発表年:1966年
ez的ジャンル:元祖アヴァンギャルド・ロック
気分は... :未だにようわからん...
ロック界の奇人Frank Zappaが亡くなってから、もう10年以上が経過しているんだね。
1966年にThe Mothers Of Inventionを率いて今回紹介する『Freak Out!』は発表してから1993年にガンで亡くなるまで、Frank Zappaという人はアヴァンギャルドな姿勢を貫いた筋金入りのミュージシャンだったのだと思う。ヒットチャートとは無縁な中で、これだけ多くの熱狂的な支持を集めた人はいないんじゃないかな。
と偉そうに言うほど僕はZappaについて詳しくないし、正直アルバムも片手で数えられる程度にしか持っていないんだけどねぇ。実は、意識してZappaを少し遠ざけている面もありマス。だって、Zappaにハマって彼の作品を集めはじめたら、JazzにおけるMiles Davisのコレクションと同じで、あまりに枚数が多くて際限なくなるからね。
そんなZappa作品の中で、今でもたまに聴くのが衝撃のデビューアルバム『Freak Out!』っす。このアルバムはLP2枚組で発売されたんだけれど、1966年当時で2枚組みアルバムって少なかったんじゃないかなぁ?他に思い浮かぶアルバムって、Bob Dylanの名作『Blonde on Blonde』(1966年)ぐらいしかないなぁ。しかも、デビューアルバムだからねぇ!
20年近く聴いているんだけど、未だにこのアルバムってわけがわからない。アヴァンギャルドなんだけどポップ...なんだけど毒っ気タップリ...よう分からん...だからもう1回聴いてみよう♪コレがこのアルバムにハマるパターンだと思います。
まさにフリーク・アウト状態になるアルバムっす。
全曲紹介しときやす。
「Hungry Freaks, Daddy」
アメリカの中産階級的価値観への痛烈な批判を、皮肉っぽく歌うロック・ナンバー。ロックなギターとジャジーなバイブの組み合わせが面白い。
「I Ain't Got No Heart」
意外とポップなロック・ナンバーなんだけど、やっぱりどこか人を喰ってるところがあるんだなぁ。
「Who Are The Brain Police?」
静かな前半から一転激しくフリーキーな展開となり、最後はサイケな世界へ突入...とにかくヤバイぞ〜!
「Go Cry On Somebody Else's Shoulder」
ここではなんとドゥーアップを披露☆でも全然スウィートじゃなく、“オメエなんて、いらねぇんだよ”と毒々しい歌詞を平然と歌っていマス。
「Motherly Love」
結構Doorsっぽいナンバー。正確にはDoorsのデビューはこの後なんだけどねぇ。
「How Could I Be Such A Fool」
ポップ・オペラ風のナンバー。この数年後The Whoを初めとするロック・アーティストがロック・オペラに取り組むが、そういった着想を先取りしていたZappaは、やはりタダ者ではないかもね。
「Wowie Zowie」
「You Didn't Try To Call Me」
「Any Way The Wind Blows」
かなりわざとらしいティーン・エイジャー向けのポップソング3曲。あまりのポップさにかなり笑えマス。
「I'm Not Satisfied」
フツーにカッチョ良いナンバーだと思うんだけど、ぞれじゃZappaの思うツボなんだろうね。
「You're Probably Wondering Why I'm Here」
これも少しオペラ風のお行儀の良いポップ・ナンバー。
「Trouble Every Day」
ここからラストまでの4曲がこのアルバムの聴きどころだと思いマス。僕がこのアルバムから離れられないのも、この最後の4曲があるからっす。
この曲はRolling Stonesの最高傑作『Beggars Banquet』(1968年)を2年先取りしているカンジのアーシーなナンバー。後半一気に加速する瞬間がメチャカッチョ良いっす!
なんかこのアルバムを聴いていると、悪ふざけがしたくなるねぇ。久々に馬鹿騒ぎしよ〜っと!