでも即OK印になっちゃうアルバムってこのパターンかもね!

ということで、かなり聴きこんだ2nd『All That I Am』をセレクトしやした。やっぱり胸キュン大好きの僕としては、Slow Jamオンパレードが一番しっくりくるのかも?改めて聴いて思ったけど、この人って胸キュンのツボを熟知しすぎてマス!

僕が女性だったら、このCDをバックに口説かれたらイチコロだねっ(=^o^=)

オススメ曲を紹介しときやす。

「All the Things (Your Man Won't Do)」
いきなりオープニングからアルバムのハイライト☆その後のJoeの大成功を決定づけた大ヒット曲。元々は映画『Don't Be A Menace』のサントラ収録曲でシタ。
ホント、美メロの名バラードだと思いマス。サビ部分で胸キュン度がピークに達し、完璧にヤラれてしまいマス。野郎の僕でもこんな状態だから、女性が聴いたらもっとメロメロ状態なんだろうね!

「Love Scene」
これまた胸キュン度200%のスウィートなスロー。あまり暑苦しいスウィートネスではなく、品の良い甘さになっているのがイイっす。

「Don't Wanna Be a Player」
映画『Booty Call』のサントラにも収録されていたナンバー。ヴォコーダー大好きの僕にとっては、たまらないメロウ&スムースなナンバーっす。個人的にはアルバムで一番のお気に入りっす。

「Good Girls」
ロマンチックなギターのイントロが印象的な絶品スロー。特に女性は“アルバムでこの曲が一番スキ!”って人が意外の多いのでは?アルバムのオープニング「All the Things (Your Man Won't Do)」からこの4曲目まではまさに名曲オンパレードっす。この4曲だけで十分に元がとれたカンジっす。

「Sanctified Girl (Can't Fight This Feeling)」
1st『Everything』のテイストを残しているナンバー。これはこれで悪くないっす。

「All That I Am」
アコースティックな仕上がりがイイ感じのタイトル曲。後半の展開が特に感動的っす。

「No One Else Comes Close」
Backstreet Boysもカバーしていた美メロ・スロー。いかにもカバーされそうなスマートな正統派バラードっす。

「Come Around」
アルバムで一番グルーヴ感が高いミディアム・ナンバーっす。

「Love Don't Make No Sense」
これまた胸キュン度200%のメロウ&グルーヴ。とっても甘酸っぱいカンジっす。

今日は月島でもんじゃ食って超ご機嫌モードっす!もんじゃとSlow Jamってミスマッチだけど...締めにアンコ巻き食ったからいいっか☆って意味不明でゴメンちゃいm(_ _)m
posted by ez at 00:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月13日

The Band『Music From Big Pink』

あのEric ClaptonにCream解散を決意させた衝撃のルーツミュージック☆The Band『Music From Big Pink』
Music from Big Pink
発表年:1968年
ez的ジャンル:ルーツ探求系叙情派ロック
気分は... :シンプルだけどコクがある!

The Band『Music From Big Pink』は、今聴くと実にシンプルで地味な雰囲気のアルバムである。

でも、このアルバムが当時の音楽シーンに与えた衝撃や影響力は計り知れない。何せサイケデリック一色だった時代に、カントリー、フォーク、ブルース、R&B、ゴスペル、ニューオリンズ音楽といったシンプルでイナたいルーツミュージックというサイケデリックとは真逆の音楽だもんね。

このアルバムへの賛辞は、当時の音楽界のスーパースター達の言動からも明らかだ。彼らの恩師でもある神様Bob Dylanに“世界最高のバンド”と言わしめ、アルバムジャケットまで Dylanに書かせてしまった(上手いのか下手なのかようわからんけど)。また、このアルバムに衝撃を受けたEric ClaptonはスーパーグループCreamの解散を決意し、Claptonの最高傑作Derek & The Dominos『Layla & Other Assorted Love Songs』誕生へと向かうのであった。

