2006年03月31日

Stevie Wonder『Songs In The Key Of Life』(Part2)

天才Stevie Wonderによる20世紀ポピュラー音楽の世界遺産(その2)☆『Songs In The Key Of Life』(Part2)
Songs in the Key of Life
発表年:1976年
ez的ジャンル:20世紀ポピュラー音楽の世界遺産
気分は... :まさに桜満開の音楽!

昨日に続き、Stevie Wonder『Songs In The Key Of Life』のPart2っす。

僕がこのアルバムを購入したのは、高校生になって間もない頃だったかなぁ?
このブログを書き始めて再認識したことだけど、やっぱり中学生や高校生の頃、おカネがなく年間購入できるレコードの数が限られている中で、吟味を重ね、迷いまくって購入したレコードって、確実に今でも自分の人生に大きく影響している。これぞSongs In The Key Of Lifeってカンジかな?

ホント、思春期にこうした素晴らしい音楽に出会うことができ、その影響で人格が形成され、それを40オヤジになった今でも忘れることなく、脈々と血管の中を循環しているってことが、僕の僕らしさの大きな部分を占めている。

そう言えば、レコード購入資金調達のために、育ち盛り食欲旺盛な時期に、昼飯を抜いて親から貰った昼飯代を貯めていた時期もあったなぁ。

当時は、今のようにインターネットも携帯もなく、レコード屋で試聴もできず、音楽に関する情報が限定されて、とっても不便な時代だった。だからこそ自分のカンだけを頼りに、宝探しのようにレコードを探す楽しみがあり、それが大当たりだった時の喜びも大きかったなぁ。まさに“音楽の園”だったねぇ。昼飯を犠牲にした甲斐があった\(^〇^)/

そんな時代に購入したレコードの中で、Stevieの作品は何か特殊だったね。僕がR&B/Soulという音楽ジャンルを意識して洋楽を聴くようになったのは、高校生になってからっす。当時、Marvin GayeEarth,Wind & Fire、Michael JacksonなどはR&B/ソウルって感覚で聴いていたけど、StevieだけはR&B/ソウルってカンジが全然無かった。RockでもR&B/SoulでもJazz/Fusionでもなく、白人音楽/黒人音楽でもなく、でもその全てを包含している音楽スタイルが、僕のmusic of my mindの中で、“Stevie Wonder”という独自の音楽ジャンルを形成していたように思いマス。

さて、今日紹介する『Songs In The Key Of Life』Disc2は、LPの2枚目(C面、D面)とEPの片面(F面)が収録されていマス。大ヒット曲は昨日紹介したDisc1に収録されているけど、このDisc2の方もオススメ。特に、「Ngiculela - Es Una Historia - I Am Singing」、「As」、「Another Star」の3曲が、僕のアルバムのお気に入りBest3っす。

全曲紹介しマス。

「Isn't She Lovely」
名曲の誉れ高い1曲。僕も「Sir Duke」とこの曲とだけは、レコードを購入する前から知っていた。なので、実際にはシングルカットされていないのに、ずっと全米No1級の大ヒットシングルだと思い込んでた。逆に「I Wish」が大ヒットシングルだと知ったのも、レコードを購入して数年後だったかも?

そんな関係で、アルバム購入してしばらくはこの曲がダントツで好きだったなぁ。後半のハーモニカ・ソロを口笛でよく真似していまシタ。学生の頃は「You Are the Sunshine of My Life」とこの曲がマイ・フェイバリットStevieでしたね!

ご存知の通り、この曲はStevieの可愛い娘Aishaの歌ったものだ。まさに究極の親バカ・ソング!でも、Stevieならばそれも許せちゃうよね。そんなAishaがStevie最新作で共演しているとは月日が経つのは早いものですね!

Milt Jackson and The Monty Alexander Trio、Victor Feldman、Studio Apartmentなどがカヴァーしていますね。

「Joy Inside My Tears」
壮大なスケール感に圧倒されるバラード。Greg Phillinganesがキーボードで参加。

「Black Man」
「All Day Sucker」
Stevieらしいファンク・ナンバー2曲。お決まりのパターンの展開なんだけど、わかっていても惹かれてしまう水戸黄門パターン(?)ですな。

「Ngiculela - Es Una Historia - I Am Singing」
アルバムのお気に入りBest3の1曲。タイトルの通りZulu、Spanish、Englishという3つの言語で歌われていマス。アフリカ−ラテン−アメリカを結ぶ、まさにこの時期のStevieらしい作品だと思いマス。初めて、この曲を聴いた時に、最初のZule語の部分がとても印象的だったね。多分、僕が聴いた最初のアフリカの言語の曲だと思う。勿論、それがZulu語だなんてことは全然知らなかったけど。

あとサウンドのエレガントさは、アルバム中でも傑出していると思うね。こんなに気品があって、かつ和めるサウンドはお見事の一言。

「If It's Magic」
Dorothy AshbyのハープとStevieのハーモニカだけのシンプルな演奏がとっても印象的な曲。Caetano Velosoがカヴァーしていますね!

