発表年:1977年
ez的ジャンル:P-Funk絶頂期
気分は... :Bop Gunでファンクを救え!(☆_☆)
George Clinton総帥率いるP-Funkの登場っす。
ご存知の通り、George Clintonは、FunkadelicとParliamentという実質的には同じ2つのグループの活動を巧み使い分けながらP-Funkの活動を推し進めた。彼らの影響力は、今日のR&B/Hip-Hopアーティスト等の彼らへのリスペクトを見ても明らかっす。
同時期に大活躍していたEarth,Wind & Fireと比較すると、EW&Fが黒人のみならず幅広い人気を得ていたのに対して、P-Funk軍団は黒人コミュニティのみから絶大な支持を得ていまシタ。彼らの音楽、ステージ、奇人変人集団のような超濃厚キャラ等がいかにアクの強いものであったかを示す現象ですよね。
ちなみにP-Funkという言葉は、Parliamentの歴史的名盤『Mothership Connection』のオープニングナンバー「P. Funk (Wants To Get Funked Up)」で初めて登場した。Parliament−Funkadelic の略、Pure Funkの略などの諸説がありマス。
FunkadelicとParliamentという2つのグループについて簡単に説明すれば、Funkadelicは「ファンク+サイケデリック」というグループ名の由来が示す通り、ギターサウンドを押し出したロック的アプローチの強いグループであり、ノリ一発!でみたいな魅力を感じる。一方のParliamentは、ファンクオペラとも呼ぶるSF仕立ての壮大なストーリーを音楽で表現するかなり計算されたコンセプチャルなグループである。
そんなFunkadelic/Parliamentの中で僕が最も好きなアルバムがParliament『Funkentelechy Vs. The Placebo Syndrome』。Parliamentの7thアルバムであり、サンプリングネタとして使われまくりの超クラシック「Flash Light」が収録されていマス。
このアルバムも一連のSFストーリーに基づくものである。ファンク感覚を麻痺させる凶器スヌーズガンを操る怪人Sir Nose D'voidffunkと対決するため、ファンクの伝道師Dr.FunkensteinがファンクパワーをアップするBop Gunを持ったスターチャイルドを送り込むというスターウォーズも真っ青(?)の壮大なストーリーっす。
全曲を紹介しときやす。
「Bop Gun (Endangered Species)」
「Flash Light」と並ぶ名曲。ファンクパワーをアップする武器Bop Gunそのままのスケールの大きいファンクナンバー。Digital Underground「The Humpty Dance」、Ice Cube「A Bird in the Hand」、「Endangered Species」「Jackin' for Beats」、Redman「So Ruff」、「The Funk」、Stereo MCs「Whatcha Gonna Do?」等の元ネタ。
「Sir Nose d'Voidoffunk(Pay Attention-B3M)」
怪人Sir Nose D'voidffunkをタイトルにしたナンバー。とってもSFチックでいかがわしさプンプンのナンバー。Aaliyah Featuirng DMX「Come Back in One Piece」、Black Sheep「Have U.N.E. Pull?」、EPMD「Play the Next Man」、Ice Cube「Gangsta's Fairy Tale 2」、「It Was a Good Day」、「Steady Mobbin'」等の元ネタ。
「Wizard of Finance」
Bernie Worrellの変態キーボードはチラッと聴けるけど、P-Funkにしてはかなりオーソドックスなスロー。
「Funkentelechy」
「Flash Light」と同じ位お気に入りのナンバー。Parliamentならではの緻密なアレンジを堪能できるメチャメチャカッチョ良い曲っす。Digital Underground 「Hip-Hop Doll」、「Shake and Bake」、Dr. Dre「Dre Day」、Ice Cube「Doin' Dumb Shit」、Schoolly D 「Where'd You Get That Funk From?」等の元ネタ。
「Placebo Syndrome」
偽薬症候群のタイトルの通り、甘ったるい女性コーラスが怪しい香りを漂わせていマス。
「Flash Light」
説明不要の名曲。ベタだけどやっぱりP-Funkでこの曲が一番スキだな。思わず♪Ha-da-da-dee-da-ha-da-ha-da-da-da♪と口ずさんじゃうもんね。同時に♪Everybody's got a little light under the sun♪といった歌詞からもわかるように、黒人コミュニティからの強烈なメッセージ・ソングである点も忘れてちゃいけいよね。
この曲はP-Funkで一番サンプリングされている曲だと思いマス。主なところで、Brand Nubian「Wake Up (Reprise in the Sunshine)」、De la Soul「Shwingalokate」、Digital Underground「Doowutchyalike」、「Rhymin' on the Funk」、「Sons of the P」、「Danger Zone」、Dynas「Spittin」、Erick Sermon「The Ill Shit」、Genius「True Fresh MC」、Ice Cube「Man's Best Friend」、「The Wrong Nigga to Fuck Wit」、Ice T 「Home Invasion」、Jungle Brothers「Sunshine」、Keith Murray「East Left」、Kool G Rap「Operation CB」、Masta Ace「Jeep Ass Niggah」、Public Enemy「Anti-Nigger Machine」、「Night Train」、Redman「Rockafella」、「So Ruff」、Run-DMC「Back from Hell」、Salt-N-Pepa「I'll Take Your Man」、Snoop Dogg「W. Balls」、2pac「Let them Thangs Go」等
上記以外にGeneral Kaneによるカバーが大スキっす。ちなみにこのカバー曲収録のアルバム『Wide Open』はP-Funk好きの方にはオススメです。CD化されていないので残念でなりませんが...
本アルバム以外ならば、Parliamentの『Mothership Connection』(1976年)、『Live: P-Funk Earth Tour』(1977年)、Funkadelic『One Nation Under A Groove』(1978年)、『Uncle Jam Wants You』(1979年)あたりがお気に入りっす。