2006年01月06日

The Jon Spencer Blues Explosion『Orange』

ハードコア・パンクがブルースと化学反応して大爆発☆The Jon Spencer Blues Explosion『Orange』♪
Orange
発表年:1994年
ez的ジャンル:ブルース系ハードコア・パンク
気分は... :アドレナリン出しまくり!

僕は洋楽に比べて邦楽のCDを聴くことが極端に少ない。
そんな僕が昨年最も聴いた邦楽アルバムはRosso『Dirty Karat』だ。Rossoは、元ミッシェル・ガン・エレファントのチバユウスケと元ブランキー・ジェット・シティの照井利幸とが中心となって結成されたユニット。

元々ミッシェル・ガン・エレファントがお気に入りだったが、よりハードかつスリリングなロック剥き出しサウンドのRossoを聴き、久々にRockらしいRockに出会えた興奮を覚えた。特にシングルにもなった「アウトサイダー」、「1000のタンバリン」の2曲には完全にノックアウトされたねぇ。

そして、Rossoにハマるうちに一緒に聴きたくなったのがThe Jon Spencer Blues Explosion(JSBX)っす。JSBXは、ハードコア・パンクバンドPussy Galoreで活動していたJon Spencer(g,vo,theremin)が、NYアンダーグラウンドの名物バンドHoneymoon Killersで活動していたJudah Bauer(g)、Russell Simins(ds)と出会い1992年に結成したグループである。バンド名の通り、ハードコア・パンクがブルースと化学反応して大爆発したようなハイテンション・サウンドだ。

彼らの作品の中でも、ブレイクするきっかけとなった本作『Orange』(1994年)が一番のお気に入りかな。僕が最初に聴いた彼らのアルバムもコレだし、かなりのインパクトがあったよねぇ。

年末に投稿した「ezが選ぶ2005年の10枚」のCDリストを眺めておわかりの通り、今の僕の音楽ライフの中心はRockではない。でも、RossoやJSBXを聴くと、やっぱりRockってカッチョ良いと再認識できるし、たまには男臭いRockでアドレナリンを出しまくらない健康に良くない(?)気がするっす!

オススメ曲を紹介しときやす。

「Bellbottoms」
やっぱりJSBXと言えばこの曲でしょ!ファンの間でも最も人気が高いと思われる曲。ストリングスを導入して仰々しい前半から、一転パンキーに疾走する後半へ突入。この後半のグイグイと引き込まれるスリリングなドライブ感こそが彼らの真骨頂でしょ!

「Ditch」
ブルージーなロックナンバー。彼らのアーシーな側面がよくわかりマス。

「Dang」
「Bellbottoms」と並んで僕のお気に入りのハイテンション・ナンバー。アドレナリンが出やすい曲っす。

「Very Rare」
アーシー・ミニマルとでも呼びたくなるインスト曲。ハイテンションな曲続きでちょっと小ブレイクってカンジだね。何かとっても気になるナンバー。

「Sweat」
アルバム中一番ブルースらしいナンバーかな。ジンワリと汗がにじんでくるカンジっす。

「Dissect」
とってもゴキゲンなカンジがカッチョ良いナンバー。

「Full Grown」
ジャケットにも描かれているテルミン(theremin)を駆使した実験的なナンバー。

「Flavor」
この年デビューアルバム『Mellow Gold』を発表しているBeckが参加しているナンバー。このあたりにもExplosionしようとしている彼らの姿勢を窺えるのでは?

ちなみにテルミン(theremin)とは、楽器に直接触れずに演奏できる世界最古の電子楽器です。Led Zeppelinなんかも使ってましたよね!

JSBXの他の作品では、『Acme』(1998年)、『Plastic Fang』(2002年)あたりが僕のお気に入りデス。
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2006年01月05日

Martha Reeves & The Vandellas『Ultimate Collection』

Supremesと並ぶモータウンを代表するガールグループ☆Martha Reeves & The Vandellas『Ultimate Collection』
Ultimate Collection
発売年:1998年
ez的ジャンル:60年代モータウン☆ガールグループ
気分は... :やっぱりHeat Waveでしょ!

