発表年:1975年
ez的ジャンル:スカイ・ハイ系レアグルーヴ
気分は... :スーパーボウルが楽しみっす!
いよいよ今日はスーパーボウル(アメフトのプロリーグNFLのチャンピオン決定戦)の日っす。なんか興奮気味で寝れません。
音楽好きには、オープニングやハーフタイムにAretha FranklinやRolling Stonesらが登場するのも楽しみっす。
にも関わらず、今回はスーパーボウルと全然関係なくDonald Byrd『Places and Spaces』デス。
ジャズ・ファンにとって、Donald Byrdは1950年代から活躍するファンキー・ジャズを代表するトランペッターという存在。一方、Hip-Hop/レア・グルーヴ/フリー・ソウル・ファンは、サンプリング・ネタや人気クラブ・チューンで数多く彼の名前を聞いているのではと思いマス。例えば、Guru『Jazzmatazz』のByrdなんて激シブでカッチョ良かったよね!
僕が最初に購入したDonald Byrdのアルバムは、ジャズを超えてブラック・ミュージックを意識した意欲作『A New Perspective』(1963年)だ。購入したきっかけは、、単に当時流行っていたHip-HopアルバムTone-Loc『Loc-ed After Dark』のジャケットのモチーフが『A New Perspective』だったというだけなんだけどね。
今回紹介する『Places and Spaces』は、クラブ系リスナーに大人気のSky High Productionにより制作されたアルバムです。Donald Byrdは、Sky High ProductionからLarry Mizellプロデュースで、『Black Byrd』(1972年)、『Street Lady』(1973年)、『Stepping Into Tomorrow』(1974年)、『Places and Spaces』(1975年)といった作品を残していマス。
『Places and Spaces』を含むSky Highでの諸作は、きっと1950年代、60年代のByrdを聴いてきたコアなジャズ・ファンからは、あまり評価されないものであろうと思いマス。その気持ちは何となくわかる気もするんだよね。個人的には、これらSky High作品はメチャ大好きですが、あまりジャズ・トランペッターDonald Byrdの作品とは思わず、プロデューサーLarry Mizellの作品だと思ってマス。
オススメ曲を紹介しときやす。
「Change (Makes You Wanna Hustle)」
Larry Mizellプロデュースらしい分厚いストリングスが印象的なレア・グルーヴ。多くの人が言うように、Earth,Wind & Fire好きの人にはピッタリのナンバー。DJ Jazzy Jeff & The Fresh Prince「A Touch Of Jazz」の元ネタ。
「Wind Parade」
女性コーラスがまさに風のパレードのような心地良いグルーヴ。Black Moon「Buck Em Down (Da Beatminerz Mix)」、2pac「Definition Of A Thug Nigga」 、Ludacris「Splash Waterfalls」等サンプリングネタとして有名な曲ですよね。
「(Fallin' Like) Dominoes」
説明不要のハイライト曲。この曲を聴けば、本アルバムが再評価されるのが即納得できるよね。Chuck RainyとHarvey Masonが生み出すグルーヴに絡むDonald Byrdのクールなトランペットと下手くそボーカルがイイ感じで、カッチョイイっす。
Ice Cube「I Wanna Kill Sam」、A.L.T.「Deez Nutz」等のサンプリングネタとしても有名ですよね。個人的は、大好きなStetsasonic「Talkin' All That Jazz」のDominoes Vocal Mixでのネタづかいがイイっす。また、Paul Wellerファンの方は『Live Wood』の「Remember How We Started」を聴きながらニヤッとしてしまいますよね。
「Places and Spaces」
モロにLarry Mizellなタイトル曲っす。Hip-Hop好きの方は、Pete Rock & C.L. Smoothの大人気チューン「All The Places」の元ネタと説明した方が手っ取り早いですよね。Smooth「Love Groove (Groove with You) 」もグッド!
「You and the Music」
Free Soulのコンピアルバムにも入っていた、少しMarvin Gayeな雰囲気の曲ですよね。
「Just My Imagination (Running Away With Me)」
The Temptationsの1971年の大ヒットのカヴァー。Rolling Stonesのカヴァーと共に大好きっす。
Sky High作品以外のアルバムでは、『Fuego』(1959年)、『A New Perspective』(1963年)、『Mustang』(1966年)、『Electric Byrd』(1970年)あたりが僕の愛聴盤デス。