「As」
アルバムのお気に入りBest3の1曲。Herbie Hancockが参加していマス。感動的で躍動感があって、かつオシャレなこの曲は今の僕のハートのど真ん中ってカンジっす。正直、昔はそれほど強烈に好きだったわけではないんだけど、年月を重ねるうちにジワジワこの曲の素晴らしさにハマったカンジですね。

Michael Bolton、Gene Harrisなどのカヴァーが存在しますが、一番有名なのはGeorge MichaelとデュエットしたMary J. Bligeですかね。僕もこのカヴァーでこの曲が一層好きになりまシタ。あと、個人的にはSister Sledgeのカヴァーがメチャカッチョ良いと思いマス。

「Another Star」
アルバムのハイライト曲の1つといえるラテン・ナンバー。George Bebson、Bobbi Humphreyといったジャズ/フュージョン系のミュージシャンが参加しています。

この曲もアルバムのお気に入りBest3の1曲っす。僕はStevieのラテン・テイストの作品には大抵ヤラれてしまうパターンですね。Stevieの場合、モロにラテンやってみました!じゃなくて、ちゃんとStevieらしさ残したラテン・ナンバーなのが好きですね。

また、この曲はアルバムの中で今日的に最も再評価されている曲かもしれませんね。確かに、このラテン・グルーヴは時代のニーズを先取りしていたカンジがしますよね。

Cedar Walton、Lill Babs、LaSo、Kathy Sledge、Nneena Freelon、Bossa Trez Jazz「Outro Lugar」、Green Legion Feat. Fogo「Another Star 2000 Remix」など数多くのカヴァーもありますね。僕的にはBossa Trez Jazzが、この曲のラテンなノリの良さを強調していてスキっす。

「Easy Goin' Evening (My Mama's Call) 」
F面ラストを飾るインスト。Stevieのハーモニカを堪能しながら、この名作の余韻を味わうことができマス。

2日間に渡って、『Songs In The Key Of Life』を紹介してきましたが、改めて超お気に入り曲のオンパレードに感心してしまいました。本作以外にも昨日挙げた5作品は全てミラクルですよ!でも、僕がその5作品から全20曲位のベストを編集したとしたら、半分以上はこのアルバムからセレクトしてしまうと思いマス。

明日からもう4月ですね。桜が散る前に花見に行かねば!
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2006年03月30日

Stevie Wonder『Songs In The Key Of Life』(Part1)

天才Stevie Wonderによる20世紀ポピュラー音楽の世界遺産(その1)☆『Songs In The Key Of Life』(Part1)
Songs in the Key of Life
発表年:1976年
ez的ジャンル:20世紀ポピュラー音楽の世界遺産
気分は... :祝200回\(^〇^)/ワ〜イ

僕の数え間違えでなければ、今回が記念すべき200回目の投稿になります。

何の目的、意図もなく開始した単なる趣味のブログですが、こうやって続けられているのが不思議っす。正直、今のスタイルだと結構ツライ日もあるんだけどねぇ。これもこんなブログにお付き合い頂ける皆様のおかげデス。ホント、感謝!感謝!っすm(_ _)mまぁ、これからも気張らずにマイペースでやりマ〜ス!

さて、200回目まで続いていたら、必ず紹介しようと決めていたのが、Stevie Wonder『Songs In The Key Of Life』(1976年)っす。

他のアーティストの紹介の中で、何度もStevieの名を使いながら、これまで未登場だったのは今回の記念投稿まで待っていたためっす。

正直、僕は熱烈なStevieファンという訳ではない。Stevieより好きなアーティストは大勢いるし、Stevieの作品よりも好きな作品は山ほどある。それでも、僕が持っている全コレクションの中で最も完璧な作品は、Stevie Wonder『Songs In The Key Of Life』だと断言できる。

正確には、『Music of My Mind』(1972年)から『Talking Book』(1972年)、『Innervisions』(1973年)、『Fufillingness's First Finale』(1974年)という所謂三部作を経て『Songs In The Key Of Life』(1976年)に至る5作品が完璧と言うべきかもね。ホント、この5タイトルはミラクルだと思うね。もう、お気付きかもしれませんが、本ブログのサブタイトル“music of my mind”はアルバム『Music of My Mind』からの引用デス。

個人的には、ロックの革命児Beatlesの諸作品と同じくらい、Stevieのこの5作品は20世紀ポピュラー音楽世界遺産級の宝だと思うね。70年代のStevieは凄すぎたよ〜☆☆☆ただし、80年代に入り、『In Square Circle』(1985年) 以降の低迷ぶりは正直残念でならないけどね。

ということで、Stevie絶頂期の集大成的作品『Songs In The Key Of Life』デス。

このCD2枚組の超大作を1度で紹介するには収まりきれないので、今日と明日の2回に分けて紹介します。今日はCDで言うDisc1っす。

オリジナルは、LP2枚組+EP1枚というとてつもないボリュームだった。今回、久々に押入れの奥の方からLPを引っ張りだしてみたけど、中の福田一郎さんのライナーノーツを取り出して見てみたら、文字の印刷が読みづらいことに驚いた。これは元々印刷の品質が悪かったのか?それとも長い年月で劣化したのだろうか?

さて、今日紹介するDisc1は、LPの1枚目(A面、B面)とEPの片面(E面)が収録されていマス。レコード時代の感覚で聴くと、最後の2曲(昔のE面)は少し違和感があるんだけどねぇ。

オススメ曲を紹介しマス。

「Love's In Need Of Today」
オープニングは、「ある愛の伝説」という邦題がピッタリの重厚感のあるバラード。この曲を聴いていると、“人間愛”というワードを思い浮かべ、とれも神聖な気持ちになりマス。

この曲はGeorge MichaelやBlackstreet「Love's in Need」といったカヴァーや、Busta Rhymes(Feat. Erykah Badu)「One」でサンプリングされていますよね。個人的には、日本では殆ど知られていないCompanyという男性R&Bグループの1993年発表のカヴァーが秀逸だと思いマス。

「Village Ghetto Land」
シンフォニーの調べが美しいナンバー。Warren G.「Ghetto Village」ネタ。

「Sir Duke」
Stevieの代表曲と言えるお馴染みのナンバー。シングルカットされ、ポピュラーチャート、R&Bチャートの両方で全米No1に輝いた。ご存知の通りDukeとはジャズ・ジャイアントDuke Ellingtonのことデス。決してデューク東郷ではありません(実は僕はゴルゴ13好きっす)。とっても、スウィンギーで陽気な心和むナンバーですよね。DJ Jazzy Jeff & the Fresh Prince「Let's Get Busy Baby」の元ネタ。

「I Wish」
これまた全米ポピュラーチャート、R&Bチャートの共にNo1に輝いた大ヒット曲。『Talking Book』収録の名曲「Superstition(邦題:迷信)」の進化形ってカンジの曲ですよねっ!Will Smith(Feat. Dru Hill & Kool Moe Dee)「Wild Wild West」の元ネタ。

「Knocks Me Off My Feet」
イントロのピアノだけで僕のハートを射止めてくれたStevieの才能を感じる1曲。名曲ずくしのこのアルバムの中でも個人的にお気に入りの1曲っす。Donell Jonesが1stでカヴァーしていましたね。Ja Rule(Feat. Bobby Brown) 「Thug Lovin'」の元ネタ。

「Pastime Paradise」
とってもラテンなんだけど、とっても深刻な雰囲気のStevieらしいナンバー。この曲はCoolio「Gangsta Paradise」のサンプリング・ネタとしても超有名ですよね。他にもThree 6 Mafia「3-6 In Da Morning」の元ネタっす。あと詳しくは知らないけど、僕の大好きなElvis Costello & The Attractionsの名曲「I Wanna Be Loved」(1984年)の間奏部分って、この曲がモチーフのような気がするんだけど、僕の勘違いなのかなぁ?

