
発表年:1997年
ez的ジャンル:美しく儚い系オルタナ・ロック
気分は... :寒い冬の朝に...
冬になると、ふと聴きたくなるアルバムそれがRadiohead『OK Computer』っす。
Rockファンにしてみれば、このアルバムは当たり前に90年代を代表するロック・クラシック・アルバムだよね。でも、僕のようなRockに冷めていた人間にとっても、このアルバムのインパクトは凄まじいものがありまシタ。
以前にPrimal Screamの記事投稿で書いたけど、僕は1991年のPrimal Scream『Screamadelica』以降、Rock離れがかなり進行してしまい、一部のアルバムを除けば、かなりRockへの興味が薄れていた。特にUKの場合、Oasis程度の(クソ)バンドがBeatlesの再来なんて言われている状況がかなり末期症状のように思えたなぁ!(Oasisファンの方ゴメンナサイ、一応Oasisのアルバムをキチンと聴いた上での私的感想なのでご勘弁を!)
そんな閉塞感の中、Rockへの希望を感じたのが『OK Computer』だった。このアルバム以前のRadioheadは、正直殆ど聴いたことがなく、興味も無かったんだけど、ふとしたキッカケで『OK Computer』収録の「No Surprises」を聴き、その時の僕の気分に見事シンクロしてしまい、久々にRockにハマってしまった。
当時の僕は、かなり自分に無理をしていた時期で、なんか人生にやたら焦りまくっていた状況だった。そんな時に、このアルバムを支配する美しいほど儚いサウンドとThom Yorkeの淡々とした叫びを聴いていると、いい意味で人生を冷めた目で見つめ直すことが出来た気がしたなぁ。
このアルバムを聴いていると、広い雪原の中を一人ポツンと立ちながら、自分の歩む方向を強い決意で眺めている気分になるんだよねぇ。
オススメ曲を紹介しときやす。
「Airbag」
このオープニング・ナンバーのヒンヤリ感でアルバム全体の雰囲気が伝わってくるよね。サウンド的には、90年代のUK音楽シーンを支配していたトリップ・ホップやエレクトロニカと自然に融合している点がスゴイっす。
「Paranoid Android」
アルバムからの1stシングルであり、Beatlesのホワイトアルバムやトリップ・ホップの代表グループPortisheadを連想させるサウンドが印象的な曲。この曲の歌詞のように“吐き気がするほど”展開力のある完成度の高いナンバーだと思いマス。
「Subterranean Homesick Alien」
幻想的なサウンドに目眩がしそうなトリップ・ナンバー。Pink Floyd『Dark Side of the Moon』あたりも思い出させるね!
「Exit Music (For A Film)」
ディカプリオ主演の映画『ロミオとジュリエット』のエンディング・ナンバーにもなった切ないアコースティック・ナンバー。
「Let Down」
僕のお気に入り曲の1つ。この美しさと儚さのバランス感がたまらないねぇ。特に後半のクールな高揚感(意味不明?)に胸が高まりマス。何故だかこの曲を聴いていると、ホット・レモンが飲みたくなるんだよねぇ〜ヘンかなぁ?
「Karma Police」
なんかやり場の無いどんづまり感が逆に心に響く曲。Thomの淡々としたボーカルがマッチしてます。
「No Surprises」
90年代Rockで僕の胸に最も響いた曲かもしれない!この曲に出会えたおかげで、当時の心の苛立ちや葛藤から解放された気分になったよね。このイントロを聴いただけで、静かなる闘志が湧いてくる!
「Lucky」
「The Tourist」
「No Surprises」の余韻が冷めぬ中、続くこの2曲の美しさにさらに陶酔しまくってしまいマス。このアルバム、特に「No Surprises」から続くこの3曲を聴いていると、人生のあらゆる事をあるがままに受け入れようという心境になってくるから不思議だ。「The Tourist」の“一丁上がり”ってカンジのチャイム音での終わり方もイイっす。
このアルバムにハマってから、遅まきながら『Pabro Honey』、『The Bends』も後追いで聴き、見事にハマりました。やっぱりこの3枚がいいですな。相変わらず、CDショップのRockコーナーで新譜を試聴することは殆ど無くなった僕だけど、1年に数回くらいは宝くじ気分でチャレンジしないとね!『OK Computer』のようなアルバムに出会えることを信じて...