1960年代のモータウンのガールグループと言えば、多くの人がDiana Ross & the Supremesを思い浮かべるであろう。「Where Did Our Love Go」、「Stop! In The Name Of Love」、「Back In My Arms Again」、「I Hear A Symphony」、「You Can't Hurry Love 」、「You Keep Me Hangin' On」等々数え切れないNo1ヒットを持つ彼女達こそモータウンを代表するガールグループであることに間違いない。

でも、個人的にはSupremes以上に思い入れがあるのはMartha Reeves & The Vandellasだ。思い入れの殆どは彼女達の代表曲「(Love Is Like A) Heat Wave」なんだけどねぇ。勿論僕の「Heat Wave」好きのきっかけは、The WhoThe Jamのカバーを通じてのものデ〜ス。モッズ系バンドからモータウンを聴き始めた人は、僕と同じで“SupremesよりもVandellasだよねぇ!”ってパターンじゃありません?

Martha Reeves & The Vandellasは、Martha Reevesを中心に結成された3人組であり、1962年にデビューして1972年に解散した。この間チャート入りしたヒット曲はポップチャート23曲、R&Bチャート24曲であり、Supremesに次ぐ成功を収めたガールグループと言えると思いマス。

Martha Reeves & The Vandellasを語る時に忘れてはいけないのが、無敵のソングライティング・トリオH-D-Hだ。H-D-Hは、Brian Holland、Lamont Dozier、Edward Holland,Jr.の3人の頭文字をとったものであり、Vandellas以外にもSupremes、Miracles、Four Tops、Temptations等モータウンの看板グループの代表曲を数多く手掛けた。

H-D-Hが手掛けたグループの中でも、彼らのビート感溢れるダンサンブルな楽曲を最もストレートに表現したグループがVandellasだと思いマス。Vandellasの成功を受けたH-D-Hが、Vandellas以上にもっとポップテイストを増量してポップチャートへ送り込み、大成功を収めたのがSupremesってカンジでしょうか?

その意味でVandellasをSupremesと比較すると、ポップテイストがやや薄めで、よりR&Bテイストが濃いってカンジだと思います。このあたりは両グループのリードボーカリストの特性もあると思うよね。VandellasのMartha Reevesのパンチ力十分の声は、ストレートなR&Bサウンドに向いているのに対し、Diana Rossのチャーミングなボーカルはよりポップ色が強い楽曲が向いているしね!

彼女達のベスト盤は数多く出ていますが、基本的にはオススメ曲が網羅されているベスト盤ならば、どの盤でも大差はないと思いヤス。今回は1998年に出た『Ultimate Collection』を挙げておきマス。

オススメ曲を紹介しときやす。

「(Love Is Like A) Heat Wave」
前述の彼女達の地位を不動のものにした1963年の大ヒット曲。もちろん、H-D-Hの作品デス。自然に手拍子と共に踊りたくなる文句ナシのカッチョ良いソング!前述のWho、Jamのカバーが有名ですが、他にも数多くのアーティストがカバーしてヤス。Who、Jam以外ならばLinda Ronstadtのバージョンなんかもイイっす。

「Dancing In The Street」
「Heat Wave」と並ぶ彼女達の代表曲であり、1964年ポップチャートで彼女達の最高位2位を記録した。この時代にこのウネるグルーヴ感とは脱帽っす。ただし、これはH-D-H作品ではありません。この曲もカバーがやたら多い曲だよね。全部挙げると数十アーティストぐらいあるはずでは?有名どころでは、Ramsey Lewis、The Mamas & the Papas、Kinks、Laura Nyro、Van Halen、Mick Jagger & David Bowieあたりかな。個人的には、Kinksのバージョンがお気に入りっす。

「Jimmy Mack」
H-D-H作品による1967年のR&BチャートNo1ヒット。「(Love Is Like A) Heat Wave」、「Dancing In The Street」あたりと比較すると、パンチ抑え目で、よりライト感覚なナンバーっす。Laura Nyro、Sheena Eastonあたりのカバーが有名デス。

「Quicksand」
「Live Wire」
「In My Lonely Room」
いずれも1963年または1964年のH-D-H作品によるヒット曲っす。「Heat Wave」と同タイプのビート感溢れるダンスナンバー。

「Wild One」
「Nowhere To Run」
こちらは「Dancing In The Street」タイプの2曲。特に「Nowhere To Run」はポップ、R&Bチャート共にTop10入りした代表曲の1つデス。

「My Baby Loves Me」
1966年にR&Bチャート3位となったメロウナンバー。ダンスナンバーばかりではなく、スローな曲でもMarthaの声は魅力的デス。

「I'm Ready For Love」
H-D-H作品によるポップ9位、R&B2位となった1966年の大ヒットナンバー。笑っちゃうほど同年のSupremesのNo1ヒット「You Can't Hurry Love」にそっくり。勿論こちらもH-D-H作品...同じネタの使い回しってやつですか?でも、どちらもいい曲だからまぁいいっか!

「I Can't Dance To That Music, You're Playin'」
1968年のスマッシュヒット。既にグループのピークは過ぎ下降気味の時期の曲だけど、隠れた名曲だと思いマス。自分でマイ・モータウン・ベストを編集する時には必ずセレクトする曲デス。

改めて思うけど、やっぱり60年代のモータウンは反則技ぐらい凄すぎるね!
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2006年01月04日

The Blow Monkeys『She Was Only A Grocer's Daughter』

意外とマニアックなUKブルーアイド・ソウルの傑作☆The Blow Monkeys『She Was Only A Grocer's Daughter』
She Was Only a Grocer's Daughter
発表年:1987年
ez的ジャンル:ソウルマニア系ブルーアイド・ソウル
気分は... :食わず嫌いせずに!

僕はおしるこ、ゆであずきが大好物デス。
実は今もおしるこを食べながら、この記事を投稿してやす(^〜^*)

でも、高校生までは和菓子系はすべて苦手だったというか、拒絶していた。それが大学時代に甘味喫茶のカウンターでバイトをしていてたら、知らぬ間に大の甘党に変貌...要は食わず嫌いだったんですな。

同じように音楽でも、食わず嫌いというか聴かず嫌いってありますよねぇ。
僕の場合、アイドル系や大ヒット系の音楽にその傾向がありマス。

Blow Monkeysもそんなグループの1つだった。
学生時代にBlow Monkeys大スキの知人がいた。でも当時の僕はBlow Monkeysをビジュアル系アイドル・ロックグループと勘違いしていたので、かなり及び腰だった。

ある時、その知人にプレゼントしてもらった音楽テープに彼らのヒット曲「Digging Your Scene」が入っていた。そして、聴いてみたらビックリ!“なんだ、ロックじゃなくてR&B/ソウルなんじゃん!しかも、スタイリッシュだし...”というのが第一印象だったかなぁ。そんな直後に購入したのが彼らの3rdアルバム『She Was Only A Grocer's Daughter』だった。

Blow Monkeysは、リーダーのDr.Robertを中心にしたグループだ。Dr.Robertはジャケでおわかりの通り、いわゆるイケメン系だ。一方で彼はソウル系レコード・コレクターとして有名であり、そんなマニアックなR&B/ソウル好きが作るブルーアイド・ソウルだからこそ、Blow Monkeysには意外に根強いファンが多いのだと思いマス。

ちなみにアルバムタイトルの『She Was Only A Grocer's Daughter(雑貨屋の娘のくせに)』とは、当時のサッチャー英国首相を皮肉ったものデス(- -;

オススメ曲を紹介しときやす。

「It Doesn't Have to Be This Way」
「Digging Your Scene」と並ぶ彼らの代表曲と呼べるメロウ&ダンサブルなナンバー。イントロのギターカッティングのカッチョ良さ、Dr.Robertのセクシーなボーカル、分厚い女性コーラス、ホーン&ストリングスのゴージャスさ...僕にとってまさに完璧な曲デス。この1曲のみでも聴く価値アリです。

「Some Kind of Wonderful」
60年代、70年代のソウルグループを80年代に甦らせたような曲。途中のホーンセクションのアレンジなどは、Style Councilの超名曲「My Ever Changing Moods」あたりにも通じるものがありマス。

「Out With Her」
シングルにもなったメロウ&スウィートな胸キュンナンバー。切なく、甘酸っぱい雰囲気がグッドっす。

「Man at the End of His Tether」
シニカルな歌詞とファンキーなサウンドのギャップが面白い曲。何だか続けて、Kool & the Gang「Celebration」を聴きたくなるカンジっす。

「Rise Above」
一転して、T.RexやDavid Bowieあたりのグラムロックを意識したような曲。今度はBowie「Heroes」あたりを続けて聴きたい気分かな。

「Day After You」
なんとCurtis Mayfield参加の曲。ホント『Superfly』あたりのCurtisを80年代風に再構築したカンジの音っす。アルバム未収録だけど、シングルバージョンはもっとモロCurtis風になってマス。

「Checking Out」
70年代ソウルと80年代シンセポップがうまく融合したナンバー。ワウワウギターと打ち込みシンセの組み合わせが何かイイっす。

「Don't Give It Up」
当時のエレクトリックファンクやGo-Goあたりを意識したナンバー。アルバムの中では少し異色だけど、これはこれで悪くないっす。

R&B/ソウル好き、UKポップ好き、フリーソウル好き等々...未聴の方はぜひお試し下さい。案外美味ですよd=(^ ^)
posted by ez at 00:24| Comment(4) | TrackBack(1) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月03日

Time Machine『Slow Your Roll』

メロウなサウンド・コラージュ満載のHip-Hop☆Time Machine『Slow Your Roll』
Slow Your Roll
発表年:2004年
ez的ジャンル:メロウ&ジャジー系Hip-Hop
気分は... :気持ち良すぎて夢の世界へ...

年末から年始にかけて、Lightheaded『Wrong Way』Othello『Elevator Music』をよく聴いている。朝から晩まで酒を飲み、一日中ホロ酔い気分状態で、これらのメロウ&ジャジーなHip-Hopを聴くと気持ち良すぎて、瞬く間に夢の世界へと誘ってくれる。

そんな流れで『Wrong Way』、『Elevator Music』と一緒に聴いているのがTime Machine『Slow Your Roll』デス。『Slow Your Roll』は、僕が一昨年(2004年)に最もハマったHip-Hopアルバムっす。

Time Machineは、Comel、Jaysonicの3人で1999年にワシントンD.C.で結成されたグループ。「Reststop Sweetheart」、「Personal Ads」、「Night Lights」とHip-Hopファンを唸らせたシングル3枚に続き、満を持して発売された1stアルバムが『Slow Your Roll』っす。3枚のシングルは勿論のこと、それ以外にもメロウ&ジャジー系Hip-Hopファンは大満足のアルバムっす。

メロウネスてんこ盛りトラック&心地よく響くラップ&キャッチーなフックの絶妙コンビネーションは、まさにスープ&麺&具材すべてが完璧なラーメンに出会ったような感動!A Tribe Called Questあたりが好きな人は絶対に気に入るアルバムだと思いマス。ちなみにTime Machineというグループ名には、彼らを育てたオールドスクールなHip-Hopへのリスペクトの意味も含まれているそうデス。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Time's Fly」
時計の秒針音と共に始まるオープニング・ナンバー。聴いた瞬間にすぐにATCQ『Midnight Marauders』の世界とオーバーラップしたね!ウ〜ン気持ちよすぎるっ( ̄¬ ̄)Jeff Beck「Come Dancing」ネタ。

「Reststop Sweetheart」
シングルにもなったアルバムのハイライト曲。パーカッシブなリズムとフェンダーの音色だけで僕の心はまさにスウィートハートです。こんな休憩所(Reststop)ならば、いつまでもイマ〜ス!Cal Tjader「Walk on By」、Nat Adderley「 Make Your Own Temple」ネタ。

「Personal Ads」
「Reststop Sweetheart」と並ぶハイライト曲であり、僕の一番のお気に入りデス。まさに“メロウなHip-Hop”という表現がピッタリのナンバーです。この曲を肴に焼酎ボトル1本は軽くいけそうデス。George Duke「You And Me」ネタ。

「Stoerokinit」
優雅なピアノのループが印象的なナンバー。彼らの美学を堪能できる曲デス。

「Night Lights」
これも先行シングル曲。まさに夜にピッタリなクールでジャジーなトラックがサイコー。

「Water In Your Cereal」
ただただ美しく切ないカンジがたまらないインスト曲。

「@$$hole」
2005年に佳作2nd『Beauty And The Beat』を発表した白人ラッパーEdanをフィーチャーしたナンバー。

「Thinking About You」
女性ボーカルのループがイイカンジのメランコリックなナンバー。

「The Way Things Are」
これまた女性ボーカルがとってもキャッチーなナンバー。シングル3曲以外ならば、この曲が一番スキですっ!Evelyn "Champagne" King「Show Is Over」ネタ。

Light Headed『Wrong Way』、Othello『Elevator Music』も近々紹介しますねっ!
posted by ez at 01:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月02日

Miles Davis『On The Corner』

帝王Milesは70年代初めに既にHip-Hop登場を予見していた!Miles Davis『On The Corner』
Blu-spec CD オン・ザ・コーナー
発表年:1972年
ez的ジャンル:エレクトリック・マイルスによるファンク
気分は... :カオスじゃ〜!

今日から通常のCD紹介に戻りマ〜ス。
2006年1発目はジャズの帝王Miles Davis(1926年〜1991年)っす。

意外と思われるかもしれないけど、僕が最も多くCDを持っているアーティストはダントツでMiles Davis(tp)だ。正確に数えたことはないけど、多分50枚前後は持っていると思いマス。

でも、Milesのアルバムって150枚以上あるから、本当のコアなファンから見れば、50枚程度でMilesを語るなんて、まだまだ修行が足りないってカンジなんでしょうね。ゴメンちゃい!

まだMilesを聴いたことがない人のために、Milesの歴史をざっと説明すると...

1949年『Birth Of The Cool』を発表して以来、クール・ジャズ、ハード・バップ、モード・ジャズと1950年代、1960年代のモダン・ジャズの道を切り開いた。そして、1960年代後半からエレクトリック楽器を導入したエレクトリック・マイルス時代に突入し、クロスオーバー/フュージョンへの扉を開けると同時に、ジャズとファンク、ロックとの融合を示し、1975年に突如引退。そして、1981年のカムバック後は、Hip-Hopなども取り込み最先端ブラック・ミュージックへのアプローチを続けた。そして1991年に永眠。

というカンジっす。まぁ、彼ほどほど長きに渡り、かつ広範な影響力を持ったアーティストはいないと思うし、これからも出てこないとをご理解頂ければと思いマス。

『On The Corner』は、エレクトリック・マイルス時代のアルバムであり、この時期の作品中、最もファンクネスに溢れる作品だと思いマス。ジャケットからしてJazzじゃなくてR&B/Funkだしね〜。発売当時はかなりの問題作として扱われてしたらしいっす。

多分このアルバムがお気に入りの人って、ジャズファンよりもR&Bファンの人の方が圧倒的に多いハズだし、DJ必聴アルバムとしても有名っす!Hip-Hopの登場を予見していたようなアルバムだもんね。その意味で、R&B/Hip好きの方にはマッチするアルバムだと思いマス。でも、“なんじゃ、こりゃ〜”と叫びたくなる、この衝撃を受け止めるには、覚悟して聴いた方がイイっすよ。

メンバーは、Herbie Hancock、Chick Corea、John McLoughlin、Michael Henderson、Jack DeJohnette、James Mutume等お馴染みの顔ぶれっす。

全曲紹介しときやす。

「On The Corner〜New York Girl〜Thinkin' One Thing And Doin' Another〜Vote For Miles」
唐突に、重く複雑なファンクビートでスタートする。Jimi Hendrix『Band Of Gypsys』のウネリ、Sly & The Family Stone『Stand!』のヤバさ、Curtis Mayfield『Superfly』のスリリングさを合わせたような、この不穏なムードは一体何だろうね。ワウワウを使ったMilesのトランペットがその雰囲気を一層助長するっす。

「Black Satin」
「One And One」
「Helen Butte 〜Mr.Freedom X」
後半の3曲は、実際には1つの曲を無理やり3つに分けて、便宜上曲名をつけているようなものなのでご注意を!
1つのリズムパターンを延々に反復する中で、タブラ、シタールも含めて覚醒的でファンキーなリズムの洪水が押し寄せてきマス。ジャズ、ファンク、ロック、ラテン音楽、インド音楽、アフリカ音楽などあらゆる音楽を飲み込むカオス的な音世界を聴いて、体中に衝撃が突き抜けた記憶がありマス。

改めて、イノベーターとしてのMilesの先見性に驚くばかりデス。

エレクトリック・マイルス時代のアルバムはどれも盲目的に好きなんだけど、本作以外では『In A Silent Way』『Bitches Brew』『At Fillmore』『Get Up With It』『Dark Magus』あたりを特によく聴きマス。

Milesの場合、エレクトリック・マイルス時代以外にもマストアイテムだらけなので、そちらも未聴の方はぜひぜひどうぞ!
posted by ez at 00:07| Comment(2) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする