発表年:1972年
ez的ジャンル:エレクトリック・マイルスによるファンク
気分は... :カオスじゃ〜!
今日から通常のCD紹介に戻りマ〜ス。
2006年1発目はジャズの帝王Miles Davis(1926年〜1991年)っす。
意外と思われるかもしれないけど、僕が最も多くCDを持っているアーティストはダントツでMiles Davis(tp)だ。正確に数えたことはないけど、多分50枚前後は持っていると思いマス。
でも、Milesのアルバムって150枚以上あるから、本当のコアなファンから見れば、50枚程度でMilesを語るなんて、まだまだ修行が足りないってカンジなんでしょうね。ゴメンちゃい!
まだMilesを聴いたことがない人のために、Milesの歴史をざっと説明すると...
1949年『Birth Of The Cool』を発表して以来、クール・ジャズ、ハード・バップ、モード・ジャズと1950年代、1960年代のモダン・ジャズの道を切り開いた。そして、1960年代後半からエレクトリック楽器を導入したエレクトリック・マイルス時代に突入し、クロスオーバー/フュージョンへの扉を開けると同時に、ジャズとファンク、ロックとの融合を示し、1975年に突如引退。そして、1981年のカムバック後は、Hip-Hopなども取り込み最先端ブラック・ミュージックへのアプローチを続けた。そして1991年に永眠。
というカンジっす。まぁ、彼ほどほど長きに渡り、かつ広範な影響力を持ったアーティストはいないと思うし、これからも出てこないとをご理解頂ければと思いマス。
『On The Corner』は、エレクトリック・マイルス時代のアルバムであり、この時期の作品中、最もファンクネスに溢れる作品だと思いマス。ジャケットからしてJazzじゃなくてR&B/Funkだしね〜。発売当時はかなりの問題作として扱われてしたらしいっす。
多分このアルバムがお気に入りの人って、ジャズファンよりもR&Bファンの人の方が圧倒的に多いハズだし、DJ必聴アルバムとしても有名っす!Hip-Hopの登場を予見していたようなアルバムだもんね。その意味で、R&B/Hip好きの方にはマッチするアルバムだと思いマス。でも、“なんじゃ、こりゃ〜”と叫びたくなる、この衝撃を受け止めるには、覚悟して聴いた方がイイっすよ。
メンバーは、Herbie Hancock、Chick Corea、John McLoughlin、Michael Henderson、Jack DeJohnette、James Mutume等お馴染みの顔ぶれっす。
全曲紹介しときやす。
「On The Corner〜New York Girl〜Thinkin' One Thing And Doin' Another〜Vote For Miles」
唐突に、重く複雑なファンクビートでスタートする。Jimi Hendrix『Band Of Gypsys』のウネリ、Sly & The Family Stone『Stand!』のヤバさ、Curtis Mayfield『Superfly』のスリリングさを合わせたような、この不穏なムードは一体何だろうね。ワウワウを使ったMilesのトランペットがその雰囲気を一層助長するっす。
「Black Satin」
「One And One」
「Helen Butte 〜Mr.Freedom X」
後半の3曲は、実際には1つの曲を無理やり3つに分けて、便宜上曲名をつけているようなものなのでご注意を!
1つのリズムパターンを延々に反復する中で、タブラ、シタールも含めて覚醒的でファンキーなリズムの洪水が押し寄せてきマス。ジャズ、ファンク、ロック、ラテン音楽、インド音楽、アフリカ音楽などあらゆる音楽を飲み込むカオス的な音世界を聴いて、体中に衝撃が突き抜けた記憶がありマス。
改めて、イノベーターとしてのMilesの先見性に驚くばかりデス。
エレクトリック・マイルス時代のアルバムはどれも盲目的に好きなんだけど、本作以外では『In A Silent Way』、『Bitches Brew』、『At Fillmore』、『Get Up With It』、『Dark Magus』あたりを特によく聴きマス。
Milesの場合、エレクトリック・マイルス時代以外にもマストアイテムだらけなので、そちらも未聴の方はぜひぜひどうぞ!