「Summer Soft」
「Knocks Me Off My Feet」と並ぶDisc1での僕のお気に入り曲っす。昔から、僕は何故だかこの曲とポップ職人Todd Rundgrenの隠れた名曲「Cold Morning Light」(アルバム『Something/Anything』収録)をセットで聴くのが好きっす。

「Ordinary Pain」
Stevieらしいコード進行が何ともウレシイ1曲。Erykah Badu「Penitentiary Philosophy」の元ネタ。

「Saturn」
Michael Sembelloとの共作。Sembelloと言えば、映画『Footloose』のサントラ収録の大ヒット曲「Manic」が有名ですよね。 とっても神秘的なムードを持ったバラード。

「Ebony Eyes」
かなりポップな仕上がりですね。Paul McCartneyとのデュエットによる大ヒット「Ebony And Ivory」(1982年)をリアルタイムで聴いた時、この曲を聴き直して感慨深かった記憶がありマス。

明日のPart2(Disc2)もお楽しみに!
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2006年03月29日

Jodeci『Diary Of A Mad Band』

チョイ悪だけど、見事なサウンド、ボーカル、コーラスのR&Bグループ☆Jodeci『Diary Of A Mad Band』
Diary of a Mad Band
発表年:1993年
ez的ジャンル:ストリート系男性R&Bグループ
気分は...:やる気満々

今日より、反省モードからやる気満々反攻モードへ転換っす!

それはさておき、間もなくサッカーUEFAチャンピオンズリーグの準々決勝1stlegですね。今晩は、アーセナル対ユベントス、ベンフィカ対バルセロナの2試合。

アーセナル対ユベントスは、かつてのアーセナルのキャプテンで現ユーべのビエラが、アーセナルのホームでファンからどのような反応を受けるのか、興味深いっす。トレセゲ対アンリのフランス代表FW対決も見逃せませんね。ユーべのデル・ピエロ、ネドベドの欠場が残念ですが...

ベンフィカ対バルセロナは、クーマン対ライカールトという、オランダが欧州チャンピオンとなった時の盟友が監督して激突するのは見物ですね。ベストメンバーが揃えば、圧倒的にバルサが有利だと思うけど、DF陣がケガ&出場停止で総崩れ状態なので、ホームのベンフィカにもチャンスがあるかも?

今回は90年代男性R&Bグループの中でお気に入りだったJodeciの2ndアルバム『Diary Of A Mad Band』っす。

Jodeciは、Cedric(K-Ci)とJoel(JoJo)のHailey兄弟とDonald(DeVante Swing)とDalvin(Mr. Dalvin)の DeGrateの兄弟によって結成された男性4人組R&Bグループであり、Boyz II Menのライバル的存在だった。日本では、Boyz II Menの方が圧倒的に注目度が高かったけどね。Jodeciはむしろ、Jodeci自体よりもHailey兄弟がK-Ci & JoJoとして活動を開始してから注目されるようになったカンジだったよね。

僕はJodeciのことなど全く知らなかったが、デビューアルバム『Forever My Lady』(1991年)は発売して間もない時期に購入した記憶がある。80年代後半からのNew Jack Swing(NJS)ブームの中、“第2のGuyの登場”を待ち望んでいた時期に試聴して一発で気に入ったのが『Forever My Lady』だった。

1993年に発表された本作『Diary Of A Mad Band』は、『Forever My Lady』に続く2ndアルバム。1stがNJS全開のハネハネ・ダンスナンバーが多かったのに対して、この2ndではストリート系のチョイ悪感覚を残しつつ、しっかり聴かせるJodeci独自のスタイルを確立し、Boyz II Menあたりとのスタンスの違いを鮮明に打ち出していマス。3rdアルバム『The Show, The After Party, The Hotel』(1995年)も捨て難いけど、曲単位のクオリティはこの2ndの方が高い気がします。

改めて振り返ると、このグループの要はDeVante Swingだったんだよね。K-Ci & JoJoが独立してアルバムを出すまで、好きなわりにはJodeciのメンバーなんて気にも留めていませんでシタ。

その意味では、サウンド・クリエイターとしてのDeVante Swingの才能を再確認できるアルバムっす。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Cry for You」
シングルカットされたスロー・ナンバー。見事なサウンド&コーラスワークを堪能できマス。前半をスロー・オンパレードにするあたりはDeVanteの自信の表れかね!

「Feenin'」
K-Ci & JoJoのボーカルを楽しめるスロー。K-Ci & JoJo時代よりも、あまり熱唱しすぎないこの頃の方がスキっす。あと、ボコーダー大好きの僕にとっては、Teddy Rileyっぽいボコーダー使いは嬉しい限りデス。

「What About Us」
ここではボコーダー使いの本家Zappの名曲「Computer Love」をサンプリング。Zapp、特に「Computer Love」好きの僕は一気にで昇天してしまいまマス。そのサンプリングを除いても、歌よし、コーラスよし、サウンドよしで文句ナシの名曲。勿論、アルバムで一番のお気に入りっす。

「Alone」
Jodeciらしい少し怪しげなストリート感覚が反映されたスロー。このあたりスタイルは後続のグループにも影響を与えたのでは?

「You Got It」
スロー中心の前半から、後半は一気にギアチェンジしてアップします。アップになってもDeVanteの見事な腕前は変わらず♪Sly & The Family Stone「Sing A Simple Song」ネタ。

「Won't Waste You」
1stでも見られた独特の少し引きずり気味の独特のグルーヴ感がクセになるJodeciならではのミディアム・ナンバー。なんと、Misdemenor of Sistaの名でMissy Eliottが参加していマス。Dobie Gray「Drive on, Ride on」ネタ

「In the Meanwhile」
この曲にはTimbalandが参加してマス。その影響か少し変態チックなグルーヴが何ともイイっす。James Brown「Payback」ネタ。

「Sweaty」
この曲もTimbaland & Missy Eliottが参加。まだブレイク前のTimbaland & Missy Eliottを起用するあたりに、DeVante Swingのセンスを感じますなぁ。

ファン方はご存知の通り、国内盤にはボーナストラックとして、Stevie Wonderの名曲「Lately」のカヴァーが収録されていマス。僕のCDは輸入盤なので、未収録っす。ちょっぴり残念!
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2006年03月28日

Roxy Music『Avalon』

Roxy Music有終の美、Bryan Ferryのダンディズム全開☆Roxy Music『Avalon』
Avalon
発表年:1982年
ez的ジャンル:ダンディズム系UKロック
気分は... :本日も反省中\(_ _。)ハンセイ

昨日に続き、今日も反省中!
ホント、ゴ・メ・ン・ナ・サ・イm(_ _)m
当事者以外は意味不明でご勘弁を!

さて、今回は全英アルバムチャート第1位に輝いた80年代UKロックを代表する名盤、Roxy Music『Avalon』(1982年)デス。

Roxy Musicは、リーダーのBryan Ferryを中心に結成され、1972年にアルバム『Roxy Music』でデビューした70年代のUKロックシーンを代表グループっす。初期メンバーにはアノBrian Enoも名を連ねていまシタ。

デビュー当時は、グラム・ロック、アバンギャルドなロックといったイメージが強かったグループだったが、その後ヨーロピアンの香り漂うロマンティシズム・ポップへと変化を遂げ、最期にはBryan Ferryのダンディズムを色濃く反映したスタイリッシュなサウンドを展開していった。

それにしてもBryan Ferryって不思議な人だと思う。世間一般のイメージとしては、セクシーでダンディなミュージシャンというカンジかもしれないけど、髪を振り乱し、摩訶不思議なクネクネ・ダンスを踊っている姿は、一歩間違えると超ダサイ系と紙一重のような気もする。でも、その紙一重のところで女心をくすぐる芳しきフェロモンを出しているんだろうね。ダンディズムとは真逆キャラの僕にはわかりましぇ〜ん!

多分、デビュー当時からリアルタイムで聴いてきたファンの方は、Roxy Musicの最高傑作として、中期の『Country Life』(1974年)、『Siren』(1975年)あたりをプッシュする方が圧倒的に多いと思いマス。一方、後追いでRoxy Musicを聴いた殆どの人は、本作『Avalon』を最高傑作として推すのではと思いマス。僕も後追い組というか、リアルタイムで聴いた唯一のアルバムが『Avalon』だったので、『Avalon』への思い入れが強いのですが。

『Avalon』レコーディング時点のRoxy Musicって、メンバーはBryan Ferry、Phil Manzanera、Andy Mackayの3人であり、実質的にはBryan Ferryのソロ・プロジェクトだった。多分、昔からのコアなファンにとって、『Avalon』ってアルバムは、内容の素晴らしさは認めるけど、Roxy Musicのアルバムとしては認めたくないっていうのが本音なんじゃないかなぁ?

実際、このアルバムの最大の魅力は、そのサウンド・クオリティの高さだと思う。そして、その魅惑のサウンド・クリエイトにおいては、エンジニアのBob Clearmountainや、Alan Spenner(b)やAndy Newmark(ds)といった腕利きスタジオ・ミュージシャンの貢献が大きい。ちなみにAndy Newmarkは元Sly & The Family Stoneのメンバーっす。この状況を見れば、Roxy Musicのアルバムではないという気持ちもわからなくはないよね。

アルバムタイトルのAvalonとは、アーサー王などの英雄が死後精霊となって辿り着いたという伝説の島のことなんだとか。FerryがRoxy Musicの最終到達点として、こんなタイトルにしたのかもね?

このアルバムでFerryは、ヨーロッパ的なミステリアスな雰囲気と、彼の憧れるアメリカ黒人音楽のグルーヴ感の融合を試みたのだと思いマス。結果として、まさにAvalonの名にふさわしい、サウンド・クオリティの高いヨーロッパ的感性によるメロウ・グルーヴ・アルバムに仕上がったってカンジですな。

オススメ曲を紹介しときヤス。

「More Than This」
アルバムからの1stシングルであり、CMソングとしても使われていたので、多分Roxy Musicで一番有名な曲だと思いマス。初めて聴いた時には、このクリアなサウンドにホント、ビックリした記憶がありヤス。ヨーロッパ的めくるめく官能サウンドと哲学的な詞のバランスが絶妙っす。特に反省中の僕にはズシリときます。

More than this - there is nothing
More than this - tell me one thing
More than this - there is nothing

「The Space Between」
「While My Heart Is Still Beating」
Ferry流ファンク・グルーヴといった趣のナンバー2曲。Andy Newmark起用の理由も、こうした硬質なファンクを表現したかったからなんじゃないかなぁ?

「Avalon」
エレガントでミステリアスなタイトル曲であり、アルバムからの2ndシングルにもなりまシタ。この曲あたりは、いかにもバハマのコンパス・ポイント・スタジオで録音ってカンジの雰囲気がします。後半の女性コーラスの魅惑のスキャットもイイっす。

「Take A Chance With Me」
FerryとPhil Manzaneraの共作曲。とってもヨーロピアンなカンジで、ある意味アルバム中最もRoxy Musicらしい曲かもねっ!

「To Turn You On」
とってもスタイリッシュなミディアム・ナンバー。この曲を聴いていると、Roxy Musicが実質Bryan Ferryのソロ・プロジェクトであることを実感してしまいマス。やっぱり、Roxy Musicには怪しげなアバンギャルドな要素が欲しい気がしマス。

「True To Life」
個人的にはアルバム中一番のお気に入り曲。邪道な聴き方だと思うけど、当時この曲をヨーロッパ的AORって感覚で聴いていた記憶がある。番組名は覚えていなかったが、学生の頃、日曜の夜聴いていたFMラジオ番組のCMでこの曲が流れていた。そんな関係で、僕はこの曲をみんなが寝静まった時間に聴くのが好きなんだよね。

「Tara」
エンディングは約1分半のインスト・ナンバー。「True To Life」の余韻を楽しめていいっす。

僕はこの路線のBryan Ferryが好きなので、続くソロ・アルバム『Boys and Girls』(1985年)、『Bete Noire』(1987年)あたりも好きっす。特に、『Boys and Girls』がオススメですね。
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2006年03月27日

The Doobie Brothers『Livin' On The Fault Line』

後期Doobie Brothersで一番のお気に入り☆The Doobie Brothers『Livin' On The Fault Line』
運命の掟
発表年:1977年
ez的ジャンル:クロスオーバーAOR系ウエストコースト・ロック
気分は... :反省\(-_-;)

昨晩、プライベートで、ちょっとした失敗をやらかして反省中\(T◇T )ハンセイ

そんな時の気分転換に聴いた1枚がThe Doobie Brothers『Livin' On The Fault Line』っす。

Doobie Brothersと言えば、Eaglesと並ぶ70年代ウエストコースト・ロックを代表するグループですよね。ちょうど僕がリアルタイムで洋楽を聴き始めた頃、この両グループの人気は絶頂期だった。僕の周囲の洋楽少年連中は圧倒的にEagles好きが多かったけど、僕はDoobiesの方が全然好きだったね。これは今でも変わらない。Eaglesも決してキライという訳ではなく、殆どの作品を持っているけど....やっぱりDoobiesだね!

Doobiesの場合、一般的には、Tom Johnstonがフロントマンだった前期だと、「Long Train Runnin'」収録の『The Captain and Me』(1973年)、Michael McDonaldがフロントマンとなった後期だと、グラミー受賞曲「What A Fool Believes」収録の『Minute by Minute』(1978年)あたりが代表作ということになるんじゃないかなぁと思う。

でも、僕が一番お気に入りのDoobiesのアルバムは『Livin' On The Fault Line』(1977年)っす。

6thアルバム『Takin' It to the Streets』(1976年)のレコーディングを前に、Tom Johnstonが病に倒れ、急遽グループに加入したのがMichael McDonaldだった。Tomの不在というグループの窮地を救ったと同時に、後期Doobiesの特徴であるクロスオーバー・サウンドをグループに持ち込んだMichaelであったが、『Takin' It to the Streets』の時点では、まだフロントマンという存在までには至らなかったカンジかなぁ。

続く7thアルバム『Livin' On The Fault Line』こそが、Michael McDonald色が全面に出た最初のアルバムだと思いマス。実際にMichaelの楽曲提供は全10曲中4曲程度なのだが、サウンド的には都会的なクロスオーバー色が完全に全体を支配している。また、このアルバムはTom在籍の最後のアルバムともなった。

このアルバム時点のメンバーは、Patrick Simmons(g、vo)、Tom Johnston(g、vo)、Michael McDonald(key、vo)、Jeff Baxter(g)、Tiran Porter (b)、John Hartman(ds)、Keith Knudsen(ds)っす。

クロスオーバーやAOR好きにとっては、『Minute by Minute』よりもハマるアルバムだと思いますよ!

オススメ曲を紹介しときやす。

「You're Made That Way」
後期Doobiesのサウンドを象徴するようなクロスオーバー感覚のAORナンバー。もちろんMichaelの作品。Michaelのオシャレなエレピに、魅惑のスモーキー・ボイス、ジャス/クロスオーバー的なリズム隊、Jeff Baxterの洒落たギター等々僕のど真ん中なサウンドっす。

「Echoes of Love」
アルバムの中の一番のお気に入り。これはMichaelではなく、Patの作品っす。Patらしい陽気なウエストコースト・サウンドっす。でも、前期Doobiesと異なり、スタイリッシュに仕上がっていマス。曲もいいけど、何と言っても、Doobiesらしい高揚感溢れるコーラスがたまりません。何か、真夏のビーチでコーラを飲みながら聴きたい曲っす。

「Little Darling (I Need You)」
シングルカットもされた、Michaelのブルー・アイド・ソウル的なセンスを堪能できるナンバー。実は、モータウン無敵のソングライティング・トリオH-D-H(Brian Holland、Lamont Dozier、Edward Holland,Jr.)によるMarvin Gayeの1966年の作品のカヴァーっす。

「You Belong to Me」
Doobiesの代表的ナンバーの1つに数えられるMichaelとCarly Simonの共作。淡々として雰囲気が都会のクールネスってカンジだね。Carlyのバージョンはアルバム『Boys in the Trees』(1978年)に収録されていマス。

「Livin' on the Fault Line」
とってもSteely DanなナンバーなんだけどPatの作品っす。前期Doobiesのダイナミズムを残しつつ、後期Doobiesならではのクロスオーバー・サウンドが展開されていマス。後半のギター・カッティングなんかは明らかにDoobiesっぽいんだけどねぇ...

「Nothin' But a Heartache」
「There's a Light」
『If That's What It Takes』等のMichaelのソロ作品を予感させるメロウネスたっぷりのスロー2曲。「Nothin' But a Heartache」はMichael独特のコード展開がクセになりマス。「There's a Light」は、Michaelお得意の夕陽の海岸で聴きたくなるロマンティックなナンバー。

「Chinatown」
オリエンタルな雰囲気漂うPatの作品デス。途中、とっても和風な展開も聴かせてくれマス。とってもミステリアスな雰囲気ですな。

「Larry the Logger Two-Step」
アルバムのラストを飾るのは、前期Doobiesを思わせるPatとJeffによる1分強のアコースティックギターによるインスト・ナンバー。Patの作品デス。アルバム全体の雰囲気と明らかにミスマッチのこの曲が、Patから本作を最後にグループ去っていくTomへの惜別のように聴こえてなりません。

本作でMichael体制を確立したDoobiesは、翌年にグループ最大の成功作となる8thアルバム『Minute by Minute』(1978年)を発表することになる。
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