1957年にアーカンソー出身のロカビリーシンガーRonnie HawkinsのバックバンドThe Hawksに、ドラマーとして同郷のLevon Helmが参加したのが全てのスタートである。1958年にRonnie Hawkinsはカナダ公演を行い、その人気ぶりからそのまま活動拠点をカナダに移した。しかし、その一方でバックバンドThe Hawksのアメリカ人メンバーが次々と抜けていき、その代わりとしてカナダ人メンバーが加入していった。

その結果、1961年末にはThe Hawksは4人のカナダ人(Robbie Robertson、Rick Danko、Garth Hudson、Richard Manuel)と1人のアメリカ人(Levon Helm)というメンバー構成になっていた。この5名こそがThe Bandのオリジナルメンバーである。

The Hawksは1964年にHawkinsのもとから独立した。その後Bob Dylanと出会い、彼のツアーのバックバンドを努めた。1966年のオートバイ事故でDylanがウッドストックの別荘で静養を兼ねた隠遁生活に入ってしまうと、それと同調するかのようにHawksのメンバーもウッドストックに移り住んだ。この時借りた外装がピンクに塗られた大きな農家こそが本アルバムタイトルにもなっている“Big Pink”だ。

Big Pinkの地下室にレコーディング・スタジオが作られ、1967年からDylanとHawksのメンバーはセッションを重ね、それをレコーディングしていった。この時のレコーディングの成果が8年後の1975年に発売されたDylanの『The Basement Tapes』である。そして、Dylanからの勧めで作られたオリジナルアルバムこそが『Music From Big Pink』であり、この時から彼らは“The Band”を名乗るようになった。Dylanを含めた周囲が彼らのことを“The Band”と呼んでいたので、そのままバンド名となったのが由来だ。

『Music From Big Pink』は、アメリカ人が忘れていたルーツミュージックの素晴らしさを再認識させたアルバムと言える。きっとアメリカに憧れたカナダ人中心のグループであったからこそ、こんな感動的なルーツミュージックを提示できたのかもね!日本人力士よりも朝青龍や琴欧州に相撲の素晴らしさを感じる最近の大相撲に似ているかも??

オススメ曲を紹介しときやす。

「Tears of Rage」
ManuelとDylanの共作によるオープニング。哀愁漂うオルガンとアコーディオンが印象的デス。

「In a Station」
これまたManuelのナンバー。何か1920年代位の古いモノクロのドキュメンタリーフィルムをイメージしてしまいマス。

「The Weight」
The Bandの代表曲とも呼べるRobertsonの作品。アメリカンニューシネマの名作『イージーライダー』でも挿入歌として使われ、数年前にサントリー角瓶のCMソングにもなっていましたよねぇ。僕もこの曲が一番スキです。このシンプルなんだけどアーシーなコクと深みはたまらないっす。大豆の旨味を堪能できる絶品豆腐を軽く塩をひとつまみ程度で食した時の幸福感に似てるかも...って伝わるかな???

「We Can Talk」
ゴスペルのようなオルガンの音色が印象的なナンバー。これもManuelのナンバーだ。Robertsonの作品ばかりが目立つグループであるが、意外とManuel作品にハマっていることに気付きまシタ。、

「Long Black Veil」
「Weight」にもう少し苦味を加えたような曲。ウィスキーをロックでチビチビやりたくなるねっ!

「Chest Fever」
荘厳なオルガンのイントロからアーシーなロック、そして一転してディキシー調へとさまざまな展開を見せる曲。

「Lonesome Suzie」
これまたManuel作品による美しく悲しい絶品バラード。

「This Wheel's on Fire」
DankoとDylanの共作。地味な曲が多いなかで比較的派手な曲かも?

「I Shall Be Released」
アルバムのラストはDylanの名曲。「Weight」と並ぶ本作のハイライトっす。何度聴いても感動できるというか、聴くたびに救われる気分になりマス。彼らのラストアルバム&ラストコンサートであった『The Last Walyz』の最後にDylan、Claptonを初めとする豪華ゲスト陣と共演したバージョンも印象的でしたよね。

本作以外では2nd『The Band』(1969年)、7th『Northern Lights Southern Cross 』(1975年)、前述の『The Last Walyz』が僕のお気に入りデス。
posted by ez at 00:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月12日

Cornershop『Handcream For A Generation』

節操なしの痛快ミクスチャーロック☆Cornershop『Handcream For A Generation』
Handcream for a Generation
発表年:2002年
ez的ジャンル:インド系UKミクスチャーロック
気分は... :スパイシーなタンドリーチキンが食べたい!

Cornershop『Handcream For A Generation』を久々に聴いたら、エラく痛快な気分になりやシタ。このアルバムって随分前のアルバムだと思っていたんだけど、2002年だからそんなに古くないよね!って時間感覚がすっかりオヤジモード丸出しですな!

Cornershopは、在英インド人のSingh兄弟を中心に結成されたグループであり、1991年よりCornershopのグループ名で活動している。

僕が彼らのアルバムを聴くようになったのは、2nd『Woman's Gotta Have It』(1995年)からっす。ブレイクした続く3rd『When I Was Born For The 7th Time』(1997年)と合わせて、“インド音楽+ダンス・ミュージックのミクスチャーロック”というのが僕の彼らの印象デス。この2作は特にインドのテイストを強調してマッスル。

前作から5年という長いインターバルの後に発表された4thアルバムが『Handcream For A Generation』デス。個人的には、インドテイストのミクスチャーロックという点では前作『When I Was Born For The 7th Time』である程度完成の域まできたと思っていたので、前作の延長線の作品であったならば、『Handcream For A Generation』を購入していなかったであろう。

でも、『Handcream For A Generation』は、より雑多でポップかつディスコチックでエレクトロニカという見事な仕上がりだった。確か初めてこのアルバムを聴いたのは渋谷のタワーレコードの試聴コーナーだったと記憶しているけど、さらに新たなステージに突入したようなふっ切れたサウンドに嬉しくなり、ヘッドフォンしながら一人で思わずニヤけてしまったよねぇ。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Staging the Plaguing of the Raised Platform」
アーシーなギターサウンドと可愛い子供のコーラスとエレクトロニカがゴッタ煮となったポップナンバー。この節操のないカンジこそミクスチャーロックの真骨頂だと思いマス。

「Music Plus 1」
うって変わってバリバリのUKハウスチューン。前作の人気曲「Brimful Of Asha」のNorman Cook Remixもかなり話題となったので、そのあたりを意識したのかもね。

「Lessons Learned From Rocky I to Rocky III」
ハウスチューンの次にまたまた節操もなく、70年代前半のRolling Stonesあたりに憧れているようなスワンプなギターロック。タイトルもいかがわしさが漂ってイイっす。

「Motion the 11」
超限定でシングルも出されたとってもダビーなUKらしいレゲエ・ナンバー。

「People Power」
僕の一番のお気に入り曲。B級ディスコ・サウンド炸裂のナンバー。このあたりのかなり計算されたチープさに彼らのしたたかさをカンジます。

「Sounds Super Recordings」
アルバムで唯一モロにインドっぽい曲。まぁ、1曲くらいはこのパターンで入れておかないとねぇ。

「London Radar」
都会的なエレクトロニカ・サウンド。お行儀良くスマートでクールな仕上がりデス。

「Spectral Mornings」
OasisのNoel Gallagher参加で話題となった14分超の大作。基本的にはインド音楽とロックのミクスチャーなんだけど、よりパーカッシブかつスワンプテイストな点が従来と異なる印象を受けるナンバー。冗長な印象を全く受けないとてもスリリングな展開デス。

なんかスパイシーなタンドリーチキンが食べたくなってきた(´¬`*)
posted by ez at 01:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする